説明

回転自在の物品係合アッセンブリーを備えたモジュラーリンク式コンベヤチェーン

細長横断方向コネクタ(14)によって相互に連結されたコンベアチェーン(10)が提供される。横断方向コネクタは、回転自在に装着されたキャップを含む物品係合アッセンブリー(16)を回転自在に支持する。一実施形態では、キャップは、ほぼ球状の外表面を有し、コネクタ(14)の長手軸線に対してほぼ横断方向の軸線の周りに回転するように装着される。この構成により、低バックライン圧での物品の搬送を可能にするとともに、物品が回転自在キャップと係合することによりチェーン(10)の移動方向に対してほぼ横断方向への物品の円滑で能率的な転向をも容易にする。チェーンは、固定長さを有するものとしてもよいが、長手方向に伸縮自在とするとともに、コンベアシステムの一部を構成する支持構造体に沿って無端経路で駆動される場合、カーブ又は屈曲部を円滑に通過するように側方撓曲可能な構成とすることもできる。チェーン(10)を構成する交互のコネクタの物品係合アッセンブリーを側方に互い違いに配置するように1つ又はそれ以上のスペーサ(38)を設けることができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、コンベヤ技術に関し、特に、被搬送物品(以下、単に「物品」とも称する)を搬送方向と搬送方向とは異なる方向の両方に移動させることが必要とされるような用例に使用するのに特に適したモジュラーリンク式コンベヤチェーン(以下、単に「コンベア」又は「チェーン」とも称する)に関する。
【背景技術】
【0002】
産業におけるラーリンク式コンベヤの使用は、益々、普及してきている。特に食品又は食料製品を特にパッケージの状態で、又は半ばパッケージされた形で搬送するための手段として、モジュラーリンク式コンベヤは、耐用年数が長く、低コストの搬送手段を求める食品加工業者が選択する手段の中で圧倒的に多く、代表的なものである。近年、比較的大きいサイズのものをも含め、多種類の食品、食品パッケージ及び食品容器のみならず他のタイプの物品及び製品を能率的に搬送処理することができるようにする目的で、この種のコンベヤーの開発に著しい進歩が遂げられてきた。
【0003】
今日市販されているモジュラーリンク式コンベヤシステムのうち最も人気の高いタイプの1つは、1990年9月4日に発行された本出願人の先行米国特許第4,953,693号及び1991年7月16日に発行された先行米国特許第5,031,757号に開示され、本出願人の会社によって「デザイナシステム」及び「ホイスパートラックス」という商標名で製造販売されているものである。これらの初期特許の時代から急速にコンベヤシステムの分野に著しい技術進歩が達成され、物品及び製品のより能率的な処理及び搬送を実施することが可能になってきている。
【0004】
そのような技術進歩の1つが、低バックライン圧での作動を可能にするために、例えば米国特許第3,669,241号、4,231,469号及び5,330,045号他多数の先行特許に開示されているように、チェーンの横断方向のコネクタにローラを設けることである。従来の多数の方法は、おおむね、特にコンベアが物品集積モードで作動されているとき分ピンが損傷を受けるのを防止するのに必要なバックライン圧(背後からの押圧力)の低減を可能にする。しかしながら、移送コンベヤ又は搬出コンベアへの転送をする場合に必要とされる、搬送方向とは異なる方向への物品の効率的な搬送を実施するための手段は開示されていない。軽量又は低摩擦の物品をチェーン上でその横方向に強制的に移動させるようにすることは考え得る解決法であるが、それは、物品を傷つけるおそれがあり、物品が内容物を充填されたカートンのような大きい又は重いものであるか、あるいは、タイヤのような高摩擦表面を有するものである場合は、好ましい選択とはいえない。
【0005】
モジュラーリンクから成るこの種の従来のローラチェーンに固有の欠点を克服する試みとして、近年、各々対応するサイズ及び形状の回転自在素子を受容するための複数の凹部を搬送面に有するモジュラーリンクによってチェーンを構成することが提案されている。商業的に普及している現行の方式は、米国特許第6,148,990号に開示されており、回転自在素子として樽形ローラと球形ボールの両方を使用し、それらを各リンクの搬送面に形成された対応する形状の凹部に装着するというものである。
【0006】
この方式は、一見すると進歩した技術のようにみえるが、依然として欠点が存在する。ローラを収容する凹部を備えたリンクに関していえば、搬送能力がほぼ一方向に限られるので、チェーンの性能が限定される。球形ボールを用いる実施形態は、一見全方向性の搬送を可能にするように思われるが、ローラを収容する凹部が、破片や塵芥が堆積し、バクテリアが繁殖する深いポケットを造ることになる。そのため、この構成は、食品を含む物品の搬送などにおけるように衛生状態が重要な配慮事項となる環境において使用するのには余り適さない。
【0007】
もう1つの欠点は、球形ボールが凹部に収容されているため、物品自体に係合するのに利用することができる表面の面積が小さくなることである。球形ボールを収容するための凹部がなければ、物品は、搬送面の大部分を構成する静止リンク上で摩擦力によりほとんど動かずに留まることができる。更に別の欠点は、球形ボールは、別途のカバーが設けられていないと、小さな剪断力を受けたときでも凹部から飛び出すことがあるということである。ボールが1つでもなくなると、リンクが企図された用途に用いることができなくなるばかりでなく、メンテナンス費用がかさむことになる。この欠点を克服するために部分的なカバーを設けることが考えられるが、それとて全体のアッセンブリーを複雑にし、製造コストを高めるばかりでなく、搬送中物品がカバーの突出したリップに引っ掛かることにもなる。カバーのリップに引っ掛った物品は、それ自体が損傷するおそれがあることを別にしても、チェーンの詰まりの原因となり、製造設備を休止し、手作業による物品の除去作業を余儀なくされ、費用を増大させることになる。回転する球形ボールは、その全表面が搬送面に露呈されるので、円滑な低摩擦の転がり接触を確保するためにそれぞれの凹部に適正な潤滑を維持することも、更なる困難な問題となる。
【特許文献1】米国特許第4,953,693号
【特許文献2】米国特許第5,031,757号
【特許文献3】米国特許第3,669,241号
【特許文献4】米国特許第4,231,469号
【特許文献5】米国特許第5,330,045号
【特許文献6】米国特許第6,148,990号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、物品集積モードにあるときなどにバックライン圧を低くすることができ、かつ、物品を搬送方向以外の方向へも容易に効率的に円滑に転向(方向転換)させることができる物品又は物体搬送用の改良モジュラーリンク式チェーンを求める要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1側面によれば、1個以上の物品を少くとも搬送方向に移送することができ、かつ、搬送方向とは異なる方向にも移動させるのに使用することができるチェーンが提供される。このチェーンは、搬送面を構成する複数のモジュラーリンクから成り、少くとも1つの回転自在に装着されたキャップを支持する本体を含み、搬送面の一部を構成する少くとも1つの物品係合アッセンブリーと、各モジュラーリンクを相互に連結し、前記物品係合アッセンブリーの本体を回転自在に支持する横断方向のコネクタを有する。この構成により、物品係合アッセンブリーは、物品に対するバックライン圧を低くするために搬送方向に回転することができるとともに、物品が前記回転自在装着キャップと係合することにより異なる方向への物品の移動をも容易にすることができる。
【0010】
一実施形態においては、物品係合アッセンブリーは、各々ほぼ球状の外表面を有する回転自在に装着された第1及び第2キャップを含む。物品係合アッセンブリーの本体は、第1及び第2キャップを受容し、支持するための互いにほぼ対向した第1及び第2支持体を含む。各支持体は、前記コネクタの長手軸線に対してほぼ横断方向に延長しており、各キャップは、対応する支持体の過大サイズ(オーバーサイズ)部分を受容し保持するようになされた第1部分を有する凹部を含み、それによってキャップは、支持体上に保持される。この凹部は、又、該支持体の一部分を構成するほぼ円形の座着突部を受容するようになされた第2部分を有し、それによって、座着突部は、キャップのための支承表面を提供する。
【0011】
前記座着突部は、又、潤滑剤を受容するための1つ以上の窪みを有する外表面を含む。あるいは別法として、又は、前記窪みに加えて、前記キャップに潤滑剤を受容するための少くとも1つの逃がし区域を設けることができる。前記本体は、バックライン圧が存在するときにも、自由回転を可能にするのに十分なクリアランス(遊隙)をもってコネクタを受容するための横断方向のチャンネルを有することが好ましい。
【0012】
複数の物品係合アッセンブリーを前記横断方向コネクタによって回転自在に支持することができる。複数のリンクを互いに離隔した第1列と第2列として配置し、各リンク列に横断方向コネクタを設ける構成の場合は、各コネクタに複数の物品係合アッセンブリーを回転自在に支持させることができる。搬送方向に互いに離隔した第1列のリンクと第2列のリンクとの間にスペーサを介設し、それらのスペーサは、第1リンク列の物品係合アッセンブリーと第2リンク列の物品係合アッセンブリーを側方に互い違いに配置するように第1リンク列のコネクタによって支持することが好ましい。これらのスペーサは、バックライン圧が存在するときにも、物品がモジュラーリンクの上縁に引っ掛かるのを防止するために該上縁より上に突出するローラから成るものとすることができる。
【0013】
各リンクは、隣接するリンクに通された横断方向コネクタを受容するためのスロットを有する尖端部分を備えたものとすることができる。このスロットは、搬送方向に沿うチェーンの長手方向の伸縮を可能にするとともに、チェーンがカーブ又は屈曲部を円滑に通過するようにリンクの側方撓曲動作をも可能にする。このチェーンは、又、チェーンをその支持構造体に沿って無端経路で駆動するための駆動ユニットを含むコンベアシステム全体の一部として用いることもできる。
【0014】
本発明の第2側面によれば、1個以上の物品を少くとも搬送方向に移送することができるチェーンが提供される。このチェーンは、搬送方向に対してほぼ横断方向の長手軸線を有するコネクタによって互いに連結され、搬送面を構成する少くとも2つのモジュラーリンクから成る。搬送面の一部を構成する少くとも1つの物品係合アッセンブリーは、前記コネクタに回転自在に装着された本体を有する。この本体は、ほぼ球状の外表面を有する少くとも1つのキャップを前記長手軸線に対してほぼ横断方向の軸線の周りに回転することができるように支持する。
【0015】
一実施形態においては、物品係合アッセンブリーは、各々ほぼ球状の外表面を有し、前記本体の両側から突出した第1及び第2取付支柱に回転自在に装着された第1及び第2キャップを含む。各キャップは、更に、対応する取付支柱の過大ヘッド部分を受容しスナップ嵌め係合するようになされた第1部分と該取付支柱の一部分を構成するほぼ円形の座着突部を受容するようになされた第2部分を有する。座着突部は、潤滑剤を受容するための少くとも1つの窪みを有する外表面を有するものとすることができる。前記本体は、搬送方向に対してほぼ横断方向の長手軸線を有し、前記コネクタの長手軸線に平行な横断方向のチャンネルを有する。複数のリンクを間隔を置いた列として配置し、各列に複数の物品係合アッセンブリーを回転自在に支持する横断方向コネクタを設けることが好ましい。
【0016】
本発明の第3側面によれば、物品を少くとも搬送方向と、搬送方向とは異なる方向に搬送することが望ましい用例に使用するためのチェーンが提供される。このチェーンは、複数のモジュラーリンクと、被搬送物品に係合するための物品係合手段を含む。物品係合手段は、物品集積モードにおいてバックライン圧を低くすることを可能にするという目的をも含めて、搬送方向に自由に回転することができ、かつ、物品を前記異なる方向に移送するのを容易にする。コネクタは、搬送方向に対してほぼ横断方向に延設され、モジュラーリンクを連結してチェーンを形成するとともに、物品係合手段を回転自在に支持する。
【0017】
一実施形態においては、物品係合手段は、搬送方向に回転することができるように前記コネクタを受容するための細長チャンネルを有する本体を含む。1対のほぼ対向した支持体が、各々、前記異なる方向への搬送中物品に係合するための丸み付き外表面を有するキャップを受容し、回転自在に支持する。
【0018】
本発明の第4側面によれば、1個以上の物品を少くとも搬送方向に移送するのに使用するためのチェーンが提供される。このチェーンは、互いに離隔した列として配置され、搬送方向に対してほぼ横断方向の長手軸線を有するコネクタによって相互に連結された複数のモジュラーリンクと、該コネクタにそれぞれ独立して回転するように取り付けられた複数の物品係合アッセンブリーとから成る。各アッセンブリーは、1対の支持体を有する本体を含み、各支持体は、少くとも1つのキャップを、前記コネクタの長手軸線に対してほぼ横断方向の軸線の周りに独立して回転することができるように支持する。
【0019】
一実施形態においては、前記複数のリンクは、チェーンを案内するための側部リンクを含む。各側部リンクは、垂下腕と、内方に突出した横断方向の耳片と、前記コネクタを保持するための錠止素子を受容するための受容部を含むものとすることができる。リンク列は、搬送方向に互いに離隔させることが好ましい。更に、第1リンク列に設けられた物品係合アッセンブリーが第2リンク列に設けられた物品係合アッセンブリーと側方に互い違いに配置されるように、第1リンク列のコネクタによってスペーサを支持させることができる。
【0020】
本発明の第5側面によれば、物品を移送するためのモジュラーリンク式コンベアチェーンに使用するためのものであって、第1及び第2キャップを回転自在に支持するためのシャーシが提供される。このシャーシは、長手軸線を有するチャンネルを備えた本体と、該長手軸線に対してほぼ横断方向に延長するほぼ対向した第1支持軸と第2支持軸から成る。各支持軸は、キャップにスナップ嵌め係合によって嵌合するためのリップを画定する部分を含む。
【0021】
一実施形態においては、前記支持軸は、円筒形であり、関連するキャップの第2凹部に形成された対応する表面に係合するようになされた支承表面を形成するように段状にされている。支持軸は、更に、潤滑剤を受容するために形成された少くとも1つの窪みを有する。前記本体は、更に、関連するキャップの対応する表面にスナップ嵌め係合によって嵌合するためのほぼ円形の座着表面を有するものとすることができ、該円形の座着表面の直径は、関連するキャップの対応する表面の寸法とほぼ合致するものとする。好ましくは、前記リップを画定する前記部分は、過大サイズとされ、前記支持体のヘッドを構成する。
【0022】
本発明の第6側面によれば、コンベアチェーンの互いに離隔したリンクを相互に連結するコネクタによって回転自在に支持されるシャーシと組み合わせて使用するためのキャップが提供される。このキャップは、ほぼ球状の外表面を有し、内部ハブを有する本体から成る。このハブは、前記シャーシに設けられた細長支持体を受容するための第1凹部分と、該支持体の一部分を受容し、スナップ嵌め係合によって保持するための第2凹部分を有する。一実施形態においては、ハブに近接する少くとも1つの逃し部分が潤滑剤を受容する構成とされる。前記第2凹部分は、内側に形成してもよく、あるいは、外側に形成してもよい。
【0023】
本発明の第7側面によれば、物品を搬送方向に移動させる方法が提供される。この方法は、(1)第1リンク列を構成する複数のモジュラーリンクを、長手軸線を有する横断方向のコネクタによって相互に連結してチェーンの一部分を形成する工程と、(2)前記コネクタの長手軸線に対してほぼ横断方向の軸線の周りに回転するように装着された少くとも1つのキャップを備えた少くとも1つの物品係合アッセンブリーを該コネクタ上に回転自在に取り付ける工程とから成る。かくして、この方法による搬送は、物品集積モードにおいても、低バックライン圧で行うことができ、前記回転自在のキャップは、搬送方向とは異なる方向への円滑で能率的な物品の移動を可能にする。
【0024】
前記方法は、更に、第1リンク列の横断方向コネクタに複数の第1物品係合アッセンブリーを取り付ける工程と、第2リンク列の横断方向コネクタに複数の第2物品係合アッセンブリーを取り付け、複数の第1物品係合アッセンブリーが複数の第2物品係合アッセンブリーと側方に互い違いに配置されるように第2リンク列の横断方向コネクタにスペーサを設ける工程を含むものとすることができる。又、チェーンを無端経路に沿って駆動する工程も、この搬送方法の一部を構成するものとすることもできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
図1を参照すると、被搬送物品に係合しそれを支持するための搬送面11を形成する、本発明の一実施形態に従って構成されたコンベヤチェーン10が示されている。この実施形態では、チェーン10は、互いに離隔した列として配置され、それによって搬送面11を部分的に創生する側部リンク12の形とした複数のモジュラーリンクから成る。これらのリンク列は、1つ以上の物品係合アッセンブリー16を担持した横断方向のコネクタ14によって相互に連結される。これらの物品係合アッセンブリー16の構造及び機能は、後に詳述する。
【0026】
図2aに詳細に示されている側部リンク12について説明すると、各側部リンクは、同一構造としてもよく、あるいは、随意選択として外側垂下腕12aと、内方に突出した横断耳片12bを含む(かくして、配置によって異なる右側側部リンクと左側側部リンクを形成する)ものとすることもできる。外側垂下腕12aと横断耳片12bは、それらが設けられる場合は、例えばガイドレールG(図4及び5b参照)などから成る慣用の支持構造体を受容するように設計される。各ガイドレールGは、リンク12との摩擦を少なくするために減摩材から成る摩耗ストリップWを含むものとすることができる。もちろん、この種のガイドレールで構成された支持構造体は、通常、(例えば、順方向走路から戻り走路への遷移部に沿って、あるいは、走路の中間部位においてリンクに噛合するようになされた1対の隔置されたスプロケットによって)無端経路で駆動されるチェーン10を案内するのに用いられる。このタイプのリンク12は、ナイロン6−6、アセタール、又はその他の安価で軽量耐久性材料で周知の成形法(異なる材料の同時成形法をも含む)を用いて形成される。
【0027】
対をなす側部リンク12は、列を形成し、チェーン10が駆動される方向(長手方向又は搬送方向と称する)(動作矢印D)に互いに離隔されている。この方向が、平常作動においてチェーン10が物品を搬送する主方向であり、搬送方向Dに対して横断方向の横断方向又は側方方向は、動作矢印P(図5b参照)で示されている。第1列R(図示の例では先行列)を構成するリンク12の対を相互に連結する横断方向のコネクタ14は、ステンレス鋼のロッドで形成されており、総体的にV形とされた各リンク12の足部分12cに形成された整列穴(及び、後述するように、物品係合アッセンブリー16自体)に挿通される。チェーン10を製造する際は、隣接する第2(後行)列Rのリンク12を第1列Rのリンクに嵌め合わせ、コネクタ14を第2列の各リンクの先端部12eに形成された搬送方向Dの方向に細長いスロット12dに挿通する。当業者には明らかなように、リンクの構造は完全に随意選択であるが、この特定の構造は、チェーン10の長手方向の伸縮を可能にするとともに、チェーンがカーブ又は屈曲部を円滑に通過するようにリンクの側方撓曲動作をも可能にする。このような機能性の向上が特定の用例において特に必要とされない場合は、コネクタ14を通すためのスロット12dを単なる穴に代えることができる。その場合は、長手方向の伸縮も、側方撓曲もできないチェーンとなる。
【0028】
長手方向に離隔した2列のリンク12を相互に連結するために、コネクタ14は、各側部リンク12に形成された受容部12f又はスロットに着脱自在に挿入された錠止素子又は耳片17によって所定位置に保持される。図2aに示されるように、コネクタ14のくびれ又はへこみ部分14aに係合するための凹部17aを有するものとすることができる搬送方向に所要の長さのチェーン10を形成するためにこの組み立てパターンを反復することができる。業界語でコンベア「ベルト」とも称されるこのタイプのチェーンの詳細な説明は、本出願人の米国特許第第4,953,693号及び5,031,757号(その記載内容が本明細書に編入されているものとする)に開示されている。
【0029】
再び図1を参照し、図2bをも参照して説明すると、チェーン10の組み立て中に1つ又は複数の物品係合アッセンブリー16がコネクタ14に取り付けられる。図示の実施形態では、図2bに明示されているように、各アッセンブリー16は、リンク間に延長しリンク12を相互に連結するコネクタ14を受容するための内部チャネル又は内孔20を有する本体18又はシャーシを含む。好ましくは、チャンネル20は、搬送方向Dに対して4ほぼ横断方向の長手軸線Lを有し、回転のための十分な遊隙が得られるように対応するコネクタ14の直径より僅かに大きい直径を有する円筒形である。かくして、各本体18は、コネクタ14の周りに、即ち、搬送方向に対して横断方向の軸線の周りに、搬送方向にほぼ対応する方向(図4の動作矢印K参照)に独立して自由に回転することができる。
【0030】
本体18は、更に、少くとも1つの、好ましくは、1対の対向した外方突出支持体を含む。この支持体は、物品搬送面の一部を構成するそれぞれのキャップ24を受容し、回転自在に支承するためのほぼ円筒形の取付支柱又は軸22の形とすることができる。各軸22は、キャップ24のキャビティ又は凹部28の頸部27によって画定される補完形状の第1部分28aに係合するための半径方向に突出した周縁リップを創生する過大サイズ部分26を含むものとすることができる。凹部28は、支持体又は軸22を受容するためのキャップ24の内部ハブの一部を構成する。図2bに明示されているように、過大サイズ部分26は、軸22のヘッド端に形成することが好ましく、キャップ24の凹部28の対応する第1内部部分28aに係合し、挿入されたときスナップ嵌め係合によって一時的に保持又は捕捉されるサイズとされる。これによって、キャップ24を軸22に指圧で容易に挿入することができ、同様に手で引き抜くことができる。(必要ならば、キャップを着脱する際の抵抗に抗するために平頭ねじ用ドライバーのような簡単な工具を用いることもできる。)
【0031】
軸22は、過大サイズ部分26を有するのに加えて、段状に形成することができ、キャップ24の凹部28の第2部分28bに対応する座着突部30を含む構成とすることができる。図3a−3cに明示されているように、この座着突部30は、キャップ24のハブに近接する対応する又は補完(合致)形状の表面24aに係合するための支承表面30aを形成する構成とすることができる。これらの部分の間(キャップ24の表面24aと座着突部30の支承表面30aとの間)に係合が存在するかどうかは、それらの部分の間の相対間隔による。(それらの部分間の相対間隔は、寸法公差によって変わってくるが、寸法公差は、表面24aと30aとの間の界面に異物や屑片が侵入し堆積するような大きい間隔が生じるのを回避するために小さくすることが好ましい。)
【0032】
これに関連して、キャップ24が装着されたときの本体18の、キャップ24の周縁に隣接する部分の輪郭形状も、キャップ24の体操する寸法に合致する直径を有する円形とすることが好ましい(図1参照)。キャップ24の形状が部分球形である場合、本体18の上記部分(即ち、1対のキャップ24の間に挟まれる部分)の幅は、1対のキャップと本体18の上記部分とで完全な球を画定するような寸法とすることが好ましい。本体18のこの部分は、又、被搬送物品に係合しそれを支持するのを助成する働きをする。
【0033】
座着突部30の一側壁は、1つ以上の窪み32又はディンプルを有する外表面を含むものとすることができる。窪み32は、数個設ける場合は、円周方向に互いに離隔させ、組み立て工程中に外部から注入される潤滑剤(例えば、シリコーン油)を受容するように設計することができる。かくして創生される潤滑剤ポケット又は「井戸」は、キャップ24のの円滑で中断することのない回転を常時維持するのを助成する。窪み32は、又、潤滑剤をキャップ24の内部の最も潤滑剤が必要とされる部位に保持し、それによって、メンテナンスの必要頻度を低減する。窪み32に加えて、又はそれらの代わりに、キャップ24の、ハブに近接する表面に潤滑剤保持機能を果たすための円周方向に間隔を置いて配置された半径方向の逃し部分(図3cに仮想線で示される切り抜き34参照)を設けることができる。
【0034】
図示の実施形態では、各キャップ24は、総体的に球状の外表面を有する一体構造である。各キャップ24は、ほぼ半球形状(図3c参照)であるが、部分的にのみ球形であることが好ましい(即ち、球の所与の平面より上方又は下方に位置する領域である球状「キャップ」であり、球の「セグメント」と称することもできる)。キャップ24は、その実際に用いられる正確な形状はどうであれ、ローラや窪み付き球形ボールとは異なり、チェーン10上に載せられた物品に係合するための大きい、完全に露出した外表面区域を有する。又、キャップ24の球状外表面は、樽形ローラとは異なり、搬送表面上で物品が立ち往生(ストール)するおそれのある「デッドスペース」又は「デッドスポット」の大きさを最小限にする働きをもする。比較的大きい物品を搬送する通常の過程においては、物品係合アッセンブリー16が互いに独立して回転することができ、キャップ24との係合が設定される位置をとることができる(図5b参照)ので、そのような立ち往生が起こることはない。被搬送物品が側部リンク12の上縁に引っ掛かるのを防止するために、キャップ24は、物品係合アッセンブリー16の本体18の向きに関係なく、側部リンク12の上縁より十分上方に突出するように寸法決めすることが好ましい(図5b参照)。
【0035】
本体18の左右両側に肩部36が設けられる。肩部36は、随意選択であるが、隣接する本体18を互いに突き合わせ関係に係合させることを可能にし、それによって隣接する物品係合アッセンブリー16のキャップ24同志の干渉を防止するという点で好ましい。肩部36は、又、側部リンク12の足部分12cに近接する、対応する面にも、又、コネクタ14に設けられている他の構造体(例えば、後述するスペーサ)にも係合することができる。肩部36を設ける場合、その輪郭形状は、丸み付き又は円形とすることができ、高さは、キャップ24の頂点又は中心(球状キャップでは頂点と中心とは一致する)より低くすることが好ましく、最も好ましくはリンク12の上縁と一致させる。かくして得られる物品係合アッセンブリー16(総体的にI字形輪郭(図3b参照)を有する)は、本体を貫通し、横断方向(図3aの軸線A参照)にほぼ整列する平面を中心として対称形である。
【0036】
肩部36が設けられている場合、隣接するアッセンブリー16のキャップ24の間に小さな「デッドスペース」S(図1参照)が生じる。隣接する各コネクタ14にそれぞれ同数の物品係合アッセンブリー16が装着されているとすると、デッドスペースSは、チェーン10全体に沿って同じ仮想長手線上に位置する。被搬送物品が搬送面11に接触するための大きい、平滑な表面を有するものである場合は問題ないが、比較的小さい物品や不規則形状の接触表面を有する物品の場合は、状況によっては立ち往生の問題が生じることがある。
【0037】
このような起こりうる問題を回避するために、交互のコネクタ14に1つ又は複数のスペーサを設けることができる。これらのスペーサは、図ではローラ38(図1及び4参照)から成るものとして示されているが、交互のコネクタ14上の物品係合アッセンブリー16を側方に変位させて互い違いに配置する働きをし、それによって、被搬送物品又は製品が立ち往生する可能性(確率)を大幅に減らすか、実質的に皆無にする。このようなローラ38を用いる場合、それらの外表面が対応するリンク12の上縁より十分に(例えば、図4に示されるみられるようにローラ38の直径の少くとも10%だけ)上方に突出するように過大サイズのローラを用いることが好ましい。それによって、物品が、特に搬送方向とは異なる方向(例えば、横断方向P)に移動する際、リンク12に引っ掛かるのを防止することができる。
【0038】
図4、5a及び5bを参照して、上述のように構成され、ガイドレールGに架け渡されたチェーン10を含むコンベアシステムの作動を説明する。通常の作動モードにおいては、チェーン10は、例えばカートンCのような物品を1つの部所から他の部署へ搬送するために上述したように無端経路に沿って移動される。チェーンの駆動は、駆動ユニットのに連結された、又は、その一部を構成するスプロケットによって行われる。通常の作動中は物品係合アッセンブリー16は、物品の重量によって回転しないように保持される。従って、物品、この例ではカートンCは、チェーン10の線速度(例えば、1ft/秒)と同じ速度で移動する。
【0039】
下流の部署(例えば、荷積みステーション、転送又は搬出部署)での作動が物品又はカートンの未処理分(滞貨)を生じるような作業である場合、あるいは、(例えば、一続きの物品を造るために搬送経路に進退自在のゲートE(図4参照)を挿入することの結果として)物品集積モードでの作動が必要とされる場合、コネクタ14上にそれぞれ独立して回転することができる物品係合アッセンブリー16を装着したチェーン10は、望ましい低バックライン圧での作動及び、又は静止状態に保持される単一の物品を損傷することのない作動を可能にする。具体的にいえば、チェーン10がどちらの方向に駆動されていても、物品係合アッセンブリー16は、自由にチェーン10の駆動方向と反対の方向に回転することができる(例えば、図4及び5aに示されるように、チェーン10が搬送方向D、即ち順方向に駆動されている場合、物品係合アッセンブリー16は、動作矢印Kで示される逆方向に自由に回転することができる)。それによって、カートンCのような物品がチェーン10によって損傷されるのを、あるいは、過度のバックライン圧の結果として互いに損傷する(押しつぶす)のを防止する(図5aに実線で示されたカートンC、それに衝突する仮想線で示されたカートンC’及び逆回転する物品係合アッセンブリー16参照)。
【0040】
チェーン10に載せられている物品の1つ又はそれ以上を搬送方向とは異なる任意の方向(例えば、横断方向又は斜め横断方向(図5aの動作矢印P参照))に搬出コンベア又は転送コンベア上へ転向させる動作モードでは、その作動は、キャップ24がそれぞれの支持軸22の周りに自由に、かつ、独立して回転することができることによって容易にされる。詳述すれば、例えばカートンCのような物品が方向転換器又はそれに類する機構を用いて搬送経路からどちらかの方向へ転向されるときは、キャップ24が対応する方向(図5bに示される動作矢印J参照)に自由に回転して搬送方向D以外のどの方向への物品の移動を容易にする。搬送面11上のデッドスポットを実質的に排除したことと、(内部潤滑によって一層容易にされる)キャップ24の自由回転とが相俟って、チェーン10を側方に横切る方向の物品の移動が、物品が引っ掛かることも損傷することもなく、円滑、かつ、能率的な態様で行われることを助成する。又、各本体18が独立して回転することができることも、(大きな露出表面を有する)キャップ24を常時搬送面11上の物品に係合することができる状態に維持するのに役立つ。たとえ物品が一時的に引っ掛かるか、あるいはデッドスポットに係合するようなことが起こったとしても、直ちに本体18(通常は、物品の方向転換中も搬送方向Dに移動している)が回転して、物品を回転自在のキャップ24に係合させることができる。当業者には明らかなように、この技術は、物品を別個の構造体上へ転向させるのではなく、物品をチェーン10上で整列させるのにも用いることができる。
【0041】
添付図に示された実施形態では、1つのコネクタ14につき2つ又は3つの物品係合アッセンブリー16が設けられていないが、1つだけ設けてもよく、あるいは、3つ以上設けてもよい。又、側部リンクに加えて、特に数個の物品係合アッセンブリー16が設けられる場合は、所定の物品係合アッセンブリー16の間に中間リンクを配置することができる(例えば、10個の物品係合アッセンブリーが設けられる場合、5番目と6番目の物品係合アッセンブリーの間に1個のリンクを設けることができる)。1つ又はそれ以上の中間リンクが設けられる場合は、それらのリンクに対応する支持構造体(例えば、ガイドレール又は支持レール、図示せず)を設けることができる(上述した米国特許第4,953,693号参照)。あるいは又、1列のリンクの後に1列の物品係合アッセンブリーを設けてもよく、1列又は複数列のリンクの後に数列の物品係合アッセンブリーを設けてもよい。
【0042】
軸22の過大サイズ部分26を受容するためにキャップ24の内部凹部28を用いることが好ましい構成であるが、各キャップ24にその球状外表面の頂点又は中心を貫通するチャンネル(図示せず)を設けることも可能である。あるいは、キャップ24を軸22に保持させるために、キャップ24の外表面に軸22の過大サイズ部分26によって形成されるリップに係合するための窪み付き座着リングをも受けることもできる。ただし、この方法の欠点は、軸22の露出部分が搬送面11上に追加のデッドスポットを創出することである。
【0043】
以上、本発明を実施形態に関連して説明したが、本発明は、ここに例示した実施形態の構造及び形状に限定されるものではなく、いろいろな実施形態が可能であり、本発明の上述した教示に従っていろいろな変更及び改変を加えることができることを理解されたい。上述した各実施形態は、本発明の最適な適用例を示すためのものであり、当業者はここに開示された発明をいろいろな実施形態で利用することが可能であり、特定の用途に適合するようにいろろな改変が可能である。そのような改変及び変更は、本出願の請求項によって決定される発明の範囲内である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】図1は、本発明の一実施形態を構成するチェーンの全体透視図である。
【図2】図2aは、横断方向コネクタ及び物品係合アッセンブリーと組合わされた側部リンクの一部破除された透視図であり、一部分解図で示す。図2bは、コネクタに位置づけするための本体と、各々該本体に回転自在に取り付けられており、ほぼ球形の外表面を有する1対のキャップを含む物品係合アッセンブリーの拡大分解図である。
【図3】図3aは、回転自在キャップを担持する2つの対向支持軸を有する完成した物品係合アッセンブリーの拡大横断面図である。図3bは、図2b及び3aの物品係合アッセンブリーの一部を構成する本体の側部からみた立面図である。図3cは、図3bの物品係合アッセンブリーに使用することができるキャップの端面図である。
【図4】図4は、図1のチェーンの側面図であり、チェーンを静止支持構造体に沿って無端経路で駆動することによって低バックライン圧での物品搬送を達成することができる態様を示す。
【図5】図5aは、図4のチェーンの上からみた図であり、被搬送物品が低バックライン圧作動の効果として損傷を受けることなく集積することができる態様と、物品を転送コンベア、搬出コンベア等へと側方に転向させることができる態様を示す。図5bは、チェーンからそれが駆動されている搬送方向とは異なる方向への物品の転向を容易にするためにキャップを回転させることができる態様を示す一部破除された端面図である。
【符号の説明】
【0045】
10 コンベヤチェーン、チェーン
11 搬送面
12 リンク、側部リンク
12a 外側垂下腕
12b 横断耳片
12c 足部分
12d スロット
12e 先端部
12f 受容部
14 横断方向コネクタ
14a くびれ又はへこみ部分
16 物品係合アッセンブリー
17 錠止耳片
17a 凹部
18 本体
20 チャンネル、内孔
22 支持軸、軸
24 キャップ
24a 表面
26 過大サイズ部分
27 頸部
28 内部凹部、凹部
28a 内部部分
28b 部分
30 座着突部
30a 支承表面
36 肩部
38 スペーサ、ローラ
C カートン
D 搬送方向
E ゲート
G ガイドレール
J 動作矢印
K 動作矢印
L 長手軸線
P 横断方向
リンク列
リンク列
S デッドスペース、デッドスポット
W 摩耗ストリップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1個又はそれ以上の物品を少くとも搬送方向に移送し、かつ、該搬送方向とは異なる方向にも移動させるのに使用するためのチェーンであって、
搬送面を構成する複数のモジュラーリンクと、
少くとも1つの回転自在に装着されたキャップを支持する本体を含む少くとも1つの物品係合アッセンブリーと、
前記モジュラーリンクを相互に連結し、前記物品係合アッセンブリーの前記本体を回転自在に支持する横断方向のコネクタと、
から成り、該物品係合アッセンブリーは、物品に対するバックライン圧を低くするために搬送方向に回転することができ、前記回転自在装着キャップとの係合を介して前記異なる方向への物品の移動をも容易にすることを特徴とするチェーン。
【請求項2】
前記物品係合アッセンブリーは、各々ほぼ球状の外表面を有する回転自在に装着された第1及び第2キャップを含む請求項1に記載のチェーン。
【請求項3】
前記物品係合アッセンブリーの本体は、前記第1及び第2キャップを受容し、支持するための互いにほぼ対向した第1及び第2支持体を含み、該各支持体は、前記コネクタの長手軸線に対してほぼ横断方向に延長している請求項2に記載のチェーン。
【請求項4】
前記各キャップは、前記支持体上に保持されるようにするために、対応する前記支持体の過大サイズ部分を受容し保持するようになされた第1部分を有する凹部を含む請求項3に記載のチェーン。
【請求項5】
前記凹部は、前記支持体の一部分を構成するほぼ円形の座着突部を受容するようになされた第2部分を有し、それによって、該座着突部は、前記キャップのための支承表面を形成する請求項4に記載のチェーン。
【請求項6】
前記座着突部は、潤滑剤を受容するための1つ又はそれ以上の窪みを有する外表面を含む請求項5に記載のチェーン。
【請求項7】
前記キャップは、前記窪みに加えて、該キャップに潤滑剤を受容するための少くとも1つの逃がし区域を含む請求項1に記載のチェーン。
【請求項8】
前記本体は、バックライン圧が存在するときにも、自由回転を可能にするのに十分なクリアランスをもって前記コネクタを受容するための横断方向のチャンネルを有する請求項1に記載のチェーン。
【請求項9】
前記横断方向コネクタによって複数の前記物品係合アッセンブリーが回転自在に支持されている請求項1に記載のチェーン。
【請求項10】
前記複数のリンクは、互いに離隔した第1列と第2列として配置されており、該各リンク列は、複数の前記物品係合アッセンブリーを回転自在に支持する横断方向コネクタを含む請求項1に記載のチェーン。
【請求項11】
前記第1列のリンクと第2列のリンクとは搬送方向に互いに離隔されており、該第1リンク列の前記物品係合アッセンブリーと該第2リンク列の前記物品係合アッセンブリーを側方に互い違いに配置するように該第1リンク列のコネクタによって支持されたスペーサを含む請求項10に記載のチェーン。
【請求項12】
前記スペーサは、バックライン圧が存在するときにも、物品がモジュラーリンクの上縁に引っ掛かるのを防止するために該上縁より上に突出するローラから成る請求項11に記載のチェーン。
【請求項13】
前記各リンクは、隣接するリンクに通された横断方向コネクタを受容するためのスロットを有する尖端部分を含み、該スロットは、搬送方向に沿う該チェーンの長手方向の伸縮を可能にするとともに、該チェーンがカーブ又は屈曲部を円滑に通過するように該リンクの側方撓曲動作をも可能にする請求項1に記載のチェーン。
【請求項14】
請求項1に記載のチェーンと、該チェーンを支持構造体に沿って無端経路で駆動するための駆動ユニットを含むコンベアシステム。
【請求項15】
1個又はそれ以上の物品を少くとも搬送方向に搬送するのに用いるためのチェーンであって、
搬送方向に対してほぼ横断方向の長手軸線を有するコネクタによって互いに連結された少くとも2つのモジュラーリンクと、
前記コネクタに回転自在に装着され、少くとも1つのキャップを支持する本体を有する少くとも1つの物品係合アッセンブリーと、
から成り、前記キャップは、前記長手軸線に対してほぼ横断方向の軸線の周りに回転することができるようにほぼ球状の外表面を有することを特徴とするチェーン。
【請求項16】
前記物品係合アッセンブリーは、各々ほぼ球状の外表面を有し、前記本体の両側から突出した第1及び第2取付支柱に回転自在に装着された第1及び第2キャップを含む請求項15に記載のチェーン。
【請求項17】
前記各キャップは、対応する前記取付支柱の過大ヘッド部分を受容しスナップ嵌め係合するようになされた第1部分を有する請求項16に記載のチェーン。
【請求項18】
前記各キャップは、前記取付支柱の一部分を構成するほぼ円形の座着突部を受容するようになされた第2部分を有し、該座着突部は、潤滑剤を受容するための少くとも1つの窪みを含む外表面を有する請求項17に記載のチェーン。
【請求項19】
前記本体は、搬送方向に対してほぼ横断方向の長手軸線を有し、前記コネクタの長手軸線に平行な横断方向のチャンネルを有する請求項15に記載のチェーン。
【請求項20】
複数の物品係合アッセンブリーが横断方向コネクタによって回転自在に支持されている請求項15に記載のチェーン。
【請求項21】
前記複数のリンクは、互いに離隔した列として配置されており、該各リンク列は、複数の物品係合アッセンブリーを回転自在に支持する横断方向コネクタを有する請求項15に記載のチェーン。
【請求項22】
前記各リンクは、隣接するリンクに通された横断方向コネクタを受容するためのスロットを有する尖端部分を含み、該スロットは、搬送方向に沿う該チェーンの長手方向の伸縮を可能にするとともに、該チェーンがカーブ又は屈曲部を円滑に通過するように該リンクの側方撓曲動作をも可能にする請求項21に記載のチェーン。
【請求項23】
請求項15に記載のチェーンと、該チェーンを支持構造体に沿って無端経路で駆動するための駆動ユニットを含むコンベアシステム。
【請求項24】
物品を少くとも搬送方向と、搬送方向とは異なる方向に搬送することが必要とされる用途に使用するためのチェーンであって、
複数のモジュラーリンクと、
前記物品に係合するための係合手段であって、物品集積モードにおいてバックライン圧を低くすることを可能にするために前記搬送方向に自由に回転することができ、かつ、前記物品を前記異なる方向に移送するのを容易にする物品係合手段と、
搬送方向に対してほぼ横断方向に延設され、モジュラーリンクを連結してチェーンを形成するとともに、前記物品係合手段を回転自在に支持するコネクタと、
から成ることを特徴とするチェーン。
【請求項25】
前記物品係合手段は、搬送方向に回転することができるように前記コネクタを受容するための細長チャンネルを有する本体と、1対のほぼ対向した支持体と、該各支持体に受容され該支持体によって回転自在に支持されており、前記異なる方向への搬送中物品に係合するための丸み付き外表面を有するキャップとを含む請求項24に記載のチェーン。
【請求項26】
1個又はそれ以上の物品を少くとも搬送方向に搬送するのに使用するためのチェーンであって、
互いに離隔した列として配置され、搬送方向に対してほぼ横断方向の長手軸線を有するコネクタによって相互に連結された複数のモジュラーリンクと、
該コネクタにそれぞれ独立して回転するように取り付けられた複数の物品係合アッセンブリーとから成り、
該各アッセンブリーは、1対の支持体を有する本体を含み、前記コネクタの長手軸線に対してほぼ横断方向の軸線の周りに独立して回転することができるように該各支持体によって支持された少くとも1つのキャップを有することを特徴とするチェーン。
【請求項27】
前記複数のリンクは、該チェーンを案内するための側部リンクを含み、該各側部リンクは、垂下腕と、内方に突出した横断方向の耳片と、前記コネクタを保持するための錠止素子を受容するための受容部を含む請求項25に記載のチェーン。
【請求項28】
前記リンク列は、搬送方向に互いに離隔されている請求項25に記載のチェーン。
【請求項29】
前記第1リンク列に設けられた前記物品係合アッセンブリーが前記第2リンク列に設けられた物品係合アッセンブリーと側方に互い違いに配置されるように、該第1リンク列のコネクタによって支持されたスペーサを含む請求項25に記載のチェーン。
【請求項30】
物品を移送するためのモジュラーリンク式コンベアチェーンに使用するためのもであり、第1及び第2キャップを回転自在に支持するシャーシであって、
長手軸線を有するチャンネルを備えた本体と、該長手軸線に対してほぼ横断方向に延長するほぼ対向した第1支持軸と第2支持軸とから成り、該各支持軸は、前記キャップにスナップ嵌め係合によって嵌合するためのリップを画定する部分を含むことを特徴とするシャーシ。
【請求項31】
前記支持軸は、円筒形であり、関連する前記キャップの第2凹部に形成された対応する表面に係合するようになされた支承表面を形成するように段状にされて折り、該支持軸は、更に、潤滑剤を受容するために形成された少くとも1つの窪みを有する請求項30に記載のシャーシ。
【請求項32】
前記本体は、更に、関連するキャップの対応する表面にスナップ嵌め係合によって嵌合するためのほぼ円形の座着表面を有し、該円形の座着表面の直径は、関連するキャップの対応する表面の寸法とほぼ合致する大きさである請求項30に記載のシャーシ。
【請求項33】
前記リップは、前記支持体のヘッドの過大サイズ部分よって形成される請求項30に記載のシャーシ。
【請求項34】
コンベアチェーンの互いに離隔したリンクを相互に連結するコネクタによって回転自在に支持されるシャーシと組み合わせて使用するためのキャップであって、
ほぼ球状の連続した外表面を有し、内部ハブを有する本体から成り、該ハブは、前記シャーシに設けられた細長支持体を受容するための第1凹部分と、該支持体の一部分を受容し、スナップ嵌め係合によって保持するための第2凹部分を有することを特徴とするキャップ。
【請求項35】
前記ハブに近接して形成された、潤滑剤を受容するための少くとも1つの逃し部分を含む請求項34に記載のキャップ。
【請求項36】
前記第2凹部分は、ほぼ円形である請求項34に記載のキャップ。

【請求項37】
物品を搬送方向に移動させる方法であって、
第1リンク列を構成する複数のモジュラーリンクを、長手軸線を有する横断方向のコネクタによって相互に連結してチェーンの一部分を形成する工程と、
前記コネクタの長手軸線に対してほぼ横断方向の軸線の周りに回転するように装着された少くとも1つのキャップを備えた少くとも1つの物品係合アッセンブリーを該コネクタ上に回転自在に取り付ける工程とから成り、それによって、物品の搬送が、物品集積モードにおいても、低バックライン圧で行うことができ、前記回転自在のキャップは、搬送方向とは異なる方向への円滑で能率的な物品の移動を可能にすることを特徴とする方法。
【請求項38】
前記第1リンク列の横断方向コネクタに複数の第1物品係合アッセンブリーを取り付ける工程を含む請求項37に記載の方法。
【請求項39】
第2リンク列の横断方向コネクタに複数の第2物品係合アッセンブリーを取り付け、前記複数の第1物品係合アッセンブリーが前記複数の第2物品係合アッセンブリーと側方に互い違いに配置されるように該第2リンク列の横断方向コネクタにスペーサを設ける工程を含む請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記チェーンを無端経路に沿って駆動する工程を含む請求項37に記載の方法。

【図1】
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【図2a】
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【図2b】
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【図3a】
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【図3b】
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【図3c】
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【図4】
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【図5a】
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【図5b】
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【公表番号】特表2007−506631(P2007−506631A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−528058(P2006−528058)
【出願日】平成16年9月16日(2004.9.16)
【国際出願番号】PCT/US2004/030185
【国際公開番号】WO2005/032984
【国際公開日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(500240553)スパン テック エルエルシー (6)
【住所又は居所原語表記】1115 CLEVELAND AVENUE P.O.BOX 369 GLASGOW,KENTUCKY 42142 USA
【Fターム(参考)】