説明

回転電機ステータ及びその製造方法

【課題】回転電機ステータにおいて、製造作業の簡易化を図れる簡易な構成で、導体要素の接合強度を高くすることである。
【解決手段】ステータ10は、ステータコアに分布巻きで巻装された複数相のセグメント環状部を含む。各相のセグメント環状部は、複数のセグメントコイルを含み、複数の導体セグメント28を溶接部50で接合することにより形成する。溶接部50は、互いに接合する導体セグメント28の先端部において、絶縁被膜38が剥離された剥離部48同士を接合する。剥離部48は、溶接部50から外れた部分に設けられた凹状の窪み部54を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周方向複数個所に設けられたスロットを有するステータコアと、ステータコアの複数個所に巻装された複数相の環状部とを備える回転電機ステータと、その製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、回転電機のステータとして、スロットと呼ばれる径方向に伸びる溝を周方向に複数設けたステータコアを備え、互いに周方向に離れた2つずつのスロットに挿入するように、ステータコアにステータコイルを分布巻きで巻装する構造が知られている。
【0003】
また、この場合にステータコイルを、複数の導体要素である導体セグメントが互いに接続されることによりそれぞれコイル状に形成されるセグメントコイルとすることも考えられる。例えば、各導体セグメントは、2の平行な脚部と、2の脚部同士を連結するターン部とによりU字形に形成される。
【0004】
さらに、複数の導体セグメントを連結することによりコイル状に形成し、単位コイルであるセグメントコイルとしたものを複数個設け、ステータコアの周方向に複数のセグメントコイルを連結することにより各相の環状部分を構成することも考えられる。
【0005】
また、特許文献1には、セグメントコイル式の回転電機の製造方法において、ステータコアのスロットにU字状の導体セグメントを挿入した後、ステータコアの端面から突出する導体セグメントの直線部の周方向に隣接する位置にピン状冶具を径方向外側から内側へ差し込むステップと、導体セグメントを保持するリング状冶具により導体セグメントの直線部を、ピン状冶具を支点として屈曲させるステップと、屈曲した導体セグメントの端部同士を溶接するステップとを含む方法が記載されている。これにより、導体セグメントの曲げ加工をステータコアのスロット周縁部を支点として行う場合と異なり、絶縁被膜がスロット周縁部の角部により傷つくのを防止できるとされている。なお、本発明に関連する先行技術文献として、特許文献1以外に特許文献2がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2001−69731号公報
【特許文献2】特開2010−141967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記のような導体セグメントから形成されるセグメントコイルを有するステータでは、セグメントコイルを形成するために、複数の導体セグメントで絶縁被膜が剥離された剥離部同士を対向させるとともに、対向する剥離部の先端部に溶接加工を施して導体セグメントを接合している。例えば、セグメントコイルでは、溶接部から周方向の異なる側に分岐するように形成された2本の分岐部を有する二股部が形成される。この場合、例えば、ステータを含む回転電機を自動車に搭載する場合等で、登坂時や急加速等で電流負荷が高くなり、温度が上昇したり、停止時に温度が低下する等で二股部での温度変化が大きくなる。また、使用時に二股部に振動や外乱が加わる可能性がある。このため、2本の分岐部に互いに離れたり交差する方向の力が加わって、溶接部に応力が集中する可能性がある。このため、複数の導体セグメントの接合強度を高くする面から改良の余地がある。
【0008】
特許文献1に記載された回転電機の場合も、導体セグメントの捻り加工後に発生する回転電機の温度変化や外乱、振動等により、導体セグメントの接合部に発生する応力集中を緩和することが難しい。特に、スロットから溶接部分までの導体長さが長くなり、段差等の導体セグメント同士を固定する部分がないことで、より接合部での応力集中が高くなるため、導体セグメントの接合強度を高くする面から改良の余地がある。
【0009】
また、特許文献2には、コイルの渡り部で別のコイルに溶接部により接合する接続部と、接続部からコイル引き出し部側に外れた部分に設けられた凹状の応力緩和部とを備える回転電機が記載されている。ただし、応力緩和部をコイルの絶縁被膜が設けられた部分に設ける場合には、導体が露出する露出部が、接合部と応力緩和部とに設けられる可能性がある。この場合、接合部と応力緩和部との多くの個所にワニス等の絶縁材料を用いた絶縁処理を施す必要があり、製造作業が複雑になり、製造コストが増大する要因となる。このため、回転電機ステータ及びその製造方法において、製造作業の簡易化を図れる簡易な構成で、導体要素の接合強度を高くすることが望まれている。
【0010】
なお、回転電機ステータとして、上記のようなセグメントコイルを有するステータ以外のステータでも、複数の導体要素を溶接部により接合する場合に上記のような不都合を生じる可能性がある。このようなステータの場合も、製造作業の簡易化を図れる簡易な構成で、導体要素の接合強度を高くすることが望まれている。
【0011】
本発明の目的は、回転電機ステータ及びその製造方法において、製造作業の簡易化を図れる簡易な構成で、導体要素の接合強度を高くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る回転電機ステータは、周方向複数個所に設けられたスロットを有するステータコアと、ステータコアの複数個所に、スロットに挿入するように巻装された複数のコイルをそれぞれ含む複数相の環状部とを備え、各相の環状部は、周方向複数個所に配置されたコイル同士が環状に連結されており、かつ、複数の導体要素が溶接部で接合されることにより形成されており、溶接部は、互いに接合される導体要素の先端部において、絶縁被膜が剥離された剥離部同士を接合しており、剥離部は、溶接部から外れた部分に設けられた凹状の窪み部を有することを特徴とする回転電機ステータである。
【0013】
また、本発明に係る回転電機ステータにおいて、好ましくは、互いに接合される剥離部は、互いに平行になるように対向させており、窪み部は、互いに接合される剥離部において、互いに対向する内側面にそれぞれ設けられている。
【0014】
また、本発明に係る回転電機ステータにおいて、好ましくは、ステータコアに分布巻きで巻装された複数相のセグメント環状部を備え、各相のセグメント環状部は、複数の導体要素である導体セグメントが互いに溶接部で接合されることによりそれぞれコイル状に形成される複数のセグメントコイルを含み、溶接部は、互いに接合される導体セグメントの先端部において、絶縁被膜が剥離された剥離部であって、窪み部を有する剥離部同士を接合している。
【0015】
また、本発明に係る回転電機ステータの製造方法は、上記の本発明に係る回転電機ステータの製造方法であって、導体要素に設けられた剥離部を介して両側に、突部を有する潰し加工冶具と、平坦部を有する押さえ冶具とを対向させる冶具対向ステップと、剥離部に潰し加工冶具の突部を平坦部側に押し付けることにより凹状の窪み部を形成する窪み形成ステップと、押さえ冶具と潰し加工冶具との間から導体要素を取り出した後、一対の導体要素の剥離部同士を溶接により接合する接合ステップを含むことを特徴とする回転電機ステータの製造方法である。
【0016】
また、本発明に係る回転電機ステータの製造方法において、好ましくは、接合ステップは、押さえ冶具と潰し加工冶具との間から導体要素を取り出した後、一対の導体要素の剥離部において、窪み部が内側に配置され、互いに平行になるように対向させ、一対の剥離部の先端部同士を溶接により接合する。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係る回転電機ステータ及びその製造方法によれば、剥離部は、溶接部から外れた部分に設けられた凹状の窪み部を有し、複数の導体要素は、先端部において、絶縁被膜が剥離された剥離部同士を溶接する溶接部で互いに接合され、剥離部は、溶接部から外れた部分に設けられた凹状の窪み部を有する。このため、回転電機の温度変化や外乱、振動等により、複数の導体要素の接合部に発生する応力集中を窪み部で緩和できるので、複数の導体要素の接合強度を高くできる。また、窪み部は接合のための剥離部に設けられているので、絶縁被膜に窪み部を設ける場合と異なり、絶縁処理が過度に多くなることがない。このため、製造作業の簡易化を図れる簡易な構成で、導体要素の接合強度を高くできる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施の形態の回転電機ステータを示す斜視図である。
【図2】図1の各相のセグメント環状部を構成する1の導体セグメントを、ステータコアに配置する以前の状態で示す図である。
【図3】図1のステータにおいて、1相分であるU相分のセグメント環状部が巻装された様子を示す概略斜視図である。
【図4】図3における1相分であるU相分のセグメント環状部を取り出して示す図である。
【図5】図4のセグメント環状部のうち、前半部の巻き始めの1番目から8番目までの8個の単位コイルを示す図である。
【図6】図5の前半部の8個の単位コイルをステータコアに巻装する様子を説明する模式図である。
【図7】図6に引き続いて、後半部の8個の単位コイルをステータコアに巻装する様子を説明する模式図である。
【図8】図1において、一対の導体セグメントの接合部側の端部を示す斜視図である。
【図9】図8を矢印A方向に見た図である。
【図10】図9の溶接部側の端部をステータの周方向に見た拡大図である。
【図11】剥離部の別形状の第1例において、溶接前の様子を示す図10に対応する図である。
【図12】図10の導体セグメントの剥離部において、窪み部を形成する工程を示す模式図である。
【図13】剥離部に窪み部を設けない比較例において、溶接部で接合した剥離部に作用する応力分布の解析結果を示す図である。
【図14】渡り部に応力緩和部を設けた従来例において、応力緩和部が剥離部以外に設けられている場合の不都合を説明するための図である。
【図15】剥離部の別形状の第2例において、溶接前の様子を示す図10に対応する図である。
【図16】図15において、溶接工程を行った後、絶縁処理を行った様子を示す、図10に対応する図である。
【図17】剥離部の別形状の第3例において、溶接後の様子を示す図10に対応する図である。
【図18】剥離部の別形状の第4例において、溶接前の様子を剥離部の先端側から軸方向に見た図である。
【図19】剥離部の別形状の第5例において、溶接前の様子を示す、図10に対応する図である。
【図20】剥離部を有する一対の導体セグメントの端部の別構成において、溶接前の様子を示す、図10に対応する図である。
【図21】本発明の第2の実施の形態の回転電機ステータを示す概略斜視図である。
【図22】図21の各相のカセット環状部を構成する1つのカセットコイルを示す斜視図である。
【図23】図21からU相分のカセット環状部を取り出して、一部を省略して軸方向に見た図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1の実施形態]
以下において、図1から図12を用いて本発明に係る第1の実施の形態を説明する。本実施の形態の回転電機ステータ(以下、単に「ステータ」という。)は、例えば電動モータ、発電機等の回転電機を構成するために使用される。ステータ10は、環状の磁性材料製のステータコア14と、ステータコア14に分布巻きで巻装された複数相であるU相、V相、W相の3相のセグメント環状部16,18,20とを備える。ステータ10の使用時には、ステータ10の径方向内側に、回転軸に固定されたロータ(図示せず)を配置し、ステータ10とロータとを径方向に対向させることでラジアル型の回転電機を構成する。ステータコア14は、例えば、磁性粉末を加圧成形してなる圧粉磁心、または電磁鋼板等の金属板の積層体等により構成されている。ステータコア14は、内周面の周方向複数個所に放射状に設けられたスロット12を有する。3相のセグメント環状部16,18,20は、ステータコア14の複数個所に、スロット12に挿入するように巻装された複数のセグメントコイル22(図5)をそれぞれ含む。
【0020】
すなわち、各相のセグメント環状部16,18,20は、それぞれ環状に複数のステータコイルであるセグメントコイル22を連結してなり、互いに連結される1周目要素24(図5)及び2周目要素26(図7)を含む。また、各セグメントコイル22は、図2に示す、略U字形の導体要素である、導体セグメント28を複数個並べて複数の導体セグメント28が溶接部で互いに接続される、すなわち接合されることによりコイル状に形成されている。各導体セグメント28は、幅方向(図2の左右方向)両端部に2ずつのスロット12(図1)にそれぞれ挿入される直線部30を有する2本の平行な脚部32と、脚部32の一端同士を連結するターン部34とを有する。また、導体セグメント28は、両端部を除く導体線36の長さ方向中間部の周囲に、ポリアミドイミド等により構成されるエナメル樹脂等の絶縁部である絶縁被膜38が被覆されている。
【0021】
すなわち、本実施の形態のステータ10(図1)は、いわゆる「セグメントコイル巻き形」と呼ばれるもので、断面矩形の平角線等の角線である導体線36が絶縁被膜38により被覆されてなるコイル素線をコイル状に形成したセグメントコイル22(図5)を複数個設けている。そして、ステータコア14の周方向に複数のセグメントコイル22を少なくとも一周分(本実施形態の場合は2周分)連結することにより各相のセグメント環状部16,18,20(図1)が構成されている。図1では、「u」「v」「w」の符号を付した部分が、それぞれU相、V相、W相を表している。
【0022】
図3は、図1のステータ10において、1相分であるU相分のセグメント環状部16がステータコア14に巻装された様子を示す概略斜視図である。各相のセグメント環状部16,18,20(以下、代表してU相のセグメント環状部16で説明する。)は、それぞれ周方向の幅が予め定められた単位コイル間隔D1(図5)である8個の単位コイルであるセグメントコイル22を環状に連結するようにステータコア14に巻装したものを1周目要素24としてステータコア14を1周りさせ、続いて同様に8個のセグメントコイル22を環状に連結するようにステータコア14に巻装したものを2周目要素26としてステータコア14を1周りさせることにより、セグメント環状部16が構成されている。この場合、1周目要素24を配置するスロット12と、2周目要素26を配置するスロット12とは、周方向に1ずつずらせている。
【0023】
図4は、U相分のセグメント環状部16を取り出して示す図である。なお、V相、W相のセグメント環状部18,20の基本形状は、U相の場合と同様である。U相のセグメント環状部16は、コイル素線をコイル状に形成した単位コイルであるセグメントコイル22を16個組み合わせて構成している。図4で、C1、C2・・・C16と示しているのは、16個のセグメントコイル22を区別するためのコイル番号で、U相セグメント環状部16の巻き始めが1番目単位コイルであるセグメントコイルC1で、巻き終わりが16番目単位コイルであるセグメントコイルC16である。
【0024】
図4に示すように、セグメントコイルC1に隣接してセグメントコイルC2を配置し、以下C3、C4・・・C16と順次隣接して配置し、周方向に2周している。このため、コイル番号をiとして、i番目コイルと(i+8)番目コイルとは、1スロット分ずれているが一部径方向に重なり合うように配置されている。
【0025】
図5は、図4のセグメント環状部16のうち、1周目要素24を取り出して示す図である。セグメント環状部16の1周目要素24は、8個のセグメントコイル22が環状に連結されることにより構成されている。各セグメントコイル22は、複数の導体セグメント28(図2)から構成される。図5では、セグメントコイル22のうち、2周目要素26(図7参照)の9番目から16番目までのセグメントコイル22の図示を省略しているが、基本形状は図5の1周目要素24の形状と同様で、配置位置が1周目要素24に対し周方向にずれている。
【0026】
図6は、図4のセグメント環状部16のうち、1周目要素24をステータコア14に配置する様子を説明する模式図である。図7は、図4のセグメント環状部16のうち、2周目要素26をステータコア14に配置する様子を説明する模式図である。図7では、図6の1周目要素24の図を省略している。なお、図6、図7では、ステータコア14の平面図と、その外側の複数のセグメントコイル22とを示している。セグメントコイル22は、いくつかのスロット12をまたいで周方向に離れた2のスロット12に挿入するように、ステータコア14の周方向複数個所に巻装している。この2のスロット12は、予め定めた単位コイル間隔D1で離れている。以下、セグメントコイル22は、コイル番号を付して説明する場合がある。図6に示す、セグメントコイルC1は、セグメント環状部16(図4)の巻き始めで、回転電機の動力線側である入力端子側(IN側)に接続されている。
【0027】
セグメントコイルC1は、スロットS4とS10との間にコイル素線を複数回巻回してコイル状に形成している。この巻き始めは、入力端子側であるステータコア14の外周側であり、外周側から内周側に向かうようにスロット12にコイル状に巻装される。次いで、セグメントコイルC1の巻き終わりでセグメントコイルC2に接続される。すなわち、セグメントコイルC1の巻き終わりでスロットS10から単位コイル間隔D1離れたスロットS16に渡り、スロットS10とS16との間にコイル素線を複数回巻回してコイル状に形成することで、セグメントコイルC2を構成している。次いで順次これを繰り返してセグメントコイルC1からセグメントコイルC8までを形成することにより1周目要素24が構成される。
【0028】
1周目要素24の巻き終わりは、ステータコア14の最外周側で、図7に示す2周目要素26のセグメントコイルC9に接続される。このとき、セグメントコイルC9は、セグメントコイルC1から1スロット分ずれて、スロットS3とS9との間にわたって複数回巻回されることによりコイル状に形成されている。次いで、セグメントコイルC9の巻き終わりでセグメントコイルC10に接続される。すなわち、セグメントコイルC9の巻き終わりでスロットS9から単位コイル間隔D1離れたスロットS15に渡り、スロットS9とS15との間にコイル素線を複数回巻回してコイル状に形成することで、セグメントコイルC10を構成している。次いで順次これを繰り返してセグメントコイルC9からセグメントコイルC16までを形成することにより2周目要素26が構成される。
【0029】
また、セグメントコイルC16の巻き終わりは、ステータコア14の最外周側から取り出され、回転電機の中性点に接続される。図7では、セグメントコイルC16の巻き終わりがOUT(中性点)として示されている。このように、セグメント環状部16の1周目要素24と2周目要素26とが配置されるスロット12は、周方向にずれている。以上は、U相のセグメント環状部16について説明したが、V相、W相のセグメント環状部18,20についても同様に構成するとともに、図1に示すように、V相セグメント環状部18を配置するスロット12を周方向に2ずつずらせ、W相セグメント環状部20を配置するスロット12を、周方向にさらに2ずつずらせる。
【0030】
このような各相のセグメント環状部16,18,20を構成する際に、上記の図2に1つを示した複数の略U字形の導体セグメント28を使用している。すなわち、導体セグメント28を複数連結することにより1のセグメントコイル22を構成し、このセグメントコイル22を複数接続、すなわち連結することにより各相のセグメント環状部16,18,20を構成している。この場合、各導体セグメント28は、両端部に単位コイル間隔D1と同じ間隔で設けられた2本の平行な脚部32を有し、各脚部32の一端をターン部34で連結している。各セグメントコイル22(図1)を構成する場合、導体セグメント28を複数本、例えば5本を使用し、予め一定に定めた単位コイル間隔D1で配置される2のスロット12の径方向に沿って整列させるように、ステータコア14の軸方向片側(図1の下側)から軸方向他側(図1の上側)に向け挿入する。そして、図8、図9に示すように、径方向(「径方向」とは、特に断らない限り、ステータの径方向を言う。本明細書全体及び特許請求の範囲で同じとする。)に隣り合う2つの導体セグメント28の2の脚部32の先端部で、ステータコア14の軸方向他側面(図8、図9の上側面)から突出した部分を曲げ形成する、すなわち互いに周方向(「周方向」とは、特に断らない限り、ステータの周方向を言う。本明細書全体及び特許請求の範囲で同じとする。)に対向する側に軸方向(「軸方向」とは、特に断らない限り、ステータの軸方向を言う。本明細書全体及び特許請求の範囲で同じとする。)に対し傾斜した方向に折り曲げて、傾斜部40,42を形成する。
【0031】
また、図8、図9の表側である1の導体セグメント28の片側の傾斜部40の先端部で軸方向(図8、図9の上下方向)に向くように曲げることにより形成した軸方向部44と、この1の導体セグメント28に径方向に隣り合う、図8、図9の裏側である他の導体セグメント28の他側の傾斜部42の先端部で軸方向に向くように曲げることにより形成した軸方向部46とをTIG溶接等の溶接により接合する。この場合、互いに接合される一対の導体セグメント28に設けられた軸方向部44,46は、先端部に設けられ、絶縁被膜38が剥離された剥離部48を含む。このように1の導体セグメント28の片側の脚部32と、この1の導体セグメント28に径方向に隣り合う他の導体セグメント28の他側の脚部32とを接続する。そして、これを各導体セグメント28で繰り返すことにより、コイル状のセグメントコイル22(図5)を形成する。
【0032】
また、図1に示すように、ステータコア14に各相のセグメント環状部16,18,20を組み付けた状態で、各セグメントコイル22のうち、ステータコア14の軸方向両端面からそれぞれ外側に突出する部分により軸方向両側の一対のコイルエンドが形成されている。
【0033】
このように構成されるので、3相のセグメント環状部16,18,20は、それぞれステータ10の周方向複数個所に配置されたセグメントコイル22同士が環状に連結されている。また、3相のセグメント環状部16,18,20は、複数の導体要素である導体セグメント28(図2)がTIG溶接等の溶接部で接合することにより形成されている。この場合、図10に示すように、例えば一対の導体セグメント28の先端部に設けられた剥離部48が互いに平行になるように対向しており、剥離部48の先端部同士が溶接部50で接合されている。
【0034】
なお、図10では、傾斜部40,42が軸方向部44,46に対してステータコア14(図8、図9)に近づくほど径方向である、図10の左右方向両側に離れるような図示としている。ただし、各傾斜部40,42は、単に軸方向部44,46に対してステータコア14に近づくほど図10の表裏方向両側である周方向両側に離れるように曲げ形成された形状としてもよい(後述する図11、15〜17,19,20も同様である。)。さらに、図8〜10の場合と異なり、2つの軸方向部44,46を径方向に対向させて接合するのではなく、2つの軸方向部44,46を周方向に対向させて接合してもよい。
【0035】
また、図10では、溶接部50は一対の剥離部48の先端面にかけ渡すように略半球状に形成されている。ただし、図10に二点鎖線で示す形状のように溶接部50は、一部が剥離部48の端部を覆うように大きな部分球体状に形成される場合もある。このような溶接部50の形状は、入熱量等の溶接条件により変化する。このように溶接部50は、互いに接合される導体セグメント28の先端部において、剥離部48同士を接合している。また、一対の剥離部48の互いに対向する内側面52同士の間には隙間が形成されている。
【0036】
特に、各導体セグメント28の先端部に設けられ、一対の導体セグメント28同士で接合される剥離部48において、互いに対向する内側面52の軸方向(図10の上下方向)中間部に、それぞれ凹状の窪み部54が設けられている。各窪み部54は、例えば剥離部48の溶接部50から外れた部分に潰し加工を行うことにより設けられている。例えば、窪み部54において、周方向(図10の表裏方向)の両端は、各剥離部48の周方向両側面に達している。
【0037】
窪み部54の断面形状は、図10に示すような円弧形だけでなく、矩形、台形、三角形等種々の形状に形成できる。例えば、図11は、剥離部48の別形状の第1例において、溶接前の様子を示す図10に対応する図である。図11に示す例では、一対の剥離部48の互いに対向する内側面52の軸方向(図11の上下方向)中間部に、断面矩形の窪み部54が形成されている。このような形状を有する窪み部54でも本実施形態を適用できる。
【0038】
図12は、図10の導体セグメントの剥離部48において、窪み部54を形成する工程を示す模式図である。なお、図12の例では、剥離部48に断面台形の窪み部54を形成する場合を示している。本実施の形態のステータの製造方法は、冶具対向ステップと、窪み形成ステップと、接合ステップとを含む。まず、「冶具対向ステップ」では、図12(a)で示すように、U字形の導体セグメント28の端部に設けられた剥離部48を介して両側に、断面台形状の先端部を有する突部56を含む潰し加工冶具58と、押さえ冶具60に設けられた平坦部62とを対向させる。平坦部62の幅W1は、潰し加工冶具58の突部56の先端面の幅W2よりも大きい。
【0039】
次いで、「窪み形成ステップ」では、図12(b)に示すように、剥離部48の内側面52(図10)となる側面に潰し加工冶具58の突部56を抑え冶具60の平坦部62側に押し付けることにより、剥離部48の側面に凹状の窪み部54を潰し加工により形成する。なお、「冶具対向ステップ」及び「窪み形成ステップ」では、U字形の導体セグメント28を用いる以外に、導体セグメント28がU字形に形成される以前の例えばI字形に形成された状態で、両端部に設けられた剥離部48に潰し加工を行って、窪み部54を形成することもできる。
【0040】
いずれにしても窪み部54が形成された導体セグメント28は、図12(c)に示すように潰し加工冶具58と押さえ冶具60との間から取り出す。そして、「接合ステップ」では、潰し加工冶具58と押さえ冶具60との間から導体セグメント28を取り出した後、図10に示すように、一対の導体セグメント28の剥離部48において、窪み部54が内側に配置され、互いに平行になるように対向させた状態で、一対の剥離部48の先端部同士を、上記のように溶接により接合する。また、溶接後には、後述する図16を参照して示すように、溶接部50を有する剥離部48を含む部分にワニス含浸等で絶縁処理を施すことにより、絶縁部64で覆う。そして、このような溶接を各剥離部48の接合すべき個所のすべてで行うことにより、図1に示したステータ10を形成する。なお、溶接部50を有する剥離部48を含む部分に絶縁処理を行うのは、ステータ10の溶接部50側のコイルエンドの一部をワニス等の液体絶縁材料に浸す等により複数の絶縁すべき個所に一度に絶縁部64を設けることができる。
【0041】
このようなステータ及びその製造方法によれば、剥離部48は、溶接部50から外れた部分に設けられた凹状の窪み部54を有し、複数の導体セグメント28は、先端部において、絶縁被膜38が剥離された剥離部48同士を接合する溶接部50により互いに接合されている。また、剥離部48は、溶接部50から外れた部分に設けられた凹状の窪み部54を有する。このため、ステータ10を含む回転電機の温度変化や外乱、振動等により、複数の導体セグメント28の接合部に発生する応力集中を窪み部54で緩和できる。例えば、回転電機の使用時に、図8に矢印Rで示すように導体セグメント28の熱膨張や熱収縮等で軸方向部44,46と傾斜部40,42とからなる二股部に力が加わって、溶接部50に力が加わる場合でも、剥離部48に設けられた窪み部54(図10)が、剥離部48の先端部に応力が集中するのを緩和できる。このため、複数の導体セグメント28の接合強度を高くできる。
【0042】
図13は、剥離部48に窪み部を設けない比較例において、溶接部50で接合した剥離部48に作用する応力分布の解析結果を示す図である。図13に示す比較例は、一対の剥離部48を溶接部50で接合しているが、剥離部48には本実施形態と異なり、応力緩和のための窪み部が設けられていない。図13は、使用時の振動、温度変化等に対応する所定の条件下での応力分布の解析結果を示している。図13では応力の最も高い部分を黒く塗りつぶし、その次に応力が高い部分を斜線部で示している。この場合、上記のように一対の導体セグメント28の二股部に力が作用することに伴って、図13に矢印Sで示すように、剥離部48の先端部で、溶接部50により接合される互いに向かい合う部分の周辺部に大きな応力が集中する。このため、図13の構成の場合には、応力が高い部分での溶接部50の強度低下の可能性があり、複数の導体セグメント28の接合強度を高くする面から改良の余地がある。上記の実施形態によれば、このような不都合を解消でき、複数の導体セグメント28の接合強度を高くできる。
【0043】
また、上記の実施形態で、窪み部54は剥離部48に設けられているので、絶縁被膜38に窪み部54を設ける場合と異なり、絶縁処理が過度に多くなることがない。例えば、図14は、上記の特許文献2に記載された構成と同様の従来例において、応力緩和部が剥離部68以外に設けられている場合の不都合を説明するための図である。図14の構成では、ステータの周方向に離れて設けられた2つのコイル70,72同士を接続するため、1つのコイル70に設けられた渡り部74の絶縁被膜38が設けられた部分に、応力緩和部である窪み部66が設けられている。このため、窪み部66は、渡り部74の絶縁被膜38から一部が露出した導体線76及びその一部を覆う絶縁皮膜38に設けられている。また、渡り部74と、別のコイル72とにそれぞれ設けられた剥離部68同士が溶接により接合されている。このため、絶縁部78は、窪み部66形成部分と、剥離部68同士の接合部との多くの個所に設ける必要があり、絶縁処理が過度に多くなる可能性がある。これに対して、上記の本実施形態によれば、窪み部54は接合のための剥離部48に設けられるので、このような不都合が生じることがない。この結果、本実施形態のステータ10によれば、製造作業の簡易化を図れる簡易な構成で、導体セグメント28の接合強度を高くできる。
【0044】
また、本発明者が、図12に示した製造方法と同様の製造方法で、潰し加工冶具と押さえ冶具との間で絶縁被膜を有する銅線に潰し加工により窪み部を形成した実験を行ったところ、銅線に重大な損傷が生じることがないことを確認できた。このため、図12に示した製造方法を含む潰し加工により、実施形態の導体セグメント28の剥離部48に窪み部54を形成する場合でも、剥離部48の強度を確保できることが分かった。
【0045】
図15は、剥離部48の別形状の第2例において、溶接前の様子を示す図10に対応する図である。図16は、図15において、溶接工程を行った後、絶縁処理を行った様子を示す、図10に対応する図である。図15、図16に示す例では、一対の導体セグメント28の先端部に設けられた剥離部48の互いに対向する内側面52の先端部にそれぞれ窪み部54が形成されている。また、図16に示すように、各剥離部48の先端面同士を接合するように溶接部50が設けられ、溶接部50及び剥離部48を含む部分を覆うように絶縁部64が設けられている。このような構成の場合も、上記の図1〜12に示した実施形態と同様に、製造作業の簡易化を図れる簡易な構成で、導体セグメント28の接合強度を高くできる。
【0046】
図17は、剥離部48の別形状の第3例において、溶接後の様子を示す図10に対応する図である。図17に示す例では、一対の導体セグメント28の先端部に設けられた剥離部48の互いに対向する内側面52の先端部にそれぞれ窪み部である面取り80が形成されている。面取り80は、図示のような断面直線状とする場合に限定せず、断面曲線状とすることもできる。このような面取り80は、潰し加工または削り加工冶具を用いた削り加工等により形成できる。その他の構成及び作用は、上記の図1〜12に示した実施形態と同様である。
【0047】
図18は、剥離部48の別形状の第4例において、溶接前の様子を剥離部48の先端側から軸方向に見た図である。図18に示す例では、各剥離部48の先端面の幅方向(図18の上下方向)一部である中間部のみに面取り82が形成されている。図示の例では、面取り82が断面三角状に形成されているが、このような形状に形成するものではなく種々の形状の面取りを形成できる。
【0048】
図19は、剥離部48の別形状の第5例において、溶接前の様子を示す、図10に対応する図である。図19に示す例では、上記の図11に示した別例と同様の形状の窪み部54を剥離部48に形成しているが、各窪み部54は、図示しない削り加工冶具を用いた削り加工により形成されている。このような構成でも、導体セグメント28の接合強度を高くできる。
【0049】
図20は、剥離部48を有する一対の導体セグメント28の端部の別構成において、溶接前の様子を示す、図10に対応する図である。図20に示す例では、上記の実施形態と異なり、一対の導体セグメント28の端部のうち、片側(図20の右側)の導体セグメント28で軸方向部44に連結される部分は、略曲線形状に曲げられた曲線部84を有する。このように異なる形状を有する導体セグメント28の端部同士でも溶接部により接合でき、その場合にそれぞれの先端部に設けられた軸方向部44,46の剥離部48に窪み部54を形成することで、溶接部周辺部に加わる応力の緩和を図れる。なお、図20では、片側の導体セグメント28において、曲線部84の軸方向部44とは反対側の部分が径方向に伸びるような図示としているが、曲線部84の軸方向部44とは反対側の部分が周方向(図20の表裏方向)に伸びるような構成でも、本実施形態を適用できる。その他の構成及び作用は、上記の図1〜12に示した実施形態と同様である。
【0050】
[第2の実施形態]
図21〜23は、本発明の第2の実施形態を示している。図21は、本実施形態のステータを示す概略斜視図である。図22は、図21の各相のカセット環状部を構成する1つのカセットコイルを示す斜視図である。
【0051】
本実施形態のステータ10aは、導体セグメントを使用せず、その代わりに、ステータコア14にU相、V相、W相の3相のカセット環状部86,88,90を配置している。各相のカセット環状部86,88,90は、ステータ10aの周方向複数個所に配置されたカセットコイル92を環状に連結することにより形成されている。すなわち、本実施形態のステータ10aは、「同芯カセット式」と呼ばれるもので、3相のカセット環状部86,88,90をステータコア14に軸方向に装着し、各相のカセット環状部86,88,90同士が同芯に配置されるようにしている。図22に示すように、各カセットコイル92は、それぞれ断面矩形の導体である平角線等の角線であって、周囲に絶縁被膜が設けられた角線である導体線からなるコイル素線を曲げ形成することにより形成され、それぞれ導体要素である第1コイル要素94と第2コイル要素96とを溶接により接合することにより形成されている。
【0052】
第1コイル要素94は、周方向に離れた2つのスロット12(図21)にそれぞれ複数ずつの第1直線部98が配置されるように巻かれている。第2コイル要素96は、第1コイル要素94が配置されるスロット12に対し1つずれたスロット12であって、互いに周方向に離れた2つのスロット12にそれぞれ複数の第2直線部100が配置されるように巻かれている。そして、各コイル要素94,96の両端部には、ステータコア14の片側面(図21の下側面)から導出され、径方向に伸びる径方向部102,104が設けられている。第1コイル要素94の一端部に設けられた径方向部102の絶縁被膜が剥離された剥離部と、第2コイル要素96の一端部に設けられた径方向部104の絶縁被膜が剥離された剥離部とは、重ね合わされ、図示しない溶接部で接合されている。
【0053】
図23は、図21からU相分のカセット環状部86を取り出して、一部を省略して軸方向に見た図である。図23でU相分で代表して示すように、上記のカセットコイル92をステータコア14(図21)の周方向複数個所にそれぞれ巻装されるように配置し、さらに、図23では図示しないバスバーで、同相のカセットコイル92同士を連結することにより、カセット環状部86が形成される。この場合、バスバーの両端部であって、絶縁被膜が剥離された剥離部と、第1コイル要素94及び第2コイル要素96の他端部である、カセットコイル92の端部の絶縁被膜が剥離された剥離部とが重ねあわされ、図示しない溶接部で接合される。
【0054】
このような同芯カセット巻き形の場合も、上記の図1〜12に示した第1の実施形態のセグメントコイル巻き形の場合と同様に、剥離部の互いに対向する内側面等に凹状に窪んで形成された窪み部(図示せず)が設けられている。このため、上記の第1の実施形態と同様に、製造作業の簡易化を図れる簡易な構成で、導体要素であるコイル要素94,96の接合強度を高くできる。その他の構成及び作用は、上記の第1の実施形態と同様である。
【0055】
なお、上記の各実施形態では、剥離部48の互いに対向する内側面に凹状に窪んで形成された窪み部54を設ける場合を説明したが、窪み部54は剥離部48に設けられていれば、このような位置に限定される必要はない。ただし、剥離部48の内側面に窪み部54を設けた場合には、溶接部50の中央部近くに窪み部54が設けられるため、より有効に導体セグメント28またはコイル要素94,96の接合強度を高くできる。
【符号の説明】
【0056】
10,10a ステータ、12 スロット、14 ステータコア、16,18,20 セグメント環状部、22 セグメントコイル、24 1周目要素、26 2周目要素、28 導体セグメント、30 直線部、32 脚部、34 ターン部、36 導体線、38 絶縁被膜、40,42 傾斜部、44,46 軸方向部、48 剥離部、50 溶接部、52 内側面、54 窪み部、56 突部、58 潰し加工冶具、60 押さえ冶具、62 平坦部、64 絶縁部、66 窪み部、68 剥離部、70,72 コイル、74 渡り部、76 導体線、78 絶縁部、80,82 面取り、84 曲線部、86,88,90 カセット環状部、92 カセットコイル、94 第1コイル要素、96 第2コイル要素、98 第1直線部、100 第2直線部、102,104 径方向部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向複数個所に設けられたスロットを有するステータコアと、
ステータコアの複数個所に、スロットに挿入するように巻装された複数のコイルをそれぞれ含む複数相の環状部とを備え、
各相の環状部は、周方向複数個所に配置されたコイル同士が環状に連結されており、
かつ、複数の導体要素が溶接部で接合されることにより形成されており、
溶接部は、互いに接合される導体要素の先端部において、絶縁被膜が剥離された剥離部同士を接合しており、
剥離部は、溶接部から外れた部分に設けられた凹状の窪み部を有することを特徴とする回転電機ステータ。
【請求項2】
請求項1に記載の回転電機ステータにおいて、
互いに接合される剥離部は、互いに平行になるように対向させており、
窪み部は、互いに接合される剥離部において、互いに対向する内側面にそれぞれ設けられていることを特徴とする回転電機ステータ。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の回転電機ステータにおいて、
ステータコアに分布巻きで巻装された複数相のセグメント環状部を備え、
各相のセグメント環状部は、
複数の導体要素である導体セグメントが互いに溶接部で接合されることによりそれぞれコイル状に形成される複数のセグメントコイルを含み、
溶接部は、互いに接合される導体セグメントの先端部において、絶縁被膜が剥離された剥離部であって、窪み部を有する剥離部同士を接合していることを特徴とする回転電機ステータ。
【請求項4】
請求項1に記載の回転電機ステータの製造方法であって、
導体要素に設けられた剥離部を介して両側に、突部を有する潰し加工冶具と、平坦部を有する押さえ冶具とを対向させる冶具対向ステップと、
剥離部に潰し加工冶具の突部を平坦部側に押し付けることにより凹状の窪み部を形成する窪み形成ステップと、
押さえ冶具と潰し加工冶具との間から導体要素を取り出した後、一対の導体要素の剥離部同士を溶接により接合する接合ステップを含むことを特徴とする回転電機ステータの製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の回転電機ステータの製造方法において、
接合ステップは、押さえ冶具と潰し加工冶具との間から導体要素を取り出した後、一対の導体要素の剥離部において、窪み部が内側に配置され、互いに平行になるように対向させ、一対の剥離部の先端部同士を溶接により接合することを特徴とする回転電機ステータの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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