説明

固体発光素子ランプ及び照明装置

【課題】既存のランプフリー方式の蛍光灯器具に改良、改造を加えることなく蛍光灯に代えて取付使用でき、改良・改造による経済的無駄をなくすことができるとともに、汎用性の向上に寄与できる固体発光素子ランプを提供する。
【解決手段】蛍光灯と同じ直管形の固体発光素子ランプ(LEDランプ)内に配置された回路構成において、電圧監視用IC45は、コンデンサー33の両端にかかる擬似的な直流電圧を監視して、LED群35に流す電流量を決定する。電圧監視用IC45は、グロースタート形、ラピッドスタート形、インバーター形蛍光灯のいずれか1種類について、その電流電圧特性をメモリ44から読み出し、これに相当する電流量を求めLEDドライバーIC34に指示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光灯(蛍光ランプ、蛍光管と同義)の種類を判別して各種類に適した電圧制御と電流制御とを実施する、いわゆるランプフリー方式の蛍光灯器具に改良、改造を加えずに蛍光灯に代えて取付使用することが可能な直管形の固体発光素子ランプ、該固体発光素子ランプとランプフリー方式の蛍光灯器具とを備えた照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、企業や一般家庭の照明装置として蛍光ランプが広く使用されている。蛍光ランプの発光原理は、放電で発生した紫外光を蛍光体に当てて可視光に変換するもので、他の照明装置よりも効率や寿命などの点で優れている。
しかしながら、蛍光ランプには微量な水銀が使用されている。水銀は有害物質であり、接種すると体内に蓄積して神経障害を引き起こすことが報告されている。
それ故、近年の環境意識の向上に基づき、欧州ではRoHS(Restriction of use of certain Hazardous Substance in electrical and electronic equipment)規制など、水銀の使用を制限する動きが現実のものとなっている。
また蛍光ランプの寿命は、他の電球照明よりも長いものの約6000〜12000時間程度であり、しばしば交換しなければならない。先に説明した通り、蛍光ランプには有害物質が含まれており交換作業は慎重に行わなければならない。それ故、ビルや工場といった多量の蛍光ランプを使用している場所では、蛍光ランプの交換に多くの手間と時間を費やしている。
【0003】
このような状況を鑑みて、蛍光ランプよりも寿命の長いLEDを光源に利用した照明装置が提案されている(特許文献1)。一般的なLEDの寿命は40000時間以上とされ、交換の手間を大幅に減らすことができる。さらに水銀などの有害物質を含まないことから、環境に優しい照明装置としても認知され始めている。
近年、蛍光灯の点灯方式として、インバーターを利用した高周波点灯方式が広く採用されている。このようなインバーター式蛍光灯器具は、50または60Hzの商用交流電源を一旦直流電源に変換し、さらに20〜50KHzの高周波電源に変換して蛍光灯を点灯させるため、従来の商用電源周波数を利用した点灯方式と比べて、チラツキが無くて目に優しく、また発光効率が良いため明るいといった利点がある。
【0004】
図3はインバーター式蛍光灯器具に用いられる点灯回路を模式的に表したもので、整流回路1、高周波電圧発生回路2、蛍光灯3、スイッチ4に大別される。以下、整流回路1と高周波電圧発生回路2の構成及び作用について説明する。
整流回路1は、図4に示すように、ダイオード5、6、7、8と、コンデンサー9とから構成され、交流電源を直流電源に変換する役目を持つ。例えば図3に記載したスイッチ4を閉じて、図5に示すような電圧波形の交流電源が端子AB間に印加されると、ダイオード5、6、7、8によってマイナス側の電圧がプラス側に折り返され、図6に示すような波形に整流される。そしてコンデンサー9によって電圧変動が平滑化され、図7に示すような擬似直流電圧となる。
【0005】
図8は高周波電圧発生回路2の構成を示したもので、直流電源の電圧を下げるための降圧回路10、起動回路11、発振回路12とからなる。
降圧回路10は、抵抗13、ツェナーダイオード14、コンデンサー15とからなり、電源投入後からツェナーダイオード14の印加電圧がツェナー電圧に到達するまでの期間は、抵抗13を介してコンデンサー15を充電し、ツェナー電圧に到達した後は、ツェナー電圧の定電圧源として機能する。
起動回路11は、ダイオード16と抵抗17の直列回路からなる。ダイオード16にはツェナーダイオード14のツェナー電圧が供給されており、抵抗17はダイオード16のカソードと整流回路1の出力との間に接続されている。
【0006】
発振回路12は、トランジスタ18、19、ダイオード20、21、共振コンデンサー22、トランス23とからなる。トランス23の中間タップには端子Cからの電圧が供給されている。
トランジスタ18、19のベースには、トランス23の帰還巻線24の一端が接続され、さらに抵抗25,26を介して起動回路11のダイオード16とも接続されてバイアス電流が供給される。トランス23の2次巻線27には蛍光灯3が接続されており、高周波電圧が印加されることにより蛍光灯3はフィラメントの予熱と点灯を行う。
【0007】
電源投入直後は抵抗17を介してトランジスタ18、19にベース電流を供給する。トランジスタ18、19の何れか一方(本説明においては18と仮定する。)が起動し、トランジスタ18のコレクタ電流が流れ出す。それによりトランス23の1次巻線28を流れる電流が変化し、帰還巻線24に起電圧が誘起される。
この起電圧によりトランジスタ18のベース電流が増加する。このベース電流の増加に伴いトランジスタ18のコレクタ電流が益々増加し、これにより起電圧が大きくなり、トランジスタ18のベース電流を益々増加させる。この動作を繰り返すことによりトランジスタ18は急速に飽和状態に達する。
一方、これに対してトランジスタ19は急速に非活性状態に達する。
【0008】
トランジスタ18が飽和状態に達すると、コレクタ電流の変化が生じなくなり、帰還巻線24に誘起される起電圧も小さくなる。このため、ベース電流が減少し、トランジスタ18が能動状態に戻る。ベース電流の減少に伴いトランジスタ18のコレクタ電流が減少し、これにより帰還巻線24に逆方向の起電圧が誘起される。この起電圧によりトランジスタ19にベース電流が流れ出す。このベース電流によりトランジスタ19は非活性状態から能動状態に遷移し、トランジスタ19にコレクタ電流が流れ始める。このコレクタ電流の変化により起電圧が益々大きくなり、上記と同様にトランジスタ19が急速に飽和状態に達する。
一方、これに対してトランジスタ18は急速に非活性状態に達する。
【0009】
トランジスタ19が飽和状態に達すると、コレクタ電流の変化が生じなくなり、帰還巻線24に誘起される起電圧も小さくなり、ベース電流が減少してトランジスタ18が能動状態に戻る。
ベース電流の減少に伴いトランジスタ19のコレクタ電流が減少し、これにより帰還巻線24にさらに逆方向の起電圧が誘起される。この起電圧によりトランジスタ18にベース電流が流れ出す。このベース電流によりトランジスタ18は非活性状態から能動状態に遷移し、トランジスタ18にコレクタ電流が流れ始め、上述の動作を繰り返す。
このような一連の動作を繰り返すことにより、トランジスタ18、19が発振動作をする。
【0010】
このように、トランジスタ18、19が飽和状態と非活性状態とを繰り返すことにより得られる発振電圧は、直流バイアス電流に依存する。電源投入当初は抵抗17を介して供給されるが、ツェナーダイオード14のカソード電圧が徐々に上がり、ツェナー電圧に到達した後は直流バイアス電流も徐々に増加する。すなわちトランジスタ18、19の発振と直流バイアス電流の増加に伴い、発振出力も大きくなる。
これら一連の動作により、電源投入当初はトランス23の2次巻線27に誘起される起電圧も低く、蛍光灯はフィラメントの予熱のみを行うが、その後、起電圧が上がり放電電圧に達すると、蛍光灯は点灯を開始する。
【0011】
このようなインバーター方式の蛍光灯器具には専用の蛍光灯(以下「インバーター形の蛍光灯」と称する)を取り付ける必要がある。グロースタートやラピッドスタートと呼ばれる他の点灯方式に準ずる蛍光灯(以下「グロースタート形の蛍光灯」、「ラピッドスタート形の蛍光灯」と称する)を取り付けても正しく点灯しない。
その理由は、点灯に必要な電圧と電流量が、それぞれ異なるからである。このことは、消費者の混乱を招いており好ましくない。そのため、これら3種類の蛍光灯を1台の蛍光灯器具で点灯できるもの(以下「ランプフリー方式の蛍光灯器具」と称する)が登場している。
【0012】
図9は、ランプフリー方式の蛍光灯器具の点灯回路を示している。図3と比べて、蛍光灯3を流れる電流を測定するための電流測定回路47と、高周波電圧発生回路2から発生させる電圧を制御するための制御回路48が追加されている。
先に説明した通り、インバーター方式の点灯回路は、蛍光灯3への印加電圧を次第に上げていくことで、フィラメントの予熱と放電を行う。
また図10に示すように、蛍光灯の放電電圧はグロースタート形、ラピッドスタート形、インバーター形によって異なるものの、インバーター形が最も高い。そのためインバーター方式の点灯回路を用いれば、全ての形の蛍光灯を点灯させることができる。
【0013】
ランプフリー方式の蛍光灯器具では、電流測定回路47に電流が流れ始めたら、すなわち蛍光灯3が点灯を開始したら、制御回路48からの指示によって、ある決められた電圧を高周波電圧発生回路2から出力させて、蛍光灯3に印加する。そして電流測定回路47は、その時に蛍光灯3を流れる電流量を測定する。
一般的に、蛍光灯3の電圧電流特性は、グロースタート形、ラピッドスタート形、インバーター形によって異なるため、ある決められた電圧を蛍光灯3に印加した時の電流量を測定すれば、蛍光灯3の種類を判別することができる。
【0014】
制御回路48には、グロースタート形、ラピッドスタート形、インバーター形のそれぞれについて、蛍光灯3に流れるべき電流量(以下「適合電流量」と称する)が予め設定されており、電流測定回路47の測定結果が、いずれか1つの適合電流量と一致する場合は、判別可能な蛍光灯が装着されていると判断し、装着された蛍光灯の定格電圧と電流(以下「定格電力」と称する)を蛍光灯3に供給する。
逆に、どの適合電流量とも一致しない場合は、判別不可能な異物が装着されていると判断し、蛍光灯3への電源供給を停止する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
このようなランプフリー方式の蛍光灯器具の蛍光灯をLEDランプで代替するには、ランプフリー方式の蛍光灯器具に何ら改良、改造を加えず、蛍光灯だけを外して、LEDランプをそのまま装着し、点灯できることが既存設備の利用の観点から好ましい。
しかしながら、既存のLEDランプでは、以下の理由により点灯させることができなかった。
図11は、LEDランプの一般的な回路構成を示している。ダイオード29、30、31、32とコンデンサー33は、端子EまたはFとGまたはHの間に印加される交流電源を擬似的な直流電源に変換する役目を持つ。
次にLEDドライバーIC34は、LED群35に定電流を供給する役目を持ち、LEDの明るさを一定に保つ。LED群35は複数のLEDから構成され、コンデンサー33から供給される擬似的な直流電圧と、LEDドライバーIC34から供給される定電流を電力源として点灯する。
【0016】
このようにLEDランプは、蛍光灯と点灯原理が異なるため、両者の電圧電流特性は必ずしも一致しない。従って、ランプフリー方式の蛍光灯器具を用いてLEDランプの点灯を試みても、LEDランプを流れる電流量が適合電流量と一致しないために、判別不可能な異物と判断され、電源の供給を止められてしまう。それ故、LEDランプは点灯しない。
【0017】
本発明は、上記のような現状に鑑みてなされたものであり、既存のランプフリー方式の蛍光灯器具に改良、改造を加えることなく蛍光灯に代えて取付使用でき、改良・改造による経済的無駄をなくすことができるとともに、汎用性の向上に寄与できる固体発光素子ランプの提供を、その主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、蛍光灯の電圧電流特性を利用して、前記蛍光灯の種類を判別し、各種類に適した電圧制御と電流制御とを実施する蛍光灯器具(以下「ランプフリー方式の蛍光灯器具」と称する)から電力の供給を受けて発光する固体発光素子ランプであって、前記固体発光素子ランプは、自らの電圧電流特性を制御するための制御手段を備え、前記ランプフリー方式の蛍光灯器具が蛍光灯の種類を判別する際に、前記蛍光灯へ印加する電圧または電流の範囲内において、前記ランプフリー方式の蛍光灯器具が判別可能な種類の蛍光灯と等しい電圧電流特性を有することを特徴とする。
【0019】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の固体発光素子ランプにおいて、前記固体発光素子ランプが有する電圧電流特性は、前記ランプフリー方式の蛍光灯器具が判別可能な蛍光灯のうち、点灯時の消費電力が、前記固体発光素子ランプが点灯時に消費する電力以上で、かつ、最小の蛍光灯のものと等しいことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、照明装置において、請求項1または2に記載の固体発光素子ランプと、前記ランプフリー方式の蛍光灯器具とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、既存のランプフリー方式の蛍光灯器具に改良、改造を加えることなく蛍光灯に代えて取り付けて使用できる直管形のLEDランプを実現でき、改良・改造による経済的無駄をなくすことができるとともに、LEDランプの汎用性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係る固体発光素子ランプとしてのLEDランプの分解斜視図である。
【図2】同LEDランプの回路構成図である。
【図3】インバーター方式の蛍光灯器具の基本ブロック図である。
【図4】整流回路の基本回路図である。
【図5】交流電源の電圧波形である。
【図6】整流後の電圧波形である。
【図7】擬似的な直流電源の電圧波形である。
【図8】高周波電圧発生回路の基本回路図である。
【図9】ランプフリー方式の蛍光灯器具の基本ブロック図である。
【図10】蛍光灯の放電電圧を示した表である。
【図11】一般的なLEDランプの回路構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の一実施形態を図を参照して説明する。なお、本発明の固体発光素子ランプの取付対象であるランプフリー形の蛍光灯器具の回路構成は図9で説明したものと同様であるので省略する。
図1に、本実施形態に係る固体発光素子ランプとしてのLEDランプ(以下、単に「LED」ともいう)の一例を示す。本実施形態に係るLEDランプは、従来のランプフリー形の蛍光灯器具に何ら改良、改造を加えずに、蛍光灯の代わりとして用いることができる直管形のLEDランプであり、大きさは既存のガラス水銀蛍光灯と同じである。
全体は、口金36と本体37とで構成される。口金36は、ランプフリー形の蛍光灯器具からLEDランプに電源を導入するためのもので、本体37の両端に設置される。
【0023】
口金36は既存の蛍光灯と同形の端子ピン38を備え、端子ピン38は既存の蛍光灯器具から電源を導入するとともに、LEDランプを蛍光灯器具にホールドするための役割を持つ。本体37はLEDを発光させその光を外部に放射するためのもので、放熱フレーム39と透光カバー40、基板41、基板42とから構成されている。
放熱フレーム39は、本体37で発生した熱を大気中に放出するためのもので、例えばアルミニウムなどの熱伝導率の高い物質を成形して作られる。本実施例においては軽量化のため、ハーフパイプ状の中空構造を採用している。
透光板カバー40は、基板41、基板42を保護するためのもので、例えばアクリル樹脂やガラス、ポリカーボネートといった透光性を有する物質を成形して作られる。本実施例においてはハーフパイプ状に成形されているが、任意の形状でも良い。
【0024】
基板41は、LED43を実装するためもので、放熱フレーム39と透光カバー40によって形成される中空構造の本体37の内側で、かつ、発光面が透光カバー40と対向する向きに配置される。一般的なLED素子は、発光時に多量の熱を出すため、熱伝導率の高い材質を用いることが好ましい。
LED43は、電気を光に変換するための固体発光素子である。例えば、本実施形態のLEDランプを用いた照明装置を一般照明として使用する場合、LED43の発光色はJISZ9112「蛍光ランプの光源色及び演色性による区分」の4.2「色度範囲」に規定された昼光色、昼白色、白色、温白色、電球色が好ましい。
基板42は、LED43の駆動回路を実装するためのもので、筐体(本体37)内部で、かつ、発光素子からの光を遮らない場所に配置される。本実施例では、放熱フレーム39の中空構造の中に設置されている。
【0025】
本実施形態においては図2に示す回路が使用され、LED群35は基板41に、それ以外は基板42に設置される。図11に示した回路との違いは、メモリ44を備えた電圧監視用IC45をコンデンサー33の両端に追加したこと、そして信号線46を介して、電圧監視用IC45とLEDドライバーIC34とを接続したことである。
【0026】
電圧監視用IC45は、コンデンサー33の両端にかかる電圧、すなわち擬似的な直流電圧を監視して、LED群35に流す電流量を決定する役目をもつ。またメモリ44は、グロースタート形、ラピッドスタート形、インバーター形蛍光灯のいずれか1種類について、その電流電圧特性を記憶する役目をもち、電圧監視用IC45によって読み出すことができる。
電圧監視用IC45は、擬似的な直流電圧から、メモリ44に記憶されている電流電圧特性に相当する電流量を求め、信号線46を介してLEDドライバーIC34に指示する。LEDドライバーIC34は、電圧監視用IC45からの指示に従って、LED群35に流す電流量を制御する。
LEDドライバーIC34、メモリ44及び電圧監視用IC45により制御手段が構成される。
【0027】
その結果、本実施形態のLEDランプは、ランプフリー方式の蛍光灯器具に装着した場合でも、グロースタート形、ラピッドスタート形、インバーター形蛍光灯のいずれかとして判断されるため、引き続き蛍光灯器具から電力供給を受けることが可能となり、点灯する。
なお本発明では、以下の理由によって、インバーター形蛍光灯の電流電圧特性をメモリ44に記憶する。ランプフリー方式の蛍光灯器具は、蛍光灯の種類を判別した後で、それに応じた定格電力を供給する。
そのため、LEDランプが点灯する際に消費する電力よりも、定格電力が大きい蛍光灯として判別されれば、LEDランプを確実に点灯させることができる。さらに、それらの中で定格電力が最も小さい蛍光灯として判別されれば、点灯時の消費電力を最小に抑えることができる。
一般的に、蛍光灯の代わりに使用されるLEDランプは、グロースタート形、ラピッドスタート形、インバーター形蛍光灯のどれよりも消費電力が少ない。そのため、蛍光灯の中では最も定格電力が低い「インバーター形蛍光灯」と判断されることが好ましい。
【0028】
また、図9の制御回路48に設定されている適合電流量が予め分かっている場合は、以下のように図2を簡略化しても良い。
まずメモリ44、電圧監視用IC45、信号線46は不要となり、回路構成は図11に等しくなる。
その代わりLEDドライバーIC34は、LED群35に供給する定電流が、インバーター形蛍光灯の適合電流量と等しくなるような制御を実施する。
その結果、ランプフリー方式の蛍光灯器具が、蛍光灯の種類を判別するために印加する電圧に対してのみ、インバーター形蛍光灯の電流電圧特性を持つことになり、同様の効果が得られる。この場合には、LEDドライバーIC34が制御手段としてなる。
図示しないが、本発明に係る照明装置は、例えば図9に示した回路構成を有する従来のランプフリー形の蛍光灯器具と、上記実施形態に係るLEDランプとから構成される。
【符号の説明】
【0029】
44 制御手段の一部としてのメモリ
45 制御手段の一部としての電圧監視用IC
34 制御手段としてのLEDドライバーIC
3 蛍光灯
【先行技術文献】
【特許文献】
【0030】
【特許文献1】特開2010−238661号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蛍光灯の電圧電流特性を利用して、前記蛍光灯の種類を判別し、各種類に適した電圧制御と電流制御とを実施する蛍光灯器具(以下「ランプフリー方式の蛍光灯器具」と称する)から電力の供給を受けて発光する固体発光素子ランプであって、
前記固体発光素子ランプは、自らの電圧電流特性を制御するための制御手段を備え、前記ランプフリー方式の蛍光灯器具が蛍光灯の種類を判別する際に、前記蛍光灯へ印加する電圧または電流の範囲内において、前記ランプフリー方式の蛍光灯器具が判別可能な種類の蛍光灯と等しい電圧電流特性を有することを特徴とする固体発光素子ランプ。
【請求項2】
請求項1に記載の固体発光素子ランプにおいて、
前記固体発光素子ランプが有する電圧電流特性は、前記ランプフリー方式の蛍光灯器具が判別可能な蛍光灯のうち、点灯時の消費電力が、前記固体発光素子ランプが点灯時に消費する電力以上で、かつ、最小の蛍光灯のものと等しいことを特徴とする固体発光素子ランプ。
【請求項3】
請求項1または2に記載の固体発光素子ランプと、前記ランプフリー方式の蛍光灯器具とを備えた照明装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−204086(P2012−204086A)
【公開日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−66522(P2011−66522)
【出願日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】