説明

回転体の回転範囲規制機構および産業用ロボット

【課題】塵埃の発生や異音の発生を抑制することが可能な回転体の回転範囲規制機構を提供する。
【解決手段】支持体5に対して360°以上回転可能な回転体の回転範囲を規制する回転範囲規制機構31は、支持体5に揺動可能に取り付けられる揺動部材45と、揺動部材45に当接して揺動部材45の一方側の揺動範囲を規制する第1規制部材46と、揺動部材45に当接して揺動部材45の他方側の揺動範囲を規制する第2規制部材47と、回転体に固定されるとともに、揺動部材45に係合して、揺動部材45が第1規制部材46に当接する第1規制位置と揺動部材45が第2規制部材47に当接する第2規制位置との間で、揺動部材45を揺動させる係合部材48と、磁気吸引力によって第1規制位置で揺動部材45を保持する第1磁気保持機構51と、磁気吸引力によって第2規制位置で揺動部材45を保持する第2磁気保持機構52とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持体に対して360°以上回転可能な回転体の回転範囲を規制する回転体の回転範囲規制機構に関する。また、本発明は、かかる回転体の回転範囲規制機構を備える産業用ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体ウエハ等のワークを搬送する産業用ロボットとして、床面に固定される基部と、基部に回転可能に取り付けられる胴体と、その基端部が胴体に固定される第1アームと、その基端部が第1アームの先端部に回転可能に取り付けられる第2アームと、その基端部が第2アームの先端部に回転可能に取り付けられるハンドとを備える産業用ロボットが知られている(たとえば、特許文献1参照)。特許文献1に記載の産業用ロボットでは、基部は、昇降可能な昇降台を備えており、胴体は、第1アームの基端部が固定される胴体フレームを備えている。
【0003】
この産業用ロボットでは、胴体フレームは、昇降台に対して360°以上回転可能になっており、昇降台と胴体フレームとの間には、胴体フレームの回転範囲を規制するストッパ部が設けられている。ストッパ部は、昇降台に回動可能に取り付けられるL字状のストップ部材と、胴体フレームに固定されるストップピンと、ストップ部材の回動範囲を規制する2個のストッパと、ストップ部材がストッパに当接している状態を保持するためのストップローラとを備えている。ストップ部材を支持する回動軸には、ストップローラが係合する2個の軸線方向溝が形成され、ストップローラは、バネによって回動軸に向かって付勢されている。ストッパ部では、ストップローラが一方の軸線方向溝に係合すると、一方のストッパにストップ部材が当接している状態が保持され、ストップローラが他方の軸線方向溝に係合すると、他方のストッパにストップ部材が当接している状態が保持されている。
【0004】
特許文献1に記載の産業用ロボットでは、L字状のストップ部材の内側からストップ部材にストップピンが当接するように胴体フレームが回転するときには、ストップピンがストップ部材を倒して胴体フレームが回転する。一方、L字状のストップ部材の外側からストップ部材にストップピンが当接するように胴体フレームが回転するときには、ストッパに当接するストップ部材にストップピンが当接して、胴体フレームが停止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−170384号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の産業用ロボットでは、ストップ部材がストッパに当接している状態を保持するためのストップローラが、ストップ部材を支持する回動軸に向かって付勢されており、ストップローラは、常時、回動軸に接触している。したがって、この産業用ロボットでは、回動軸の回動に伴って、ストップローラと回動軸との接触部分から塵埃が発生するおそれがある。また、この産業用ロボットでは、回動軸の回動に伴って、ストップローラと回動軸との接触部分から異音が発生するおそれがある。
【0007】
そこで、本発明の課題は、支持体に対して360°以上回転可能な回転体の回転範囲を規制する回転体の回転範囲規制機構において、塵埃の発生や異音の発生を抑制することが可能な回転体の回転範囲規制機構を提供することにある。また、本発明の課題は、かかる回転体の回転範囲規制機構を備える産業用ロボットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、本発明の回転体の回転範囲規制機構は、支持体に対して360°以上回転可能な回転体の回転範囲を規制する回転体の回転範囲規制機構であって、支持体に揺動可能に取り付けられる揺動部材と、支持体に固定または形成されるとともに揺動部材に当接して揺動部材の一方側の揺動範囲を規制する第1規制部材と、支持体に固定または形成されるとともに揺動部材に当接して揺動部材の他方側の揺動範囲を規制する第2規制部材と、回転体に固定または形成されるとともに、揺動部材に係合して、揺動部材が第1規制部材に当接する第1規制位置と揺動部材が第2規制部材に当接する第2規制位置との間で、揺動部材を揺動させる係合部材と、磁気吸引力または磁気反発力によって第1規制位置で揺動部材を保持する第1磁気保持機構と、磁気吸引力または磁気反発力によって第2規制位置で揺動部材を保持する第2磁気保持機構とを備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の回転体の回転範囲規制機構では、第1磁気保持機構の磁気吸引力または磁気反発力によって、揺動部材が第1規制部材に当接する第1規制位置で揺動部材が保持され、第2磁気保持機構の磁気吸引力または磁気反発力によって、揺動部材が第2規制部材に当接する第2規制位置で揺動部材が保持されている。したがって、支持体に対して回転体を360°以上適切に回転させるために、第1規制位置や第2規制位置で揺動部材を保持する必要があっても、第1規制位置や第2規制位置で揺動部材を保持するための部材を揺動部材に接触させる必要がない。そのため、本発明では、第1規制位置と第2規制位置との間で揺動する揺動部材の揺動に伴う塵埃の発生や異音の発生を抑制することが可能になる。
【0010】
本発明において、たとえば、第1磁気保持機構および第2磁気保持機構は、揺動部材または支持体の一方に固定される永久磁石と、揺動部材または支持体の他方に固定される磁性部材または永久磁石とを備えている。
【0011】
本発明において、回転体の回転軸の軸方向から見たときに、揺動部材の揺動中心は、回転体とともに回転する係合部材の軌跡である仮想円の外側に配置されていることが好ましい。このように構成すると、回転体の回転軸の軸方向から見たときに、揺動部材の揺動中心が仮想円の内側に配置されている場合と比較して、回転体の回転中心から係合部材までの距離を短くしても、係合部材によって揺動部材を適切に揺動させることが可能になる。したがって、係合部材の回転半径を小さくすることが可能になり、その結果、回転範囲規制機構を小型化することが可能になる。
【0012】
本発明において、揺動部材には、第1規制位置と第2規制位置との間で揺動部材が揺動する際に係合部材が係合する係合溝が形成され、係合部材は、略円柱状に形成され、係合溝の側面には、係合部材の外径と略等しい内径を有する略半円弧状の凹曲面が形成されていることが好ましい。第1規制位置と第2規制位置との間に揺動部材があるときに回転体が停止すると、第1磁気保持機構による揺動部材の保持力および第2磁気保持機構による揺動部材の保持力が作用しないため、回転体が停止しているにもかかわらず、揺動部材がふらつくおそれがあるが、このように構成すると、第1規制位置と第2規制位置との間に揺動部材があるときに、略半円弧状の凹曲面の比較的広い範囲に係合部材の外周面を接触させることが可能になるため、第1規制位置と第2規制位置との間に揺動部材があるときに回転体が停止しても、揺動部材のふらつきを係合部材で防止することが可能になる。
【0013】
本発明の回転体の回転範囲規制機構は、本体部と、その基端側が本体部に回動可能に取り付けられる第1アームと、その基端側が第1アームの先端側に回動可能に取り付けられる第2アームと、その基端側が第2アームの先端側に回転可能に取り付けられる第3アームと、その基端側が第3アームの先端側に回転可能に取り付けられるハンドとを備える産業用ロボットであって、たとえば、回転体が第3アームであり、支持体が第2アームである産業用ロボットに用いることができる。この産業用ロボットでは、揺動部材の揺動に伴う塵埃の発生や異音の発生を抑制することが可能になる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明の回転体の回転範囲規制機構および産業用ロボットでは、揺動部材の揺動に伴う塵埃の発生や異音の発生を抑制することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態にかかる産業用ロボットの概略側面図である。
【図2】図1に示す産業用ロボットが使用される半導体製造システムの概略平面図である。
【図3】図1に示す第3アーム駆動機構の構成を説明するための縦断面図である。
【図4】図3のE−E方向から第3アーム駆動機構の構成を説明するための図である。
【図5】図3に示す回転範囲規制機構の動作を説明するための図である。
【図6】図3に示す近接センサで磁性部材が検出されるときの第3アームの状態を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0017】
(産業用ロボットの概略構成)
図1は、本発明の実施の形態にかかる産業用ロボット1の概略側面図である。図2は、図1に示す産業用ロボット1が使用される半導体製造システム16の概略平面図である。
【0018】
本形態の産業用ロボット1は、半導体ウエハ2(図2参照)を搬送するための多関節型のロボットである。この産業用ロボット1は、図1に示すように、本体部3と、本体部3に回動可能に取り付けられる第1アーム4と、第1アーム4に回動可能に取り付けられる第2アーム5と、第2アーム5に回転可能に取り付けられる第3アーム6と、第3アーム6に回転可能に取り付けられるハンド7、8とを備えている。なお、以下の説明では、産業用ロボット1を「ロボット1」とし、半導体ウエハ2を「ウエハ2」とする。
【0019】
また、ロボット1は、第1アーム4および第2アーム5を回動させて第1アーム4と第2アーム5とからなるアーム部9を伸縮させるアーム部駆動機構11と、第3アーム6を回転駆動する第3アーム駆動機構12と、ハンド7を回転駆動するハンド駆動機構13と、ハンド8を回転駆動するハンド駆動機構14とを備えている。
【0020】
図2に示すように、ロボット1は、たとえば、半導体製造システム16に組み込まれて使用される。具体的には、ロボット1は、半導体製造システム16の入り口に配置され、カセット17に収納されているウエハ2を取り出して処理装置18の中へウエハ2を収納する。
【0021】
本体部3は、円筒状に形成されている。本体部3の内部には、第1アーム4を昇降させる昇降機構(図示省略)が収納されている。第1アーム4、第2アーム5および第3アーム6は、中空状に形成されている。第1アーム4の基端側は、本体部3に回動可能に取り付けられている。第2アーム5の基端側は、第1アーム4の先端側に回動可能に取り付けられている。第3アーム6の基端側は、第2アーム5の先端側に回転可能に取り付けられている。本形態では、上下方向において、本体部3と第1アーム4と第2アーム5と第3アーム6とが下側からこの順番で配置されている。
【0022】
ハンド7は、図2に示すように、上下方向から見たときの形状が略Y形状となるように形成されており、二股状になっているハンド7の先端部にウエハ2が搭載される。ハンド8は、ハンド7と同形状に形成されており、二股状になっているハンド8の先端部にウエハ2が搭載される。ハンド7、8の基端側は、第3アーム6の先端側に回転可能に取り付けられている。ハンド7、8は、上下方向で重なるように配置されている。また、ハンド7、8は、第3アーム6よりも上側に配置されている。
【0023】
なお、図2では、ハンド8の図示を省略している。また、本形態のロボット1の動作時には、ハンド7とハンド8とが上下方向で重なる場合もあるが、ほとんどの場合、ハンド7とハンド8とは、上下方向で重なっていない。たとえば、図2の二点鎖線で示すように、ハンド7がカセット17の中へ入り込んでいるときには、ハンド8は、本体部3側へ回転しており、カセット17の中に入っていない。このときのハンド7に対するハンド8の回転角度は、たとえば、120°〜150°である。
【0024】
アーム部駆動機構11は、駆動源となる第1駆動用モータ20と、第1駆動用モータ20の動力を減速して第1アーム4に伝達するための第1減速機21と、第1駆動用モータ20の動力を減速して第2アーム5に伝達するための第2減速機22と、第1減速機21と第2減速機22とを連結するプーリおよびベルト(図示省略)とを備えている。第1減速機21は、たとえば、波動歯車装置であるハーモニックドライブ(登録商標)であり、本体部3と第1アーム4とを繋ぐ第1関節部を構成している。第2減速機22は、たとえば、ハーモニックドライブ(登録商標)であり、第1アーム4と第2アーム5とを繋ぐ第2関節部を構成している。
【0025】
第3アーム駆動機構12は、駆動源となる第2駆動用モータ24と、第2駆動用モータ24の動力を減速して第3アーム6に伝達するための第3減速機25とを備えている。第3アーム駆動機構12の詳細な構成については、後述する。
【0026】
ハンド駆動機構13は、駆動源となるハンド駆動用モータ27と、ハンド駆動用モータ27の動力を減速してハンド7に伝達するためのハンド用減速機(図示省略)と、ハンド7とハンド用減速機とを連結するプーリおよびベルト(図示省略)とを備えている。ハンド駆動機構14は、ハンド駆動機構13と同様に、駆動源となるハンド駆動用モータ28と、ハンド駆動用モータ28の動力を減速してハンド8に伝達するためのハンド用減速機(図示省略)と、ハンド8とハンド用減速機とを連結するプーリおよびベルト(図示省略)とを備えている。ハンド用減速機は、たとえば、ハーモニックドライブ(登録商標)である。
【0027】
以上のように構成されたロボット1では、第1駆動用モータ20が駆動すると、図2に示すように、第3減速機25の中心が直線L上を移動するように、アーム部9が伸縮する。また、第2駆動用モータ24が駆動すると、第3減速機25を中心にして、第3アーム6がアーム部9に対して相対回転する。さらに、ハンド駆動用モータ27が駆動すると、ハンド7が第3アーム6に対して相対回転し、ハンド駆動用モータ28が駆動すると、ハンド8が第3アーム6に対して相対回転する。
【0028】
以上の動作を組み合わせて、ロボット1は、カセット17に収納されているウエハ2を取り出して処理装置18の中へウエハ2を収納する。なお、ロボット1がウエハ2を搬送する際には、本体部3の内部に配置された昇降機構によって、必要に応じて、アーム部9、第3アーム6およびハンド7、8が昇降する。
【0029】
(第3アーム駆動機構の構成)
図3は、図1に示す第3アーム駆動機構12の構成を説明するための縦断面図である。図4は、図3のE−E方向から第3アーム駆動機構12の構成を説明するための図である。図5は、図3に示す回転範囲規制機構31の動作を説明するための図である。図6は、図3に示す近接センサ59で磁性部材60が検出されるときの第3アーム6の状態を説明するための図である。
【0030】
第3アーム駆動機構12は、上述の第2駆動用モータ24および第3減速機25に加えて、第2アーム5に対する第3アーム6の回転範囲を規制する回転範囲規制機構31と、第3アーム6を原点位置へ復帰させるための第1検出機構32および第2検出機構33とを備えている。
【0031】
第2駆動用モータ24は、サーボモータである。この第2駆動用モータ24は、第2アーム5の先端側に取り付けられている。具体的には、第2駆動用モータ24は、第2アーム5の、第3減速機25が配置された箇所よりも先端側に固定されている。第2駆動用モータ24の出力軸には、プーリ34が固定されている。
【0032】
第3減速機25は、第2アーム5と第3アーム6とを繋ぐ第3関節部を構成している。この第3減速機25は、ハーモニックドライブ(登録商標)であり、図3に示すように、ウェーブジェネレータ35と、サーキュラスプライン36と、フレクスプライン37とを備えている。フレクスプライン37は、第3アーム6に固定されている。サーキュラスプライン36は、第2アーム5の先端側に固定されている。ウェーブジェネレータ35の下端には、プーリ38が固定されている。このプーリ38と第2駆動用モータ24の出力軸に固定されるプーリ34とには、ベルト39が架け渡されている。このように、本形態では、ウェーブジェネレータ35は、第3減速機25の入力軸を構成し、フレクスプライン37は、第3減速機25の出力軸を構成している。
【0033】
第2アーム5の先端側には、第3減速機25の中心を通過するように配置される中空軸40が上下方向を軸方向として固定されている。ウェーブジェネレータ35は、中空軸40の外周側に回転可能に配置されている。本形態では、中空軸40の内周側を利用して、所定の配線が引き回されている。
【0034】
回転範囲規制機構31は、第2アーム5に揺動可能に取り付けられる揺動部材(揺動コマ)45と、揺動部材45に当接して揺動部材45の一方側の揺動範囲を規制する第1規制部材としてのストッパ46と、揺動部材45に当接して揺動部材45の他方側の揺動範囲を規制する第2規制部材としてのストッパ47と、揺動部材45に係合して揺動部材45を揺動させる係合部材としての係合ピン48とを備えている。本形態では、第3アーム6は、第2アーム5に対して360°以上回転可能となっており、回転範囲規制機構31は、360°以上回転する第3アーム6の回転範囲を規制している。なお、本形態の第3アーム6は、たとえば、700°程度回転可能となっている。
【0035】
また、回転範囲規制機構31は、揺動部材45がストッパ46に当接する第1規制位置45A(図5(A)参照)で、磁気吸引力によって、揺動部材45を保持する第1磁気保持機構51と、揺動部材45がストッパ47に当接する第2規制位置45B(図5(E)参照)で、磁気吸引力によって、揺動部材45を保持する第2磁気保持機構52とを備えている。
【0036】
係合ピン48は、略円柱状に形成されている。この係合ピン48は、所定の部材を介して、フレクスプライン37の下面に固定されている。すなわち、係合ピン48は、フレクスプライン37等を介して第3アーム6に固定されている。係合ピン48は、揺動部材45に形成される後述の係合溝45aに係合して、第1規制位置45Aと第2規制位置45Bとの間で揺動部材45を揺動させる。
【0037】
揺動部材45は、非磁性材料で形成されるとともにブロック状に形成されている。この揺動部材45は、第2アーム5に固定される支持軸53に揺動可能に支持されており、支持軸53を中心にして揺動可能となっている。支持軸53は、上下方向を軸方向として、第2アーム5に固定されている。また、支持軸53は、第3減速機25の径方向外側で第2アーム5に固定されている。すなわち、図4に示すように、上下方向から見たときに、揺動部材45の揺動中心は、第3アーム6とともに回転する係合ピン48の中心の軌跡である仮想円Cの外側に配置されている。また、支持軸53は、第3減速機25よりも第2アーム5の基端側に配置されている。
【0038】
揺動部材45には、第1規制位置45Aと第2規制位置45Bとの間で揺動部材45が揺動する際に係合ピン48が係合する係合溝45aが形成されている。係合溝45aは、上下方向から見たときの形状が略U形状となるように形成されており、係合溝45aの側面には、略半円弧状の凹曲面45bが形成されている。凹曲面45bの内径は、係合ピン48の外径と略等しくなっている。なお、上下方向から見たときの係合溝45aが略U形状に形成されているため、本形態の揺動部材45は、上下方向から見たときの形状が略U形状となるように形成されている。
【0039】
ストッパ46、47は、略円柱状に形成されている。ストッパ46は、揺動部材45の揺動方向における揺動部材45の一方の側面に当接可能となるように、第2アーム5に固定され、ストッパ47は、揺動部材45の揺動方向における揺動部材45の他方の側面に当接可能となるように、第2アーム5に固定されている。また、揺動部材45の揺動角度が、たとえば、20°〜30°程度となるように、ストッパ46、47が第2アーム5に固定されている。
【0040】
係合ピン48は、図5(A)に示すように、ストッパ46に揺動部材45の一方の側面を押し付けるように、第1規制位置45Aにある揺動部材45の他方の側面に当接可能となっており、ストッパ46に揺動部材45の一方の側面を押し付けるように、第1規制位置45Aにある揺動部材45の他方の側面に係合ピン48が当接すると、フレクスプライン37等を介して係合ピン48が固定される第3アーム6の一方側の回転範囲が規制される。また、係合ピン48は、図5(E)に示すように、ストッパ47に揺動部材45の他方の側面を押し付けるように、第2規制位置45Bにある揺動部材45の一方の側面に当接可能となっており、ストッパ47に揺動部材45の他方の側面を押し付けるように、第2規制位置45Bにある揺動部材45の一方の側面に係合ピン48が当接すると、第3アーム6の他方側の回転範囲が規制される。
【0041】
図5(A)に示す状態から、第3アーム6が図5の時計方向へ回転して、係合ピン48が第3減速機25の中心に対してたとえば330°程度回転すると、図5(B)に示すように、係合ピン48は、係合溝45aの側面に当接し、その後、図5(C)に示すように、係合溝45aに係合する。係合ピン48が係合溝45aの側面に当接して係合溝45aに係合すると、図5(B)〜(D)に示すように、揺動部材45は、第3アーム6の回転に伴って、第1規制位置45Aから第2規制位置45Bへ回動する。また、第1規制位置45Aから第2規制位置45Bへ揺動部材45が回動する過程で、図5(D)に示すように、係合ピン48は、係合溝45aから外れる。また、さらに、第3アーム6が図5の時計方向へたとえば330°程度回転すると、図5(E)に示すように、揺動部材45の一方の側面に係合ピン48が当接して、第3アーム6の時計方向への回転が規制される。
【0042】
同様に、図5(E)に示す状態から、第3アーム6が図5の反時計方向へ回転して、係合ピン48が第3減速機25の中心に対してたとえば330°程度回転すると、係合ピン48は、係合溝45aの側面に当接し、その後、図5(C)に示すように、係合溝45aに係合する。係合ピン48が係合溝45aの側面に当接して係合溝45aに係合すると、図5(D)〜(B)に示すように、揺動部材45は、第3アーム6の回転に伴って、第2規制位置45Bから第1規制位置45Aへ回動する。また、第2規制位置45Bから第1規制位置45Aへ揺動部材45が回動する過程で、図5(B)に示すように、係合ピン48は、係合溝45aから外れる。また、さらに、第3アーム6が図5の反時計方向へたとえば330°程度回転すると、図5(A)に示すように、揺動部材45の他方の側面に係合ピン48が当接して、第3アーム6の反時計方向への回転が規制される。
【0043】
このように、本形態では、図5の時計方向へ第3アーム6が回転する場合、第1規制位置45Aに揺動部材45があれば、係合ピン48が揺動部材45の配置箇所に到達しても、係合ピン48は、揺動部材45を第2規制位置45Bへ回動させながら、揺動部材45の配置箇所を通過することができるため、第3アーム6は、さらに回転することができる。一方、図5の時計方向へ第3アーム6が回転する場合、第2規制位置45Bに揺動部材45があれば、係合ピン48が揺動部材45の配置箇所に到達すると、ストッパ47に当接する揺動部材45に係合ピン48が当接して、第3アーム6は、それ以上回転できなくなる。
【0044】
また、図5の反時計方向へ第3アーム6が回転する場合、第2規制位置45Bに揺動部材45があれば、係合ピン48が揺動部材45の配置箇所に到達しても、係合ピン48は、揺動部材45を第1規制位置45Aへ回動させながら、揺動部材45の配置箇所を通過することができるため、第3アーム6は、さらに回転することができる。一方、図5の反時計方向へ第3アーム6が回転する場合、第1規制位置45Aに揺動部材45があれば、係合ピン48が揺動部材45の配置箇所に到達すると、ストッパ46に当接する揺動部材45に係合ピン48が当接して、第3アーム6は、それ以上回転できなくなる。
【0045】
なお、本形態では、第1規制位置45Aと第2規制位置45Bとの間に揺動部材45があるときには、図5(C)に示すように、凹曲面45bの比較的広い範囲に係合ピン48の外周面が接触するように、揺動部材45と係合ピン48とが係合しており、上下方向から見たときに、凹曲面45bの曲率中心と係合ピン48の中心とが略一致している。また、本形態では、第2アーム5は、360°以上回転可能な第3アーム6を支持する支持体であり、第3アーム6は、360°以上回転可能な回転体である。
【0046】
第1磁気保持機構51は、揺動部材45に固定される磁性部材55と、第2アーム5に固定される永久磁石56とから構成されている。第2磁気保持機構52も、第1磁気保持機構51と同様に、揺動部材45に固定される磁性部材57と、第2アーム5に固定される永久磁石58とから構成されている。
【0047】
磁性部材55、57は、略円柱状に形成されており、揺動部材45の下面に固定されている。また、磁性部材55、57は、磁性部材55と磁性部材57とによって係合溝45aを挟むように、係合溝45aの両側のそれぞれで揺動部材45に固定されている。永久磁石56、58は、略円柱状に形成されている。永久磁石56は、ストッパ46に隣接するように第2アーム5に固定され、永久磁石58は、ストッパ47に隣接するように第2アーム5に固定されている。また、上下方向において、磁性部材55、57の下面と永久磁石56、58の上面との間に隙間が形成されるように、永久磁石56、58は、第2アーム5に固定されている。
【0048】
図5(A)、(B)に示すように、揺動部材45が第1規制位置45Aにあるときには、上下方向から見たときに磁性部材55の一部と永久磁石56の一部とが重なっており、磁性部材55と永久磁石56との間に生じる磁気吸引力によって、揺動部材45が第1規制位置45Aで保持されている。なお、揺動部材45が第1規制位置45Aにあるときには、ストッパ46に揺動部材45の一方の側面が押し付けられるような磁気吸引力が生じるように、上下方向から見たときの磁性部材55の中心と永久磁石56の中心とがずれている。
【0049】
また、図5(D)、(E)に示すように、揺動部材45が第2規制位置45Bにあるときには、上下方向から見たときに磁性部材57の一部と永久磁石58の一部とが重なっており、磁性部材57と永久磁石58との間に生じる磁気吸引力によって、揺動部材45が第2規制位置45Bで保持されている。なお、揺動部材45が第2規制位置45Bにあるときには、ストッパ47に揺動部材45の他方の側面が押し付けられるような磁気吸引力が生じるように、上下方向から見たときの磁性部材57の中心と永久磁石58の中心とがずれている。
【0050】
第1検出機構32は、第2アーム5に固定される近接センサ59と、第3アーム6に固定される磁性部材60とを備えている。近接センサ59は、揺動部材45と近接センサ59とによって第3減速機25を挟むように、第2アーム5に固定されている。すなわち、近接センサ59は、第3減速機25よりも第2アーム5の先端側で第2アーム5に固定されている。また、近接センサ59は、その検出面が上側を向くように、第2アーム5に固定されている。磁性部材60は、平板状に形成されており、近接センサ59の検出面の上側を通過するように第3アーム6に固定されている。本形態の第3アーム6は、アルミ等の非磁性材料で形成されており、近接センサ59によって磁性部材60が検出されることで、第2アーム5に対して第3アーム6が所定の状態にあることが検出される。
【0051】
第2検出機構33は、発光素子と受光素子とが対向するように配置される光学式センサ61と、揺動部材45に固定される遮光部材62とを備えている。光学式センサ61は、第2アーム5に固定されている。遮光部材62は、光学式センサ61の発光素子と受光素子との間を遮ることが可能となるように、揺動部材45に固定されている。本形態では、図5(A)に示すように、揺動部材45が第1規制位置45Aにあるときに、遮光部材62が光学式センサ61の発光素子と受光素子との間を遮り、図5(E)に示すように、揺動部材45が第2規制位置45Bにあるときに、遮光部材62が光学式センサ61の発光素子と受光素子との間から外れている。
【0052】
上述のように、第3アーム6は、第2アーム5に対して360°以上回転可能となっている。そのため、近接センサ59によって磁性部材60が検出されたときの第2アーム5に対する第3アーム6の状態としては、図6(A)に示すように、第3アーム6の時計方向の回転のみが許容される状態と、図6(B)に示すように、第3アーム6の両方向への回転が許容される状態との2つの状態がある。すなわち、本形態では、第1検出機構32のみでは、第2アーム5に対する第3アーム6の状態を的確に検出することができない。したがって、本形態では、第2駆動用モータ24を制御する制御部が第2アーム5に対する第3アーム6の相対回転角度を見失った場合、第1検出機構32のみを用いて、第3アーム6を原点位置へ復帰させることができない。
【0053】
そこで、本形態では、第1検出機構32と第2検出機構33とを用いて、第3アーム6を原点位置へ復帰させる。具体的には、たとえば、図6(A)に示すように、第3アーム6が原点位置にあるときに、近接センサ59によって磁性部材60が検出され、かつ、遮光部材62が光学式センサ61の発光素子と受光素子との間を遮るように、第1検出機構32および第2検出機構33を設置して、第1検出機構32と第2検出機構33とを用いて、第3アーム6を原点位置へ復帰させる。あるいは、第3アーム6が原点位置にあるときに、近接センサ59によって磁性部材60が検出され、かつ、遮光部材62が光学式センサ61の発光素子と受光素子との間から外れるように、第1検出機構32および第2検出機構33を設置して、第1検出機構32と第2検出機構33とを用いて、第3アーム6を原点位置へ復帰させる。
【0054】
(本形態の主な効果)
以上説明したように、本形態では、第1磁気保持機構51の磁気吸引力によって、揺動部材45が第1規制位置45Aで保持され、第2磁気保持機構52の磁気吸引力によって、揺動部材45が第2規制位置45Bで保持されている。したがって、第2アーム5に対して第3アーム6を360°以上適切に回転させるために、第1規制位置45Aや第2規制位置45Bで揺動部材45を保持する必要があっても、第1規制位置45Aや第2規制位置45Bで揺動部材45を保持するための部材を揺動部材45に接触させる必要がない。そのため、本形態では、第1規制位置45Aと第2規制位置45Bとの間で揺動する揺動部材45の揺動に伴う塵埃の発生や異音の発生を抑制することが可能になる。
【0055】
本形態では、上下方向から見たときに、揺動部材45の揺動中心は、係合ピン48の中心の軌跡である仮想円Cの外側に配置されている。そのため、揺動部材45の揺動中心が仮想円Cの内側に配置されている場合と比較して、第3減速機25の中心から係合ピン48までの距離を短くしても、第3アーム6とともに回転する係合ピン48を係合溝45aに適切に係合させるとともに、係合溝45aに係合している係合ピン48を係合溝45aから適切に外すことが可能になる。すなわち、本形態では、第3減速機25の中心から係合ピン48までの距離を短くしても、揺動部材45を適切に揺動させることが可能になる。したがって、本形態では、係合ピン48の回転半径を小さくすることが可能になり、その結果、回転範囲規制機構31を小型化して、第2アーム5と第3アーム6とを繋ぐ第3関節部を小型化することが可能になる。
【0056】
本形態では、係合溝45aの側面に、略半円弧状の凹曲面45bが形成されており、凹曲面45bの内径は、係合ピン48の外径と略等しくなっている。また、本形態では、第1規制位置45Aと第2規制位置45Bとの間に揺動部材45があるときに、凹曲面45bの比較的広い範囲に係合ピン48の外周面が接触するように、揺動部材45と係合ピン48とが係合している。そのため、第1規制位置45Aと第2規制位置45Bとの間に揺動部材45があるときに第2駆動用モータ24が停止しても、係合溝45aに係合する係合ピン48によって、揺動部材45のふらつきを防止することが可能になる。すなわち、第1規制位置45Aと第2規制位置45Bとの間に揺動部材45があるときに第2駆動用モータ24が停止すると、第1磁気保持機構51よる揺動部材45の保持力および第2磁気保持機構52による揺動部材45の保持力が作用しないため、第2駆動用モータ24が停止して係合ピン48が停止しているにもかかわらず、揺動部材45がふらつくおそれがあるが、本形態では、揺動部材45のふらつきを係合ピン48で防止することが可能になる。
【0057】
(他の実施の形態)
上述した形態は、本発明の好適な形態の一例ではあるが、これに限定されるものではなく本発明の要旨を変更しない範囲において種々変形実施が可能である。
【0058】
上述した形態では、磁性部材55が揺動部材45に固定され、永久磁石56が第2アーム5に固定されているが、磁性部材55が第2アーム5に固定され、永久磁石56が揺動部材45に固定されても良い。同様に、上述した形態では、磁性部材57が揺動部材45に固定され、永久磁石58が第2アーム5に固定されているが、磁性部材57が第2アーム5に固定され、永久磁石58が揺動部材45に固定されても良い。また、揺動部材45が磁性材料で形成されているのであれば、揺動部材45に磁性部材55、57が固定されていなくても良い。なお、揺動部材45が磁性材料で形成されている場合と比較して、非磁性材料で形成される揺動部材45に磁性部材55、57が固定されていた方が、第1磁気保持機構51および第2磁気保持機構52の磁気吸引力を高めやすくなる。
【0059】
また、第1磁気保持機構51および第2磁気保持機構52は、磁性部材55、57に代えて、揺動部材45に固定される永久磁石を備えていても良い。この場合には、たとえば、揺動部材45に固定される永久磁石と、永久磁石56、58との間に生じる磁気吸引力によって、第1規制位置45Aや第2規制位置45Bで揺動部材45が保持されるように、揺動部材45に固定される永久磁石が着磁され、配置される。あるいは、揺動部材45に固定される永久磁石と、永久磁石56、58との間に生じる磁気反発力によって、第1規制位置45Aや第2規制位置45Bで揺動部材45が保持されるように、揺動部材45に固定される永久磁石が着磁され、配置される。
【0060】
上述した形態では、上下方向から見たときに、揺動部材45の揺動中心は、係合ピン48の中心の軌跡である仮想円Cの外側に配置されている。この他にもたとえば、揺動部材45の揺動中心は、上下方向から見たときに、仮想円Cの内側に配置されても良い。この場合には、たとえば、第3減速機25の下側に揺動部材45等が配置される。また、上述した形態では、揺動部材45は、上下方向から見たときの形状が略U形状となるように形成されているが、揺動部材45は、上下方向から見たときの形状が略L形状となるように形成されても良い。
【0061】
上述した形態では、第3減速機25は、ハーモニックドライブ(登録商標)であるが、第3減速機25は、ハーモニックドライブ(登録商標)以外の中空構造の歯車装置であっても良い。たとえば、第3減速機25は、サイクロ減速機(登録商標)であっても良いし、RV(Rotor Vector)減速機、あるいは、遊星歯車減速機等であっても良い。また、第3減速機25は、第1ハイポイドギアと、第1ハイポイドギアに噛合する第2ハイポイドギアとを備える減速機であっても良い。また、第3減速機25は、中空構造となっていなくても良い。
【0062】
上述した形態では、回転範囲規制機構31は、第2アーム5に対する第3アーム6の回転範囲を規制している。この他にもたとえば、本体部3に対して第1アーム4が360°以上回転する場合には、回転範囲規制機構31を用いて、本体部3に対する第1アーム4の回転範囲を規制しても良い。また、第1アーム4に対して第2アーム5が360°以上回転する場合には、回転範囲規制機構31を用いて、第1アーム4に対する第2アーム5の回転範囲を規制しても良い。また、第3アーム6に対してハンド7、8が360°以上回転する場合には、回転範囲規制機構31を用いて、第3アーム6に対するハンド7、8の回転範囲を規制しても良い。
【0063】
上述した形態では、ロボット1は、半導体ウエハ2を搬送するためのロボットであるが、ロボット1は、液晶用のガラス基板等の他の搬送対象物を搬送する搬送用ロボットであっても良いし、組立用ロボット等の搬送用ロボット以外の産業用ロボットであっても良い。すなわち、回転範囲規制機構31は、ロボット1以外のロボットに使用されても良い。また、回転範囲規制機構31は、支持体に対して360°以上回転可能な回転体を有するロボット以外の各種の装置に使用されても良い。
【符号の説明】
【0064】
1 ロボット(産業用ロボット)
3 本体部
4 第1アーム
5 第2アーム(支持体)
6 第3アーム(回転体)
7、8 ハンド
31 回転範囲規制機構(回転体の回転範囲規制機構)
45 揺動部材
45a 係合溝
45b 凹曲面
45A 第1規制位置
45B 第2規制位置
46 ストッパ(第1規制部材)
47 ストッパ(第2規制部材)
48 係合ピン(係合部材)
51 第1磁気保持機構
52 第2磁気保持機構
55、57 磁性部材
56、58 永久磁石
C 仮想円

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体に対して360°以上回転可能な回転体の回転範囲を規制する回転体の回転範囲規制機構であって、
前記支持体に揺動可能に取り付けられる揺動部材と、前記支持体に固定または形成されるとともに前記揺動部材に当接して前記揺動部材の一方側の揺動範囲を規制する第1規制部材と、前記支持体に固定または形成されるとともに前記揺動部材に当接して前記揺動部材の他方側の揺動範囲を規制する第2規制部材と、前記回転体に固定または形成されるとともに、前記揺動部材に係合して、前記揺動部材が前記第1規制部材に当接する第1規制位置と前記揺動部材が前記第2規制部材に当接する第2規制位置との間で、前記揺動部材を揺動させる係合部材と、磁気吸引力または磁気反発力によって前記第1規制位置で前記揺動部材を保持する第1磁気保持機構と、磁気吸引力または磁気反発力によって前記第2規制位置で前記揺動部材を保持する第2磁気保持機構とを備えることを特徴とする回転体の回転範囲規制機構。
【請求項2】
前記第1磁気保持機構および前記第2磁気保持機構は、前記揺動部材または前記支持体の一方に固定される永久磁石と、前記揺動部材または前記支持体の他方に固定される磁性部材または永久磁石とを備えることを特徴とする請求項1記載の回転体の回転範囲規制機構。
【請求項3】
前記回転体の回転軸の軸方向から見たときに、前記揺動部材の揺動中心は、前記回転体とともに回転する前記係合部材の軌跡である仮想円の外側に配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の回転体の回転範囲規制機構。
【請求項4】
前記揺動部材には、前記第1規制位置と前記第2規制位置との間で前記揺動部材が揺動する際に前記係合部材が係合する係合溝が形成され、
前記係合部材は、略円柱状に形成され、
前記係合溝の側面には、前記係合部材の外径と略等しい内径を有する略半円弧状の凹曲面が形成されていることを特徴とする請求項3記載の回転体の回転範囲規制機構。
【請求項5】
請求項1から4のいずれかに記載の回転体の回転範囲規制機構と、本体部と、その基端側が前記本体部に回動可能に取り付けられる第1アームと、その基端側が前記第1アームの先端側に回動可能に取り付けられる第2アームと、その基端側が前記第2アームの先端側に回転可能に取り付けられる第3アームと、その基端側が前記第3アームの先端側に回転可能に取り付けられるハンドとを備え、
前記回転体は、前記第3アームであり、前記支持体は、前記第2アームであることを特徴とする産業用ロボット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−228754(P2012−228754A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98937(P2011−98937)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【出願人】(000002233)日本電産サンキョー株式会社 (1,337)
【Fターム(参考)】