説明

固形石鹸保管具

【課題】 固形石鹸に付着した水分、及び溶け崩れたゲル状の石鹸溶液の乾燥を早め、固形石鹸の消耗を減らし、ゲル状の石鹸溶液内の細菌の増殖を抑制し皮膚の傷害を招く恐れを抑制すると共に、下水道への流出を抑制し洗剤による水質汚染を減少させる。
【解決手段】 台座部と受け皿部を有し、台座と受け皿の間を隔離する支柱を設け、受け皿の上面に受け皿の略中央に向かい上方から下方に傾斜して集合した複数の溝を設け、この集合部分に集合部分より更に下方に受け皿の外縁に向かい傾斜した第2の溝を設けたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、固形石鹸の保管具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の固形石鹸の保管具は、石鹸箱に代表される如く箱状のものが多く、固形石鹸を使用した後の水切りをよくするため、箱の底面に排水用の孔と水分と固形石鹸を隔離するための凹凸を設けたものが多かった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
これ等は、固形石鹸に付着した水分、及び溶け崩れたゲル状の石鹸溶液の乾燥に時間が掛かり乾燥が不十分な状態で再使用される機会が多く、固形石鹸の消耗を早め、また、ゲル状の石鹸溶液は、細菌の増殖を招き皮膚の傷害を招く恐れがあると共に、下水道に流出し水質汚染も招いていた。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記を解決するために、請求項1に記載の固形石鹸保管具は、台座部と受け皿部を有し、台座と受け皿の間を隔離する支柱を設け、受け皿の上面に受け皿の略中央に向かい上方から下方に傾斜して集合した複数の溝を設け、この集合部分に集合部分より更に下方に受け皿の外縁に向かい傾斜した第2の溝を設けたことを特徴としている。
【0005】
請求項2に記載の固形石鹸保管具は、台座の上面に窪みを設け、請求項1により設けられた第2の溝から流れ落ちる固形石鹸に付着した水分を受けて溜めることを特徴としている。
【発明の効果】
【0006】
請求項1に記載の発明によれば、台座部と受け皿部を有し、台座と受け皿の間を隔離する支柱を設け、受け皿の上面に受け皿の略中央に向かい上方から下方に傾斜して集合した複数の溝を設け、この集合部分に集合部分より更に下方に受け皿の外縁に向かい傾斜した第2の溝を設けたことから、隣接する各々の溝の間を大きな曲線で繋げ固形石鹸と受け皿との接触面積を減らし、固形石鹸と溝との空間を大きく取り、複数の溝から第2の溝へ固形石鹸に付着した水分を流し、台座と受け皿の間を隔離した支柱により台座を置く場所から受け皿を隔離し室内に対流する空気の流れの影響を受け易くしたことから、受け皿の周辺を上方に向かって対流する空気の一部が受け皿の外縁に向かい傾斜した第2の溝を逆流し、固形石鹸と複数の溝の空間を通り上方に向かい固形石鹸の乾燥を促進することにより、固形石鹸が溶け崩れゲル状となる現象を抑制し、乾燥不十分な状態での再使用による固形石鹸の消耗を減らし、また、ゲル状石鹸溶液内の細菌の増殖を抑制し皮膚の傷害を招く恐れを抑制すると共に、洗剤による水質汚染も抑制することが可能となる。
【0007】
また、固形石鹸の一部がゲル状となり乾燥した際に生じる受け皿との固着状態は、台座と受け皿の間を隔離する支柱を設けたことから、この支柱と受け皿をワイングラスを持つが如き状態で手で掴むことにより容易に受け皿から固形石鹸を剥がすことができる。
【0008】
請求項2に記載の発明によれば、台座の上面に窪みを設けたことから、この窪みを請求項1の受け皿の外縁に向かい傾斜した第2の溝に対向した位置に設けることによって、傾斜した第2の溝から流れ落ちる固形石鹸に付着した水分を受けて溜めることが可能となり、固形石鹸保管具外部への固形石鹸の付着した水分の流出をなくしている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施例の固形石鹸保管具を幾つかの図面を参照し説明する。
図1は、本発明の正面部分断面図であり、台座(1)と受け皿(2)の間を隔離する支柱(3)を設け、受け皿(2)の上面に受け皿(2)の略中央に向かい上方から下方に傾斜して集合した溝(4a)、(4b)、(4c)を設け、この集合部分に集合部分より更に下方に受け皿(2)の外縁に向かい傾斜した第2の溝(5)を設け、受け皿(2)に固形石鹸(7)を置いた形態を示している。
【0010】
図2は、図1の側面部分断面図であり、台座(1)と受け皿(2)の間に支柱(3)を設け、受け皿(2)が台座を置く台(8)から隔離されている状態を示し、図中の矢印で示す如く、受け皿(2)の周囲を上方に向かって対流する空気の一部が第2の溝(5)を通り、固形石鹸(7)の底部に設けられた溝(4a)を通過し上昇している状態を示し、また、台座(1)には、請求項2による第2の溝(5)から流れ落ちる固形石鹸(7)に付着した水分を受けて溜める窪み(6)が設けられていることを示している。
【0011】
図3は、図1の上面図であり、図1の状態から固形石鹸(7)を受け皿(2)から外した状態を表し、受け皿(2)の上面に設けられた溝(4a)、(4b)、(4c)、第2の溝(5)の位置、及び台座(1)に設けられた請求項2の窪み(6)と受け皿(2)の設けられた第2の溝(5)との関係位置を示している。
【0012】
図4は、図2のA部断面図であり、受け皿(2)に固形石鹸(7)を置いた状態と溝(4a)との関係を示している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】 本発明の実施例の正面部分断面図である。
【図2】 図1の側面部分断面図である。
【図3】 図1の固形石鹸を外した状態の上面図である。
【図4】 図2のA部断面図である。
【符号の説明】
【0014】
1 台座
2 受け皿
3 支柱
4a、4b、4c 溝
5 第2の溝
6 窪み
7 固形石鹸
8 台座を置く台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
台座部と受け皿部を有し、台座と受け皿の間を隔離する支柱を設け、受け皿の上面に受け皿の略中央に向かい上方から下方に傾斜して集合した複数の溝を設け、この集合部分に集合部分より更に下方に受け皿の外縁に向かい傾斜した第2の溝を設けた固形石鹸保管具。
【請求項2】
台座の上面に窪みを設けた請求項1の固形石鹸保管具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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