説明

土のう充填用器具及び土のう充填方法

【課題】より効率よく安全に土砂等の充填作業を補助できる簡易で合理的な土のう充填用器具及びその器具を用いた土のう充填方法を提供すること。
【解決手段】土のう袋に土砂等の充填物を入れる際に用いる土のう充填用器具であって、側壁板15によって周りが囲まれて充填物の入る内容積空間を得るように高さが設定され、下側12bを土のう袋の口の中に入れた状態で地面上に自立できるように枠状に形成され、上下には開口する枠本体12と、その枠本体12の側壁板15の外面部に設けられた少なくとも一対の持ち上げ用の取手部20とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、土のう袋に土砂等の充填物を入れる際に用いる土のう充填用器具、及びその土のう充填用器具を用いた土のう充填方法に関する。
【背景技術】
【0002】
災害時等に用いられる土のうを作る際には、土砂等の充填物を人手によって土のう袋内へ詰める作業を行う。
通常この作業は、土のう袋の口を開ける担当の者と、その土のう袋の中へスコップで土砂等を投入する担当の者との二人がペアになって行われる。
この場合、土のう袋の口開け担当者は、両手で土のう袋の口縁部を持ってその口を広げるが、土のう袋の口を左右に引く状態となるため長細い開口となって、その開口面積を大きく取ることが難しい。このため、土砂等の投入担当者は、土砂等を素早く好適に投入することが難しかった。従って、水害、台風や崖崩れ等の災害の緊急時において多くの土のうを作る必要がある場合、大変な労力を必要としていた。
また、急いで作業をすると、スコップの先が土のう袋の口開け担当者の腕や手へ当たってしまい、怪我をさせてしまう場合もあった。
【0003】
これに対して、土のう袋に土砂等を入れる時、受口ホッパーを取り付けて土のう袋の中に筒を入れることにより土砂を入れ易くする方法が提案されている(特許文献1参照)。
この方法では、土のう袋を、筒の下部口から包み込むように上部口まで持ち上げ、受口ホッパーを介して土砂等を投入した後、筒の上側に設けられた一対の手掛かり穴に両手を掛けて、その筒を引き抜くことで、土砂等を充填している。
また、別の考案であって、作業台、土のう支持枠と漏斗(ホッパー)をもって構成し、作業台の上に上下に開口部を持った円筒形の土のう支持枠を直径の大きな支持枠下部開口部を下にして立て、直径の小さな支持枠上部開口部の上に土のう上縁開口部をはさんでホッパーをのせた構造とした土のう製作台が提案されている(特許文献2参照)。
【特許文献1】実用新案登録3079208号公報(第1頁)
【特許文献1】実開平5−83025号公報(第1頁、図3)
【0004】
上記の先に提案された各土のう充填用器具では、「ホッパー」と「筒」という分離した二つの構成部材を備え、土のう袋が上下に伸ばされた状態でセットされる形態となっている。このため、二つの構成部材を組み付ける手間と、土のう袋の口を開いた上で土のう袋を適宜にセットする手間がかかる。さらに、そのセット状態から、土のう袋を取り外す際にも、構成部材が二つあるため、二重の手間がかかる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
土のう充填用器具及び土のう充填方法に関して解決しようとする問題点は、より効率よく安全に土砂等の充填ができるように、その作業を補助できる簡易で合理的なものが提案されていない点にある。
そこで本発明の目的は、より効率よく安全に土砂等の充填作業を補助できる簡易で合理的な土のう充填用器具及びその器具を用いた土のう充填方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記目的を達成するために次の構成を備える。
本発明に係る土のう充填用器具によれば、土のう袋に土砂等の充填物を入れる際に用いる土のう充填用器具であって、側壁板によって周りが囲まれて前記充填物の入る内容積空間を得るように高さが設定され、下側を前記土のう袋の口の中に入れた状態で地面上に自立できるように枠状に形成され、上下には開口する枠本体と、該枠本体の前記側壁板の外面部に設けられた少なくとも一対の持ち上げ用の取手部とを具備することを特徴とする。
また、本発明に係る土のう充填用器具によれば、前記枠本体が、下方へ向かってすぼまっているホッパー状に形成されていることを特徴とすることができる。
【0007】
また、本発明に係る土のう充填用器具によれば、前記取手部が、前記枠本体の前記側壁板の外面部から外方へ突き出した状態に設けられていることを特徴とすることができる。
また、本発明に係る土のう充填用器具によれば、前記取手部が、前記枠本体の上下方向の中途部に設けられていることを特徴とすることができる。
また、本発明に係る土のう充填用器具によれば、前記取手部が、前記枠本体の上下方向の中間位置よりも下側に設けられていることを特徴とすることができる。
【0008】
また、本発明に係る土のう充填用器具によれば、前記枠本体が、複数の部材から構成されてヒンジ等によって折り畳み可能に形成されていることを特徴とすることができる。
また、本発明に係る土のう充填用器具によれば、前記枠本体が、複数の側壁板がループ状に連結された状態の多角形状であることを特徴とすることができる。
また、本発明に係る土のう充填用器具によれば、前記枠本体が、4枚の側壁板がループ状に連結された状態の矩形状であることを特徴とすることができる。
【0009】
また、本発明に係る土のう充填用器具によれば、前記枠本体の隣り合う前記側壁板の上縁部のそれぞれに設けられた被係合部と、前記隣り合う側壁板が直交する位置関係となって保持されるようにL字状の金具本体部を有し、該金具本体部の両端部に前記被係合部のそれぞれに係合する係合部を備える保形用金具とを具備することを特徴とすることができる。
また、本発明に係る土のう充填用器具によれば、前記保形用金具が、バネ部材によって常時は前記係合部が前記被係合部に係合すべく付勢され、該バネ部材の付勢力に抗して引き上げた際には前記係合部と前記被係合部による係合関係が解除されることを特徴とすることができる。
【0010】
また、本発明に係る土のう充填方法によれば、前記の土のう充填用器具を用いた土のう充填方法であって、前記土のう充填用器具の下側を土のう袋の口の中に入れて、該土のう充填用器具を地面上に立てた状態に配置する工程と、該土のう充填用器具の内部にスコップ等で土砂等の充填物を投入する工程と、該土のう充填用器具に設けられた一対の取手部と共に土のう袋の口縁部を両手で持って、土のう充填器具と共に土のう袋の口を引き上げる工程とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の土のう充填用器具及び土のう充填方法によれば、土のう袋への土砂等の充填作業を一人でも適切に行うことができる。このため、土のう袋の口を広げる者をスコップで突いてしまうような事故を防止でき、安全に作業できる。
そして、本発明の土のう充填用器具は、合理的で簡易な構成からなると共に、簡単な取り扱いで作業ができる。このため、作業性が良く、土のう袋へ素早く土砂等を詰めることができ、緊急時にも好適に対応できるという特別有利な効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の土のう充填用器具に係る最良の形態(基本形態)の一例を添付図面(図1〜7)と共に詳細に説明する。図1は本発明に係る土のう充填用器具の基本的構成を示す斜視図である。図2はその正面図であり、図3は側面図である。また、図4は平面図であり、図5は底面図である。さらに、図6は図1の土のう充填用器具を折り畳んだ状態を示す正面図であり、図7はその平面図である。
この土のう充填用器具10は、土のう袋に土砂等の充填物を入れる際に用いられる充填作業用の補助器具である。
【0013】
12は枠本体であり、側壁板15によって周りが囲まれて土砂等の充填物の入る内容積空間16を得るように高さが設定され、下側12bを土のう袋の口の中に入れた状態で地面上に自立できるように枠状に形成され、上下には開口する。
本形態例では、枠本体12が、下方へ向かってすぼまっているホッパー状に形成されている。具体的には、枠本体12の下縁12cが平らになって好適に自立できるように、台形を逆さまにした同一形状の4枚の側壁板15によって構成されている。このようにホッパー状に形成されていることで、土砂等の充填物を投入し易いように、土のう袋の口の中に入る底面の開口に比べて上面(天面)の開口を広くすることができる。また、側壁板15の内面が傾斜面となるため、充填物を好適に落下させて土のう袋内へ詰めることができる形状となっている。さらに、ホッパー状、すなわちテーパ状に形成されていることで、多数を好適に重ね置いて保管することが可能である。
【0014】
なお、この枠本体12の形状は、図1の形態例限定されるものではなく、その機能を達成できるものとしては、種々の形態が考えられる。
例えば、図1のような矩形の枠状に限定されるものではなく、円錐台形状を逆さまにした漏斗状であっても同様の機能を奏することができる。さらに、ホッパー形状でなくても、例えば、上下が開放された直方体状(角筒状)の枠本体や、円筒状の枠本体であっても、土砂等の充填物を好適に案内して土のう袋に詰めることができる。また、矩形の枠状に限定されるものではなく、他の多角形の枠状でもよい。
【0015】
20は取手部であり、枠本体12の側壁板15の外面部であって、その側壁板15の上下方向の中途部に設けられている。この取手部20は、少なくとも一対が持ち上げ用として設けられている。このように、取手部20は、枠本体12の側壁板15の外面部に設けられるため、一種の手掛かり部ではあるが、充填物が洩れるような貫通孔の形態にはならない。
また、この取手部20が、枠本体12の上下方向の中間位置よりも下側に設けられているとよい。さらに、この取手部20は、枠本体12の上下方向の中間位置近傍に設けられているとよい。つまり、枠本体12の下側12bの適度な部分を土のう袋の口の中に差し込む際に、邪魔にならない程度に取手部20の高さ位置が設定されると、作業性よく土砂等の充填物を詰めることができる。なお、取手部20が過度に下側に設けられると、土のう袋の口を引き上げにくくなって、その口が枠本体12から外れ易くなるので、取手部20は土のう袋の口がセットし易い程度に下側に設けられるとよい。
【0016】
これは、後述する本発明の土のう充填方法にあっては、土のう袋の口に枠本体12を浅く差し込むだけでよく、土のう充填用器具10を容易にセットできる利点があることによる。さらに、上記のように取手部20の位置が設定されると、バランスが取り易く安定した状態で土のう充填用器具10を好適に持ち上げることができる利点もある。なお、取手部20が枠本体12の上縁12a付近に設けられると、スコップが接触し易くなり、取手部20が枠本体12の下縁12c付近に設けられると、その取手部20を把持しにくい状態となるため、高さ方向の中途部に位置させるとよい。
【0017】
本形態例では、一対の取手部が、対向する一対の側壁板15に設けられている。本発明はこれに限定されるものではなく、取手部20を、4面の側壁板15の全ての外面部に設けてもよい。4面にあれば、方向が限定されないため、作業性が向上できる利点がある。
また、本形態例の取手部20は、側壁板15の外面部から外方へ突き出した状態に設けられており、作業者が握りやすい半ループ状の把持部(ハンドル)となっている。さらに詳細には、コの字状のハンドル本体22の両端部に折り曲げて設けられた溶接用の部分24が、金属材の側壁板15の外面上に溶接されて固定されている。
なお、取手部20の形状は、これに限定されるものではなく、土のう充填用器具10を適切に持ち上げることができる形態であればよい。従って、単に指を掛けることのできる突起状の形態でもよいし、指を掛けることのできる形態としては側壁板15の外面部に充填物の落下を妨げないような適宜な形状の凹部を設けてもよい。なお、外方へ突起した形態の取手部20であると、土のう袋50(図12参照)の口縁部を掛けるようにしてセットできる利点がある。
【0018】
次に、本発明に係る土のう充填用器具10の折り畳み構造について、図1、図6、図7及び図8〜11に基づいて説明する。
図1、図8及び図9は、枠本体12が、複数の部材(側壁板15)から構成されてヒンジ等によって折り畳み可能に形成されている形態例を示している。
これらは、枠本体12が、複数の側壁板15がループ状に連結された状態の多角形状である。さらに詳細には、枠本体12が、4枚の側壁板15がループ状に連結された状態の矩形状である。隣り合う側壁板15同士が、ヒンジの一例である蝶番28によって連結されることで、折り畳み可能に構成されている。
このように構成されていることで、図6及び図7のように、折り畳んで保管することができる。コンパクトになるため、保管スペースを小さくできる利点がある。
また、蝶番28によって、側壁板15同士を連結する場合、一般的に、多少のガタが生じる。そのガタを利用して振動させることで、側壁板15の内面に貼り付いた砂等を落とすことができる効果がある。
【0019】
枠本体12を構成する側壁板15の材質は特に限定されないが、ステンレススチール等の金属材を採用することができる。図8及び図9の形態例では、各側壁板15の上下の部分は補強板18が溶接されて、板の剛性を高めている。
これに限らず、枠本体12をプラスチックで製造することも可能である。その場合、強化プラスチック(FRP)を採用してもよいし、リブ状部や波形部を設けて剛性や強度を向上させることができる。また、折り畳み可能にするには、筋状に肉厚を薄くした部分を形成してヒンジ部とし、折り曲げ可能としてもよい。また、プラスチック成形の場合は、比較的簡単に取手部20を一体的に成形することも可能である。これによれば、製造コストを低減できる。
【0020】
次に、折り畳んだ状態から使用時の形態にした土のう充填用器具の形状を保持する保形構造について、図8〜11に基づいて詳細に説明する。
図8及び図9に示すように、枠本体12の隣り合う側壁板15、15の上縁部のそれぞれには、被係合部31、32が設けられている。本形態例では、上下方向に貫通するトンネル状の貫通孔31a、32a(図10参照)が形成されるように、各被係合部31、32が設けられている。その貫通孔31a、32aは、ロッド状の係合部41、42が嵌るように形成されている。
40は保形用金具であり、隣り合う側壁板15、15が直交する位置関係となって保持されるようにL字状の金具本体部40aを有し、その金具本体部40aの両端部には、側壁板15に設けられた被係合部31、32のそれぞれに係合する係合部41、42を備える。
この1個の保形用金具40によって、図8及び図9に示す枠本体12の平面の形状で矩形状に保持することができる。これによれば、簡単な構成であるが、土のう充填用器具の形状を好適に保持することができ、安価に製造できる。
【0021】
なお、図8の形態例では、一方の係合部41が長く形成されており、その先端部に抜け止め部43が設けられている。
これによれば、長く形成されたロッド状の係合部41は、常に一方の被係合部31の貫通孔31aに挿通された状態であり、脱落することがない。また、このように一方の係合部41を長く設けたことで、この一方の係合部41が嵌った状態で、保形用金具40を操作して他方の短いロッド状の係合部42を被係合部32に係合或いは離脱させればよく、簡単に作業できる利点がある。
【0022】
また、図9に示すように、保形用金具40が、バネ部材45によって常時は係合部41、42が被係合部31、32に係合すべく付勢され(図10参照)、そのバネ部材45の付勢力に抗して引き上げた際(図11参照)には係合部41、42と被係合部31、32による係合関係が解除されるようにしてもよい。
本形態例では、長く形成されたロッド状の係合部41が係合された被係合部31の下端に接するように配置された平座金47と、係合部41のロッドの先端に螺合されたナット48の上側に配置された平座金47との間にバネ部材45であるコイルスプリングが配されている。なお、二つの平座金47、47とコイルスプリング45には係合部41のロッドの先端側が挿通された状態となっている。これによって、常時は、他方の短いロッド状の係合部42が対応する被係合部32に係合する位置に下がるように、保持用金具40を位置させている。
これによれば、被係合部31、32に係合部41、42を係合させる操作性が向上し、好適に土のう充填用器具の形状を保持することができる。
【0023】
次に、図12及び図13に基づいて、以上に説明してきた土のう充填用器具10を用い、土のう袋50に土砂等の充填物60を充填する土のう充填方法について説明する。
先ず、図12に示すように、土のう充填用器具10の下側12bを土のう袋50の口の中に入れて、その土のう充填用器具10を地面上に立てた状態に配置する。
このとき、土のう袋50の口へ、土のう充填用器具10を浅く差し込めばよく、土のう袋の口縁部55が取手部20に掛かる程度でよい。つまり、土のう袋50の底側の方は皺が寄って重なったような状態でもよく、その上に土のう充填用器具10を立てた状態にセットすればよい。従って、従来のように土のう充填用器具10を土のう袋50の中へ深く入れる必要がなく、簡単にセットできる。
【0024】
次いで、図12に示すように、その土のう充填用器具10の内部(内容積16)にスコップ62等で土砂等の充填物60を投入する。
そして、図13に示すように、その土のう充填用器具10に設けられた一対の取手部20と共に土のう袋の口縁部55を両手80、80で持って、土のう充填用器具10と共に土のう袋50の口を引き上げる。
これに引き続いて、土のう袋の口縁部55を離し、土のう充填用器具10を土のう袋50から分離する。なお、土のう袋50の底は地面に接地した状態で持ち上げる必要はなく、土のう袋50が上下に適度に伸びた状態で手を離せばよい。この作業は一連の動作の中で簡単に行うことができるため、素早く土砂等の充填物60を詰めることができる。
最後に、土のう袋50の口紐56を引いて締めて、その口紐56を結べば、土のうが完成する。
【0025】
以上の工程によれば、極めて軽い感覚で、土のう充填用器具10と共に土のう袋50の口を持ち上げることができ、土のう袋50の中に確実且つ好適に土砂等の充填物を詰めることができる。まさに、充填物の重みを感じないで、土のう充填用器具10を引き上げただけという感覚で、充填物を適正に充填することができた。つまり、充填物が土のう袋50に引っ掛かるような抵抗を感じることがない。これは、土のう充填用器具10が充填物の落下をガイドすることに加え、土のう袋50が立ち上がるように口縁部55が引き上げられるときに、その土のう袋50自体が引き続いて充填物の落下を好適にガイドできるためと考えられる。充填物の重力による落下のエネルギーが減少することなく、充填物がスムースに移動し、土のう袋50の中に好適に充填できるためとも言える。
【0026】
また、本発明によれば、図12に示すように、枠本体12の内面(側壁板15の内面)に投入された充填物60の分量がわかるように目盛り70となる線等が付いていると、作業者がそれを目印に充填物60を投入すればよい。これによれば、均一な大きさで重量を有する土のうを効率よく作ることができる。
さらに、複数の目盛り70を付けておくことで、種々の大きさの土のう袋50に対応して充填物を均一に入れることが可能となる。
【0027】
なお、この土のう充填用器具10は、本形態例のような袋に土砂等を詰める場合に限定されず、他の一般的な充填物を手作業で袋に詰める場合にも応用できる。例えば、この土のう充填用器具10と同等の充填用器具を用いれば、穀物の如き粒状物或いは粉状物を袋に詰めるような作業を効率よく行うことができる。
【0028】
以上、本発明につき好適な実施の形態を挙げて種々説明してきたが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、発明の精神を逸脱しない範囲内で多くの改変を施し得るのは勿論のことである。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る土のう充填用器具の形態例を示す斜視図である。
【図2】図1の土のう充填用器具の正面図である。
【図3】図1の土のう充填用器具の側面図である。
【図4】図1の土のう充填用器具の平面図である。
【図5】図1の土のう充填用器具の底面図である。
【図6】図1の土のう充填用器具の折り畳んだ状態を示す正面である。
【図7】図6の土のう充填用器具の平面図である。
【図8】本発明に係る土のう充填用器具の他の形態例を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る土のう充填用器具の他の形態例を示す斜視図である。
【図10】図9の保形用金具を詳細に示す説明図である。
【図11】保形用金具による係合関係が解除された状態を示す説明図である。
【図12】本発明に係る土のう充填用器具の使用方法を示す斜視図である。
【図13】図12に続く使用方法を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0030】
10 土のう充填用器具
12 枠本体
15 側壁板
16 内容積空間
20 取手部
28 蝶番
31 被係合部
32 被係合部
40 保形用金具
41 係合部
42 係合部
45 バネ部材
50 土のう袋
55 土のう袋の口縁部
60 充填物
62 スコップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
土のう袋に土砂等の充填物を入れる際に用いる土のう充填用器具であって、
側壁板によって周りが囲まれて前記充填物の入る内容積空間を得るように高さが設定され、下側を前記土のう袋の口の中に入れた状態で地面上に自立できるように枠状に形成され、上下には開口する枠本体と、
該枠本体の前記側壁板の外面部に設けられた少なくとも一対の持ち上げ用の取手部とを具備することを特徴とする土のう充填用器具。
【請求項2】
前記枠本体が、下方へ向かってすぼまっているホッパー状に形成されていることを特徴とする請求項1記載の土のう充填用器具。
【請求項3】
前記取手部が、前記枠本体の前記側壁板の外面部から外方へ突き出した状態に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の土のう充填用器具。
【請求項4】
前記取手部が、前記枠本体の上下方向の中途部に設けられていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の土のう充填用器具。
【請求項5】
前記取手部が、前記枠本体の上下方向の中間位置よりも下側に設けられていることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の土のう充填用器具。
【請求項6】
前記枠本体が、複数の部材から構成されてヒンジ等によって折り畳み可能に形成されていることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の土のう充填用器具。
【請求項7】
前記枠本体が、複数の側壁板がループ状に連結された状態の多角形状であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の土のう充填用器具。
【請求項8】
前記枠本体が、4枚の側壁板がループ状に連結された状態の矩形状であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の土のう充填用器具。
【請求項9】
前記枠本体の隣り合う前記側壁板の上縁部のそれぞれに設けられた被係合部と、
前記隣り合う側壁板が直交する位置関係となって保持されるようにL字状の金具本体部を有し、該金具本体部の両端部に前記被係合部のそれぞれに係合する係合部を備える保形用金具とを具備することを特徴とする請求項8記載の土のう充填用器具。
【請求項10】
前記保形用金具が、バネ部材によって常時は前記係合部が前記被係合部に係合すべく付勢され、該バネ部材の付勢力に抗して引き上げた際には前記係合部と前記被係合部による係合関係が解除されることを特徴とする請求項9記載の土のう充填用器具。
【請求項11】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載の土のう充填用器具を用いた土のう充填方法であって、
前記土のう充填用器具の下側を土のう袋の口の中に入れて、該土のう充填用器具を地面上に立てた状態に配置する工程と、
該土のう充填用器具の内部にスコップ等で土砂等の充填物を投入する工程と、
該土のう充填用器具に設けられた一対の取手部と共に土のう袋の口縁部を両手で持って、土のう充填器具と共に土のう袋の口を引き上げる工程とを有することを特徴とする土のう充填方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−170092(P2007−170092A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−371145(P2005−371145)
【出願日】平成17年12月23日(2005.12.23)
【出願人】(505476560)
【Fターム(参考)】