説明

回転機械のロータ及び回転機械

【課題】回転機械の迅速な起動を許容し、かつ、ロータに生じる熱応力を抑制することを課題とする。
【解決手段】軸線P周りに延びる外周部10aの周囲をステータ50に囲われ、該ステータ50と外周部10aとの間に画定された流路3に作動流体S1,S2が導入される回転機械T1のロータ10であって、軸線Pが延びる軸方向に相互に接合された複数のロータ部材20,30,40を有し、これら複数のロータ部材20,30,40のうち、流路3の作動流体導入部3a,3bにおける第一ロータ部材30が、Ni基合金からなり、軸方向全部に亘って内部が中空であることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転機械のロータ及び回転機械に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、蒸気タービンを用いた火力発電においては、600℃級以下の蒸気条件で発電を行うのが一般的である。この蒸気条件においては、蒸気タービンを構成するタービンロータ、動翼等の主要部材に、例えば12Cr鋼等の高Cr鋼(高クロム鋼、フェライト系耐熱鋼)が用いられることが多い。
【0003】
ところが、近年、CO排出量削減や更なる熱効率向上の要請に応えるために、700℃級以上の蒸気条件で発電をすることが求められている。しかしながら、この蒸気条件でフェライト系耐熱鋼を用いると、主要部材の高温強度が不足してしまう。
【0004】
そこで、更に高い高温強度を確保するために、主要部材にNi基合金(ニッケル基合金)を用いることになる。しかしながら、このNi基合金を用いると主要部材を大型化するのが難しく、またコストが増加してしまう欠点がある。
【0005】
下記特許文献1においては、タービンロータの大型化とコスト抑制とを図るために、Ni基合金で形成された第一部材と、高Cr鋼で形成された第二部材とを溶接によって接合してタービンロータを構成している。そして、特定の組成のNi基合金を用いることで、接合部の強度を確保しようとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第2009/154243号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、一般にNi基合金は、熱伝導率が低く、線膨張係数が大きい性質を有している。このため、蒸気タービンの起動時には、タービンロータ(Ni基合金)の外側が内側に比べて高温となって大きく熱膨張することから、タービンロータの内部に過大な応力が生じてしまうという問題がある。
一方、タービンロータ全体が徐々に昇温するように時間を掛けてウォームアップを行うと、熱応力の発生を抑えることができるが、蒸気タービンの迅速な起動が阻害されるという問題がある。
【0008】
本発明は、このような事情を考慮してなされたもので、回転機械の迅速な起動を許容し、かつ、ロータに生じる熱応力を抑制することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る回転機械のロータは、軸線周りに延びる外周部の周囲をステータに囲われ、該ステータと前記外周部との間に画定された流路に作動流体が流通する回転機械のロータであって、前記軸線が延びる軸方向に相互に接合された複数のロータ部材を有し、これら複数のロータ部材のうち、前記流路の作動流体導入部における第一ロータ部材が、Ni基合金からなり、前記軸方向全部に亘って内部が中空であることを特徴とする。
このようにすれば、Ni基合金からなる第一ロータ部材が軸方向全部に亘って内部が中空であるので、内部を中実に形成した場合と比較して、第一ロータ部材の熱容量が小さくなる。これにより、回転機械の迅速な起動をした場合に、第一ロータ部材内部の外側と内側とに生じる温度差が抑制されて第一ロータ部材が全体的に昇温する。これにより、第一ロータ部材の内部に生じる熱応力を抑制することができる。従って、回転機械の迅速な起動を許容し、かつ、ロータに生じる熱応力を抑制することができる。
【0010】
また、前記複数のロータ部材は、前記第一ロータ部材に対して前記軸方向に隣接すると共に高Cr鋼からなる第二ロータ部材を少なくとも一つ含むことが好ましい。
このようにすれば、複数のロータ部材が、第一ロータ部材に対して軸方向に隣接すると共に高Cr鋼からなる第二ロータ部材を少なくとも一つ含むので、ロータ全体をNi基合金で形成した場合に比べて、ロータのコストを抑えることができる。さらに、Ni基合金と比較して優れた成型容易性を有する高Cr鋼で、ロータの一部を形成することで、ロータの製造を容易に行うことができる。
【0011】
また、前記第一ロータ部材は、前記軸方向中央側の肉厚が、内径の外径に対する比の値が1/2以上となるように、かつ、前記第一ロータ部材の前記軸方向の端部の肉厚以上となるように形成されていることが好ましい。
このようにすれば、第一ロータ部材の軸方向中央側の肉厚が、内径の外径に対する比の値が1/2以上となるように形成されているので、第一ロータ部材の内部の外側と内側とに生じる温度差を更に抑制し、第一ロータ部材の内部に生じる熱応力を更に抑制することができる。一方、第一ロータ部材の軸方向中央側の肉厚が、第一ロータ部材の軸方向における接合端部の肉厚以上となるように形成されているので、必要な強度を確保することができる。
【0012】
また、前記作動流体導入部が複数形成され、前記第一ロータ部材は、前記複数の作動流体導入部のうち少なくとも二つ以上において、それぞれの内径が相互に異なることが好ましい。
このようにすれば、第一ロータ部材が複数の作動流体導入部のうち少なくとも二つ以上において、それぞれの内径が相互に異なるので、作動流体導入部毎に温度分布を調整することができる。
【0013】
また、前記第一ロータ部材は、前記軸方向における複数の部位において、それぞれの内径が相互に異なることが好ましい。
このようにすれば、軸方向における複数の部位において、それぞれの内径が相互に異なるので、前記軸方向における複数の部位において温度分布を調整することができる。
【0014】
また、前記第一ロータ部材は、少なくとも前記軸方向の一部分において、他方側から一方側に向けて漸次内径が小さくなるように先細り状に形成されていることが好ましい。
このようにすれば、第一ロータ部材が少なくとも軸方向の一部分において、他方側から一方側に向けて漸次内径が小さくなるように先細り状に形成されているので、第一ロータ部材において軸方向に温度調整をすることができる。
【0015】
また、前記Ni基合金が、重量%で、C:0.15%以下、Si:1%以下、Mn:1%以下、Cr:5〜15%、Mo、W及びReの一種又は二種以上をMo+(W+Re)/2:17〜25%、Al:0.2〜2%、Ti:0.5〜4.5%、Fe;10%以下、B:0.02%以下及びZr:0.2%以下の一種又は二種を含有し、Al+Tiの原子%が2.5〜7.0%であり、残部Niと不可避的不純物からなることが好ましい。
【0016】
また、前記Ni基合金が、重量%で、C:0.15%以下、Si:1%以下、Mn:1%以下、Cr:5〜20%、Mo:17〜26%であって、Mo+(W+Re)/2:17〜27%、Al:0.1〜2%、Ti:0.1〜2%、Fe;10%以下、B:0.02%以下及びZr:0.2%以下、Al+Tiの原子%が1〜5.5%であり、残部Niと不可避的不純物からなることが好ましい。
【0017】
また、前記Ni基合金が、重量%で、C:0.15%以下、Si:1%以下、Mn:1%以下、Cr:5〜20%、Mo、W及びReの一種又は二種以上をMo+(W+Re)/2:17〜27%、Al:0.1〜2%、Ti:0.1〜2%、Fe:10%以下、B:0.001〜0.02%及びZr:0.001〜0.2%、Nb+Ta/2:1.5%以下、Co:5%以下であり、残部Niと不可避的不純物からなることが好ましい。
【0018】
また、前記Ni基合金が、重量%で、C:0.15%以下、Si:1%以下、Mn:1%以下、Cr:5〜20%、W:10%以下であって、Mo、W及びReの一種又は二種以上をMo+(W+Re)/2:5〜20%、Al:0.1〜2.5%、Ti:0.10〜0.95%、Fe:4%以下、B:0.001〜0.02%及びZr:0.001〜0.2%、Nb+Ta/2:1.5%以下、Al+Ti+Nb+Taの原子%が2.0〜6.5%であり、残部Niと不可避的不純物からなることが好ましい。
【0019】
また、前記Ni基合金が、重量%で、C:0.005〜0.1%、Cr:8〜15%、W:5〜20%、Mo:1〜7%、Al:0.5〜1.0%、Ti:1.0〜2.5%、残部Niと不可避的不純物からなることが好ましい。
【0020】
また、前記Ni基合金が、重量%で、C:0.005〜0.15%、Cr:8〜22%、Co:5〜30%、W:5〜20%、Mo:1〜9%、Al:0.1〜2.0%、Ti:0.3〜2.5%、B:0.015%以下、Mg:0.01%以下、残部Niと不可避的不純物からなることが好ましい。
すなわち、それぞれ上記各組成からなるNi基合金で第一ロータ部材を形成すれば、高Cr鋼で形成された第二ロータ部材との接合部の強度確保が可能である。
【0021】
さらに、本発明に係る回転機械は、ステータと、軸線周りに延びる外周部の周囲をステータに囲われ、前記ステータと前記外周部との間に画定された流路に作動流体が流通するロータと、を有する回転機械であって、前記ロータとして上記のうちいずれか一つの回転機械のロータを用いたことを特徴とする。
このようにすれば、上記のいずれか一つの回転機械のロータを備えるので、作動流体が比較的に高温となる条件下においてNi基合金を用いたとしても、回転機械の迅速な起動が許容され、かつ、ロータに生じる熱応力が抑制される。これにより、良好な運転性能を得ることができると共にロータの破損を防止することができる。そして、作動流体を比較的に高温に設定することでCO排出量削減や更なる熱効率向上の要請に十分に応えることができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明に係る回転機械のロータによれば、回転機械の迅速な起動を許容し、かつ、ロータに生じる熱応力を抑制することができる。
また、本発明に係る回転機械によれば、良好な運転性能を得ることができると共にロータの破損を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第一実施形態に係る高中圧タービンT1の概略構成断面図であって、高中圧タービンT1の軸線Pを含む子午断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係る軸体11の拡大断面図である。
【図3】本発明の第二実施形態に係る高中圧タービンT2における軸体11の拡大断面図である。
【図4】本発明の第三実施形態に係る高中圧タービンT3における軸体11の拡大断面図である。
【図5】本発明の第四実施形態に係る高中圧タービンT4における軸体11の拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態について説明する。
『第一実施形態』
図1は本発明の第一実施形態に係る高中圧タービン(回転機械)T1の概略構成断面図であって、高中圧タービンT1の軸線Pを含む子午断面図である。なお、以下の説明においては、軸線Pの延在方向を「タービン軸方向(軸方向)」と、軸線Pの周方向を「タービン周方向」と、軸線Pの径方向を「タービン径方向」と称する。
【0025】
図1に示すように、高中圧タービンT1は、タービン軸方向の一方側に高圧タービン(回転機械)1Aが、タービン軸方向の他方側に中圧タービン(回転機械)1Bが、それぞれ構成されている。
高中圧タービンT1は、ロータ10とステータ50とを有している。
【0026】
ロータ10は、回転可能に支持された軸体11と、軸体11に複数構成された動翼列12(12A,12B)とを有している。
【0027】
軸体11は、ステータ50をタービン軸方向に貫通しており、タービン軸方向の両端を、ステータ50の外部に配設された軸受装置91,92によって支持されている。この軸体11のその他の構成については、後に詳述する。
【0028】
複数の動翼列12(12A,12B)は、それぞれ、軸体11の外周に拘束された複数の動翼がタービン周方向に配列されることで構成されている。複数の動翼列12Aは高圧タービン1Aに、複数の動翼列12Bは中圧タービン1Bにそれぞれ配設されている。
【0029】
ステータ50は、外部車室ケーシング60と、内部車室ケーシング70(70A,70B)と、静翼列52(52A,52B)とを有している。
【0030】
外部車室ケーシング60は、外部から内部空間61を区画する車室壁60aと、内部空間61をタービン軸方向に二つに仕切る隔壁60bとを有している。隔壁60bは、内部空間61においてタービン軸方向の略中央に配設されており、内部空間61を、タービン軸方向の一方側の高圧タービン室61Aと、タービン軸方向の他方側の中圧タービン室61Bとに仕切っている。
外部車室ケーシング60の車室壁60aには、高圧タービン1Aにおいて、タービン軸方向の他方側に形成された複数の導入ノズル63Aと、タービン軸方向の一方側に形成された排出ノズル64Aとが形成されている。また、車室壁60aには、中圧タービン1Bにおいて、タービン軸方向の一方側に形成された複数の導入ノズル63Bと、タービン軸方向の他方側に形成された排出ノズル64Bとが形成されている。
この外部車室ケーシング60は、ロータ10に挿通されており、車室壁60aのタービン軸方向の両端からロータ10(軸体11)の両端を突出させている。
なお、車室壁60aがロータ10の両端との間に形成する隙間は、それぞれシール装置93A,93Bによって封止されている。また、隔壁60bがロータ10の中央側との間に形成する隙間は、シール部材94A,94Bによって封止されている。
【0031】
内部車室ケーシング70(70A,70B)は、両端開放型の筒状部材であって、内周部に静翼列52(52A,52B)を保持する静翼保持環71を含んでいる。
内部車室ケーシング70Aは、高圧タービン1Aに配設され、内部車室ケーシング70Bは、中圧タービン1Bに配設されている。これら内部車室ケーシング70A,70Bは、それぞれ、外部車室ケーシング60の車室壁60aの内壁及び隔壁60bに拘束されている。これら内部車室ケーシング70A,70Bは、それぞれ、ロータ10に挿通されてロータ10の外周10aの周囲を囲っており、ロータ10の外周10aと静翼保持環71との間に環状流路(流路)3(3A,3B)がタービン軸方向に延びている。
【0032】
内部車室ケーシング70Aの、タービン軸方向の他方側における他端開放部は、隔壁60bに突き合わされて閉塞されていると共にロータ10との間がシール部材94Aによって封止されている。
内部車室ケーシング70Aの他端開放部側は、シール部材94A及び軸体11の外周との間に、タービン周方向に延びると共に環状流路3に連通したマニホールド(作動流体導入部)3aを画定している。このマニホールド3aは、各導入ノズル63Aに挿し込まれると共にそれぞれ内部車室ケーシング70Aに気密に接続された連結管80Aに連通しており、この連結管80Aを介してボイラBから高圧蒸気(作動流体)S1(約700℃)が供給される。このマニホールド3aは、環状流路3に高圧蒸気S1を導入する部分であって、高圧タービン1Aに供給された高圧蒸気S1がロータ10に最初に接する部分である。つまり、運転時の高圧タービン1Aにおいては、ロータ10の各部位の中で、マニホールド3aに曝される部位が最も高温となる。
なお、内部車室ケーシング70Aの一端開放部は、タービン軸方向の一方側に向けて開放されている。
【0033】
内部車室ケーシング70Bは、両端開放部がそれぞれタービン軸方向に開放されている。内部車室ケーシング70Bのタービン軸方向の一方側には、内部車室ケーシング70の外周部から鍔状に延出するフランジ部70aが形成されており、このフランジ部70aが車室壁60aの内壁に連結されていることで、一端開放部の周囲にマニホールド3bが画定されている。このマニホールド3bには、各導入ノズル63Bに挿し込まれた連結管80Bを介して、ボイラBから中圧蒸気(作動流体)S2(約700℃)が供給される。
一方、この内部車室ケーシング70Bにおいては、軸体11のタービン軸方向の一方側がシール部材94Bによって被覆されている。すなわち、マニホールド3bに供給された中圧蒸気S2は、シール部材94Bに沿って環状流路3Bに導入されることとなり、ロータ10のうちシール部材94Bからの露出部(作動流体導入部)3cが、中圧蒸気S2が最初に接する部分となる。つまり、運転時の中圧タービン1Bにおいては、ロータ10の各部位の中で、シール部材94Bから露出部3cが最も高温となる。
【0034】
複数の静翼列52(52A,52B)は、それぞれ、内部車室ケーシング70(70A,70B)の静翼保持環71に拘束された静翼がタービン周方向に配列されることで構成されている。
静翼列52Aは、高圧タービン1Aの環状流路3Aにおいて、タービン軸方向の他方側から一方側に向けて、動翼列12Aと交互になるように配設されている。静翼列52Bは、中圧タービン1Bの環状流路3Bにおいて、タービン軸方向の一方側から他方側に向けて、動翼列12Bと交互になるように配設されている。
【0035】
図2は、軸体11の拡大断面図である。
図2に示すように、軸体11は、ロータ部材20,30,40がタービン軸方向に相互に接合されて構成されている。より具体的には、ロータ部材20,30,40は、それぞれの軸線を軸線Pに重ねた状態で、上記の順番で接合されることで、全体として軸状になっている。
【0036】
ロータ部材(第二ロータ部材)20は、相対的に小径に形成された小径部21と、相対的に大径に形成された大径部22とを有している。
大径部22は、タービン軸方向の一方側の一端部20aが皿状に窪んでおり、他端部20bが例えば低圧タービンのロータRの端部に接続されている(図1参照)。
【0037】
ロータ部材(第二ロータ部材)40は、相対的に小径に形成された小径部41と、相対的に大径に形成された大径部42とを有している。
ロータ部材40は、ロータ部材40のタービン軸方向の他方側の他端部40bが皿状に窪んでおり、一端部40aが例えば超高圧タービンのロータRVHの端部に接続されている(図1参照)。
これらロータ部材20及び40の材質は、例えば高Cr鋼を用いており、例えば鍛造によって形成されている。この高Cr鋼としては、例えば、下記の表1に示す1−1,1−2の組成のものを好適に用いることができる。これらの組成の高Cr鋼は、室温から700℃までの平均線膨張係数が概ね11.2×10−6/℃〜12.4×10−6℃となっている。
なお、表1以外の他の組成の高Cr鋼を用いてもよいのは勿論である。
【0038】
【表1】

なお、表1における%は、重量%を意味する。
【0039】
ロータ部材(第一ロータ部材)30は、タービン軸方向の両端部(接合端部)30a,30bがそれぞれ皿状に窪んでいる。
このロータ部材30は、Ni基合金で形成されており、比較的に低い熱伝導率と高い線膨張係数とを有している。このNi基合金としては、例えば、下記の表2に示す2−1,2−2,2−3,2−4,2−5,2−6の組成のものを好適に用いることができる。これらの組成のNi基合金は、室温から700℃までの平均線膨張係数が概ね12.4×10−6/℃〜14.5×10−6℃となっており、他の組成のNi基合金と比較して低く抑えられている。
なお、表2以外の他の組成のNi基合金を用いてもよいのは勿論である。
【表2】

なお、表2における%は、重量%を意味する。
【0040】
このロータ部材30の一端部30aは、ロータ部材40の他端部40bに対して突き合わされた状態で溶接によって接合されている。また、ロータ部材30の他端部30bは、ロータ部材20の一端部20aと突き合わされた状態で溶接によって接合されている。
ロータ部材30のタービン軸方向の両端部30a,30bにおける接合箇所は、高中圧タービンT1の運転状態で必要な強度が確保されることを条件として、可能な限り肉厚dを小さく設定することが望ましい。
【0041】
図2に示すように、このロータ部材30の内部は中空に形成されている。より具体的には、軸線P上においてタービン軸方向に一定の内径D1で形成された孔31が延びており、一端部30aと他端部30bとを連通させている。すなわち、ロータ部材30は、ロータ部材30を中実に形成した場合(孔31を形成しなかった場合)と比較して、熱容量が小さくなっている。
ロータ部材30の孔31が形成されたタービン軸方向中央側における各部位の肉厚は、内径D1の外径D2に対する比の値が1/2以上となるように、かつ、ロータ部材30のタービン軸方向の両端部30a,30bの肉厚d以上となるように形成されている。
【0042】
続いて、上記構成からなる高中圧タービンT1の作用について図を用いて説明する。
まず、高中圧タービンT1を起動すると、高圧タービン1Aに高圧蒸気S1が、中圧タービン1Bに中圧蒸気S2がそれぞれ流入する。
【0043】
図1に示すように、例えば、高圧タービン1Aには、超高圧タービン(不図示)を経た後にボイラBで再加熱された高圧蒸気S1が、連結管80Aを介してマニホールド3aに供給される。そして、高圧蒸気S1は、ロータ部材30に沿って環状流路3Aに導入され、動翼列12Aと静翼列52Aとを順に流れることでロータ10に回転力を付与する。環状流路3Aを経た高圧蒸気S1は、排出ノズル64Aを介して、高圧タービン1Aから排出されてボイラBに送られる。
【0044】
一方、例えば、中圧タービン1Bには、高圧タービン1Aから排出された後にボイラBで再加熱された中圧蒸気S2が、連結管80Bを介してマニホールド3bに供給される。そして、中圧蒸気S2は、マニホールド3bからシール部材94Bに沿って環状流路3Bに導入され、環状流路3Bにおいて動翼列12Bと静翼列52Bとを順に流れることで、ロータ10に回転力を付与する。環状流路3Bを経た中圧蒸気S2は、排出ノズル64Bを介して、中圧タービン1Bから排出されてボイラ(不図示)に送られる。
【0045】
この際、ロータ10におけるロータ部材30の内部が中空に形成されていることで熱容量が小さくなっていることから、ロータ部材30の内部(より正確には肉部)において外側と内側との温度差がつき難い。
換言すれば、ロータ部材30が中空に形成されていることで、ロータ部材30の外周端から内周端までの熱伝達経路の距離が、ロータ部材30を中実に形成した場合に比べて短くなっており、高圧蒸気S1からロータ部材30の外周端に伝達した熱が、ロータ部材30の内周端まで速やかに伝導(到達)する。このため、ロータ部材30の内部においてタービン径方向の温度勾配が緩やかになって、ロータ部材30の内部の外側と内側とが同様の温度となる。
【0046】
ロータ部材30の内部において外側と内側とに生じる温度差に比例して、ロータ部材30の外側と内側との熱伸びの差も僅かなものとなる。このため、ロータ部材30の内部において生じる熱応力が大幅に抑制される。
このような状態を継続させながら、ロータ部材30は、高中圧タービンT1の運転状態の温度まで全体的に昇温することとなる。
そして、高中圧タービンT1は、起動状態から定常状態に移行する。定常状態に移行した後には、ロータ部材30は、全体的に一定の温度となって回転する。
【0047】
以上説明したように、高中圧タービンT1によれば、Ni基合金からなるロータ部材30がタービン軸方向全部に亘って内部が中空であるので、内部を中実に形成した場合と比較して、ロータ部材30の熱容量が小さくなる。これにより、高中圧タービンT1において迅速な起動をした場合に、ロータ部材30内部の外側と内側とに生じる温度差が抑制されてロータ部材30が全体的に昇温する。これにより、ロータ部材30の内部に生じる熱応力を抑制することができる。従って、高中圧タービンT1の迅速な起動を許容し、かつ、ロータ10に生じる熱応力を抑制することができる。
【0048】
また、軸体11がロータ部材30に対してタービン軸方向に隣接すると共に高Cr鋼からなるロータ部材20,40を含むので、軸体11全体をNi基合金で形成した場合に比べて、ロータ10のコストを抑えることができる。さらに、Ni基合金と比較して優れた成型容易性を有する高Cr鋼で、軸体11の一部を形成することで、ロータ10の製造を容易に行うことができる。
【0049】
また、ロータ部材30が表2の組成からなるNi基合金で形成することで、室温から700℃までの平均線膨張係数が他の組成のNi基合金と比較して小さくなる。これにより、他の組成のNi基合金と比較して、ロータ部材30に熱伸びが生じ難くなるので、ロータ部材30の内部に生じる熱応力を更に抑制することができる。
また、ロータ部材20,40に表1の組成からなる高Cr鋼で形成すると共に、ロータ部材30に表2の組成からなるNi基合金を形成することで、互いの線膨張係数の差が小さくなる。これにより、ロータ部材20,40と、ロータ部材30との接合部の強度確保が可能である。
【0050】
また、ロータ部材30のタービン軸方向中央側の肉厚が、内径D1の外径D2に対する比の値が1/2以上となるように形成されているので、ロータ部材30の内部の外側と内側とに生じる温度差を更に抑制し、ロータ部材30の内部に生じる熱応力を更に抑制することができる。一方、ロータ部材30のタービン軸方向中央側の肉厚が、ロータ部材30のタービン軸方向における両端部30a,30bの肉厚d以上となるように形成されているので、必要な強度を確保することができる。
【0051】
さらに、本発明に係る高中圧タービンT1は、ロータ10を備えるので、700℃級以上の蒸気条件においてNi基合金を用いたとしても、高中圧タービンT1の迅速な起動が許容され、かつ、ロータ10に生じる熱応力が抑制される。これにより、良好な運転性能を得ることができると共にロータ10の破損を防止することができる。そして、蒸気S1,S2を比較的に高温(約700℃)に設定することでCO排出量削減や更なる熱効率向上の要請に十分に応えることができる。
【0052】
『第二実施形態』
以下、本発明の第二実施形態について図を用いて説明する。なお、以下の説明及びその説明に用いる図面において、既に説明を終えた構成要素と同様の構成要素については、同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
【0053】
図3は、本発明の第二実施形態に係る高中圧タービン(回転機械)T2における軸体11の拡大断面図である。
上述した第一実施形態の軸体11が一体的に形成されたロータ部材30を有していたのに対して、図3に示すように、本実施形態に係る高中圧タービンT2の軸体11は、ロータ部材30に相当する位置にロータ部材(第一ロータ部材)32A,32Bが配設されている。
【0054】
ロータ部材32A,32Bは、ロータ部材30と同様に、Ni基合金で形成されており、タービン軸方向の両端部(接合端部)32a,32bがそれぞれ皿状に窪んでいる。このロータ部材32A,32Bのそれぞれの内部は中空に形成されている。
ロータ部材32Aの一端部32aは、ロータ部材40の他端部40bと突き合わされた状態で溶接によって接合されている。
ロータ部材32Bの一端部32dは、ロータ部材20の一端部20aと突き合わされた状態で溶接によって接合されている。
また、ロータ部材32Aの他端部32bと、ロータ部材32Bの他端部32cとは、互いに突き合わされた状態で溶接(共材溶接)によって接合されている。
【0055】
ロータ部材32Aは、軸線P上においてタービン軸方向に一定の内径D1で形成された孔31Aが延びている。ロータ部材32Bは、軸線P上においてタービン軸方向に一定の内径D3(≠内径D1)で形成された孔31Bが延びている。
すなわち、ロータ部材32A,32Bは、相互に異なる内径となっている。
【0056】
この高中圧タービンT2によれば、上述した第一実施形態の主要な効果を得ることができる他、マニホールド3a及び露出部3cにおいて、それぞれの内径(D1≠D3)が相互に異なるので、マニホールド3a及び露出部3c(高圧タービン1A、中圧タービン1B)においてそれぞれ温度分布を調整することができる。
なお、ロータ部材32A,32Bを同一の内径にしても、上述した第一実施形態の主要な効果を得ることが可能である。
【0057】
『第三実施形態』
以下、本発明の第三実施形態について図を用いて説明する。なお、以下の説明及びその説明に用いる図面において、既に説明を終えた構成要素と同様の構成要素については、同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
【0058】
図4は、本発明の第三実施形態に係る高中圧タービン(回転機械)T3における軸体11の拡大断面図である。
上述した第二実施形態の軸体11が孔31Bを含むロータ部材32Bを有していたのに対して、図4に示すように、本実施形態に係る高中圧タービンT3の軸体11は、ロータ部材32Bに代えて中実のロータ部材33を有している。
ロータ部材33は、Ni基合金で形成されており、一端部(接合端部)33aがロータ部材32Aの他端部32bに突き合わされた状態で、また他端部33bがロータ部材20の一端部20aに突き合わされた状態で、それぞれ溶接によって接合されている。
【0059】
この高中圧タービンT3によれば、ロータ部材32Aにおいて上述した第一実施形態及び第二実施形態の主要な効果を得ることができる他、ロータ部材33の内部が中実に形成されているので、中圧タービン1Bにおいてロータ部材33の剛性を高めることができる。
なお、ロータ部材33の内部を中空にすると共に(ロータ部材32B)、ロータ部材32Aの内部を中実に形成しても構わない。
【0060】
『第四実施形態』
以下、本発明の第四実施形態について図を用いて説明する。なお、以下の説明及びその説明に用いる図面において、既に説明を終えた構成要素と同様の構成要素については、同一の符号を付して、重複した説明を省略する。
【0061】
図5は、本発明の第四実施形態に係る高中圧タービン(回転機械)T4における軸体11の拡大断面図である。
上述した第二実施形態の軸体11が孔31A,31Bがそれぞれ一定の内径D1,D3で形成されたロータ部材32A,32Bを有していたのに対して、図5に示すように、本実施形態に係る高中圧タービンT4の軸体11は、それぞれに形成された孔35A,35Bの内径がタービン軸方向の各部位で相違するロータ部材(第一ロータ部材)34A,34Bを有している。
【0062】
ロータ部材34Aの孔35Aは、例えば、タービン軸方向の他方側から一方側に向けて漸次内径が小さくなるように、先細り状に形成されている。
ロータ部材34Bの孔35Bは、例えば、タービン軸方向の一方側から他方側に向けて漸次内径が小さくなるように、先細り状に形成されている。
【0063】
この高中圧タービンT4によれば、上述した第一実施形態及び第二実施形態の主要な効果を得ることができる他、タービン軸方向の各部位において、ロータ部材34A,34Bの内径(孔35A,35B)がそれぞれ異なるので、ロータ部材34A,34B(高圧タービン1A、中圧タービン1B)のそれぞれにおいてタービン軸方向に温度調整をすることができる。
【0064】
なお、本実施形態においては、タービン軸方向の一方側から他方側に向けて漸次内径が小さくなるように、先細り状に孔35Aを形成したが、タービン軸方向の他方側から一方側に向けて漸次内径が小さくなるように形成してもよい。また、孔35Aの一部に一定の内径で形成された部分があってもよい。また、孔35Aの内径がタービン軸方向において増加した後に減少する部分があってもよい。孔35Bについても同様である。
また、本実施形態と同様に、第一実施形態から第三実施形態の各孔の内径をタービン軸方向に変化させてもよい。
【0065】
なお、上述した実施の形態において示した動作手順、あるいは各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
例えば、上述した実施形態においては、ロータ部材20,30,40,32A,32B33,34A,34Bのタービン軸方向の端部を皿状に形成したが、他の形状でタービン軸方向に窪みを形成してもよい。また、平タービン軸方向に窪みを形成せずに、平状に形成してもよい。
【0066】
また、上述した実施の形態では、高中圧タービンT1〜T4に本発明を適用した場合について説明したが、他の圧力域のタービンに本発明を適用してもよい。また、タービン以外の回転機械に本発明を適用してもよい。
【符号の説明】
【0067】
1A…高圧タービン(回転機械)
1B…中圧タービン(回転機械)
3(3A,3B)…環状流路(流路)
3a…マニホールド(作動流体導入部)
3c…露出部(作動流体導入部)
10…ロータ
10a…外周
20…ロータ部材(第二ロータ部材)
30…ロータ部材(第一ロータ部材)
30a,30b…両端部(接合端部)
32A,32B…ロータ部材(第一ロータ部材)
32a,32b…両端部(接合端部)
32c,32d…両端部(接合端部)
33…ロータ部材(第一ロータ部材)
33a…一端部(接合端部)
34A…ロータ部材(第一ロータ部材)
34B…ロータ部材(第一ロータ部材)
40…ロータ部材(第二ロータ部材)
50…ステータ
P…軸線
d…肉厚
D1,D3…内径
D2…外径
S1…高圧蒸気(作動流体)
S2…中圧蒸気(作動流体)
T1,T2,T3,T4…高中圧タービン(回転機械)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸線周りに延びる外周部の周囲をステータに囲われ、該ステータと前記外周部との間に画定された流路に作動流体が流通する回転機械のロータであって、
前記軸線が延びる軸方向に相互に接合された複数のロータ部材を有し、
これら複数のロータ部材のうち、前記流路の作動流体導入部における第一ロータ部材が、Ni基合金からなり、前記軸方向全部に亘って内部が中空であることを特徴とする回転機械のロータ。
【請求項2】
前記複数のロータ部材は、前記第一ロータ部材に対して前記軸方向に隣接すると共に高Cr鋼からなる第二ロータ部材を少なくとも一つ含むことを特徴とする請求項1に記載の回転機械のロータ。
【請求項3】
前記第一ロータ部材は、前記軸方向中央側の肉厚が、内径の外径に対する比の値が1/2以上となるように、かつ、前記第一ロータ部材の前記軸方向の端部の肉厚以上となるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の回転機械のロータ。
【請求項4】
前記作動流体導入部が複数形成され、
前記第一ロータ部材は、前記複数の作動流体導入部のうち少なくとも二つ以上において、それぞれの内径が相互に異なることを特徴とする請求項1から3のうちいずれか一項に記載の回転機械のロータ。
【請求項5】
前記第一ロータ部材は、前記軸方向における複数の部位において、それぞれの内径が相互に異なることを特徴とする請求項1から4のうちいずれか一項に記載の回転機械のロータ。
【請求項6】
前記第一ロータ部材は、少なくとも前記軸方向の一部分において、他方側から一方側に向けて漸次内径が小さくなるように先細り状に形成されていることを特徴とする請求項1から5のうちいずれか一項に記載の回転機械のロータ。
【請求項7】
前記Ni基合金が、重量%で、C:0.15%以下、Si:1%以下、Mn:1%以下、Cr:5〜15%、Mo、W及びReの一種又は二種以上をMo+(W+Re)/2:17〜25%、Al:0.2〜2%、Ti:0.5〜4.5%、Fe;10%以下、B:0.02%以下及びZr:0.2%以下の一種又は二種を含有し、Al+Tiの原子%が2.5〜7.0%であり、残部Niと不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか一項に記載の回転機械のロータ。
【請求項8】
前記Ni基合金が、重量%で、C:0.15%以下、Si:1%以下、Mn:1%以下、Cr:5〜20%、Mo:17〜26%であって、Mo+(W+Re)/2:17〜27%、Al:0.1〜2%、Ti:0.1〜2%、Fe;10%以下、B:0.02%以下及びZr:0.2%以下、Al+Tiの原子%が1〜5.5%であり、残部Niと不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか一項に記載の回転機械のロータ。
【請求項9】
前記Ni基合金が、重量%で、C:0.15%以下、Si:1%以下、Mn:1%以下、Cr:5〜20%、Mo、W及びReの一種又は二種以上をMo+(W+Re)/2:17〜27%、Al:0.1〜2%、Ti:0.1〜2%、Fe:10%以下、B:0.001〜0.02%及びZr:0.001〜0.2%、Nb+Ta/2:1.5%以下、Co:5%以下であり、残部Niと不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか一項に記載の回転機械のロータ。
【請求項10】
前記Ni基合金が、重量%で、C:0.15%以下、Si:1%以下、Mn:1%以下、Cr:5〜20%、W:10%以下であって、Mo、W及びReの一種又は二種以上をMo+(W+Re)/2:5〜20%、Al:0.1〜2.5%、Ti:0.10〜0.95%、Fe:4%以下、B:0.001〜0.02%及びZr:0.001〜0.2%、Nb+Ta/2:1.5%以下、Al+Ti+Nb+Taの原子%が2.0〜6.5%であり、残部Niと不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか一項に記載の回転機械のロータ。
【請求項11】
前記Ni基合金が、重量%で、C:0.005〜0.1%、Cr:8〜15%、W:5〜20%、Mo:1〜7%、Al:0.5〜1.0%、Ti:1.0〜2.5%、残部Niと不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか一項に記載の回転機械のロータ。
【請求項12】
前記Ni基合金が、重量%で、C:0.005〜0.15%、Cr:8〜22%、Co:5〜30%、W:5〜20%、Mo:1〜9%、Al:0.1〜2.0%、Ti:0.3〜2.5%、B:0.015%以下、Mg:0.01%以下、残部Niと不可避的不純物からなることを特徴とする請求項1から6のうちいずれか一項に記載の回転機械のロータ。
【請求項13】
ステータと、
軸線周りに延びる外周部の周囲をステータに囲われ、前記ステータと前記外周部との間に画定された流路に作動流体が導入されるロータと、を有する回転機械であって、
前記ロータとして請求項1から12のうちいずれか一項に記載の回転機械のロータ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−207594(P2012−207594A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−74206(P2011−74206)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】