土中水分解析装置、土中水分解析方法、土中水分解析プログラム及びタンクモデル生成方法
【課題】 盛土などでの降雨に対する土中水分の挙動を正確に解析することができる土中水分解析装置を提供する。
【解決手段】 土性毎にタンクモデルのタンクの特性が定義されたタンクデータベースと、斜面の横断面形状を定義する形状定義手段と、横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割手段と、領域のそれぞれについて土性を定義する土性定義手段と、領域のそれぞれに定義されている土性に合致するタイプのタンクモデルのタンクをタンクデータベースから読み出して各領域に割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成手段と、経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義手段と、降雨量に基づいて、タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算手段とを備える。
【解決手段】 土性毎にタンクモデルのタンクの特性が定義されたタンクデータベースと、斜面の横断面形状を定義する形状定義手段と、横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割手段と、領域のそれぞれについて土性を定義する土性定義手段と、領域のそれぞれに定義されている土性に合致するタイプのタンクモデルのタンクをタンクデータベースから読み出して各領域に割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成手段と、経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義手段と、降雨量に基づいて、タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算手段とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盛土などの斜面を有する地形での降雨に対する土中水分の挙動を、タンクモデルを使用して解析する土中水分解析装置、土中水分解析方法及び土中水分解析プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から盛土の構造・土質条件、基盤の構造・土質条件、集水・浸透条件及び経験雨量条件の評価点と、予測の対象となる鉄道盛土が存在する地域の雨量とに基づいて鉄道盛土の崩壊限界雨量を推定し、それに基づいて、列車の安全運行を可能にする列車の運転管理システムが知られている(例えば、特許文献1)。
一方、列車軌道や軌道近傍の盛土の異常を検知するために、異常を検出する検出手段を設け、検出値の変化に基づいて異常を検知する列車軌道防災監視システムが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平05−323043号公報
【特許文献2】特開2001−122118号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に示す管理システムは、経験則に基づく推定方法であるため、未経験の降雨パターンによる降雨があった場合の検討に適用することが困難であるとともに、土中の水分の挙動を把握することはできないという問題がある。また、特許文献2に示す監視システムは、正確に異常を検知することが可能であるが、多数存在する盛土の全てにセンサを設置するのは現実的でないという問題もある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、鉄道軌道沿線の盛土などの斜面を有する地形での降雨に対する土中水分の挙動を正確に解析することができる土中水分解析装置及び土中水分解析プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、斜面の横断面形状を定義する形状定義手段と、前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割手段と、前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成手段と、経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義手段と、前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、土性毎にタンクモデルのタンクの特性が定義されたタンクデータ記憶手段と、斜面の横断面形状を定義する形状定義手段と、前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割手段と、前記領域のそれぞれについて土性を定義する土性定義手段と、前記領域のそれぞれに定義されている土性に合致するタイプのタンクモデルのタンクを前記タンクデータ記憶手段から読み出して各領域に割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成手段と、経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義手段と、前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、前記タンクの流出係数は、タンク内部の水位に応じた非線形関数であることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、斜面の横断面形状を定義する形状定義手段と、前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割手段と、前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、斜面の横断面形状を定義する形状定義過程と、前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割過程と、前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成過程と、経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義過程と、前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算過程とを有することを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、土性毎にタンクモデルのタンクの特性を予め定義して記憶しておくタンクデータ記憶過程と、斜面の横断面形状を定義する形状定義過程と、前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割過程と、前記領域のそれぞれについて土性を定義する土性定義過程と、記憶しておいたタンクデータの中から前記領域のそれぞれに定義されている土性に合致するタイプのタンクモデルのタンクデータを読み出して各領域に割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成過程と、経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義過程と、前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算過程とを有することを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、前記タンクの流出係数は、タンク内部の水位に応じた非線形関数であることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、斜面の横断面形状を定義する形状定義過程と、前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割過程と、前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成過程とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項9に記載の発明は、斜面の横断面形状を定義する形状定義処理と、前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割処理と、前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成処理と、経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義処理と、前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算処理とをコンピュータに行わせることを特徴とする。
【0014】
請求項10に記載の発明は、土性毎にタンクモデルのタンクの特性を予め定義して記憶しておくタンクデータ記憶処理と、斜面の横断面形状を定義する形状定義処理と、前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割処理と、前記領域のそれぞれについて土性を定義する土性定義処理と、記憶しておいたタンクデータの中から前記領域のそれぞれに定義されている土性に合致するタイプのタンクモデルのタンクデータを読み出して各領域に割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成処理と、経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義処理と、前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算処理とをコンピュータに行わせることを特徴とする。
【0015】
請求項11に記載の発明は、前記タンクの流出係数は、タンク内部の水位に応じた非線形関数であることを特徴とする。
【0016】
請求項12に記載の発明は、斜面の横断面形状を定義する形状定義処理と、前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割処理と、前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成処理とをコンピュータに行わせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、斜面の横断面を小さい領域に分割し、各領域にタンクモデルのタンクを割り当てて、降雨に対する各タンク内の水位の変化を求めるようにしたため、斜面内の水分の挙動を正確に把握することが可能となる。また、未経験の降雨パターンの降雨があった場合の土中水分の挙動変化を計算によって求めることができるため、多数存在する斜面や盛土に対する防災対策の優先度を比較検討することが可能となる。例えば、斜面に対して排水パイプを設けるのみで改善する、センサを付けて監視する、改善工事を実施する等を事前に比較検討することができるため、改善費用の投資を効率的に行うことが可能となる。
また、斜面の横断面形状を定義し、この横断面形状内を複数の小さい領域に分割して、分割領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するようにしたため、斜面の形状に合致したタンクモデルを生成することができるとともに、この多段のタンクモデルによって水分解析を行えば、正確な解析結果を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態による土中水分解析装置を図面を参照して説明する。図1は同実施形態の構成を示すブロック図である。この図において、符号1は、盛土などの土中水分を解析する解析装置であり、パソコン等で構成される。符号2は、キーボードやマウスで構成する入力部である。符号3は、ディスプレイ装置で構成する表示部である。符号4は、解析対象の盛土の形状データ及び土性分布データが記憶された盛土データーベースである。符号5は、流出解析法の1つであるタンクモデルのタンクの特性が土性毎に記憶されたタンクデータベースである。符号6は、解析対象の盛土に対する降雨のパターンデータが記憶された降雨パターンデータベースである。符号7は、解析結果である土中水分の時間変化のデータを記憶する解析結果記憶部である。
【0019】
次に、図3〜6を参照して、図1に示す各データベースのテーブル構造を説明する。初めに、図3を参照して、盛土データベース4のテーブル構造を説明する。盛土データベース4は、鉄道の営業線を特定する「営業線名」と、この営業線沿線の盛土を特定する「盛土識別名」と、盛土の横断面形状と各寸法を定義する「断面形状データ」と、この横断面の土性分布を定義する「土性分布データ」とからなる。図3に示す例においては、断面形状データは、盛土高さaと盛土幅bとのり面角度cが定義されている、また、土性分布データは、盛土表面の水平部、のり面部はそれぞれ「1」、「2」という土性であり、盛土内部は、表土「3」と土砂「4」が定義されている。
【0020】
次に、図4を参照して、タンクデータベース5のテーブル構造を説明する。タンクデータベース5は、「識別名」、「タンクタイプ」、「横穴高さ」、「横穴バルブ特性」、「下穴バルブ特性」の5つのフィールドを有している。「識別名」は、タンクモデルのタンクを一意に識別するためのものである。「タンクタイプ」は、適用する土性を特定するものである。この例では、盛土の表面の水平部に適用する「表面(水平部)」と、盛土の表面ののり面に適用する「表面(のり面部)」と、盛土の内部の土に適用する「表土」「土砂1」「土砂2」が予め定義されている。「横穴高さ」は、タンク底面から横穴までの高さであり、「横穴バルブ特性」「下穴バルブ特性」は、タンクの横穴、下穴に仮想的に設けられたバルブの特性データである。
【0021】
ここで、図7及び図8を参照して、タンクの各パラメータとタンクに設けられるバルブの特性を説明する。図7は、タンクモデルに用いるタンクの各パラメータを示す図である。タンクには、側面(横)と底面(下)に水が流れ出る穴が設けられており、側面に設けられた穴を横穴と称し、底面に設けられた穴を下穴と称する。横穴は、底面からの高さ(横穴高さ)hと穴の径に相当する横穴流出係数k1で定義され、下穴は、穴の径に相当する下穴流出係数によって定義される。横穴流出量R1は、タンク内の水位HがH>hである場合、R1=(H−h)×k1で算出し、H<=hである場合、R1=0となる。また、下穴流出量R2は、R2=H×k2で算出する。ただし、横穴、下穴には、流出係数が水位に応じて変化する非線形バルブが設けられている。この非線形バルブは、図8に示すように、タンク内の水位Hに応じて、流出係数が大きくなる特性を有している。タンクデータベース5には、タンクタイプ毎に、横穴高さ、横穴バルブ特性、下穴バルブ特性がそれぞれ予め定義されて記憶されている。
【0022】
次に、図5を参照して、降雨パターンデータベース6のテーブル構造を説明する。降雨パターンデータベース6には、降雨パターンを識別する「降雨パターン識別名」と、単位時間毎の降雨強度が定義された「降雨パターンデータ」とからなる。この降雨パターンデータベース6は、図5に示すように過去の雨量実測値から作成したデータや任意に作成した降雨パターンのデータを用い、予め記憶したものである。
【0023】
次に、図6を参照して、解析結果記憶部7のテーブル構造を説明する。解析結果記憶部7は、個別のタンクを識別する「タンク名」毎に、かつ「経過時間」毎にタンク内の水位Hを書き込むフィールドを有しており、このフィールドに対して土中水分解析部12が解析した結果の書き込みを行う。
【0024】
次に、図1に示す解析装置の動作を説明する。まず、作業者が入力部2から盛土形状定義の指示を行うと、モデル生成部11は、盛土横断面の形状を定義するための画面を表示部3へ表示する。ここで、作業者は、表示部3を見ながら入力部2を操作して、盛土の横断面形状を作図するとともに、各部の寸法を入力する。モデル生成部11が行う作図処理は、公知の方法を用いて行うため、ここでは詳細な説明を省略する。これにより図3に示す断面形状データが定義されたこととなる(ステップS1)。
【0025】
次に、作業者は、定義した盛土横断面の形状を見ながら、入力部2を操作して横断面内の土性分布図を作図する。土性分布図の作成は、盛土横断面内を土性が異なる土毎の領域に分けることにより行う。この領域分割が終了した時点で、モデル生成部11は、タンクデータベース5に記憶されているタンクタイプ(土性)を読み出し、表示部3へ表示する。作業者は、表示されたタンクタイプ(土性)の中から該当する土性を選択し、各領域の土性を定義する。このとき、各領域の土性を識別子は、タンクデータベース5の識別名の2桁目の番号(図4に示す例では、1〜5)を用いる。これにより図3に示す土性分布データが定義されたこととなる(ステップS2)。
【0026】
次に、モデル生成部11は、表示部3へ営業線名と盛土識別名を入力する指示のメッセージを表示する。これを受けて、作業者は、入力部2より営業線名(○○○線)と盛土識別名(○○駅−○○駅間北側)を入力する。モデル生成部11は、ここで入力された営業線名、盛土識別名と、断面形状データと、土性分布データとを関連つけて盛土データベース4へ記憶する。
なお、この盛土データの定義作業(ステップS1、S2)は、複数の盛土についてまとめて行い、予め複数の盛土データを盛土データベース4に記憶しておいてもよい。
【0027】
次に、作業者が入力部2から土中水分解析の指示を行うと、モデル作成部11は、盛土データベース4に記憶されている営業線名と盛土識別名とを読み出し、表示部3へ表示する。これを受けて、作業者は、入力部2を操作して、表示部3に表示されている営業線名と盛土識別名の組を選択する。モデル生成部11は、盛土データベース4から、選択された営業線名と盛土識別名の組によって特定される断面形状データと土性分布データを読み出す。
【0028】
次に、モデル生成部11は、読み出した盛土横断面に対して、タンクデータベース5に記憶されているタンクを割り当てる(ステップS3)。この割当て処理は、まず土性分布データの各領域内を単位面積を持つ複数の矩形に分割し、同じ土性の領域を複数の小さい矩形領域に分割する。そして、この小さい矩形領域に対して、この領域の土性と同じタイプのタンクを選択して割り当てることにより行う。続いて、モデル生成部11は、割り当てたタンクに対して、個別のタンクを識別することが可能なタンク名を付与する。このタンク名は、土性が同じもの毎に、上位2桁が使用したタンクの識別名(T1〜T5のいずれか)とし、下位の3桁は、順番号となっている。例えば、使用したタンクが「T1」であり、「T1」のタンクが3つであれば、タンク名は「T1001」、「T1002」、「T1003」となる。この割当て処理の結果を図9に示す。
【0029】
このように、斜面の横断面形状を定義し、この横断面形状内を複数の小さい領域に分割して、分割領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段(2次元配列)のタンクモデルを生成するようにしたため、斜面の形状に合致したタンクモデルを生成することができるとともに、この多段のタンクモデルによって水分解析を行えば、正確な解析結果を得ることが可能となる。
【0030】
次に、モデル生成部11は、各領域にタンクを割り当てたデータを土中水分解析部12へ出力する。これを受けて土中水分解析部12は、図9に示すタンク配置図を表示部3へ表示するとともに、各タンクについて初期水位の定義を指示するメッセージを表示部3へ表示する。これを受けて、作業者は、画面上でタンクを選択し、この選択したタンクの初期水位の数値を入力部2から入力する。土中水分解析部12は、この初期水位の値を読み取り、各値を内部に保持するとともに解析結果記憶部7の経過時間「0」のフィールドへ書き込む(ステップS4)。
【0031】
次に、土中水分解析部12は、降雨パターン定義を指示するメッセージを表示部3へ表示する。ここで、作業者は、経過時間毎の降雨強度の数値を入力する。土中水分解析部12は、この数値を読み取り内部に保持する。続いて、土中水分解析部12は、表示部3へ降雨パターン識別名を入力する指示のメッセージを表示する。これを受けて、作業者は、入力部2より降雨パターン識別名を入力する。土中水分解析部12は、ここで入力された降雨パターン識別名と、経過時間毎の降雨強度値を関連つけて降雨パターンデータベース6へ記憶する。
なお、この降雨パターンデータの定義作業(ステップS5)は、複数の降雨パターンについてまとめて行い、予め複数の降雨パターンデータを降雨パターンデータベースに記憶しておいて、使用する降雨パターンデータを作業者に選択させるようにしてもよい。
【0032】
次に、土中水分解析部12は、経過時間変数Tをゼロリセットし(ステップS6)、単位経過時間Tsを変数Tに加算する(ステップS7)。ここでは、Tsを「1」とする。そして、土中水分解析部12は、初期状態から時間Tだけ経過した時点の各タンクの水位Hを算出する(ステップS8)。図10に示すように、盛土表面に配置されているタンクには、降雨パターンデータで定義される強度の雨が流入するとともに、各タンクの横穴と下穴から流出する水が隣り合うタンクへ流入するようになっているため、時間Tの各タンクの水位Hは、初期の水位から流出する水量を減算し、この結果に流入する水量を加算することによって算出する。このとき、タンクデータベース5に定義されている各穴のバルブ特性を参照して、各タンクから流出する水量を算出する。土中水分解析部12は、ここで算出した各タンクの水位を解析結果記憶部7の経過時間「1」のフィールドへ書き込む(ステップS9)。
【0033】
次に、土中水分解析部12は、変数Tがしきい値TH(ここでは、20)を超えたか否かを判定し、超えていなければ、ステップS7へ戻り、同様の処理を繰り返し行う(ステップS10)。この計算処理によって、解析結果記憶部7には、各タンク毎に、各経過時間後のタンク内の水位が書き込まれたこととなる。
【0034】
このように、盛土の横断面内に2次元配列のタンクを配置し、各タンクの横穴と下穴から流出する水が隣り合うタンクへ流入するようして、各経過時間後の各タンク内の水位を計算したため、盛土内の水分の挙動を正確に把握することが可能となる。
【0035】
なお、図1における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより土中水分解析処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0036】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【実施例1】
【0037】
次に、図11を参照して、本発明の土中水分解析装置による解析結果と観測データとの比較結果を説明する。図11は、のり面上方の深さ100cmの位置における本発明による土中水分量の計算値と、同一の位置における土中水分量の観測データとを降雨量と重ねてプロットした図である。この図に示すように、本発明による土中水分量の計算値は、観測データと良く合っているのが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
前述した説明では、盛土を例にして説明したが、土性分布や横断面が既知であれば自然の斜面等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】図1に示す盛土データベース4のテーブル構造を示す説明図である。
【図4】図1に示すタンクデータベース5のテーブル構造を示す説明図である。
【図5】図1に示す降雨パターンデータベース6のテーブル構造を示す説明図である。
【図6】図1に示す解析結果記憶部7のテーブル構造を示す説明図である。
【図7】タンクモデルのパラメータを示す説明図である。
【図8】バルブ特性の一例を示す説明図である。
【図9】盛土の断面にタンクを配置した例を示す説明図である。
【図10】空間分布配置のタンクモデルを示す説明図である。
【図11】実測値との比較検証結果を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1・・・解析装置、11・・・モデル生成部、12・・・土中水分解析部、2・・・入力部、3・・・表示部、4・・・盛土データベース、5・・・タンクデータベース、6・・・降雨パターンデータベース、7・・・解析結果記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、盛土などの斜面を有する地形での降雨に対する土中水分の挙動を、タンクモデルを使用して解析する土中水分解析装置、土中水分解析方法及び土中水分解析プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から盛土の構造・土質条件、基盤の構造・土質条件、集水・浸透条件及び経験雨量条件の評価点と、予測の対象となる鉄道盛土が存在する地域の雨量とに基づいて鉄道盛土の崩壊限界雨量を推定し、それに基づいて、列車の安全運行を可能にする列車の運転管理システムが知られている(例えば、特許文献1)。
一方、列車軌道や軌道近傍の盛土の異常を検知するために、異常を検出する検出手段を設け、検出値の変化に基づいて異常を検知する列車軌道防災監視システムが知られている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平05−323043号公報
【特許文献2】特開2001−122118号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に示す管理システムは、経験則に基づく推定方法であるため、未経験の降雨パターンによる降雨があった場合の検討に適用することが困難であるとともに、土中の水分の挙動を把握することはできないという問題がある。また、特許文献2に示す監視システムは、正確に異常を検知することが可能であるが、多数存在する盛土の全てにセンサを設置するのは現実的でないという問題もある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、鉄道軌道沿線の盛土などの斜面を有する地形での降雨に対する土中水分の挙動を正確に解析することができる土中水分解析装置及び土中水分解析プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、斜面の横断面形状を定義する形状定義手段と、前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割手段と、前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成手段と、経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義手段と、前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算手段とを備えたことを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の発明は、土性毎にタンクモデルのタンクの特性が定義されたタンクデータ記憶手段と、斜面の横断面形状を定義する形状定義手段と、前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割手段と、前記領域のそれぞれについて土性を定義する土性定義手段と、前記領域のそれぞれに定義されている土性に合致するタイプのタンクモデルのタンクを前記タンクデータ記憶手段から読み出して各領域に割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成手段と、経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義手段と、前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の発明は、前記タンクの流出係数は、タンク内部の水位に応じた非線形関数であることを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の発明は、斜面の横断面形状を定義する形状定義手段と、前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割手段と、前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の発明は、斜面の横断面形状を定義する形状定義過程と、前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割過程と、前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成過程と、経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義過程と、前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算過程とを有することを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の発明は、土性毎にタンクモデルのタンクの特性を予め定義して記憶しておくタンクデータ記憶過程と、斜面の横断面形状を定義する形状定義過程と、前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割過程と、前記領域のそれぞれについて土性を定義する土性定義過程と、記憶しておいたタンクデータの中から前記領域のそれぞれに定義されている土性に合致するタイプのタンクモデルのタンクデータを読み出して各領域に割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成過程と、経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義過程と、前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算過程とを有することを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の発明は、前記タンクの流出係数は、タンク内部の水位に応じた非線形関数であることを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の発明は、斜面の横断面形状を定義する形状定義過程と、前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割過程と、前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成過程とを有することを特徴とする。
【0013】
請求項9に記載の発明は、斜面の横断面形状を定義する形状定義処理と、前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割処理と、前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成処理と、経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義処理と、前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算処理とをコンピュータに行わせることを特徴とする。
【0014】
請求項10に記載の発明は、土性毎にタンクモデルのタンクの特性を予め定義して記憶しておくタンクデータ記憶処理と、斜面の横断面形状を定義する形状定義処理と、前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割処理と、前記領域のそれぞれについて土性を定義する土性定義処理と、記憶しておいたタンクデータの中から前記領域のそれぞれに定義されている土性に合致するタイプのタンクモデルのタンクデータを読み出して各領域に割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成処理と、経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義処理と、前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算処理とをコンピュータに行わせることを特徴とする。
【0015】
請求項11に記載の発明は、前記タンクの流出係数は、タンク内部の水位に応じた非線形関数であることを特徴とする。
【0016】
請求項12に記載の発明は、斜面の横断面形状を定義する形状定義処理と、前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割処理と、前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成処理とをコンピュータに行わせることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、斜面の横断面を小さい領域に分割し、各領域にタンクモデルのタンクを割り当てて、降雨に対する各タンク内の水位の変化を求めるようにしたため、斜面内の水分の挙動を正確に把握することが可能となる。また、未経験の降雨パターンの降雨があった場合の土中水分の挙動変化を計算によって求めることができるため、多数存在する斜面や盛土に対する防災対策の優先度を比較検討することが可能となる。例えば、斜面に対して排水パイプを設けるのみで改善する、センサを付けて監視する、改善工事を実施する等を事前に比較検討することができるため、改善費用の投資を効率的に行うことが可能となる。
また、斜面の横断面形状を定義し、この横断面形状内を複数の小さい領域に分割して、分割領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するようにしたため、斜面の形状に合致したタンクモデルを生成することができるとともに、この多段のタンクモデルによって水分解析を行えば、正確な解析結果を得ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態による土中水分解析装置を図面を参照して説明する。図1は同実施形態の構成を示すブロック図である。この図において、符号1は、盛土などの土中水分を解析する解析装置であり、パソコン等で構成される。符号2は、キーボードやマウスで構成する入力部である。符号3は、ディスプレイ装置で構成する表示部である。符号4は、解析対象の盛土の形状データ及び土性分布データが記憶された盛土データーベースである。符号5は、流出解析法の1つであるタンクモデルのタンクの特性が土性毎に記憶されたタンクデータベースである。符号6は、解析対象の盛土に対する降雨のパターンデータが記憶された降雨パターンデータベースである。符号7は、解析結果である土中水分の時間変化のデータを記憶する解析結果記憶部である。
【0019】
次に、図3〜6を参照して、図1に示す各データベースのテーブル構造を説明する。初めに、図3を参照して、盛土データベース4のテーブル構造を説明する。盛土データベース4は、鉄道の営業線を特定する「営業線名」と、この営業線沿線の盛土を特定する「盛土識別名」と、盛土の横断面形状と各寸法を定義する「断面形状データ」と、この横断面の土性分布を定義する「土性分布データ」とからなる。図3に示す例においては、断面形状データは、盛土高さaと盛土幅bとのり面角度cが定義されている、また、土性分布データは、盛土表面の水平部、のり面部はそれぞれ「1」、「2」という土性であり、盛土内部は、表土「3」と土砂「4」が定義されている。
【0020】
次に、図4を参照して、タンクデータベース5のテーブル構造を説明する。タンクデータベース5は、「識別名」、「タンクタイプ」、「横穴高さ」、「横穴バルブ特性」、「下穴バルブ特性」の5つのフィールドを有している。「識別名」は、タンクモデルのタンクを一意に識別するためのものである。「タンクタイプ」は、適用する土性を特定するものである。この例では、盛土の表面の水平部に適用する「表面(水平部)」と、盛土の表面ののり面に適用する「表面(のり面部)」と、盛土の内部の土に適用する「表土」「土砂1」「土砂2」が予め定義されている。「横穴高さ」は、タンク底面から横穴までの高さであり、「横穴バルブ特性」「下穴バルブ特性」は、タンクの横穴、下穴に仮想的に設けられたバルブの特性データである。
【0021】
ここで、図7及び図8を参照して、タンクの各パラメータとタンクに設けられるバルブの特性を説明する。図7は、タンクモデルに用いるタンクの各パラメータを示す図である。タンクには、側面(横)と底面(下)に水が流れ出る穴が設けられており、側面に設けられた穴を横穴と称し、底面に設けられた穴を下穴と称する。横穴は、底面からの高さ(横穴高さ)hと穴の径に相当する横穴流出係数k1で定義され、下穴は、穴の径に相当する下穴流出係数によって定義される。横穴流出量R1は、タンク内の水位HがH>hである場合、R1=(H−h)×k1で算出し、H<=hである場合、R1=0となる。また、下穴流出量R2は、R2=H×k2で算出する。ただし、横穴、下穴には、流出係数が水位に応じて変化する非線形バルブが設けられている。この非線形バルブは、図8に示すように、タンク内の水位Hに応じて、流出係数が大きくなる特性を有している。タンクデータベース5には、タンクタイプ毎に、横穴高さ、横穴バルブ特性、下穴バルブ特性がそれぞれ予め定義されて記憶されている。
【0022】
次に、図5を参照して、降雨パターンデータベース6のテーブル構造を説明する。降雨パターンデータベース6には、降雨パターンを識別する「降雨パターン識別名」と、単位時間毎の降雨強度が定義された「降雨パターンデータ」とからなる。この降雨パターンデータベース6は、図5に示すように過去の雨量実測値から作成したデータや任意に作成した降雨パターンのデータを用い、予め記憶したものである。
【0023】
次に、図6を参照して、解析結果記憶部7のテーブル構造を説明する。解析結果記憶部7は、個別のタンクを識別する「タンク名」毎に、かつ「経過時間」毎にタンク内の水位Hを書き込むフィールドを有しており、このフィールドに対して土中水分解析部12が解析した結果の書き込みを行う。
【0024】
次に、図1に示す解析装置の動作を説明する。まず、作業者が入力部2から盛土形状定義の指示を行うと、モデル生成部11は、盛土横断面の形状を定義するための画面を表示部3へ表示する。ここで、作業者は、表示部3を見ながら入力部2を操作して、盛土の横断面形状を作図するとともに、各部の寸法を入力する。モデル生成部11が行う作図処理は、公知の方法を用いて行うため、ここでは詳細な説明を省略する。これにより図3に示す断面形状データが定義されたこととなる(ステップS1)。
【0025】
次に、作業者は、定義した盛土横断面の形状を見ながら、入力部2を操作して横断面内の土性分布図を作図する。土性分布図の作成は、盛土横断面内を土性が異なる土毎の領域に分けることにより行う。この領域分割が終了した時点で、モデル生成部11は、タンクデータベース5に記憶されているタンクタイプ(土性)を読み出し、表示部3へ表示する。作業者は、表示されたタンクタイプ(土性)の中から該当する土性を選択し、各領域の土性を定義する。このとき、各領域の土性を識別子は、タンクデータベース5の識別名の2桁目の番号(図4に示す例では、1〜5)を用いる。これにより図3に示す土性分布データが定義されたこととなる(ステップS2)。
【0026】
次に、モデル生成部11は、表示部3へ営業線名と盛土識別名を入力する指示のメッセージを表示する。これを受けて、作業者は、入力部2より営業線名(○○○線)と盛土識別名(○○駅−○○駅間北側)を入力する。モデル生成部11は、ここで入力された営業線名、盛土識別名と、断面形状データと、土性分布データとを関連つけて盛土データベース4へ記憶する。
なお、この盛土データの定義作業(ステップS1、S2)は、複数の盛土についてまとめて行い、予め複数の盛土データを盛土データベース4に記憶しておいてもよい。
【0027】
次に、作業者が入力部2から土中水分解析の指示を行うと、モデル作成部11は、盛土データベース4に記憶されている営業線名と盛土識別名とを読み出し、表示部3へ表示する。これを受けて、作業者は、入力部2を操作して、表示部3に表示されている営業線名と盛土識別名の組を選択する。モデル生成部11は、盛土データベース4から、選択された営業線名と盛土識別名の組によって特定される断面形状データと土性分布データを読み出す。
【0028】
次に、モデル生成部11は、読み出した盛土横断面に対して、タンクデータベース5に記憶されているタンクを割り当てる(ステップS3)。この割当て処理は、まず土性分布データの各領域内を単位面積を持つ複数の矩形に分割し、同じ土性の領域を複数の小さい矩形領域に分割する。そして、この小さい矩形領域に対して、この領域の土性と同じタイプのタンクを選択して割り当てることにより行う。続いて、モデル生成部11は、割り当てたタンクに対して、個別のタンクを識別することが可能なタンク名を付与する。このタンク名は、土性が同じもの毎に、上位2桁が使用したタンクの識別名(T1〜T5のいずれか)とし、下位の3桁は、順番号となっている。例えば、使用したタンクが「T1」であり、「T1」のタンクが3つであれば、タンク名は「T1001」、「T1002」、「T1003」となる。この割当て処理の結果を図9に示す。
【0029】
このように、斜面の横断面形状を定義し、この横断面形状内を複数の小さい領域に分割して、分割領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段(2次元配列)のタンクモデルを生成するようにしたため、斜面の形状に合致したタンクモデルを生成することができるとともに、この多段のタンクモデルによって水分解析を行えば、正確な解析結果を得ることが可能となる。
【0030】
次に、モデル生成部11は、各領域にタンクを割り当てたデータを土中水分解析部12へ出力する。これを受けて土中水分解析部12は、図9に示すタンク配置図を表示部3へ表示するとともに、各タンクについて初期水位の定義を指示するメッセージを表示部3へ表示する。これを受けて、作業者は、画面上でタンクを選択し、この選択したタンクの初期水位の数値を入力部2から入力する。土中水分解析部12は、この初期水位の値を読み取り、各値を内部に保持するとともに解析結果記憶部7の経過時間「0」のフィールドへ書き込む(ステップS4)。
【0031】
次に、土中水分解析部12は、降雨パターン定義を指示するメッセージを表示部3へ表示する。ここで、作業者は、経過時間毎の降雨強度の数値を入力する。土中水分解析部12は、この数値を読み取り内部に保持する。続いて、土中水分解析部12は、表示部3へ降雨パターン識別名を入力する指示のメッセージを表示する。これを受けて、作業者は、入力部2より降雨パターン識別名を入力する。土中水分解析部12は、ここで入力された降雨パターン識別名と、経過時間毎の降雨強度値を関連つけて降雨パターンデータベース6へ記憶する。
なお、この降雨パターンデータの定義作業(ステップS5)は、複数の降雨パターンについてまとめて行い、予め複数の降雨パターンデータを降雨パターンデータベースに記憶しておいて、使用する降雨パターンデータを作業者に選択させるようにしてもよい。
【0032】
次に、土中水分解析部12は、経過時間変数Tをゼロリセットし(ステップS6)、単位経過時間Tsを変数Tに加算する(ステップS7)。ここでは、Tsを「1」とする。そして、土中水分解析部12は、初期状態から時間Tだけ経過した時点の各タンクの水位Hを算出する(ステップS8)。図10に示すように、盛土表面に配置されているタンクには、降雨パターンデータで定義される強度の雨が流入するとともに、各タンクの横穴と下穴から流出する水が隣り合うタンクへ流入するようになっているため、時間Tの各タンクの水位Hは、初期の水位から流出する水量を減算し、この結果に流入する水量を加算することによって算出する。このとき、タンクデータベース5に定義されている各穴のバルブ特性を参照して、各タンクから流出する水量を算出する。土中水分解析部12は、ここで算出した各タンクの水位を解析結果記憶部7の経過時間「1」のフィールドへ書き込む(ステップS9)。
【0033】
次に、土中水分解析部12は、変数Tがしきい値TH(ここでは、20)を超えたか否かを判定し、超えていなければ、ステップS7へ戻り、同様の処理を繰り返し行う(ステップS10)。この計算処理によって、解析結果記憶部7には、各タンク毎に、各経過時間後のタンク内の水位が書き込まれたこととなる。
【0034】
このように、盛土の横断面内に2次元配列のタンクを配置し、各タンクの横穴と下穴から流出する水が隣り合うタンクへ流入するようして、各経過時間後の各タンク内の水位を計算したため、盛土内の水分の挙動を正確に把握することが可能となる。
【0035】
なお、図1における処理部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより土中水分解析処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0036】
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【実施例1】
【0037】
次に、図11を参照して、本発明の土中水分解析装置による解析結果と観測データとの比較結果を説明する。図11は、のり面上方の深さ100cmの位置における本発明による土中水分量の計算値と、同一の位置における土中水分量の観測データとを降雨量と重ねてプロットした図である。この図に示すように、本発明による土中水分量の計算値は、観測データと良く合っているのが分かる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
前述した説明では、盛土を例にして説明したが、土性分布や横断面が既知であれば自然の斜面等にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】図1に示す盛土データベース4のテーブル構造を示す説明図である。
【図4】図1に示すタンクデータベース5のテーブル構造を示す説明図である。
【図5】図1に示す降雨パターンデータベース6のテーブル構造を示す説明図である。
【図6】図1に示す解析結果記憶部7のテーブル構造を示す説明図である。
【図7】タンクモデルのパラメータを示す説明図である。
【図8】バルブ特性の一例を示す説明図である。
【図9】盛土の断面にタンクを配置した例を示す説明図である。
【図10】空間分布配置のタンクモデルを示す説明図である。
【図11】実測値との比較検証結果を示す図である。
【符号の説明】
【0040】
1・・・解析装置、11・・・モデル生成部、12・・・土中水分解析部、2・・・入力部、3・・・表示部、4・・・盛土データベース、5・・・タンクデータベース、6・・・降雨パターンデータベース、7・・・解析結果記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
斜面の横断面形状を定義する形状定義手段と、
前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割手段と、
前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成手段と、
経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義手段と、
前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算手段と
を備えたことを特徴とする土中水分解析装置。
【請求項2】
土性毎にタンクモデルのタンクの特性が定義されたタンクデータ記憶手段と、
斜面の横断面形状を定義する形状定義手段と、
前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割手段と、
前記領域のそれぞれについて土性を定義する土性定義手段と、
前記領域のそれぞれに定義されている土性に合致するタイプのタンクモデルのタンクを前記タンクデータ記憶手段から読み出して各領域に割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成手段と、
経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義手段と、
前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算手段と
を備えたことを特徴とする土中水分解析装置。
【請求項3】
前記タンクの流出係数は、タンク内部の水位に応じた非線形関数であることを特徴とする請求項1または2に記載の土中水分解析装置。
【請求項4】
斜面の横断面形状を定義する形状定義手段と、
前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割手段と、
前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成手段と
を備えたことを特徴とするタンクモデル生成装置。
【請求項5】
斜面の横断面形状を定義する形状定義過程と、
前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割過程と、
前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成過程と、
経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義過程と、
前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算過程と
を有することを特徴とする土中水分解析方法。
【請求項6】
土性毎にタンクモデルのタンクの特性を予め定義して記憶しておくタンクデータ記憶過程と、
斜面の横断面形状を定義する形状定義過程と、
前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割過程と、
前記領域のそれぞれについて土性を定義する土性定義過程と、
記憶しておいたタンクデータの中から前記領域のそれぞれに定義されている土性に合致するタイプのタンクモデルのタンクデータを読み出して各領域に割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成過程と、
経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義過程と、
前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算過程と
を有することを特徴とする土中水分解析方法。
【請求項7】
前記タンクの流出係数は、タンク内部の水位に応じた非線形関数であることを特徴とする請求項5または6に記載の土中水分解析方法。
【請求項8】
斜面の横断面形状を定義する形状定義過程と、
前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割過程と、
前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成過程と
を有することを特徴とするタンクモデル生成方法。
【請求項9】
斜面の横断面形状を定義する形状定義処理と、
前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割処理と、
前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成処理と、
経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義処理と、
前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算処理と
をコンピュータに行わせることを特徴とする土中水分解析プログラム。
【請求項10】
土性毎にタンクモデルのタンクの特性を予め定義して記憶しておくタンクデータ記憶処理と、
斜面の横断面形状を定義する形状定義処理と、
前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割処理と、
前記領域のそれぞれについて土性を定義する土性定義処理と、
記憶しておいたタンクデータの中から前記領域のそれぞれに定義されている土性に合致するタイプのタンクモデルのタンクデータを読み出して各領域に割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成処理と、
経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義処理と、
前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算処理と
をコンピュータに行わせることを特徴とする土中水分解析プログラム。
【請求項11】
前記タンクの流出係数は、タンク内部の水位に応じた非線形関数であることを特徴とする請求項5または6に記載の土中水分解析プログラム。
【請求項12】
斜面の横断面形状を定義する形状定義処理と、
前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割処理と、
前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成処理と
をコンピュータに行わせることを特徴とするタンクモデル生成プログラム。
【請求項1】
斜面の横断面形状を定義する形状定義手段と、
前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割手段と、
前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成手段と、
経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義手段と、
前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算手段と
を備えたことを特徴とする土中水分解析装置。
【請求項2】
土性毎にタンクモデルのタンクの特性が定義されたタンクデータ記憶手段と、
斜面の横断面形状を定義する形状定義手段と、
前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割手段と、
前記領域のそれぞれについて土性を定義する土性定義手段と、
前記領域のそれぞれに定義されている土性に合致するタイプのタンクモデルのタンクを前記タンクデータ記憶手段から読み出して各領域に割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成手段と、
経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義手段と、
前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算手段と
を備えたことを特徴とする土中水分解析装置。
【請求項3】
前記タンクの流出係数は、タンク内部の水位に応じた非線形関数であることを特徴とする請求項1または2に記載の土中水分解析装置。
【請求項4】
斜面の横断面形状を定義する形状定義手段と、
前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割手段と、
前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成手段と
を備えたことを特徴とするタンクモデル生成装置。
【請求項5】
斜面の横断面形状を定義する形状定義過程と、
前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割過程と、
前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成過程と、
経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義過程と、
前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算過程と
を有することを特徴とする土中水分解析方法。
【請求項6】
土性毎にタンクモデルのタンクの特性を予め定義して記憶しておくタンクデータ記憶過程と、
斜面の横断面形状を定義する形状定義過程と、
前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割過程と、
前記領域のそれぞれについて土性を定義する土性定義過程と、
記憶しておいたタンクデータの中から前記領域のそれぞれに定義されている土性に合致するタイプのタンクモデルのタンクデータを読み出して各領域に割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成過程と、
経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義過程と、
前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算過程と
を有することを特徴とする土中水分解析方法。
【請求項7】
前記タンクの流出係数は、タンク内部の水位に応じた非線形関数であることを特徴とする請求項5または6に記載の土中水分解析方法。
【請求項8】
斜面の横断面形状を定義する形状定義過程と、
前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割過程と、
前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成過程と
を有することを特徴とするタンクモデル生成方法。
【請求項9】
斜面の横断面形状を定義する形状定義処理と、
前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割処理と、
前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成処理と、
経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義処理と、
前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算処理と
をコンピュータに行わせることを特徴とする土中水分解析プログラム。
【請求項10】
土性毎にタンクモデルのタンクの特性を予め定義して記憶しておくタンクデータ記憶処理と、
斜面の横断面形状を定義する形状定義処理と、
前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割処理と、
前記領域のそれぞれについて土性を定義する土性定義処理と、
記憶しておいたタンクデータの中から前記領域のそれぞれに定義されている土性に合致するタイプのタンクモデルのタンクデータを読み出して各領域に割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成処理と、
経過時間毎の降雨量を定義する降雨量定義処理と、
前記降雨量に基づいて、前記タンクのそれぞれについて内部の水位を所定時間経過毎に求めて出力する計算処理と
をコンピュータに行わせることを特徴とする土中水分解析プログラム。
【請求項11】
前記タンクの流出係数は、タンク内部の水位に応じた非線形関数であることを特徴とする請求項5または6に記載の土中水分解析プログラム。
【請求項12】
斜面の横断面形状を定義する形状定義処理と、
前記横断面形状内を複数の小さい領域に分割する領域分割処理と、
前記領域のそれぞれに所定の特性を有するタンクモデルのタンクを割り当てることにより多段のタンクモデルを生成するモデル生成処理と
をコンピュータに行わせることを特徴とするタンクモデル生成プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−10393(P2006−10393A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184993(P2004−184993)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2004年5月13日 社団法人砂防学会発行の「平成16年度 砂防学会研究発表会概要集」に発表
【出願人】(000221616)東日本旅客鉄道株式会社 (833)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 2004年5月13日 社団法人砂防学会発行の「平成16年度 砂防学会研究発表会概要集」に発表
【出願人】(000221616)東日本旅客鉄道株式会社 (833)
【Fターム(参考)】
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