説明

土砂の洗浄装置

【課題】
土砂を水槽に投入することで、圧密沈降することなく、土砂を洗浄し、粘土を取り除き、洗浄砂として取り出す。
【解決手段】
土砂を水槽に貯留する時、水槽底部に圧密堆積してしまうのは、堆積する砂層内の水が排除されてしまい、堆積層内に水がなくなることに原因があることから、土砂と混在する粘土、及び砂に付着する粘土を除去して、洗浄砂を得るために、土砂を水中で貯留する水槽、土砂を洗浄する装置、粘土混じりの水から粘土を分離する装置とを有し、土砂が水中で圧密沈降することなく、洗浄砂を得、洗浄砂中には、粘土成分は残留しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は土砂を洗浄し、洗浄砂とするために、粘土を取り除く装置に関する。
【背景技術】
【0002】
粘土が含まれない川砂や海砂等の上質の砂は、その資源量は、乏しく、また山砂や建設残土等から分離した砂は、川砂や海砂等と違って、粘土分が残り、使用用途は、埋め戻し砂等の品質が余り要求されない場所での使用に限定される。
【0003】
これらの低品質な砂から粘土分を簡単に除去することができれば、高品質な洗浄砂となり、大量に廃棄され、その廃棄場所も少なくなっている建設残土等が資源としての利用範囲を広めることができる。
【0004】
このような砂洗浄に関する技術として、泥土を振動篩機にかけて礫類を除去し、篩い分けした泥土を流量調整器で循環槽と固化槽とに分けて投入し、循環槽の泥土は、調整槽とリサイクル槽で所定の性状の泥水に調整して掘削機に供給することにより、リサイクル使用可能とし、前記固化槽の泥土は、固化材の混合により固化土にすることで一般残土として処理するものが提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
土砂から砂を得、更に洗浄砂とするためには、土砂中に含まれる粘土を取り除く必要がある。しかしながら、粘土は砂の粒子表面に、強固に付着しており、振動スクリーン等の機械処理の方法では、この砂粒子に付着する粘土は、取り除くことができない。また水洗浄だけでは、土砂中に混在する粘土は洗い出されても、付着粘土は残ってしまう。
【0006】
洗浄水により、洗浄する方法、また水に浸し、砂と粘土の比重差を利用して、粘土を除去する方法は、機械による方法と異なり、操作はしやすいが、大量の濁水が発生し、公害の要因となり、また土砂を水槽に貯留しようとすれば、砂は水槽底に圧密堆積をしてしまい、水槽からの取出しが困難となってしまう等、一般的な操作方法とはなっていない。
【0007】
【特許文献1】特開2002−021471号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
砂粒子の表面に強固に付着する粘土を除去するためには、粘土は水中では、膨潤する性質があることから、対象土砂を先ず、水槽等に貯留し、十分に水となじませた上で砂と粘土を分離させる必要がある。しかし土砂を水槽等に貯留した場合、比重の重い砂粒子は、先に沈降してしまい、水槽底部に圧密した状態で堆積する。圧密することで、水槽から比重の重い砂等の取出しが困難となるため、水槽に貯留した時、圧密させない処置を講じる必要がある。
【0009】
砂の粒子表面に強固に付着する粘土は、水槽に貯留することにより、砂の粒子表面からはがれやすくなるが、砂と粘土が混在する混合水を、攪拌し、砂を沈殿させるために攪拌を止め、静置させて、砂を回収する方法では、静置している時に、砂層の上面には粘土が薄く沈積してしまい、砂を回収する時、この堆積砂層の上の薄い粘土膜が発生しないようにする必要がある。
【0010】
水槽内で砂から粘土を分離する場合、粘土は沈降分離がし難い濁水となる。沈降分離の処理をするためには、凝集剤等を大量に添加して、凝集分離操作をする必要がある。しかしこの方法は、凝集剤等が大量に消費され、かつ凝集汚泥が大量に発生してしまうため、無薬注で水と粘土を分離させるようにしなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
土砂を水槽に貯留する時、水槽底部に圧密堆積してしまうのは、堆積する砂層内の水が排除されてしまい、堆積層内に水がないことに原因がある。
【0012】
そこで、本発明は、土砂と混在する粘土、及び砂に付着する粘土を除去して、洗浄砂を得るために、先ず土砂を水中で圧密堆積が防止できる水槽に貯留し、次に洗浄装置で、土砂から砂と粘土を分離し、洗浄砂を得、分離された粘土は粘土混じりの水として取り出し、粘土分離装置で、水は不織布を通して排水させ、水切りされた粘土で取り出すこれらの装置の構成により、洗浄砂を得、洗浄砂中に粘土成分を残留させないようにする。
【0013】
土砂を水の張った水槽で貯留する時、比重の重い砂分は、先に沈降し、水槽底に圧密した状態で堆積してしまうことを防止するために、不織布を折り重ねて多くのヒダをもたせた筒状にし、短管の上端にヒモ等で巻きつけて固定し、次に下端を上端に揃えるよう、同じ方法で固定することで、不織布の筒のヒダが平面的に広がり、円盤状となり、更に短管の最上部に、別の不織布の一端を全周に巻きつけ、ヒモ等で固定し、固定されていない端部をねじりながら、短管内に押し込むことにより、ヒダの多い凹状のふたとなり、一つ一つが自立する砂止め短管を水槽底に、凹状のふたを上にして、円盤状となっている不織布が重ね合えるように隣接させて、全面に配置することで、円盤状となっている不織布と水槽底には滞水する空間ができ、次に水槽に水を投入し、続いて土砂を投入すれば、砂止め短管に巻きつけた不織布が土砂を落下させず、不織布を介して、土砂の下には常に水があることで、砂分の圧密沈降は起こらず、また土砂中の粘土も良く水になじみ、土砂から粘土が分離しやすくなり、この土砂を洗浄装置に移し、洗浄することで洗浄砂を得る。
【0014】
土砂の洗浄装置となる水槽底には、受入土砂の圧密を防止するために前項の砂止め短管を配し、洗浄装置内には土砂から砂と粘土を分離するための強い水流を作る水中ミキサーを水槽底に装備し、水中ミキサーによる水流で、土砂から砂と粘土を分離し、更に砂止め短管を設置する水槽底の滞水部に水を供給し、水槽底全面から水を押し出すことにより、圧密堆積することなく、水槽下部の砂が流動し、砂は、排砂部に集積し、排砂部に取り付ける排砂バルブから洗浄砂として取り出し、粘土は水流の緩やかな水槽中央部から、粘土混じりの水として、別置きの粘土分離槽に送水し、水と粘土に分離する。
【0015】
排砂バルブは、洗浄砂の排出時、閉塞を防ぐために、2つの円筒短管、それぞれの短管端部にネットの布を巻き付け、ヒモ等で固定し、垂直にして、上にくる短管の上端は洗浄装置底に溶接等により固定し、下側の短管内中央には、洗浄装置上部に設けるハンドルと接続するシャフトとそのサポート材を取り付け、ハンドルを回すことで、下端の円筒が回り、上の短管が固定されていることにより、上下端に巻き付けられたネット布がねじ上げられ、ねじ上げられる度に中央の排出口となる広がりが絞られ、狭くなり、ハンドルを回しきることで、閉状態となり、ハンドルを緩め、ネット布のねじれをとることにより、開状態となるバルブの機能を備える。
【0016】
土砂洗浄装置内から取り出される粘土混じりの水は、粘土と水を分離させるために、粘土分離槽へ送水し、粘土分離槽の底部には、前項の排砂バルブと同じ形状であって、ネットの代わりに不織布とした排泥バルブを取り付け、排泥バルブを閉状態にして、粘土混じりの水を受け入れることにより、水は不織布を通して、下部の排水槽に排水され、排泥バルブを開放にすることで、水切りされた粘土は落下して、回収される。
【発明の効果】
【0017】
土砂を水中で貯留する槽底部に、不織布を折り重ねて多くのヒダをもたせた筒状の砂留め短管を配置することにより、底層の土砂は湿潤し、砂の圧密堆積が防止できる。また土砂が水に浸されることにより、砂粒子に付着していた粘土は水と良くなじみ、はがれやすくなる。
【0018】
土砂洗浄装置内では、強い水流により、砂と粘土が分離し、更に水槽底には砂の圧密を防止する前項の砂止め短管を配し、更に槽底全面から水を押し出すことにより、水槽下部の砂層が流動し、砂層の上面には粘土が薄く沈積してしまい、回収砂に混入することが防止できる。
【0019】
土砂洗浄装置の排砂口には、排砂バルブを取り付け、排砂バルブは円筒短管の上下端に、ネットになった布を巻き付け、上端は洗浄装置底に固定し、下端の円筒内にはシャフトを取り付け、洗浄装置上部に設けるハンドルと接続し、ハンドルを回すことで、巻きつけられた布がねじれ、排出口の広がりが加減できる構造で、ねじりを解消してしまえば、円筒短管内の全面が開放され、また短管の口径を大きくしても、構造はそのままで、その機能は変わらない。砂が堆積する場所では、必ず圧密堆積が起こり、そのため排出管等は閉塞してしまうことを防止できる。
【0020】
砂から分離された粘土は、粘土分離槽に導水し、前項の排砂バルブと同じ構造で、ネットの代わりに不織布を使用した排泥バルブを取り付け、不織布を捻ることにより、底部を閉状態にして濁水を受入れ、不織布を通して、濁水はろ過されて、排水される。凝集剤等を大量に添加する凝集分離操作等をする必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下本発明にかかる土砂洗浄装置の実施例について、図を参照して説明する。図1に示すように、土砂を貯留する水槽1、土砂の圧密堆積を防止する砂止め短管2、土壌洗浄装置3、土砂洗浄装置3から洗浄砂を排出する排砂バルブ4、洗浄砂を受け入れる水槽5、粘土分離槽6、排水槽7で構成される。
【0022】
土砂から砂と粘土を分離するためには、先ず土砂の圧密沈降を防止する必要がある。土砂を貯留する水槽1、土砂洗浄装置3の処理においても、圧密沈降の防止をしなければ、その機能は果たせない。圧密沈降を防止するための手段として、各水槽の底に自立する砂留め短管を置き、常に水槽の底には、水が滞水されるようにする。そのためには水槽に投入した土砂が滞水部に落下しないことが必要である。
【0023】
砂止め短管2は図2(a)に示すように、不織布21を折り重ねて多くのヒダをもたせた筒状にし、プラスチック等の短管22の上端にヒモ等で巻きつけて固定し、次に下端を上端に揃えるよう、同じ方法で固定し、上端までずりあげることで、不織布21の筒のヒダが平面的に広がり、円盤状となり、更に短管22の最上部に、別の不織布23の一端を全周に巻きつけ、ヒモ等で短管22に固定し、固定されていない端部を紐等で閉じたうえでねじりながら、短管内22に押し込むことにより、ヒダの多い凹状の蓋となる。砂止め短管2は、プラスチック等の短管22の外側を放射状に広がった円盤状の不織布21と、その短管22の上部には、ヒダの多い不織布23の上部蓋でもって構成される。この砂止め短管2を図2(b)に示すように水槽底に、不織布23の上部蓋を上にして、円盤状となっている不織布が重ね合えるように隣接させて、全面に配置する。短管21の円盤状となる不織布21と水槽底との間には図2(c)に示すように保水するための滞水部ができる。水槽に水を投入し、続いて土砂を投入すれば、砂止め短管2に巻きつけた不織布21が土砂を落下させず、また不織布21、蓋となるヒダの多い不織布23を介して、土砂の下には常に水があることで、土砂は湿潤し、砂分の圧密沈降は起こらない。
【0024】
土砂を貯留する水槽1は、図3(a)(b)に示すように底部には、砂止め短管2を水槽底部の全面に配置し、更にその上には、土砂をユンボ等で排出する時に、そのツメから保護をするために、図3(c)に示す防護板11を置く。土砂を貯留する水槽1に注水し、水位が砂止め短管2の高さ以上になった時点で、土砂を受け入れる。土砂の投入後、更に水を投入土砂の全部が水に浸るまで注水する。土砂は水に浸った状態で5〜10日間静置し、砂粒子に付着する粘土をよく水になじませる。
【0025】
土砂を貯留する水槽1は、2基以上設置し、土砂を取り出す作業時は、当該水槽1に注水された水は、別の土砂を貯留する水槽1への注水する水に利用する。
【0026】
静置後、ユンボ等により取り出した土砂は、受入ホッパー12に受入れる。受入ホッパー12には、砂利やごみ等を除去するためにスノコ13を備え、スノコ13の下には、トラフ14を設置する。受入ホッパー12へは、後述する粘土分離槽6からの濁水を給水し、土砂はトラフ14から、水流により土砂洗浄装置3へ送泥する。
【0027】
土砂洗浄装置3は、図4(b)に示すように、洗浄砂を受け入れる水槽5の上部に設置する。洗浄砂を受け入れる水槽5は、洗浄砂と同時に排出される水も受け入れる。排水は洗浄砂を受け入れる水槽5の底部に排水ピット51を設け、排水ポンプ52により、土砂洗浄装置3へ送水し、循環水となる。
【0028】
土砂洗浄装置3は、図4(a)(b)に示すように、水槽内で水流をつくるための水中ミキサー31、洗浄した砂を排出する排出バルブ4と、水槽底には砂の圧密を防止する砂止め短管2を全面に取り付ける。また洗浄砂を受け入れる水槽5内の排水ポンプ52は、土砂洗浄装置3の水槽底部に設けられたノズル32に接続され、砂止め短管2の下部に保水するために設けられた滞水部に給水し、砂止め短管2の上部ふたの凹部(不織布23)を通して、水槽底全面から水を押し出し、水槽下部の砂層を流動させ、粘土を沈殿させないようにする。
【0029】
水槽底部に設置する水中ミキサー31からの水流は、水槽底部を排砂バルブ4のある砂の堆積部に向かって流れ、水中ミキサー31が設置されている反対端で、水槽壁に沿って上昇流となる。水槽上部は、水槽底部とは逆の水の流れにより、水中ミキサー31に吸い込まれる。滞水部に給水することで、砂留め短管2の円盤状となる不織布21を通して、水槽底に水が給水され、給水されることにより、砂留め短管上の砂は、流動し、水中ミキサー31の水流に沿って、排砂バルブ4のある堆砂部への流れが助長されると共に、滞水部からの給水により、水槽底は常に水が流動していることから、粘土が沈積することなく、また砂の圧密沈降も防止できる。
【0030】
自立する砂留め短管2の上部凹部には、前もって砂を詰めておくことにより、水中の浮力により、浮き上がって、倒れることなく、安定性が増し、滞水部から給水することで、砂留め短管2は浮き上がることもない。
【0031】
土壌洗浄装置3に投入された土砂は、図5に示すように、水中ミキサー31の強い水流による攪拌で、水中で比重の重い砂分は沈降分離し、粒子の細かい粘土成分は、コロイドとなって、水中に浮遊し、水中ミキサー31の強い水流に乗って、槽内を循環する。土砂を貯留する水槽1で静置することにより、砂分に付着した粘土成分は、水を吸って、膨潤しており、強い水流による攪拌により、砂分から剥がれやすい状態となっている。土砂の投入を続けることで、粘土成分のコロイド濃度が高まってくる。水槽底部は、排砂部に向かっての水流であり、水槽上層部は、水中ミキサー31へ向かっての水槽底とは反対方向の流れで、その中層部は緩やかな流れとなり、流れに乗った砂分が少ないゾーンとなる。この中層部からコロイドとなって浮遊している粘土成分を濁水として水槽から、排水する。
【0032】
排水バルブ4は、図6に示すように、洗浄砂の閉塞を防止するために、口径の大きい鉄製の2つの円筒短管41、42にそれぞれの端部にネットの布43を巻き付け、固定し、垂直にして、上側の短管41の上端は土砂洗浄装置3の水槽底に溶接等により固定し、下側の短管42内中央には、十字形のサポート材46を取り付け、土砂洗浄装置3の天端で操作ができるハンドル44、ハンドル44に固定されるシャフト45と下の短管42のサポート材46の中心部がボルト等で固定される。短管41は、水槽に固定されていることから、ハンドル44を回すことにより、自由となっている下の短管42は回転し、上昇する。下の短管42が回転・上昇することで、短管41、42に巻きつけられているネット布43は、図6(b)に示すようにねじ上げられ、その中心部がしぼみ、更にハンドル44を回しきることで、中心部は閉じられた状態となる。ハンドルを緩め、ネット布43のねじれをとることにより、短管の全面が開状態となるバルブの機能を備える。
【0033】
土壌洗浄装置3へ投入された土砂は、砂と粘土に分離され、砂は排砂バルブ4から取り出され、土壌洗浄装置3内の水は、粘土が濃縮してくる。濃縮された土壌洗浄装置3内の水は、図4に示す排水ポンプ33により、図7に示す粘土分離槽6へ送水し、粘土分離槽6からオーバーフローにより、土砂受入ホッパー12へ送水され、排水ポンプ33により、土砂洗浄装置3、粘土分離槽6を循環する。
【0034】
粘土分離槽6の下部には、図7に示すように、土砂洗浄装置3に設置する排砂バルブ4と同じ構造の排泥バルブ63が取り付けられ、排泥バルブ63の上部の短管は粘土分離槽6の本体に固定され、下部の短管には、粘土分離槽6の天端で操作ができるハンドルとシャフトが取り付けられる。排砂バルブ4のネット布43を不織布64とすれば、排泥バルブ63を通過する水は、不織布64によりろ過されて、排水される。また粘土分離槽6には、土砂洗浄装置3の排水ポンプ33からの送水配管を接続する入口ノズル61、オーバーフローをするノズル62を有す。
【0035】
粘土分離槽6の排泥バルブ63を閉の状態にして、排水ポンプ33から、送水を受け、滞水し、オーバーフローする。粘土分離槽6の大きさは、粘土成分が自然沈降により除去ができる面積を有する。またオーバーフロー水は放流させることはない。このオーバーフロー水は受入ホッパー12の下のトラフ14により、水流によって、土砂を送泥する水に利用する。このことにより、粘土分離槽6の水は、土砂洗浄装置3を循環する。
【0036】
排泥バルブ63を閉にすることで、粘土分離槽6には、粘土が沈降して、堆積する。排泥バルブ63を全開とすれば、粘土分離槽6の底部は全面開放され、堆積粘土が落下する。粘土分離槽6の下方には、排水槽7を設置する。排泥バルブ63を閉とすることで、排泥バルブ63の不織布からろ過された水は排水槽7に滴下する。排水槽7の水出口ノズル71から排水ポンプ72により、土砂を貯留する水槽1へ返送する。
【0037】
排水槽7の上部には、排泥バルブ63開にしたとき、堆積粘土が排水槽7に落下しないように、傾斜板73を設け、排水は傾斜板73を伝わって排水槽7へ導水する。堆積粘土は、傾斜板73を滑って、排水槽7の横に落下し、回収される。
【0038】
粘土分離槽6は、ある程度粘土が堆積すれば、閉状態の排泥バルブ63の不織布から、自然に水切りされるまで、放置させる必要があるため、複数台の設置となる。自然に水切りされ、排泥バルブ63を開にして回収するまで、粘土の種類にもよるが、1〜2日程度である。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施の形態に係る土壌の洗浄装置のフローを示す概略図である。
【図2】土砂の圧密堆積を防止する砂止め短管を示す概略図である。
【図3】土砂を貯留する水槽を示す概略図である。
【図4】土壌洗浄装置を示す概略図である。
【図5】水槽内における砂と水の流れを示す模式図である。
【図6】排砂バルブを示す概略図である。
【図7】粘土分離槽及び排水槽を示す概略図である。
【符号の説明】
【0040】
1・・土砂を貯留する水槽、12・・受入ホッパー、13・・スノコ、14・・トラフ
2・・土砂の圧密堆積を防止する砂止め短管、21・・不織布、22、円筒短管、
23・・上部ふたの不織布、
3・・土壌洗浄装置、31・・水中ミキサー、32・・送水受入ノズル、33・・排水ポンプ
4・・排砂バルブ、41・・上部短管、42・・下部短管、43・・ネット布、44・・ハンドル、45・・シャフト、46サポート材
5・・洗浄砂を受け入れる水槽、51・・排水ピット、52・・排水ポンプ、
6・・粘土分離槽、61・・入口ノズル、62・・オーバーフローノズル、63・・排泥バルブ、64・・不織布
7・・排水槽、71・・排水槽出口ノズル、72・・排水ポンプ、73・・傾斜板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を張った状態土砂を受け入れる水槽と、上記水槽底部に配置された複数の短管とを有しており、
上記短管の上端外周部には、折り重ねて多くのヒダをもたせた不織布を固定することで、上記不織布のヒダが平面的に広がって円盤状となり、
更に上記短管の最上部には、別の不織布の一端を全周に巻きつけて固定し、固定されていない他端部をねじりながら、短管の中空部内に押し込むことにより、ヒダを有する凹状のふたを構成し、
上記短管を、上記凹状のふたを上にして、上記円盤状となっている不織布が重ね合う間隔で隣接させて上記水槽底全面に配置することで、上記円盤状となっている不織布と上記水槽底との間に形成された滞水する滞水空間を形成し、
この状態で水槽に水を投入し、続いて土砂を投入することにより、上記短管に巻きつけた不織布が土砂を落下させず、上記滞水空間の水が不織布を介して、不織布の上にある土砂を湿潤させることで、土砂の圧密沈降を防止すると共に、土砂中に水が浸入することで粘土を膨潤させ、土砂に付着した粘土を分離させることができる、
ことを特徴とする土砂の洗浄装置。
【請求項2】
水を張った水槽と、
水槽端の底に土砂から砂と粘土を分離するための強い水流を作る水中ミキサーと、水流の流末部で砂が集積する水槽端の底に排砂バルブを装備し、
水槽底全面に、折り重ねることで外周にヒダを形成した不織布を短管に巻きつけて固定することで、平面的に広がって円盤状のヒダを形成し、上記の短管の上部開口に、別の不織布の一端を全周に巻きつけて固定し、当該別の不織布の固定されていない他端部をねじりながら、短管の中に押し込むことによりヒダを有する凹状のふたとした砂留め短管を、上記凹状のふたを上にして、円盤状となっている不織布が重ね合えるように隣接させて配置し、更に上記円盤状となっている不織布の下部へ給水する給水装置を有し、
上記水中ミキサーによる水流で、上記水槽内の投入土砂が攪拌されることで、砂と粘土が分離され、粘土はコロイド粒子となって水槽内を循環し、砂は水槽底部の排砂バルブへ向う強い水流で、上記水槽端部に集積し、更に上記砂止め短管のある水槽底に形成された滞水部から水を押し出すことにより、水槽下部の砂が流動し、水槽底に砂が堆積することなく、排砂バルブから洗浄砂として取り出し、粘土は水流の緩やかな水槽中央部から、粘土混じりの濁水として排水する、
ことを特徴とする土砂の洗浄装置。
【請求項3】
上記排砂バルブは、洗浄砂の排出時、閉塞を防ぐために、2つの円筒短管、それぞれの短管端部にネット布を巻き付けて固定し、垂直にして、上側の短管の上端は洗浄装置底に固定し、下側の短管内中央には、洗浄装置上部に設けるハンドルと接続するシャフトとそのサポート材を取り付け、上記ハンドルを回すことで、下側の円筒が回り、上側の短管が固定されていることにより、上記巻き付けられたネット布がねじ上げられ、ねじ上げられる度に中央の排出口が絞られて狭くなり、ハンドルを回しきることで閉状態となり、ハンドルを緩め、ネット布のねじれをとることにより開状態となるバルブの機能を備えることを特徴とする請求項2の土砂の洗浄装置
【請求項4】
土砂洗浄装置内から取り出される粘土混じりの水から、粘土と水を分離させるための粘土分離槽と、この粘土分離槽へ送水するための送水装置を更に有し、
上記粘土分離槽の底部には、前項の排砂バルブと同じ形状であって、ネットの代わりに不織布とした排泥バルブを取り付け、排泥バルブを閉状態にして、粘土混じりの水を受け入れることにより、水は不織布を通して、下部の排水槽に排水され、排泥バルブを開放にすることで、水切りされた粘土は落下して、回収されることを特徴とする請求項2の土砂の洗浄装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−112993(P2009−112993A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−291611(P2007−291611)
【出願日】平成19年11月9日(2007.11.9)
【特許番号】特許第4082713号(P4082713)
【特許公報発行日】平成20年4月30日(2008.4.30)
【出願人】(505423601)株式会社クリーンテクノ (7)
【出願人】(507371560)
【Fターム(参考)】