説明

回転成形用ポリエチレン組成物

回転成形に適するポリエチレンブレンド組成物、回転成形された物品及び物品を回転成形するための方法が提供される。そのポリエチレン組成物は、0.4乃至3.0g/10分のメルトインデックス及び0.910乃至0.930g/cmの密度を有する第一のポリエチレン並びに10乃至30g/10分のメルトインデックス及び0.945乃至0.975g/cmの密度を有する第二のポリエチレンを含有する。本組成物は、0.930乃至0.955g/cmの密度及び1.5乃至12g/10分のメルトインデックスを有し、第一のポリエチレンと第二のポリエチレンが密度において、0.030乃至0.048g/cm異なる。それらの組成物は、改良された環境応力亀裂抵抗及びアイゾッド衝撃強さのような物理的性質を示す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転成形により有用な製品に加工するのに適するポリエチレンポリマーの熱可塑性組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
回転成形として、より通常知られている回転成形又は回転注型は、成形中空品用に広範に用いられており、典型的には19リットル乃至57,000リットルの槽のような小さい及び大きい容器の両方を成形するのに用いられ得る。そのような回転成形された槽は、農業用、化学用及び娯楽用乗り物工業に用いられる。回転成形された容器は、包装用及び材料管理用に、特に流体又は固体用容器物品として用いられる。回転成形は又、ポータブルトイレ、計器箱及び電槽、ライトグローブ、真空掃除機及びスクラバーハウジング、玩具及び厨芥入れ用にも用いられる。そのプロセスは、比較的高価でなく、他の知られた手段よりもポリマー加工に用いるのに安易であり、使用において増加している。
【0003】
成形品を回転成形するためには、粉末のポリマー樹脂を金型シェルの中に充填し、次に典型的には二軸において回転させ、加熱して、溶融樹脂にし、金型内に付着させる。十分な加熱時間の後に、その金型を冷却室に移し、冷却後、成形された成形品を他の成形サイクルを開始するために取り出す。回転成形のより詳細な記載は、Modern Plastics Encyclopedia 1990、317−318頁及びEncyclopedia of Polymer Science and Engineering、659−670頁(J. Wiley & Sons、1990)において見出され得る。
【0004】
回転成形は、主に、ポリオレフィン樹脂を用い、エチレンの熱可塑性ポリマーが主として用いられる。回転成形された成形品の主要な性質には、外観、及び容器の場合には特に破断抵抗性又は破壊抵抗性、耐薬品性並びに長期間の有用性、環境応力亀裂抵抗性が含まれる。約0.900乃至約0.925g/cmの密度を有する低密度ポリエチレン(LDPE) 、約0.926乃至約0.940g/cmの密度を有する線状低密度ポリエチレン(LLDPE)及び約0.940乃至約0.960g/cmの密度を有する高密度ポリエチレン(HDPE)が回転成形用に用いられる。LLDPEは、その優れた低温衝撃強さ及び良好な環境応力亀裂抵抗(“ESCR”)のために好ましいと言われている。
【0005】
ポリエチレン樹脂の組成物は、衝撃強さ、環境応力亀裂抵抗及び耐薬品性を含む物理的性質を改良するために提示されている。米国特許第4,438,238号には、異なる密度、極限粘度数及び1,000炭素原子当たりの短鎖分枝数の2つのエチレン−α−オレフィンコポリマーの組み合わせがそのような物理的性質に起因している、押し出し加工、射出成形及びフィルム用のブレンドが記載されている。米国特許第4,461,873号には、フィルムの製造において又は吹き込み成形技術において有用な改良されたフィルム特性及び環境応力亀裂抵抗のための、高分子量のエチレンポリマー、好ましくはコポリマーと、低分子量のエチレンポリマー、好ましくはエチレンホモポリマーのエチレンポリマーブレンド、管及びワイヤ被覆物が記載されている。EP 0423962には、改良されたESCRを有すると記載されている、ガス管に特に適している、平均分子量が異なる2種類以上のエチレンポリマーを含有し、その少なくとも一つが、135℃におけるデカリン中で4.5乃至10.0dl/gの極限粘度及び0.910乃至0.930g/cmの密度を有する高分子量エチレンポリマーであり、もう一方が最初のポリマーで決定されたように0.5乃至2.0dl/gの極限粘度及び0.938乃至0.970g/cmの密度を有する低分子量エチレンポリマーであるエチレンポリマー組成物が記載されている。
【0006】
米国特許第5,082,902号には、改良された衝撃強さ及びESCRとともに低減された結晶化時間を有すると記載されている射出成形用及び回転成形用の線状ポリエチレンのブレンドが記載されている。そのブレンドは、(a)0.85乃至0.95g/cmの密度及び1乃至200g/10分のMIを有する第一のポリマー並びに(b)第一のポリマーの密度よりも0.015乃至0.15g/cm大きい密度及び第一のポリマーのMIとは50%以下しか異ならないMIを有する第二のポリマーを含有する。米国特許第5,306,775号には、公知の熱可塑性物質操作のいずれかによる加工のための、特に改良された環境応力亀裂抵抗を含むバランスのとれた性質を有すると記載されているポリエチレンブレンドが記載されている。それらの組成物は、(a)酸化クロム系触媒を用いて製造され、少なくとも0.955g/cmの密度及び25乃至400g/10分のメルトインデックス(MI)を有する低分子量エチレンコポリマー樹脂並びに(b)0.955g/cm以下の密度及び0.1乃至50g/10分の高荷重メルトインデックス(HLMI)を有する高分子量エチレンコポリマー樹脂を含有する。
【0007】
米国特許第5,382,631号には、狭い分子量分布(M/M≦3)及び/又は50%未満の組成分布(CDBI)を有し、そのブレンドが、他のブレンド成分よりも高い分子量及び低いコモノマー平均含量を有する画分を一般的に有しない線状共重合体ポリエチレンブレンドが記載されている。フィルム、繊維、被覆物及び成形された物品のための改良された性質は、それらのブレンドに起因する。一つの例において、第一の成分は、0.9042g/cmの密度、2.3のM/M及び4.0dg/分のMIを有するエチレン−ブテンコポリマーであり、第二の成分は、0.9552g/cmの密度、2.8のM/M及び5.0dg/分のMIを有するHDPEである。そのブレンドは、改良された引裂強さ特徴を有すると記載されている。
【0008】
米国特許第6,362,270号には、(a) 0.915g/cmより大きな密度及び好ましくは約2乃至500g/10分のメルトインデックスを有するエチレン共重合体であることができる大部分の成分及び(b) 0.915g/cm未満の密度及び好ましくは0.05g/10分より大きく100g/10分未満のメルトインデックスを有するエチレン共重合体であることができる耐衝撃性添加剤を含有する回転成形用に特に適していると記載されている熱可塑性組成物が記載されている。それらの組成物に起因する改良された物理的性質には改良された衝撃強さ及び良好なESCRが含まれる。
【0009】
改良された環境応力亀裂抵抗及び衝撃強さを有するポリエチレン系組成物、特に回転成形用に適するポリエチレン系組成物に対する継続的な需要がある。
【0010】
関連出願についての相互的関係
本出願は、2002年10月1日に出願された米国暫定特許出願番号60/414,952号及び2002年11月7日に出願された米国暫定特許出願番号60/424,535に基づく優先権を主張する。
【0011】
発明の概要
本発明により、回転成形に適するポリオレフィン系ブレンド組成物、回転成形された物品及び物品を回転成形する方法が提供される。
【0012】
一つの態様により、本発明は、0.4乃至3.0g/10分のメルトインデックス及び0.910乃至0.930g/cmの密度を有する第一のポリエチレン並びに10乃至30g/10分のメルトインデックス及び0.945乃至0.975g/cmの密度を有する第二のポリエチレンを含有するポリエチレン組成物であり、0.930乃至0.955g/cmの密度及び1.5乃至12g/10分のメルトインデックスを有し、第一のポリエチレンと第二のポリエチレンが密度において0.030乃至0.048g/cm異なるポリエチレン組成物を提供する。
【0013】
他の態様では、本発明は、0.4乃至3.0g/10分のメルトインデックス及び0.910乃至0.930g/cmの密度を有し、メタロセン触媒により製造された第一のポリエチレン並びに10乃至30g/10分のメルトインデックス及び0.945乃至0.975g/cmの密度を有し、メタロセン触媒により製造された第二のポリエチレンを含有するポリエチレン組成物であり、0.930乃至0.955g/cmの密度及び1.5乃至12g/10分のメルトインデックスを有し、第一のポリエチレンと第二のポリエチレンが密度において0.030乃至0.048g/cm異なるポリエチレン組成物を提供する。
【0014】
他の態様では、本発明は、0.4乃至3.0g/10分のメルトインデックス及び0.910乃至0.930g/cmの密度を有する第一のポリエチレン並びに10乃至30g/10分のメルトインデックス及び0.945乃至0.975g/cmの密度を有する第二のポリエチレンを含有するポリエチレン組成物であり、0.930乃至0.955g/cmの密度及び1.5乃至12g/10分のメルトインデックスを有し、第一のポリエチレンと第二のポリエチレンが密度において0.030乃至0.048g/cm異なるポリエチレン組成物から成形された又はその組成物を含有する回転成形された物品を提供する。
【0015】
他の態様では、本発明は、0.4乃至3.0g/10分のメルトインデックス及び0.910乃至0.930g/cmの密度を有し、メタロセン触媒により製造された第一のポリエチレン並びに10乃至30g/10分のメルトインデックス及び0.945乃至0.975g/cmの密度を有し、メタロセン触媒により製造された第二のポリエチレンを含有するポリエチレン組成物であり、0.930乃至0.955g/cmの密度及び1.5乃至12g/10分のメルトインデックスを有し、第一のポリエチレンと第二のポリエチレンが密度において0.030乃至0.048g/cm異なるポリエチレン組成物から成形された又はその組成物を含有する回転成形された物品を提供する。
【0016】
他の態様では、本発明は、(a)0.4乃至3.0g/10分のメルトインデックス及び0.910乃至0.930g/cmの密度を有する第一のポリエチレン並びに10乃至30g/10分のメルトインデックス及び0.945乃至0.975g/cmの密度を有する第二のポリエチレンを含有するポリエチレン組成物であり、0.930乃至0.955g/cmの密度及び1.5乃至12g/10分のメルトインデックスを有し、第一のポリエチレンと第二のポリエチレンが密度において0.030乃至0.048g/cm異なるポリエチレン組成物を提供する工程;並びに(b)そのポリエチレン組成物を回転成形して回転成形された物品を形成する工程により行われた、回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0017】
他の態様では、本発明は、(a)0.4乃至3.0g/10分のメルトインデックス及び0.910乃至0.930g/cmの密度を有し、メタロセン触媒により製造された第一のポリエチレン並びに10乃至30g/10分のメルトインデックス及び0.945乃至0.975g/cmの密度を有し、メタロセン触媒により製造された第二のポリエチレンを含有するポリエチレン組成物であり、0.930乃至0.955g/cmの密度及び1.5乃至12g/10分のメルトインデックスを有し、第一のポリエチレンと第二のポリエチレンが密度において0.030乃至0.048g/cm異なるポリエチレン組成物を提供する工程;並びに(b)そのポリエチレン組成物を回転成形して回転成形された物品を形成する工程により行われた、回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0018】
他の態様では、本発明は、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの各々が1.4乃至4.0のMw/Mn比を有する他は、先に記載した態様のいずれかによる、ポリエチレン組成物、回転成形された物品又は回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0019】
他の態様では、本発明は、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの各々が1.8乃至3.5のMw/Mn比を有する他は、先に記載した態様のいずれかによる、ポリエチレン組成物、回転成形された物品又は回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0020】
他の態様では、本発明は、第一のポリエチレンが、0.911乃至0.926g/cmの密度を有する他は、先に記載した態様のいずれかによる、ポリエチレン組成物、回転成形された物品又は回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0021】
他の態様では、本発明は、第一のポリエチレンが、0.950乃至0.970g/cmの密度を有する他は、先に記載した態様のいずれかによる、ポリエチレン組成物、回転成形された物品又は回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0022】
他の態様では、本発明は、第二のポリエチレンが、0.955乃至0.965g/cmの密度を有する他は、先に記載した態様のいずれかによる、ポリエチレン組成物、回転成形された物品又は回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0023】
他の態様では、本発明は、ポリエチレン組成物が、0.932乃至0.950g/cmの密度を有する他は、先に記載した態様のいずれかによる、ポリエチレン組成物、回転成形された物品又は回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0024】
他の態様では、本発明は、ポリエチレン組成物が、0.935乃至0.945g/cmの密度を有する他は、先に記載した態様のいずれかによる、ポリエチレン組成物、回転成形された物品又は回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0025】
他の態様では、本発明は、第一のポリエチレンと第二のポリエチレンが密度において0.032乃至0.045g/cm異なる他は、先に記載した態様のいずれかによる、ポリエチレン組成物、回転成形された物品又は回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0026】
他の態様では、本発明は、第一のポリエチレンと第二のポリエチレンが密度において0.035乃至0.042g/cm異なる他は、先に記載した態様のいずれかによる、ポリエチレン組成物、回転成形された物品又は回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0027】
他の態様では、本発明は、ポリエチレン組成物が、2乃至10g/10分のメルトインデックスI2.16を有する他は、先に記載した態様のいずれかによる、ポリエチレン組成物、回転成形された物品又は回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0028】
他の態様では、本発明は、そのブレンドが、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの総重量に基づいて80重量%乃至20重量%の第一のポリエチレンと20重量%乃至80重量%の第二のポリエチレンを含有する、先に記載した態様のいずれかによる、ポリエチレン組成物、回転成形された物品又は回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0029】
他の態様では、本発明は、そのブレンドが、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの総重量に基づいて65重量%乃至35重量%の第一のポリエチレンと35重量%乃至65重量%の第二のポリエチレンを含有する、先に記載した態様のいずれかによる、ポリエチレン組成物、回転成形された物品又は回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0030】
他の態様では、本発明は、そのブレンドが、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの総重量に基づいて55重量%乃至45重量%の第一のポリエチレンと45重量%乃至55重量%の第二のポリエチレンを含有する、先に記載した態様のいずれかによる、ポリエチレン組成物、回転成形された物品又は回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0031】
他の態様では、本発明は、ポリエチレン組成物が少なくとも250時間のESCR値を有する、先に記載した態様のいずれかによる、ポリエチレン組成物、回転成形された物品又は回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0032】
他の態様では、本発明は、ポリエチレン組成物が少なくとも500時間のESCR値を有する、先に記載した態様のいずれかによる、ポリエチレン組成物、回転成形された物品又は回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0033】
他の態様では、本発明は、ポリエチレン組成物が少なくとも750時間のESCR値を有する、先に記載した態様のいずれかによる、ポリエチレン組成物、回転成形された物品又は回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0034】
他の態様では、本発明は、ポリエチレン組成物が少なくとも1,000時間のESCR値を有する、先に記載した態様のいずれかによる、ポリエチレン組成物、回転成形された物品又は回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0035】
他の態様では、本発明は、ポリエチレン組成物が−40℃において3.17mmの試料について少なくとも120kJ/mのアイゾッド衝撃強さを有する、先に記載した態様のいずれかによる、ポリエチレン組成物、回転成形された物品又は回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0036】
第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの少なくとも一つが、2つ以上のポリエチレン樹脂のブレンドである、ポリエチレン組成物、回転成形された物品又は回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0037】
他の態様では、本発明は、少量の従来の添加剤も存在し得ることを除いて、ポリエチレン組成物が第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンのみを含有する、すぐ前に記載された態様を除く先に記載した態様のいずれかによる、ポリエチレン組成物、回転成形された物品又は回転成形された物品を形成する方法を提供する。
【0038】
詳細な記載
先に記載したように、従来の研究は、しばしばフィルム及び吹き込み成形用途に集中していた。従って、従来の研究は、しばしばフィルムの透明性、破壊抵抗及び押し出し及び吹き込みフィルム加工のようなフィルム加工のための加工特徴に向けられていた。ESCR改良も、そのような用途のための、特に吹き込み用途におけるブレンドされたポリエチレンの使用にしばしば向けらていた。しかし、先行技術は、回転成形の特殊な技術及び特定の生成物要件のためのポリエチレンブレンド組成物を提供することをしていない。本発明の組成物は、予測されないことに又有利なことに、本発明の組成物の全体的な価値を向上させる改良されたESCR及び非常に改良されたアイゾッド衝撃特性を提供する。
【0039】
提示されたブレンドポリエチレン成分のいくつかの試料を製造し、続いてそれらから製造されたブレンドを分析試験に付すことにより、それらのブレンド成分の密度における差及びメルトインデックス(I2.16)が、本明細書に記載されている特定の範囲内である場合にESCRのピーク値が得られることが決定された。2つの成分についての、より小さい密度差において、ESCRは単一の成分組成物よりも改良されるが、本発明の組成物についての範囲内のそれらと比較するとかなり不十分である。本発明の範囲内で成分間の密度範囲の幅を増大させると、ピークに達するまでESCR改良が増大し、ピークにおいてESCRがもはや改良されず低減し始める。示差走査熱量計(DSC)で試料ブレンドの溶融ピークを検査することは、2つの成分間の密度における差を増大させることにより、ESCR改良がもはや認識されない領域を示すのに役立つ。このことは、密度範囲の幅をさらに増大することにより、DSCスキャンにおける第二のより低い溶融ピークの存在により証明されるように、2つの成分がもはや完全には同時結晶化しない地点により示される。密度範囲が先に記載した範囲よりも広い場合、スキャンにおいて第二の溶融ピーク又はショルダーが現れ始めるように同時結晶化の損失の証明が明白になる。第二ショルダーの平坦な極小の発現を示すブレンドは、低減されたESCR改良を有した。図1及び表1を参照。
【0040】
本発明のポリマーブレンドの第一のポリエチレンは、主にエチレンの、少量の一つ以上の共重合性モノマーとの配位重合から誘導される線状低密度ポリエチレンコポリマーである。特に改良された最終生成物の性質は、狭い分子量分布(Mw/Mn又は“MWD”)、例えば1.4又は1.8又は2.0の下限から4.0又は3.5又は3.0の上限までの(いずれかの下限からいずれかの上限までの範囲が意図される)Mw/Mn、を有するようなコポリマーを用いて得られる。適するコモノマーには、C乃至C20のα−オレフィン、好ましくはC乃至Cのα−オレフィン、C乃至C20環状オレフィン、好ましくはC乃至C12環状オレフィン、C乃至C20ビニル芳香族モノマー、好ましくはスチレン、及びC乃至C20の、一つの炭素原子に2個の原子団が結合した二置換されたオレフィン、好ましくはイソブチレン、が含まれる。最も好ましいコモノマーには、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン及び1−オクテンが含まれる。コポリマーの密度は主としてコモノマー含量により決まり、典型的には、0.910又は0.911g/cmから0.930又は0.926g/cmまでの範囲を有し、いずれかの下限からいずれかの上限までの範囲が意図される。いくらかの量の長鎖分枝が存在し得るが、密度限度は、主にコモノマーの存在による。それらのエチレンコポリマーは、約0.4g/10分乃至約3.0g/10分のASTM D1238、条件190℃、2.16kg(以前は条件“E”)により測定されるメルトインデックスI2.16により示されるように、ブレンドの第二のポリエチレンよりも高い分子量を有する。この分子量範囲は、約1.2乃至約1.7dl/gの極限粘度(135℃におけるデカリン中)とおよそ同価である。
【0041】
本発明のポリマーブレンドの第二のポリエチレンは、第一のポリエチレンと同様のMw/Mn、すなわち、1.4又は1.8又は2.0の下限から4.0又は3.5又は3.0の上限までのMw/Mn(いずれかの下限からいずれかの上限までの範囲が意図されるが、より低い分子量を有する)、を有するが、より低い分子量を有する高密度ポリエチレンである。第二のポリエチレンは、エチレンと任意の少量の、第一のポリエチレンについて先に挙げたコモノマーのいずれかから誘導され得る。その密度は、0.945又は0.950又は0.955g/cmの下限から0.975又は0.970又は0.965g/cmの上限までであり得て、いずれかの下限からいずれかの上限までの範囲が意図される。より低い分子量は、10乃至150g/10分の、ASTM D1238、条件190℃、2.16kgにより測定されるメルトインデックスI2.16により示される。この分子量範囲は、約0.9乃至約1.2dl/gの極限粘度(135℃におけるデカリン中)とおよそ同価である。第二のポリエチレンのメルトインデックスI2.16は、10又は12又は14g/10分の下限から150又は100又は50又は30g/分の上限までであり得て、いずれかの下限からいずれかの上限までの範囲が意図される。
【0042】
本発明のポリエチレン成分を製造する工業的な方法は、先に引用した文献に例示されるように、本技術分野でよく知られている。本発明によるポリエチレンポリマー成分を製造することができるいずれかのそのような方法が適している。そのような方法には、気相、液相(又は溶液)及びスラリー相の重合方法が単独で又は組み合わされて含まれる。単独とは、単一の反応器又は二以上の反応器における連続的な又は一続きの製造をいう。単一の反応器における混合された触媒又は混合された重合条件の使用によるような反応器ブレンドも適している。経済的利点の見地から、気相法が特に適している。そのような方法は、担持された触媒を用い、配位重合により製造される線状の低密度のエチレンコポリマーに適する気相条件下で重合反応器において行われる。例示的な例は、米国特許第4,543,399号、第4,588,790号、第5,028,670号、第5,352,749号、第5,382,638号、第5,405,922号、第5,422,999号、第5,436,304号、第5,453,471号、5,462,999号及び5,463,999号、並びにPCT出願公開WO94/28032、WO95/07942及びWO96/00245に見出され得る。それらの方法は、伝統的なチーグラー・ナッタ触媒、又は金属中心においてもしくは金属中心付近における補助配位子の配置による本質的に単一の重合部位を有すると特徴付けられる後の有機金属触媒を用いる。メタロセン触媒は、代表的な「単一部位触媒」であり、狭い分子量分布のポリオレフィンを製造する能力のために本発明において好ましい。典型的には、それらの方法は、約−100℃乃至150℃、より典型的には、約40℃乃至120℃、の温度で、約7,000kPa以下、典型的には約690kPa乃至2,415kPa、の圧力において行われる。流動床及び流動媒体として再循環流れを用いる連続的方法が好ましい。
【0043】
スラリー重合法は、両成分に適しており、本発明の高密度成分に特に適している。それらの方法は、重合媒体が、プロピレンのような液体モノマー又は炭化水素溶媒又は希釈剤のいずれか、有利にはプロパン、イソブタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等のような脂肪族パラフィン又はトルエンのような芳香族化合物であることができる。スラリー固体には典型的には製造ポリマー及び不活性担体に担持された触媒が含まれる。触媒は、典型的にはチーグラー・ナッタ触媒及び/又はメタロセンのような一つ以上の単一部位触媒である。重合温度は、低いと考えられる温度、例えば50℃より低い温度、典型的には0℃乃至30℃の温度、であり得るか又は約150℃以下、典型的には50℃乃至約80℃、のようなより高い範囲であり得るか、又は示された終点間のいずれかの範囲であり得る。圧力は、約100psia乃至約700psia(0.76乃至4.8MPa)で変わり得る。他の記載は、米国特許第4,182,810号、第5,274,056号、第6,319,997号、第6,380,325号、第6,420,497号、PCT出願公開WO94/21962及びWO99/32531になされている。
【0044】
本発明によるポリエチレンブレンド組成物は、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの総重量に基づいて、20又は35又は45重量%の下限から80又は65又は55重量%の上限までの量で第一のポリエチレンを含有し得て、いずれかの下限からいずれかの上限までの範囲が意図される。同様に、本発明によるポリエチレンブレンド組成物は、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの総重量に基づいて、20又は35又は45重量%の下限から80又は65又は55重量%の上限までの量で第二のポリエチレンを含有し得て、いずれかの下限からいずれかの上限までの範囲が意図される。
【0045】
又、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンのいずれか又は両方は、そのサブブレンドが本明細書に記載された性質を有する限り、2つ以上のポリエチレンのサブブレンドであることができる。
【0046】
いくつかの態様において、本明細書における記載は、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンに焦点をあててきたが、ポリエチレンブレンド組成物は、全体のブレンド組成物が記載した性質を有することを条件として付加的なポリエチレンを含む付加的なポリマー成分を含有し得る。
【0047】
第一のポリエチレン成分及び第二のポリエチレン成分についての本明細書で列挙した重量割合は、第一のポリエチレン成分及び第二のポリエチレン成分の総重量(100%)に基づいている。
【0048】
本発明のブレンドは、0.930又は0.932又は0.935g/cmの下限から0.955又は0.950又は0.945g/cmの上限までの密度を有し、いずれかの下限からいずれかの上限までの範囲が意図される。
【0049】
本発明のブレンドは、0.030又は0.032又は0.035g/cmの下限から0.048又は0.045又は0.042g/cmの上限までの、いずれかの下限からいずれかの上限までの範囲が意図される、第一のポリエチレンの密度と第二のポリエチレンの密度における差を有し得る。
【0050】
本発明のブレンドのメルトインデックスは、1.5又は2.0g/10分の下限から12又は10又は8g/10分の上限までであり得る。
【0051】
本発明のポリエチレンブレンド組成物は、250時間より大きい又は500時間より大きい又は750時間より大きい又は1,000時間より大きいESCR値を示す。
【0052】
本発明のポリエチレンブレンド組成物は、120kJ/mより大きいノッチ付きアイゾッド衝撃値(−40℃、3.17mmの厚さの試料)を示す。
【0053】
添加剤は、必要に応じて用いられ得る。典型的な添加剤には、酸化防止剤、帯電防止剤、UV安定剤、発泡剤、加工助剤、核剤、ナノ複合物、繊維強化剤及び顔料の一つ以上が含まれる。例示的な顔料又は着色剤には、二酸化チタン、カーボンブラック、コバルトブルーのようなコバルトアルミニウム酸化物、酸化クロムグリーンのような酸化クロムが含まれる。シリケートであるウルトラマリンブルー、フタロシアニンブルー及び酸化鉄レッドのような顔料も適している。それらは、典型的には、第一のポリエチレン成分及び第二のポリエチレン成分の総重量に基づいて0重量%から約15重量%以下までの量用いられる。
【0054】
本発明により、先に記載されたポリエチレン系樹脂ブレンドは回転成形される。そのために、添加剤とともに又は添加剤なしでその樹脂は、押し出しブレンドされ、ペレット化され及び平均粒度が典型的には60U.S.メッシュ(250μm)であることを意味する典型的には35U.S.メッシュ(500μm)の粉末に粉砕され得る。典型的な押し出しブレンドする温度は典型的には約190乃至210℃である。その後、粉末は、中空型内に入れられ、2つの軸の上で典型的に回転され、オーブン内で加熱される。粉末は、回転成形中、粉末ブレンドの熱可塑性成分を融解するのに十分な時間及び適する温度において加熱される。用いられる時間及び温度は、回転成形される成形品の厚さ及び構成成分の熱による感受性を含む因子により、当業者は、適する加工条件を容易に決定し得る。本発明のポリエチレン樹脂ブレンドに適用されるときに、約1/8インチ(0.3175cm)の成形品厚さ、約10乃至20分間の約550°F乃至650°F(287.8乃至343.3℃)の範囲のオーブン温度設定が典型的には、十分な融解条件を与える。
【0055】
実施例
ノッチ付きアイゾッド試験は、ASTM D−256、方法Aにより行われた。
【0056】
Mz、Mw及びMnは、サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)としても知られているゲル透過クロマトグラフィーを用いて測定され得る。この技術は、異なるサイズのポリマー分子を分離するための、多孔質ビーズを充填したカラム、溶離溶媒、及び検出器を有する器具を用いる。典型的な測定において、用いられるGPC器具は145℃において操作されるウルトラスチロゲルカラムを装備したWatersクロマトグラフである。用いられる溶離溶媒は、トリクロロベンゼンである。カラムは、精密に知られた分子量の16のポリスチレン標準物質を用いて較正される。試験されるポリマーの保持容量に対する、標準物質から得られるポリスチレン保持容量の相関関係によりポリマー分子量を得る。
【0057】
平均分子量Mは、式、
【数1】

【0058】
(式中、Nは、分子量Mを有する分子の数である)から計算され得る。n=0の場合、Mは数平均分子量Mnである。n=1の場合、Mは重量平均分子量Mwである。n=2の場合、MはZ平均分子量Mzである。望ましいMWD関数(例えばMw/Mn又はMz/Mw)は相当するM値の比である。M及びMWDの測定は、本技術分野でよく知られており、より詳細には、例えば、Slade,P.E.編、Polymer Molecular Weights Part II、 Marcel Dekker, Inc.、ニューヨーク(1975年)、287−368頁;Rodriguez,F.によるPrinciples of Polymer Systems 3版、Hemisphere Pub. Corp.、ニューヨーク(1989年)、155−160頁;米国特許第4,540,753号;VerstrateらによるMacromolecules、21巻(1988年)、3360頁;並びにそれらに引用されている文献に記載されている。
【0059】
環境応力亀裂抵抗(ESCR)(ベントストリップ)は、ASTM D 1693、条件B、10%IGEPAL商標により決定される。IGEPAL商標は、Rhone Polenc(ニュージャージー州クランベリー)から入手可能なノニルフェノキシポリ(エチレンオキシ)エタノール表面活性剤である。本明細書で挙げられているすべてのESCR値は、ASTM D 1693、条件B、10%IGEPAL商標F50値であり、時間の単位で表される。
【0060】
ポリマー密度(g/cm)は、ASTM D1505−68及びASTM D1928、操作Cにより、時間当り15℃において冷却され、室温において40時間状態調節された圧縮成形された試料を用いて決定される。
【0061】
ポリマー溶融流量は、ASTM D−1238により、190℃において決定され得る。I21.6は、ASTM D−1238、条件190℃、21.6kgにより測定されたポリマーの「フローインデックス」又は溶融流量であり、I2.16は、ASTM D−1238、条件190℃、2.16kgにより測定されたポリマーの「メルトインデックス」又は溶融流量である。I2.16に対するI21.6の比は、「メルトフロー比」又は“MFR”である。溶融流量I21.6は又、ときには「高荷重メルトインデックス」又はHLMIと称される。溶融流量は、10分当りg(g/10分)又は同等に分当りdg(dg/分)の単位で報告される。
【0062】
実施例1乃至3、比較例1乃至5
表1に示される実施例は、示された他は、一般的に、米国特許第5,382,631号における実施例により製造された。シリカ支持体上のアルモキサンで活性化されたジルコノセン、12重量%のメチルアルモキサン及び3.5重量%のジルコニウムを、約185°F(85℃)で操作される気相反応器における重合触媒として用い、気相は、70容量%のエチレン、0.5乃至2.0容量%のヘキセン、1,000,000当り200乃至800部の水素、残量が窒素から成る。各重合実施において、時間当り約50乃至75ポンド(22.6乃至33.9kg)が製造される。
【0063】
表1は、実施例1a−b乃至3a−3bにおける本発明を比較例1乃至比較例5a−bとともに示している。各“a”列は第一のポリエチレン成分を示し、各“b”列は第二のポリエチレン成分を示す。欄「Δ密度」は、各々の例示されたブレンドについての2つの成分の密度における差を与える。比較例1は、回転成形する組成物に典型的な密度及びメルトインデックス範囲内の比較の単一のポリエチレン成分を示す。比較例2は、2つの成分のメルトインデックスはおよそ等しく、密度は、差が0.030g/cm未満であるが、平均は、比較例1の平均と同じであるような密度である。比較例3は、高分子量の第一のポリエチレン及び低分子量の第二のポリエチレンの各々が比較例1と同じ密度を有する比較のブレンドを示す。比較例4は、密度が同じであるが、高分子量画分とブレンド組成物の分子量が増大した比較のブレンドを示す。比較例5は、高分子量の第一のポリエチレン成分が0.910g/cm未満の密度を有する比較のブレンドを示す。直ちに明らかであるように、本発明の実施例の各々は、優れたESCRを有し、比較例の各々は有しない。
【表1】

【0064】
図1においてさらに示されるように、比較例5a−b(点線)は、95.9℃及び127.7℃において、DSCによる2つの融解温度を示す。本発明の実施例3a−b(実線)は、128.4℃における単一の融解温度を示す。それらの比較例の両方が、本質的に等価のコモノマー平均含量を示す同じ密度を有するが、本発明のブレンドでのみ同時結晶化が有効に達成される。
【0065】
実施例4及び5、比較例6
表2の実施例4及び5は、本発明による2つの選択された成分を溶融ブレンドすることにより製造された。用いられた高分子量の第一のポリエチレンは、商業的なフィルム級のエチレン系ヘキセンコポリマー(Exceed商標1023CA、ExxonMobil Chemical Company)であり、低分子量の第二のポリエチレンは、高密度ポリエチレンを製造するために用いられる条件下でメチルアルモキサン重合触媒で活性化されたシリカに担持されたジルコノセンを用いてExxonMobil Chemicalの商業的なスラリーループ反応器において製造した。表2のブレンド及び比較例には、およそ当量の添加剤:Irganox商標3114一次酸化防止剤(CIBA);Irgafos商標168二次酸化防止剤(CIBA);酸中和剤(ステアリン酸亜鉛又は同等物)を付加的に含有していた。両方の密度、メルトインデックスI2.16及びMw/Mnを後に示す。比較例6は、回転成形用に市販されており、優れたESCR及び靭性を有すると記載されている単一の成分LLDPE樹脂の性質を示す比較例である。実施例4及び5は、その他に、82.5の比較例6試料値と比較したときに各々17.9のASTM−D 1238(190℃、21.6kg)による低い高荷重メルトインデックス、I21.6を示す。
【0066】
表2に示されているように、ESCRとノッチ付きアイゾッド特性の両方が比較組成物と比較して有意な改良を示している。本発明の実施例4及び5についてのESCR値は、試験を288時間において停止したので、288時間より大きいと報告される。試験を同じ時間実施した場合、全体的な性能は、表1の本発明の試料の全体的な性能に匹敵することが妥当に予測できる。得られた他のデーターは、表2の本発明のブレンドは、比較組成物と比較したときに、予測できないことに、改良されたARM(落錘)衝撃強さ、曲げ弾性率及び引張破断応力を示した。
【表2】

【0067】
本明細書において用いられた種々の商標は、商標の印により示されており、その名称は、特定の商標権により保護され得る。いくつかのそのような名称は、種々の法域において登録商標であり得る。
【0068】
本明細書に引用された、優先権証明書を含む、すべの特許、試験操作及び他の文献は、その開示が本発明と矛盾しない程度に、そのような組み込みが許されている法域で完全に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】図1は、2つのブレンド組成物のポリマーの融解温度の示差走査熱量法(DSC)表示である。実線は、本発明によるブレンド(表1における3a−b)を表し、破線は、比較ブレンド(表1における5a−b)を表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)0.4乃至3.0g/10分のメルトインデックス及び0.910乃至0.930g/cmの密度を有する第一のポリエチレン並びに
(b)10乃至30g/10分のメルトインデックス及び0.945乃至0.975g/cmの密度を有する第二のポリエチレン
を含有するポリエチレン組成物であり、0.930乃至0.955g/cmの密度及び1.5乃至12g/10分のメルトインデックスを有し、第一のポリエチレンと第二のポリエチレンが密度において0.030乃至0.048g/cm異なるポリエチレン組成物。
【請求項2】
第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの少なくとも一つが、メタロセン触媒により製造されたポリエチレンである、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項3】
第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンが、メタロセン触媒により製造されたポリエチレンである、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項4】
第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの各々が1.4乃至4.0のMw/Mn比を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項5】
Mw/Mn比が1.8乃至3.5である、請求項4に記載のポリエチレン組成物。
【請求項6】
第一のポリエチレンが、0.911乃至0.926g/cmの密度を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項7】
第二のポリエチレンが、0.950乃至0.970g/cmの密度を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項8】
第二のポリエチレンが、0.955乃至0.965g/cmの密度を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項9】
0.932乃至0.950g/cmの密度を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項10】
0.935乃至0.945g/cmの密度を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項11】
第一のポリエチレンと第二のポリエチレンが密度において0.032乃至0.045g/cm異なる、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項12】
2乃至10g/10分のメルトインデックスI2.16を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項13】
そのブレンドが、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの総重量に基づいて80重量%乃至20重量%の第一のポリエチレンと20重量%乃至80重量%の第二のポリエチレンを含有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項14】
そのブレンドが、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの総重量に基づいて65重量%乃至35重量%の第一のポリエチレンと35重量%乃至65重量%の第二のポリエチレンを含有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項15】
そのブレンドが、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの総重量に基づいて55重量%乃至45重量%の第一のポリエチレンと45重量%乃至55重量%の第二のポリエチレンを含有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項16】
少なくとも250時間のESCR値を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項17】
少なくとも500時間のESCR値を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項18】
少なくとも750時間のESCR値を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項19】
少なくとも1,000時間のESCR値を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項20】
−40℃において3.17mmの試料について少なくとも120kJ/mのアイゾッド衝撃強さを有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項21】
そのブレンドが、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンから本質的に成る、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項22】
第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの少なくとも一つが、2つ以上のポリエチレン樹脂のブレンドを含有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項23】
(a)0.4乃至3.0g/10分のメルトインデックス及び0.910乃至0.930g/cmの密度を有する第一のポリエチレン並びに
(b)10乃至30g/10分のメルトインデックス及び0.945乃至0.975g/cmの密度を有する第二のポリエチレン
を含有し、0.930乃至0.955g/cmの密度及び1.5乃至12g/10分のメルトインデックスを有し、第一のポリエチレンと第二のポリエチレンが密度において0.030乃至0.048g/cm異なるポリエチレン組成物を含有する回転成形された物品。
【請求項24】
第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの少なくとも一つが、メタロセン触媒により製造されたポリエチレンである、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項25】
第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンが、メタロセン触媒により製造されたポリエチレンである、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項26】
第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの各々が1.4乃至4.0のMw/Mn比を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項27】
Mw/Mn比が1.8乃至3.5である、請求項25に記載の回転成形された物品。
【請求項28】
第一のポリエチレンが、0.911乃至0.926g/cmの密度を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項29】
第二のポリエチレンが、0.950乃至0.970g/cmの密度を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項30】
第二のポリエチレンが、0.955乃至0.965g/cmの密度を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項31】
ポリエチレン組成物が0.932乃至0.950g/cmの密度を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項32】
ポリエチレン組成物が0.935乃至0.945g/cmの密度を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項33】
第一のポリエチレンと第二のポリエチレンが密度において0.032乃至0.045g/cm異なる、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項34】
ポリエチレン組成物が2乃至10g/10分のメルトインデックスI2.16を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項35】
そのブレンドが、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの総重量に基づいて80重量%乃至20重量%の第一のポリエチレンと20重量%乃至80重量%の第二のポリエチレンを含有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項36】
そのブレンドが、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの総重量に基づいて65重量%乃至35重量%の第一のポリエチレンと35重量%乃至65重量%の第二のポリエチレンを含有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項37】
そのブレンドが、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの総重量に基づいて55重量%乃至45重量%の第一のポリエチレンと45重量%乃至55重量%の第二のポリエチレンを含有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項38】
ポリエチレン組成物が少なくとも250時間のESCR値を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項39】
ポリエチレン組成物が少なくとも500時間のESCR値を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項40】
ポリエチレン組成物が少なくとも750時間のESCR値を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項41】
ポリエチレン組成物が少なくとも1,000時間のESCR値を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項42】
ポリエチレン組成物が−40℃において3.17mmの試料について少なくとも120kJ/mのアイゾッド衝撃強さを有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項43】
そのブレンドが、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンから本質的に成る、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項44】
第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの少なくとも一つが、2つ以上のポリエチレン樹脂のブレンドを含有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項45】
(a)(i)0.4乃至3.0g/10分のメルトインデックス及び0.910乃至0.930g/cmの密度を有する第一のポリエチレン並びに
(ii)10乃至30g/10分のメルトインデックス及び0.950乃至0.975g/cmの密度を有する第二のポリエチレン
を含有するポリエチレン組成物であり、0.930乃至0.955g/cmの密度及び1.5乃至12g/10分のメルトインデックスを有し、第一のポリエチレンと第二のポリエチレンが密度において0.030乃至0.048g/cm異なるポリエチレン組成物を提供する工程並びに
(b)そのポリエチレン組成物を回転成形して回転成形された物品を形成する工程
を含む、回転成形された物品を形成する方法。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)0.4乃至3.0g/10分のメルトインデックス及び0.910乃至0.930g/cmの密度を有する第一のポリエチレン並びに
(b)10乃至30g/10分のメルトインデックス及び0.945乃至0.975g/cmの密度を有する第二のポリエチレン
を含有するポリエチレン組成物であり、0.930乃至0.955g/cmの密度及び1.5乃至12g/10分のメルトインデックスを有し、第一のポリエチレンと第二のポリエチレンが密度において0.030乃至0.048g/cm異なり、第二のポリエチレンの重量%が、第一のポリエチレンと第二のポリエチレンとの総重量に基づいて20乃至65重量%の範囲であるポリエチレン組成物。
【請求項2】
第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの少なくとも一つが、メタロセン触媒により製造されたポリエチレンである、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項3】
第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンが、メタロセン触媒により製造されたポリエチレンである、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項4】
第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの各々が1.4乃至4.0のMw/Mn比を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項5】
Mw/Mn比が1.8乃至3.5である、請求項4に記載のポリエチレン組成物。
【請求項6】
第一のポリエチレンが、0.911乃至0.926g/cmの密度を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項7】
第二のポリエチレンが、0.950乃至0.970g/cmの密度を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項8】
第二のポリエチレンが、0.955乃至0.965g/cmの密度を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項9】
0.932乃至0.950g/cmの密度を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項10】
0.935乃至0.945g/cmの密度を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項11】
第一のポリエチレンと第二のポリエチレンが密度において0.032乃至0.045g/cm異なる、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項12】
2乃至10g/10分のメルトインデックスI2.16を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項13】
そのブレンドが、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの総重量に基づいて80重量%乃至20重量%の第一のポリエチレンを含有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項14】
そのブレンドが、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの総重量に基づいて65重量%乃至35重量%の第一のポリエチレンと35重量%乃至65重量%の第二のポリエチレンを含有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項15】
そのブレンドが、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの総重量に基づいて55重量%乃至45重量%の第一のポリエチレンと45重量%乃至55重量%の第二のポリエチレンを含有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項16】
少なくとも250時間のESCR値を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項17】
少なくとも500時間のESCR値を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項18】
少なくとも750時間のESCR値を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項19】
少なくとも1,000時間のESCR値を有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項20】
−40℃において3.17mmの試料について少なくとも120kJ/mのアイゾッド衝撃強さを有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項21】
そのブレンドが、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンから本質的に成る、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項22】
第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの少なくとも一つが、2つ以上のポリエチレン樹脂のブレンドを含有する、請求項1に記載のポリエチレン組成物。
【請求項23】
(a)0.4乃至3.0g/10分のメルトインデックス及び0.910乃至0.930g/cmの密度を有する第一のポリエチレン並びに
(b)10乃至30g/10分のメルトインデックス及び0.945乃至0.975g/cmの密度を有する第二のポリエチレン
を含有し、0.930乃至0.955g/cmの密度及び1.5乃至12g/10分のメルトインデックスを有し、第一のポリエチレンと第二のポリエチレンが密度において0.030乃至0.048g/cm異なり、第二のポリエチレンの重量%が、第一のポリエチレンと第二のポリエチレンとの総重量に基づいて20乃至65重量%の範囲であるポリエチレン組成物を含有する回転成形された物品。
【請求項24】
第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの少なくとも一つが、メタロセン触媒により製造されたポリエチレンである、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項25】
第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンが、メタロセン触媒により製造されたポリエチレンである、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項26】
第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの各々が1.4乃至4.0のMw/Mn比を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項27】
Mw/Mn比が1.8乃至3.5である、請求項25に記載の回転成形された物品。
【請求項28】
第一のポリエチレンが、0.911乃至0.926g/cmの密度を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項29】
第二のポリエチレンが、0.950乃至0.970g/cmの密度を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項30】
第二のポリエチレンが、0.955乃至0.965g/cmの密度を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項31】
ポリエチレン組成物が0.932乃至0.950g/cmの密度を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項32】
ポリエチレン組成物が0.935乃至0.945g/cmの密度を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項33】
第一のポリエチレンと第二のポリエチレンが密度において0.032乃至0.045g/cm異なる、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項34】
ポリエチレン組成物が2乃至10g/10分のメルトインデックスI2.16を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項35】
そのブレンドが、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの総重量に基づいて80重量%乃至20重量%の第一のポリエチレンを含有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項36】
そのブレンドが、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの総重量に基づいて65重量%乃至35重量%の第一のポリエチレンと35重量%乃至65重量%の第二のポリエチレンを含有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項37】
そのブレンドが、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの総重量に基づいて55重量%乃至45重量%の第一のポリエチレンと45重量%乃至55重量%の第二のポリエチレンを含有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項38】
ポリエチレン組成物が少なくとも250時間のESCR値を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項39】
ポリエチレン組成物が少なくとも500時間のESCR値を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項40】
ポリエチレン組成物が少なくとも750時間のESCR値を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項41】
ポリエチレン組成物が少なくとも1,000時間のESCR値を有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項42】
ポリエチレン組成物が−40℃において3.17mmの試料について少なくとも120kJ/mのアイゾッド衝撃強さを有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項43】
そのブレンドが、第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンから本質的に成る、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項44】
第一のポリエチレン及び第二のポリエチレンの少なくとも一つが、2つ以上のポリエチレン樹脂のブレンドを含有する、請求項23に記載の回転成形された物品。
【請求項45】
(a)(i)0.4乃至3.0g/10分のメルトインデックス及び0.910乃至0.930g/cmの密度を有する第一のポリエチレン並びに
(ii)10乃至30g/10分のメルトインデックス及び0.950乃至0.975g/cmの密度を有する第二のポリエチレン
を含有するポリエチレン組成物であり、0.930乃至0.955g/cmの密度及び1.5乃至12g/10分のメルトインデックスを有し、第一のポリエチレンと第二のポリエチレンが密度において0.030乃至0.048g/cm異なり、第二のポリエチレンの重量%が、第一のポリエチレンと第二のポリエチレンとの総重量に基づいて20乃至65重量%の範囲であるポリエチレン組成物を提供する工程並びに
(b)そのポリエチレン組成物を回転成形して回転成形された物品を形成する工程
を含む、回転成形された物品を形成する方法。

【図1】
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【公表番号】特表2006−501351(P2006−501351A)
【公表日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−541571(P2004−541571)
【出願日】平成15年9月18日(2003.9.18)
【国際出願番号】PCT/US2003/029383
【国際公開番号】WO2004/031293
【国際公開日】平成16年4月15日(2004.4.15)
【出願人】(599134676)エクソンモービル・ケミカル・パテンツ・インク (301)
【Fターム(参考)】