説明

回転可能要素を有するシリンジ、そのシリンジを備える吸引システムおよびそれに付随した方法

シリンジは、バレルと、例えばバレルの長さに沿った近位位置のバレル上の回転要素とを備えている。回転要素はバレルの周りの少なくとも一部で回転する。ハンドルが回転要素に付随された場合に、ハンドルが実質的に静止状態に保持されるか、あるいはバレルと周辺装置が実質的に静止状態のまま残るように固定されながらハンドルが回転した場合に、バレルは回転する。ハンドルがバレルから取り外せる回転要素に付随している場合、回転要素から取り外せないバレルが同じかあるいは異なる構成の他のバレルに置き換えられる。バレルとプランジャは、プランジャがバレルの長さに沿って移動した場合にバレルを回転させるように構成されている。バレル上に回転要素を備えているシリンジを使用する方法も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概してシリンジに係り、特に、そのバレルにおいて円周方向に回転可能な要素を持つシリンジに関する。また、本発明は、回転可能要素を持つ吸引シリンジを備えるシステム並びにそのようなシステムのシリンジを用いるための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本願は、2007年10月23日出願の米国特許出願番号11/877,564の出願日の利益を主張し、その開示内容は参考としてここに全体として組み入れられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は概してシリンジに係り、特に、そのバレルにおいて円周方向に回転可能な要素を持つシリンジに関する。また、本発明は、回転可能要素を持つ吸引シリンジを備えるシステム並びにそのようなシステムのシリンジを用いるための方法に関する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一つの特徴において、本発明は、回転可能要素あるいはスリップリングを持つシリンジを備えている。そのようなシリンジの実施形態では、シリンジバレルの部分に関して同心状に配置されるリングあるいは他の回転可能要素を持つシリンジバレルを備えている。一例として、回転可能要素はシリンジバレルの近位端部あるいはその近傍(すなわち、プランジャが導入される端部)に配置される。回転可能要素はシリンジバレルに対して回転するように構成されている。いくつかの実施形態において、回転可能要素の少なくとも一部は、シリンジバレルの部分の周りで円周方向に延びる溝内に保持される。他の実施形態においては、シリンジの筒から円周方向に突出する(例えば、リップ、一連の整列された突起など)一またはそれ以上の機能部が、回転可能要素の内面に形成される溝に係合する。
【0005】
本願発明の他の実施形態によれば、スリップリングを有するシリンジバレルは、吸入シリンジ(例えば、てこ式や、そうでなければ機械的利得を提供するハンドルを持つシリンジ)のような、より複雑なシリンジの部品として使用される。そのようなシリンジにおいて、回転可能要素はハンドルに固定され、それは典型的にはシリンジの使用中に保持され、シリンジのバレルはハンドルが保持される向きに対して自由に回転する。
【0006】
更なる特徴点としては、本発明の吸引システムは、回転可能要素、吸引ハンドル、およびシリンジバレルの遠位端に固定されるカテーテル、針、などの吸引要素を備えているシリンジを含んでいる。使用時に、シリンジバレルは、このシリンジに固定されているハンドルに対して回転し(例えば、カテーテルや針のような周辺器機へのシリンジバレルの結合時)、あるいはハンドルがシリンジバレルに対して回転する(例えば、シリンジバレルが周辺機器に結合された状態でのシリンジの使用時に)。そのような特徴により、シリンジバレルと吸引要素との間の高価な回転接続部の必要性を解消する。
【0007】
そのようなシリンジのいくつかの実施形態では、一般的に構成されたシリンジバレルとプランジャを備えているが、本願発明に係るシリンジの他の実施形態では、シリンジバレルを通ってそれらの対応するプランジャが引かれた場合に回転するように構成されたシリンジバレルを備えている。そのような回転するシリンジを備える実施形態は、限定されるものではないが、生検やコアリング(coring)技術を含む様々な用法で使用でき、それは試料の吸引に先立ってあるいは吸引中などの障害物の除去及び/又は流体の混合のためにカテーテルを回転させるためである。
【0008】
上記実施形態のそれぞれにおいて、シリンジのバレルと、シリンジバレルに結合された随意的な吸引要素は、回転可能要素に固定されたハンドルに対して自由に回転する。而して、シリンジバレルはハンドルがシリンジバレルの軸線に対して回転方向に移動した場合でも静止したままかあるいは実質的に静止しており、あるいはハンドルはシリンジバレルが回転した場合でも静止したままかあるいは実質的に静止している。
【0009】
本願発明の他の特徴点や利点は、あとに続く詳細な説明、添付図面および書かれた請求項を考察することを通して当業者に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】シリンジバレルの部分の周りの回転可能要素を備える、本願発明に係るシリンジの実施形態の斜視図である。
【図2】図1に開示したシリンジの実施形態の側面組立図である。
【図3】図1に開示したシリンジの実施形態の斜視組立図である。
【図4】本願発明の開示内容を取り入れたシリンジの他の実施形態の側面図である。
【図5】回転可能要素を保持するための円周方向に突出しているガイドを備えたシリンジの実施形態の斜視図である。
【図6】回転可能要素上に制御シリンジフィンガーリングを備えたバレルの実施形態の斜視図である。
【図7】回転可能要素から突出するヒンジ要素を備えるバレルの実施形態の平面図である。
【図8】図7に開示されたヒンジ要素に連結されたプライヤグリップハンドル部材を備えるシリンジの側面図である。
【図9】ハンドルのさまざまな実施形態との使用のために構成されたさまざまな異なるバレル構成や回転可能要素を備えるシステムの概略図である。
【図10】本発明のシリンジの実施形態の斜視図であり、そのシリンジの筒はシリンジのプランジャがバレルの長さ方向に沿って移動した場合に回転するものである。
【図11】バレルの周りの回転可能要素とバレルの遠位端に固定された吸引要素を備えるシリンジを含むシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面には、本願発明の様々な側面の特徴点が示されている。
図1〜3を参照すると、バレル20とバレル20の外周面に関して旋回する回転可能要素40を備えるシリンジ10の実施形態が示されている。バレル20は、バレル20を通って軸方向に延びるレセプタクル24を画定する外側壁22を備えている。
【0012】
中心部を含むバレル20の本体30は、実質的に均一な外径OD30を有している。その遠位先端部26において、外側壁22は小さな外径のテーパーとなっており、そこが標準的な連結要素28を形成し、そこに吸引針(例えば、皮下注射針、生検針など)、カテーテルなどが連結される。バレル20の近位端部32もまた実質的に均一な外径OD32を備えているが、図示のようにOD32は本体30の外径OD30よりも小さくなっており、これにより本体30と近位端部32の間の境界に近位縁部34が形成される。
【0013】
例示された実施形態において、近位端部32は、実質的に平滑な表面を有する遠位に位置するアクスル36と、近位に位置する保持機能部38とを備えている。図示のように、保持機能部38は、別個のロック要素50を受け入れて、係合しそして保持するように構成されたネジやその他の同様な係合機能を備えており、その例は以下に更に詳しく説明する。
【0014】
環状の形状(即ち、リング状)を有する回転可能要素40は、バレル20の近位端部32の外径OD32よりもわずかに大きいがバレル20の本体30の外径OD30よりも小さい 、実質的に一定の内径ID40を有し、回転可能要素40が近位端部32上に同軸に配置されるのを可能にする。より詳しくは、回転可能要素40は縁部34に隣接してアクスル36上に位置決めされる。回転可能要素40の内面42は、実質的に平滑である。内側表面42およびアクスル36の何れかあるいは両方が平滑であると、少なくとも部分的にアクスル36の周りで回転可能要素40が自由に回転するのを促す。
【0015】
上記したように、シリンジ10はロック要素50を備えてもよい。ロック要素50は、バレル20の近位端部32において保持機能部38の相補的な係合機能部と協働する係合機能部54(例えば、例示したネジなど)を有する内側表面52を備えている。ロック要素50が保持機能部38上に配置された場合、アクスル36の外側表面はバレル20の本体30の外側表面に対して円周方向に凹んでおり、ロック要素50、すなわち、円周方向溝56(図7)が本体30とロック要素50との間に形成される。結果として得られる溝56の寸法(例えば、深さ)は、回転可能要素40をアクスル36上において軸方向に保持する。
【0016】
シリンジ10の筒20の保持機能部38と組み立てられるために構成されたロック要素50を備える実施形態の代替実施形態として、図4に示すような保持機能部38’を備える筒20’の他の実施形態は、回転可能要素40’とバレル20’との組み立てを容易にするが、バレル20’からの外れを防ぐ。例えば、保持機能部38’は、アクスル36上への回転可能要素40の配置を容易にするために構成されまた配向されたタブ39’を備えているが、回転可能要素40’がアクスル36’から外れるのを防ぐ。より具体的な実施形態において、タブ39’は保持機能部38’の残りの外表面から若干突出するように向けられ構成されている。回転可能要素40が保持機能部38’に配置されてアクスル36’へ遠位方向に滑った場合に、タブ39’は半径方向内側に押され、回転可能要素40がタブ39’を超えてそしてのその上を滑るのを可能にする。一旦、回転可能要素40がアクスル36’上に適切に位置決めされると、タブ39’は弾性的に緩んだ状態に戻り、その状態でタブ39’は保持機能部38’の残りの部分の面から半径方向に突出し、回転可能要素40をアクスル36’上の所定位置に保持する。
【0017】
図5は、バレル120の他の実施形態を示しており、それは1つまたはそれ以上の突起136(例えば、単一のフィレット構造又は隆線、複数の整列された突起など)を備え、それはバレル120の一部分の周りで円周方向に延びている。バレル120と組立てるように構成されている回転可能要素140は、ほぼ環状の形状を有しており、突起136を受け入れるための溝142を備えている。溝142と突起は、少なくとも部分的にバレル120の周りで回転可能要素40が回転できるように構成されている。突起136は、バレル120から回転可能要素40が外れるのを防ぎながら、バレル120と回転可能要素140との組み立てを容易にするように構成されている。あるいは、回転可能要素140は突起136上への位置決めおよびこの突起による保持を容易にするように構成されている(例えば、適当に位置決めされたスロット、ヒンジあるいは固定要素など)。
【0018】
図6を参照すると、本発明に係る制御シリンジ60の実施形態は、バレル20,20’とハンドル62を形成するために回転可能要素から突出する指入れループ64を伴う回転可能要素40''を備えている。バレル20、20’は特に、近位端部69に親指ループ68を伴うプランジャ66と共に有用である。
【0019】
回転可能要素の他の変形例40'''が図7に示されている。回転可能要素40'''は、図示されているヒンジ要素70のような、ハンドルと連結される手段を備えている。図示されているように、ヒンジ要素70は、回転可能要素40'''の両側から突出している。ヒンジ要素70の回転軸は、回転可能要素40'''を通る中心軸線に整合されている。そのような構造によって、回転可能要素40'''がシリンジバレル20、20’の軸線36(図1から図4)上の所定位置に置かれた場合に、回転可能要素40'''を通る中心軸は実質的にバレル20、20’の長手方向を通る中心軸に整合されている。こうして、そのような構成において、ヒンジ要素70の回転軸もまたバレル20、20’を通る中心軸線に交差する。
【0020】
図7に示される変形例の回転可能要素40'''のヒンジ要素70は、図8に示されるようなシリンジ作動ハンドル80の部材82と回転可能要素40'''との回動な組み立てを容易にする。シリンジ作動ハンドル80の部材82は、シリンジプランジャ86へ連結される他の部材84に回動自在に付随される。特に限定するものではないそのようなシリンジ作動ハンドルの例が、2007年10月23日に出願された米国特許出願公開US−2007−0265573−A1と米国特許出願番号11・877,529に記載されている。
【0021】
上記したように、いくつかの実施形態において、回転可能要素40''、40'''はバレル20(あるいは、バレル20’や120のような他のバレルの実施形態)から取り外される(例えば、図1および3に示されている回転可能要素40の実施形態参照。)。そのような実施形態において、一旦バレル20が使用されると、それは回転可能要素40''、40'''から取り外されて、廃棄され、異なるバレル20aと交換される。而して、そのような回転可能要素40''、40'''に付随しているハンドル(例えば、ハンドル62(図6)やハンドル80(図8)参照。)は再使用され、それは、限定されるものではないが制御シリンジあるいは、てこ式シリンジを含む多くの形式のシリンジが使用された場合に一般的に負担となる経費を低減する。
【0022】
バレルの取り替えを可能にすることによって、本願発明の回転可能要素(例えば、回転可能要素40''、40'''など)を再使用可能なハンドル(例えば、ハンドル62、80など)と共に使用することは、図9に示されるような様々に異なる構成のシリンジバレル20A、20B、20C、20D(それは例えば、バレル20、20’、120などのように構成されている)と共に使用されるモジュールシステムを提供する。単に例示する目的のために、複数の異なる容積のシリンジ、複数の異なる寸法のシリンジであって、複数の異なるオプション機能(例えば、オプション機能無し、開放弁、圧力ゲージやその他の装置に接続されるように構成されたポート、入口ポートなど)などが、再使用可能なハンドルと共に使用される。もちろん、同じ回転可能要素と共に使用するために構成された異なる構成のシリンジバレルは、回転可能要素による係合のために共通に寸法決めされた機能部を有するか、あるいは同じ回転可能要素とそれらを使用するのを容易にするアダプタとの組合せで使用される。
【0023】
図10に示されるように、本願発明の開示内容を組み合わせている回転可能要素40、40’、40''、40'''は、対応するプランジャ86''がバレルから引かれた場合に回転するように構成されているバレル20''の実施形態とで特に役に立つ。そのようなバレル20''とそれに対応するプランジャ86''は、プランジャ86''とバレル20''のレセプタクル24''に沿って軸線方向に移動した(すなわち、力で押し込まれるか引き出される)場合に、バレル20''を回転させるような、協働する回転可能要素を含む。
【0024】
具体的な実施形態において、そのようなバレル20''の内面23''は、1つまたはそれ以上の筋27''(例示の実施形態では、2つの筋27''が示されている)を備えている。筋27''は細長く、螺旋状に向けられてプランジャ86''の協働機能部に係合するかあるいはそれに係合されるように構成され、プランジャ86''に対してバレル20''に回転運動を生じさせる曲がった要素である。より詳細な実施形態において、筋27''は内面23''からレセプタクル24''へ突出している。
【0025】
バレル20''に対応するプランジャ86''の実施形態は、対応する筋27''を受け入れて協働する切り欠き87''を備えている。より具体的な実施形態において、それぞれの切り欠き87''はプランジャ86''のアライメント機能部88''に形成される。より詳しくは、各切り欠き87''はプランジャ86''のアライメント機能部88''(アライメントディスクとして例示されている)の縁部89''に形成されている。図示されているように、アライメントディスク88''は、プランジャ86''の近位端部(すなわち、バレル20''とプランジャ86''を備えるシリンジを操作する個人に最も近くに位置している端部)に位置している。アライメントディスク88''の縁部89''は、プランジャ86''がレセプタクル24''を通ってバレル20''の長さに沿って力が加えられた場合に、バレル20''のレセプタクル24''にプランジャ86''を整合するために、バレル20''の内面23''に対して面している。プランジャ86''がバレル20''のレセプタクル24''に挿入されてバレル20''の長さに沿って軸線方向に駆動された場合に、各切り欠き87''対応する筋27''に係合し続ける。筋27''が螺旋方向に向けられていることから、バレル20''長さに沿ったプランジャ86''の移動は、プランジャ86''がレセプタクル24''を通るように(すなわち、押し込まれるかあるいは引き出される)力が加えられた場合に、バレル20''をプランジャ86''に対して回転させる。図示して実施形態において、プランジャ86''がレセプタクル24''を出る動き(すなわち、バレル20''とプランジャ86''を備えるシリンジを使用する個人に向かって近づく)は、ハンドル80の各部材82、84に共に力が加えられた場合に有効となる。
【0026】
回転可能要素とプランジャ86''に対して回転するバレル20''を備えるシリンジの実施形態は、限定するものではないが、試料(たとえば、生化学的試料、対象物の身体からの試料など)が採取される方法を含む様々な手法に使用される。
【0027】
生検の実施形態において、生検針はバレル20''に剛直に固定されている。バレル20''の長さに沿ったプランジャ86''の動きは、バレル20''と生検針をその長さ方向に沿って延びる軸に関して回転させ、手動で試料を採取するためのコアリングおよび吸引技術において生検針の使用を可能にする。本願発明の開示内容を組み込んでいる携帯型のシリンジは1つの手であっても手動で前進し操作され、操作者の他の手を、限定するものではないが患者の安定化、超音波装置などのような画像装置の制御を含む様々な目的のために自由にする。
【0028】
対応するプランジャ86''がその長さ方向に沿って駆動された場合に回転するバレル20''に剛直にカテーテルが連結された実施形態において、プランジャ86''の作動により、カテーテルをその長さ方向に沿って延びる軸線に関して回転させ、それは閉塞物を破壊し、あるいは滞留を防止し、血塊即ち血栓を取り除き、あるいは吸引に先立ってあるいは吸引中に流体を混合するのに役立つ。
【0029】
図11を参照すると、本願発明の開示内容を組み込んでいる回転可能要素(例えば、回転可能要素40,40'',40'など)の使用は、シリンジハンドル(例えば、ハンドル62、ハンドル80など)の何らかの動きを可能にすると同時に、バレル(例えば、バレル20、20'など)とカテーテルや針のような遠位に位置する周辺装置90を実質的に静止状態のままにする。而して、本願発明に係るシリンジは、スリップリングルアーロックのような比較的複雑で高価な回転固定部や連結要素の必要性をなくす。
【0030】
バレルに対するハンドル(例えば、ハンドル62、80など)の回転運動の間のような、バレル(例えば、バレル20あるいは20’)に関して回転できることに加えて、本願発明の開示内容を具備する回転可能要素(例えば、回転可能要素40、40''、40'''など)は、バレルが回転可能要素として回転するのを可能とし、而して回転可能要素に付随するハンドル(例えば、ハンドル62、80などによって)が静止位置かあるいはやや静止した位置(医療従事者がハンドルを操作することによる通常の動きに相当する)に保持される。この特徴点は、本願発明のシリンジを既に対象物の本体に配置された、遠位配置された周辺装置に連結するために役立つ。
【0031】
以上の説明は多くの具体例を含んでいるが、これらは本願発明の技術的範囲を制限するものと見なされるべきではなく、単に本願の好ましい実施形態のいくつかの例示を提供するものである。同様に、本願発明の他の実施形態は、本願発明の思想や範囲から離れること無く発明されたものである。他の実施形態から得られる特徴点は、その組合せにおいて採用される。従って、本願発明の権利範囲は、上記説明によるよりもむしろ、添付したクレームによってのみ表示され制限され、法的に均等なものまでである。発明の意味や権利範囲内に収まるような、ここに開示された本願発明に対する全ての追加、削除や改変は包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリンジであって、
バレルと、
バレルに挿入可能なプランジャと、
バレルの周りに設けられて、バレルの円周に関して少なくとも部分的に回転するように構成された回転可能要素と、
吸引ハンドルとを備え、
吸引ハンドルはバレルを所定位置に保持するために回転可能要素に連結されると共に、吸引ハンドルの各部材が強制的に一緒にされた場合にバレルを通ってプランジャを近位に引くためにプランジャに連結されている、シリンジ。
【請求項2】
バレルは、回転可能要素の少なくとも一部と係合する溝を備えている、請求項1に記載のシリンジ。
【請求項3】
溝は、バレルの本体よりも小さな外形寸法の領域を有すると共に、本体と保持要素との間に位置している、請求項2に記載のシリンジ。
【請求項4】
保持要素は、バレルから回転可能要素を取り外すことができるように構成されている、請求項3に記載のシリンジ。
【請求項5】
保持要素は、ロック要素を係合するように構成されている、請求項3に記載のシリンジ。
【請求項6】
更に、回転可能要素に付随する少なくとも1つのハンドルを備える、請求項1に記載のシリンジ。
【請求項7】
少なくとも1つのハンドルは、回転可能要素と一体になっている、制御シリンジの指入れループを備えている、請求項6に記載のシリンジ。
【請求項8】
軸方向に整列された一対のヒンジ要素が回転可能要素から突出している、請求項6に記載のシリンジ。
【請求項9】
更に、回動可能に接続された一対の部材を含むシリンジ作動ハンドルを備え、回動可能に接続された一対の部材の一方の部材はヒンジ要素に対して回動可能に接続されている、請求項8に記載のシリンジ。
【請求項10】
バレルとプランジャとは協働回転要素を備えており、それは、吸引ハンドルの部材が強制的に一緒にされた場合に、バレルを回転可能要素、プランジャおよび吸引ハンドルに対して回転させる、請求項1に記載のシリンジ。
【請求項11】
協働回転要素は、バレルの内面に担持された少なくとも1つの細長い螺旋状に向けられた要素と、
少なくとも1つの細長い螺旋状に向けられた要素に係合するためのバレル上の対応する少なくとも1つの機能部と、を備えている、請求項10に記載のシリンジ。
【請求項12】
少なくとも1つの細長い螺旋状に向けられた要素は、バレルの内面から突出するネジと、プランジャのアライメント機能部に形成され且つネジを受け入れるように構成された切欠きを備える少なくとも1つの対応する機能部と、を備えている、請求項11に記載のシリンジ。
【請求項13】
バレルの内面から突出する一対の細長い螺旋状に向けられたネジと、アライメント機能部に形成された一対の切欠きと、を備える、請求項12に記載のシリンジ。
【請求項14】
シリンジを使用する方法であって、
ハンドルとバレルを互いに対して回転させることができる、バレル上の回転要素に付随するハンドルを握り、
バレルに周辺装置を剛直に固定し、
ハンドルに連結されたプランジャを、バレルのレセプタクルを通して近位に引くためにハンドルの部材を強制的に一緒にすることを含む、方法。
【請求項15】
更に、周辺装置の遠位端部が対象物のからだの中に存在しながら、バレルあるいは周辺装置が回転することなく、ハンドルを回転させることを含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
剛直な固定は、周辺装置の遠位端部が対象物のからだの中に存在する場合に、バレルに対して周辺装置を剛直に固定することである、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
剛直な固定は、ハンドルを実質的に動かすことなくバレルを回転させることである、請求項14に記載の方法。
【請求項18】
レセプタクルを通してプランジャを引くためにハンドルの部材を強制的に一緒にすることで、バレルを回転させる、請求項14に記載の方法。
【請求項19】
バレルに対して周辺装置を剛直に固定することは、バレルに対して生検針を剛直に固定することを含み、ハンドルの部材を強制的に一緒にすることは、生検針での試料のコアリングと少なくとも生検針への試料の吸引を容易にする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
バレルに対して周辺装置を剛直に固定することは、バレルに対してカテーテルを剛直に固定することを含み、ハンドルの部材を強制的に一緒にすることは、カテーテルの長さに沿って延びる軸線に関してカテーテルを回転させ、バレルへ試料を吸引させる、請求項18に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公表番号】特表2011−500269(P2011−500269A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531083(P2010−531083)
【出願日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【国際出願番号】PCT/US2008/061345
【国際公開番号】WO2009/055088
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(310022888)アスピレーション・メディカル・テクノロジーズ・エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】