説明

回転式粉体圧縮成型機の回転盤面の洗浄方法、及びそのための装置

【課題】
本発明は、回転式粉体圧縮成型機の回転盤面に残存する不用粉体を除去する方法、及びそのための装置を提供する。
【解決手段】
本発明は、洗浄用粉体を回転式粉体圧縮成型機の回転盤面に供給して、攪拌翼などの摺動自在な翼を作動させて回転盤面上に洗浄用粉体を擦りつけることにより、回転盤面上を洗浄し、洗浄後、使用済み洗浄用粉体と共に排出することにより、回転式粉体圧縮成型機の回転盤面に飛散する不用粉体を除去する方法、及びそのための回転盤面洗浄装置に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、錠剤などを製造するための回転式粉体圧縮成型機の回転盤面に残存する不用粉体を除去するための方法、及びそのための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転式粉体圧縮成型機は、周縁部に多数の臼が配設された回転盤に、当該回転盤の垂直方向に上下に摺動自在に配設された上杵と下杵とを有し、その下杵によって臼孔底が形成された臼孔中に、医薬品や食品などの粉体をフィーダーにより充填して、上杵と下杵とにより圧縮成形した後、下杵を上昇させて錠剤などの成形品を回転盤上に押し上げ、圧縮成形品取出ダンパー等により回転盤外に取り出すものである。また、回転盤に複数のフィーダーを配設することにより、多層の成形品を製造することもできる。例えば、第1のフィーダーにより臼に第1の粉体を充填して、上杵と下杵とにより圧縮成形することにより第1層を形成し、次いで第2のフィーダーにより当該第1層の上に第2の粉体を充填して上杵と下杵とにより圧縮成形して第2層を形成し、さらに第3のフィーダーにより当該第2層の上に第3の粉体を充填して、上杵と下杵とにより圧縮成形することにより第3層を形成することによって、回転盤が1回転する間に3層の錠剤などの成形品を製造することができる。
このように、回転盤が1回転するごとに数層の錠剤を形成して、それを外部に取り出すことができる多層錠剤圧縮機は、特許文献1や特許文献2に記載されている。
【0003】
しかしながら、原料である粉体の性質等によっては、粉体充填等により飛散した粉体が回転盤上に付着し、このような付着はそのまま成形を続けると、付着が成長すると共に、その付着した粉体が固着状態となり、粉体の充填等に障害となって品質を低下させると共に、回転盤やその他の機器を汚損するものであった。
回転盤の臼への粉体の充填量は、臼孔に粉体を入れ、擦り切り用の覆いの下端で臼を擦り切ることにより定量充填を行うのであるが、回転盤上に少量の粉体が付着し固着することにより、臼を擦り切る覆いを持ち上げることとなり、正確な量の粉体の充填ができなくなる。特に、医薬品の場合にあっては、充填量が異なってくれば、1錠中に含有される有効成分の量が異なることになり、製品不良の重大な問題を発生させることになる。とりわけ多層錠を製造する場合には、ひとつの層の含有量が異なってくれば、他の層の有効成分の含有量も大きく異なってくることになり、より深刻な問題となってくる。
さらに、多層錠を製造する場合には、回転盤の上に飛散した各層に分離されて含有されるべき有効成分や色素などの粉体が混合されることになり、各層における成分の汚染の原因となってくる。特に、分離されて含有されるべき有効成分や色素などの粉体が、相互に化学反応などの作用を生起させる場合には、仮に汚染物質が微量であったとしても、有効成分や色素などの粉体が経時的に変性したり分解を起こしたりすることとなり、医薬品として重大な欠陥が生じる原因となる。
【0004】
このために、回転盤面に付着する不用粉体の除去は、一般的に、吸引あるいは掻き取り排出などによる方法で実施されている。例えば、特許文献2には吸引による不用粉体の除去が開示され、特許文献3及び4には掻き取りによる不用粉体の除去が開示されている。
しかしながら、回転盤面上の不用粉体を十分に吸引できないあるいは十分に掻き取りできないことによる回転盤上への残留が問題となることがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−5198号公報
【特許文献2】特開2009−95855号公報
【特許文献3】実開昭61−205697号公報
【特許文献4】実開平4−80691号公報
【特許文献5】WO2008/078726号パンフレット
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、回転式粉体圧縮成型機の回転盤面に残存する不用粉体を除去するための方法、及びそのための装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
回転式粉体圧縮成型機の回転盤面に飛散する不用粉体を除去する方法として、吸引あるいは掻き取り排出などによる方法が多数提案されており、これらの方法により多くの不用粉体を除去することができるが、それでもなお微量の不用粉体が回転盤面上に残存し、不用粉体を実質的に完全に除去することはできなかった。特に、多層錠のような場合には、微量の不用粉体であっても、他の層にこれが混入すれば有効成分の安定性などの大きな影響を与える結果となるために、回転盤面に飛散する不用粉体を実質的に完全に除去する必要がある。
本発明者らは、このような微量の不用粉体を実質的に完全に除去する方法について鋭意検討してきたが、従来の吸引あるいは掻き取り排出などによる方法では、このような微量の不用粉体を実質的に完全に除去することはできなかった。そこで、本発明者らは、さらに検討を続けてきた結果、回転式粉体圧縮成型機による圧縮成形品取出ダンパーの下流のエリアに、回転盤面の洗浄用粉体を充填した洗浄容器を設置し、当該洗浄用粉体を回転盤面に供給して、回転盤面を洗浄用粉体を用いて洗浄し、洗浄後、使用済み洗浄用粉体とともに排出することにより、回転盤面に飛散する不用粉体を実質的に完全に除去することができることを見出した。
【0008】
即ち、本発明は、洗浄用粉体を回転式粉体圧縮成型機の回転盤面に供給して、攪拌翼などの摺動自在な翼を作動させて回転盤面上に洗浄用粉体を擦りつけることにより、回転盤面上を洗浄し、洗浄後、使用済み洗浄用粉体と共に排出することにより、回転式粉体圧縮成型機の回転盤面に飛散する不用粉体を除去する方法に関する。
また、本発明は、前記方法のための回転式粉体圧縮成型機の回転盤面洗浄装置を提供するものであり、より詳細には、本発明は、洗浄用粉体の供給器の下面に回転式粉体圧縮成型機の回転盤の上面に洗浄用粉体を接触させるための開口部を有し、当該供給器の内部には洗浄用粉体を混合することができる攪拌翼を備えてなる、回転式粉体圧縮成型機の回転盤面洗浄装置、及び当該回転盤面洗浄装置を備えてなる回転式粉体圧縮成型機、並びにそれを用いた錠剤の製造方法に関する。
【0009】
本発明を、さらに詳細に説明すれば以下のとおりである。
(1)洗浄用粉体を回転式粉体圧縮成型機の回転盤面に供給して、攪拌翼などの摺動自在な翼を作動させて回転盤面上に洗浄用粉体を擦りつけることにより、回転盤面上を洗浄し、洗浄後、使用済み洗浄用粉体と共に排出することにより、回転式粉体圧縮成型機の回転盤面に残存する不用粉体を除去する方法。
(2)洗浄用粉体が、製薬上又は食品製造用に許容される不活性担体である前記(1)に記載の方法。
(3)洗浄用粉体が、粉末及び/又は顆粒である前記(1)又は(2)に記載の方法。
(4)不用粉体を除去する方法が、洗浄用粉体の供給器の下面に回転式粉体圧縮成型機の回転盤の上面に洗浄用粉体を接触させるための開口部を有し、当該供給器の内部には洗浄用粉体を混合することができる摺動自在な翼を備えてなる回転盤面洗浄装置を用いて行われる前記(1)から(3)のいずれかに記載の方法。
(5)洗浄用粉体の供給器の下面に回転式粉体圧縮成型機の回転盤の上面に洗浄用粉体を接触させるための開口部を有し、当該供給器の内部には洗浄用粉体を混合することができる攪拌翼を備えてなる、回転式粉体圧縮成型機の回転盤面洗浄装置。
(6)洗浄用粉体が、製薬上又は食品製造用に許容される不活性担体である前記(5)に記載の回転盤面洗浄装置。
(7)洗浄用粉体が、粉末及び/又は顆粒である前記(5)又は(6)に記載の回転盤面洗浄装置。
(8)前記(5)から(7)のいずれかに記載の回転盤面洗浄装置を有する回転式粉体圧縮成型機。
(9)回転式粉体圧縮成型機が、多層錠製造用のものである前記(8)に記載の回転式粉体圧縮成型機。
(10)回転式粉体圧縮成型機が、三層錠製造用のものである前記(8)又は(9)に記載の回転式粉体圧縮成型機。
(11)回転盤面洗浄装置が、回転式粉体圧縮成型機の回転盤の圧縮成形品取出ダンパーの下流側のエリアに設けられた、前記(8)から(10)のいずれかに記載の回転式粉体圧縮成型機。
(12)前記(8)から(11)のいずれかに記載の回転式粉体圧縮成型機を用いて圧縮成形品を製造する方法。
(13)圧縮成形品が、医薬品である前記(12)に記載の方法。
(14)圧縮成形品が、三層錠である前記(12)又は(13)に記載の方法。
(15)医薬品が、有効成分としてオルメサルタンメドキソミル及び/又はアゼルニジピンを含有する錠剤である、前記(13)又は(14)に記載の方法。
(16)前記(12)から(15)のいずれかに記載の方法で製造された圧縮成形品。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、打錠機、特に積層打錠機(多層錠製造用の打錠機)のような回転式粉体圧縮成型機の回転盤に残留する不用粉体を実質的に完全に除去することができる。しかも、本発明で使用する洗浄用粉体としては、製薬上又は食品製造用に許容される担体を用いることができるので、簡便であるだけでなく安全性も高い。
さらに、本発明によれば、打錠機、特に積層打錠機のような回転式粉体圧縮成型機の回転盤に残留する不用粉体を実質的に完全に除去することができるので、より正確な秤量が可能となるだけでなく、回転盤面に残留する不用粉体による汚染を実質的に完全になくすことができる。また、本発明によれば、打錠機、特に積層打錠機のような回転式粉体圧縮成型機の回転盤に残留する不用粉体を実質的に完全に除去することができるので、回転盤の清掃回数を減少させることができ、操業性を大きく改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、積層打錠機による三層錠の製造過程を模式的に示したものである。
【図2】図2は、回転盤に不用粉体が残存している場合の打錠の過程を模式的に示したものである。
【図3】図3は、本発明の回転盤面洗浄装置を回転盤上に配設したときの断面図を示す。
【図4】図4は、本発明の回転盤面洗浄装置及び回転盤面集塵機構を、回転盤上に配設したときの様子を上部から見た場合の模式図である。
【図5】図5は、本発明の回転盤面洗浄装置を下部から見たときの平面図を示す。
【図6】図6は、本発明の回転盤面洗浄装置及び回転盤面集塵機構を、回転式粉体圧縮成型機の回転盤上に配設したとき模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の回転式粉体圧縮成型機は、周縁部に多数の臼が配設された回転盤に、当該回転盤の垂直方向に上下に摺動自在に配設された上杵と下杵とを有し、その下杵によって臼孔底が形成された臼孔中に、医薬品や食品などの粉体をフィーダーにより充填して、上杵と下杵とにより圧縮成形した後、下杵を上昇させて錠剤などの圧縮成形品を回転盤上に押し上げ、圧縮成形品取出ダンパー等により圧縮成形品を回転盤外に取り出すものであれば、特に制限はない。好ましい本発明の回転式粉体圧縮成型機としては、医薬品やサプリメントなどの錠剤を製造するためのロータリー打錠機が挙げられる。より好ましい回転式粉体圧縮成型機としては、多層錠を製造するためのロータリー打錠機が挙げられる。
本発明の圧縮成形品としては、前記した回転式粉体圧縮成型機で製造された成形品であれば特に制限はなく、通常の錠剤などのほかにチュアブル錠や口腔内崩壊錠のような錠剤であってもよい。本発明の好ましい圧縮成形品としては、医薬品やサプリメントなどの錠剤が挙げられる。より好ましい圧縮成形品としては、二層錠や三層錠などの多層錠、特に三層錠が挙げられる。
本発明における粉体としては、平均粒子径が2000μm以下、好ましくは1500μm以下、より好ましくは1000μm以下のものであれば、粉末状のものであっても顆粒状のものであっても、また、粉末状のものと顆粒状のものの混合物であってもよい。
本発明の洗浄用粉体としては、前記した粉体のいずれであってもよいが、好ましい洗浄用粉体としては、平均粒子径が5μmから1000μm、好ましくは10μmから800μm程度の粉体が挙げられる。
本発明における「製薬上又は食品製造用に許容される不活性担体」としては、医薬品やサプリメントなどの錠剤を製造する際に有効成分以外の成分として添加される添加剤や造粒化剤であり、好ましい不活性担体としては、例えば、D−マンニトール、結晶セルロース、乳糖などの賦形剤、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロースカルシウム、炭酸水素ナトリウムなどの崩壊剤、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコールなどの結合剤、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸などの流動化剤、ステアリン酸マグネシウム、タルクなどの滑沢剤、ポリソルベート、マクロゴールなどの可溶化剤などが挙げられる。
【0013】
本発明は、従来の打錠機、特に積層打錠機(多層錠製造用の打錠機)などのような回転式粉体圧縮成型機を用いて、錠剤などの圧縮成形品の製造過程における、回転盤面の洗浄方法及びそのための洗浄装置を提供するものであり、錠剤などの圧縮成形品の製造方法としては従来の製造方法を適用することができる。従来の製造方法としては、特に制限はないが、本発明の洗浄方法及びそのための洗浄装置は、特に回転盤面に微量に残存する不用粉体を実質的に完全に洗浄して除去できるものであることから、微量の不用粉体による圧縮成形品の汚染が問題となる医薬品の製造、特に複数の有効成分が含有される多層錠の製造方法が好ましい。
【0014】
図1は、積層打錠機による三層錠の製造過程を臼の周辺部分のみにより模式図により例示したものである。積層打錠機は複数の粉体(例えば、顆粒)を充填し圧縮して錠剤化する打錠機であり、回転盤1には、複数の臼2が設置されている。三層錠用の積層打錠機では、第1層目の顆粒5を臼に充填し上杵3と下杵4により圧縮させて第1層5’とした後(図1の(I)参照)、その上に第2層目の顆粒6を充填し圧縮させて第1層5’の上に第2層6’とする(図1の(II)参照)。そして、更にその上に第3層目の顆粒7を充填して圧縮させて第2層6’の上にさらに第3層7’を形成させる(図1の(III)参照)ことにより、三層錠を製造する。完成した三層錠は下杵4を上げることにより回転盤1の上に露出し(図1の(IV)参照)、圧縮成形品排出取出ダンパー(製品取出ダンパー)により製品8として取り出すことにより製造される。
【0015】
前記した三層錠の製造過程において、回転盤1の上面に不用粉体9が残存していた場合を示したものが図2である。図2の左側は前記した図1の(IV)の状態である。打錠された製品が下杵4により回転盤1の面上に持ち上げられて、製品が取り出されたときに回転盤1の面上には不用粉体9が残存している状態を示している。この状態で、回転盤1が回転して、次の製品を製造するために第1層目の顆粒5を臼に充填した場合には、図2の(I)の左側に示されるように、下杵4の中には回転盤面に残存していた不用粉体9も同時に充填され、充填されるべき顆粒5に不用粉体9が混入してくることになる。これを図1の(I)の場合と同様に、上杵3と下杵4により圧縮させると不用粉体9が混入又は付着した第1層5’及び9”となる(図2の(I)参照)。
このような混入を無くすためには、打錠機の回転盤1の面上に残存している不用粉体9(例えば、顆粒7など)を除去する必要があり、その除去の方法として、従来から集塵装置などによる吸引、スクレーパーなどによる掻き取り等(一般的になされる回転盤の清掃方法)の方法が行われている。これにより、不用粉体9のいくらかは除去することができるが、完全に除去することはできなかった。このような不用粉体9の混入が製品の品質に大きな影響を与えない場合には、頻繁に回転盤1を分解掃除することにより、特に問題にならないが、微量の混入によっても製品の品質に大きな影響が生じてくる場合には、工業的な生産を考慮した稼動条件での操業が困難となってくる。
【0016】
例えば、特許文献5(WO2008/078726号パンフレット)には、オルメサルタンメドキソミル及びアゼルニジピンを含有する固形製剤について記載されており、当該オルメサルタンメドキソミルはアルカリ性で不安定な性質をもち、一方、アゼルニジピンはアルカリ性で安定な性質をもつため、いずれかの処方においても、一方の有効成分を安定に保つ条件では、他方の有効成分が不安定になるために、その製剤化が困難となることが記載されている。また、この2つの成分が接触することによって類縁物質(例えば、オルメサルタンメドキソミルの分解物であるRNH−6270)の生成が促進されるため、接触させないようにする必要がある。そして、この問題を解決する手段として二層錠又は有効成分を含有する二層の間に不活性の層を設けた三層錠とすることが開示されている。
このような場合には、2つの成分の微量の混入が製品の安定性に大きな影響を与えるために、三層錠の製造に当たっては微量の混入も許されず、積層打錠機(多層錠製造用の打錠機)の回転盤1上における不用粉体9をほぼ完全に除去できることが要求されることになる。
【0017】
後述する実施例に記載されているように、本発明者らは、アゼルニジピン層とオルメサルタンメドキソミル層の境界に不活性の中間層を設けた三層錠を実際に積層打錠機を使用して製造してみたところ、従来の集塵装置などによる吸引、スクレーパーなどによる掻き取り等による方法では、アゼルニジピン層の中に少量のオルメサルタンメドキソミル層が混入することが判明した。
これは、前記した図2に示されるように回転盤の面上に残存する微量のオルメサルタンメドキソミルが、次の錠剤における第1層となるアゼルニジピン層の中に混入するためと考えられた。
【0018】
そこで、本発明者らは、新たな洗浄装置を開発した。図3に本発明の回転盤面洗浄装置の例を図示する。駆動軸11により回転する回転盤10には、打錠のための臼12が複数個設けられている。臼12には摺動自在に配設された上杵3及び下杵4があるが図3では記載は省略されている。回転盤10の上面には、回転盤面洗浄装置20が回転盤の面にほぼ接する距離で設けられている。回転盤面洗浄装置20は、洗浄用粉体の供給口24が設けられており、供給口24より洗浄用粉体が洗浄用粉体の供給器21に供給される。当該供給器21の下面側、即ち回転盤10の上面にほぼ接している側には、開口部25が開けられている。開口部25より、洗浄用粉体が回転盤10の面上に供給され、回転盤の上面に洗浄用粉体を接触させる。当該供給器21の内部には洗浄用粉体を混合することができる攪拌翼22が備えられており、撹拌翼22は駆動装置23により駆動される。
開口部25から供給された洗浄用粉体は、回転盤10の面上に接触し、撹拌翼22により強制移動させられる結果、回転盤の面上に洗浄用粉体を擦りつけることになり、回転盤面上の不用物を効率よく洗浄することができる。そして、洗浄用粉体による洗浄後、使用済みの洗浄用粉体を不用粉体と共に、洗浄後の回転盤面集塵機構(図3には図示されていない)により排出することにより、回転盤面に残存又は固着していた不用粉体を実質的に完全に除去することができる。
【0019】
図4は、図3に示した回転盤面洗浄装置20を回転盤10の上側から見たものである。回転盤10が図示された矢印の方向に回転しており、圧縮成形品取出ダンパー28の下流側のエリアに、当該回転盤10にほぼ接して回転盤面洗浄装置20が設置され、その下流側に洗浄後の回転盤面集塵機構26が設けられている。回転盤面洗浄装置20における供給器21及び洗浄用粉体供給口24が図示されている。また、洗浄後の回転盤面集塵機構26には、吸引ダクト27が図示されている。
図5は、図3に示した回転盤面洗浄装置20を当該装置の下側から見たものである。供給器21の下面には開口部25が開けられており、供給器21の内部には、撹拌翼22が回転している。
【0020】
図6は、本発明の回転盤面洗浄装置20が設けられた積層打錠機による三層錠の製造過程を、矢印で示した方向に回転する回転盤10の上側から見た様子を模式的に示したものである。
第1層目のフィーダー31、第2層目のフィーダー32、及び第3層目のフィーダー33により三層錠40が製造される。各フィーダーの前後にはスクレーパー34、35、36、及び37が設けられている。製品の三層錠40は圧縮成形品取出ダンパー28により回転盤10上から取り出される。当該圧縮成形品取出ダンパー28の下流側のエリアに、本発明の回転盤面洗浄装置20及び洗浄後の回転盤面集塵機構26が設置されている。製品の三層錠は、第1層目のフィーダー31により供給された粉体により第1層目が打錠され、次いで第2層目のフィーダー32から供給された粉体により第2層目が打錠され、そして、第3層目のフィーダー33により供給された粉体により第3層目が打錠されて三層錠40が製造される。三層錠の製造過程で回転盤10の面上に残存又は固着されている不用粉体は、本発明の回転盤面洗浄装置20及び洗浄後の回転盤面集塵機構26により除去され、各層の粉体の混入や汚染が防止される。
【0021】
本発明の回転盤面洗浄装置に供給される洗浄用粉体としては、製薬上又は食品製造用に許容される不活性担体、特に製造される錠剤などの圧縮成形品の成分として配合される不活性担体が好ましい。洗浄用粉体は、洗浄用供給器に設けられた開口部から供給されるが、その全ては洗浄後の回転盤面集塵機構26により回収される。仮に極少量が残存したとしても、洗浄用粉体が製造される錠剤などの圧縮成形品の成分として配合される不活性担体であれば、製造される錠剤の汚染源とはならないからである。
洗浄用粉体は、粒子径の小さな粉末であってもよいし、適度の粒子径、例えば平均粒子径が5μmから1000μm程度の顆粒であってもよいし、これら粉末と顆粒の混合物であってもよいが、平均粒子径が10μmから800μm程度の粉末及び顆粒の混合物であるのが、回転盤面集塵機構26による回収が容易であることから好ましい。洗浄用粉体は、撹拌翼により擦りつけられる状態になることから、撹拌翼による押圧にもよるが、ある程度の強度を有している粉体であることが好ましい。このような粉体を不活性担体成分によって製造することが困難な場合には、乳糖などの不活性な成分の粉末を用いて造粒することもできる。
【0022】
洗浄用粉体を回転盤の面上に供給するための開口部の大きさについては特に制限はないが、大きすぎると多量の洗浄用粉体を消費することになるので、臼部分を含んで洗浄の必要な範囲に適宜設定することができる。開口部の形状にも特に制限はなく、半円形や長方形など、必要な洗浄の範囲や洗浄の程度に応じて適宜設定することができる。
開口部と回転盤の距離についても適宜設計することができる。
洗浄用粉体の供給器の内部の撹拌翼としては、回転運動をする撹拌翼が設計が容易で好ましいが、これに限定されるものではなく、往復運動による撹拌翼であってもよい。撹拌翼は、水平方向のみの撹拌ができるものであってもよいが、角度を付して回転盤に対する押圧を付加するように設計することもできる。
【0023】
洗浄後の回転盤面集塵機構は、必ずしも吸引による集塵機構に限定されるものではなく、スクレーパーのようなものであってもよいが、装置の設計の容易さと回収率の点からは吸引による集塵機構が好ましい。
図示されていた洗浄後の回転盤面集塵機構のほかに、洗浄前の回転盤面集塵機構を本発明の回転盤面洗浄装置の上流側にさらに設置することもできる。
【0024】
本発明の残存する不用粉体を除去する方法は、回転盤の面上に飛散、固着、粘着等のあらゆる形態で残存している不用粉体を除去する方法であり、洗浄用粉体を用いて洗浄することを特徴とするものである。好ましくは、不活性担体を成分とする洗浄用粉体、好ましくは粉末及び/又は顆粒を洗浄用粉体として用いることを特徴とするものである。
回転盤の面上に残存する不用粉体を除去する従来の方法は、不用粉体を機械的に取る方法であったが、本発明の除去する方法は、回転する回転盤の一部において洗浄により不用粉体を剥離させ、これを洗浄用粉体と共に除去することを特徴とするものである。
本発明の方法により、不用粉体の除去率が格段に向上するだけでなく、回転盤の分解洗浄の回数を大幅に減少させることができる。
【0025】
本発明の回転式粉体圧縮成型機としては、医薬品やサプリメントなどの錠剤を製造するための打錠機(ロータリー打錠機)が好ましく、特に、多層錠製造用の打錠機(ロータリー打錠機)がより好ましい。
本発明の回転式粉体圧縮成型機は、1個以上の本発明の回転盤面洗浄装置を有することを特徴とするものである。本発明の回転盤面洗浄装置は、コンパクトでありながら効率よく不用粉体を除去することができるので、回転盤の1箇所に設置するだけで十分であるが、必要に応じて2個以上を設置することもできる。
本発明の回転式粉体圧縮成型機を用いることにより、各成分の混入が防止され汚染が少なく、かつ精度のよい錠剤などの圧縮成形品を効率よく製造することができる。したがって、本発明は、本発明の回転式粉体圧縮成型機を用いた錠剤などの圧縮成形品の製造方法、及び当該方法で製造された各成分の配合比率の精度が向上した錠剤などの圧縮成形品を提供するものでもある。
【0026】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0027】
(1)混合顆粒1の製造
次の表1、
【0028】
【表1】

【0029】
に示す成分とそれらの量を用いて、混合顆粒1を製造した。
即ち、アゼルニジピン及びD−マンニトールを各々1:1(重量比)を混合後、混合物をインパクトミル(アトマイザー)にて粉砕した。また、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム及び軽質無水ケイ酸を混合した後、この混合物にポリソルベート80を注加し、ポリソルベート80吸着末を得た。
得られたアゼルニジピン粉砕物、ポリソルベート80吸着末、D−マンニトール、カルメロースカルシウム、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、炭酸水素ナトリウム、及び軽質無水ケイ酸を高速撹拌造粒機(バーチカルグラニュレーター)にて混合し、ヒドロキシプロピルセルロースの水溶液を加えて造粒した。
得られた練合物を乾燥させた後、スクリーニングミルにて顆粒を整粒し、顆粒1を得た。
得られた顆粒1、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、軽質無水ケイ酸、タルク及びステアリン酸マグネシウムを表1に示す割合にて秤量し、ミキサーで混合することにより混合顆粒1を製造した。
【0030】
(2)混合顆粒2の製造
次の表2、
【0031】
【表2】

【0032】
に示す処方にて、乳糖(造粒粉末)、結晶セルロース・軽質無水ケイ酸 スプレードライ品及びステアリン酸マグネシウムを秤量し、これをタンブルミキサーを用いて混合して混合顆粒2を製造した。
(3)混合顆粒3の製造
次の表3、
【0033】
【表3】

【0034】
に示す成分とそれらの量を用いて、混合顆粒3を製造した。
即ち、オルメサルタンメドキソミル、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、結晶セルロース、及び乳糖を混合して得られた混合物を、高速撹拌造粒機(バーチカルグラニュレーター)を用いて精製水を注加して造粒した。得られた造粒物を乾燥させた後、整粒し、顆粒3を製造した。
得られた顆粒3、ステアリン酸マグネシウムを表3に示す割合にて秤量し、これをタンブルミキサーを用いて混合して混合顆粒3を製造した。
【0035】
(4)三層錠の製造
前記(1)で製造した混合顆粒1を1層目に260mg、前記(2)で製造した混合顆粒2を2層目に100mg、そして前記(3)で製造した混合顆粒3を3層目に120mgとなるよう充填調整し、市販の多層錠剤圧縮機にて長径14mm、短径6.5mmの異型杵を用いて、25kNの圧縮圧で成形打錠した。
本成形打錠の際、3層目の粉体充填部と1層目の粉体充填部の間において、次のような作業を行った。まず、回転盤面洗浄装置の前に配置した回転盤面集塵機構を用いて、3層目の粉体充填部から回転盤面に漏出した混合顆粒3を吸引し、集塵装置に回収した。次に、回転盤面洗浄装置を作動させ、前記(2)で製造した混合顆粒2を洗浄用粉体として用いて3層目の粉体充填部から回転盤面に漏出した混合顆粒3を洗浄した後、回転盤面洗浄装置の後に配置した回転盤面集塵機構を用いて混合顆粒2及び混合顆粒3を吸引して集塵機に回収し、回転盤面の洗浄を行った。
ここで、1層目に加圧ロールを配置し、1層目の混合顆粒1が圧縮成形される度に、成形品である1層目サンプル1を得た。
【実施例2】
【0036】
実施例1の(1)−(3)に記載した方法で製造された、混合顆粒1を1層目に260mg、混合顆粒2を2層目に100mg、混合顆粒3を3層目に120mgとなるよう充填調整し、実施例1と同じ多層錠剤圧縮機にて長径14mm、短径6.5mmの異型杵を用いて、25kNの圧縮圧で成形打錠した。
本成形打錠の際、3層目の粉体充填部と1層目の粉体充填部の間において、次のような作業を行った。まず、回転盤面洗浄装置を作動させ、混合顆粒2を洗浄用粉体として用いて3層目の粉体充填部から回転盤面に漏出した混合顆粒3を洗浄した。次に、回転盤面洗浄装置の後に配置した回転盤面集塵機構を用いて、混合顆粒2及び混合顆粒3を吸引して集塵機に回収し、回転盤面の洗浄を行った。
ここで、1層目に加圧ロールを配置し、1層目の混合顆粒1が圧縮成形される度に、成形品である1層目サンプル2を得た。
【実施例3】
【0037】
実施例1で得られた成形打錠品に、ポリビニルアルコール(部分けん化)、酸化チタン、タルク、ポリエチレングリコール及び精製水からなるコーティング溶液(固形分濃度:20%)をパンコーティング機でコーティングし、錠剤1を得た。
【0038】
(比較例1)
実施例1の(1)−(3)に記載した方法で製造された、混合顆粒1を1層目に260mg、混合顆粒2を2層目に100mg、混合顆粒3を3層目に120mgとなるよう充填調整し、実施例1と同じ多層錠剤圧縮機にて長径14mm、短径6.5mmの異型杵を用いて、25kNの圧縮圧で成形打錠した。
本成形打錠の際、回転盤面洗浄装置の前後の回転盤面集塵機構及び回転盤面洗浄装置を配置せず、回転盤面の洗浄を行わなかった。
ここで、1層目に加圧ロールを配置し、1層目の混合顆粒1が圧縮成形される度に、成形品である1層目サンプル3を得た。
【0039】
(比較例2)
前記した表3に示す成分とそれらの量を用いて、実施例1の(3)と同様にして顆粒3を製造した。得られた顆粒3及びステアリン酸マグネシウムを表3に示す割合にて秤量し、これをV型混合機を用いて混合して混合顆粒3’を得た。
また、前記した表2に示す処方にて、乳糖(造粒粉末)、結晶セルロース・軽質無水ケイ酸・スプレードライ品、ステアリン酸マグネシウムを秤量し、V型混合機にて混合することにより混合顆粒2’を得た。
実施例1の(1)に記載した方法で製造された混合顆粒1を1層目に260mg、本比較例2に示した製法にて得られた混合顆粒2’を2層目に100mg、混合顆粒3’を3層目に120mgとなるよう充填調整し、市販の他の多層錠剤圧縮機にて長径14mm、短径6.5mmの異型杵を用いて、25kNの圧縮圧で成形打錠した。
本成形打錠の際、回転盤面洗浄装置の前後の回転盤面集塵機構及び回転盤面洗浄装置を配置せず、回転盤面の洗浄を行わなかった。
得られた打錠品にポリビニルアルコール(部分けん化)、酸化チタン、タルク、ポリエチレングリコール、精製水からなるコーティング溶液(固形分濃度:20%)をパンコーティング機でコーティングし、錠剤2を得た。
【0040】
(試験例1)
実施例1で得られたサンプル1、実施例2で得られたサンプル2及び比較例1で得られたサンプル3のオルメサルタンメドキソミルの含量(薬物濃度)を以下の方法で求め、不用粉体の混入を評価した。
高速液体クロマトグラフィーを用いて、試験を行った。クロマトグラムから標準物質であるオルメサルタンメドキソミルと試料(1層目サンプル)のピーク面積を測定した。得られた標準物質と試料のピーク面積の比からオルメサルタンメドキソミルの含量を計算した。
結果を次の表4に示す。
【0041】
【表4】

【0042】
オルメサルタンメドキソミルの含量を評価した結果、表4に示したとおり、本発明の回転盤洗浄装置の設置により、第1層目への第3層のオルメサルタンメドキソミルの混入による汚染が顕著に改善された。
【0043】
(試験例2)
実施例1で得られた1層目サンプル1のオルメサルタンメドキソミルの時系列30分、240分、480分の含量(薬物濃度)を、試験例1と同様の方法により求め、時系列の不用粉体の混入を評価した。
結果を表5に示す。
【0044】
【表5】

【0045】
オルメサルタンメドキソミルの時系列の含量を評価した結果、表5に示したとおり、本発明の回転盤洗浄装置の設置により、第1層目への第3層のオルメサルタンメドキソミルの混入による汚染の抑制は、長時間に亘って維持されることがわかった。
【0046】
(試験例3)
実施例3で得られた錠剤1及び比較例2で得られた錠剤2をそれぞれ100錠分取し、アルミ袋(乾燥剤1g、脱酸素剤同封)にて40℃75%相対湿度下に3ヵ月間安定性試験を実施した。3ヶ月経時のそれぞれの錠剤におけるオルメサルタンメドキソミルの分解物であるRNH−6270の量を以下のような方法で求めた。
高速液体クロマトグラフィーを用いて、試験を行った。クロマトグラムから標準物質であるオルメサルタンメドキソミルの保持時間と種々類縁物質の保持時間の比である相対保持時間を算出し、相対保持時間より類縁物質を同定した。種々類縁物質のピーク面積及び標準物質のピーク面積の比から、錠剤におけるRNH−6270の含有量を計算した。
結果を表6に示す。
【0047】
【表6】

【0048】
表6に示したように、本発明の回転盤洗浄装置を有する打錠機による圧縮成形品の錠剤1は、オルメサルタンメドキソミルの類縁物質(RNH−6270)の含有量が、回転盤洗浄装置を有しない打錠機による圧縮成形品の錠剤2に比して低値であり、不用粉体の混入が抑制され、化学的安定性に優れた錠剤を製造することができることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、簡単な操作により、回転式粉体圧縮成型機の回転盤の上面の不用粉体を効率よく除去することができる方法及び装置を提供するものであり、回転式粉体圧縮成型機を用いた錠剤などの圧縮成形品を精度よく、かつ効率的に製造することを可能とするものであり、医薬品や食品類などの製剤分野において極めて有用なものである。
【符号の説明】
【0050】
1及び10 回転盤
3及び4 杵
9 不用粉体
20 本発明の回転盤面洗浄装置
21 回転盤面洗浄装置の供給器
22 供給器内部の撹拌翼
25 供給器の下面の開口部
26 洗浄後の回転盤面集塵機構
28 回転盤の圧縮成形品取出ダンパー
31、32、及び33 原料粉体のフィーダー
34〜37 スクレーパー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄用粉体を回転式粉体圧縮成型機の回転盤面に供給して、摺動自在な翼を作動させて回転盤面上に洗浄用粉体を擦りつけることにより、回転盤面上を洗浄し、洗浄後、使用済み洗浄用粉体と共に排出することにより、回転式粉体圧縮成型機の回転盤面に残存する不用粉体を除去する方法。
【請求項2】
洗浄用粉体が、製薬上又は食品製造用に許容される不活性担体である請求項1に記載の方法。
【請求項3】
洗浄用粉体が、粉末及び/又は顆粒である請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
不用粉体を除去する方法が、洗浄用粉体の供給器の下面に回転式粉体圧縮成型機の回転盤の上面に洗浄用粉体を接触させるための開口部を有し、当該供給器の内部には洗浄用粉体を混合することができる摺動自在な翼を備えてなる回転盤面洗浄装置を用いて行われる請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
洗浄用粉体の供給器の下面に回転式粉体圧縮成型機の回転盤の上面に洗浄用粉体を接触させるための開口部を有し、当該供給器の内部には洗浄用粉体を混合することができる攪拌翼を備えてなる、回転式粉体圧縮成型機の回転盤面洗浄装置。
【請求項6】
洗浄用粉体が、製薬上又は食品製造用に許容される不活性担体である請求項5に記載の回転盤面洗浄装置。
【請求項7】
洗浄用粉体が、粉末及び/又は顆粒である請求項5又は6に記載の回転盤面洗浄装置。
【請求項8】
請求項5から7のいずれかに記載の回転盤面洗浄装置を有する回転式粉体圧縮成型機。
【請求項9】
回転式粉体圧縮成型機が、多層錠製造用のものである請求項8に記載の回転式粉体圧縮成型機。
【請求項10】
回転式粉体圧縮成型機が、三層錠製造用のものである請求項8又は9に記載の回転式粉体圧縮成型機。
【請求項11】
回転盤面洗浄装置が、回転式粉体圧縮成型機の回転盤の圧縮成形品取出ダンパーの下流側のエリアに設けられた、請求項8から10のいずれかに記載の回転式粉体圧縮成型機。
【請求項12】
請求項8から11のいずれかに記載の回転式粉体圧縮成型機を用いて圧縮成形品を製造する方法。
【請求項13】
圧縮成形品が、医薬品である請求項12に記載の方法。
【請求項14】
圧縮成形品が、三層錠である請求項12又は13に記載の方法。
【請求項15】
医薬品が、有効成分としてオルメサルタンメドキソミル及び/又はアゼルニジピンを含有する錠剤である、請求項13又は14に記載の方法。
【請求項16】
請求項12から15のいずれかに記載の方法で製造された圧縮成形品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−218432(P2011−218432A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−92536(P2010−92536)
【出願日】平成22年4月13日(2010.4.13)
【出願人】(307010166)第一三共株式会社 (196)