説明

固体酸化物燃料電池の構造

【課題】寿命を延長する新規の燃料極支持形態及び空気極支持形態の固体酸化物燃料電池の構造を提供する。
【解決手段】多孔性の管状空気極支持体;
前記管状空気極支持体の内側に位置する電解質層;及び
前記電解質層の内側に位置する燃料極層;を含み、
前記多孔性の管状空気極支持体はその長手方向に空気の流動可能な多数の貫通孔が形成されたことを特徴とする、管状固体酸化物燃料電池。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は固体酸化物電池の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
日増しに酷くなる環境汚染によって地球温暖化の問題が深刻に台頭している。これを抑制するために、1997年京都議定書を採択し、二酸化炭素の減縮量を規定し、エネルギー環境問題を本格的に論じるにつれて、環境に優しい高効率の燃料電池技術が新エネルギー技術として急に浮上している
燃料電池とは、燃料(水素、LNG、LPGなど)と空気の化学エネルギーを電気化学的反応によって電気及び熱に直接変換させる装置である。既存の発電技術が燃料の燃焼、蒸気発生、タービン駆動、発電機の駆動過程を取るものとは異なり、燃焼過程または駆動装置がないので、効率が高いだけでなく環境問題を引き起こさない新概念の発電技術である。このような燃料電池はSOxとNOxなどの大気汚染物質をほとんど排出しなくて二酸化炭素の発生も少ないので、無公害発電であり、低騷音、無振動などの利点がある。
【0003】
燃料電池は、リン酸型燃料電池(PAFC)、アルカリ型燃料電池(AFC)、高分子電解質型燃料電池(PEMFC)、直接メタノール燃料電池(DMFC)、固体酸化物燃料電池(SOFC)などの多様な種類がある。このうち、固体酸化物燃料電池(SOFC)は、活性化分極による過電圧が低く、非可逆的損失が少ないので、発電効率が高い。また、水素だけではなく炭素または炭化水素系の燃料として使用することができるので、燃料の選択幅が広く、電極での反応速度が高いので、電極触媒として高価の貴金属を必要としない。さらに、発電によって排出される熱の温度が非常に高いため、熱の利用価値が高い。固体酸化物燃料電池で発生した熱は燃料の改質に利用されるだけでなく、熱併合発電で産業用または冷房用エネルギー源として利用することができる。よって、固体酸化物燃料電池は今後水素経済社会への進入のために必須の発電技術である。
【0004】
個体酸化物燃料電池(solid oxide fuel cell;SOFC)の基本的な動作原理を説明すれば、固体酸化物燃料電池は基本的に水素及びCOの酸化反応によって発電する装置であり、燃料極及び空気極では下記の反応式1のような電極反応が起こる。
<反応式1>
燃料極:H2+O2-→H2O+2e
CO+O2-→CO2+2e
空気極:O2+4e→2O2-
全反応:H2+CO+O2→H2O+CO2
【0005】
すなわち、電子は外部回路を通じて空気極に到逹し、同時に空気極で発生した酸素イオンが電解質を通じて燃料極に伝達され、燃料極では水素またはCOが酸素イオンと結合して電子及び水またはCO2を生成する。
ここで、固体酸化物燃料電池の構造を改善することで材料の酸化を抑制してより効率よく長期的な性能を具現するための多大な努力があった。従来の固体酸化物燃料電池の構造には、平板状構造、管状構造、平管状構造、蜂巣状構造、デルタ形構造などがあった。このうち、支持体は、空気極物質を使用するかあるいは燃料極物質を使用するかによって、空気極支持体構造と燃料極支持体構造に区分される。
【0006】
一般的な管状燃料電池において、空気極支持体構造の場合、管の内側で空気が通過し、管の外側では水素燃料が通過しながら電気化学反応を引き起こす。このような空気極支持体構造の場合、空気極物質が高価であるという欠点はあるが、管の外側が水素雰囲気であるので、ニッケルフェルトのような集電体やインターコネクタなどが酸化しないので、寿命延長及び高信頼性の利点を持つ。
【0007】
一方、相対的に安価の空気極物質を利用して支持体を製作すれば、管の内側で水素燃料が通過し、管の外側で空気が流動するから、長期間運転の際、管の外側の集電物質が酸化するので、これを防止するための高価の集電材料が要求される。
特許文献1の場合、管の内側空間に電極を位置させ、燃料側電極に多数の孔を形成し、前記孔に燃料を供給する構造を開示している。このような構造では、電流の集電性能の向上をもたらすことはできるが、前述した酸化の問題点と既存の構造と同様な寿命を持つことになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−297388号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、本発明は固体酸化物燃料電池の酸化に関連した問題点を改善して効率を高め、寿命延長を達成することができる新規の燃料極支持形態の固体酸化物燃料電池の構造を提供することをその目的とする。
本発明の他の目的は、前記のような問題点を解決するための新規の空気極支持形態の固体酸化物燃料電池の構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記のような目的を達成するために、本発明の一面によれば、多孔性の管状燃料極支持体;前記管状燃料極支持体の内側に位置する電解質層;及び前記電解質層の内側に位置する空気極層;を含み、前記多孔性の管状燃料極支持体はその長手方向に燃料の流動可能な多数の貫通孔が形成される、管状固体酸化物燃料電池が提供される。
【0011】
前記管状燃料極支持体の外部に燃料非透過性燃料極層が形成されることができる。
前記管状固体酸化物燃料電池は、断面円形または多角形のもの、または平管状のもののいずれか一つであることができる。
前記平管状の固体酸化物燃料電池は、前記空気極層に一つ以上のブリッジを含むことができる。
前記燃料極支持体に形成された多数の貫通孔は管状の軸方向に貫設される蜂巣状をなすことができる。
【0012】
また、本発明の他の面によれば、多孔性の管状空気極支持体;前記管状空気極支持体の内側に位置する電解質層;及び前記電解質層の内側に位置する燃料極層;を含み、前記多孔性の管状空気極支持体はその長手方向に空気の流動可能な多数の貫通孔が形成される、管状固体酸化物燃料電池が提供される。
前記管状空気極支持体の外部に空気非透過性空気極層が形成されることができる。
前記管状固体酸化物燃料電池は、断面円形または多角形のもの、または平管状のもののいずれか一つであることができる。
前記平管状の固体酸化物燃料電池は、前記燃料極層に一つ以上のブリッジを含むことができる。
前記空気極支持体に形成された多数の貫通孔は管状の軸方向に貫設される蜂巣状をなすことができる。
【発明の効果】
【0013】
前記のように、本発明による構造によって燃料及び空気の拡散速度を一層速めることで反応速度を速めて効率を高め、管の内側及び外側の両側共に酸化雰囲気の形成を防止して寿命延長と信頼性確保が可能な利点を持つ。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明による燃料極支持体構造の管状固体酸化物燃料電池の概略正断面図である。
【図2】本発明による燃料極支持体構造の管状固体酸化物燃料電池の概略側断面図である。
【図3】本発明による燃料極支持体構造の平管状固体酸化物燃料電池の概略正断面図である。
【図4】本発明による空気極支持体構造の管状固体酸化物燃料電池の概略正断面図である。
【図5】本発明による空気極支持体構造の管状固体酸化物燃料電池の概略側断面図である。
【図6】本発明による空気極支持体構造の平管状固体酸化物燃料電池の概略正断面図である。
【図7】本発明による管状固体酸化物燃料電池の貫通孔の他の形態を示す断面図である。
【図8】本発明による管状固体酸化物燃料電池の貫通孔の他の形態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面に基づいて本発明をより詳細に説明する。
本発明は前述した従来の固体酸化物燃料電池の構造による材料の酸化問題を改善して効率を高めることができる新構造を提供する。
【0016】
図1は本発明による燃料極支持体構造の円筒状固体酸化物燃料電池の正断面図を概略的に示すものである。同図を参照すれば、本発明による燃料極支持体構造の円筒状固体酸化物燃料電池の構造は多孔性の管状燃料極を支持体として構成される。
一般的な固体酸化物燃料電池の構造においては、支持体層の外部に電解質層、電極層などが順次コートされる。しかし、本発明は、前記燃料極支持体11の内側に電解質層12がコートされ、前記電解質層12の内側に空気極層13がコートされる構造を持つ。このような本発明による燃料極支持構造の円筒状酸化物燃料電池の前記空気極層13の内部には空気が流動する通路が形成される。すなわち、一般的な燃料極支持構造の円筒状酸化物燃料電池の場合のように管の内部に燃料が流動するものとは違う。
【0017】
空気極としては、通常ペロブスカイト型酸化物が使用される。特に、触媒能と電子伝導性が共に高いランタンストロンチウムマンガナイト(La0.84Sr0.16)MnO3が一般的に使用できる。酸素はLaMnO3の触媒作用によって酸素イオンに転換される。遷移金属を含むペロブスカイト型酸化物はイオン伝導性とともに電子伝導性を持つので、空気極として優秀であるが、マンガナイト以外のペロブスカイトは電解質に使用されるYSZと化学反応を引き起こして電極性能を劣化させるおそれがある。特に、LaCoO3系ペロブスカイトは電極触媒活性が有望な材料であるが、YSZとの化学反応及び熱膨張係数の差があるため、電極材料としては適しない。しかし、前述した物質の外に、他の適切な物質が空気極に使用されてもよい。
【0018】
前記燃料極としては、金属ニッケルと酸化物イオン導電体とのサーメット(cermet)が使用できる。金属ニッケルは高電子導電性を持つとともに、水素と炭化水素系燃料の吸着が発生して高電極触媒活性を発揮することができる。また、白金などに比べて値段が安い点でも電極用材料として利点を持つ。高温作動の固体酸化物燃料電池の場合、40%〜60%のジルコニアパウダーを含む酸化ニッケル粉を焼結した材料(ニッケル/YSZサーメット)が使用できる。しかし、本発明がこのような材料に限定されるものではない。
【0019】
固体酸化物電解質は、水溶液や溶融塩のような液体電解質に比べてイオン伝導率が低いため、抵抗分極による電圧降下を減らすので、なるべく薄く形成することが好ましいが、微小間隙や気孔、あるいは傷が発生しやすい。したがって、固体酸化物電解質は、イオン伝導性の外にも、均質性、緻密性、耐熱性、機械的強度及び安全性などが要求される。このような電解質の材料としては、ジルコニア(ZrO2)にイットリア(Y23)を3%〜10%程度溶かしたイットリア安定化ジルコニア(YSZ)が使用できるが、これに限定されるものではない。
【0020】
前記多孔性燃料極支持体11は、その長手方向に燃料が流動できるように貫設された多数の孔14を持つ。前記燃料極支持体11そのものが多孔性であるが、多孔性のみでは燃料の供給が十分でないので、燃料の供給のための貫通孔14を形成することにより、管状燃料電池の内部に燃料が流動することができるようにした。
【0021】
前記多孔性燃料極支持体11が外部に露出された外表面には燃料非透過性の燃料極層15がさらにコートされることができる。前記燃料非透過性燃料極層15をさらにコートすることで、燃料が多孔性燃料極支持体11を通じて外部に流出することを防止することができる。
前記多孔性燃料極支持体11に形成された貫通孔14は前記支持体11の長手方向に多数形成されることができ、長い平管状、断面円形の管状などの色々の形態を持つことができ、多数の貫通孔が形成された蜂巣状を持つこともできる。
【0022】
図1は円筒状燃料電池を示しているが、管状のいずれの形態、つまり四角柱、三角柱、六角柱、または楕円柱などの形態を持つこともできる。
図2は前記燃料極支持構造の円筒状燃料電池の側断面図を示している。前述したように、燃料極支持体21を基準にその内側に電解質層22、空気極層23がコートされ、中心に空気が流動する空気流路24が形成されている。
図2から分かるように、貫通孔25が燃料極支持層21に貫設されているので、前記貫通孔25に沿って燃料の注入が可能になる。
また、燃料非透過性燃料極層26が前記燃料極支持層21の外部にコートされるので、燃料の損失を防止することができる。
【0023】
すなわち、本発明による燃料極支持構造の固体酸化物燃料電池の構造によれば、管の内部に空気が供給される通常的な空気極支持構造と同様な効果、つまり集電のためのセルの外側には酸化雰囲気を造成しないで、管の内部のみを酸化雰囲気にすることができるので、材料が酸化することをよほど防止することができる。
また、このような効果を得るとともに、相対的に安い燃料極支持体材料を使用することができるので、費用の面でも相当な利点を持つ。
【0024】
図3は本発明による燃料極支持体構造の平管状固体酸化物燃料電池の正断面図を示す。基本的な構造は前述した燃料極支持体構造の円筒状固体酸化物燃料電池と同様である。すなわち、平管状固体酸化物燃料電池においても、燃料極支持体31の内側に電解質層32がコートされ、前記電解質層32の内側に空気極層33が形成される構造を持つ。前記燃料極支持体31は多孔性であり、燃料が流動する多数の貫通孔34が形成される。
【0025】
前記燃料極支持体31の外部には、燃料の流出を防止するための燃料非透過性の燃料極層35がさらにコートされることができる。
また、燃料電池の積層などの場合、平管状構造にさらなる支持力を提供するために、前記空気極層から伸びる多数のブリッジ36が形成されることができる。
【0026】
従来の平管状燃料電池の場合、積層のために一面を使用することができない問題点があった。しかし、本発明による平管状燃料電池は、燃料及び空気が共に燃料電池の内部で流動するので、両側面を共に活用することができる付加の利点を持つ。
【0027】
図4は本発明による空気極支持体構造の管状固体酸化物燃料電池の正断面図を示している。
本発明による空気極支持体構造の管状固体酸化物燃料電池の場合にも、燃料電池の構造の内部に燃料及び空気が共に流動することになる。
通常的な空気極支持体構造の管状燃料電池の場合、空気極支持体上に電解質層及び燃料極層が位置し、燃料電池の内部空間を通じて空気が流動し、燃料は外部で供給されることが一般的な形態である。
【0028】
しかし、図4を参照すれば、本発明による空気極支持構造の管状燃料電池は、空気極支持体41の内側に電解質層42がコートされ、さらに前記電解質層42の内側に燃料極層43がコートされる。
また、前記空気極支持体41は多孔性物質でなり、空気が流動可能な多数の貫通孔44が形成されている。前記貫通孔44によって、既存に円筒状燃料電池の構造の外部で流動した燃料を、支持体を通して流動させることができることになる。
【0029】
前記空気極支持体41の外部には空気非透過性の空気極45がコートされることができる。前記空気非透過性空気極45によって空気が燃料電池の構造の外部に漏れないで多孔性支持体41内で拡散して電解質層42までより効率よく到逹することができる。
結局、燃料極及び空気極のいずれの位置でも酸化雰囲気が形成されないため、安価の物質で電流を集電するとともに、酸化の危険性を減らすことができる。また、酸化の減少によって長期耐久性と寿命延長が得られる効果を持つ。
【0030】
図5は本発明による空気極支持体構造の管状固体酸化物燃料電池の側断面図を示している。
前述したように、空気極支持体51の内側に電解質層52がコートされ、前記電解質層52の内側に燃料極53がコートされる。前記燃料極53の内側空間では燃料が流動し、前記空気極支持体51に形成された多数の貫通孔54に沿って空気が流動しながら反応を引き起こして電流を生成する。
【0031】
前記空気極支持体51の外部には空気非透過性空気極55がコートされることで、空気が前記多孔性の空気極支持体51を通して電解質層52までより効率よく到逹することができる。
前記から分かるように、本発明による支持構造の円筒状燃料電池においては、外部での燃料及び空気の流動がない。特に、空気が燃料電池の外部で流動しないので、酸化による問題点を解決することができる。
【0032】
既存の方式では、管の外部で空気が流れ、この空気が多孔性の支持体に染みこんで燃料電池の電気化学反応を引き起こした。しかし、本発明による支持構造の管状燃料電池においては、空気極支持体の内部で直接空気が流動することにより、空気の拡散速度を一層速めるので、反応速度を速めて効率を高めることができる利点を持つ。
【0033】
以上円筒状燃料電池について説明したが、本発明の燃料電池の構造は管状のいずれの形態の燃料電池にも適用できる。例えば、断面円形、多角形または楕円形などであってもかまわない。
【0034】
図6は本発明による空気極支持体構造の平管状固体酸化物燃料電池の正断面図を示している。
基本的な構造は前述した空気極支持体構造の円筒状固体酸化物燃料電池と同様である。すなわち、平管状固体酸化物燃料電池においても、空気極支持体61の内側に電解質層62がコートされ、前記電解質層62の内側に燃料極層63が形成される構造を持つ。前記空気極支持体61は多孔性であり、空気が流動する多数の貫通孔64が形成される。
【0035】
前記空気極支持体61の外部には、空気の流出を防止するための空気非透過性の空気極層76がさらにコートされることができる。
また、燃料電池の積層などの場合、平管状構造に付加の支持力を提供するために、前記燃料極層から伸びる多数のブリッジ66が形成されることができる。
【0036】
従来の平管状燃料電池の場合、積層のために一面を使用することができない問題点があった。しかし、本発明による平管状燃料電池は燃料及び空気が共に燃料電池の内部で流動するので、両側面を共に活用することができる付加の利点を持つ。
【0037】
図7及び8は本発明による管状燃料電池の構造において貫通孔の形状を変形させた一具体例を示している。
図7は燃料極支持構造の管状燃料電池を示している。前述した本発明による燃料極支持型管状燃料電池と同様に、燃料極支持体71の内側に電解質層72及び空気極層73がコートされる。また、前記多孔性の燃料極支持体71に多数の貫通孔74が形成される。前記貫通孔は、前記多孔性の燃料極支持体71の断面を4等分した断面に合わせて円弧状の細長い楕円の形状を持つ。このような形態を持つ場合、より容易に燃料の注入が可能になる。また、前記燃料極支持体71の外部には燃料非透過性燃料極75が積層されることができる。
【0038】
図8は空気極支持構造の管状燃料電池を示している。前述した本発明による空気極支持型管状燃料電池と同様に、空気極支持体81の内側に電解質層82及び燃料極層83がコートされた構造を持つが、図7の説明と同様に、貫通孔84の形状に特徴を持つもので、より容易に空気の注入ができるようにする。また、前記空気極支持体81の外部に空気非透過性空気極層85が積層されることができる。
また、前記燃料電池の内部で燃料及び空気が共に供給されて反応するので、前記燃料電池の外部は不活性気体雰囲気にすることができる。このような場合、集電体及び外部電極などの酸化を防止するのに有利である。
【0039】
以上のような本発明は前述した実施例に限定されるものではなく、本発明の思想及び範囲を逸脱しない範疇内で多様に修正及び変形することができるのは、当該技術分野で通常の知識を持った者であれば誰でも分かるものである。したがって、そのような変形例または修正例も本発明の範疇内に属するものとして見なさなければならない。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明は、燃料と空気の化学エネルギーを電気化学的反応によって電気及び熱に直接変換させる燃料電池に適用可能である。
【符号の説明】
【0041】
11、21、31、71 燃料極支持体
12、22、32、42、52、62、72、82 電解質層
13、23、33、73 空気極層
14、25、34、74 貫通孔
15、26、35、75 燃料非透過性燃料極層
26 椀流動路
36、66 ブリッジ
41、51、61、81 空気極支持体
43、53、63、83 燃料極層
44、54、64、84 貫通孔
45、55、65、85 椀非透過性空気極層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔性の管状空気極支持体;
前記管状空気極支持体の内側に位置する電解質層;及び
前記電解質層の内側に位置する燃料極層;を含み、
前記多孔性の管状空気極支持体はその長手方向に空気の流動可能な多数の貫通孔が形成されたことを特徴とする、管状固体酸化物燃料電池。
【請求項2】
前記管状空気極支持体の外部に空気非透過性空気極層が形成されたことを特徴とする、請求項1に記載の管状固体酸化物燃料電池。
【請求項3】
前記管状固体酸化物燃料電池は、断面円形または多角形のもの、または平管状のもののいずれか一つであることを特徴とする、請求項1に記載の管状固体酸化物燃料電池。
【請求項4】
前記平管状の固体酸化物燃料電池は、前記燃料極層に一つ以上のブリッジを含むことを特徴とする、請求項1に記載の管状固体酸化物燃料電池。
【請求項5】
前記空気極支持体に形成された多数の貫通孔は管状の軸方向に貫設される蜂巣状をなすことを特徴とする、請求項1に記載の管状固体酸化物燃料電池。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2013−20982(P2013−20982A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−216553(P2012−216553)
【出願日】平成24年9月28日(2012.9.28)
【分割の表示】特願2009−249604(P2009−249604)の分割
【原出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】