説明

回転モップ

【課題】駆動装置と新規の分離結合装置を連結した回転モップを提供する。
【解決手段】本発明に開示する回転モップは、主に、他の一端に第二伸縮棒を嵌着する第一伸縮棒に連結するハンドルと、第一伸縮棒内に設ける駆動装置と、第二伸縮棒内に設置する分離結合装置と、第二伸縮棒の他の一端に設置するクリーン装置とを含む。分離結合装置は第一伸縮棒内に設置した嵌合筒を含み、嵌合筒の内側底部には一方向歯を備え、嵌合筒開口箇所を枢着回転座に嵌着し、嵌合筒は枢着回転座上を回転する。嵌合筒内には一方向冠歯車を嵌着し、一方向冠歯車は前記嵌合筒内の一方向歯と噛合する。尚、一方向冠歯車と枢着回転座間にはばねを設ける。駆動装置の螺旋棒の一端は枢着回転座及びばねを貫通し、一方向冠歯車と定位し合う。本発明は、分離結合装置によって駆動装置とクリーン装置間が連動するかどうかをコントロールし、並びに、分離結合装置内の一方向冠歯車と枢着回転座間のばねの緩衝作用によって、内部部品の摩擦によって生じる損耗を減少させ、使用寿命を延長させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は回転モップに関し、特に、回転モップの駆動装置と新規の分離結合装置を連結した回転モップに係る。
【背景技術】
【0002】
使用者が気軽に便利にモップの毛の部分を絞ることができるように、現在、市場には多種の回転モップが出現している。これにより使用者は、回転機構を利用したモップ盤回転によって気軽に水切り効果を生じさせ、予期した通りに毛の部分を絞ることができる。
【0003】
現在市場に多種存在する回転モップの内、ペダルを使用しない押圧棒式回転モップが最も人気が高い。従来の押圧棒式回転モップ技術は、回転体と軸方向に回転体を貫通する螺旋孔を含み、螺旋棒を螺旋孔に軸方向での貫通をして一方向軸受けに嵌設し、伸縮棒の第二端を回転体の第一端に密着するよう組み合わせ、モップヘッドを伸縮棒の第一端に連結し、押圧棒を螺旋棒周囲に嵌設し、その第一端を相互に連結した回転体と伸縮棒の外部でスライドする状態で組み合わせ、第二端を螺旋棒の第二端と接合させることを特徴とする。
【0004】
回転モップを自由に回転する水切り部に入れ、前記押圧棒に下方向の圧力をかけると、伸縮棒は押圧棒内に収縮し、伸縮棒によって押圧される回転体が螺旋棒に沿って回転する。それと同時に、連動される伸縮棒、モップヘッド、及び水切り部は回転して遠心力を生じさせ、モップの水分は水切り部で絞り出される。
【0005】
従来の押圧棒式回転モップが回転動作を完了させる技術手段は、一方向軸受けを螺旋棒の第二端に嵌設し、押圧棒に対して軸方向の下向きに圧力をかけて、伸縮棒を押圧棒内に収縮させる。この時、一方向軸受けの働きにより螺旋棒は回転することなく、回転体は螺旋棒のストロークに沿って回転して上方向に移動する。また、連動される伸縮棒の回転により、モップヘッドも同時に回転して遠心力を生じさせ、該遠心力がモップの毛に含まれる水分を絞り出す。
【0006】
従来の押圧棒式回転モップは、従来のペダル機構を用いて遠心力を生じさせるモップの水切り方式とは異なり、手動でモップヘッド及び水切り部を回転させて遠心力を得るものである故、大幅にコスト削減できる。
【0007】
しかしながら、従来の押圧棒式回転モップは、回転体、螺旋棒、及び一方向軸受け等の部品を用いて回転動作を完了させるものであり、螺旋棒と一方向軸受け間には直接的に回転作用が繰り返される。両者間には振動緩衝設計がないため、回転体、螺旋棒、及び一方向軸受け等の部品には磨耗が生じ易く、回転のスムーズ性に影響を及ぼすだけでなく、長期的に使用すると、押圧棒式回転モップの使用寿命を短縮することにもなる。
【0008】
発明者は前述の欠点に鑑み特に本発明を提起し、本発明の提起によって以上の欠点を改善し、該製品をより完璧、理想的、実用性のあるものにする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の主な目的は、駆動装置と連動装置を分離及び結合させる分離結合装置を設置することにより、回転モップの回転、駆動等の部品に緩衝作用を生じさせ、摩耗を軽減し使用寿命を更に延ばす回転モップを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前述目的を達成するために、本発明の具体的な技術手段には、ハンドルと駆動装置と分離結合装置とクリーン装置とを含む。前記ハンドルは、第一伸縮棒に連結し、第一伸縮棒の他の一端には第二伸縮棒を嵌着し、第一伸縮棒と第二伸縮棒間は互いが軸方向に伸縮する。前記駆動装置は、螺旋棒と螺旋棒穴を備える螺旋体とを含み、螺旋体は第二伸縮棒内に配置し、螺旋棒は螺旋棒穴に沿って螺着し螺旋体を貫通し、螺旋棒は螺旋体の螺旋棒穴の回転に従いスライド移動する。尚、螺旋棒の一端には位置限定端を設ける。前記分離結合装置は、前記第一伸縮棒内に設置した嵌合筒を含み、嵌合筒の内側底部には一方向歯を備え、嵌合筒開口箇所を枢着回転座に嵌着し、嵌合筒は枢着回転座上を回転する。嵌合筒内には一方向冠歯車を嵌着し、一方向冠歯車は前記嵌合筒内の一方向歯と噛合する。尚、一方向冠歯車と枢着回転座間にはばねを設ける。前記駆動装置の螺旋棒の一端は枢着回転座、座金、及びばねを通り、一方向冠歯車と定位し合う。前記分離結合装置の一方向歯及び一方向冠歯車の回転方向と駆動装置の螺旋棒の回転方向は同様とする。前記クリーン装置は、拭取部材を備えるモップ盤を含み、拭取部材は適当量のモップの毛とする。尚、クリーン装置のモップ盤は、枢着装置を用いて前記第二伸縮棒と枢着する。
【0011】
次に、前述した技術手段によって本発明が達成可能な効果を具体的に示す。使用者が本発明を回転させて脱水したい場合は、本発明のモップ盤を回転モップ専用バケツの水切り部内に入れる。適当に配置した後、使用者は本発明のハンドルを下方に圧し、下方に圧したハンドルが第一伸縮棒と分離結合装置を連動してそれらを共に下方に圧する。また、分離結合装置の嵌合筒内の一方向歯は一方向冠歯車の歯と接触し相互に噛合する。この時、一方向冠歯車は嵌合筒内の一方向歯の制御を受けて逆方向回転ができなくなり、下方に圧した分離結合装置によって駆動装置の螺旋棒は下方に圧迫されて螺旋体を通過し、螺旋体は螺旋棒の螺旋に従い回転運動を起こす。螺旋体の回転が第二伸縮棒、枢着装置、及びクリーン装置を連動し、それらを回転させる。クリーン装置を回転させると、拭取部材に付着した水分は、水切り部内で絞られ、絞り出された水分はバケツ内に集められ、拭取部材は床拭きに適当な状態となる。
【0012】
前記分離結合装置の嵌合筒内の一方向歯が一方向冠歯車に接触してそれを押圧する時、一方向冠歯車と枢着回転座間のばねは一方向歯と一方向冠歯車間の衝突作用力を吸収し、二者の摩擦によって生じる部材の騒音と振動を低下させる。
【0013】
本発明は台湾特許出願番号第098102868号の回転モップを更に改良したものであり、前記発明と比較し、その構造は更に精巧簡単で、コストを更に削減するが、前記発明と同様に、拭取部材に最良の回転脱水効果を生じさせることができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の回転モップは、駆動装置と連動装置を分離及び結合させる分離結合装置を設置することにより、回転モップの回転、駆動等の部品に緩衝作用を生じさせ、摩耗を軽減し使用寿命を更に延ばす効果を備える。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明回転モップの立体斜視図である。
【図2】本発明回転モップの立体分解図である。
【図3】本発明回転モップの分離結合装置の立体分解図である。
【図4】本発明回転モップの分離結合装置が噛み合っていない状態の断面図である。
【図5】本発明回転モップの分離結合装置が噛み合った状態の断面図である。
【図6】本発明回転モップの全体構造断面図及び一部拡大断面図である。
【図7】本発明回転モップの全体構造断面図及び一部拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の回転モップの構成及び生じる効果に基づき、図面を参照した本発明の好ましい実施例についての詳細説明を次のとおり行う。
【0017】
図1、図2に示すとおり、本発明の回転モップは、ハンドル1と駆動装置4と分離結合装置2とクリーン装置7とを含む。前記ハンドル1は第一伸縮棒3に連結し、第一伸縮棒3の他の一端には第二伸縮棒5を嵌着し、第一伸縮棒3と第二伸縮棒5間は互いが軸方向に伸縮する。
【0018】
駆動装置4は、螺旋棒41と螺旋棒穴420を備える螺旋体42とを含み、螺旋体42は第二伸縮棒5内に配置し、螺旋体42内には螺旋棒穴420を備え、螺旋棒41は螺旋棒穴420に沿って螺着し螺旋体42を貫通し、螺旋棒41は螺旋体42の螺旋棒穴420の回転に従いスライド移動する。螺旋棒41の一端には位置限定端410を設け、位置限定端410にはピン4101を挿設し、位置限定端410はピン4101によって螺旋棒41を螺旋体42でストップさせ、軸方向に移動する範囲が螺旋体42を超えないよう制限する。
【0019】
図3、図4、及び図5に示すとおり、分離結合装置2は第一伸縮棒3内に設置した嵌合筒21を含み、嵌合筒21の内側底部には一方向歯211を備え、嵌合筒21開口箇所を枢着回転座23に嵌着し、嵌合筒21は枢着回転座23上を回転する。嵌合筒21内には一方向冠歯車22を嵌着し、一方向冠歯車22は前記嵌合筒21内の一方向歯211と噛合する。一方向冠歯車22と枢着回転座23間にはばね24を設け、ばね24の両端には座金240を設ける。前記駆動装置4の螺旋棒41の位置限定端410の逆側の一端を枢着回転座23、座金240、及びばね24に通し、一方向冠歯車22と固定ピンで固定する。
【0020】
前記分離結合装置2の一方向歯211及び一方向冠歯車22の回転方向と駆動装置4の螺旋棒41の回転方向は同様とする。
【0021】
クリーン装置7は、拭取部材711を備えるモップ盤71を含み、拭取部材711は適当量のモップの毛とし、モップ盤71には嵌合口70を備える。クリーン装置7のモップ盤71は、枢着装置6を用いて前記第二伸縮棒5と枢着し、枢着装置6は枢着体61を嵌合部60に枢着し、枢着体61と第二伸縮棒5を連結する。嵌合部60はモップ盤71の嵌合口70に嵌着し、使用者は必要に応じて迅速にモップ盤71を着脱できるため、使用は非常に簡便である。
【0022】
前記第一伸縮棒3、第二伸縮棒5、駆動装置4、分離結合装置2、枢着装置6、及びクリーン装置7は軸方向に配列した関係をなす。
【0023】
図6及び図7に示すとおり、使用者が本発明を回転させて脱水したい場合は、本発明のモップ盤を回転モップ専用バケツの水切り部内に入れる(従来技術であるため未図示。技術手段については省略する)。適当に配置した後、使用者は本発明のハンドル1を下方に圧し、下方に圧したハンドル1が第一伸縮棒3と分離結合装置2を連動してそれらを共に下方に圧する。また、分離結合装置2の嵌合筒21内の一方向歯211は一方向冠歯車22の歯と接触し相互に噛合する。この時、一方向冠歯車22は嵌合筒21内の一方向歯211の制御を受けて逆方向の回転ができなくなる。下方に圧した分離結合装置2によって駆動装置4の螺旋棒41は下方に圧迫されて螺旋体42を通過し、螺旋体42は螺旋棒41の螺旋に従い回転運動を起こし、螺旋体42の回転によって第二伸縮棒5、枢着装置6、及びクリーン装置7も回転する。
【0024】
前記分離結合装置2の嵌合筒21内の一方向歯211が一方向冠歯車22に接触して押圧する時、一方向冠歯車22と枢着回転座23間のばね24は一方向歯211と一方向冠歯車22間の衝突作用力を吸収し、二者の摩擦による損耗を低下させる働きを担い、これにより使用寿命は更に延長される。
【0025】
前述とは逆に、使用者が本発明のハンドル1を上に持ち上げた時、ハンドル1と一緒に分離結合装置2も上に引っ張られ、分離結合装置2の嵌合筒21内の一方向歯211が一方向冠歯車22の歯から離脱し二者は分離状態となる。一方向冠歯車22が一方向歯211との制御から脱すると、一方向冠歯車22は駆動装置4と螺旋体42の回転方向とは逆に回転し、第二伸縮棒5とクリーン装置7を連動することなく、確実に一方向回転を維持させる。
【0026】
クリーン装置7を回転させると、拭取部材711に付着した水分は、水切り部で絞られ、絞り出された水分はバケツ内に集められ、拭取部材711は床拭きに適当な状態となる。
【0027】
本発明は新規の分離結合装置によって、内部の各部品の摩擦や衝撃を緩衝するため、製品の使用寿命を更に延ばすことができる他、分離結合装置2がばね24の緩衝を受けるため、使用者が繰り返し下方にハンドル1を圧する時であっても、ハンドル1の振動を小さくし、手の感触を更に安定させ、部品によって生じる騒音を更に小さくすることができる。
【0028】
前述した通り、本発明の回転モップの技術内容は完全に特許の出願要件に符合するものである。また、本発明は産業上の利用価値を確実に備えており、出願以前に刊行物には見られず公開使用もされておらず非公知技術である。さらに、本発明は従来技術中に長期的に存在する問題を効果的に解決し、使用者と消費者の長期的な要望を達成することから、本発明が簡単に完成したものではないことを証明できる。よって、本発明は、特許法の規定する産業上利用可能性、新規性、進歩性等の要件を充分に備えるものとして、特許法に依拠して特許の出願を行います。尚、出願者の知的財産権を保護し創作を激励して頂くためにも、貴庁には詳細なる調査と早期の許可をお願い申し上げます。
【0029】
本発明は前記実施例により説明した通りであるが、その形態及び詳細は、本発明の精神を逸脱せずに変化させることも可能であり、並びに、本分野に熟知する技術員による理解も可能である。前述した本発明の好ましい実施例は、単に、本発明の原理に基づいた具体的な実施方式の一つであり、本発明の実施範囲は、これによって限定されることなく、後述する特許登録請求の範囲に規定する内容を基準とする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルと駆動装置と分離結合装置とクリーン装置とを含む回転モップにおいて、
前記ハンドルは、第一伸縮棒に連結し、第一伸縮棒の他の一端には第二伸縮棒を嵌着し、第一伸縮棒と第二伸縮棒間は互いが軸方向に伸縮し、
前記駆動装置は、螺旋棒と螺旋棒穴を備える螺旋体とを含み、螺旋体は第二伸縮棒内に配置し、螺旋棒は螺旋棒穴に沿って螺着し螺旋体を貫通し、螺旋棒は螺旋体の螺旋棒穴の回転に従いスライド移動し、
前記分離結合装置は、前記第一伸縮棒内に設置した嵌合筒を含み、嵌合筒の内側底部には一方向歯を備え、嵌合筒開口箇所を枢着回転座に嵌着し、嵌合筒は枢着回転座上を回転し、嵌合筒内には一方向冠歯車を嵌着し、一方向冠歯車は前記嵌合筒内の一方向歯と噛合し、一方向冠歯車と枢着回転座間にはばねを設け、前記駆動装置の螺旋棒の一端は前記枢着回転座及びばねを貫通し、一方向冠歯車と定位し合い、
前記クリーン装置は、前記第二伸縮棒に枢着することを特徴とする回転モップ。
【請求項2】
前記螺旋棒の一端には位置限定端を設け、該位置限定端は螺旋棒を螺旋体でストップさせ、移動範囲が螺旋体を超えないよう制限することを特徴とする請求項1に記載の回転モップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2013−513446(P2013−513446A)
【公表日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−543462(P2012−543462)
【出願日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際出願番号】PCT/CN2011/000051
【国際公開番号】WO2012/051780
【国際公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【出願人】(599106916)
【Fターム(参考)】