説明

固形描画材

【目的】 本発明の目的は、曲げ強度が強く、かつ筆記摩耗性が良好で濃い筆跡が得られる、テトラポット状粒子を配合した固形描画材を提供することにある。
【構成】 テトラポット状粒子を配合した固形描画材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、クレヨン、パステル、チョーク、固形修正具、焼成又は非焼成の鉛筆芯など、描画対象物に擦られる事によって自己が摩耗して描画対象物に着色材を付着させて描画跡を形成する固形描画材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般にクレヨン、パステル、固形修正具、色鉛筆芯などの固形描画材は、有機系顔料、無機系顔料などの着色材と、粘土、ベントナイト、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン樹脂などの結合材と、タルク、マイカ、炭酸カルシウム等の体質材と、カルナバワックス、ポリエチレンワックスなどの摩耗性付与材とを混練し、必要に応じて水、メチルエチルケトン(MEK)等の溶剤を加えたものを成形して得られている。
【0003】
このような固形描画材は、固形描画材自身が紙面に対して摩耗により付着もしくは定着させて発色させるもので、一般的に固形描画材からより多く着色成分を摩耗させて紙面に供給摺れば濃く良好な発色が得られるが、摩耗を促進させようとする事は、そのままでは成形品としての強度(曲げ強度)も弱くなるという問題を抱えるものであった。
この問題を解決するために、特許文献1には曲げ強度を向上させる目的でチタン酸カリウムの繊維状物を配合した非焼成鉛筆芯が、特許文献2には表面に着色剤を固着させた炭酸カルシウムの繊維状物を配合した非焼成鉛筆芯が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特公昭62−3189号公報
【特許文献2】特開平9−176553号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の発明のように、繊維状物を配合した固形描画材は、一定の曲げ強度は向上するものの、配合された繊維が摩耗性が低下するために、融点や同摩擦係数の低いワックスを使用して滑らかな運筆性を備えても、着色成分が紙面に提供されにくいので発色性が低下してしまう。つまり、強度が向上すれば濃度が低下するという逆相関関係を改善することができていないのが現状である。
【0006】
また、特許文献2に記載の発明のように、表面に着色剤を固着させた炭酸カルシウムの繊維状物を配合した非焼成鉛筆芯においては、その他配合物との濡れ性が高まることによって、たしかに曲げ強度を向上させつつ発色性が維持されるものの、さらなる強度および発色性の向上が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、テトラポット状粒子を配合した固形描画材を要旨とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係わる固形描画材は、正四面体の中心から4頂点方向に突起が延びた形状の粒子すなわちテトラポット型の形状を有する粒子(以下テトラポット状粒子)を配合することにより、曲げ強度が強く、摩耗性が良好なものとなる。
それは、固形描画材にテトラポット状粒子を配合することにより、固形描画材中に三次元立体的な構造骨格を形成するため曲げ強度が強く、筆記摩耗時にはテトラポット状粒子がその他配合物を巻き込むように剥離するため摩耗性が良好で濃い筆跡が得られるからである。
【0009】
さらに、テトラポット状粒子を固形描画材全量に対して0.1重量%以上配合することによって、テトラポット状粒子同士の粒子間距離が短く、密な状態となり、構造骨格を形成しやすいため、より強い曲げ強度が得られる。添加量を増加させて配合量を40重量%より多くしても、テトラポット状粒子が固形描画材中で最密に充填されており、それ以上の曲げ強度の向上は望めない。
【0010】
上記テトラポット状粒子表面を、炭素数1〜20の直鎖型あるいは分岐型のフルオロアルキル基(炭素原子間の間に酸素原子が挿入されていてもよい)を有する有機化合物で被覆させた場合には、フルオロアルキル基とその他配合物との親和性が低いことから生じる反発力によって複数のテトラポット状粒子の針状部の先端付近同士が押し付けられて接着し、より強い構造骨格を形成することができ、曲げ強度が強い。この時、炭素数が21以上となると、テトラポット状粒子の針状部同士が接する点の反発力が増大するため、炭素数が1〜20の時に最も強い曲げ強度が得られる。また、同様にテトラポット状粒子表面のフルオロアルキル基とその他配合物との親和性の低さから、筆記摩耗時にはテトラポット状粒子がその他配合物から剥離しやすいので、摩耗性が良好となり濃い筆跡が得られる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明で使用されるテトラポット状粒子は、固形描画材の曲げ強度および摩耗性を向上させるものであって、正四面体の中心から4頂点方向に突起が延びた形状の粒子であり、具体例としては、酸化亜鉛よりなるパナテトラWZ−0501、同WZ−0501L、同WZ−0511L、同WZ−0511、同WZ−0531、同WZ−0541、同WZ−05E1、同WZ−05F1(以上、(株)アムテック製)が挙げられ、その添加量は0.1〜40重量%が好ましい。
【0012】
本発明で使用されるフルオロアルキル基を有する有機化合物は、上記テトラポット状粒子を被覆し、曲げ強度および摩耗性の向上に寄与するものであって、フルオロアルキル基は炭素数が1〜20の直鎖型あるいは分岐型であり、炭素原子の間に酸素原子が挿入されていてもよい。
一例を挙げると、フッ素系界面活性剤、フッ素樹脂、熱可塑性フッ素樹脂、フッ素系ポリマー、フッ素オイル、フッ素含有シランカップリング剤、フッ素含有芳香族化合物、有機溶剤、乳化剤、界面活性剤等を含有してなるフッ素樹脂塗料、合成樹脂溶液にフッ素樹脂を分散させた変性フッ素樹脂塗料、フッ素を含有しためっき液などが使用できる。具体的には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリフルオロビニール(PVF)、ポリフルオロビニリデン(PVdF)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)、o−フルオロニトロベンゼン、p−フルオロニトロベンゼン、o−フルオロアニリン、p−フルオロアニリン、o−フルオロベンゾニトリル、2,6−ジフルオロベンゾニトリル、2,4−ジフルオロアニリン、3−クロロ4−フルオロアニリン、p−フルオロベンゾニトリル、o−フルオロベンゾイックアシッド、p−フルオロベンゾイックアシッド、o−フルオロフェノール、p−フルオロフェノール、フルオロベンゼン、o−ジフルオロベンゼン、m−ジフルオロベンゼン、p−ジフルオロベンゼン、トリフルオロエタノール、アクリル酸トリフルオロエチル、メタクリル酸トリフルオロエチル、N−(n−プロピル)−N−(β−アクリロキシエチル)−パーフルオロオクチルスルホン酸アミド、N−(n−プロピル)−N−(β−メタクリロキシエチル)−パーフルオロオクチルスルホン酸アミド、パーフルオロオクタンスルホン酸、パーフルオロテトラコサン、パーフルオロペンタデカン、パーフルオロカプリル酸、N−N−プロピル−N−パーフルオロ−オクタンスルホン酸アミド−エタノール、3−(2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−1,2−ジヒドロキシプロパン、N−n−プロピル−N−2,3−ジヒドロキシプロピルパーフルオロオクチルスルホンアミド、3−(2−パーフルオロヘキシル)エトキシ−1,2−エポキシプロパン、N−n−プロピル−n−2,3−エポキシプロピルパーフルオロオクチルスルホンアミド、パーフルオロヘキシルエチレン、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]パーフルオロヘプチルカルボン酸アミド、N−[3−(トリメトキシシリル)プロピル]−N−n−プロピルパーフルオロオクチルスルホンアミド、パーフルオロポリエーテル、ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロヒドロキシエチル、ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロエチルPEGリン酸、ポリパーフルオロエトキシメトキシジフルオロメチルジステアラミド、パーフルオロブチルスルホン酸塩、パーフルオロアルキル基含有カルボン酸塩、パーフルオロアルキル基含有リン酸エステル、パーフルオロアルキル基含有リン酸エステル型配合物、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基・親水性基・親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基・親油性基含有オリゴマー、ヘキサフルオロプロペンオリゴマー、ヘキサフルオロプロペントリマー、α−ペルフルオロノネニルオキシ−ω−メチルポリエチレンオキシド、ヨウ化フルオロアルキルトリメチルアンモニウム、フルオロアルキルベタイン、ペルフルオロアルキルスルホン酸ナトリウム塩、ハイドロフルオロエーテル、ハイドロフルオロエーテル共沸様混合物、ペルフルオロオクタンスルホン酸、ペルフルオロオクタンスルホン酸カリウム、ペルフルオロオクタンスルホン酸ナトリウム、ペルフルオロオクタンスルホン酸アンモニウム、ペルフルオロオクタンスルホン酸リチウム、N−プロピル−N−ペルフルオロオクチルスルホニルグリシンカリウム塩、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)ペルフルオロオクタンスルホンアミド、N−ポリ(n=20)オキシエチレン−N−プロピルペルフルオロオクタンスルホンアミド、N−ポリ(n=10)オキシエチレン−N−プロピルペルフルオロオクタンスルホンアミド、N−ポリ(n=3)オキシエチレン−N−プロピルペルフルオロオクタンスルホンアミド、リン酸ビス[2−(N−プロピルペルフルオロオクチルスルホニルアミノ)エチル]エステル、リン酸ビス[2−(N−プロピルペルフルオロオクチルスルホニルアミノ)エチル]アンモニウム塩、N−プロピル−N−(β−アクリロキシエチル)ペルフルオロオクタンスルホンアミド、N−[3−(ペルフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]−N,N,N−トリメチルアンモニウム=ヨージド、ペルフルオロカプリル酸、ペルフルオロオクタン酸アンモニウム、ハイドロカーボンアクリレート−ベルフルオロカーボンアクリレートコポリマー、ハイドロカーボンアクリレート−ベルフルオロカーボンアクリレートコポリマー、ハイドロカーボンアクリレート−ベルフルオロカーボンアクリレートコポリマー、ハイドロカーボンアクリレート−ベルフルオロカーボンアクリレートコポリマーなどが使用できる。商品の具体例としては、メガファックF−114、同F−410、同F−493、同F−494、同F−443、同F−430、同F−552,同F−553,同F−554、同F−555、同R−94、同RS−72−K、同RS−75、同TF−2066、同TF−1366、同TF−1367、同TF−1437、同TF−1535、同TF−1537、同F−444、同F−445、同F−470、同F−471、同R−08、同F−472SF、同F−474、同F−475、同R−30、同F−477、同F−479、同F−480SF、同F−482、同F−483、同F−489、同F−172D、同F−178K、同F−178RM、同MCF−350SF、同R−61、同R−90、ディックガードF−52S、同F−90、同F−90N、同FS90M、同F−327TK、同NH−10、同NH−15、アクアフランTE−5A(以上、DIC(株)製)、フタージェント100、同100C、同110、同150、同A−K、同501、同250、同251、同222F、同208G、同300、同310、同400SW、同215M、同730FM、FTX−245M、FTX−207S、FTX−211S、FTX−220S、FTX−209F、FTX−213F、FTX−233F、FTX−218G、FTX−230G(以上、株式会社ネオス製)、ノベックHFE7100、同HFE7200、同HFE7300、同HFE7600、同HFE71IPA、同EGC−1700、同EGC−1720、同FC−4430、同FC−4432、ダイニオンTF9201、同TF9205、同TF9207、同TFM1600、同TFM1700、同THV220G、同THV415G、同THV500G、同THV610G、同THVX815G、同THV220A、同PFAX6502UHP、同6505UHP、同6515UHP、同PFA6502N、同PFA6515N、同PFA6525N(以上、住友スリーエム(株)製)、エフトップEF−101、同EF−102、同EF−103、同EF−104、同EF−105、同EF−112、同EF−121、同EF−122A、同EF−122B、同EF−122C、同EF−122A3、同EF−123A、同EF−123B、同EF−125DS、同EF−125M、同EF−132、同EF−201、同EF−204、同EF−301、同EF−303、同EF−305、同EF−306A、同EF−351、同EF−352、同EF−501、同EF−700、同EF−801、同EF−802、同EF−1200(以上、株式会社ジェムコ製)、マーベルコートRFH−01、同RFH−02、同RFH−10、同RFH−10R、同RFH−10P、同RFH−05X(以上、菱江化学(株)製)、フロロサーフFS−1060、同FS−1040、同FG−5010、同FG−5040、同FS6010、同FS6130、同FS−2010、同FG−4010(以上、株式会社フロロテクノロジー製)、ゾニール、ゾニールFSシリーズ、フォラパール(以上、デュポン(株)製)、ユニダインTG−470B、同581、同571G、同580、同991、同992、同993、同656(以上、ダイキン工業(株)製)、スミフルロンFP−86(以上、サカタインクスエンジニアリング(株)製)、TKガード285E、TKガード208、キャタライザーP(以上、高松油脂(株)製)、バリエルタJFLUID、バリエルタJVの各シリーズ(以上、NOK(株)製)、FOMBLIN−HC/04、FOMBLIN−HC/25、FOMBLIN−HC/R、FOMBLIN−HC/OH−1000、FOMBLIN−HC/P2−1000、FOMBLIN−HC/SA−18(日光ケミカルズ(株)製)、アサヒアシッド、アサヒアシッドS、アサヒアシッドM−6、ニムフロン、ニムフロンFRS、ニムフロンT、メタフロンFW、メタフロンFS、メタフロンSFL(以上、上村工業(株)製)などが使用できる。
【0013】
上記例示した有機化合物をテトラポット状粒子表面に被覆させる方法としては、従来公知の手法を用いることが出来る。例えば溶剤中に溶解させ、その分散液中にテトラポット状粒子を浸漬して攪拌しながら溶液を加熱蒸発させ徐々に有機化合物をテトラポット状粒子表面に定着させる湿式法や、テトラポット状粒子を気相拡散させている容器内に入れ、前記有機化合物が揮発性有機溶剤で溶解した分散液をスプレー状に噴霧しながら表面に被覆させる乾式法、あるいは耐圧容器内にテトラポット状粒子と前記有機化合物を入れ、超臨界二酸化炭素を注入し、前記有機化合物を溶解させ、テトラポット状粒子と充分に混和した後に圧力を下げながら前記有機化合物を徐々にテトラポット状粒子表面に定着させる方法などの手段がある。
【0014】
本発明で使用する固形描画材の材料としては、テトラポット状粒子の他に、賦形させるための樹脂などの結合剤、タルク、マイカ等の体質剤、着色剤などと紙面に塗布するための各種ワックス、ステアリン酸などの油脂類を配合し使用することができる。
【0015】
賦形させるための樹脂などの結合剤としては、具体的には、硝化綿、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン、ポリスチレンブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリ塩化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、アクリル−スチレン樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルセルロース、酢酸セルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、マレイン酸重合物、ポリエステルポリオール樹脂、ポリエステルポリエーテル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を併用しても構わない。その使用料は種類によって大きく異なるが、描画性を考慮すれば固形描画材全量に対して5〜20重量%が好ましい。
【0016】
必要に応じて増量剤若しくは充填剤として、タルク、マイカ、アルミナ、窒化ホウ素、カオリンクレー、ベントナイト、Nε−ラウロイルリジン、N−ラウロイル−β−アラニンの各種金属塩などを任意に使用でき、これらは単独で用いても、2種以上を併用しても構わない。また、本発明の効果を損なわない範囲であるならば、従来公知の体質顔料の黒鉛、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、板状アルミナ水和物や繊維状物としてチタン酸カリウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、二酸化チタンウィスカー、硫酸マグネシウムウィスカー、硫酸カルシウムウィスカー、硫酸アルミニウムウィスカー等を併用しても何ら差し支えない。その使用量は種類によって大きく異なるが、描画性を考慮すれば固形描画材全量に対して1〜30重量%が好ましい。
【0017】
使用する顔料は着色剤として使用するものであって、天然系、合成系各種染料や無機系、有機系各種顔料を任意に使用することができる。染料としては、ジャパノールファストブラックDコンク(C.I.ダイレクトブラック17)、ウォーターブラック100L(同19)、ウォーターブラック200−L(同19)、ウォーターブラック♯7(同19)、カヤセットブラックW9(同19)、ダイレクトファストブラックB(同22)、ダイレクトファストブラックAB(同32)、ダイレクトディープブラックEX(同38)、ダイレクトディープブラック(同38類似品)、ダイレクトファストブラックコンク(同51)、カヤラススプラグレイVGN(同71)、カヤクダイレクトブリリアントエローG(C.I.ダイレクトエロー)、ダイレクトファストエロー5GL(同26)、アイゼンプリムラエローGCLH(同44)、ダイレクトファストエローR(同50)、アイゼンダイレクトファストレッドFH(C.I.ダイレクトレッド1)、ニッポンファストスカーレットGSX(同4)、ダイレクトファストスカーレット4BS(同23)、アイゼンダイレクトデュリンBH(同31)、ダイレクトスカーレットB(同37)、カヤクダイレクトスカーレット3B(同39)、アイゼンプリムラビンコンク2BLH(同75)、スミライトレッドF3B(同80)、アイゼンプリムラレッド4BH(同81)、カヤラススプラルビンBL(同83)、カヤラスライトレッドF5G(同225)、カヤラスライトレッドF5B(同226)、カヤラスライトローズFR(同227)、ダイレクトスカイブルー6B(C.I.ダイレクトブルー1)、ダイレクトスカイブルー5B(同15)、ベンゾブリリアントスカイブルー8GS(同41)、スミライトスプラブルーBRRコンク(同71)、ダイボーゲンターコイズブルーS(同86)、ウォーターブルー♯3(同86)、カヤラスターコイズブルーGL(同86)、ダイワブルー215H(同87)、カヤラススプラルブルーFFRL(同108)、カヤラススプラルブルーFF2GL(同106)、カヤラススプラクターコイズブルーFBL(同199)等の直接染料やアシッドブルーブラック10B(C.I.アシッドブラック1)、ニグロシン(同2)、ウォーターブラックR455(同2)、ウォーターブラックR510(同2)、スミノールミリングブラック8BX(同24)、カヤノールミリングブラックVLG(同26)、カヤノールミリングブラックBRコンク(同31)、ミツイナイロンブラックGL(同52)、アイゼンオパールブラックWHエクストラコンク(同52)、スミランブラックWA(同52)、ラウニルブラックBGエクストラコンク(同107)、カヤノールミリングブラックTLB(同109)、スミノールミリングブラックB(同109)、カヤノールミリングブラックTLR(同110)、アイゼンオパールブラックニューコンク(同119)、ウォーターブラック187−L(同154)、アシッドイエロー♯10(C.I.アシッドエロー1)、カヤクアシッドブリリアントフラビンFF(同7:1)、カヤシルエローCG(同17)、キシレンライトエロー2G140%(同17)、スミノールレベリングエローNR(同19)、ウォーターイエロー♯1(同23)、ダイワダートラジン(同25)、カヤクタートラジン(同23)、スミノールファストエローR(同25)、ダイアシッドライトエロー2GP(同29)、スミノールミリングエロー0(同38)、スミノールミリングエローMR(同42)、ウォーターイエロー♯6(同42)、カヤノールエローNFG(同49)、スミノールミリングエロー3G(同72)、スミノールファストエローG(同61)、スミノールミリングエローG(同78)、カヤノールエローN5G(同110)、スミノールミリングエロー4G200%(同141)、カヤノールエローNG(同135)、カヤノールミリングエロー5GW(同127)、カヤノールミリングエロー6GW(同142)、スミトモファストスカーレットA(C.I.アシッドレッド8)、カヤクシルクスカーレット(同9)、ソーラールビンエクストラ(同14)、ダイワニューコクシン(同18)、ウオータースカーレット(同18)、ダイワ赤色102号(同18)、アイゼンボンソーRH(同26)、ダイワ赤色2号(同27)、スミノールレベリングブリリアントレッドS3B(同35)、カヤシルルビノール3GS(同37)、アイゼンエリスロシン(同51)、カヤクアシッドローダミンFB(同52)、ダイワ赤色106号(同52)、スミノールレベリングルビノール3GP(同57)、ダイアシッドアリザリンルビノールF3G200%(同82)、アリザリンルビノール5G(同83)、アイゼネオシンGH(同87)、ウオーターレッド♯2(同87)、ダイワ赤色103WB(同87)、ウオーターピンク♯2(同92)、アイゼンアシッドフロキシンPB(同92)、ダイワ赤色104号(同92)、ローズベンガル(同94)、カヤノールミリングスカーレットFGW(同111)、カヤノールミリングルビン3BW(同129)、スミノールミリングブリリアントレッド3BNコンク(同131)、スミノールミリングブリリアントレッドBS(同138)、アイゼンオパールピンクBH(同186)、スミノールミリングブリリアントレッドBコンク(同249)、カヤクアシッドブリリアントレッド3BL(同254)、カヤクアシッドブリリアントレッドBL(同265)、カヤノールミリングレッドGW(同276)、ミツイアシッドバイオレット6BN(同17)、ウォーターバイオレット♯1(同49)、インキバイオレットL10(同49)、スミトモパテントピュアブルーVX(C.I.アシッドブルー1)、ウォーターブルー♯106(同1)、パテントブルーAF(同7)、ウォーターブルー♯9(同9)、ダイワ青色1号(同9)、インキブルーL20(同9)、スプラノールブルーB(同15)、ウォーターブルー♯116(同15)、オリエントスルブルブルーOBX(同22)、スミノールレベリングブルー4GL(同23)、ミツイナイロンファストブルーG(同25)、カヤシルブルーAGG(同40)、カヤシルブルーBR(同41)、ミツイアリザリンサフィロールSE(同43)、スミノールレベリングスカイブルーRエクストラコンク(同62)、ミツイナイロンファストスカイブルーR(同78)、スミトモブリリアントインドシアニン6Bh/e(同83)、サンドランシアニンN−6B350%(同90)、ウォーターブルー♯105(同90)、オリエントソルブルブルーOBB(同93)、スプラノールシアニン7BF(同100)、スミトモブリリアントブルー5G(同103)、アシッドブルー(同103)、アシランブリリアントブルーFFR(同104)、カヤノールミリングウルトラスカイSE(同112)、カヤノールミリングシアニン5R(同113)、アイゼンオパールシアニン2GLH(同158)、ダイワギニアグリーンB(C.I.アシッドグリーン3)、アッシッドブリリアントミリンググリーン(同9)、ダイワグリーン♯70(同16)、カヤノールシアニングリーンG(同25)、スミノールミリンググリーンG(同27)、ウォーターオレンジ♯17(C.I.アシッドオレンジ56)等の酸性染料、ウオーターイエロー♯2(C.I.フードエロー3)、食品用黄色5号(C.I.フードエロー3)、食品用赤色3号(C.I.フードレッド14)、食品用青色2号(C.I.アシッドブルー74)、食品用緑色2号(C.I.アシッドグリーン5)等の食用染料、マラカイトグリーン(C.I.42000)、ビクトリアブルーFB(C.I.44045)、メチルバイオレットFN(C.I.42535)、ローダミンF4G(C.I.45160)、ローダミン6GCP(C.I.45160)等の塩基性染料が挙げられる。
【0018】
顔料としてはSpecialBlack6、同S170、同S610、同5、同4、同4A、同550、同35、同250、同100、Printex150T、同U、同V、同140U、同140V、同95、同90、同85、同80、同75、同55、同45、同P、同XE2、同L6、同L、同300、同30、同3、同35、同25、同200、同A、同G(以上、デグサ・ジャパン(株)製)、♯2400B、#2350、#2300、#2200B、#1000、#950、#850、#MCF88、MA600、MA100、MA7、MA11、#50、#52、#45、#44、#33、#32、#30、CF9、#20B、#4000B(以上、三菱化成(株)製)、MONARCH1300、同1100、同1000、同900、同880、同800、同700、MOGULL、REGAL400R、同660R、同500R、同330R、同300R、同99R、ELFTEX8、同12、BLACKPERALS2000(以上、米国、キャボットCo.LTD製)、Raven7000、同5750、同5250、同5000、同3500、同2000、同1500、同1255、同1250、同1200、同1170、同1060、同1040、同1035、同1020、同1000、同890H、同890、同850、同790、同780、同760、同500、同450、同430、同420、同410、同22、同16、同14、同825OilBeads、同H20、同C、Conductex975、同900、同SC(以上、コロンビヤン・カーボン日本(株)製)などのカーボンブラック、KA−10、同10P、同15、同20、同30、同35、同60、同80、同90、KR−310、同380、同460、同480(以上、チタン工業(株)製)、P25(日本アエロジル(株)製)などの酸化チタン、BS−605、同607(以上、東洋アルミ(株)製)、ブロンズパウダーP−555、同P−777(以上、中島金属箔工業(株)製)、ブロンズパウダー3L5、同3L7(以上、福田金属箔工業(株)製)などの金属粉顔料、また、黒色酸化鉄、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、群青、紺青、コバルトブルー、クロムグリーン、酸化クロム等の無機顔料、ハンザエロー−10G、同5G、同3G、同4、同GR、同A、ベンジジンエロー、パーマネントエローNCCG、タートラジンレーキ、キノリンエロー、スダーン1、パーマネントオレンジ、インダスレンブリリアントオレンジGN、パーマネントブラウンFG、パラブラウン、ファイヤーレッド、ブリリアントカーミン6B、ボルドー5B、チオインジゴレッド、ファストバイオレットB、ジオキサンバイオレット、アルカリブルーレーキ、フタロシアニンブルー、インジゴ、アシッドグリーンレーキ、フタロシアニングリーン等の有機顔料などが挙げられる。また、この他に硫化亜鉛、珪酸亜鉛、硫酸亜鉛カドミウム、硫化カルシウム、硫化ストロンチウム、タングステン酸カルシウム等の無機蛍光顔料が挙げられる。その使用量は種類によって大きく異なるが、発色並びに描画性を考慮すれば固形描画材全量に対して2〜10重量%が好ましい。
【0019】
塗布性能を向上させる為に使用するものとして、カルナバワックス、密ろう、木ろう等の天然系ワックス群、ポリエチレンワックス、モンタンワックス、パラフィンワックス、ジンクステアリルケトン、マイクロクリスタリンワックス等の合成系ワックス群、ステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等のステアリン酸各種金属塩や、必要に応じてフタル酸ジアリル、フタル酸ジメチル、ブチルフタリルブチルグリコレート、プロピレンカーボネートを使用することができ、その使用量は15〜30重量%が好ましい。
【0020】
本発明において、上記材料を固形描画材として成形するに際して、これら配合材料を任意に配合し、使用する結合剤の特性によっては水、メチルエチルケトン(MEK)、アルコール等の極性溶剤や、トルエン等の無極性溶剤を任意に使用しながら、ヘンシルミキサー、ボールミル、ロールミル等の攪拌、粉砕、分散機により混練を行い、クレヨンやパス等は加熱溶融しながら型入れした後、冷却し成形する方法が採用できる。更に、色鉛筆芯などの場合には、若干溶剤分を残存させた材料を縦型押し出し機用のシリンダーに装填し、油圧ピストンでシリンダー内材料を押し出し成形し、含まれる有機溶剤については乾燥機を利用して強制乾燥する等、既存の方法を採用することができる。
【実施例】
【0021】
実施例1
ニトロセルロース(結合材) 13重量%
テトラポット状粒子(パナテトラWZ−0501、平均粒径:2〜50μm、(株)アムテック製) 5重量%
ステアリン酸(滑材) 5重量%
モンタンワックス(ワックス) 6重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 3.5重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 17.5重量%
MEK(溶剤) 50重量%
上記材料を配合して、ヘンシルミキサーで分散後、3本ロールで混練およびさらなる分散を行い、溶剤分を調整しながら縦型押し出し機で成形後、残存溶剤分を完全に除くため80℃で8時間乾燥して、呼び径2.0mmの緑色の色鉛筆芯を得た。
【0022】
実施例2
ニトロセルロース(結合材) 14重量%
テトラポット状粒子(パナテトラWZ−0501、平均粒径:2〜50μm、(株)アムテック製) 0.5重量%
ステアリン酸(滑材) 6重量%
モンタンワックス(ワックス) 7重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 3.5重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 19重量%
MEK(溶剤) 50重量%
上記配合量で、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0023】
実施例3
ニトロセルロース(結合材) 9重量%
テトラポット状粒子(パナテトラWZ−0501、平均粒径:2〜50μm、(株)アムテック製) 30重量%
ステアリン酸(滑材) 3重量%
モンタンワックス(ワックス) 4重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 2重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 12重量%
MEK(溶剤) 40重量%
上記配合量で、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0024】
実施例4
ニトロセルロース(結合材) 14重量%
テトラポット状粒子(パナテトラWZ−0501、平均粒径:2〜50μm、(株)アムテック製) 0.05重量%
ステアリン酸(滑材) 6重量%
モンタンワックス(ワックス) 7重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 3.95重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 19重量%
MEK(溶剤) 50重量%
上記配合量で、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0025】
実施例5
ニトロセルロース(結合材) 8重量%
テトラポット状粒子(パナテトラWZ−0501、平均粒径:2〜50μm、(株)アムテック製) 45重量%
ステアリン酸(滑材) 3重量%
モンタンワックス(ワックス) 3重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 2重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 9重量%
MEK(溶剤) 30重量%
上記配合量で、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0026】
実施例6
ニトロセルロース(結合材) 14重量%
被覆テトラポット状粒子 0.5重量%
ステアリン酸(滑材) 6重量%
モンタンワックス(ワックス) 7重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 3.5重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 19重量%
MEK(溶剤) 50重量%
上記成分のうち、被覆テトラポット状粒子はパナテトラWZ−0501(平均粒径:2〜50μm、(株)アムテック製)20gと、フッ素系界面活性剤メガファックF−114(DIC(株)製、フルオロアルキル基の炭素数=4)0.1gとをヘンシェルミキサーをもちいて1000rpmで5分間混合し、予備混合粉とした。次に、窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置(TSC−WC−0096型、耐圧硝子工業(株)製)に、前記予備混合粉5gを充填した後、二酸化炭素ガス又は液化二酸化炭素を供給し、昇圧ポンプで昇圧した。窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置を温度50℃、圧力を20MPaに調節し、この条件下で30分保持した。その後、温度を35℃より下がらないようにしながら二酸化炭素を排気し、30分かけて減圧した。オートクレーブの内圧を大気圧まで減圧し、被覆粒子を得た。
上記配合量で、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0027】
実施例7
ニトロセルロース(結合材) 13重量%
被覆テトラポット状粒子 5重量%
ステアリン酸(滑材) 5重量%
モンタンワックス(ワックス) 6重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 3.5重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 17.5重量%
MEK(溶剤) 50重量%
上記成分のうち、被覆テトラポット状粒子を実施例6と同様の操作で得た。
上記配合量で、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0028】
実施例8
ニトロセルロース(結合材) 9重量%
被覆テトラポット状粒子 30重量%
ステアリン酸(滑材) 3重量%
モンタンワックス(ワックス) 4重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 2重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 12重量%
MEK(溶剤) 40重量%
上記成分のうち、被覆テトラポット状粒子を実施例6と同様の操作で得た。
上記配合量で、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0029】
実施例9
ニトロセルロース(結合材) 14重量%
被覆テトラポット状粒子 0.5重量%
ステアリン酸(滑材) 6重量%
モンタンワックス(ワックス) 7重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 3.5重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 19重量%
MEK(溶剤) 50重量%
上記成分のうち、被覆テトラポット状粒子はパナテトラWZ−0501(平均粒径:2〜50μm、(株)アムテック製)20gと、フッ素系界面活性剤メガファックF−493(DIC(株)製、フルオロアルキル基の炭素数=8)0.1gとをヘンシェルミキサーをもちいて1000rpmで5分間混合し、予備混合粉とした。次に、窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置(TSC−WC−0096型、耐圧硝子工業(株)製)に、前記予備混合粉5gを充填した後、二酸化炭素ガス又は液化二酸化炭素を供給し、昇圧ポンプで昇圧した。窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置を温度50℃、圧力を20MPaに調節し、この条件下で30分保持した。その後、温度を35℃より下がらないようにしながら二酸化炭素を排気し、30分かけて減圧した。オートクレーブの内圧を大気圧まで減圧し、被覆粒子を得た。
上記配合量で、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0030】
実施例10
ニトロセルロース(結合材) 13重量%
被覆テトラポット状粒子 5重量%
ステアリン酸(滑材) 5重量%
モンタンワックス(ワックス) 6重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 3.5重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 17.5重量%
MEK(溶剤) 50重量%
上記成分のうち、被覆テトラポット状粒子を実施例9と同様の操作で得た。
上記配合量で、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0031】
実施例11
ニトロセルロース(結合材) 9重量%
被覆テトラポット状粒子 30重量%
ステアリン酸(滑材) 3重量%
モンタンワックス(ワックス) 4重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 2重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 12重量%
MEK(溶剤) 40重量%
上記成分のうち、被覆テトラポット状粒子を実施例9と同様の操作で得た。
上記配合量で、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0032】
実施例12
ニトロセルロース(結合材) 14重量%
被覆テトラポット状粒子 0.5重量%
ステアリン酸(滑材) 6重量%
モンタンワックス(ワックス) 7重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 3.5重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 19重量%
MEK(溶剤) 50重量%
上記成分のうち、被覆テトラポット状粒子はパナテトラWZ−0501(平均粒径:2〜50μm、(株)アムテック製)20gと、パーフルオロペンタデカン(シグマアルドリッチジャパン社製、フルオロアルキル基の炭素数=15)0.1gとをヘンシェルミキサーをもちいて1000rpmで5分間混合し、予備混合粉とした。次に、窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置(TSC−WC−0096型、耐圧硝子工業(株)製)に、前記予備混合粉5gを充填した後、二酸化炭素ガス又は液化二酸化炭素を供給し、昇圧ポンプで昇圧した。窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置を温度50℃、圧力を20MPaに調節し、この条件下で30分保持した。その後、温度を35℃より下がらないようにしながら二酸化炭素を排気し、30分かけて減圧した。オートクレーブの内圧を大気圧まで減圧し、被覆粒子を得た。
上記配合量で、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0033】
実施例13
ニトロセルロース(結合材) 13重量%
被覆テトラポット状粒子 5重量%
ステアリン酸(滑材) 5重量%
モンタンワックス(ワックス) 6重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 3.5重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 17.5重量%
MEK(溶剤) 50重量%
上記成分のうち、被覆テトラポット状粒子を実施例12と同様の操作で得た。
上記配合量で、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0034】
実施例14
ニトロセルロース(結合材) 9重量%
被覆テトラポット状粒子 30重量%
ステアリン酸(滑材) 3重量%
モンタンワックス(ワックス) 4重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 2重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 12重量%
MEK(溶剤) 40重量%
上記成分のうち、被覆テトラポット状粒子を実施例12と同様の操作で得た。
上記配合量で、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0035】
実施例15
ニトロセルロース(結合材) 13重量%
被覆テトラポット状粒子 5重量%
ステアリン酸(滑材) 5重量%
モンタンワックス(ワックス) 6重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 3.5重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 17.5重量%
MEK(溶剤) 50重量%
上記成分のうち、被覆テトラポット状粒子はパナテトラWZ−0501(平均粒径:2〜50μm、(株)アムテック製)20gと、パーフルオロテトラコサン(シグマアルドリッチジャパン社製、フルオロアルキル基の炭素数=24)0.1gとをヘンシェルミキサーをもちいて1000rpmで5分間混合し、予備混合粉とした。次に、窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置(TSC−WC−0096型、耐圧硝子工業(株)製)に、前記予備混合粉5gを充填した後、二酸化炭素ガス又は液化二酸化炭素を供給し、昇圧ポンプで昇圧した。窓付超臨界二酸化炭素流体実験装置を温度50℃、圧力を20MPaに調節し、この条件下で30分保持した。その後、温度を35℃より下がらないようにしながら二酸化炭素を排気し、30分かけて減圧した。オートクレーブの内圧を大気圧まで減圧し、被覆粒子を得た。
上記配合量で、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0036】
実施例16
ニトロセルロース(結合材) 14重量%
被覆テトラポット状粒子 0.05重量%
ステアリン酸(滑材) 6重量%
モンタンワックス(ワックス) 7重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 3.95重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 19重量%
MEK(溶剤) 50重量%
上記成分のうち、被覆テトラポット状粒子を実施例9と同様の操作で得た。
上記配合量で、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0037】
実施例17
ニトロセルロース(結合材) 8重量%
被覆テトラポット状粒子 45重量%
ステアリン酸(滑材) 3重量%
モンタンワックス(ワックス) 3重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 2重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 9重量%
MEK(溶剤) 30重量%
上記成分のうち、被覆テトラポット状粒子を実施例9と同様の操作で得た。
上記配合量で、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0038】
実施例18
ニトロセルロース(結合材) 14重量%
被覆テトラポット状粒子 0.05重量%
ステアリン酸(滑材) 6重量%
モンタンワックス(ワックス) 7重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 3.95重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 19重量%
MEK(溶剤) 50重量%
上記成分のうち、被覆テトラポット状粒子を実施例15と同様の操作で得た。
上記配合量で、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0039】
実施例19
ニトロセルロース(結合材) 8重量%
被覆テトラポット状粒子 45重量%
ステアリン酸(滑材) 3重量%
モンタンワックス(ワックス) 3重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 2重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 9重量%
MEK(溶剤) 30重量%
上記成分のうち、被覆テトラポット状粒子を実施例15と同様の操作で得た。
上記配合量で、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0040】
比較例1
ニトロセルロース(結合材) 14重量%
ステアリン酸(滑材) 6重量%
モンタンワックス(ワックス) 6重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 4重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 20重量%
MEK(溶剤) 50重量%
上記配合量で、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0041】
比較例2
ニトロセルロース(結合材) 13重量%
炭酸カルシウム繊維状粒子 5重量%
ステアリン酸(滑材) 5重量%
モンタンワックス(ワックス) 6重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 3.5重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 17.5重量%
MEK(溶剤) 50重量%
上記成分のうち、炭酸カルシウム繊維状粒子は、ウィスカルA(長径20μm、短径1μm、表面積1.46平方メートル/g)(以上、丸尾カルシウム(株)製)。
上記配合量で、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0042】
比較例3
ニトロセルロース(結合材) 13重量%
板状粒子 5重量%
ステアリン酸(滑材) 5重量%
モンタンワックス(ワックス) 6重量%
プロピレンカーボネート(可塑剤) 3.5重量%
フタロシアニングリーン(着色剤) 17.5重量%
MEK(溶剤) 50重量%
上記成分のうち、板状粒子はタルクND(日本タルク(株)製)
上記配合量で、実施例1と同様の操作を行い、緑色の色鉛筆芯を得た。
【0043】
以上の実施例および比較例で得られた色鉛筆芯の曲げ強さ(単位;MPa)と発色性の代用特性としての濃度(単位;D)とをJIS S 6005に基づいて測定した。結果を表1に示す。
【0044】
【表1】

【0045】
実施例1〜19は、固形描画材中にテトラポット状粒子を配合することにより、固形描画材中に三次元立体的な構造骨格を形成するため曲げ強度が強く、筆記摩耗時にはテトラポット状粒子がその他配合物を巻き込むように剥離するため摩耗性が良好で、濃い筆跡が得られた。
中でも実施例6〜14の固形描画材は、テトラポット状粒子の添加量を0.1〜40重量%、表面に炭素数1〜20のフルオロアルキル基を有する有機化合物を被覆することで、固形描画材中でテトラポット状粒子が密に構造骨格を形成するためさらに曲げ強度が強く、筆記摩耗時にはテトラポット状粒子がその他配合物から剥離しやすくなることによってさらに摩耗性が良好で濃い筆跡が得られ、実施例1〜5、15〜19よりも良好な結果を得ることができた。
【0046】
これに対してテトラポット状粒子を含まない比較例1では、固形描画材中に骨格を有しないために曲げ強度が弱く、繊維状粒子あるいは板状粒子を配合した比較例2、3では曲げ強度は強くなるものの、筆跡が薄くなってしまった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
テトラポット状粒子を配合した固形描画材。
【請求項2】
前記テトラポット状粒子が、固形描画材全量に対して0.1〜40重量%含有している請求項1に記載の固形描画材。
【請求項3】
前記テトラポット状粒子が、炭素数1〜20の直鎖型あるいは分岐型のフルオロアルキル基(炭素原子間の間に酸素原子が挿入されていてもよい)を有する有機化合物で被覆されたものである請求項1又は請求項2に記載の固形描画材。

【公開番号】特開2013−71993(P2013−71993A)
【公開日】平成25年4月22日(2013.4.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−211699(P2011−211699)
【出願日】平成23年9月28日(2011.9.28)
【出願人】(000005511)ぺんてる株式会社 (899)
【Fターム(参考)】