説明

固定装置

【課題】多様な形および大きさを有する固定対象を、安定に基板に固定し得る固定装置を提供する。
【解決手段】基板3上に形成された複数の羽根材1によって形成される固定領域中に、固定対象10を固定する固定装置において、羽根材1は、可撓性であり、固定対象10が固定されていないときには、複数の羽根材1は、基板3に対して平面状に収納され、固定対象10が固定されているときには、複数の羽根材1によって、固定対象の輪郭に沿った形の固定領域が形成されるとともに、収束手段6によって羽根材1の少なくとも一端が束ねられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固定対象を基板等に固定するための固定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、化学反応または微生物の培養には、振とう装置が多く用いられている。上記振とう装置では、反応容器または培養容器の中に、それぞれ化学物質または微生物を入れ、上記反応容器または培養容器を基板に固定した後、当該基板を振とうすることによって、反応容器または培養容器を振とうしている。
【0003】
上記反応容器または培養容器としては、様々な形を有するとともに、様々な大きさを有する容器が用いられている。例えば、上記反応容器または培養容器として、丸底フラスコ、三角フラスコおよびナス型フラスコ等を挙げることができる。
【0004】
上記容器を基板に固定する場合には、従来から、例えば、フラスコホルダーに保持したフラスコが振とう中に浮き上がることを防止するとともに、騒音の発生を防止するために、短冊状に形成した2枚の板ばね材の中央部を交差させて固着してなるフラスコホルダーが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
図7に示すように、上記フラスコホルダーは、2枚の板ばね材101を十文字に交差させて固着し、保持しようとするフラスコの底部よりもやや外側の位置で、各板ばね材101が上方に折り曲げられている。そして、折り曲げられた板ばね材101によって規定される領域に、フラスコが固定される。なお、各板ばね材101の内側にはフラスコに当接するカバー部材104が設けられるとともに、板ばね材101の上部には、リングスプリング105が着脱可能に設けられている。つまり、上記フラスコホルダーでは、板ばね材101によって予め規定された領域に、当該領域と形および大きさが合ったフラスコが固定される。
【特許文献1】特開2002−326025号公報(平成14年11月12日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来のフラスコホルダーでは、多様な形および大きさの固定対象を安定に基板に固定できないという問題点を有している。つまり、上記従来のフラスコホルダーでは、固定できるフラスコの形および大きさが限定されるという問題点を有している。
【0007】
上述したように、上記従来のフラスコホルダーは、板ばね材を折り曲げることによって、フラスコを固定する固定領域の形および大きさが予め規定されている。したがって、固定領域の形および大きさに合ったフラスコのみが、上記フラスコホルダーによって固定され得る。したがって、多様な形および大きさのフラスコを固定しようとすれば、フラスコの形および大きさの多様性に応じて、多様なフラスコホルダーを準備する必要があるという問題点を有している。
【0008】
また、上記従来のフラスコホルダーでは、例えばフラスコを振とう装置によって振とうする場合、振とうしようとするフラスコの形および大きさに適したフラスコホルダーを、わざわざ振とう装置の基板に固定し直す必要があるという問題点を有している。
【0009】
また、上記従来のフラスコホルダーでは、予め形が規定されているので、当該フラスコホルダーを収納しようとするときに、大きなスペースを必要とするという問題点を有している。
【0010】
本発明は上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、多様な形および大きさを有する固定対象を、安定に基板に固定し得る固定装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の固定装置は、上記課題を解決するために、基板上に形成された複数の羽根材によって形成される固定領域中に、固定対象を固定する固定装置において、前記羽根材は、可撓性であり、前記固定対象が固定されていないときには、前記複数の羽根材は、前記基板に対して平面状に収納され、前記固定対象が固定されているときには、前記複数の羽根材によって、前記固定対象の輪郭に沿った形の固定領域が形成されるとともに、収束手段によって前記羽根材の少なくとも一端が束ねられていることを特徴としている。
【0012】
上記構成によれば、羽根材が可撓性であることによって、羽根材に対して外力が加わらない状況下では個々の羽根材を曲げることなく平面状にすることができる。つまり、上記複数の羽根材は、固定対象が固定されていないときには、基板に対して平面状に収納されている。したがって、当該複数の羽根材によって形成される平面上には、様々な形および大きさを有する固定対象を、安定に配置することができる。
【0013】
上記羽根材によって形成される平面上に固定対象を配置した後、上記羽根材の少なくとも一端を持ち上げることによって、固定対象に羽根材が密着するように上記羽根材を変形させることができる。その結果、上記羽根材によって、固定対象の輪郭に沿った形の固定領域が形成される。なお、上記固定領域は固定対象の形および大きさに応じて形成されるので、様々な形および大きさを有する固定対象に対して、当該固定対象と羽根材との接触面積を大きくすることができる。
【0014】
次いで、上記収束手段によって上記羽根材の少なくとも一端を束ねることによって、上記羽根材が平面状に戻ろうとする反発力を抑えることができる。つまり、固定対象の輪郭に沿って形成された固定領域の形を維持することができる。その結果、様々な形および大きさを有する固定対象を、安定に基板に固定することができる。
【0015】
本発明の固定装置では、前記複数の羽根材は、中央部を交差させた状態で、同一の固定手段によって前記基板に固定されていることが好ましい。
【0016】
上記構成によれば、上記複数の羽根材が、中央部を交差させた状態で、同一の固定手段によって基板に固定されている。つまり、上記羽根材は、1つの中心点(固定手段の位置)にて基板に固定されることになる。このとき、ナス型フラスコのような曲面のみからなる構造の固定対象を固定する場合には、まず、固定対象の任意の領域(例えば、頂点)が上記中心点に接するように配置される。次いで、羽根材の両端を持ち上げることによって、曲面のみからなる固定対象に羽根材がより密着するように、上記羽根材を変形させることができる。そして、上記固定対象と羽根材との接触面積が大きくなるので、上記固定対象をより安定に基板に固定することができる。
【0017】
本発明の固定装置では、前記複数の羽根材の各々は、互いが交差することなく、別々の固定手段によって基板に固定されていることが好ましい。
【0018】
上記構成によれば、上記複数の羽根材の各々が、互いが交差することなく、別々の固定手段によって基板に固定されている。つまり、上記羽根材は、複数の中心点(固定手段の位置)にて基板に固定されることになる。このとき、三角フラスコのような平面領域を有する構造の固定対象を固定する場合には、まず、固定対象の平面領域が上記複数の中心点を結んでなる面に接するように配置される。次いで、羽根材の両端を持ち上げることによって、平面領域を有する固定対象に羽根材がより密着するように、上記羽根材を変形させることができる。そして、上記固定対象と羽根材との接触面積が大きくなるので、上記固定対象をより安定に基板に固定することができる。
【0019】
本発明の固定装置では、前記固定手段は、前記固定対象と接する面の摩擦抵抗が大きいことが好ましい。
【0020】
上記構成によれば、固定対象と接する上記固定手段の面の摩擦抵抗が大きいので、上記固定対象と上記固定手段との間の摩擦を増加させることができる。その結果、上記固定対象を、より安定に基板に固定することができる。
【0021】
本発明の固定装置では、前記羽根材には、前記収束手段を固定するための複数の凹凸領域または貫通孔が形成されていることが好ましい。
【0022】
上記構成によれば、上記羽根材には、収束手段を固定するための複数の凹凸領域が形成されている。その結果、固定対象の形および大きさに応じて、収束手段を固定する凹凸領域の位置を変えることができる。その結果、固定対象の形および大きさに関係なく、固定対象をより安定に固定することができる。
【0023】
例えば、小さな固定対象を固定した場合、上記羽根材の末端領域の多くの部分が、上記固定対象と接することなく存在する。一方、大きな固定対象を固定した場合、上記羽根材の末端領域のわずかな部分が、上記固定対象と接することなく存在する。このとき、固定対象と接していない羽根材の領域同士を、固定対象により近い箇所で、上記収束手段によって束ねれば、上記固定領域の形を固定対象の輪郭に沿った形に、より安定に維持することができる。その結果、固定対象を基板に対して安定に固定することができる。
【0024】
本発明の固定装置では、前記羽根材は、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレンまたは塩化ビニルおよび金属からなる群より選択される少なくとも1つからなることが好ましい。
【0025】
上記構成によれば、外力を加えない状況下では、上記羽根材は平面状に維持され、外力を加えることによって、上記羽根材を固定対象に沿った形に変形させることができる。つまり、固定対象の形および大きさに関係なく、上記羽根材は上記固定対象の輪郭に沿った形の固定領域を形成することができる。その結果、上記固定対象を安定に基板に固定することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の固定装置は、以上のように、基板上に形成された複数の羽根材によって形成される固定領域中に、固定対象を固定する固定装置であって、前記羽根材は、可撓性であり、前記固定対象が固定されていないときには、前記複数の羽根材は、前記基板に対して平面状に収納され、前記固定対象が固定されているときには、前記複数の羽根材によって、前記固定対象の輪郭に沿った形の固定領域が形成されるとともに、収束手段によって前記羽根材の少なくとも一端が束ねられている。
【0027】
それゆえ、羽根材によって個々の固定対象に応じた形の固定領域が形成されるので、同一の固定装置によって、多様な形および大きさを有する固定対象を安定に基板に固定することができるという効果を奏する。
【0028】
また、固定対象が固定されていないときには、羽根材が基板に対して平面状に収納されるので、上記羽根材を収納するためのスペースを小さくすることができるという効果を奏する。例えば、固定対象が基板に固定されていないときには羽根材は基板に密着しているので、基板と羽根材とを一体化した状態で収納する場合には、基板を収納できるスペースがあれば、基板と羽根材とを一体化した状態で収納することができるという効果を奏する。
【0029】
また、固定対象が固定されていないときには、羽根材が基板に対して平面状に収納される。したがって、基板上に複数の本願発明の固定装置を形成しておけば、大きな固定対象を、上記複数の固定装置に接するように配置することができる。このとき個々の固定装置からそれぞれ羽根材を選択して上記固定対象を固定すれば、従来技術では固定することができなかった大きな固定対象を固定することができるという効果を奏する。つまり、複数の固定装置によって1つの大きな固定対象を固定することができるという効果を奏する。
【0030】
また、基板上に複数の本願発明の固定装置を形成しておけば、多様な形および大きさを有する複数の固定対象を、同時に基板上に固定することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
本発明の一実施形態について図1〜図6に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0032】
〔実施の形態1〕
本実施の形態の固定装置では、複数の羽根材が、中央部を交差させた状態で、同一の固定部材によって基板に固定されている。
【0033】
図1(a)は、固定対象が固定されていない場合の本実施の形態の固定装置の模式図であり、図1(b)は、固定対象が固定されている場合の本実施の形態の固定装置の断面図である。
【0034】
本実施の形態の固定装置では、図1(a)に示すように、基板3上には2枚の羽根材1が配置されている。上記羽根材1は、その中央部を交差させた状態で、重ねて配置されている。そして、上記2枚の羽根材1は、1つの固定部材2(固定手段)によって基板3に固定されている。図1(a)に示すように、本実施の形態の固定装置は、固定対象が固定されていないときには、複数の羽根材1は基板3に対して平面状に収納されている。なお、本実施の形態の固定装置では、2枚の羽根材1が、それぞれの中央部において他方の羽根材1と交差しているが、交差する領域は中央部でなくともよい。上記交差する領域は、固定対象の形および大きさに応じて、適宜設定すればよい。
【0035】
また、羽根材1が収納されている状態は略平面状であればよい。つまり、羽根材1が収納されている状態は、当該状態において羽根材1上に多様な形および大きさを有する固定対象を安定に置くことができる程度の平面であればよく、基板3に対して羽根材1が若干の角度を有するように羽根材1が設けられていてもよい。
【0036】
次いで、図1(b)に示すように、本実施の形態の固定装置では、上記羽根材1上に固定対象10が固定されるときに、羽根材1が固定対象10の輪郭に沿って折り曲げられる。このとき、羽根材1によって形成される、固定対象10の形と略同一の形を有する空間が固定領域であって、当該固定領域中に固定対象10が固定されている。
【0037】
また、固定領域中に固定対象が固定されている間、当該固定領域の形を維持するためには、固定対象10の輪郭に沿って折り曲げられた羽根材1の形を維持する必要がある。そこで、本実施の形態の固定装置では、収束部材6(収束手段)によって羽根材1の両端が束ねられている。上記収束部材6によって、羽根材1が平面状の形に戻ることを防止することができるとともに、羽根材1を固定対象10の輪郭に沿って折り曲げることができる。以下に、各構成について更に詳細に説明する。
【0038】
上記基板3は、固定対象10が固定される対象であって、具体的な構成は特に限定されない。例えば、振とう装置の基板等を挙げることができるが、これに限定されない。本実施の形態の固定装置であれば、様々な形および大きさを有する固定対象10を安定に基板3に固定することができるので、基板3とともに固定対象10を振とうした場合にも、固定対象10が基板3から脱落することを防止することができる。
【0039】
上記固定対象10は、本実施の形態の固定装置によって固定されるものであって、特に限定されない。例えば、上記固定対象10としては、様々な形および大きさを有するフラスコ、ビーカーまたは試験管などの実験器具を挙げることができる。本実施の形態の固定装置によってフラスコを固定する場合には、当該固定装置をフラスコホルダーとして用いることができる。
【0040】
上記固定部材2は、上記羽根材1を基板3に固定し得るものであればよく、特に限定されない。例えば、上記固定部材2としては、各種ネジ等を挙げることができる。更に、上記固定部材2は、固定対象と接する面の摩擦抵抗が大きいことが好ましい。上記構成によれば、固定対象を安定に基板3に固定することができる。
【0041】
例えば、図2に示すように、固定部材2は、ネジ8および摩擦部材9によって形成され得る。上記摩擦部材9は上記固定対象と直接接しており、摩擦部材9の固定対象に対する摩擦抵抗を大きくすれば、固定対象をより安定に基板3に固定することができる。
【0042】
上記摩擦部材9の材料は特に限定されず、適宜、摩擦抵抗の大きな材料を用いることができる。例えば、上記摩擦部材9の材料としては、ゴムまたは発泡剤等を用いることができる。上記構成であれば、基板3における羽根材1の固定面に対して垂直方向へ向かって固定対象が振動した場合でも、上記摩擦部材9によって振動を吸収することができる。また上記構成であれば、基板3における羽根材1の固定面に対して水平方向へ向かって固定対象に力が加わった場合でも、固定対象の移動を防止することができる。その結果、固定対象をより安定に基板3に固定することができる。
【0043】
上記摩擦部材9の形は特に限定されないが、ネジ8の頭部を受け入れるように凹形状であることが好ましい。つまり、上記凹形状の中にネジ8の頭部が配置されることが好ましい。上記構成であれば、ネジ8と固定対象とが直接接することが無くなるので、ネジ8によって固定対象を傷つけることを防止することができる。また、上記凹形状の中に、例えば固定対象の尖端部を配置するようにすれば、固定対象の先端部を固定部材2上に確実に配置することができる。その結果、より安定に固定対象を基板3に固定することができる。上記摩擦部材9の形状が凹形状である場合、例えば凹部の形状は、直径13mm、深さ4mmであり得る。この場合、約300mLのナス型フラスコを安定に固定することができる。また、上記凹部の形状は、直径55mm、深さ10mmであり得る。この場合、200mL以上のナス型フラスコを安定に固定することができる。なお、これらの具体的数値は単なる一例であって、当該数値に限定されない。
【0044】
上記羽根材1は、可撓性である。なお、本明細書において「可撓性」とは、撓めることが可能な性質が意図される。更に具体的には、外力が加わらない状態では形が略平面に維持され、外力が加えられることによって形が任意の形に変化し、当該外力を加えることをやめれば形が元の略平面に戻るという性質が意図される。
【0045】
上記羽根材1の材料は、可撓性を示す材料であればよく特に限定されないが、例えば、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニル、または銅、鉄またはアルミニウムなどに代表される各種金属であることが好ましい。上記構成によれば、上記羽根材1に外力が加わらないときには、羽根材1は元々の形(例えば平面)に戻ろうとする。それ故、固定対象が固定されていないときには、羽根材1を基板3に対して平面状に収納することができる。さらに、上記構成によれば、上記羽根材1は外力が加えられることによって任意の形に変化することができる。それ故、固定対象が固定されているときには、羽根材1によって、固定対象の輪郭に沿った形の固定領域を形成することができる。さらに、上記構成であれば、上記羽根材1は適度な強度を有しているので、基板3とともに固定対象を振とうした場合でも、基板3に対して固定対象を安定に固定することができる。なお、本実施の形態の固定装置では、上記外力は、後述する収束部材6によって羽根材1に加えられる。
【0046】
また、羽根材1に各種金属を用いれば、一般的に、羽根材1に外力が加わらないときに羽根材1が元々の形(例えば平面)に戻ろうとする傾向が強くなるので、羽根材1をより基板と一体化した状態で収納することができる。さらに、このとき基板中または基板上に磁石を設けておけば、羽根材1を基板に対して引き寄せることができるので、羽根材1をより基板と一体化した状態で収納することができる。
【0047】
上記羽根材1は、1枚の材料からなるものであってもよいし、複数の材料を重ね合わせてなるものであってもよい。羽根材1が複数の材料を重ね合わせてなるものである場合には、複数の同じ材料を重ね合わせることによって1枚の羽根材1を形成することも可能であり、あるいは、異なる材料を重ね合わせることによって1枚の羽根材1を形成することも可能である。例えば、アクリルからなる板と銅からなる板とを貼り合わせることによって、1枚の羽根材1を形成することができる。上記構成によれば、羽根材1の性質(可撓性)を、容易に調節することができる。
【0048】
上記羽根材1の形は特に限定されず、適宜固定対象の形および大きさに、ならびに羽根材1の材料に応じて設定することができる。例えば、上記羽根材1の形としては、短冊状であること、が好ましい。
羽根材1の形が短冊状であれば、様々な形および大きさを有する固定対象を基板3に固定することができる。
【0049】
この場合、短冊状である羽根材1の縦方向(長手方向)、横方向(短手方向)および厚さ方向への長さは特に限定されず適宜設定することができる。
【0050】
例えば、羽根材1の縦方向および横方向への長さは、固定対象の形および大きさに応じて適宜設定することができる。例えば、羽根材1の縦方向の長さは、主として固定対象の大きさに基づいて設定すればよい。つまり、固定対象の大きさが多様である場合には、羽根材1の縦方向の長さを長くすればよい。これによって、小さな固定対象から大きな固定対象まで、様々な大きさを有する固定対象を安定に基板3に固定することができる。また、羽根材1の横方向の長さは、主として固定対象の形に基づいて設定すればよい。例えば、固定対象の形状が複雑である場合には、横方向の長さを短くすればよい。これによって、より複雑な形の固定対象の輪郭に沿って羽根材1を曲げることができる。なお、この場合には、羽根材1の数を増すことによって、羽根材1と固定対象とが接する領域の総面積を増加させることができる。そして、それによって、固定対象を基板3に安定に固定することができる。
【0051】
また、羽根材1の厚さは、主として固定対象の形状に応じて適宜設定することができる。羽根材1の厚さは、羽根材1の縦方向および横方向への長さを考慮した上で、さらに、羽根材1が固定対象の輪郭に沿って曲がり易いように適宜設定すればよい。例えば、羽根材1の材料としてアクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニルおよび金属からなる群より選択される少なくとも1つを用いる場合には、羽板材1の厚さ(複数の材料を重ね合わせる場合は、重ね合わせられる複数の材料の厚さの合計)は、0.5mm〜2mmであることが好ましい。さらに、より好ましくは、羽根材1の厚さは2mmである。上記構成によれば、羽根材1に外力が加わらない状態では、羽根材1の形が略平面に維持され、羽根材1に外力が加えられることによって、羽根材1の形が任意の形に変化し、さらに当該外力を加えることをやめれば羽根材1の形が元の略平面に戻ることができる。更に、上記構成であれば、羽根材1は適度な強度を有しているので、基板3が横方向に振とうされた場合でも、羽根材1によって固定対象を安定に基板上に固定することができる。
【0052】
また、図1(a)に示すように、本実施の形態の固定装置では2枚の羽根材1が基板3に固定されているが、羽根材1の数は特に限定するものではない。例えば、2枚、3枚、4枚など、必要に応じて適宜設定すればよい。固定対象の形が複雑である場合には、上記羽根材1の数は、多いほど好ましい。上記羽根材1の数が多ければ、複雑な形を有する固定対象を安定に基板3に固定することができる。
【0053】
また、固定対象を基板3に固定する場合には、羽根材1の全てを用いる必要はない。つまり、基板3に固定されている複数の羽根材1のうち、必要な枚数の羽根材1を用いて固定対象を基板3に固定すればよい。例えば、4枚の羽根材1が1つの固定部材2によって基板3に固定されている場合、固定対象の形に応じて、上記4枚の羽根材1のうち、4枚、3枚、2枚または1枚の羽根材1を用いて固定対象を基板3に固定すればよい。上記構成によれば、多様な形および大きさを有する固定対象を安定に基板3に固定することができる。
【0054】
また、本実施の形態の固定装置では、上記羽根材1には、上記収束部材6を固定するための複数の凹凸領域または貫通孔が形成されていることが好ましい。さらに本実施の形態の固定装置では、上記複数の凹凸領域または貫通孔は、上記羽根材1の両末端領域にて、縦方向(長手方向)に沿って複数形成されていることが好ましい。上記複数の凹凸領域または貫通孔と、当該凹凸領域または貫通孔に固定される収束部材6とによって、複数の羽根材1の少なくとも一端を束ねることができる。
【0055】
上記収束部材6は、当該収束部材6が上記凹凸領域または貫通孔に固定されることによって羽根材1の末端領域を束ねることができるものであればよく、特に限定されない。例えば、上記収束部材6の材料としては、ゴムまたはバネであることが好ましい。また、上記収束部材6の形としては、リング状であることが好ましい。上記構成であれば、複数の羽根材1の少なくとも一端を束ねることができる。
【0056】
また、収束部材6は、輪形状の結束バンドであって、上記輪形状の大きさを適宜調節し得る結束バンドであってもよい。上記構成であれば、羽根材1に加える外力の大きさを適宜調節することができるとともに、複数の羽根材1の少なくとも一端を束ねることができる。その結果、固定対象を安定に基板上に固定することができる。
【0057】
上記凹凸領域の形は上記収束部材6を固定することができるものであればよく、特に限定されない。例えば、図3(a)〜図3(d)に、本実施の形態の固定装置にて、羽根材に形成される凹凸領域の一例を示す。
【0058】
例えば、図3(a)に示すように、羽根材1に凹形状を形成することによって、凹凸領域5を形成することができる。また、図3(b)に示すように、羽根材1に凸形状を形成することによって、凹凸領域5を形成することができる。また、図3(c)に示すように、羽根材1の面であって、固定対象と接する面とは反対側の面の上に凹形状を形成することによって、凹凸領域5を形成することができる。また、図3(d)に示すように、羽根材1の面であって、固定対象と接する面とは反対側の面の上に凸形状を形成することによって、凹凸領域5を形成することができる。そして、上記凹凸領域5に収束部材6を固定すれば、当該収束部材6が固定された羽根材1の末端領域を束ねることができる。
【0059】
また、図3(a)および図3(b)では、上記凹凸領域5は略正方形の形にて形成されているが、略正方形の形に限定されない。例えば、上記凹凸領域5の形は、円形または三角形であってもよい。
【0060】
また、図3(c)および図3(d)では、上記凹凸領域5は、羽根材1の2辺に渡るように形成されているが、これに限定されない。例えば、上記凹凸領域5は、図3(c)または図3(d)に示されている凹凸領域5の一部であり得る。
【0061】
また、図3(e)に示すように、凹凸領域5の代わりに貫通孔15を設けることも可能である。この場合、収束部材6は複数の貫通孔15を通過するように設けられている。そして、収束部材6によって、羽根材1の末端領域を束ねることができる。
【0062】
また、図3(a)〜図3(e)に示すように、羽根材1と凹凸領域5、または羽根材1と貫通孔15とは、一体化して形成され得る。つまり、図3(a)〜図3(e)に示す形の羽根材1は、一枚の材料から切り出すことによって形成することができる。なお、本実施の形態の固定装置では、上記凹凸領域5は羽根材1と同じ材料にて形成されているが、羽根材1と異なる材料によって形成されていてもよい。
【0063】
また、3(a)〜図3(d)では、羽根材1の一端にそれぞれ3つの凹凸領域5が形成されているが、羽根材1に形成される凹凸領域5の数は特に限定されない。また、図3(e)では、羽根材1の一端にそれぞれ3つの貫通孔15が形成されているが、羽根材1に形成される貫通孔15の数は特に限定されない。羽根材1に形成される凹凸領域5または貫通孔15の数が多いほど、より多様な形および大きさを有する固定対象を基板3に固定することができる。その理由を、以下に説明する。なお、以下の説明では凹凸領域5を例にして説明するが、貫通孔15の場合にも同様の理由によって、より多様な形および大きさを有する固定対象を基板3に固定することができる。
【0064】
図4(a)には、小さな固定対象10を固定した本実施の形態の固定装置の断面図が示されており、図4(b)には大きな固定対象10を固定した本実施の形態素固定装置の断面図が示されている。
【0065】
図4(a)に示すように、本実施の形態の固定装置によって小さな固定対象10を固定すれば、羽根材1の末端の多くの領域が固定対象10と接すること無く存在する。このとき、図4(a)に示すように、固定対象10の開口部11に近い位置に存在する凹凸領域5に収束部材6を固定すれば、より安定に固定対象10を基板3に固定することができる。
【0066】
一方、図4(b)に示すように、本実施の形態の固定装置によって大きな固定対象10を固定すれば、羽根材1の末端の僅かな領域が固定対象10と接すること無く存在する。このとき、図4(b)に示すように、固定対象10の開口部11に近い位置に存在する凹凸領域5に収束部材6を固定すれば、より安定に固定対象10を基板3に固定することができる。
【0067】
つまり、固定対象10の形および大きさによって開口部11の位置が異なる。したがって、本実施の形態の固定装置のように複数の凹凸領域5を有していれば、開口部11に近い凹凸領域5を選択して、当該凹凸領域5に収束部材6を固定することができる。そして、その結果、より安定に、固定対象10を基板3に固定することができる。
【0068】
〔実施の形態2〕
以下に、本願発明の固定装置の別の実施形態について説明する。なお、実施の形態1と同じ構成については、ここでは説明を省略する。
【0069】
本実施の形態の固定装置では、複数の羽根材の各々が、互いが交差することなく、別々の固定部材によって基板に固定されている。
【0070】
図5(a)は、固定対象が固定されていない場合の本実施の形態の固定装置の模式図であり、図5(b)は、固定対象が固定されている場合の本実施の形態の固定装置の断面図である。
【0071】
本実施の形態の固定装置では、図5(a)に示すように、基板3上には4枚の羽根材1が配置されている。上記羽根材1は、互いに交差することなく配置されている。そして、上記4枚の羽根材1は、別々の固定部材2(固定手段)によって基板3に固定されている。図5(a)にも示すように、本実施の形態の固定装置は、固定対象が固定されていないときには、複数の羽根材1は基板3に対して平面状に収納されている。なお、羽根材1が収納されている状態は略平面状であればよい。つまり、羽根材1が収納されている状態は、当該状態において羽根材1上に多様な形および大きさを有する固定対象を安定に置くことができる程度の平面であればよく、基板3に対して羽根材1が若干の角度を有するように羽根材1が設けられていてもよい。
【0072】
次いで、図5(b)に示すように、本実施の形態の固定装置では、上記羽根材1上に固定対象10が固定されるときに、羽根材1が固定対象10の輪郭に沿って折り曲げられる。このとき、羽根材1によって形成される、固定対象10の形と略同一の形を有する空間が固定領域であって、当該固定領域中に固定対象10が固定されている。
【0073】
また、固定領域中に固定対象が固定されている間、固定領域の形を維持するためには、固定対象10の輪郭に沿って折り曲げられた羽根材1の形を維持する必要がある。そこで、本実施の形態の固定装置では、収束部材6(収束手段)によって各羽根材1の一端が束ねられている。上記収束部材6によって、羽根材1が平面状の形に戻ることを防止することができるとともに、羽根材1を固定対象10の輪郭に沿って折り曲げることができる。
【0074】
本実施の形態の固定装置では、例えば図5(a)および図5(b)に示すように、複数の固定部材2が用いられている。そして、図5(a)および図5(b)からも明らかなように、上記複数の固定部材2を結んで規定される平面(例えば、図5(a)では四角形)は、固定対象10を固定した場合でも、平面として維持される。換言すれば、上記複数の固定部材2を結んで規定される平面は、羽根材1を変形させたときにも変形することなく、平面として維持される。したがって、固定対象10の輪郭に平面が含まれている場合(例えば、固定対象10として三角フラスコなどを用いる場合)には、固定対象10の輪郭に含まれるの平面と、複数の固定材料2を結んで規定される平面とが面するように固定対象10を配置すれば、当該固定対象10を、より安定に基板3に固定することができる。以下に、各構成について更に詳細に説明する。
【0075】
上記羽根材1は、可撓性である。上記羽根材1の材料は、可撓性を示す材料であればよく特に限定されないが、例えば、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニルまたは銅などに代表される各種金属であることが好ましい。上記構成によれば、上記羽根材1に外力が加わらないときには、羽根材1は元々の形(例えば平面)に戻ろうとする。それ故、固定対象が固定されていないときには、羽根材1を基板3に対して平面状に収納することができる。さらに、上記構成によれば、上記羽根材1は外力が加えられることによって任意の形に変化することができる。それ故、固定対象が固定されているときには、羽根材1によって、固定対象の輪郭に沿った形の固定領域を形成することができる。さらに、上記構成であれば、上記羽根材1は適度な強度を有しているので、基板3とともに固定対象を振とうした場合でも、基板3に対して固定対象を安定に固定することができる。
【0076】
上記羽根材1は、1枚の材料からなるものであってもよいし、複数の材料を重ね合わせてなるものであってもよい。さらに、羽根材1が複数の材料を重ね合わせてなるものである場合には、複数の同じ材料を重ね合わせることによって1枚の羽根材1を形成することも可能であり、あるいは、異なる材料を重ね合わせることによって1枚の羽根材1を形成することも可能である。例えば、アクリルからなる板と銅からなる板とを貼り合わせることによって、1枚の羽根材1を形成することができる。上記構成によれば、羽根材1の性質を、容易に調節することができる。
【0077】
上記羽根材1の形は特に限定されず、適宜固定対象の形および大きさに、ならびに羽根材1の材料に応じて設定することができる。なお、上記羽根材1の形状は、実施の形態1に基づいて設定することができる。つまり、実施の形態2に記載の羽根材1は、実施の形態1に記載の羽根材1の半分の形状に相当する。このことは、後述する図6(a)〜図6(e)からも理解できる。したがって、上記羽根材1の形状については実施の形態1に詳細に記載されているので、ここでは説明を省略する。
【0078】
また、図5(a)に示すように、本実施の形態の固定装置では4枚の羽根材1が基板3に固定されているが、羽根材1の数は特に限定するものではない。例えば、2枚、3枚、4枚、5枚または6枚など、必要に応じて適宜設定すればよい。固定対象の形が複雑である場合には、上記羽根材1の数は、多いほど好ましい。上記羽根材1の数が多ければ、複雑な形を有する固定対象を安定に基板3に固定することができる。
【0079】
また、固定対象を基板3に固定する場合には、羽根材1の全てを用いる必要はない。つまり、基板3に固定されている複数の羽根材1のうち、必要な枚数の羽根材1を用いて固定対象を基板3に固定すればよい。例えば、6枚の羽根材1が別々の固定部材2によって基板3に固定されている場合、固定対象の形に応じて、上記6枚の羽根材1のうち、6枚、5枚、4枚、3枚または2枚の羽根材1を用いて固定対象を基板3に固定すればよい。上記構成によれば、多様な形および大きさを有する固定対象を安定に基板3に固定することができる。
【0080】
また、本実施の形態の固定装置では、上記羽根材1には、上記収束部材6を固定するための複数の凹凸領域または貫通孔が形成されていることが好ましい。さらに本実施の形態の固定装置では、上記複数の凹凸領域または貫通孔は、上記羽根材1の一端にて、縦方向(長手方向)に沿って複数形成されていることが好ましい。上記複数の凹凸領域と当該凹凸領域に固定される収束部材6、または上記複数の貫通孔と当該貫通孔に固定される収束部材6とによって、複数の羽根材1の一端を束ねることができる。
【0081】
上記凹凸領域の形は上記収束部材6を固定することができるものであればよく、特に限定されない。例えば、図6(a)〜図6(d)に、本実施の形態の固定装置にて、羽根材に形成される凹凸領域の一例を示す。
【0082】
例えば、図6(a)に示すように、羽根材1の一端に凹形状を形成することによって、凹凸領域5を形成することができる。また、図6(b)に示すように、羽根材1の一端に凸形状を形成することによって、凹凸領域5を形成することができる。また、図6(c)に示すように、羽根材1の面であって、固定対象と接する面とは反対側の面の上であり、かつ羽根材1の一端に凹形状を形成することによって、凹凸領域5を形成することができる。また、図6(d)に示すように、羽根材1の面であって、固定対象と接する面とは反対側の面の上であり、かつ羽根材1の一端に凸形状を形成することによって、凹凸領域5を形成することができる。そして、上記凹凸領域5に収束部材6を固定すれば、当該収束部材6が固定された羽根材1の末端領域を束ねることができる。なお、上記羽根材1の別の一端は、固定部材2によって基板3に固定されている。したがって、上記羽根材1の別の一端には、凹凸領域を形成する必要はない。
【0083】
また、図6(a)および図6(b)では、上記凹凸領域5は略正方形の形にて形成されているが、略正方形の形に限定されない。例えば、上記凹凸領域5の形は、円形または三角形であってもよい。
【0084】
また、図6(c)および図6(d)では、上記凹凸領域5は、羽根材1の2辺に渡るように形成されているが、これに限定されない。例えば、上記凹凸領域5は、図6(c)または図6(d)に示されている凹凸領域5の一部であり得る。
【0085】
また、図3(e)に示すように、凹凸領域5の代わりに貫通孔15を設けることも可能である。この場合、収束部材6は複数の貫通孔15を通過するように設けられている。そして、収束部材6によって、羽根材1の末端領域を束ねることができる。
【0086】
図6(a)〜図6(e)に示すように、羽根材1と凹凸領域5、または羽根材1と貫通孔15とは、一体化して形成され得る。つまり、図6(a)〜図6(e)に示す形の羽根材1は、一枚の材料から切り出すことによって形成することができる。なお、本実施の形態の固定装置では、上記凹凸領域5は羽根材1と同じ材料にて形成されているが、羽根材1と異なる材料によって形成されていてもよい。
【0087】
また、6(a)〜図6(d)では、羽根材1の一端に3つの凹凸領域5が形成されているが、羽根材1に形成される凹凸領域5の数は特に限定されない。また、図6(e)では、羽根材1の一端にそれぞれ3つの貫通孔15が形成されているが、羽根材1に形成される貫通孔15の数は特に限定されない。羽根材1に形成される凹凸領域5または貫通孔15の数が多いほど、より多様な形および大きさを有する固定対象を基板3に固定することができる。なお、上記凹凸領域5または貫通孔15の数が多いほど、より多様な形および大きさを有する固定対象を基板3に固定することができる理由に関しては実施の形態1にて説明したので、ここではその説明を省略する。
【0088】
なお本発明は、以上説示した各構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
以上のように、本発明では、平面状の羽根材の上に固定対象を設置し、その後で、上記羽根材を固定対象の輪郭に沿って曲げるので、多様な形および大きさを有する固定対象を基板に固定することが可能となる。そのため、本発明は培養装置や反応装置に代表される各種振とう装置やその部品を製造する分野に利用することができるだけでなく、さらには固定装置に関わる分野に広く応用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】(a)は、固定対象が固定されていない場合の、本発明の固定装置の実施の一形態を示す模式図であり、(b)は、固定対象が固定されている場合の、本発明の固定装置の実施の一形態を示す断面図である。
【図2】上記固定装置における固定部材を示す断面図である。
【図3】(a)〜(d)は、上記固定装置における羽根材に形成される凹凸領域の模式図であり、(e)は、上記固定装置における羽根材に形成される貫通孔の模式図である。
【図4】(a)は、小さな固定対象を固定した上記固定装置の断面図であり、(b)は、大きな固定対象を固定した上記固定装置の断面図である。
【図5】(a)は、固定対象が固定されていない場合の、本発明の固定装置の他の実施の形態を示す模式図であり、(b)は、固定対象が固定されている場合の、本発明の固定装置の他の実施の形態を示す断面図である。
【図6】(a)〜(d)は、上記固定装置における羽根材に形成される凹凸領域の模式図であり、(e)は、上記固定装置における羽根材に形成される貫通孔の模式図である。
【図7】従来のフラスコホルダーを示す斜視図である。
【符号の説明】
【0091】
1 羽根材
2 固定部材(固定手段)
3 基板
5 凹凸領域
6 収束部材(収束手段)
8 ネジ
9 摩擦部材
10 固定対象
11 開口部
15 貫通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板上に形成された複数の羽根材によって形成される固定領域中に、固定対象を固定する固定装置において、
前記羽根材は、可撓性であり、
前記固定対象が固定されていないときには、前記複数の羽根材は、前記基板に対して平面状に収納され、
前記固定対象が固定されているときには、前記複数の羽根材によって、前記固定対象の輪郭に沿った形の固定領域が形成されるとともに、収束手段によって前記羽根材の少なくとも一端が束ねられていることを特徴とする固定装置。
【請求項2】
前記複数の羽根材は、中央部を交差させた状態で、同一の固定手段によって前記基板に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の固定装置。
【請求項3】
前記複数の羽根材の各々は、互いが交差することなく、別々の固定手段によって基板に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の固定装置。
【請求項4】
前記固定手段は、前記固定対象と接する面の摩擦抵抗が大きいことを特徴とする請求項2または3に記載の固定装置。
【請求項5】
前記羽根材には、前記収束手段を固定するための複数の凹凸領域または貫通孔が形成されていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の固定装置。
【請求項6】
前記羽根材は、アクリル、ポリプロピレン、ポリエチレン、塩化ビニルおよび金属からなる群より選択される少なくとも1つからなることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の固定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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