説明

固形除草組成物

【課題】除草有効成分の分解が抑制され、良好な除草活性が安定して発揮される固形除草組成物を提供する。
【解決手段】(1)1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−2−ピリジルスルホニル)ウレア又はその塩並びに(2)ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、ジアルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物及びポリカルボン酸塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤を含有する固形除草組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−2−ピリジルスルホニル)ウレア(一般名:フラザスルフロン;flazasulfuron、以下化合物A)の分解が抑制された固形除草組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
化合物Aを有効成分とする除草剤は、低薬量で各種雑草を防除できることから、様々な場面で利用されている。しかしながら、除草剤中の化合物Aは、条件によっては分解する場合がある為、所望の除草効果を十分に発揮できないことがある。このようなことから、化合物Aの分解を抑制する方法について、種々検討がなされている。
特許文献1には、ジアルキルスルホコハク酸塩又は安息香酸塩を用い、粒状除草組成物中の化合物Aの分解を抑制する方法が記載されている。特許文献2には、無水ホウ酸、メタホウ酸、生石灰、酸化バリウム、ゼオライト、ケイ酸カルシウム、酸化マグネシウム、硫酸マグネシウムのような安定化剤を用い、固形除草組成物中の化合物Aの分解を抑制する方法が記載されている。特許文献3には、無機マグネシウム塩を用い、除草組成物を水で希釈した散布液中での化合物Aの分解を抑制する方法が記載されている。
しかしながら、これら特許文献には、後記する特定の界面活性剤を用い、固形除草組成物中の化合物Aの分解を抑制する方法については記載されていない。
【0003】
【特許文献1】特開平9−143015号公報
【特許文献2】特開2002−12509号公報
【特許文献3】特開平5−271021号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
化合物Aの分解抑制については、種々の方法が試みられているが、実用性面では、より優れたものが希求されている。また、化合物Aと2−エチルアミノ−4−イソプロピルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジン(一般名:アメトリン;ametryn、以下化合物B)とを配合し、固形除草組成物とする場合においては、化合物Aの分解抑制のみならず、固形除草組成物の水中での崩壊性も改善が必要であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者は、上記課題を解決するべく種々検討を行った結果、特定の界面活性剤を用いることにより、化合物A又はその塩の固形除草組成物中での分解を抑制できることを見出した。また、化合物Aと化合物Bとを配合し、固形除草組成物とする場合においては、化合物Aの分解抑制のみならず、固形除草組成物の水中での崩壊性を改善できることを見出した。
【0006】
すなわち本発明は、(1)化合物A又はその塩並びに(2)ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、ジアルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物及びポリカルボン酸塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤を含有する固形除草組成物に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明により、化合物A又はその塩の除草活性が、安定して発揮される固形除草組成物を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明に使用される化合物Aの塩としては、種々のものが挙げられるが、例えばナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属との塩、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属との塩、或はモノメチルアミン、ジメチルアミン、トリエチルアミンなどのアミンとの塩などが挙げられる。
【0009】
本発明に使用される、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物又はジアルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物の塩部分としては、種々のものが挙げられるが、例えばナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属との塩、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属との塩などが挙げられる。
【0010】
本発明に使用される、アルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物又はジアルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物におけるアルキル部分としては、直鎖状のものでも、分枝状のものでもよく、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、へプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシルなどの炭素数1〜12のものが挙げられる。
【0011】
本発明に使用される、ポリカルボン酸塩のポリカルボン酸部分としては、ポリアクリル酸、ポリメタクリ酸、アクリル酸/マレイン酸共重合体、アクリル酸/スルホン酸系共重合体などが挙げられ、ポリカルボン酸塩の塩部分としては、種々のものが挙げられるが、例えばナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属との塩、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属との塩などが挙げられる。
【0012】
本発明の固形除草組成物は、(1)化合物A又はその塩並びに(2)ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、ジアルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物及びポリカルボン酸塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤(以下、必須の界面活性剤と略す)を含有し、例えば粉剤、水和剤、顆粒水和剤、粒剤、水溶剤、顆粒水溶剤、水溶性パック剤、錠剤、固形乳剤のような固形除草組成物として調製されるが、その際、所望により各種補助剤を用いることもできる。ここで用いることができる各種補助剤としては、当該技術分野で用いられるものであれば、いずれのものでもよいが、例えば、他の界面活性剤(必須の界面活性剤以外の界面活性剤を示す)、担体、結合剤、吸油剤、ドリフト防止剤、発泡剤、乾燥剤、溶剤などが挙げられる。これら各種補助剤の具体例としては、例えば以下のものなどが挙げられる。尚、製剤調製は、当該技術分野における通常の方法に準じて行うことができる。
【0013】
他の界面活性剤としては、例えば脂肪酸塩、安息香酸塩、アルキルスルホコハク酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキル硫酸塩、アルキルジグリコールエーテル硫酸塩、アルコール硫酸エステル塩、アルキルスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩、ポリスチレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、アルキルアリールリン酸塩、スチリルアリールリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル硫酸アンモニウム塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールリン酸エステル塩、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテルリン酸エステル又はその塩のような陰イオン系の界面活性剤;ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ポリグリセライド、脂肪酸アルコールポリグリコールエーテル、アセチレングリコール、アセチレンアルコール、オキシアルキレンブロックポリマー、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンスチリルアリールエーテル、ポリオキシエチレングリコールアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシプロピレン脂肪酸エステルのような非イオン系の界面活性剤;アルコキシル化脂肪族アミンのようなカチオン系の界面活性剤などが挙げられ、所望によりこれらの2種以上を混用してもよい。
【0014】
担体としては、例えば珪藻土、消石灰、炭酸カルシウム、タルク、ホワイトカーボン、ベントナイト、デンプン、ラクトースやフルクトースなどの糖類、炭酸ナトリウム、重曹、クレー、ゼオライト、硫酸アンモニウム、硫酸水素アンモニウム、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウムなどが挙げられ、所望によりこれらの2種以上を混用してもよい。
【0015】
結合剤としては、グアーガム、ローカストビーンガム、トラガントガム、ザンサンガム、アラビアガムのような各種ガム類;アルギン酸ナトリウム、アルギン酸アンモニウム、アルギン酸プロピレングリコールエステルのようなアルギン酸誘導体;ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメタアクリレート、ポリエチレンオキシド、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アミドのような有機高分子化合物;卵白、アルブミン、カゼイン、ゼラチンのような動物性又は植物性の水溶性蛋白質;メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体;デキストリン、デンプン、カルボキシメチルスターチナトリウム、ヒドロキシエチルスターチ、ヒドロキシプロピルスターチのようなデンプン類;リグニンスルホン酸ナトリウム、リグニンスルホン酸カルシウムのようなリグニンスルホン酸誘導体などが挙げられ、所望によりこれらの2種以上を混用してもよい。
【0016】
水溶性パック剤で用いる水溶性フィルムの素材としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコールなどが挙げられる。
本発明においては、所望により、化合物A又はその塩以外の他の除草性化合物を混用することができ、この場合に一層優れた効果、作用性を示すことがある。例えば、適用草種の範囲、薬剤処理の時期、除草活性等を好ましい方向へ改良できる場合がある。
【0017】
化合物A又はその塩と混用することができる他の除草性化合物としては、例えば前記化合物Bが挙げられ、それ以外にも例えば下記(1)〜(11)の化合物群(一般名、開発コード)が挙げられる。特に記載がない場合であっても、これら化合物に、塩、アルキルエステル、光学異性体のような各種構造異性体などが存在する場合は、当然それらも含まれる。化合物B又は下記化合物群は、1種又は2種以上を適宜化合物A又はその塩と混用することができる。
【0018】
(1)2,4-D、2,4-DB、2,4-DP、MCPA、MCPB、MCPP、ナプロアニリド(naproanilide)、クロメプロップ(clomeprop)のようなフェノキシ系、2,3,6-TBA、ジカンバ(dicamba)、ジクロベニル(dichlobenil)、ピクロラム(picloram)、トリクロピル(triclopyr)、クロピラリド(clopyralid)、アミノピラリド(aminopyralid)のような芳香族カルボン酸系、その他ナプタラム(naptalam)、ベナゾリン(benazolin)、キンクロラック(quinclorac)、キンメラック(quinmerac)、ダイフルフェンゾピル(diflufenzopyr)、チアゾピル(thiazopyr)などのように植物のホルモン作用を攪乱することで除草効力を示すとされているもの。
【0019】
(2)クロロトルロン(chlorotoluron)、ジウロン(diuron)、フルオメツロン(fluometuron)、リニュロン(linuron)、イソプロチュロン(isoproturon)、メトベンズロン(metobenzuron)、テブチウロン(tebuthiuron)のような尿素系、シマジン(simazine)、アトラジン(atrazine)、アトラトン(atratone)、シメトリン(simetryn)、プロメトリン(prometryn)、ジメタメトリン(dimethametryn)、ヘキサジノン(hexazinone)、メトリブジン(metribuzin)、テルブチラジン(terbuthylazine)、シアナジン(cyanazine)、シブトリン(cybutryne)、トリアジフラム(triaziflam)、プロパジン(propazine)のようなトリアジン系、ブロマシル(bromacil)、レナシル(lenacil)、ターバシル(terbacil)、のようなウラシル系、プロパニル(propanil)、シプロミッド(cypromid)のようなアニリド系、スエップ(swep)、デスメディファム(desmedipham)、フェンメディファム(phenmedipham)のようなカーバメート系、ブロモキシニル(bromoxynil)、ブロモキシニル・オクタノエート(bromoxynil-octanoate)、アイオキシニル(ioxynil)のようなヒドロキシベンゾニトリル系、その他ピリデート(pyridate)、ベンタゾン(bentazone)、アミカルバゾン(amicarbazone)、メタゾール(methazole)などのように植物の光合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0020】
(3)それ自身が植物体中でフリーラジカルとなり、活性酸素を生成させて速効的な除草効力を示すとされているパラコート(paraquat)、ジクワット(diquat)のような4級アンモニウム塩系。
【0021】
(4)ニトロフェン(nitrofen)、クロメトキシフェン(chlomethoxyfen)、ビフェノックス(bifenox)、アシフルオルフェンナトリウム塩(acifluorfen-sodium)、ホメサフェン(fomesafen)、オキシフルオルフェン(oxyfluorfen)、ラクトフェン(lactofen)、エトキシフェンエチル(ethoxyfen-ethyl)のようなジフェニルエーテル系、クロルフタリム(chlorphthalim)、フルミオキサジン(flumioxazin)、フルミクロラックペンチル(flumiclorac-pentyl)、フルチアセットメチル(fluthiacet-methyl)のような環状イミド系、その他オキサジアルギル(oxadiargyl)、オキサジアゾン(oxadiazon)、スルフェントラゾン(sulfentrazone)、カルフェントラゾンエチル(carfentrazone-ethyl)、チジアジミン(thidiazimin)、ペントキサゾン(pentoxazone)、アザフェニジン(azafenidin)、イソプロパゾール(isopropazole)、ピラフルフェンエチル(pyraflufen-ethyl)、ベンズフェンジゾン(benzfendizone)、ブタフェナシル(butafenacil)、メトベンズロン(metobenzuron)、シニドンエチル(cinidon-ethyl)、フルポキサム(flupoxam)、フルアゾレート(fluazolate)、プロフルアゾール(profluazol)、ピラクロニル(pyrachlonil)、フルフェンピルエチル(flufenpyr-ethyl)、ベンカルバゾン(bencarbazone)などのように植物のクロロフィル生合成を阻害し、光増感過酸化物質を植物体中に異常蓄積させることで除草効力を示すとされているもの。
【0022】
(5)ノルフルラゾン(norflurazon)、クロリダゾン(chloridazon)、メトフルラゾン(metflurazon)のようなピリダジノン系、ピラゾレート(pyrazolate)、ピラゾキシフェン(pyrazoxyfen)、ベンゾフェナップ(benzofenap)、トプラメゾン(topramezone、BAS‐670H)、ピラスルフォトール(pyrasulfotole)のようなピラゾール系、その他アミトロール(amitrol)、フルリドン(fluridone)、フルルタモン(flurtamone)、ジフルフェニカン(diflufenican)、メトキシフェノン(methoxyphenone)、クロマゾン(clomazone)、スルコトリオン(sulcotrione)、メソトリオン(mesotrione)、テンボトリオン(tembotrione)、テフリルトリオン(tefuryltrione、AVH-301)、イソキサフルトール(isoxaflutole)、ジフェンゾコート(difenzoquat)、イソキサクロロトール(isoxachlortole)、ベンゾビシクロン(benzobicyclon)、ピコリナフェン(picolinafen)、ビフルブタミド(beflubutamid)などのようにカロチノイドなどの植物の色素生合成を阻害し、白化作用を特徴とする除草効力を示すとされているもの。
【0023】
(6)ジクロホップメチル(diclofop-methyl)、フラムプロップエムメチル(flamprop-M-methyl)、ピリフェノップナトリウム塩(pyriphenop-sodium)、フルアジホップブチル(fluazifop-butyl)、ハロキシホップメチル(haloxyfop-methyl)、キザロホップエチル(quizalofop-ethyl)、シハロホップブチル(cyhalofop-butyl)、フェノキサプロップエチル(fenoxaprop-ethyl)、メタミホッププロピル(metamifop-propyl)のようなアリールオキシフェノキシプロピオン酸系、アロキシジムナトリウム塩(alloxydim-sodium)、クレソジム(clethodim)、セトキシジム(sethoxydim)、トラルコキシジム(tralkoxydim)、ブトロキシジム(butroxydim)、テプラロキシジム(tepraloxydim)、カロキシジム(caloxydim)、クレフォキシジム(clefoxydim)、プロホキシジム(profoxydim)のようなシクロヘキサンジオン系などのようにイネ科植物に特異的に除草効力が強く認められるもの。
【0024】
(7)クロリムロンエチル(chlorimuron-ethyl)、スルホメツロンメチル(sulfometuron-methyl)、プリミスルフロンメチル(primisulfuron-methyl)、ベンスルフロンメチル(bensulfuron-methyl)、クロルスルフロン(chlorsulfuron)、メトスルフロンメチル(metsulfuron-methyl)、シノスルフロン(cinosulfuron)、ピラゾスルフロンエチル(pyrazosulfuron-ethyl)、アジムスルフロン(azimsulfuron)、リムスルフロン(rimsulfuron)、ニコスルフロン(nicosulfuron)、イマゾスルフロン(imazosulfuron)、シクロスルファムロン(cyclosulfamuron)、プロスルフロン(prosulfuron)、フルピルスルフロン(flupyrsulfuron)、トリフルスルフロンメチル(triflusulfuron-methyl)、ハロスルフロンメチル(halosulfuron-methyl)、チフェンスルフロンメチル(thifensulfuron-methyl)、エトキシスルフロン(ethoxysulfuron)、オキサスルフロン(oxasulfuron)、エタメトスルフロン(ethametsulfuron)、イオドスルフロン(iodosulfuron)、スルフォスルフロン(sulfosulfuron)、トリアスルフロン(triasulfuron)、トリベヌロンメチル(tribenuron-methyl)、トリトスルフロン(tritosulfuron)、フォーラムスルフロン(foramsulfuron)、トリフルオキシスルフロン(trifloxysulfuron)、メソスルフロンメチル(mesosulfuron-methyl)、オルソスルファムロン(orthosulfamuron)、フルセトスルフロン(flucetosulfuron)、アミドスルフロン(amidosulfuron)、TH-547、WO2005092104に開示の化合物のようなスルホニルウレア系、フルメツラム(flumetsulam)、メトスラム(metosulam)、ジクロスラム(diclosulam)、クロランスラムメチル(cloransulam-methyl)、フロラスラム(florasulam)、メトスルファム(metosulfam)、ペノキススラム(penoxsulam)のようなトリアゾロピリミジンスルホンアミド系、イマザピル(imazapyr)、イマゼタピル(imazethapyr)、イマザキン(imazaquin)、イマザモックス(imazamox)、イマザメス(imazameth)、イマザメタベンズ(imazamethabenz)、イマザピック(imazapic)のようなイミダゾリノン系、ピリチオバックナトリウム塩(pyrithiobac-sodium)、ビスピリバックナトリウム塩(bispyribac-sodium)、ピリミノバックメチル(pyriminobac-methyl)、ピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ピリフタリド(pyriftalid)、ピリミスルファン(pyrimisulfan、KUH‐021)のようなピリミジニルサリチル酸系、フルカーバゾン(flucarbazone)、プロカーバゾンソディウム(procarbazone-sodium)のようなスルホニルアミノカルボニルトリアゾリノン系、その他グリホサート(glyphosate)、グリホサートナトリウム塩(glyphosate-sodium)、グリホサートカリウム塩(glyphosate-potassium)、グリホサートアンモニウム塩(glyphosate-ammonium)、グリホサートイソプロピルアミン塩(glyphosate-isopropylamine)、スルホサート(sulfosate)、グルホシネート(glufosinate)、グルホシネートアンモニウム塩(glufosinate-ammonium)、ビラナホス(bilanafos)などのように植物のアミノ酸生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0025】
(8)トリフルラリン(trifluralin)、オリザリン(oryzalin)、ニトラリン(nitralin)、ペンディメタリン(pendimethalin)、エタルフルラリン(ethalfluralin)、ベンフルラリン(benfluralin)、プロジアミン(prodiamine)のようなジニトロアニリン系、ベンスリド(bensulide)、ナプロナミド(napronamide)、プロナミド(pronamide)のようなアミド系、アミプロホスメチル(amiprofos-methyl)、ブタミホス(butamifos)、アニロホス(anilofos)、ピペロホス(piperophos)のような有機リン系、プロファム(propham)、クロルプロファム(chlorpropham)、バーバン(barban)のようなフェニルカーバメート系、ダイムロン(daimuron)、クミルロン(cumyluron)、ブロモブチド(bromobutide)のようなクミルアミン系、その他アシュラム(asulam)、ジチオピル(dithiopyr)、チアゾピル(thiazopyr)などのように植物の細胞有糸分裂を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0026】
(9)アラクロール(alachlor)、メタザクロール(metazachlor)、ブタクロール(butachlor)、プレチラクロール(pretilachlor)、メトラクロール(metolachlor)、S−メトラクロール(S-metolachlor)、テニルクロール(thenylchlor)、ペトキサマイド(pethoxamid)、アセトクロール(acetochlor)、プロパクロール(propachlor)、プロピソクロール(propisochlor)のようなクロロアセトアミド系、モリネート(molinate)、ジメピペレート(dimepiperate)、ピリブチカルブ(pyributicarb)のようなカーバメート系、その他エトベンザニド(etobenzanid)、メフェナセット(mefenacet)、フルフェナセット(flufenacet)、トリディファン(tridiphane)、カフェンストロール(cafenstrole)、フェントラザミド(fentrazamide)、オキサジクロメフォン(oxaziclomefone)、インダノファン(indanofan)、ジメテナミド(dimethenamid)、ベンフレセート(benfuresate)、ピロキサスルフォン(pyroxasulfone、KIH-485)などのように植物のタンパク質生合成あるいは脂質生合成を阻害することで除草効力を示すとされているもの。
【0027】
(10)EPTC、ブチレート(butylate)、ベルノレート(vernolate)、ペブレート(pebulate)、シクロエート(cycloate)、プロスルホカルブ(prosulfocarb)、エスプロカルブ(esprocarb)、チオベンカルブ(thiobencarb)、ジアレート(diallate)、トリアレート(triallate)のようなチオカーバメート系、その他MSMA、DSMA、エンドタール(endothall)、エトフメセート(ethofumesate)、ソディウムクロレート(sodium chlorate)、ペラルゴン酸(pelargonic acid)、ホスアミン(fosamine)、ピノキサデン(pinoxaden)、HOK-201など。
【0028】
(11)Xanthomonas campestrisEpicoccosurus nematosurusExserohilum monoserasDrechsrela monocerasなどのように植物に寄生することで除草効力を示すとされているもの。
【0029】
本発明の固形除草組成物における、各成分の配合割合は、配合成分の種類、製剤形態、施用場面などに応じ、適宜変更する場合があるので一概に規定できないが、例えば化合物A又はその塩は0.1〜90重量部、望ましくは1〜30重量部であり、必須の界面活性剤は1〜40重量部、望ましくは1〜30重量部である。
【0030】
所望により他の界面活性剤を配合する場合は1〜20重量部、望ましくは1〜10重量部であり、担体を配合する場合は1〜95重量部、望ましくは1〜80重量部であり、結合剤を配合する場合は0.1〜10重量部、望ましくは0.1〜5重量部であり、化合物Bなどのような他の除草性化合物を配合する場合は2〜95重量部、望ましくは15〜80重量部である。
【0031】
本発明の固形除草組成物は、望ましくない植物又はそれが生育する場所に施用、例えば茎葉処理、土壌処理、灌水処理などを行なうことによりヒメクグ(Cyperus brevifolius(Rottb.)Hassk.)、ハマスゲ(purple nutsedge(Cyperus rotundus L.))などのカヤツリグサ科雑草(sedges(or Cyperaceae))、イヌビエ(barnyardgrass(Echinochloa crus-galli L.))、メヒシバ(crabgrass(Digitaria sanguinalis L.))、エノコログサ(greenfoxtail(Setaria viridis L.))、オヒシバ(goosegrass(Eleusine indica L.))、カラスムギ(wild oat(Avena fatua L.))、セイバンモロコシ(johnsongrass(Sorghum halepense L.))、シバムギ(quackgrass(Agropyron repens L.))などのイネ科雑草(grasses(or gramineae))、イチビ(velvetleaf(Abutilon theophrasti MEDIC.))、マルバアサガオ(tall morningglory(Ipomoea purpurea L.))、シロザ(common lambsquarters(Chenopodium album L.))、アメリカキンゴジカ(prickly sida(Sida spinosa L.))、スベリヒユ(common purslane(Portulaca oleracea L.))、アオゲイトウ(redroot pigweed(Amaranthus retroflexus L.))、エビスグサ(sicklepod(Cassia obtusifolia L.))、イヌホウズキ(black nightshade(Solanum nigrum L.))、サナエタデ(pale smartweed(Polygonum lapathifolium L.))、ハコベ(common chickweed(Stellaria media L.))、オナモミ(common cocklebur(Xanthium strumarium L.))、タネツケバナ(flexuous bittercress(Cardamine flexuosa WITH.))、ホトケノザ(henbit(Lamium amplexicaule L.))、エノキグサ(threeseeded copperleaf(Acalypha australis L.))などの広葉雑草(broad leaves)など、広い範囲の雑草を防除又はその生育を抑制することができるので、その適用範囲は畑地、果樹園、桑畑などの農耕地、山林、農道、グランド、工場敷地、芝地などの非農耕地と多岐にわたることができる。
【実施例】
【0032】
以下に本発明の実施例を記載するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
(1)化合物A(純度94.5%) 21.16重量部
(2)ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物
(商品名:Tamol NN8906、BASFジャパン(株)製) 10.00重量部
(3)クレー 68.84重量部
以上の成分を混合し、水を加えて混練した。混練物を押出し造粒機で造粒し、乾燥した後、整粒して、顆粒水和剤を得た。
【0033】
実施例2
(1)化合物A(純度94.5%) 1.06重量部
(2)ポリカルボン酸塩
(商品名:Geropon T/36、ローディア日華(株)製) 10.00重量部
(3)クレー 88.94重量部
以上の成分を混合し、前記実施例1に準じて顆粒水和剤を得た。
【0034】
実施例3
(1)化合物A(純度94.5%) 5.29重量部
(2)Tamol NN8906(同前) 10.00重量部
(3)Geropon T/36(同前) 3.00重量部
(4)クレー 81.71重量部
以上の成分を混合し、前記実施例1に準じて顆粒水和剤を得た。
【0035】
実施例4
(1)化合物A(純度94.5%) 2.65重量部
(2)化合物B(純度95.5%) 75.92重量部
(3)Tamol NN8906(同前) 15.00重量部
(4)Geropon T/36(同前) 6.43重量部
以上の成分を混合し、前記実施例1に準じて顆粒水和剤を得た。
【0036】
実施例5
(1)化合物A(純度94.5%) 2.65重量部
(2)化合物B(純度95.5%) 75.92重量部
(3)Tamol NN8906(同前) 5.00重量部
(4)Geropon T/36(同前) 16.43重量部
以上の成分を混合し、前記実施例1に準じて顆粒水和剤を得た。
【0037】
実施例6
(1)化合物A(純度94.8%) 2.64重量部
(2)化合物B(純度98.4%) 67.75重量部
(3)アルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物
(商品名:Morwet D425、ライオン・アクゾ(株)製) 10.00重量部
(4)Geropon T/36(同前) 3.00重量部
(5)クレー 16.61重量部
以上の成分を混合し、前記実施例1に準じて顆粒水和剤を得た。
【0038】
実施例7
(1)化合物A(純度94.5%) 2.65重量部
(2)化合物B(純度95.5%) 75.92重量部
(3)Tamol NN8906(同前) 10.00重量部
(4)クレー 11.43重量部
以上の成分を混合し、前記実施例1に準じて顆粒水和剤を得た。
【0039】
実施例8
(1)化合物A(純度94.5%) 2.65重量部
(2)化合物B(純度95.5%) 75.92重量部
(3)Tamol NN8906(同前) 10.00重量部
(4)Geropon T/36(同前) 3.00重量部
(5)クレー 8.43重量部
以上の成分を混合し、前記実施例1に準じて顆粒水和剤を得た。
【0040】
実施例9
(1)化合物A(純度94.8%) 2.64重量部
(2)化合物B(純度98.4%) 67.75重量部
(3)アルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物
(商品名:Supragil MNS/25、ローディア日華(株)製) 10.00重量部
(4)Geropon T/36(同前) 3.00重量部
(5)クレー 16.61重量部
以上の成分を混合し、前記実施例1に準じて顆粒水和剤を得た。
【0041】
実施例10
(1)化合物A(純度94.5%) 2.65重量部
(2)化合物B(純度96.5%) 75.13重量部
(3)アルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物
(商品名:デモ−ル SN-B 花王(株)製) 10.00重量部
(4)Geropon T/36(同前) 3.00重量部
(5)クレー 9.22重量部
以上の成分を混合し、前記実施例1に準じて顆粒水和剤を得た。
【0042】
実施例11
(1)化合物A(純度94.5%) 2.65重量部
(2)化合物B(純度96.5%) 75.13重量部
(3)ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物
(商品名:デモ−ル N 花王(株)製) 10.00重量部
(4)Geropon T/36(同前) 3.00重量部
(5)クレー 9.22重量部
以上の成分を混合し、前記実施例1に準じて顆粒水和剤を得た。
【0043】
比較例1
(1)化合物A(純度94.5%) 2.65重量部
(2)化合物B(純度95.5%) 75.92重量部
(3)アルキルナフタレンスルホン酸塩
(商品名:NK BX-C、竹本油脂(株)製) 10.00重量部
(4)クレー 11.43重量部
以上の成分を混合し、前記実施例1に準じて顆粒水和剤を得た。
【0044】
試験例1
前記実施例1〜5で得た顆粒水和剤を、54℃の恒温器中にて14日間保存した。経時前後における顆粒水和剤中の化合物Aの含量を液体クロマトグラフィーで定量し、それぞれの分解率を下記の式にて算出して、経時変化を評価した。結果を、第1表に示す。
分解率(%)=〔(X−Y)/X〕×100
X:製造直後の含有量
Y:保存後の含有量
【0045】
【表1】

【0046】
試験例2
共栓付試験管(内径23mm、高さ225mm)に、CIPAC標準水D(342ppm硬度)を100ml入れた。そこへ、前記試験例1で経時変化を評価した後の顆粒水和剤0.5gを加え、1分後に栓をして試験管を転倒させ、顆粒水和剤が完全に崩壊するまでの転倒回数を測定した。結果を、第2表に示す。
【0047】
【表2】

【0048】
試験例3
前記試験例1に準じ、前記実施例6〜8で得た顆粒水和剤の経時変化を評価した。結果を、第3表に示す。
【0049】
【表3】

【0050】
試験例4
前記試験例1に準じ、前記実施例9〜11で得た顆粒水和剤の経時変化を評価した。結果を、第4表に示す。
【0051】
【表4】

【0052】
試験例5
前記試験例2に準じ、前記実施例9〜11で得た顆粒水和剤が完全に崩壊するまでの転倒回数を測定した。結果を、第5表に示す。
【0053】
【表5】

【0054】
比較試験例
前記比較例1について、試験例1に準じて経時変化を評価した結果、化合物Aの分解率は45.2%であった。また、試験例2に準じて顆粒水和剤が完全に崩壊するまでの転倒回数を測定した結果、100回転倒させても完全に崩壊しなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(1)1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−2−ピリジルスルホニル)ウレア又はその塩並びに(2)ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、ジアルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物及びポリカルボン酸塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤を含有する固形除草組成物。
【請求項2】
界面活性剤として、アルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物を含有する請求項1の固形除草組成物。
【請求項3】
界面活性剤として、アルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物とポリカルボン酸塩とを含有する請求項1の固形除草組成物。
【請求項4】
界面活性剤として、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物を含有する請求項1の固形除草組成物。
【請求項5】
界面活性剤として、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物とポリカルボン酸塩とを含有する請求項1の固形除草組成物。
【請求項6】
担体をさらに含有する請求項1の固形除草組成物。
【請求項7】
他の除草性化合物をさらに含有する請求項1の固形除草組成物。
【請求項8】
他の除草性化合物が、2−エチルアミノ−4−イソプロピルアミノ−6−メチルチオ−1,3,5−トリアジンである請求項7の固形除草組成物。
【請求項9】
ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、アルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物、ジアルキルナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物及びポリカルボン酸塩よりなる群から選ばれた少なくとも1種の界面活性剤を用いて、1−(4,6−ジメトキシピリミジン−2−イル)−3−(3−トリフルオロメチル−2−ピリジルスルホニル)ウレア又はその塩を安定化させる方法。

【公開番号】特開2007−262052(P2007−262052A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−4122(P2007−4122)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【出願人】(000000354)石原産業株式会社 (289)
【Fターム(参考)】