回転体部品組付装置
【課題】簡単な方法によって、油穴付きシャフトの油穴の周方向位置を、フレームにおける一対の組付穴の規定位置に合わせて、回転体部品の組付を行う回転体部品組付装置を提供すること。
【解決手段】回転体部品組付装置1は、フレーム81を保持するフレーム保持部2と、仮組体80を載置する仮組体載置部3と、仮組体80における複数の円筒ころ83の内周側に進入してダミーシャフト86を押し出すシャフト押出部4と、油穴付きシャフト85を載置するシャフト載置部5と、シャフト載置部5に載置された油穴付きシャフト85を、仮組体80における複数の円筒ころ83の内周側に挿入するシャフト挿入部6と、を備えている。シャフト挿入部6は、その先端面611の一箇所に、切欠854に係合する突起612を有し、前進するとともに油穴付きシャフト85の軸方向端面に当接してから1回転以上回転して、突起612の周方向位置を規定位置に合わせる。
【解決手段】回転体部品組付装置1は、フレーム81を保持するフレーム保持部2と、仮組体80を載置する仮組体載置部3と、仮組体80における複数の円筒ころ83の内周側に進入してダミーシャフト86を押し出すシャフト押出部4と、油穴付きシャフト85を載置するシャフト載置部5と、シャフト載置部5に載置された油穴付きシャフト85を、仮組体80における複数の円筒ころ83の内周側に挿入するシャフト挿入部6と、を備えている。シャフト挿入部6は、その先端面611の一箇所に、切欠854に係合する突起612を有し、前進するとともに油穴付きシャフト85の軸方向端面に当接してから1回転以上回転して、突起612の周方向位置を規定位置に合わせる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周方向に複数配列された円筒ころを介して回転部材の内周穴に挿入された油穴付きシャフトをフレームに組み付けて形成される回転体部品の組付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転体部品である遊星歯車を組み付ける際には、作業者が、プラネタリキャリヤに形成された一対の組付穴にピニオンギヤの内周穴を合わせ、一対の組付穴及び内周穴にピニオンシャフトを挿通し、ピニオンシャフトを一対の組付穴に固定している。
また、特許文献1の遊星歯車組付け装置は、ターンテーブルと、ターンテーブルの上に各々回動可能に設けた2個の遊星キャリア用治具と、ターンテーブルの回転範囲内に遊星キャリア用治具の配置間隔と同じ間隔で設けた遊星歯車組込み部及び止めピン圧入部を備えている。この遊星歯車組付け装置においては、遊星歯車組込み部には、遊星キャリア内の遊星歯車からダミーシャフトを外すダミーシャフト離脱機構を設けている。また、止めピン圧入部には、遊星キャリア用治具を回動させる治具回動機構と、遊星キャリア及び遊星歯車に挿入された歯車軸を共通の加工基準面で位置決め固定する位置決め固定機構と、遊星キャリア及び歯車軸にまたがって止めピンを圧入する止めピン圧入機構を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−9284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1の遊星歯車組付け装置においては、歯車軸の端面から形成した位置決め凹部の周方向位置(周方向の向き)を決定する際には、位置決め用シリンダの位置決め部に係合させている。しかしながら、特許文献1においては、位置決め部をどうすることによって歯車軸の位置決め凹部の周方向位置を決定するかについて、具体的な構成が示されていない。
【0005】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、簡単な方法によって、油穴付きシャフトの油穴の周方向位置を、フレームにおける一対の組付穴の規定位置に合わせて、回転体部品の組付を行うことができる回転体部品組付装置を提供しようとして得られたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、周方向に複数配列された円筒ころを介して回転部材の内周穴に挿入された油穴付きシャフトを、フレームにおける一対の組付穴に掛け渡して組み付けられ、上記油穴付きシャフトは、軸方向端面から外周の一方向まで内部に形成された油穴と、該油穴の一方向と関連して軸方向端面に形成された切欠とを有し、上記油穴の一方向を上記フレームの特定方向に配置して形成される回転体部品を組み付ける装置であって、
上記フレームを保持するフレーム保持部と、
上記複数の円筒ころを介して上記回転部材の内周穴にダミーシャフトを挿入してなる仮組体を載置する仮組体載置部と、
上記仮組体における上記複数の円筒ころの内周側に進入して上記ダミーシャフトを押し出すシャフト押出部と、
上記油穴付きシャフトを載置するシャフト載置部と、
該シャフト載置部に載置された上記油穴付きシャフトを、上記シャフト押出部を押し戻しながら上記仮組体における上記複数の円筒ころの内周側に挿入するシャフト挿入部と、を備えており、
該シャフト挿入部は、その先端面の一箇所に、上記切欠に係合する突起を有しており、かつ、前進するとともに上記油穴付きシャフトの軸方向端面に当接してから1回転以上回転して、上記突起の周方向位置を規定位置に合わせるよう構成されていることを特徴とする回転体部品組付装置にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0007】
上記回転体部品組付装置においては、油穴付きシャフトをフレームにおける一対の組付穴に組み付ける際に、油穴付きシャフトの油穴の周方向位置をフレームにおける一対の組付穴の規定位置に合わせることができるものである。
具体的には、フレーム保持部、仮組体載置部、シャフト押出部、シャフト載置部及びシャフト挿入部を用い、シャフト押出部の移動によって、仮組体載置部に載置された仮組体からダミーシャフトを押し出し、シャフト挿入部の移動によって、油穴付きシャフトをダミーシャフトと入れ替える。このとき、シャフト挿入部の動作によって、油穴付きシャフトの油穴の周方向位置をフレームにおける一対の組付穴の規定位置に合わせることができる。
【0008】
仮組体におけるダミーシャフトと油穴付きシャフトとを入れ替えるに当たっては、フレーム保持部にフレームを保持するとともに、仮組体載置部に仮組体を載置し、シャフト載置部に油穴付きシャフトを載置する。仮組体は、回転部材の内周穴に複数配列した円筒ころの内周側に、油穴付きシャフトを挿入する代わりに、ダミーシャフトを挿入してなる。
そして、フレーム保持部に保持されたフレームにおける一対の組付穴の中心軸線上に、仮組体載置部に載置された仮組体におけるダミーシャフトの中心軸線を一致させる。次いで、シャフト押出部を、仮組体における複数の円筒ころの内周側に進入させて、仮組体からダミーシャフトを押し出す。そして、シャフト押出部は、仮組体の中に挿入したまま維持する。
【0009】
次いで、フレーム保持部に保持されたフレームにおける一対の組付穴の中心軸線上に、シャフト載置部に載置された油穴付きシャフトの中心軸線を一致させる。次いで、シャフト挿入部を回転させながら前進させることにより、シャフト押出部を押し戻しながら油穴付きシャフトを、仮組体における複数の円筒ころの内周側に挿入する。このとき、シャフト挿入部が回転する際に、シャフト挿入部の先端面の一箇所に形成された突起を、油穴付きシャフトに形成された切欠に係合させることができる。
【0010】
そして、シャフト挿入部は、前進するとともに油穴付きシャフトの軸方向端面に当接してから1回転以上回転して、突起の周方向位置を規定位置に合わせることができる。
ここで、シャフト挿入部の前進は、シャフト挿入部が回転することによって突起の周方向位置が規定位置に合ってからも行うことができ、シャフト挿入部が回転することによって突起の周方向位置が規定位置に合うまで行うことができる。
これにより、油穴付きシャフトの油穴の周方向位置を、フレームにおける一対の組付穴の規定位置に合わせて、油穴付きシャフトをフレームにおける一対の組付穴に組み付けることができる。
【0011】
それ故、上記回転体部品組付装置によれば、簡単な方法によって、油穴付きシャフトの油穴の周方向位置を、フレームにおける一対の組付穴の規定位置に合わせて、回転体部品の組付を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例にかかる、回転体部品組付装置を示す正面図。
【図2】実施例にかかる、回転体部品組付装置を示す側面図。
【図3】実施例にかかる、回転体部品組付装置を示す上面図。
【図4】実施例にかかる、回転体部品組付装置における仮組体載置部及びシャフト受取部の周辺を示す側面図。
【図5】実施例にかかる、回転体部品組付装置におけるシャフト載置部及びシャフト受取部の周辺を示す側面図。
【図6】実施例にかかる、回転体部品組付装置におけるシャフト受取部の周辺を示す正面図。
【図7】実施例にかかる、回転体部品組付装置におけるシャフト挿入部の周辺を示す側面図。
【図8】実施例にかかる、回転体部品組付装置の主要部を拡大して示す正面図。
【図9】実施例にかかる、仮組体載置部が上昇した状態の回転体部品組付装置の主要部を拡大して示す正面図。
【図10】実施例にかかる、シャフト押出部が仮組体からダミーシャフトを押し出した状態の回転体部品組付装置の主要部を拡大して示す正面図。
【図11】実施例にかかる、シャフト載置部が上昇した状態の回転体部品組付装置の主要部を拡大して示す正面図。
【図12】実施例にかかる、挿入シャフトが回転しながら前進する状態の回転体部品組付装置における主要部を拡大して示す正面図。
【図13】実施例にかかる、挿入シャフト及びシャフト押出部が後退し、仮組体載置部及びシャフト載置部が下降する状態の回転体部品組付装置における主要部を拡大して示す正面図。
【図14】実施例にかかる、油穴付きシャフトによって回転部材をフレームに組み付けて形成した回転体部品を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上述した回転体部品組付装置における好ましい実施の形態につき説明する。
上記シャフト挿入部は、前進しながら1回転以上2回転以下で回転させることができ、好ましくは、前進しながら1回転以上1.5回転以下で回転させることができる。シャフト挿入部の回転量が1回転未満である場合には、シャフト挿入部の先端面の一箇所に形成された突起を、油穴付きシャフトに形成された切欠に係合させることができないことがある。
【0014】
上記回転体部品組付装置においては、上記シャフト挿入部は、2条の螺旋状溝及び該2条の螺旋状溝の形成位置よりも後端側に位置する二面幅を有する挿入シャフトと、上記2条の螺旋状溝と上記二面幅とにそれぞれ順次係合する一対の係合ガイドと、を備えており、かつ、該一対の係合ガイドが上記2条の螺旋状溝に係合することにより、前進する上記挿入シャフトが回転し、上記一対の係合ガイドが上記二面幅に係合することにより、上記挿入シャフトが直進するよう構成されていてもよい(請求項2)。
この場合には、挿入シャフトと一対の係合ガイドとを用いたシャフト挿入部の簡単な構成により、シャフト挿入部が、前進しながら1回転以上回転した後に直進する動作を、シャフト挿入部を前進させることによって容易に行うことができる。
【0015】
また、上記シャフト押出部と上記シャフト挿入部とは、駆動源によって回転する駆動軸にリンクを介して接続されており、上記駆動軸の回転運動を上記リンクによって上記シャフト押出部及び上記シャフト挿入部のスライド運動に変換し、上記駆動軸の回転を受けて、上記シャフト押出部による上記ダミーシャフトの押出を行った後、上記シャフト挿入部による上記油穴付きシャフトの挿入を行うよう構成されていてもよい(請求項3)。
この場合には、1つの駆動源による駆動軸の回転を受けて、シャフト押出部及びシャフト挿入部の動作を行うことができる。これにより、必要最低限の駆動源を用いることにより、小さな動力で回転体部品組付装置を動作させることができる。
【0016】
また、上記回転部材はピニオンギヤとし、上記油穴付きシャフトはピニオンシャフトとし、上記フレームは、上記一対の組付穴が複数形成されたプラネタリキャリヤとし、上記回転体部品は、遊星歯車部品とすることができる(請求項4)。
この場合には、簡単な構造の回転体部品組付装置によって、遊星歯車部品の組付を行うことができる。
【0017】
また、上記フレーム保持部は、上記駆動軸の回転を受けて所定角度ずつ回動して、上記プラネタリキャリヤにおける上記複数の一対の組付穴を、上記シャフト押出部による上記ダミーシャフトの押出及び上記シャフト挿入部による上記油穴付きシャフトの挿入を行う組付ラインに、順次対向させるよう構成されていてもよい(請求項5)。
この場合には、1つの駆動源による駆動軸の回転を受けて、フレーム保持部を所定角度ずつ回動させることができる。そして、駆動軸が1回転するごとに、複数の一対の組付穴に対して、複数の円筒ころを介して回転部材を外装した油穴付きシャフトを、順次組み付けることができる。
【0018】
また、上記仮組体載置部は、下方に退避する退避位置と、該仮組体載置部に載置された上記仮組体における上記回転部材の内周穴が上記組付ライン上に位置する上昇位置との間で上下するよう構成されており、上記シャフト載置部は、下方に退避する退避位置と、該シャフト載置部に載置された上記油穴付きシャフトが上記組付ライン上に位置する上昇位置との間で上下するよう構成されており、上記フレーム保持部の下方には、上記シャフト押出部によって押し出される上記ダミーシャフトを受け取るシャフト受取部が配設されており、上記フレーム保持部が所定角度回動して、上記プラネタリキャリヤにおけるいずれか上記一対の組付穴が上記組付ライン上に位置する第1動作と、上記仮組体載置部が上記退避位置から上昇して、該仮組体載置部に載置された上記仮組体における上記回転部材の内周穴が上記組付ライン上に位置する第2動作と、上記シャフト押出部が、上記仮組体における上記複数の円筒ころの内周側に進入し、上記ダミーシャフトを押し出して上記シャフト受取部へ受け渡す第3動作と、上記シャフト載置部が上記退避位置から上昇して、該シャフト載置部に載置された上記油穴付きシャフトが上記組付ライン上に位置する第4動作と、上記シャフト挿入部が、上記シャフト載置部に載置された上記油穴付きシャフトを、上記シャフト押出部を押し戻しながら上記仮組体における上記複数の円筒ころの内周側に挿入する第5動作と、を上記駆動軸が1回転することによって連続して繰り返し行うよう構成されていてもよい(請求項6)。
【0019】
この場合には、仮組体載置部及びシャフト載置部を上下させる構成にし、これらとフレーム保持部、シャフト押出部及びシャフト挿入部とを、1つの駆動源による駆動軸の回転を受けて動作させることができる。
また、駆動軸が1回転するごとに、フレーム保持部の第1動作と、仮組体載置部の第2動作と、シャフト押出部の第3動作と、シャフト載置部の第4動作と、シャフト挿入部の第5動作とを連続して繰り返し行うことができる。そして、プラネタリキャリヤにおける複数の一対の組付穴に対して、複数の円筒ころを介して回転部材を外装した油穴付きシャフトを、順次組み付けることができる。
【実施例】
【0020】
以下に、本例の回転体部品組付装置にかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
本例の回転体部品8は、図14に示すごとく、周方向に複数配列された円筒ころ83を介して回転部材82の内周穴821に挿入された油穴付きシャフト85を、フレーム81における一対の組付穴811に掛け渡して組み付けられている。油穴付きシャフト85は、軸方向端面から外周の一方向まで内部に形成された油穴851と、油穴851の一方向と関連して軸方向端面に形成された切欠854とを有し、油穴851の一方向をフレーム81の特定方向に向けて組み付けられている。
【0021】
回転体部品組付装置1は、図1、図2に示すごとく、フレーム81を保持するフレーム保持部2と、複数の円筒ころ83を介して回転部材82の内周穴821にダミーシャフト86を挿入してなる仮組体80を載置する仮組体載置部3と、仮組体80における複数の円筒ころ83の内周側に進入してダミーシャフト86を押し出すシャフト押出部4と、油穴付きシャフト85を載置するシャフト載置部5と、シャフト載置部5に載置された油穴付きシャフト85を、シャフト押出部4を押し戻しながら仮組体80における複数の円筒ころ83の内周側に挿入するシャフト挿入部6と、を備えている。
シャフト挿入部6は、図9、図12に示すごとく、その先端面611の一箇所に、切欠854に係合する突起612を有している。シャフト挿入部6は、前進するとともに油穴付きシャフト85の軸方向端面に当接してから1回転以上回転して、突起612の周方向位置を規定位置に合わせるよう構成されている。
【0022】
以下に、本例の回転体部品組付装置1につき、図1〜図14を参照して詳説する。
図14に示すごとく、本例の回転体部品8は遊星歯車部品8であり、回転部材82はピニオンギヤ82であり、油穴付きシャフト85はピニオンシャフト85であり、フレーム81は、一対の組付穴811が複数形成されたプラネタリキャリヤ81である。本例のフレーム保持部2に保持するプラネタリキャリヤ81には、サンギヤを固定するサンギヤシャフト84が取り付けられている。
プラネタリキャリヤ81は、その中心軸線の回りに並ぶピニオンギヤ82を間に配置する一対のベース部品812を組み合わせて構成されている。
【0023】
本例の回転体部品組付装置1は、プラネタリキャリヤ81における周方向の複数箇所に対して、ピニオンシャフト85によってピニオンギヤ82を配設して形成するものである。
油穴付きシャフト85は、プラネタリキャリヤ81が回転する際に生じる遠心力によって、軸方向端面から油穴851に流れ込む潤滑油を、外周の一方向としてのプラネタリキャリヤ81の外周側へ導くものである。油穴851は、油穴付きシャフト85の軸方向端面から軸方向の中間位置まで形成された軸方向油穴部分852と、軸方向油穴部分852の中間位置から周方向の一方向である外周面まで形成された径方向油穴部分853とを有している。油穴付きシャフト85の軸方向両端面には、凹部855が形成されている。本例の切欠854は、径方向油穴部分853を形成した径方向と、180°反対側の径方向に形成されている。
【0024】
油穴付きシャフト85は、その油穴851の外周の一方向である径方向油穴部分853を、プラネタリキャリヤ(フレーム)81の外周方向(特定方向)に向けて組み付けられている。これにより、油穴付きシャフト85の軸方向端面から軸方向油穴部分852へ流入する潤滑油は、プラネタリキャリヤ81の回転に伴う遠心力によって、プラネタリキャリヤ81における外周側に向けられた油穴付きシャフト85の外周における径方向油穴部分853から、複数の円筒ころ83の潤滑のために用いられる。
【0025】
図1、図2に示すごとく、回転体部品組付装置1は、架台11に配設した1つの駆動源12の回転によって、遊星歯車部品8を組み付けるものである。駆動源12はモータであり、回転体部品組付装置1の架台11には、駆動源12によって回転する駆動軸13が、軸受部131によって軸支されて回転可能に配設されている。
回転体部品組付装置1は、フレーム保持部2、仮組体載置部3、シャフト押出部4、シャフト載置部5及びシャフト挿入部6を、架台11に配設して構成されている。
【0026】
図2、図3、図7、図8に示すごとく、シャフト挿入部6は、2条の螺旋状溝613、及び2条の螺旋状溝613の形成位置よりも後端側に位置する二面幅614を有する挿入シャフト61と、2条の螺旋状溝613と二面幅614とにそれぞれ順次係合する一対の係合ガイド62とを備えている。なお、図7は、シャフト挿入部6及び一対の係合ガイド62を、シャフト挿入部6の軸方向から見た状態で示す図である。
【0027】
挿入シャフト61は、その軸線方向に沿って、駆動源12による駆動軸13の回転を受けてスライドするよう構成されている。挿入シャフト61は、その前後の位置において支持されている。
シャフト挿入部6は、一対の係合ガイド62が2条の螺旋状溝613に係合することにより、前進する挿入シャフト61が回転し、一対の係合ガイド62が二面幅614に係合することにより、挿入シャフト61が直進するよう構成されている。
本例のシャフト挿入部6は、前進しながら1回転以上回転した後、突起612の周方向位置を規定位置に合わせて直進するよう構成されている。
なお、シャフト挿入部6の前進は、突起612の周方向位置が規定位置に合わさると同時に停止することができる。
【0028】
図8、図9に示すごとく、シャフト押出部4は、リニヤガイド44を用いてスライドするよう構成されている。シャフト押出部4は、その軸線方向に沿って、駆動源12による駆動軸13の回転を受けてスライドするよう構成されている。シャフト押出部4は、後端側シャフト部分41に対して先端側シャフト部分42を回転可能に連結して形成されている。そして、先端側シャフト部分42は、挿入シャフト61及び油穴付きシャフト85の回転力を受けて、後端側シャフト部分41に対して回転するようになっている。また、シャフト押出部4は、プラネタリキャリヤ81における一対の組付穴811の形成方向である前進方向に、引張バネ43によって付勢されている。
【0029】
図1に示すごとく、挿入シャフト61の軸線方向とシャフト押出部4の軸線方向とは、同一軸線上で一致している。シャフト押出部4は、駆動源12によって回転する駆動軸13にカム45及びリンク46を介して接続されている。挿入シャフト61は、駆動源12によって回転する駆動軸13にカム63及びリンク64を介して接続されている。挿入シャフト61には、リンク64を連結する連結部材615が設けてある。
回転体部品組付装置1は、駆動軸13の回転運動をカム45,63及びリンク46,64によってシャフト押出部4及びシャフト挿入部6のスライド運動に変換し、駆動軸13の回転を受けて、シャフト押出部4によるダミーシャフト86の押出を行った後、シャフト挿入部6による油穴付きシャフト85の挿入を行うよう構成されている。
【0030】
図1、図3、図4に示すごとく、フレーム保持部2は、駆動軸13の回転を受けて所定角度ずつ回動して、フレーム81としてのプラネタリキャリヤ81における複数の一対の組付穴811を、シャフト押出部4によるダミーシャフト86の押出及びシャフト挿入部6による油穴付きシャフト85の挿入を行う組付ラインLに、順次対向させるよう構成されている。
プラネタリキャリヤ81において、一対の組付穴811は、本例においては周方向の4箇所に等間隔に形成されている。フレーム保持部2は、一対の組付穴811の形成間隔と同じ角度だけ回動するよう構成されている。
【0031】
図1に示すごとく、フレーム保持部2は、サンギヤシャフト84におけるプラネタリキャリヤ81を配設した一方側端面を回転支持する駆動側回転支持機構部20Aと、サンギヤシャフト84における他方側端面を回転支持する従動側回転支持機構部20Bとを有している。駆動側回転支持機構部20Aは、サンギヤシャフト84と同一軸線上に配置する駆動側回転軸部21と、駆動側回転軸部21から外周側に突出してプラネタリキャリヤ81に設けた位置決め穴813に挿入するピン211と、駆動側回転軸部21の回転を軸支する軸受部22と、駆動側回転軸部21の後端部に設けた回転割出盤23と、回転割出盤23に係合する係合車24と、係合車24を設けた係合軸部241と、係合軸部241に設けたプーリ(回転車)251と、駆動軸13に設けたプーリ(回転車)252と、一対のプーリ251,252に掛け渡したプーリベルト(伝達部材)253とを有している。
【0032】
図4に示すごとく、ピン211を挿入する位置決め穴813は、一対の組付穴811を形成した周方向位置とは異なる周方向位置に形成されている。図1、図8〜図13においては、図示を簡単にするために、ピン211と一対の組付穴811とを同じ断面に記載した。
【0033】
駆動側回転支持機構部20Aは、駆動軸13の回転を、一対のプーリ251,252及びプーリベルト253を介して、係合車24から回転割出盤23へ伝達し、駆動側回転軸部21を所定角度回動させるよう構成されている。本例においては、駆動軸13及びカムと係合車24とが1回転する間に、係合車24と回転割出盤23との係合により、プラネタリキャリヤ81における周方向の4箇所に形成された一対の組付穴811に対応して、駆動側回転軸部21が90°回転する。このとき、ピン211が位置決め穴813に挿入されていることにより、プラネタリキャリヤ81を90°回転させることができる。
【0034】
従動側回転支持機構部20Bは、サンギヤシャフト84と同一軸線上に配置する従動側回転軸部26と、従動側回転軸部26を軸支する軸受部27と、従動側回転軸部26及び軸受部27を配設してスライドするスライド部28と、従動側回転軸部26、軸受部27及びスライド部28をサンギヤシャフト84の側へ付勢する付勢手段29とを有している。また、スライド部28は、リニヤガイド44を用いてスライドし、サンギヤシャフト84を付勢するよう構成されている。
【0035】
図1、図4に示すごとく、仮組体載置部3は、下方に退避する退避位置301と、仮組体載置部3に載置された仮組体80における回転部材82の内周穴821の中心軸線が組付ラインL上に位置する上昇位置302との間で上下するよう構成されている。仮組体載置部3は、仮組体80を載置する載置受け部31と、載置受け部31を上下させる上下シャフト32と、駆動軸13に設けたカム33と、カム33に係合して上下シャフト32を上下させるリンク34とを有している。
そして、駆動源12によって駆動軸13及びカム33が回転し、カム33に係合するリンク34によって上下シャフト32が上下することにより、載置受け部31を退避位置301と上昇位置302との間で上下させることができる。
【0036】
架台11には、仮組体載置部3における載置受け部31へ、仮組体80を1つずつ供給する仮組体保持台35が配設されている。仮組体保持台35は、仮組体80における回転部材82の内周穴821の軸方向が、互いに平行に並ぶ状態で、複数の仮組体80を保持するよう構成されている。仮組体載置部3は、退避位置301から上昇位置302へ上昇する際に、載置受け部31が最先頭側の仮組体80を持ち上げて、この仮組体80を組付ラインL上に配置するよう構成されている。
【0037】
図1、図5に示すごとく、シャフト載置部5は、下方に退避する退避位置501と、シャフト載置部5に載置された油穴付きシャフト85が組付ラインL上に位置する上昇位置502との間で上下するよう構成されている。シャフト載置部5は、油穴付きシャフト85を載置する載置受け部51と、載置受け部51を上下させる上下シャフト52と、駆動軸13に設けたカム53と、カム53に係合して上下シャフト52を上下させるリンク54とを有している。
そして、駆動源12によって駆動軸13及びカム53が回転し、カム53に係合するリンク54によって上下シャフト52が上下することにより、載置受け部51を退避位置501と上昇位置502との間で上下させることができる。
【0038】
架台11には、シャフト載置部5における載置受け部51へ、油穴付きシャフト85を1つずつ供給するシャフト保持台55が配設されている。シャフト保持台55は、油穴付きシャフト85の軸方向が互いに平行に並ぶ状態で、複数の油穴付きシャフト85を保持するよう構成されている。シャフト載置部5は、退避位置501から上昇位置502へ上昇する際に、載置受け部51が最先頭側の油穴付きシャフト85を持ち上げて、この油穴付きシャフト85を組付ラインL上に配置するよう構成されている。
【0039】
図1、図4、図5に示すごとく、フレーム保持部2の下方には、シャフト押出部4によって押し出されるダミーシャフト86を受け取るシャフト受取部7が配設されている。シャフト受取部7は、プラネタリキャリヤ81における一対の組付穴811の軸方向の側方に位置して、ダミーシャフト86を受け取る受取位置702と、受取位置702から後退した後退位置701との間でスライドが可能である。
【0040】
シャフト受取部7は、ダミーシャフト86を収容する収容箱71と、仮組体80からダミーシャフト86を受けて収容箱71へ導くシャフト受け部711と、収容箱71及びシャフト受け部711を受取位置702と後退位置701との間でスライドさせるスライド機構部72と、駆動軸13に設けたカム73と、カム73と収容箱71とを連結するリンク74とを有している。
そして、駆動源12によって駆動軸13及びカム73が回転し、カム73に係合するリンク74の回動を受けて、スライド機構部72にガイドされてスライドすることにより、シャフト受取部7を受取位置702と後退位置701との間でスライドさせることができる。
【0041】
次に、本例の回転体部品組付装置1を用いて、回転体部品8の組付を行う方法につき説明する。
本例の回転体部品組付装置1は、1つの駆動源12による駆動軸13の駆動により、次の各動作を行って、プラネタリキャリヤ81における一対の組付穴811に、ピニオンシャフト85を介してピニオンギヤ82を組み付ける。
まず、仮組体保持台35に複数の仮組体80を保持するとともに、シャフト保持台55に複数の油穴付きシャフト85を保持しておく。
次いで、図8に示すごとく、第1動作として、駆動源12によって駆動軸13が所定角度回転し、フレーム保持部2が所定角度回動して、プラネタリキャリヤ81におけるいずれか一対の組付穴811が組付ラインL上に配置される。また、第1動作を行う際には、シャフト受取部7が後退位置701から受取位置702へ前進する。
【0042】
次いで、図9に示すごとく、第2動作として、駆動源12によって駆動軸13がさらに所定角度回転し、仮組体載置部3が退避位置301から上昇位置302まで上昇して、仮組体載置部3に載置された仮組体80における回転部材82の内周穴821が、プラネタリキャリヤ81における一対のベース部品812間であって、一対の組付穴811を通る組付ラインL上に配置される。
次いで、図10に示すごとく、第3動作として、駆動源12によって駆動軸13がさらに所定角度回転し、シャフト押出部4が、仮組体80における複数の円筒ころ83の内周側に進入し、ダミーシャフト86を押し出す。そして、仮組体80から押し出されたダミーシャフト86は、受取位置702にあるシャフト受取部7に受け渡される。この後、シャフト押出部4は、仮組体80の中に挿入したまま維持する。
また、駆動源12によって駆動軸13がさらに回転する過程において、ダミーシャフト86を受け取ったシャフト受取部7が、受取位置702から退避位置701へ後退する。
【0043】
次いで、図11に示すごとく、第4動作として、駆動源12によって駆動軸13がさらに所定角度回転し、シャフト載置部5が退避位置501から上昇位置502まで上昇して、シャフト載置部5に載置された油穴付きシャフト85が組付ラインL上に配置される。そして、シャフト押出部4と、油穴付きシャフト85と、シャフト挿入部6の挿入シャフト61とが、組付ラインL上に並ぶ。
次いで、図12に示すごとく、第5動作として、駆動源12によって駆動軸13がさらに所定角度回転し、挿入シャフト61は、2条の螺旋状溝613が一対の係合ガイド62によって案内され、回転しながら前進する。そして、挿入シャフト61の先端面611が油穴付きシャフト85の端面に当接し、挿入シャフト61が回転する際に、挿入シャフト61の先端面611の一箇所に形成された突起612を、油穴付きシャフト85に形成された切欠854に係合させることができる。また、挿入シャフト61は、油穴付きシャフト85を押すとともに、油穴付きシャフト85を介してシャフト押出部4を押し戻す。
【0044】
そして、図7、図12に示すごとく、挿入シャフト61は、前進しながら1回転以上回転した後には、挿入シャフト61における二面幅614が一対の係合ガイド62によって案内されて直進する。このとき、挿入シャフト61は、その突起612の周方向位置を規定位置に合わせて直進する。ここで、本例の油穴付きシャフト85における切欠854は、油穴851が外周に開口する一方向である、径方向油穴部分853を形成した径方向と、180°反対側の径方向に形成されている。
【0045】
そして、切欠854をプラネタリキャリヤ81における内周側に向け、油穴851の外周における一方向をプラネタリキャリヤ81における外周側に向けて、油穴付きシャフト85をプラネタリキャリヤ81における一対の組付穴811に組み付けることができる。これにより、シャフト載置部5に載置された油穴付きシャフト85を、仮組体80における複数の円筒ころ83の内周側に挿入することができる。
【0046】
次いで、図13に示すごとく、駆動源12によって駆動軸13がさらに所定角度回転し、挿入シャフト61が後退するとともにシャフト押出部4がさらに後退する。また、仮組体載置部3が上昇位置302から退避位置301まで下降するとともに、シャフト載置部5が上昇位置502から退避位置501まで下降する。
こうして、駆動源12によって駆動軸13が1回転する間に、仮組体80におけるピニオンギヤ82からダミーシャフト86を抜き出すとともに、油穴付きシャフト85によってピニオンギヤ82をプラネタリキャリヤ81に組み付けることができる。
【0047】
その後、次の第1動作として、駆動源12によって駆動軸13が所定角度回転し、フレーム保持部2が所定角度回動して、プラネタリキャリヤ81における次の一対の組付穴811が組付ラインL上に配置される。以下同様にして、第1動作から第5動作によるピニオンギヤ82及び油穴付きシャフト85の組付を、プラネタリキャリヤ81におけるすべての一対の組付穴811に対して繰り返し行って、回転体部品8としての遊星歯車部品8の組付を行うことができる。
【0048】
このように、図14に示すごとく、回転体部品組付装置1においては、油穴付きシャフト85をプラネタリキャリヤ81における一対の組付穴811に組み付ける際に、油穴付きシャフト85における油穴851の外周側開口位置(周方向位置)をプラネタリキャリヤ81における外周側位置に合わせることができる。
それ故、回転体部品組付装置1によれば、簡単な方法によって、油穴付きシャフト85における油穴851の外周側開口位置(周方向位置)をプラネタリキャリヤ81における外周側位置に合わせて、遊星歯車部品8の組付を行うことができる。
【符号の説明】
【0049】
1 回転体部品組付装置
11 架台
12 駆動源
13 駆動軸
2 フレーム保持部
3 仮組体載置部
35 仮組体保持台
4 シャフト押出部
5 シャフト載置部
55 シャフト保持台
6 シャフト挿入部
61 挿入シャフト
611 先端面
612 突起
613 2条の螺旋状溝
614 二面幅
62 一対の係合ガイド
7 シャフト受取部
8 回転体部品(遊星歯車部品)
80 仮組体
81 フレーム(プラネタリキャリヤ)
811 一対の組付穴
82 回転部材(ピニオンギヤ)
821 内周穴
83 円筒ころ
85 油穴付きシャフト(ピニオンシャフト)
851 油穴
854 切欠
86 ダミーシャフト
L 組付ライン
【技術分野】
【0001】
本発明は、周方向に複数配列された円筒ころを介して回転部材の内周穴に挿入された油穴付きシャフトをフレームに組み付けて形成される回転体部品の組付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転体部品である遊星歯車を組み付ける際には、作業者が、プラネタリキャリヤに形成された一対の組付穴にピニオンギヤの内周穴を合わせ、一対の組付穴及び内周穴にピニオンシャフトを挿通し、ピニオンシャフトを一対の組付穴に固定している。
また、特許文献1の遊星歯車組付け装置は、ターンテーブルと、ターンテーブルの上に各々回動可能に設けた2個の遊星キャリア用治具と、ターンテーブルの回転範囲内に遊星キャリア用治具の配置間隔と同じ間隔で設けた遊星歯車組込み部及び止めピン圧入部を備えている。この遊星歯車組付け装置においては、遊星歯車組込み部には、遊星キャリア内の遊星歯車からダミーシャフトを外すダミーシャフト離脱機構を設けている。また、止めピン圧入部には、遊星キャリア用治具を回動させる治具回動機構と、遊星キャリア及び遊星歯車に挿入された歯車軸を共通の加工基準面で位置決め固定する位置決め固定機構と、遊星キャリア及び歯車軸にまたがって止めピンを圧入する止めピン圧入機構を設けている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−9284号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記特許文献1の遊星歯車組付け装置においては、歯車軸の端面から形成した位置決め凹部の周方向位置(周方向の向き)を決定する際には、位置決め用シリンダの位置決め部に係合させている。しかしながら、特許文献1においては、位置決め部をどうすることによって歯車軸の位置決め凹部の周方向位置を決定するかについて、具体的な構成が示されていない。
【0005】
本発明は、かかる背景に鑑みてなされたもので、簡単な方法によって、油穴付きシャフトの油穴の周方向位置を、フレームにおける一対の組付穴の規定位置に合わせて、回転体部品の組付を行うことができる回転体部品組付装置を提供しようとして得られたものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、周方向に複数配列された円筒ころを介して回転部材の内周穴に挿入された油穴付きシャフトを、フレームにおける一対の組付穴に掛け渡して組み付けられ、上記油穴付きシャフトは、軸方向端面から外周の一方向まで内部に形成された油穴と、該油穴の一方向と関連して軸方向端面に形成された切欠とを有し、上記油穴の一方向を上記フレームの特定方向に配置して形成される回転体部品を組み付ける装置であって、
上記フレームを保持するフレーム保持部と、
上記複数の円筒ころを介して上記回転部材の内周穴にダミーシャフトを挿入してなる仮組体を載置する仮組体載置部と、
上記仮組体における上記複数の円筒ころの内周側に進入して上記ダミーシャフトを押し出すシャフト押出部と、
上記油穴付きシャフトを載置するシャフト載置部と、
該シャフト載置部に載置された上記油穴付きシャフトを、上記シャフト押出部を押し戻しながら上記仮組体における上記複数の円筒ころの内周側に挿入するシャフト挿入部と、を備えており、
該シャフト挿入部は、その先端面の一箇所に、上記切欠に係合する突起を有しており、かつ、前進するとともに上記油穴付きシャフトの軸方向端面に当接してから1回転以上回転して、上記突起の周方向位置を規定位置に合わせるよう構成されていることを特徴とする回転体部品組付装置にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0007】
上記回転体部品組付装置においては、油穴付きシャフトをフレームにおける一対の組付穴に組み付ける際に、油穴付きシャフトの油穴の周方向位置をフレームにおける一対の組付穴の規定位置に合わせることができるものである。
具体的には、フレーム保持部、仮組体載置部、シャフト押出部、シャフト載置部及びシャフト挿入部を用い、シャフト押出部の移動によって、仮組体載置部に載置された仮組体からダミーシャフトを押し出し、シャフト挿入部の移動によって、油穴付きシャフトをダミーシャフトと入れ替える。このとき、シャフト挿入部の動作によって、油穴付きシャフトの油穴の周方向位置をフレームにおける一対の組付穴の規定位置に合わせることができる。
【0008】
仮組体におけるダミーシャフトと油穴付きシャフトとを入れ替えるに当たっては、フレーム保持部にフレームを保持するとともに、仮組体載置部に仮組体を載置し、シャフト載置部に油穴付きシャフトを載置する。仮組体は、回転部材の内周穴に複数配列した円筒ころの内周側に、油穴付きシャフトを挿入する代わりに、ダミーシャフトを挿入してなる。
そして、フレーム保持部に保持されたフレームにおける一対の組付穴の中心軸線上に、仮組体載置部に載置された仮組体におけるダミーシャフトの中心軸線を一致させる。次いで、シャフト押出部を、仮組体における複数の円筒ころの内周側に進入させて、仮組体からダミーシャフトを押し出す。そして、シャフト押出部は、仮組体の中に挿入したまま維持する。
【0009】
次いで、フレーム保持部に保持されたフレームにおける一対の組付穴の中心軸線上に、シャフト載置部に載置された油穴付きシャフトの中心軸線を一致させる。次いで、シャフト挿入部を回転させながら前進させることにより、シャフト押出部を押し戻しながら油穴付きシャフトを、仮組体における複数の円筒ころの内周側に挿入する。このとき、シャフト挿入部が回転する際に、シャフト挿入部の先端面の一箇所に形成された突起を、油穴付きシャフトに形成された切欠に係合させることができる。
【0010】
そして、シャフト挿入部は、前進するとともに油穴付きシャフトの軸方向端面に当接してから1回転以上回転して、突起の周方向位置を規定位置に合わせることができる。
ここで、シャフト挿入部の前進は、シャフト挿入部が回転することによって突起の周方向位置が規定位置に合ってからも行うことができ、シャフト挿入部が回転することによって突起の周方向位置が規定位置に合うまで行うことができる。
これにより、油穴付きシャフトの油穴の周方向位置を、フレームにおける一対の組付穴の規定位置に合わせて、油穴付きシャフトをフレームにおける一対の組付穴に組み付けることができる。
【0011】
それ故、上記回転体部品組付装置によれば、簡単な方法によって、油穴付きシャフトの油穴の周方向位置を、フレームにおける一対の組付穴の規定位置に合わせて、回転体部品の組付を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例にかかる、回転体部品組付装置を示す正面図。
【図2】実施例にかかる、回転体部品組付装置を示す側面図。
【図3】実施例にかかる、回転体部品組付装置を示す上面図。
【図4】実施例にかかる、回転体部品組付装置における仮組体載置部及びシャフト受取部の周辺を示す側面図。
【図5】実施例にかかる、回転体部品組付装置におけるシャフト載置部及びシャフト受取部の周辺を示す側面図。
【図6】実施例にかかる、回転体部品組付装置におけるシャフト受取部の周辺を示す正面図。
【図7】実施例にかかる、回転体部品組付装置におけるシャフト挿入部の周辺を示す側面図。
【図8】実施例にかかる、回転体部品組付装置の主要部を拡大して示す正面図。
【図9】実施例にかかる、仮組体載置部が上昇した状態の回転体部品組付装置の主要部を拡大して示す正面図。
【図10】実施例にかかる、シャフト押出部が仮組体からダミーシャフトを押し出した状態の回転体部品組付装置の主要部を拡大して示す正面図。
【図11】実施例にかかる、シャフト載置部が上昇した状態の回転体部品組付装置の主要部を拡大して示す正面図。
【図12】実施例にかかる、挿入シャフトが回転しながら前進する状態の回転体部品組付装置における主要部を拡大して示す正面図。
【図13】実施例にかかる、挿入シャフト及びシャフト押出部が後退し、仮組体載置部及びシャフト載置部が下降する状態の回転体部品組付装置における主要部を拡大して示す正面図。
【図14】実施例にかかる、油穴付きシャフトによって回転部材をフレームに組み付けて形成した回転体部品を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上述した回転体部品組付装置における好ましい実施の形態につき説明する。
上記シャフト挿入部は、前進しながら1回転以上2回転以下で回転させることができ、好ましくは、前進しながら1回転以上1.5回転以下で回転させることができる。シャフト挿入部の回転量が1回転未満である場合には、シャフト挿入部の先端面の一箇所に形成された突起を、油穴付きシャフトに形成された切欠に係合させることができないことがある。
【0014】
上記回転体部品組付装置においては、上記シャフト挿入部は、2条の螺旋状溝及び該2条の螺旋状溝の形成位置よりも後端側に位置する二面幅を有する挿入シャフトと、上記2条の螺旋状溝と上記二面幅とにそれぞれ順次係合する一対の係合ガイドと、を備えており、かつ、該一対の係合ガイドが上記2条の螺旋状溝に係合することにより、前進する上記挿入シャフトが回転し、上記一対の係合ガイドが上記二面幅に係合することにより、上記挿入シャフトが直進するよう構成されていてもよい(請求項2)。
この場合には、挿入シャフトと一対の係合ガイドとを用いたシャフト挿入部の簡単な構成により、シャフト挿入部が、前進しながら1回転以上回転した後に直進する動作を、シャフト挿入部を前進させることによって容易に行うことができる。
【0015】
また、上記シャフト押出部と上記シャフト挿入部とは、駆動源によって回転する駆動軸にリンクを介して接続されており、上記駆動軸の回転運動を上記リンクによって上記シャフト押出部及び上記シャフト挿入部のスライド運動に変換し、上記駆動軸の回転を受けて、上記シャフト押出部による上記ダミーシャフトの押出を行った後、上記シャフト挿入部による上記油穴付きシャフトの挿入を行うよう構成されていてもよい(請求項3)。
この場合には、1つの駆動源による駆動軸の回転を受けて、シャフト押出部及びシャフト挿入部の動作を行うことができる。これにより、必要最低限の駆動源を用いることにより、小さな動力で回転体部品組付装置を動作させることができる。
【0016】
また、上記回転部材はピニオンギヤとし、上記油穴付きシャフトはピニオンシャフトとし、上記フレームは、上記一対の組付穴が複数形成されたプラネタリキャリヤとし、上記回転体部品は、遊星歯車部品とすることができる(請求項4)。
この場合には、簡単な構造の回転体部品組付装置によって、遊星歯車部品の組付を行うことができる。
【0017】
また、上記フレーム保持部は、上記駆動軸の回転を受けて所定角度ずつ回動して、上記プラネタリキャリヤにおける上記複数の一対の組付穴を、上記シャフト押出部による上記ダミーシャフトの押出及び上記シャフト挿入部による上記油穴付きシャフトの挿入を行う組付ラインに、順次対向させるよう構成されていてもよい(請求項5)。
この場合には、1つの駆動源による駆動軸の回転を受けて、フレーム保持部を所定角度ずつ回動させることができる。そして、駆動軸が1回転するごとに、複数の一対の組付穴に対して、複数の円筒ころを介して回転部材を外装した油穴付きシャフトを、順次組み付けることができる。
【0018】
また、上記仮組体載置部は、下方に退避する退避位置と、該仮組体載置部に載置された上記仮組体における上記回転部材の内周穴が上記組付ライン上に位置する上昇位置との間で上下するよう構成されており、上記シャフト載置部は、下方に退避する退避位置と、該シャフト載置部に載置された上記油穴付きシャフトが上記組付ライン上に位置する上昇位置との間で上下するよう構成されており、上記フレーム保持部の下方には、上記シャフト押出部によって押し出される上記ダミーシャフトを受け取るシャフト受取部が配設されており、上記フレーム保持部が所定角度回動して、上記プラネタリキャリヤにおけるいずれか上記一対の組付穴が上記組付ライン上に位置する第1動作と、上記仮組体載置部が上記退避位置から上昇して、該仮組体載置部に載置された上記仮組体における上記回転部材の内周穴が上記組付ライン上に位置する第2動作と、上記シャフト押出部が、上記仮組体における上記複数の円筒ころの内周側に進入し、上記ダミーシャフトを押し出して上記シャフト受取部へ受け渡す第3動作と、上記シャフト載置部が上記退避位置から上昇して、該シャフト載置部に載置された上記油穴付きシャフトが上記組付ライン上に位置する第4動作と、上記シャフト挿入部が、上記シャフト載置部に載置された上記油穴付きシャフトを、上記シャフト押出部を押し戻しながら上記仮組体における上記複数の円筒ころの内周側に挿入する第5動作と、を上記駆動軸が1回転することによって連続して繰り返し行うよう構成されていてもよい(請求項6)。
【0019】
この場合には、仮組体載置部及びシャフト載置部を上下させる構成にし、これらとフレーム保持部、シャフト押出部及びシャフト挿入部とを、1つの駆動源による駆動軸の回転を受けて動作させることができる。
また、駆動軸が1回転するごとに、フレーム保持部の第1動作と、仮組体載置部の第2動作と、シャフト押出部の第3動作と、シャフト載置部の第4動作と、シャフト挿入部の第5動作とを連続して繰り返し行うことができる。そして、プラネタリキャリヤにおける複数の一対の組付穴に対して、複数の円筒ころを介して回転部材を外装した油穴付きシャフトを、順次組み付けることができる。
【実施例】
【0020】
以下に、本例の回転体部品組付装置にかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
本例の回転体部品8は、図14に示すごとく、周方向に複数配列された円筒ころ83を介して回転部材82の内周穴821に挿入された油穴付きシャフト85を、フレーム81における一対の組付穴811に掛け渡して組み付けられている。油穴付きシャフト85は、軸方向端面から外周の一方向まで内部に形成された油穴851と、油穴851の一方向と関連して軸方向端面に形成された切欠854とを有し、油穴851の一方向をフレーム81の特定方向に向けて組み付けられている。
【0021】
回転体部品組付装置1は、図1、図2に示すごとく、フレーム81を保持するフレーム保持部2と、複数の円筒ころ83を介して回転部材82の内周穴821にダミーシャフト86を挿入してなる仮組体80を載置する仮組体載置部3と、仮組体80における複数の円筒ころ83の内周側に進入してダミーシャフト86を押し出すシャフト押出部4と、油穴付きシャフト85を載置するシャフト載置部5と、シャフト載置部5に載置された油穴付きシャフト85を、シャフト押出部4を押し戻しながら仮組体80における複数の円筒ころ83の内周側に挿入するシャフト挿入部6と、を備えている。
シャフト挿入部6は、図9、図12に示すごとく、その先端面611の一箇所に、切欠854に係合する突起612を有している。シャフト挿入部6は、前進するとともに油穴付きシャフト85の軸方向端面に当接してから1回転以上回転して、突起612の周方向位置を規定位置に合わせるよう構成されている。
【0022】
以下に、本例の回転体部品組付装置1につき、図1〜図14を参照して詳説する。
図14に示すごとく、本例の回転体部品8は遊星歯車部品8であり、回転部材82はピニオンギヤ82であり、油穴付きシャフト85はピニオンシャフト85であり、フレーム81は、一対の組付穴811が複数形成されたプラネタリキャリヤ81である。本例のフレーム保持部2に保持するプラネタリキャリヤ81には、サンギヤを固定するサンギヤシャフト84が取り付けられている。
プラネタリキャリヤ81は、その中心軸線の回りに並ぶピニオンギヤ82を間に配置する一対のベース部品812を組み合わせて構成されている。
【0023】
本例の回転体部品組付装置1は、プラネタリキャリヤ81における周方向の複数箇所に対して、ピニオンシャフト85によってピニオンギヤ82を配設して形成するものである。
油穴付きシャフト85は、プラネタリキャリヤ81が回転する際に生じる遠心力によって、軸方向端面から油穴851に流れ込む潤滑油を、外周の一方向としてのプラネタリキャリヤ81の外周側へ導くものである。油穴851は、油穴付きシャフト85の軸方向端面から軸方向の中間位置まで形成された軸方向油穴部分852と、軸方向油穴部分852の中間位置から周方向の一方向である外周面まで形成された径方向油穴部分853とを有している。油穴付きシャフト85の軸方向両端面には、凹部855が形成されている。本例の切欠854は、径方向油穴部分853を形成した径方向と、180°反対側の径方向に形成されている。
【0024】
油穴付きシャフト85は、その油穴851の外周の一方向である径方向油穴部分853を、プラネタリキャリヤ(フレーム)81の外周方向(特定方向)に向けて組み付けられている。これにより、油穴付きシャフト85の軸方向端面から軸方向油穴部分852へ流入する潤滑油は、プラネタリキャリヤ81の回転に伴う遠心力によって、プラネタリキャリヤ81における外周側に向けられた油穴付きシャフト85の外周における径方向油穴部分853から、複数の円筒ころ83の潤滑のために用いられる。
【0025】
図1、図2に示すごとく、回転体部品組付装置1は、架台11に配設した1つの駆動源12の回転によって、遊星歯車部品8を組み付けるものである。駆動源12はモータであり、回転体部品組付装置1の架台11には、駆動源12によって回転する駆動軸13が、軸受部131によって軸支されて回転可能に配設されている。
回転体部品組付装置1は、フレーム保持部2、仮組体載置部3、シャフト押出部4、シャフト載置部5及びシャフト挿入部6を、架台11に配設して構成されている。
【0026】
図2、図3、図7、図8に示すごとく、シャフト挿入部6は、2条の螺旋状溝613、及び2条の螺旋状溝613の形成位置よりも後端側に位置する二面幅614を有する挿入シャフト61と、2条の螺旋状溝613と二面幅614とにそれぞれ順次係合する一対の係合ガイド62とを備えている。なお、図7は、シャフト挿入部6及び一対の係合ガイド62を、シャフト挿入部6の軸方向から見た状態で示す図である。
【0027】
挿入シャフト61は、その軸線方向に沿って、駆動源12による駆動軸13の回転を受けてスライドするよう構成されている。挿入シャフト61は、その前後の位置において支持されている。
シャフト挿入部6は、一対の係合ガイド62が2条の螺旋状溝613に係合することにより、前進する挿入シャフト61が回転し、一対の係合ガイド62が二面幅614に係合することにより、挿入シャフト61が直進するよう構成されている。
本例のシャフト挿入部6は、前進しながら1回転以上回転した後、突起612の周方向位置を規定位置に合わせて直進するよう構成されている。
なお、シャフト挿入部6の前進は、突起612の周方向位置が規定位置に合わさると同時に停止することができる。
【0028】
図8、図9に示すごとく、シャフト押出部4は、リニヤガイド44を用いてスライドするよう構成されている。シャフト押出部4は、その軸線方向に沿って、駆動源12による駆動軸13の回転を受けてスライドするよう構成されている。シャフト押出部4は、後端側シャフト部分41に対して先端側シャフト部分42を回転可能に連結して形成されている。そして、先端側シャフト部分42は、挿入シャフト61及び油穴付きシャフト85の回転力を受けて、後端側シャフト部分41に対して回転するようになっている。また、シャフト押出部4は、プラネタリキャリヤ81における一対の組付穴811の形成方向である前進方向に、引張バネ43によって付勢されている。
【0029】
図1に示すごとく、挿入シャフト61の軸線方向とシャフト押出部4の軸線方向とは、同一軸線上で一致している。シャフト押出部4は、駆動源12によって回転する駆動軸13にカム45及びリンク46を介して接続されている。挿入シャフト61は、駆動源12によって回転する駆動軸13にカム63及びリンク64を介して接続されている。挿入シャフト61には、リンク64を連結する連結部材615が設けてある。
回転体部品組付装置1は、駆動軸13の回転運動をカム45,63及びリンク46,64によってシャフト押出部4及びシャフト挿入部6のスライド運動に変換し、駆動軸13の回転を受けて、シャフト押出部4によるダミーシャフト86の押出を行った後、シャフト挿入部6による油穴付きシャフト85の挿入を行うよう構成されている。
【0030】
図1、図3、図4に示すごとく、フレーム保持部2は、駆動軸13の回転を受けて所定角度ずつ回動して、フレーム81としてのプラネタリキャリヤ81における複数の一対の組付穴811を、シャフト押出部4によるダミーシャフト86の押出及びシャフト挿入部6による油穴付きシャフト85の挿入を行う組付ラインLに、順次対向させるよう構成されている。
プラネタリキャリヤ81において、一対の組付穴811は、本例においては周方向の4箇所に等間隔に形成されている。フレーム保持部2は、一対の組付穴811の形成間隔と同じ角度だけ回動するよう構成されている。
【0031】
図1に示すごとく、フレーム保持部2は、サンギヤシャフト84におけるプラネタリキャリヤ81を配設した一方側端面を回転支持する駆動側回転支持機構部20Aと、サンギヤシャフト84における他方側端面を回転支持する従動側回転支持機構部20Bとを有している。駆動側回転支持機構部20Aは、サンギヤシャフト84と同一軸線上に配置する駆動側回転軸部21と、駆動側回転軸部21から外周側に突出してプラネタリキャリヤ81に設けた位置決め穴813に挿入するピン211と、駆動側回転軸部21の回転を軸支する軸受部22と、駆動側回転軸部21の後端部に設けた回転割出盤23と、回転割出盤23に係合する係合車24と、係合車24を設けた係合軸部241と、係合軸部241に設けたプーリ(回転車)251と、駆動軸13に設けたプーリ(回転車)252と、一対のプーリ251,252に掛け渡したプーリベルト(伝達部材)253とを有している。
【0032】
図4に示すごとく、ピン211を挿入する位置決め穴813は、一対の組付穴811を形成した周方向位置とは異なる周方向位置に形成されている。図1、図8〜図13においては、図示を簡単にするために、ピン211と一対の組付穴811とを同じ断面に記載した。
【0033】
駆動側回転支持機構部20Aは、駆動軸13の回転を、一対のプーリ251,252及びプーリベルト253を介して、係合車24から回転割出盤23へ伝達し、駆動側回転軸部21を所定角度回動させるよう構成されている。本例においては、駆動軸13及びカムと係合車24とが1回転する間に、係合車24と回転割出盤23との係合により、プラネタリキャリヤ81における周方向の4箇所に形成された一対の組付穴811に対応して、駆動側回転軸部21が90°回転する。このとき、ピン211が位置決め穴813に挿入されていることにより、プラネタリキャリヤ81を90°回転させることができる。
【0034】
従動側回転支持機構部20Bは、サンギヤシャフト84と同一軸線上に配置する従動側回転軸部26と、従動側回転軸部26を軸支する軸受部27と、従動側回転軸部26及び軸受部27を配設してスライドするスライド部28と、従動側回転軸部26、軸受部27及びスライド部28をサンギヤシャフト84の側へ付勢する付勢手段29とを有している。また、スライド部28は、リニヤガイド44を用いてスライドし、サンギヤシャフト84を付勢するよう構成されている。
【0035】
図1、図4に示すごとく、仮組体載置部3は、下方に退避する退避位置301と、仮組体載置部3に載置された仮組体80における回転部材82の内周穴821の中心軸線が組付ラインL上に位置する上昇位置302との間で上下するよう構成されている。仮組体載置部3は、仮組体80を載置する載置受け部31と、載置受け部31を上下させる上下シャフト32と、駆動軸13に設けたカム33と、カム33に係合して上下シャフト32を上下させるリンク34とを有している。
そして、駆動源12によって駆動軸13及びカム33が回転し、カム33に係合するリンク34によって上下シャフト32が上下することにより、載置受け部31を退避位置301と上昇位置302との間で上下させることができる。
【0036】
架台11には、仮組体載置部3における載置受け部31へ、仮組体80を1つずつ供給する仮組体保持台35が配設されている。仮組体保持台35は、仮組体80における回転部材82の内周穴821の軸方向が、互いに平行に並ぶ状態で、複数の仮組体80を保持するよう構成されている。仮組体載置部3は、退避位置301から上昇位置302へ上昇する際に、載置受け部31が最先頭側の仮組体80を持ち上げて、この仮組体80を組付ラインL上に配置するよう構成されている。
【0037】
図1、図5に示すごとく、シャフト載置部5は、下方に退避する退避位置501と、シャフト載置部5に載置された油穴付きシャフト85が組付ラインL上に位置する上昇位置502との間で上下するよう構成されている。シャフト載置部5は、油穴付きシャフト85を載置する載置受け部51と、載置受け部51を上下させる上下シャフト52と、駆動軸13に設けたカム53と、カム53に係合して上下シャフト52を上下させるリンク54とを有している。
そして、駆動源12によって駆動軸13及びカム53が回転し、カム53に係合するリンク54によって上下シャフト52が上下することにより、載置受け部51を退避位置501と上昇位置502との間で上下させることができる。
【0038】
架台11には、シャフト載置部5における載置受け部51へ、油穴付きシャフト85を1つずつ供給するシャフト保持台55が配設されている。シャフト保持台55は、油穴付きシャフト85の軸方向が互いに平行に並ぶ状態で、複数の油穴付きシャフト85を保持するよう構成されている。シャフト載置部5は、退避位置501から上昇位置502へ上昇する際に、載置受け部51が最先頭側の油穴付きシャフト85を持ち上げて、この油穴付きシャフト85を組付ラインL上に配置するよう構成されている。
【0039】
図1、図4、図5に示すごとく、フレーム保持部2の下方には、シャフト押出部4によって押し出されるダミーシャフト86を受け取るシャフト受取部7が配設されている。シャフト受取部7は、プラネタリキャリヤ81における一対の組付穴811の軸方向の側方に位置して、ダミーシャフト86を受け取る受取位置702と、受取位置702から後退した後退位置701との間でスライドが可能である。
【0040】
シャフト受取部7は、ダミーシャフト86を収容する収容箱71と、仮組体80からダミーシャフト86を受けて収容箱71へ導くシャフト受け部711と、収容箱71及びシャフト受け部711を受取位置702と後退位置701との間でスライドさせるスライド機構部72と、駆動軸13に設けたカム73と、カム73と収容箱71とを連結するリンク74とを有している。
そして、駆動源12によって駆動軸13及びカム73が回転し、カム73に係合するリンク74の回動を受けて、スライド機構部72にガイドされてスライドすることにより、シャフト受取部7を受取位置702と後退位置701との間でスライドさせることができる。
【0041】
次に、本例の回転体部品組付装置1を用いて、回転体部品8の組付を行う方法につき説明する。
本例の回転体部品組付装置1は、1つの駆動源12による駆動軸13の駆動により、次の各動作を行って、プラネタリキャリヤ81における一対の組付穴811に、ピニオンシャフト85を介してピニオンギヤ82を組み付ける。
まず、仮組体保持台35に複数の仮組体80を保持するとともに、シャフト保持台55に複数の油穴付きシャフト85を保持しておく。
次いで、図8に示すごとく、第1動作として、駆動源12によって駆動軸13が所定角度回転し、フレーム保持部2が所定角度回動して、プラネタリキャリヤ81におけるいずれか一対の組付穴811が組付ラインL上に配置される。また、第1動作を行う際には、シャフト受取部7が後退位置701から受取位置702へ前進する。
【0042】
次いで、図9に示すごとく、第2動作として、駆動源12によって駆動軸13がさらに所定角度回転し、仮組体載置部3が退避位置301から上昇位置302まで上昇して、仮組体載置部3に載置された仮組体80における回転部材82の内周穴821が、プラネタリキャリヤ81における一対のベース部品812間であって、一対の組付穴811を通る組付ラインL上に配置される。
次いで、図10に示すごとく、第3動作として、駆動源12によって駆動軸13がさらに所定角度回転し、シャフト押出部4が、仮組体80における複数の円筒ころ83の内周側に進入し、ダミーシャフト86を押し出す。そして、仮組体80から押し出されたダミーシャフト86は、受取位置702にあるシャフト受取部7に受け渡される。この後、シャフト押出部4は、仮組体80の中に挿入したまま維持する。
また、駆動源12によって駆動軸13がさらに回転する過程において、ダミーシャフト86を受け取ったシャフト受取部7が、受取位置702から退避位置701へ後退する。
【0043】
次いで、図11に示すごとく、第4動作として、駆動源12によって駆動軸13がさらに所定角度回転し、シャフト載置部5が退避位置501から上昇位置502まで上昇して、シャフト載置部5に載置された油穴付きシャフト85が組付ラインL上に配置される。そして、シャフト押出部4と、油穴付きシャフト85と、シャフト挿入部6の挿入シャフト61とが、組付ラインL上に並ぶ。
次いで、図12に示すごとく、第5動作として、駆動源12によって駆動軸13がさらに所定角度回転し、挿入シャフト61は、2条の螺旋状溝613が一対の係合ガイド62によって案内され、回転しながら前進する。そして、挿入シャフト61の先端面611が油穴付きシャフト85の端面に当接し、挿入シャフト61が回転する際に、挿入シャフト61の先端面611の一箇所に形成された突起612を、油穴付きシャフト85に形成された切欠854に係合させることができる。また、挿入シャフト61は、油穴付きシャフト85を押すとともに、油穴付きシャフト85を介してシャフト押出部4を押し戻す。
【0044】
そして、図7、図12に示すごとく、挿入シャフト61は、前進しながら1回転以上回転した後には、挿入シャフト61における二面幅614が一対の係合ガイド62によって案内されて直進する。このとき、挿入シャフト61は、その突起612の周方向位置を規定位置に合わせて直進する。ここで、本例の油穴付きシャフト85における切欠854は、油穴851が外周に開口する一方向である、径方向油穴部分853を形成した径方向と、180°反対側の径方向に形成されている。
【0045】
そして、切欠854をプラネタリキャリヤ81における内周側に向け、油穴851の外周における一方向をプラネタリキャリヤ81における外周側に向けて、油穴付きシャフト85をプラネタリキャリヤ81における一対の組付穴811に組み付けることができる。これにより、シャフト載置部5に載置された油穴付きシャフト85を、仮組体80における複数の円筒ころ83の内周側に挿入することができる。
【0046】
次いで、図13に示すごとく、駆動源12によって駆動軸13がさらに所定角度回転し、挿入シャフト61が後退するとともにシャフト押出部4がさらに後退する。また、仮組体載置部3が上昇位置302から退避位置301まで下降するとともに、シャフト載置部5が上昇位置502から退避位置501まで下降する。
こうして、駆動源12によって駆動軸13が1回転する間に、仮組体80におけるピニオンギヤ82からダミーシャフト86を抜き出すとともに、油穴付きシャフト85によってピニオンギヤ82をプラネタリキャリヤ81に組み付けることができる。
【0047】
その後、次の第1動作として、駆動源12によって駆動軸13が所定角度回転し、フレーム保持部2が所定角度回動して、プラネタリキャリヤ81における次の一対の組付穴811が組付ラインL上に配置される。以下同様にして、第1動作から第5動作によるピニオンギヤ82及び油穴付きシャフト85の組付を、プラネタリキャリヤ81におけるすべての一対の組付穴811に対して繰り返し行って、回転体部品8としての遊星歯車部品8の組付を行うことができる。
【0048】
このように、図14に示すごとく、回転体部品組付装置1においては、油穴付きシャフト85をプラネタリキャリヤ81における一対の組付穴811に組み付ける際に、油穴付きシャフト85における油穴851の外周側開口位置(周方向位置)をプラネタリキャリヤ81における外周側位置に合わせることができる。
それ故、回転体部品組付装置1によれば、簡単な方法によって、油穴付きシャフト85における油穴851の外周側開口位置(周方向位置)をプラネタリキャリヤ81における外周側位置に合わせて、遊星歯車部品8の組付を行うことができる。
【符号の説明】
【0049】
1 回転体部品組付装置
11 架台
12 駆動源
13 駆動軸
2 フレーム保持部
3 仮組体載置部
35 仮組体保持台
4 シャフト押出部
5 シャフト載置部
55 シャフト保持台
6 シャフト挿入部
61 挿入シャフト
611 先端面
612 突起
613 2条の螺旋状溝
614 二面幅
62 一対の係合ガイド
7 シャフト受取部
8 回転体部品(遊星歯車部品)
80 仮組体
81 フレーム(プラネタリキャリヤ)
811 一対の組付穴
82 回転部材(ピニオンギヤ)
821 内周穴
83 円筒ころ
85 油穴付きシャフト(ピニオンシャフト)
851 油穴
854 切欠
86 ダミーシャフト
L 組付ライン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に複数配列された円筒ころを介して回転部材の内周穴に挿入された油穴付きシャフトを、フレームにおける一対の組付穴に掛け渡して組み付けられ、上記油穴付きシャフトは、軸方向端面から外周の一方向まで内部に形成された油穴と、該油穴の一方向と関連して軸方向端面に形成された切欠とを有し、上記油穴の一方向を上記フレームの特定方向に配置して形成される回転体部品を組み付ける装置であって、
上記フレームを保持するフレーム保持部と、
上記複数の円筒ころを介して上記回転部材の内周穴にダミーシャフトを挿入してなる仮組体を載置する仮組体載置部と、
上記仮組体における上記複数の円筒ころの内周側に進入して上記ダミーシャフトを押し出すシャフト押出部と、
上記油穴付きシャフトを載置するシャフト載置部と、
該シャフト載置部に載置された上記油穴付きシャフトを、上記シャフト押出部を押し戻しながら上記仮組体における上記複数の円筒ころの内周側に挿入するシャフト挿入部と、を備えており、
該シャフト挿入部は、その先端面の一箇所に、上記切欠に係合する突起を有しており、かつ、前進するとともに上記油穴付きシャフトの端面に当接してから1回転以上回転して、上記突起の周方向位置を規定位置に合わせるよう構成されていることを特徴とする回転体部品組付装置。
【請求項2】
請求項1に記載の回転体部品組付装置において、上記シャフト挿入部は、2条の螺旋状溝及び該2条の螺旋状溝の形成位置よりも後端側に位置する二面幅を有する挿入シャフトと、上記2条の螺旋状溝と上記二面幅とにそれぞれ順次係合する一対の係合ガイドと、を備えており、かつ、該一対の係合ガイドが上記2条の螺旋状溝に係合することにより、前進する上記挿入シャフトが回転し、上記一対の係合ガイドが上記二面幅に係合することにより、上記挿入シャフトが直進するよう構成されていることを特徴とする回転体部品組付装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の回転体部品組付装置において、上記シャフト押出部と上記シャフト挿入部とは、駆動源によって回転する駆動軸にリンクを介して接続されており、
上記駆動軸の回転運動を上記リンクによって上記シャフト押出部及び上記シャフト挿入部のスライド運動に変換し、上記駆動軸の回転を受けて、上記シャフト押出部による上記ダミーシャフトの押出を行った後、上記シャフト挿入部による上記油穴付きシャフトの挿入を行うよう構成されていることを特徴とする回転体部品組付装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転体部品組付装置において、上記回転部材はピニオンギヤであり、上記油穴付きシャフトはピニオンシャフトであり、上記フレームは、上記一対の組付穴が複数形成されたプラネタリキャリヤであり、上記回転体部品は、遊星歯車部品であることを特徴とする回転体部品組付装置。
【請求項5】
請求項4に記載の回転体部品組付装置において、上記フレーム保持部は、上記駆動軸の回転を受けて所定角度ずつ回動して、上記プラネタリキャリヤにおける上記複数の一対の組付穴を、上記シャフト押出部による上記ダミーシャフトの押出及び上記シャフト挿入部による上記油穴付きシャフトの挿入を行う組付ラインに、順次対向させるよう構成されていることを特徴とする回転体部品組付装置。
【請求項6】
請求項5に記載の回転体部品組付装置において、上記仮組体載置部は、下方に退避する退避位置と、該仮組体載置部に載置された上記仮組体における上記回転部材の内周穴が上記組付ライン上に位置する上昇位置との間で上下するよう構成されており、
上記シャフト載置部は、下方に退避する退避位置と、該シャフト載置部に載置された上記油穴付きシャフトが上記組付ライン上に位置する上昇位置との間で上下するよう構成されており、
上記フレーム保持部の下方には、上記シャフト押出部によって押し出される上記ダミーシャフトを受け取るシャフト受取部が配設されており、
上記フレーム保持部が所定角度回動して、上記プラネタリキャリヤにおけるいずれか上記一対の組付穴が上記組付ライン上に位置する第1動作と、
上記仮組体載置部が上記退避位置から上昇して、該仮組体載置部に載置された上記仮組体における上記回転部材の内周穴が上記組付ライン上に位置する第2動作と、
上記シャフト押出部が、上記仮組体における上記複数の円筒ころの内周側に進入し、上記ダミーシャフトを押し出して上記シャフト受取部へ受け渡す第3動作と、
上記シャフト載置部が上記退避位置から上昇して、該シャフト載置部に載置された上記油穴付きシャフトが上記組付ライン上に位置する第4動作と、
上記シャフト挿入部が、上記シャフト載置部に載置された上記油穴付きシャフトを、上記シャフト押出部を押し戻しながら上記仮組体における上記複数の円筒ころの内周側に挿入する第5動作と、を上記駆動軸が1回転することによって連続して繰り返し行うよう構成されていることを特徴とする回転体部品組付装置。
【請求項1】
周方向に複数配列された円筒ころを介して回転部材の内周穴に挿入された油穴付きシャフトを、フレームにおける一対の組付穴に掛け渡して組み付けられ、上記油穴付きシャフトは、軸方向端面から外周の一方向まで内部に形成された油穴と、該油穴の一方向と関連して軸方向端面に形成された切欠とを有し、上記油穴の一方向を上記フレームの特定方向に配置して形成される回転体部品を組み付ける装置であって、
上記フレームを保持するフレーム保持部と、
上記複数の円筒ころを介して上記回転部材の内周穴にダミーシャフトを挿入してなる仮組体を載置する仮組体載置部と、
上記仮組体における上記複数の円筒ころの内周側に進入して上記ダミーシャフトを押し出すシャフト押出部と、
上記油穴付きシャフトを載置するシャフト載置部と、
該シャフト載置部に載置された上記油穴付きシャフトを、上記シャフト押出部を押し戻しながら上記仮組体における上記複数の円筒ころの内周側に挿入するシャフト挿入部と、を備えており、
該シャフト挿入部は、その先端面の一箇所に、上記切欠に係合する突起を有しており、かつ、前進するとともに上記油穴付きシャフトの端面に当接してから1回転以上回転して、上記突起の周方向位置を規定位置に合わせるよう構成されていることを特徴とする回転体部品組付装置。
【請求項2】
請求項1に記載の回転体部品組付装置において、上記シャフト挿入部は、2条の螺旋状溝及び該2条の螺旋状溝の形成位置よりも後端側に位置する二面幅を有する挿入シャフトと、上記2条の螺旋状溝と上記二面幅とにそれぞれ順次係合する一対の係合ガイドと、を備えており、かつ、該一対の係合ガイドが上記2条の螺旋状溝に係合することにより、前進する上記挿入シャフトが回転し、上記一対の係合ガイドが上記二面幅に係合することにより、上記挿入シャフトが直進するよう構成されていることを特徴とする回転体部品組付装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の回転体部品組付装置において、上記シャフト押出部と上記シャフト挿入部とは、駆動源によって回転する駆動軸にリンクを介して接続されており、
上記駆動軸の回転運動を上記リンクによって上記シャフト押出部及び上記シャフト挿入部のスライド運動に変換し、上記駆動軸の回転を受けて、上記シャフト押出部による上記ダミーシャフトの押出を行った後、上記シャフト挿入部による上記油穴付きシャフトの挿入を行うよう構成されていることを特徴とする回転体部品組付装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の回転体部品組付装置において、上記回転部材はピニオンギヤであり、上記油穴付きシャフトはピニオンシャフトであり、上記フレームは、上記一対の組付穴が複数形成されたプラネタリキャリヤであり、上記回転体部品は、遊星歯車部品であることを特徴とする回転体部品組付装置。
【請求項5】
請求項4に記載の回転体部品組付装置において、上記フレーム保持部は、上記駆動軸の回転を受けて所定角度ずつ回動して、上記プラネタリキャリヤにおける上記複数の一対の組付穴を、上記シャフト押出部による上記ダミーシャフトの押出及び上記シャフト挿入部による上記油穴付きシャフトの挿入を行う組付ラインに、順次対向させるよう構成されていることを特徴とする回転体部品組付装置。
【請求項6】
請求項5に記載の回転体部品組付装置において、上記仮組体載置部は、下方に退避する退避位置と、該仮組体載置部に載置された上記仮組体における上記回転部材の内周穴が上記組付ライン上に位置する上昇位置との間で上下するよう構成されており、
上記シャフト載置部は、下方に退避する退避位置と、該シャフト載置部に載置された上記油穴付きシャフトが上記組付ライン上に位置する上昇位置との間で上下するよう構成されており、
上記フレーム保持部の下方には、上記シャフト押出部によって押し出される上記ダミーシャフトを受け取るシャフト受取部が配設されており、
上記フレーム保持部が所定角度回動して、上記プラネタリキャリヤにおけるいずれか上記一対の組付穴が上記組付ライン上に位置する第1動作と、
上記仮組体載置部が上記退避位置から上昇して、該仮組体載置部に載置された上記仮組体における上記回転部材の内周穴が上記組付ライン上に位置する第2動作と、
上記シャフト押出部が、上記仮組体における上記複数の円筒ころの内周側に進入し、上記ダミーシャフトを押し出して上記シャフト受取部へ受け渡す第3動作と、
上記シャフト載置部が上記退避位置から上昇して、該シャフト載置部に載置された上記油穴付きシャフトが上記組付ライン上に位置する第4動作と、
上記シャフト挿入部が、上記シャフト載置部に載置された上記油穴付きシャフトを、上記シャフト押出部を押し戻しながら上記仮組体における上記複数の円筒ころの内周側に挿入する第5動作と、を上記駆動軸が1回転することによって連続して繰り返し行うよう構成されていることを特徴とする回転体部品組付装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2013−27938(P2013−27938A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−163525(P2011−163525)
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年7月26日(2011.7.26)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】
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