説明

回転ドア装置

【課題】 トイレなどの室を、使用中は広くでき、不使用時には、室外を広くできるようにする。
【解決手段】 表面11が凸面状に形成され、裏面12が凹面状に形成された扉板10を、室の出入口4に回動可能に軸着して、扉板10の表面11が室内側となって出入口4を閉鎖できると共に、扉板10の表面11が室外側となって出入口4を閉鎖できるようにした回転ドア装置。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、トイレや洗面所などのドア装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来トイレなどのドアは、出入口にヒンジで取付けられる平板状のドアを備えたものが普及している。
【0003】
しかし、前記のようなドアは、室内の利用効率を向上させる点について何の配慮もされていない。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
そこで、本考案は、トイレ又は洗面室などの室を、使用中は広くでき、そして、不使用時には、室外を広くできるようにすることを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の考案は、表面11が凸面状に形成され、裏面12が凹面状に形成された扉板10を設け、この扉板10に、扉板10を支持する支持体20を設け、この支持体20を室の出入口4に回動可能に軸着して、扉板10の表面11が室内側となって出入口4を閉鎖できると共に、扉板10の表面11が室外側となって出入口4を閉鎖できるように形成して回転ドア装置とした。
【0006】
第2の考案は、第1の考案において、支持体20を扉板10の縦方向の端部の一方のみに設けて、扉板10の縦方向の端部の一方のみを出入口4に軸着して回転ドア装置とした。
【0007】
第3の考案は、第1の考案において、支持体20を扉板10の縦方向の両方の端部に設けて、扉板10の縦方向の両方の端部を出入口4に軸着して回転ドア装置とした。
【0008】
第4の考案〜第6の考案は、第1の考案〜第3の考案のいずれかの考案において、支持体20をアーム20aで形成して回転ドア装置とした。
第7の考案〜第9の考案は、第1の考案〜第3の考案のいずれかの考案において、支持体20を板状体20bで形成して回転ドア装置とした。
【0009】
【考案の実施の形態】
以下本考案の実施の形態を、図に基づいて説明する。
図1〜図6は、本考案の一実施の形態の回転ドア装置の説明用の図である。
【0010】
この実施の形態の回転ドア装置は、天井1と壁2・2、及び床3で囲まれたトイレ又は洗面所の室の出入口4に装着されるものである。
前記出入口4に装着される扉板10は、表面11が凸面状に形成され、裏面12が凹面状に形成されている。
【0011】
そして、前記扉板10の、裏面12の中央部には、携帯品などを載置する台14が設けてある。
そして、前記台14の両側部に接して、かつ、両側部に固着されて、2条のアーム基部21が、扉板10の裏面11と所定の間隔を保って上方に延ばして設けてある。
【0012】
そして、前記2条のアーム基部21の上方の端部から、扉板10の内方に向かって水平方向に延びる、アーム20aが設けてあり、この2条のアーム20aの先端部は、連結されて軸26が取付けられており、このアーム20aは、扉板10を支持するものである。
【0013】
そして、前記アーム20aは、扉板10を支持する支持体20であり、そして、このアーム20aとアーム基部21は、金属製のパイプ又は金属製の棒で形成されている。
【0014】
また、前記台14の下面には、下方に延びる1条のアーム基部21が固着され、さらに、この1条のアーム基部21の上端には、水平方向に延びて、前記2条のアーム基部21の下部近くに固着されている。
【0015】
そして、この1条のアーム基部21の下方の端部から扉板10の内方の水平方向に向かって延びるアーム20aが設けてあり、このアーム20aの先端部は、下方に向かって垂下され、その先端に軸26が設けてあり、この軸26は、床3に設けられた軸受27で支承されるように形成されており、このアーム20aは、前記扉板10の上方の端部に設けられたアーム20aと同様に扉板10を支持するものである。
【0016】
この実施の形態の回転ドア装置は、扉板10の上方に設けた軸26を、室の出入口4付近の天井1に貫通して設けた軸受27に回動自在に嵌入し、扉板10の下方に設けた軸26を、室の出入口4付近の床3に埋設して設けた軸受27に回動自在に嵌入して、扉板10を装着している。
【0017】
そして、この回転ドア装置は、図4に示す、扉板10の表面11が室内側となって出入口4を閉鎖する位置で、図示してない施錠装置で、扉板10が固定され、また、図6に示す、扉板10の表面11が室外側となって出入口4を閉鎖する位置で、前記施錠装置で、扉板10が固定されるように形成してある。
【0018】
そして、この回転ドア装置は、扉板10を支持する支持体20を構成するアーム20aと、このアーム20aを軸着する軸26を、扉板10の縦方向の端部である扉板10の上方の端部、又は扉板10の下方の端部のうち、一方の端部のみに設けて、天井1又は床3に設けた軸受27に軸着し、扉板10の他方の端部には、アーム20aと軸26を設けず、軸着しないように形成することもできるものである。
【0019】
この実施の形態の回転ドア装置は、室内を使用しない場合は、図4に示すように、扉板10を、扉板10の表面11が室内側となって、出入口4を閉鎖するようにする。
【0020】
そうすると、扉板10は凹面状に形成された裏面12が室外側となり、室外は広くなり、室外が使い易くなる。
次に、室内を使用しようとする場合は、図5に示すように、扉板10を、略90度回動させる。そして、室を使用しようとする者は、扉板10の裏面12と、壁2の間の出入口4を通って室内に入る。
【0021】
そして、図6に示すように、さらに、扉板10を略90度回動させて、扉板10の表面11を室外側として、出入口4を閉鎖する。
そうすると、扉板10は凹面状に形成された裏面12が室内側となって、室内は広くなり、室内が使い易くなる。
【0022】
そして、室内から室外に出るには、室内に入る場合と同様に、扉板10を略90度回動させて、図5に示すようにして、室外に出て、さらに、扉板10を略90度回動させて、図4に示すように、扉板10の凸面状の表面11を室内側として、出入口4を閉鎖する。
【0023】
そして、扉板10を支持する支持体20を構成するアーム20a、又は、後記する板状体20bと、前記支持体20を軸着する軸26を、扉板10の上方の端部、又は扉板10の下方の端部のうち、一方の端部のみに設けた回転ドア装置は、装置が簡略化されるものである。
【0024】
図7及び図8は、本考案の他の実施の形態の回転ドア装置の説明用の図である。
以下さきの一実施の形態と同様の部分は同一の符号を用いて説明を省略し、また、同様の作用についても説明を省略した。
【0025】
この実施の形態の回転ドア装置は、扉板10の上方の端部と下方の端部に、扉板10を支持する支持体20となる板状体20bを、横方向に張設するようにして取付けてある。
【0026】
そして、前記一実施の形態の扉板10の軸26が、図3に示すように、扉板10の側縁13より外方に設けられているのに対し、この実施の形態の扉板10の軸26は、図7に示すように、扉板10の側縁13より内方に設けられており、軸26が、扉板10の重心に近付けて設けてあり、扉板10が安定して回動できるように形成してある。
【0027】
そして、この実施の形態の扉板10も、扉板10の上方の端部と下方の端部のうち、一方の端部のみに、板状体20bと軸26を設けて、天井1又は床3に軸着するように形成できるものである。
【0028】
【考案の効果】
本考案の回転ドア装置は、表面11が凸面状に形成され、裏面12が凹面状に形成された扉板10を設け、この扉板10を支持する支持体20を室の出入口4に軸着して、扉板10の表面11が室内側となって出入口4を閉鎖できると共に、扉板10の表面11が室外側となって出入口4を閉鎖できるように形成したものである。
【0029】
したがって、室内を使用しない場合は、扉板10の凹面状に形成された裏面12を室外側として、室外を広くでき、室外を使い易くできるものである。
そして、室内を使用する場合は、扉板10の凹面状に形成された裏面12を室内側として、室内を広くでき、室内を使い易くできるものである。
【0030】
そして、支持体20を扉板10の縦方向の端部の一方のみに設けて、出入口4に軸着した考案は、扉板10の構成を簡単なものにすることができる。
また、支持体20をアーム20aで形成した考案は、扉板10を安定して回動できるものに形成できる。
【0031】
そして、支持体20を板状体20bで形成した考案は、扉10を簡単な構成でありながら、安定して回動できるものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施の形態の斜視図
【図2】本考案の一実施の形態の室の不使用状態の正面図
【図3】本考案の一実施の形態の出入口の開放状態の一部縦断した正面図
【図4】本考案の一実施の形態の室の不使用状態の下部の横断面図で図2のA−A線の断面図
【図5】本考案の一実施の形態の出入口の開放状態の上部の横断面図で図3のB−B線の断面図
【図6】本考案の一実施の形態の室の使用状態の下部の横断面図
【図7】本考案の他の実施の形態の出入口の開放状態の縦断正面図
【図8】本考案の他の実施の形態の室の不使用状態の上部の横断面図
【符号の説明】
1 天井
2 壁
3 床
4 出入口
10 扉板
11 表面
12 裏面
13 側縁
14 台
20 支持体
20a アーム
20b 板状体
21 アーム基部
26 軸
27 軸受

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 表面11が凸面状に形成され、裏面12が凹面状に形成された扉板10を設け、この扉板10に、扉板10を支持する支持体20を設け、この支持体20を室の出入口4に回動可能に軸着して、扉板10の表面11が室内側となって出入口4を閉鎖できると共に、扉板10の表面11が室外側となって出入口4を閉鎖できるように形成した回転ドア装置。
【請求項2】 支持体20を扉板10の縦方向の端部の一方のみに設けて、扉板10の縦方向の端部の一方のみを出入口4に軸着した請求項1記載の回転ドア装置。
【請求項3】 支持体20を扉板10の縦方向の両方の端部に設けて、扉板10の縦方向の両方の端部を出入口4に軸着した請求項1記載の回転ドア装置。
【請求項4】 支持体20をアーム20aで形成した請求項1〜請求項3のいずれかに記載した回転ドア装置。
【請求項5】 支持体20を横方向に設けた板状体20bで形成した請求項1〜請求項3のいずれかに記載した回転ドア装置。

【図2】
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【図4】
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【図8】
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【図1】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【登録番号】第3020427号
【登録日】平成7年(1995)11月1日
【発行日】平成8年(1996)1月23日
【考案の名称】回転ドア装置
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平7−7112
【出願日】平成7年(1995)7月12日
【出願人】(000155333)株式会社木村技研 (29)