圧力モニタ機能を含むフィブリン封止剤送達装置およびその方法およびキット
生物学的な封止剤を送達するための装置であり、この装置は送達装置に連結して装置内の圧力を測定する圧力モニタを含む。本装置を使用して椎間板を処置する方法、並びに、本装置を含むキットが記述される。
【発明の詳細な説明】
【関連出願との関係】
【0001】
本出願は2004年10月29日出願の米国特許仮出願番号60/623,600号に対して優先権を主張するものであり、2005年8月17日出願の米国特許出願番号11/205,760と、2005年8月17日出願の米国特許出願番号11/205,784と、2005年8月17日出願の米国特許出願番号11/205,775との一部継続出願であり、2006年2月1日出願の米国特許仮出願番号60/764,019と、2006年10月24日出願の米国特許仮出願番号60/854,413とに対して優先権を主張するものであり、これらの全ての出願を、本明細書の一部として援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に、脊髄部分に注入すること等によって送達されるフィブリン封止剤の使用に関し、より詳細には、圧力モニタを含む送達装置の使用を通してのものに関する。
【背景技術】
【0003】
フィブリン封止剤、およびフィブリングルーはよく知られており、さまざまな臨床場面で広く使用される。このような封止剤は、縫合、結紮、焼灼等を含む従来の手術技術によって出血の制御が効果的でない、または実用的でない場合に、手術における止血の附加物を指す。これらの場合には、封止剤は局部的に適用された。
【0004】
最近では、コルチコステロイドを含むフィブリン封止剤は、線維輪中の亀裂等の脊髄の椎間板の問題の処置に使用された。これに関して、米国特許第6,468,527号公報には、この配合物を椎間板(椎間板内注入)に注入して椎間板の問題を処置することが開示されている。米国特許第6,468,527号公報では、椎間板内に導入針を挿入し、導入針を通して双胴シリンジに接続された第2の針を挿入し、次に、椎間板内にフィブリノゲンとトロンビンとを注入することによってフィブリン封止剤が注入される。フィブリノゲンとトロンビンとはY接続部および針の長さを通して混合を開始する。
【0005】
しかし、本発明の発明者達は、既存の市販されているフィブリン封止剤装置は、医師と患者のためになる、望ましい安全上の特色を欠いていると言うことに問題があると認識した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上に説明した問題と不都合を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施では、フィブリン封止剤等の生体適合性のある封止剤が、例えば、ヒトの脊髄部分内に導入可能である。フィブリン封止剤はフィブリノゲンとトロンビンとを含み、混合するとフィブリンを形成する。塩化カルシウムがフィブリン封止剤に含まれてもよい。フィブリンは、さまざまな生物学的および非生物学的な薬剤等の添加剤を1つまたは複数、随意に含んでよい。
【0008】
1つの広範囲な観点では、本発明は生物学的な封止剤の送達のための装置であり、例えば、脊髄部分に、送達されている生物学的な封止剤の圧力を測定するための圧力モニタを含む。本装置は、生物学的な封止剤を送達可能で圧力モニタを含む事実上どのような構成も取り得る。本装置は、手動で引き金に圧力を加えることによって作動させ、例えば、封
止剤が外科医によって加えられた力によって注入されてもよいし、また、代わりに、コンピュータ(搭載または外付けの)等によって制御され、封止剤が自動的に注入されてもよい。封止剤が自動的に注入される場合は、本装置はサーボまたは空圧式作動機等を含み注入を促進させてよい。1つの実施形態では、本装置は送達される流体のための少なくとも2つの貯蔵部と、流体を貯蔵部の導出口を通して貯蔵部から流出させる作動組み立て体と、貯蔵部を収容するハウジングと、作動組み立て体を駆動する引き金と、装置内の流体の圧力を測定する圧力モニタとを含む。典型的には、使用時に本装置は外科医によって保持される。このように、本装置は手持ち可能でよく、この用語は当分野で理解される。または、本装置は封止剤の注入の前、または注入の間、または注入の後に静止アーム、またはロボットアーム等によって保持されるように適合してよい。
【0009】
貯蔵部はカートリッジ中の内孔、または2つのシリンジの内孔等の形態を取り得る。内孔はその中にプランジャを有し流体を内孔から押し出す役割を持ってよい。これらの実施形態では、作動組み立て体はプランジャを係合させる役割を持ち、プランジャが流体を内孔から押し出すようにする。作動組み立て体は引き金に加えられた圧力によって作動する。
【0010】
1つの観点では、本装置は、送達される流体のための少なくとも2つの円筒状の内孔を有し、円筒のそれぞれが流体の導出口を含むカートリッジと、円筒から流体を押し出すためにそれぞれの円筒内に配置されたプランジャと、カートリッジを受けるように適合されカートリッジの導出口に操作可能に接続するマニフォールドを受けて固定化するアダプタを含むハウジングと、それぞれが少なくとも部分的に円筒内孔の中に配置される少なくとも2つの歯の付いた押し棒と、ハウジングに接続されており歯の付いた駆動ラックを含む引き金と、歯の付いた駆動ラックおよび歯の付いた押し棒と協調する歯の付いた車輪組み立て体とを有し、装置内の流体の圧力を測定するための圧力モニタをさらに含む。この実施形態では、作動組み立て体は、押し棒と、駆動ラックを、車輪組み立て体とを含む。いくつかの実施形態では、圧力モニタはハウジング内に収容される。圧力モニタが取っ手の上方で装置の後方に向かって配置される表示器を含む。圧力モニタがハウジングに対して同じ高さの表示器を含む。圧力モニタが電子式圧力モニタである。圧力モニタが少なくとも1つの貯蔵部に操作可能に取り付けられる圧力トランスジューサを含む。流体の圧力が所与の水準に達すると圧力モニタが外科医に警告する。流体の圧力が所与の水準に達すると圧力モニタが音を発散させて外科医に警告する。流体の圧力が所与の水準に達すると圧力モニタが信号を発光させて外科医に警告する。流体の圧力が所与の水準に達すると圧力モニタが装置を振動させて外科医に警告する。圧力モニタは外科医によって所与の最大圧力に設定されるように適合される。流体の圧力が所与の水準に達すると圧力モニタは流体の圧力がさらに増加することを停止させる。圧力モニタがコンピュータにデータを供給する。およびこれらの組み合わせである。
【0011】
代わりの実施形態では、圧力モニタはハウジング内に収容される。圧力モニタは取っ手の上方で装置の後方に向かって配置される表示器を含む。圧力モニタがハウジングに対して同じ高さの表示器を含む。圧力モニタは空圧式、電子式、油圧式、または複合の圧力モニタでよい。流体の圧力が所与の水準に達すると圧力モニタは外科医に視覚的な警告を与えてもよい、すなわち、マニフォールドにおける流体の圧力が所与の水準に達すると、符号付きの文字盤または目盛り付きの円筒上にある校正された針または同様な指針の手段によって、圧力モニタは外科医に警告してよい。校正された目盛りは、数値的に定義されたもの、または何らかの定義の色体系よって表示されるものでよい。
【0012】
1つの一般的な観点では、本発明はフィブリン封止剤の送達のための装置であり、複数筒シリンジ等の少なくとも2つの流体貯蔵部と、導入針と、複数筒シリンジの第1の筒等の1つの流体貯蔵部から第1の流体を受けるように適合されると共に導入針の中に延在す
るように適合された流体送達チューブと、複数筒シリンジの第2の筒等のように第2の流体貯蔵部に連結された接続器と、送達装置に連結され装置内の圧力を測定する圧力モニタとを含み、流体送達チューブが導入針の中に延在するように接続器が導入針に連結されると共に流体送達チューブを受けるように適合される。
【0013】
他の一般的な観点では、本発明は椎間板を処置する方法であり、フィブリン封止剤等の生物学的な封止剤を椎間板内に注入し、線維輪の少なくとも1つの欠陥を封止するステップを含み、生物学的な封止剤は、注入されているフィブリン封止剤の圧力を測定する圧力モニタを含む送達装置を使用して注入される。生物学的な封止剤がフィブリン封止剤の場合、フィブリン封止剤はフィブリノゲンとトロンビン等の活性化化合物とを含んでよく、椎間板内に注入後にフィブリノゲンと活性化化合物が椎間板内にフィブリンの少なくとも一部を形成する。1つの実施形態では、フィブリノゲンが自己由来である。典型的には、双筒シリンジを使用して注入が行われる。
【0014】
他の一般的な観点では、本発明は脊髄部分の関節を処置する方法である。脊髄椎間板関節以外には、これは、仙腸関節等の脊髄の他の接合関節、横環軸関節または胸部脊椎関節突起関節を含み得る。本発明は関節を処置する方法であり、フィブリン封止剤等の生物学的な封止剤を関節内に注入し、関節包の少なくとも1つの欠陥を封止するステップを含み、生物学的な封止剤は、注入されているフィブリン封止剤の圧力を測定する圧力モニタを含む送達装置を使用して注入される。生物学的な封止剤がフィブリン封止剤の場合、フィブリン封止剤はフィブリノゲンとトロンビン等の活性化化合物とを含んでよく、関節内に注入後にフィブリノゲンと活性化化合物が関節内にフィブリンの少なくとも一部を形成する。1つの実施形態では、フィブリノゲンが自己由来である。
【0015】
本方法は、生物学的な封止剤が椎間板の複数の場所で椎間板に注入されるように実施可能である。1つの実施形態では、椎間板内空間の少なくとも1つの欠陥に隣接する場所に先端を有する導入針を挿入し、導入針を通して(随意で導入針の先端を超えず先端まで)第2の針またはポリマーカテーテルを挿入し、注入されている封止剤の圧力をモニタしながら、第2の針またはポリマーカテーテルを通して生物学的な封止剤を注入することによって、注入が行われる。または、1つの成分が導入針を通して注入され、生物学的な封止剤の第2の成分が第2の針またはポリマーカテーテルを導入針を通して注入される。本発明は、このように、注入されている流体の圧力をモニタしながら、脊髄部分に生物学的な封止剤を送達する方法を含み、圧力は電子的な圧力モニタが使用される。本発明は、外科医が流体の圧力を正確にモニタ可能なため、患者の安全を改善し、したがって、間接的に外科医は、破裂または他の損傷を起こし得る過剰な椎間板の圧力を防ぐことができる。
【0016】
処置される椎間板は腰部の椎間板、胸部の椎間板、または頚部の椎間板でよい。1回の処置で複数の椎間板に処置可能であり、1回の針刺しで複数の種類の椎間板に処置可能である。
【0017】
処置の間に、生物学的な封止剤の前に、生物学的な封止剤と共に、または生物学的な封止剤が注入された後のいずれかで、典型的には、造影剤が注入される。同様に、生物学的な封止剤の前に、または封止剤と共に、局部麻酔薬を注入してよい。
【0018】
他の一般的な観点では、本発明は脊髄関節を処置する方法であり、フィブリン封止剤を関節内に注入し、注入されているフィブリン封止剤の圧力をモニタしながら、線維性関節包の少なくとも1つの欠陥を封止するステップを含み、フィブリン封止剤がフィブリノゲンと活性化化合物とを含み、注入後にフィブリノゲンと活性化化合物がフィブリンの少なくとも一部を形成する。
【0019】
他の一般的な観点では、本発明は生物学的な封止剤を送達するための装置を製造するための方法であり、送達される流体のための少なくとも2つの貯蔵部と、流体を貯蔵部の導出口を通して貯蔵部から流出させる作動組み立て体と、送達装置に連結され装置内の圧力を測定する圧力モニタとを組み立てるステップを含む。
【0020】
他の一般的な観点では、本発明はキットであり、フィブリノゲン等の生物学的な封止剤および活性化化合物と、フィブリン封止剤をヒト椎間板内に注入するための生物学的な封止剤送達装置とを含み、装置が圧力モニタを備える。フィブリン封止剤の場合には、成分には、凍結乾燥フィブリノゲン等のフィブリノゲン、凍結乾燥トロンビン等のトロンビン、および送達装置を含んでよい。キットは、随意に造影剤および他の添加剤を含んでよい。
【0021】
他の一般的な観点では、本発明はキットを形成するための方法であり、フィブリノゲン成分から形成された封止剤等の生物学的な封止剤と、活性化化合物と、生物学的な封止剤をヒト椎間板内に注入するための生物学的な封止剤送達装置とを提供するステップを含み、装置が圧力モニタを備える。
【0022】
本発明の実施の間に修復される欠陥は、線維輪の裂傷、線維輪の亀裂、脊髄関節の繊維性包等があり得る。この処置は、線維輪中の欠陥を通して髄核から漏れる物質の量、および/または、顆粒状組織の潜在的な内方成長および健康な関節には通常存在しない痛みの元になり得る偶発的な神経支配を減少させることに役立つ。または、この処置は神経支配の顆粒状組織を髄核の影響から遮断し得る。線維輪内の環状欠陥または裂傷の部位に時々見られるこの神経支配の顆粒状組織の存在は、一般的な生理的な回復の反応と考えられる。フィブリン封止剤の注入は、椎間板の健康に重要な要素である、正常な椎間板(または関節)の高さ、および生理学的な静水圧を回復することに役立ち得ることは利点である。正常な生理学的な静水圧は個人によって変わり得ること、および、この処置はほぼ正常な静水圧を発生させ得ることを理解すべきである。本明細書で使用するように、正常な生理学的な圧力はこの圧力範囲を包含する。1つの実施形態では、例えば、米国特許第6,095,149号公報に説明されているように、注入の前または注入と共に、髄核も線維輪のいずれをも体内で加熱されて椎間板を硬化させることがない。1つの実施形態では、本発明の実施において、髄核は、全体的または部分的な椎間板切除の場合等における手術、または椎間板ヘルニアに対する椎間板髄核成形手術によって除去されていない。
【0023】
本発明の方法およびキットは、例えば、線維輪中の欠陥(例えば裂傷または亀裂)を通して椎間板からの髄核が漏れるような椎間板起因の痛みを持つ患者に長期の痛みの軽減を促進することは利点である。圧力モニタは安全の水準を高め、医師がリアルタイムで圧力を測定して、処置している椎間板の圧力が過剰になることを防止することができる。同様に、医師はフィブリン封止剤の注入と共に圧力の測定値を観察して、椎間板が封止されつつあるか、十分なフィブリン封止剤が注入されたかどうかを判断できる。このように、医師は、椎間板が処置可能かどうか評価する診断ツールとして本発明の送達装置を使用可能である。
【0024】
さらに、本発明の方法およびキットは、例えば、顆粒状組織の潜在的な内方成長および健康な関節には通常存在しない痛みの元になり得る偶発的な神経支配による、他の脊髄関節の痛みを持つ患者に長期の痛みの軽減を促進する。または、この処置は神経支配の顆粒状組織を髄核の影響から遮断し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明のフィブリン封止剤を送達するための装置は、送達装置と圧力モニタとから構成される。圧力モニタは、貯蔵部に操作可能に取り付けられた、例えば、シリンジの内の1
つに操作可能に取り付けられたトランスジューサに接続された線路を通して送達装置に連結する。または、トランスジューサは接続器内、または、トランスジューサを装置内に導入し装置内の流体の圧力が測定可能な任意の場所に設置可能である。圧力モニタは機械式でもよいが、典型的には、ハウジング内に組み込まれた液晶表示器(LCD)を介する等のデジタル読み出しを備える電子式モニタである。
【0026】
1つの観点では、送達装置は、複数筒シリンジ等の少なくとも2つの流体の貯蔵部と、圧力モニタと、導入針と、複数筒シリンジの第1の筒から流体を受けるように適合されると共に導入針内に延在するように適合された流体送達チューブと、複数筒シリンジの第2の筒に連結された接続器とを含み、流体送達チューブが導入針の中に延在するように接続器が導入針に連結されると共に流体送達チューブを受けるように適合される。
【0027】
実施形態のあるものは、流体送達チューブは針またはカテーテルでよい。1つの実施形態では、流体送達チューブはルアーフィッティング等の方法によってシリンジに直接取り付ける。または、流体送達チューブは接続器に一体化されてよい。例えば、接続器は、射出成形法または他の製法で針の部分の周りに接続器を形成することによって製作可能である。
【0028】
圧力モニタは市販されている。例えば、圧力モニタは、現在、Merit Medical Systems,Inc(米国ユタ州)からMeritrans(登録商標)トランスジューサとして販売されており購入可能である。他の代表的な圧力モニタは、例えば、米国特許出願番号第2005/0004518号に開示されており、これを本明細書の一部として援用する。2005/0004518号に開示されている装置では、圧力トランスジューサは、シリンジのプランジャ中でプランジャの先端の下に一体的に装着されているので、プランジャによってシリンジ中の流体に加えられる力をトランスジューサに伝達し、その結果の電子信号が表示値に変換され、背骨中に疾病のある椎間板を診断する医師を補助する。圧力モニタのトランスジューサは、シリンジの筒の中、または接続器(すなわちハブ)の中に設置可能である。
【0029】
図1A、1B、1Cは、完全に組み立てられた本発明の代表的な装置を例示する。各装置は、これを使用してフィブリン封止剤を送達するように適合される。図1では、装置10は、圧力モニタ20と、流体貯蔵部(複数筒シリンジ等)30と、接続器40と、流体送達チューブ50と、導入針60とを含む。シリンジ、接続器、および針は標準的なルアーフィッティングを使用して連結可能である。流体貯蔵部は取っ手70とプランジャ80とを含み得る。または、流体貯蔵部は、この貯蔵部を可撓性として、絞る、または巻いて流体を押し出しすように構成可能である。導入針60は、例えば、接続器のシリンジに接続された端部の反対の端部にてルアーフィッティングによって接続器に連結可能である。図1では、接続器40に取り付けられた、または接続器40と一体化された栓33を通して押し込まれ、導入針内に通すに十分な長さがある流体送達チューブ50を通して、筒31から流体が駆動される。このように、1つの実施形態では、流体送達チューブ50は複数筒シリンジの第1の筒31に連結し、流体送達チューブは、接続器に連結した栓を通して接続器内に延在する。1つの実施形態では、流体送達チューブはシリンジの第1の筒に直接連結し、かつ流体送達チューブは接続器に固定され、これによって流体送達チューブは導入針内で動くことがない。筒34からの流体は接続器内の導管35を通して押し出され、導入針内に流れる。このように、接続器は流体送達チューブから流体を導入針内に搬送するように適合される。接続器は、第2の筒から導入針までの流体の流路35を含み、この通路は、第2のシリンジ筒からの流体が流体送達チューブを通して送達された流体の量とほぼ同じ量になるような直径である。1つの実施形態では、流体送達チューブは、導入針の端部から突出しないような長さである。筒31および34からの流体は、導入針60の遠位の先端61の付近で混合する。圧力モニタ20は、圧力モニタのトランスジューサが筒内にあって筒内の内部圧力を測定するように、トランスジューサに取り付けられた線路21を介して筒31に連結する。筒内で測定された圧力は、処置の間、導入針の遠位の先端の圧力と同じ、またはほぼ同じである。このように、圧力モニタは椎間板内の圧力のモニタを可能とする。1つの実施形態では、複数筒シリンジ30が2つの筒を有する。各筒は、ルアーフィッティングによって、接続器または流体送達チューブに連結するように構成可能である。本発明の送達装置は、所与の圧力に達したら、椎間板の圧力が過重になる可能性を減少させるトリップスイッチを備えてよい。
【0030】
図1Bに表した装置は図1Aの装置と同様であるが、図1Bでは、流体送達チューブ50が接続器と一体化され、栓を流体送達チューブを通して挿入する必要がない。流体送達チューブは、筒から流体が流体送達チューブに流入するように接続器に結合、または、それ以外の方法で接続器に連結させることが可能である。当然のことながら、フィブリノゲン等の第1の流体は、流体送達チューブ50、または導管35の、いづれかを通して注入され、活性化化合物がフィブリノゲンで使用される流路と反対側の流路を通して注入される。このように、2つの流体が装置を通して同軸に流れ、所与の流体が流体送達チューブ50から抜け出るまでは接触しない、すなわち混合しない。線「a」は、圧力モニタのトランスジューサ用の他の位置を示す。
【0031】
図1Cは、圧力モニタ20と、この場合では複数筒シリンジ30である貯蔵部と、Y字接続器40と、流体送達チューブ50と、導入針60とを含む装置10を表す。この実施形態では、筒31および34はルアーフィッティング介して等でY字接続器40に連結される。筒31および34からの流体はY字接続器内に流れ、ここで混合が開始する。次に、流体は、導入針60内に延在する流体送達チューブ50に入る。導入針60はルアーフィッティングを介して接続器40に連結する。この実施形態では、圧力モニタは筒34(トランスジューサが筒34内に配置される)に連結される。
【0032】
当然のことながら、流体送達装置には広範囲な設計が使用可能である。例えば、装置は、ラッチレバーを備え注入を容易にする送達銃を含んでよい。このような送達銃は、注入を行うのに医師による物理的な圧力が必要でないように自動化も可能であろう。このような送達銃が使用されると、この銃は、フィブリノゲンと活性化化合物の液体を収容する複数筒を装填可能であろう。レバーの圧縮はプランジャに力を加え、筒から流体を押し出して、接続器、流体送達チューブ、および/または導入針の中に入れる。または、この銃はねじ型の作用を利用してプランジャを動作させ得る。いずれの実施形態でも、成分を注入する際に機械的な利点を医師に与える。しかし、重要なことは、本発明では圧力モニタは常に送達装置に連結されることである。
【0033】
図2に本発明の代表的なキットを示す。このキット100は、フィブリノゲン110と、活性化化合物115と、フィブリン封止剤をヒト椎間板に注入するためのフィブリン封止剤送達装置120とを含み、送達装置は圧力モニタ121を備える。キットは適当な容器130に入れて保存および出荷してよい。キットは、1つまたは複数の添加剤、カルシウムイオンの供給源、凍結乾燥フィブリノゲンの溶解用の装置、追加の流体送達チューブ、追加の導入針、等の追加の用品を含んでよいが、これらに限定されるものではない。
【0034】
図3Aおよび3Bは複数内腔のカテーテルの代表的な断面図である。図3Aは2つの内腔のカテーテル200を示し、内腔は並んで配置されて、例えば内腔201を通してフィブリノゲンが、内腔202を通して活性化化合物が注入される。図3Bは3つの内腔のカテーテル210を表し、第1の内腔211が1つの流体を、第2の内腔212が第2の流体を、そして第3の内腔では添加剤を輸送したり、またはこの内腔213を通してワイヤを挿入しポリマーカテーテルの剛性および物理的な完全性を向上させる。図3Cは3つの内腔のカテーテル220を表し、内腔221、222および223は連続して(並んだ関
係で)配置される。複数内腔のカテーテルは本発明に使用可能である。複数内腔のカテーテルは多数の断面構造を持ち得る。このカテーテルは、3つを超える内腔を有することもまた可能である。
【0035】
ここで図4を参照すると、本発明の代表的な送達装置が表されている。装置310は、装置の部品のいくつかを保持、または部品のいくつかに接続されたハウジング320を含む。ハウジングはさまざまな材料から製作可能であるが、典型的には1つまたは複数のプラスチック材料から製作される。ハウジングは、一般に、取っ手321と筒322とを含むピストルの形状をしていると見なされる。少なくとも2つの貯蔵部(カートリッジ)330が筒322内に配置される。ハウジングはカートリッジを受けて収容するように適合される。カートリッジ330は、このように、筒322内に配置される。ハウジングは、2つの片からなるハウジング等、ねじを使用して組み立てられる、または瞬時取り付け型の機能を使用して構成される、複数片からなる部品でよい。図4に示す具体的な設計は、単に、代表的なものであり、本発明が実施される際に採用されるハウジングの型を制限する意図はない。
【0036】
さらに、引き金340はハウジング内に位置して、操作可能にハウジングに接続され、操作者によって引き金340に圧力が加えられると、引き金340が第1の位置からハウジング内の第2位置まで移動可能である。ハウジング320には、引き金340の移動量のため内部停止材(図示せず)を含んでよい。
【0037】
カートリッジ330は、図5に非常に詳細に表される。このように、カートリッジ330は2つの円筒331、331’を含み、流体を受けるために内孔332、332’をそれぞれ有する。各円筒331、331’は、内孔332、332’の長さに渡り同じ直径を有する、一般に真直なチューブを画定する。カートリッジ330は1つまたは複数のフィッティング、スロット、または、カートリッジ330をハウジング内に固定する役割の同様なものを含んでよい。例えば、図5では、ハウジングはフィッティング353を含み、このフィッティングはカートリッジのスロット337内に嵌合し、これによってカートリッジ330を横の移動から固定するように構成される。当然のことながら、カートリッジ330は、引き金340に圧力が加えられた際には移動しない。むしろ、引き金340に圧力が加えられると、ラック342、車輪組み立て体350、および押し棒334、334’が係合し、プランジャ336、336’をカートリッジ330の導出口338、338’(図6参照)に向かって押す。図8では、車輪組み立て体350の伸張した歯車端351、351’がカートリッジ330の内孔333に嵌合する(図7も参照)。当然のことながら、カートリッジ330はハウジング320と一体化可能である。すなわち、カートリッジ330は、ハウジング内に設置される分離および/または脱着可能な部品である必要はなく、代わりに、ハウジングの製造の間にハウジングの一部として形成可能である。
【0038】
当然のことながら、車輪組み立て体350は単一の片、または組み立て体を形成するように複数の部品から組み立てられてよい。したがって、例えば、複数部品組み立て体に対しては、図8に表したように、伸張した歯車端351、351’を有する歯のある内部歯車352が車輪350の内部の内孔353内に挿入される。歯車352は、互いに噛み合う歯等によって車輪350に係合するように適合され、これによって、装置310の使用時に組み立て体は単一の部品として動作することができる。この実施形態では、内側の歯の付いた歯車352が、伸張した歯車端351、351’の間に挟まれて示される。または、車輪組み立て体は、鋳造、鍛造、削り加工、またはそれ以外の方法で形成され、単一の一体の歯車組み立て体を製造し得る。歯の代わりに、歯車組み立て体350、ラック342、押し棒は、所望の動作を得るに十分な摩擦で係合する材料、例えば、粘着性のゴム材料、粗面を有する材料(例えば、サンドペーパのような仕上げで)、等を使用して製作可能である。
【0039】
再度図5を参照すると、外科医にカートリッジ330の内孔332、332’の内の1つの中の圧力測定値を提供する圧力読み出し表示器370が示される。トランスジューサ(図示せず)は内孔内の圧力を測定するように構成され、トランスジューサから表示器370への線路(図示せず)は、信号を処理し表示器370に測定値を出力する電子回路に信号を供給する。このように、圧力モニタは、例えばシリンジの内の1つの中のトランスジューサに接続された線路を通して送達装置に連結する。または、トランスジューサは接続器内、または、トランスジューサを装置内に導入し装置内の圧力が測定可能な任意の場所に設置可能である。好ましくは、トランスジューサは内孔中にある。表示器はLCDでよいが、これに限定されるものではない。
【0040】
圧力モニタは市販されている。例えば、適当な圧力モニタは、現在、Merit Medical Systems,Inc(米国ユタ州)からMeritrans(登録商標)トランスジューサとして販売されており購入可能である。他の代表的な圧力モニタは、例えば、米国特許出願第2005/0004518号に開示されており、これを本明細書の一部として援用する。2005/0004518号に開示されている装置では、圧力トランスジューサは、シリンジのプランジャ中でプランジャの先端の下に一体的に装着されているので、プランジャによってシリンジ中の流体に加えられる力をトランスジューサに伝達し、その結果の電子信号が表示値に変換され、背骨中の疾病のある椎間板を診断している医師を補助する。圧力モニタのトランスジューサは、シリンジの筒の中、または接続器(すなわちハブ)の中に設置可能である。
【0041】
図4および5に分配マニフォールド360を示す。分配マニフォールド360は分配マニフォールド導入口361、361’を含み、これらはカートリッジ330の導出口338、338’に密閉状態で整列して連結する。分配マニフォールド360は、例えば、相補的なスロット339’に係合するフィッティング362、363を使用してカートリッジのマニフォールド連結部分339に連結するように適合されており、分配マニフォールド360を結合部339、339’に固定化する。これらの図に表された実施形態では、導出口338、338’はマニフォールド連結部分339、339’内に形成される。図4および5中に表した分配マニフォールド360は、また、随意の覆い364を含む。分配マニフォールド360は流体チューブ365、366を含み、これらの流体チューブは流体をカートリッジ330から受け、例えば図9〜11に表す、針組み立て体380に移送する。チューブ365、366はさまざまな材料で製作可能であるが、一般に、外科医の使い易さを向上させるように可撓性の材料で製作される。典型的には、チューブ365、366は、ポリマー材料、特に医療等級の材料で製造される。または、チューブは柔軟な材料またはチューブが曲がることが可能な他の材料から製作可能である。このように、流体を送達するための送達マニフォールドは、ハウジングアダプタの少なくとも2つの導出口にそれぞれ連結する少なくとも2つの導出口と、2つの端部を有する少なくとも2つの導管とを含む送達アダプタを含んでよく、導管それぞれの第1の端部が送達マニフォールドの導出口に接続し、導管それぞれの第2の端部が二口のルアーフィッティングに接続し、ルアーフィッティングは1つの導管から内側の針に流体を送達するように構成され、かつルアーフィッティングは内側の針の外部と第2のより大きな直径の針とによって画定される空間に第2の導管から流体を送達するように構成され、より大きな直径の針は、より大きな直径の針の内部に内側の針を備えるルアーフィッティングに接続される。図12は、マニフォールド360がハウジング320に操作可能に接続されており、マニフォールド360の導入口がカートリッジ330の導出口に整列する装置310を例示する。
【0042】
分配マニフォールド360の代わりに、図13に表す流体充填マニフォールド390を使用して、カートリッジ330の円筒331、331’内に流体を充填してよい。分配マ
ニフォールド360と同様に、充填マニフォールド390は、密閉状態で導出口338、338’に整列して連結する導入口(図示せず)を含む。充填マニフォールド390はフィッティング392、393および随意の覆い394を含む。しかし、充填マニフォールド390は、円筒331、331’内に導入される流体で充填されたシリンジ397、398に連結するチューブ395、396を含む。シリンジ397、398はルアーフィッティング397’、398’を介してチューブに接続する。このように、使用の間に、シリンジ397、398は円筒331、331’に導入される流体(例えば、トロンビン溶液およびフィブリノゲン溶液)で充填される。シリンジはルアーフィッティングを使用して所定の位置に固定され、次に、プランジャ336、336’が後ろに駆動される時に円筒内に流体が注入される。次に、充填マニフォールド390は取り外されて分配マニフォールド360に交換され、この後に、外科医は、選択した生物学的な封止剤を椎間板等の人体の所望の場所の中に注入する。このように、流体を円筒に導入するための充填マニフォールドは、送達装置のハウジングアダプタに連結する充填マニフォールドアダプタを含み、充填マニフォールドアダプタは、ハウジングアダプタの少なくとも2つの導出口にそれぞれが連結する少なくとも2つの導出口と、少なくとも2つのシリンジと、少なくとも2つの導管とを含み、導管の1つの端部はシリンジに接続し導管の第2の端部は充填マニフォールドアダプタの導出口に接続する。当然のことながら、充填マニフォールド390は、代わりに、シリンジ397、398以外の広範囲な再充填部品に接続可能である。このように、流体充填マニフォールド390は、例えば、圧力容器、自動注入装置、手動または自動で絞られて円筒内に再充填を行う流体バッグ、針を刺し圧力がかかったガスを使用して流体を円筒内に押し出して流体を供給する流体アンプル等を使用可能である。
【0043】
図9〜11は針組み立て体380を表す。針組み立て体は2つの同軸の針、すなわち、外側の針および内側のポリマーカテーテルを含んでよい。図9では、処置される患者に直接挿入される外側の針381がルアーフィッティング382、382’を介して内側の針383(図10参照)を囲む外側の針381に接続される。外側の針は、典型的には、18〜22ゲージの脊髄針で、これは湾曲部381’を含み脊髄針の挿入の際に外科医が針本体を操作するのを補助する。内側の針は、流体が針と針の間の間隙の中を流れ得る任意の大きさでよい。実施形態のあるものでは、内側の針383は先端383’付近に開口を含み、流体の混合を潜在的に向上させ促進する。同様に、先端383’は覆ってもよい。図3A〜3Cに、本発明が実施される際に採用され得る針およびカテーテルの断面図を例示する。複数内腔のカテーテルまたは針が使用される場合には、ルアーフィッティングを適用して各流体をそれぞれの内腔に送達可能である。再度図9〜11を参照すると、内側の針383は任意の長さでよいが、典型的には、内側および外側の針が互いに連結した場合に、内側の針383の先端383’が外側の針381の先端381’まで1mmから50mmの範囲で延在するような長さとされる。1つの実施形態では、フィブリノゲン溶液が内側の針383に供給され、一方、トロンビン溶液が外側の針381に供給される。内側の針383の先端383’で撹拌が開始される。
【0044】
図11に、ルアーフィッティング382’の詳細な実施形態を示す。このように、フィブリノゲンチューブ365は、内側の針383に連結する開口384中にフィブリノゲン溶液を直接供給する。一方、チューブ366は、例えば、ルアーフィッティング382’のハブ(中空の空間)385中にトロンビン溶液を供給し、外側の針381がルアーフィッティング382を介して接続されると、トロンビン溶液はハブに流入して針381に流入する。2つの流体は、溶液の内の1つが内側の針383から出るまでは混合しない。
【0045】
図5に引き金340を非常に詳細に表す。引き金は歯の付いたラック342を含む。外科医が引き金340に圧力を加えると、引き金340とラック342は取っ手321の方向に後ろ向きに動作する。ラック342は、そこで車輪組み立て体350と係合し、ラック342が後ろ向きに動作すると車輪組み立て体が回転する。車輪組み立て体350は、
それによって押し棒334、334’を駆動し、押し棒はプランジャ336、336’を前向きに導出口338、338’に向かって移動させる。1つの実施形態では、引き金340に圧力が加えられるとラック342の歯が車輪組み立て体350の歯と係合し、圧力が開放されるとラック342は外れて、それぞれの歯はもはや係合しないように引き金は構成される。この構成は、例えば、図14等のように、例えば、引き金の後ろ向きの動作によってラック342が持ち上がるように、ハウジング320と引き金340を適合させることによって与えられる。図14中で、引き金340はガイド内孔344を含み、引き金340に圧力を加えると、ハウジングに取り付けられたガイド支柱328がガイド内孔344の中で滑動する。圧力を開放すると、バネ345が引き金340を元の場所に戻す。引き金340が取っ手321のA側に向かって滑動すると、ラック342に装着または一体化されたピン348がスロット329中で滑動し、スロット329の角度によってラック342に上または下に力を加え、これによって、引き金340に圧力が加えられると車輪組み立て体350に係合させる。この構成では、スロット329はハウジング320の一部でありハウジングと一体化している。または、ラック342はハウジング320内に装着されたピンを備えるスロットを含んでよく、これによってピンがスロット中で滑動しラック342に力を加え車輪組み立て体350に係合させる。
【0046】
図15に本発明の送達装置の他の実施形態を表す。図15で、送達装置410は、例えば図4中のものと異なった引き金構成を有して表されている。図15では、引き金440はピンの周りに回転し、例えば、力が押し棒に加わり流体を円筒431、431’から押し出す。例えば、総量4mlの流体を送達するために、1回から4回の絞り動作を繰り返すことが必要かも知れない。本発明のこの実施形態および他の実施形態は、最大1平方インチ当たり100ポンド(1平方センチ当たり7.03キログラム)、および/または最大引き金力で1平方インチ当たり10ポンド(1平方センチ当たり0.70グラム)に力を制限するように構成可能である。1つの実施形態では、流体を装置から押し出すラチエットは、固定化または非固定化いずれかの動作を使用して、絞り動作1回当たり1回のみのクリック動作を行う。次の絞り動作を繰り返す前に、バネ(図示せず)が引き金440を開始の位置に戻す。この実施形態では、駆動系は先に説明した車輪組み立て体350と同じ、または異なってよい。
【0047】
図16に本発明の他の実施形態を表すが、ここでは、引き金が取っ手421の反対側で流体貯蔵部の方に絞られる。この構成では、引き金440は枢着部449で取っ手421に取り付けられる。引き金440は駆動棒446を介して駆動系に係合する。外科医によって少なくとも1つの指が掛かるように、随意の穴423がハウジングおよび取っ手の一部として含まれる。この構成では、引き金440は外科医の手の平からの直接の圧力によって作動する。駆動組み立て体は図16Aのように構成可能であり、ここでは、引き金440に圧力を加えると棒446がラック442に係合する。棒446はラチエットアーム446’によってガイドされ、これは駆動組み立て体の一部でよい。
【0048】
図17では、装置410は傾いた指用の穴を引き金440として含む。外科医が引き金を絞ることによって圧力が加わり、引き金440をハウジング420に向かって移動させ、駆動組み立て体(図示せず)が貯蔵部から流体を分配する。または、図17に表すように引き金は穴を含まない。
【0049】
図18では、装置410は、さまざまな弾性材料または発泡材から形成され得る柔軟な握り部421’を含む。この構成では、引き金440は1本から4本指操作用の大きさとしてよい。所望すれば、柔軟な握り部により、外科医が引き金を押し込んだ際に握りを良くする、または快適にし得る。同様に、取っ手は縞目、隆起部、または外科医の手に装置を握り良くする他の同様なものを含んでよい。
【0050】
図19A、19Bに、本発明が実施される際に使用される代わりの駆動組み立て体を示す。このように、図19Aでは、駆動組み立て体455は、引き金440が枢着部を介して動作し、その結果、送り棒456から圧力が加わりプランジャ436、436’を送るように構成される。一方、図19Bでは、駆動組み立て体は引き金440によって駆動され、棒456が歯車457をラック442に係合させてプランジャ436、436’を駆動する。図19Cは図19Bと同様の構成だが、引き金440が歯車457に代わりの係合をなす例を示す。
【0051】
図20は基本的なラッチ設計を例示し、外科医が引き金440を絞ることによって圧力を加えると、引き金440は、プランジャ436と係合するラック(図示せず)を介してプランジャ436を動作させる。この構成では、1回の反復でストロークの最後に貯蔵部から半分の容量の流体を押し出す。
【0052】
図21Aは装置410の代わりの実施形態を示し、圧力表示器が装置の正面で導出口338、338’の付近に配置される。図21Aでは、表示器470は隆起した形状であるが、一方、図21Bでは表示器470はハウジング420に対して同じ高さで装着される。
【0053】
図22Aおよび22Bに本発明の流体送達貯蔵部の代わりの実施形態を例示する。図22Aに示すようにこの実施形態では、貯蔵部500は封止剤または封止剤の成分を保持する。貯蔵部は封止剤の導出口510とローラ520とを含む。当然のことながら、図22Aに示すローラ520は例示的なものであり、圧力を加え封止剤を貯蔵部500から流出させることを可能にするさまざまな構造を取り得る。例えば、ローラ520はローラ対の形態もあり得るし、または貯蔵部500の上に単に真っ直ぐに下に押しつける平坦な構造もあり得る。勿論、圧力を加える装置(図22Aのローラ520)は角度を付けてもよいし、または、封止剤が貯蔵部500から排出されることを促進する任意の構造も取り得る。図22Bに示すように、ローラ520がA’方向に転がされると、圧力が加えられて封止剤530を貯蔵部から絞り出す。
【0054】
本発明の送達装置は、これだけに限定されないがフィブリン封止剤等の医薬品の調整、これだけに限定されないが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエソザゾリン、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、多糖類、ポリペプチド、ポリエチレングリコールから製造されるポリマー、本明細書の一部として援用する米国特許第6,428,576号公報(Haldimann)に開示された材料等の合成ポリマー等を含み、添加剤の有無を問わず、広範囲な生物学的な材料(生体適合性のある封止剤、混成物、ポリマー等)を送達するために使用可能である。フィブリン封止剤は、本発明の実施において好適である。フィブリン封止剤はフィブリノゲン成分およびフィブリノゲンをフィブリンに変化させるトロンビン成分を含む。封止剤は1つまたは複数の他の成分を含有してよい。フィブリン封止剤は、例えば、椎間板内に注入され、線維輪中の亀裂および裂傷を封止する。線維輪中の欠陥は、現在はMRIおよびCTスキャン、およびディスコグラムを使用して、一般に診断される。これは、腰部の椎間板に注入した場合に、椎間板起因の腰痛および神経根障害性下肢痛の両方を処置し得る。
【0055】
本発明の実施の際に使用されるフィブリノゲンは、ヒトの体中でフィブリンを形成する任意のフィブリノゲンを含む。フィブリノゲンは、凍結乾燥の形態で多く市販され、使用の前に溶解させる必要がある。フィブリノゲンは凍結または新鮮なものもあり得る。フィブリノゲンは自己由来(処置される患者からの)、プールされたヒトのフィブリノゲン、リコンビナント品を含むヒト由来、またはウシまたは魚(例えば、鮭およびシートラウト)等の他の動物由来であり得る。フィブリノゲンは所与の処置、患者等に適した量が使用される。凍結乾燥フィブリノゲンは、例えば、水(注入用)、アプロチニン(抗線溶剤)を含有する水溶液、塩化カルシウムから供給され得るカルシウムイオン(Ca+2)を含有する水溶液、局部麻酔薬等の1つまたは複数の他の添加剤を含有する水溶液、生理食塩水、アプロチニンを含有する生理食塩水、塩化カルシウムから供給され得るカルシウムイオン(Ca+2)を含有する生理食塩水、局部麻酔薬等の1つまたは複数の他の添加剤を含有する生理食塩水、または添加剤の組み合わせを含有する溶液で溶解してよい。
【0056】
トロンビンは、フィブリノゲンをフィブリンに変化させる役割を持ち、使用される典型的な酵素である。しかし、当分野で既知の蛇の毒(例えばバトロキソビン)または蜘蛛の毒から誘導されるもの等、フィブリノゲンをフィブリンに変換する他の酵素を用いることも可能である。本明細書で使用する「活性化化合物」とは、フィブリノゲンに作用してフィブリンを形成させる化合物を指し、この用語にはトロンビン、バトロキソビン等を含む。トロンビンは市販されており、典型的には凍結乾燥形態である。凍結乾燥トロンビンは使用の前に溶解させる必要がある。トロンビンは凍結または新鮮なものもあり得る。トロンビンは、ヒトのトロンビン(rhThrombin)等のリコンビナント品でもよい。トロンビンは、自己由来、ヒトまたはプールされたヒト由来のもの、ウシ、魚(鮭等)、または、さまざまな蛛形類および他の毒液を分泌する種等が供給源のその他の動物由来のフィブリノゲンを開裂させる酵素でよい。トロンビンまたは酵素は、当業者に既知なように、フィブリノゲンからフィブリンに変化を促進させる任意の量で使用される。トロンビンは、水(注入用)、カルシウムイオンを含有する水溶液、局部麻酔薬等の1つまたは複数の他の添加剤を含有する水溶液、または、カルシウムイオンと1つまたは複数の添加剤とを含有する溶液、生理食塩水、カルシウムイオンを含有する生理食塩水溶液、局部麻酔薬等の1つまたは複数の他の添加剤を含有する生理食塩水溶液、または、カルシウムイオンと1つまたは複数の添加剤とを含有する溶液で溶解してよい。
【0057】
フィブリン封止剤中に追加の添加剤を使用してもよく、これだけに限定されないが、抗生物質;増殖抑制薬、細胞障害性および化学療法薬を含む抗腫瘍性の薬物;鎮痛剤;血管新生阻害剤;抗体;抗ウイルス剤;サイトカイン;コロニー刺激因子;タンパク質;化学誘引物質;EDTA;ヒスタミン;抗ヒスタミン剤;エリトロポイエチン;抗真菌薬;抗寄生虫剤;非コルチコステロイド性抗炎症剤;抗凝固剤;リドカインおよびブピバカイン等の局部麻酔薬を含む麻酔薬;鎮痛剤;抗癌剤;心血管薬;ビタミンおよびその他の栄養補助食品;ホルモン;糖タンパク質;フィブロネクチン;ポリペプチドおよびタンパク質を含むペプチド;インターフェロン;軟骨誘導因子;プロテアーゼ阻害剤;血管収縮剤、血管拡張剤、脱灰骨または骨形態形成タンパク質;ホルモン;脂質;炭水化物;アグリカン(コンドロイチン硫酸およびケラタン硫酸)等のプロテオグリカン、バーシカン、デコリンおよびビグリカン;抗アンギオジェニン;抗原;DBM;ヒアルロン酸およびその塩および誘導体;多糖類;メチルセルロース等のセルロース化合物、カルボキシメチルセルロース、およびヒロドキシプロピルメチルセルロースおよびその誘導体;抗体;遺伝子療法試薬;遺伝子組み換え細胞、形質転換成長因子を伴う間葉性幹細胞を含む幹細胞、および/または他の細胞;損傷組織のリハビリテーションおよび/またはBMP7およびBMP2等の新しい健康な組織の成長を促進する細胞成長因子;I型およびII型コラーゲン;コラーゲン加水分解物;エラスチン;硫酸化グリコサミノグリカン(sGAG)、グルコサミンサルフェイト;pH変更子;メチルサルフォニルメタン(MSM);骨形成化合物;骨誘導化合物;プラスミノゲン;ヌクレオチド;オリゴヌクレオチド;ポリヌクレオチド;ポリマー;骨形成プロテイン1(リコンビナントOP−1を含むOP−1);LMP−1(Lim Mineralization Protein−1);自己由来軟骨を含む軟骨;酸素含有化合物;酵素、例えば、そのような化合物から酸素を解離を媒介するペルオキシダーゼ等;合成血液製剤;メラトニン;ビタミン;および、例えば、ブドウ糖または他の糖類等栄養素がある。しかし、これらの添加剤の任意のものを分けて、または組み合わせてフィブリン封止剤に添加してもよいことが分かる。1つまたは複数のこれらの添加剤はフィブリノゲンおよび活性化化合物と共に注入可能であり、または、代わりに、フィブリン封止剤を注入する前または注入した後のいずれかかに、1つまたは複数のこれらの成分を分けて注入することも可能である。
【0058】
完全に水溶性でない添加剤を含有する溶液に対しては、例えばポリソルベート等アンチケーキング剤を添加し、この成分の懸濁を促進させてもよい。本発明においては、グリコールはアンチケーキング剤として使用するには適当ではない。
【0059】
本発明の実施において、フィブリン封止剤は椎間板内に注入され、線維輪中の亀裂を少なくとも部分的に修復および/または封止する。特に、フィブリノゲンおよびトロンビンがフィブリンを形成するこれらの成分と共に椎間板内に注入される。当然のことながら、双シリンジのY字接続器の中または針の中等でフィブリノゲンとトロンビンが接触すると、フィブリン形成が即座に開始する。本明細書で使用される、フィブリン封止剤を「注入する」の用語は、椎間板に接触または椎間板内に実際に導入する前に、混合によって成分の一部が反応してフィブリンを形成する状況を含み、椎間板内でフィブリンを形成する成分のどのような注入をも包含する。
【0060】
また、当然のことながら、注入点(例えば、脊髄針の先端)は線維輪内でも、線維輪の外側の表面上、または髄核内でもよい。注入が髄核内に行われる場合には、注入された成分が髄核と線維輪との間の界面にパッチを形成する、または、さらに一般には、これらの成分が線維輪の欠陥(例えば亀裂)内に流入し、椎間板間の空間内にオーバーフローする可能性がある。実施の際には、これらの成分を椎間板内に注入することによって椎間板に過剰に圧力をかけることは避けるべきである。
【0061】
当業者には自明であるが、フィブリノゲンおよび活性化化合物は椎間板の所与の欠陥を封止するために有効な量が注入される。トロンビン等の活性化化合物の量は、フィブリン形成が完了する時間を短縮または延長するために変化させてよい。一般に、フィブリノゲンの単位量当たりのトロンビンが高水準の場合、フィブリンが速く形成する。遅いフィブリン形成を所望する場合には、単位フィブリノゲン当たり、より少ないトロンビンを使用する。一方または両方の成分溶液中にカルシウムイオン(塩化カルシウムから等)を使用すると、そのように形成されるフィブリンの強度に影響を与え、カルシウムイオンの量を増加させるとフィブリン凝固塊の強度が増加する。一般に、水溶液であるフィブリノゲンを含む混成物については、約3mlから約5mlのこのような混成物で有効なフィブリン封止が十分に実施できると考えられる。しかし、混成物の使用によって、投薬量は約0.05mLから約40mLの範囲であり得る。
【0062】
フィブリン封止剤は自然の凝固機構の最終段階を擬態するものである。典型的には、そのような封止剤は、フィブリノゲン成分をトロンビン等の活性化酵素と混合する必要がある。トロンビンは血液の血漿中に存在する酵素で、フィブリノゲンをフィブリンに変換することによって血液を凝固させる。通常の実施では、いくつかの市販されているフィブリン封止剤の成分は、使用に先立ち、凍結乾燥状態から個別に溶解される。しかし、凍結状態または新鮮な状態から調整された試料の使用もまた許容される。封止剤の宿主組織に対する生体適合性を増加させるために、宿主の体液からさまざまな成分が内生的に供給され得る。溶解された成分を混ぜ合わせると粘性のある溶液となり、これは急速に弾性のある凝塊となる。従来のフィブリン封止剤を調整する方法はJournal of Thoracic and Cardiovascular Surgery,vol.97,no.2,pp194−203,Feb.1989にJ.Rousouらが記載している。元の血漿から生成した寒冷沈降物は、洗浄、バッファ溶液に溶解、ろ過、および凍結乾燥される。凍結乾燥フィブリノゲンは、例えば、3000KIU/mlのアプロチニン(形成されたフィブリンの早期変質を防止する多価のプロテアーゼ阻害剤)を含有するフィブ
リン溶解阻害溶液で溶解される。この溶液は撹拌および約37℃の温度まで加熱される。各溶液(トロンビンおよびフィブリノゲン溶液)は双筒シリンジ内に吸引され、Y字接続器に装着され、これに針が取り付けられて混ぜ合わされた溶液を送達する。(例えば、ImmunoAG(オーストリア、ウィーン)のDuploject(登録商標)参照)このように、これらの成分の混合は、送達過程の間でのみ発生し、これは、所望する適用部位でのみ凝固の形成を促進させる。これらの成分は十分に、迅速に注入し、針の中でフィブリン形成によって流路が詰まることを避ける必要がある。
【0063】
カルシウムイオンをフィブリン封止剤に含ませて注入し、そのように形成されたフィブリンの混成物を変更し、およびその結果の凝固塊の強度を変更してもよい。
【0064】
1つの実施形態では、約75〜105mg/mLの凍結乾燥フィブリノゲンが従来の方法によって溶解され、本発明の方法と混成物によって、約45〜55mg/mLのトロンビン成分を別途凍結乾燥状態から溶解される。凍結乾燥フィブリノゲンおよび凍結乾燥トロンビンは、キットの形態でBaxter等の製造業者からTISEEL(登録商標)等の名称で販売されている。これら2つのフィブリン封止剤成分は、例えば、それぞれが約2mLの試料に調整され、総量約4mlの封止剤になる(溶解フィブリノゲン+溶解トロンビン)。
【0065】
本発明のフィブリン封止剤において使用する凍結乾燥トロンビンの調整には、いくつかの方法と混成物が使用可能であるが、1つの方法は約45〜55mg/mLの凍結乾燥トロンビンを用い、これを溶解液と混合する。溶解液は、約0.1〜100ミリグラムの本明細書に記載された他の添加剤(例えば局部麻酔薬)および/またはカルシウムイオンを随意にさらに含んでよい。カルシウムイオン溶液(例えば塩化カルシウム)の濃度は、例えば、1〜100ミリモル/mLであり、1つの実施形態では4〜40ミリモル/mLでよい。使用する場合には、カルシウム+イオン濃度は、強固なフィブリン封止剤凝固塊を形成する重合反応を促進させるに十分な量でなければならない。防腐剤が入っていない溶解液が望ましいであろうが、必要ではない。
【0066】
フィブリン封止剤の注入と共に造影剤が使用される場合もある。造影剤がフィブリン封止剤の注入に先立ち注入される場合もある。または、造影剤は、椎間板内に注入されるフィブリノゲン成分、またはトロンビン成分中に含ませる。造影剤とその使用は当業者にはよく知られている。
【0067】
体内で所望のフィブリン封止剤凝固塊を形成するために、フィブリノゲンおよびトロンビンの他の量と濃度を使用してもよい。例えば、前述のように、フィブリノゲンおよび/またはトロンビンの量/濃度を変化させて、混ぜ合わされたフィブリノゲンとトロンビン成分の粘度と「設定」時間を変化させてもよい。同様に、フィブリノゲンを変化させて混ぜ合わされた成分の密度を変化させてもよく、これは、体内に挿入したカテーテル等の長い導管を通した流れを制御するために重要であり得る。トロンビンを変化させて成分の重合時間を変化させてもよく、これは凝固塊を形成する時間を制御し、体内で早すぎる凝固を起こさず適切な部位での成分の凝固を確実にするために重要であり得る。
【0068】
凍結乾燥形態で入手した場合には、トロンビンとフィブリノゲンは使用するために溶解する必要がある。凍結乾燥トロンビンと混合する前に、1つまたは複数の添加剤を随意に含有するトロンビンの溶解液(例えば、滅菌水ベースのCaCl溶液)を1つの瓶に調整してよい。次に、フィブリン封止剤のこの成分は、溶解した状態で、または、凍結乾燥トロンビンと予め混合された溶解液を収容する未混合の2つの瓶の状態で使用者に供給してもよい。2つの瓶の内容物の混合は、フィブリン封止剤(またはその成分)が患者に注入される時を含み、この時までのどの時点で行ってもよい。フィブリノゲン溶液の溶解は従
来の方法によって実施してよい。例えば、フィブリノゲン成分は滅菌水溶液で溶解可能で、溶解水には、随意に、例えばアプロチニン、局部麻酔薬等の添加剤を含有してよい。所望すれば、トロンビンまたはフィブリノゲンまたは両方は、1つまたは複数の添加剤を含有する滅菌水溶液を使用して溶解してよい。全ての溶液は約37℃の温度にする。好ましくは、トロンビンは、本明細書に記載した双シリンジ注入手法を使用して、フィブリノゲン溶液と混ぜ合わせ、単一の封止剤混成物を形成して患者に注入する。本発明は、封止剤を背骨の正確な位置に搬送し、線維輪の亀裂を封止し、弾性の凝塊を介してフィブリンをその位置に保持する、封止剤を送達するための手段を提供する。さらに、形成されたフィブリン凝固塊の生物分解性の性質によって、使用の有効期間の後に侵襲的な外科手術による除去の必要性が最小化または排除される。したがって、封止剤および適用方法の利点は、線維輪中の欠陥(例えば亀裂)の局所的で長期の封止を達成する低侵襲手段を、および、添加剤が封止剤に入っている場合には、経時的な添加剤の送達を、提供可能なことである。
【0069】
一般に、本発明のフィブリン封止剤は、椎間板、硬膜外の空間、脊椎関節突起(2関節)関節、横環軸関節、脊柱管、および/または包膜の嚢の中に注入される。フィブリン封止剤の椎間板内への注入に関しては、椎間板内注入は、髄核から椎間板の外側の部分に物質が漏れないように椎間板を封止するフィブリンマトリックスを生成させることに役立つ。または、この処置は神経支配の顆粒状組織を髄核の影響から遮断し得る。線維輪内の環状欠陥または裂傷の部位に時々見られるこの神経支配の顆粒状組織は、一般的な生理的な回復の反応と考えられる。例えば、米国特許第6,468,527号公報に記載されているように、フィブリン封止剤は蛍光透視腰椎硬膜外トランスフォーラミナル法(transforaminal lumber epidural)または椎間板内注入によって送達される。このような背骨の損傷の処置には、髄核内にフィブリン封止剤を注入し、どのような亀裂または線維輪の空隙を充填し、骨端板を椎間板に封止し、椎間板の圧力を増加させ、および椎間板の空間の高さを増加させる。一般に、フィブリン封止剤は線維輪内の欠陥の近くの位置に注入される。典型的には、フィブリン封止剤は線維輪内の亀裂内に流入し、ここでフィブリン封止剤の一部は椎間板内空間から流出する場合がある。注入は、椎間板に隣接する部分を、直接に神経根を、および漏れた髄核の物質の影響からこれらの部分を保護するために役立つ周辺の部分を、被覆するのに役立つ。亀裂および骨端板を封止することは、有害な化学物質が椎間板の環境中に漏れることを止め、免疫系による損傷した椎間板に向かって異物反応が開始されることを防止する。椎間板の空間を増加させることは、神経根にかかる圧力を和らげる。すなわち、注入の結果、椎間板の高さの増加が起こり、薄片間の間隔を増加させ、その結果、薄片上の神経根の圧力を和らげる。この応用では、フィブリン封止剤に成長因子の追加で、損傷した組織のリハビリテーションを、またはフィブリン封止剤が健康な組織で徐々に置換されることを、促進し得る。
【0070】
椎間板の処置に関しては、導入針が先端を線維輪内の欠陥に近接して位置決めされて椎間板内空間の中に挿入される。次に、針またはカテーテル等の細いゲージの流体送達チューブが、導入針の中に挿入される。フィブリン封止剤が、この流体送達チューブを通して注入される。より細いゲージの針、または、例えば合成ポリマーで製作されたカテーテルのいずれかと共に、針またはカテーテルが導入針の中を通して髄核の中に送られる。または、針またはカテーテルは導入針の先端まで送られることがあるが、導入針の先端を超える程の遠くには送られない。1つの実施形態では、流体送達チューブは先端が導入針の先端から1mmを超えて延在することはなく、かつ導入針の先端から10mmより少ないこともなく、このため、流体送達チューブおよび導入針を通して注入されたフィブリン封止剤は、導入針の中で少なくとも部分的に混合する。他の実施形態では、流体送達チューブは遠位の先端に向かって複数の穴を含み、流体が遠位の先端より前で流体送達チューブから出ることを可能にする。他の実施形態では、流体送達チューブは、使用の間に、流体送達チューブが導入針の範囲内でヒトの椎間板の椎間板内空間の中に延在するような長さで、かつ流体送達チューブは流体送達チューブを通して注入された流体が、導入針を通して注入された流体と導入針の内孔の中で最初に接触するような長さである。他の実施形態では、流体送達チューブの先端は導入針の先端から1mmを超えて延在しない。1つの実施形態では、流体送達チューブは先端が導入針の先端から1mmを超えて延在することはなく、このため、脊髄針および導入針を通して注入されたフィブリン封止剤は、導入針の中で少なくとも部分的に混合する。他の実施形態では、流体送達チューブは先端が導入針の先端から1mmを超えて延在することはなく、かつ導入針の先端から5mmより少ないこともなく、このため、流体送達チューブおよび導入針を通して注入されたフィブリン封止剤は、導入針の中で少なくとも部分的に混合する。特に、ポリマーカテーテルは髄核中で曲がる場合があり、このため、誤って位置決めされることがあるために、本発明では注入点を正確に位置決めする利点を有する。同様に、初期事項として所望の注入点に導入針を位置決めすることにより、フィブリン封止剤を短時間で注入し処置を迅速化することが可能であり、これは患者の利益である。
【0071】
カテーテルの先端と導入針の先端との間に間隔があることによって、これらの成分が導入針から出る前に、フィブリノゲンとトロンビンの混合を促進する。ゲージ16〜22までの標準的な導入針が、また、他の実施形態ではゲージ18〜22までの導入針が使用可能である。または、導入針はこれらの成分の混合を増加させるように適合可能である。例えば、導入針の内面に傷をつける、または、それ以外には模様をつけて、これらの成分の混合を補助してもよい。また、導入針の先端を導入針の残りの部分と比べ細くしてもよい。これは導入針の先端の「直径短縮(necking down)」と称してもよい。直径短縮導入針は種々の方法で製作可能であり、針の製造の際に先端を引っ張る、またはスエージング工法の使用等で導入針の先端により薄いゲージ針を取り付けることによる方法を含む。または、これらの成分の静的な混合を増加させる他のいくつかの手段を使用してもよい。
【0072】
以下の実施例を参照することによって、改良型のフィブリン封止剤混成物の使用がより理解されるだろう。これらの実施例は代表的なものであり、本発明の範囲または本発明の請求項を制限するものと解釈されるべきではない。
【0073】
例1
蛍光透視ガイド椎間板内注入
滅菌処理の後に、斜投象法で導入針が上関節突起に送られる。湾曲した脊髄針が導入針を通して椎間板内に送られる。前後両方、および左右の蛍光透視投影を使用して針の適切な位置決めを確認する。針の位置決め調節が必要な場合、位置決めは再び蛍光透視法で確認される。針の位置決めを確認するために造影剤が注入される。化学的な神経根炎の患者では、造影剤が線維輪の亀裂および/または椎間板内の病状を通して漏れることを観察することができ、したがって、その識別が可能である。導入針が椎間板内空間に適切に位置決めされると、圧力モニタを有する本発明のシリンジシステムを使用してフィブリン封止剤(または、その成分)が注入される。椎間板に過大な圧力が加わらないことを確実にするために圧力をモニタする。フィブリン封止剤が環状亀裂を封止すると、フィブリン封止剤が造影剤を椎間板内空間から押し出すのが観察される。または、造影剤は封止剤と共に注入される。または、造影剤は使われない。この処置は線維輪の欠陥/亀裂を封止し、化学的な漏れを止め、椎間板内の再生を促進する。
【0074】
本発明は、上の実施例で説明したものと同様な方法で、フィブリン封止剤の使用を介し、さまざまな状態に対応するために使用可能なことが分かる。本発明の説明では、請求範囲記載の発明について限定された用途を詳述する、特定の手段、材料および実施形態を引用した。本発明は、これらの特定のものに限定されるものではなく、全ての同等なものに対して適用される。特定の手段、材料、および実施形態を参照して、上に本発明を説明したが、本発明はこれらの開示した特定のものに限定されるものではなく、むしろ、添付の請求範囲内で全ての同等なものに拡張されると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1A−1C】本発明の代表的な送達装置を示す図である。
【図2】一体化された同軸の流れ接続器(「ハブ」)を含む、本発明の他の代表的な装置を示す図である。
【図3A−3C】複数内腔のカテーテルの代表的な断面図である。
【図4】本発明の装置の1つの実施形態の半展開図である。
【図5】本発明の装置の1つの実施形態の部品の半展開図である。
【図6】カートリッジ30の導出口338、338’を含み、本発明の装置を示す図である。
【図7】本発明の装置の斜視図である。
【図8】本発明の装置の1つの実施形態で使用される車輪組立体を示す図である。
【図9−11】本発明の針組立体の1つの実施形態を示す図である。
【図12】本装置に操作可能に取り付けられた送達マニフォールドを備える本発明の装置を示す図である。
【図13】本装置に操作可能に取り付けられた充填マニフォールドを備える本発明の装置を示す図である。
【図14】本発明の装置の断面図である。
【図15】本発明の装置の他の実施形態を示す図である。
【図16−16A】本発明の装置の他の実施形態を示す図である。
【図17−17A】本発明の装置の他の実施形態を示す図である。
【図18】本発明の装置の他の実施形態を示す図である。
【図19A−19C】本発明の装置の追加の実施形態を示す図である。
【図20】使用中の本発明の装置の追加の実施形態を示す図である。
【図21A−21B】追加の実施形態であり、圧力表示構成位置を示す図である。
【図22A−22B】本発明の流体送達貯蔵部の代わりの実施形態を例示する図である。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【関連出願との関係】
【0001】
本出願は2004年10月29日出願の米国特許仮出願番号60/623,600号に対して優先権を主張するものであり、2005年8月17日出願の米国特許出願番号11/205,760と、2005年8月17日出願の米国特許出願番号11/205,784と、2005年8月17日出願の米国特許出願番号11/205,775との一部継続出願であり、2006年2月1日出願の米国特許仮出願番号60/764,019と、2006年10月24日出願の米国特許仮出願番号60/854,413とに対して優先権を主張するものであり、これらの全ての出願を、本明細書の一部として援用する。
【技術分野】
【0002】
本発明は、一般に、脊髄部分に注入すること等によって送達されるフィブリン封止剤の使用に関し、より詳細には、圧力モニタを含む送達装置の使用を通してのものに関する。
【背景技術】
【0003】
フィブリン封止剤、およびフィブリングルーはよく知られており、さまざまな臨床場面で広く使用される。このような封止剤は、縫合、結紮、焼灼等を含む従来の手術技術によって出血の制御が効果的でない、または実用的でない場合に、手術における止血の附加物を指す。これらの場合には、封止剤は局部的に適用された。
【0004】
最近では、コルチコステロイドを含むフィブリン封止剤は、線維輪中の亀裂等の脊髄の椎間板の問題の処置に使用された。これに関して、米国特許第6,468,527号公報には、この配合物を椎間板(椎間板内注入)に注入して椎間板の問題を処置することが開示されている。米国特許第6,468,527号公報では、椎間板内に導入針を挿入し、導入針を通して双胴シリンジに接続された第2の針を挿入し、次に、椎間板内にフィブリノゲンとトロンビンとを注入することによってフィブリン封止剤が注入される。フィブリノゲンとトロンビンとはY接続部および針の長さを通して混合を開始する。
【0005】
しかし、本発明の発明者達は、既存の市販されているフィブリン封止剤装置は、医師と患者のためになる、望ましい安全上の特色を欠いていると言うことに問題があると認識した。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上に説明した問題と不都合を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施では、フィブリン封止剤等の生体適合性のある封止剤が、例えば、ヒトの脊髄部分内に導入可能である。フィブリン封止剤はフィブリノゲンとトロンビンとを含み、混合するとフィブリンを形成する。塩化カルシウムがフィブリン封止剤に含まれてもよい。フィブリンは、さまざまな生物学的および非生物学的な薬剤等の添加剤を1つまたは複数、随意に含んでよい。
【0008】
1つの広範囲な観点では、本発明は生物学的な封止剤の送達のための装置であり、例えば、脊髄部分に、送達されている生物学的な封止剤の圧力を測定するための圧力モニタを含む。本装置は、生物学的な封止剤を送達可能で圧力モニタを含む事実上どのような構成も取り得る。本装置は、手動で引き金に圧力を加えることによって作動させ、例えば、封
止剤が外科医によって加えられた力によって注入されてもよいし、また、代わりに、コンピュータ(搭載または外付けの)等によって制御され、封止剤が自動的に注入されてもよい。封止剤が自動的に注入される場合は、本装置はサーボまたは空圧式作動機等を含み注入を促進させてよい。1つの実施形態では、本装置は送達される流体のための少なくとも2つの貯蔵部と、流体を貯蔵部の導出口を通して貯蔵部から流出させる作動組み立て体と、貯蔵部を収容するハウジングと、作動組み立て体を駆動する引き金と、装置内の流体の圧力を測定する圧力モニタとを含む。典型的には、使用時に本装置は外科医によって保持される。このように、本装置は手持ち可能でよく、この用語は当分野で理解される。または、本装置は封止剤の注入の前、または注入の間、または注入の後に静止アーム、またはロボットアーム等によって保持されるように適合してよい。
【0009】
貯蔵部はカートリッジ中の内孔、または2つのシリンジの内孔等の形態を取り得る。内孔はその中にプランジャを有し流体を内孔から押し出す役割を持ってよい。これらの実施形態では、作動組み立て体はプランジャを係合させる役割を持ち、プランジャが流体を内孔から押し出すようにする。作動組み立て体は引き金に加えられた圧力によって作動する。
【0010】
1つの観点では、本装置は、送達される流体のための少なくとも2つの円筒状の内孔を有し、円筒のそれぞれが流体の導出口を含むカートリッジと、円筒から流体を押し出すためにそれぞれの円筒内に配置されたプランジャと、カートリッジを受けるように適合されカートリッジの導出口に操作可能に接続するマニフォールドを受けて固定化するアダプタを含むハウジングと、それぞれが少なくとも部分的に円筒内孔の中に配置される少なくとも2つの歯の付いた押し棒と、ハウジングに接続されており歯の付いた駆動ラックを含む引き金と、歯の付いた駆動ラックおよび歯の付いた押し棒と協調する歯の付いた車輪組み立て体とを有し、装置内の流体の圧力を測定するための圧力モニタをさらに含む。この実施形態では、作動組み立て体は、押し棒と、駆動ラックを、車輪組み立て体とを含む。いくつかの実施形態では、圧力モニタはハウジング内に収容される。圧力モニタが取っ手の上方で装置の後方に向かって配置される表示器を含む。圧力モニタがハウジングに対して同じ高さの表示器を含む。圧力モニタが電子式圧力モニタである。圧力モニタが少なくとも1つの貯蔵部に操作可能に取り付けられる圧力トランスジューサを含む。流体の圧力が所与の水準に達すると圧力モニタが外科医に警告する。流体の圧力が所与の水準に達すると圧力モニタが音を発散させて外科医に警告する。流体の圧力が所与の水準に達すると圧力モニタが信号を発光させて外科医に警告する。流体の圧力が所与の水準に達すると圧力モニタが装置を振動させて外科医に警告する。圧力モニタは外科医によって所与の最大圧力に設定されるように適合される。流体の圧力が所与の水準に達すると圧力モニタは流体の圧力がさらに増加することを停止させる。圧力モニタがコンピュータにデータを供給する。およびこれらの組み合わせである。
【0011】
代わりの実施形態では、圧力モニタはハウジング内に収容される。圧力モニタは取っ手の上方で装置の後方に向かって配置される表示器を含む。圧力モニタがハウジングに対して同じ高さの表示器を含む。圧力モニタは空圧式、電子式、油圧式、または複合の圧力モニタでよい。流体の圧力が所与の水準に達すると圧力モニタは外科医に視覚的な警告を与えてもよい、すなわち、マニフォールドにおける流体の圧力が所与の水準に達すると、符号付きの文字盤または目盛り付きの円筒上にある校正された針または同様な指針の手段によって、圧力モニタは外科医に警告してよい。校正された目盛りは、数値的に定義されたもの、または何らかの定義の色体系よって表示されるものでよい。
【0012】
1つの一般的な観点では、本発明はフィブリン封止剤の送達のための装置であり、複数筒シリンジ等の少なくとも2つの流体貯蔵部と、導入針と、複数筒シリンジの第1の筒等の1つの流体貯蔵部から第1の流体を受けるように適合されると共に導入針の中に延在す
るように適合された流体送達チューブと、複数筒シリンジの第2の筒等のように第2の流体貯蔵部に連結された接続器と、送達装置に連結され装置内の圧力を測定する圧力モニタとを含み、流体送達チューブが導入針の中に延在するように接続器が導入針に連結されると共に流体送達チューブを受けるように適合される。
【0013】
他の一般的な観点では、本発明は椎間板を処置する方法であり、フィブリン封止剤等の生物学的な封止剤を椎間板内に注入し、線維輪の少なくとも1つの欠陥を封止するステップを含み、生物学的な封止剤は、注入されているフィブリン封止剤の圧力を測定する圧力モニタを含む送達装置を使用して注入される。生物学的な封止剤がフィブリン封止剤の場合、フィブリン封止剤はフィブリノゲンとトロンビン等の活性化化合物とを含んでよく、椎間板内に注入後にフィブリノゲンと活性化化合物が椎間板内にフィブリンの少なくとも一部を形成する。1つの実施形態では、フィブリノゲンが自己由来である。典型的には、双筒シリンジを使用して注入が行われる。
【0014】
他の一般的な観点では、本発明は脊髄部分の関節を処置する方法である。脊髄椎間板関節以外には、これは、仙腸関節等の脊髄の他の接合関節、横環軸関節または胸部脊椎関節突起関節を含み得る。本発明は関節を処置する方法であり、フィブリン封止剤等の生物学的な封止剤を関節内に注入し、関節包の少なくとも1つの欠陥を封止するステップを含み、生物学的な封止剤は、注入されているフィブリン封止剤の圧力を測定する圧力モニタを含む送達装置を使用して注入される。生物学的な封止剤がフィブリン封止剤の場合、フィブリン封止剤はフィブリノゲンとトロンビン等の活性化化合物とを含んでよく、関節内に注入後にフィブリノゲンと活性化化合物が関節内にフィブリンの少なくとも一部を形成する。1つの実施形態では、フィブリノゲンが自己由来である。
【0015】
本方法は、生物学的な封止剤が椎間板の複数の場所で椎間板に注入されるように実施可能である。1つの実施形態では、椎間板内空間の少なくとも1つの欠陥に隣接する場所に先端を有する導入針を挿入し、導入針を通して(随意で導入針の先端を超えず先端まで)第2の針またはポリマーカテーテルを挿入し、注入されている封止剤の圧力をモニタしながら、第2の針またはポリマーカテーテルを通して生物学的な封止剤を注入することによって、注入が行われる。または、1つの成分が導入針を通して注入され、生物学的な封止剤の第2の成分が第2の針またはポリマーカテーテルを導入針を通して注入される。本発明は、このように、注入されている流体の圧力をモニタしながら、脊髄部分に生物学的な封止剤を送達する方法を含み、圧力は電子的な圧力モニタが使用される。本発明は、外科医が流体の圧力を正確にモニタ可能なため、患者の安全を改善し、したがって、間接的に外科医は、破裂または他の損傷を起こし得る過剰な椎間板の圧力を防ぐことができる。
【0016】
処置される椎間板は腰部の椎間板、胸部の椎間板、または頚部の椎間板でよい。1回の処置で複数の椎間板に処置可能であり、1回の針刺しで複数の種類の椎間板に処置可能である。
【0017】
処置の間に、生物学的な封止剤の前に、生物学的な封止剤と共に、または生物学的な封止剤が注入された後のいずれかで、典型的には、造影剤が注入される。同様に、生物学的な封止剤の前に、または封止剤と共に、局部麻酔薬を注入してよい。
【0018】
他の一般的な観点では、本発明は脊髄関節を処置する方法であり、フィブリン封止剤を関節内に注入し、注入されているフィブリン封止剤の圧力をモニタしながら、線維性関節包の少なくとも1つの欠陥を封止するステップを含み、フィブリン封止剤がフィブリノゲンと活性化化合物とを含み、注入後にフィブリノゲンと活性化化合物がフィブリンの少なくとも一部を形成する。
【0019】
他の一般的な観点では、本発明は生物学的な封止剤を送達するための装置を製造するための方法であり、送達される流体のための少なくとも2つの貯蔵部と、流体を貯蔵部の導出口を通して貯蔵部から流出させる作動組み立て体と、送達装置に連結され装置内の圧力を測定する圧力モニタとを組み立てるステップを含む。
【0020】
他の一般的な観点では、本発明はキットであり、フィブリノゲン等の生物学的な封止剤および活性化化合物と、フィブリン封止剤をヒト椎間板内に注入するための生物学的な封止剤送達装置とを含み、装置が圧力モニタを備える。フィブリン封止剤の場合には、成分には、凍結乾燥フィブリノゲン等のフィブリノゲン、凍結乾燥トロンビン等のトロンビン、および送達装置を含んでよい。キットは、随意に造影剤および他の添加剤を含んでよい。
【0021】
他の一般的な観点では、本発明はキットを形成するための方法であり、フィブリノゲン成分から形成された封止剤等の生物学的な封止剤と、活性化化合物と、生物学的な封止剤をヒト椎間板内に注入するための生物学的な封止剤送達装置とを提供するステップを含み、装置が圧力モニタを備える。
【0022】
本発明の実施の間に修復される欠陥は、線維輪の裂傷、線維輪の亀裂、脊髄関節の繊維性包等があり得る。この処置は、線維輪中の欠陥を通して髄核から漏れる物質の量、および/または、顆粒状組織の潜在的な内方成長および健康な関節には通常存在しない痛みの元になり得る偶発的な神経支配を減少させることに役立つ。または、この処置は神経支配の顆粒状組織を髄核の影響から遮断し得る。線維輪内の環状欠陥または裂傷の部位に時々見られるこの神経支配の顆粒状組織の存在は、一般的な生理的な回復の反応と考えられる。フィブリン封止剤の注入は、椎間板の健康に重要な要素である、正常な椎間板(または関節)の高さ、および生理学的な静水圧を回復することに役立ち得ることは利点である。正常な生理学的な静水圧は個人によって変わり得ること、および、この処置はほぼ正常な静水圧を発生させ得ることを理解すべきである。本明細書で使用するように、正常な生理学的な圧力はこの圧力範囲を包含する。1つの実施形態では、例えば、米国特許第6,095,149号公報に説明されているように、注入の前または注入と共に、髄核も線維輪のいずれをも体内で加熱されて椎間板を硬化させることがない。1つの実施形態では、本発明の実施において、髄核は、全体的または部分的な椎間板切除の場合等における手術、または椎間板ヘルニアに対する椎間板髄核成形手術によって除去されていない。
【0023】
本発明の方法およびキットは、例えば、線維輪中の欠陥(例えば裂傷または亀裂)を通して椎間板からの髄核が漏れるような椎間板起因の痛みを持つ患者に長期の痛みの軽減を促進することは利点である。圧力モニタは安全の水準を高め、医師がリアルタイムで圧力を測定して、処置している椎間板の圧力が過剰になることを防止することができる。同様に、医師はフィブリン封止剤の注入と共に圧力の測定値を観察して、椎間板が封止されつつあるか、十分なフィブリン封止剤が注入されたかどうかを判断できる。このように、医師は、椎間板が処置可能かどうか評価する診断ツールとして本発明の送達装置を使用可能である。
【0024】
さらに、本発明の方法およびキットは、例えば、顆粒状組織の潜在的な内方成長および健康な関節には通常存在しない痛みの元になり得る偶発的な神経支配による、他の脊髄関節の痛みを持つ患者に長期の痛みの軽減を促進する。または、この処置は神経支配の顆粒状組織を髄核の影響から遮断し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
本発明のフィブリン封止剤を送達するための装置は、送達装置と圧力モニタとから構成される。圧力モニタは、貯蔵部に操作可能に取り付けられた、例えば、シリンジの内の1
つに操作可能に取り付けられたトランスジューサに接続された線路を通して送達装置に連結する。または、トランスジューサは接続器内、または、トランスジューサを装置内に導入し装置内の流体の圧力が測定可能な任意の場所に設置可能である。圧力モニタは機械式でもよいが、典型的には、ハウジング内に組み込まれた液晶表示器(LCD)を介する等のデジタル読み出しを備える電子式モニタである。
【0026】
1つの観点では、送達装置は、複数筒シリンジ等の少なくとも2つの流体の貯蔵部と、圧力モニタと、導入針と、複数筒シリンジの第1の筒から流体を受けるように適合されると共に導入針内に延在するように適合された流体送達チューブと、複数筒シリンジの第2の筒に連結された接続器とを含み、流体送達チューブが導入針の中に延在するように接続器が導入針に連結されると共に流体送達チューブを受けるように適合される。
【0027】
実施形態のあるものは、流体送達チューブは針またはカテーテルでよい。1つの実施形態では、流体送達チューブはルアーフィッティング等の方法によってシリンジに直接取り付ける。または、流体送達チューブは接続器に一体化されてよい。例えば、接続器は、射出成形法または他の製法で針の部分の周りに接続器を形成することによって製作可能である。
【0028】
圧力モニタは市販されている。例えば、圧力モニタは、現在、Merit Medical Systems,Inc(米国ユタ州)からMeritrans(登録商標)トランスジューサとして販売されており購入可能である。他の代表的な圧力モニタは、例えば、米国特許出願番号第2005/0004518号に開示されており、これを本明細書の一部として援用する。2005/0004518号に開示されている装置では、圧力トランスジューサは、シリンジのプランジャ中でプランジャの先端の下に一体的に装着されているので、プランジャによってシリンジ中の流体に加えられる力をトランスジューサに伝達し、その結果の電子信号が表示値に変換され、背骨中に疾病のある椎間板を診断する医師を補助する。圧力モニタのトランスジューサは、シリンジの筒の中、または接続器(すなわちハブ)の中に設置可能である。
【0029】
図1A、1B、1Cは、完全に組み立てられた本発明の代表的な装置を例示する。各装置は、これを使用してフィブリン封止剤を送達するように適合される。図1では、装置10は、圧力モニタ20と、流体貯蔵部(複数筒シリンジ等)30と、接続器40と、流体送達チューブ50と、導入針60とを含む。シリンジ、接続器、および針は標準的なルアーフィッティングを使用して連結可能である。流体貯蔵部は取っ手70とプランジャ80とを含み得る。または、流体貯蔵部は、この貯蔵部を可撓性として、絞る、または巻いて流体を押し出しすように構成可能である。導入針60は、例えば、接続器のシリンジに接続された端部の反対の端部にてルアーフィッティングによって接続器に連結可能である。図1では、接続器40に取り付けられた、または接続器40と一体化された栓33を通して押し込まれ、導入針内に通すに十分な長さがある流体送達チューブ50を通して、筒31から流体が駆動される。このように、1つの実施形態では、流体送達チューブ50は複数筒シリンジの第1の筒31に連結し、流体送達チューブは、接続器に連結した栓を通して接続器内に延在する。1つの実施形態では、流体送達チューブはシリンジの第1の筒に直接連結し、かつ流体送達チューブは接続器に固定され、これによって流体送達チューブは導入針内で動くことがない。筒34からの流体は接続器内の導管35を通して押し出され、導入針内に流れる。このように、接続器は流体送達チューブから流体を導入針内に搬送するように適合される。接続器は、第2の筒から導入針までの流体の流路35を含み、この通路は、第2のシリンジ筒からの流体が流体送達チューブを通して送達された流体の量とほぼ同じ量になるような直径である。1つの実施形態では、流体送達チューブは、導入針の端部から突出しないような長さである。筒31および34からの流体は、導入針60の遠位の先端61の付近で混合する。圧力モニタ20は、圧力モニタのトランスジューサが筒内にあって筒内の内部圧力を測定するように、トランスジューサに取り付けられた線路21を介して筒31に連結する。筒内で測定された圧力は、処置の間、導入針の遠位の先端の圧力と同じ、またはほぼ同じである。このように、圧力モニタは椎間板内の圧力のモニタを可能とする。1つの実施形態では、複数筒シリンジ30が2つの筒を有する。各筒は、ルアーフィッティングによって、接続器または流体送達チューブに連結するように構成可能である。本発明の送達装置は、所与の圧力に達したら、椎間板の圧力が過重になる可能性を減少させるトリップスイッチを備えてよい。
【0030】
図1Bに表した装置は図1Aの装置と同様であるが、図1Bでは、流体送達チューブ50が接続器と一体化され、栓を流体送達チューブを通して挿入する必要がない。流体送達チューブは、筒から流体が流体送達チューブに流入するように接続器に結合、または、それ以外の方法で接続器に連結させることが可能である。当然のことながら、フィブリノゲン等の第1の流体は、流体送達チューブ50、または導管35の、いづれかを通して注入され、活性化化合物がフィブリノゲンで使用される流路と反対側の流路を通して注入される。このように、2つの流体が装置を通して同軸に流れ、所与の流体が流体送達チューブ50から抜け出るまでは接触しない、すなわち混合しない。線「a」は、圧力モニタのトランスジューサ用の他の位置を示す。
【0031】
図1Cは、圧力モニタ20と、この場合では複数筒シリンジ30である貯蔵部と、Y字接続器40と、流体送達チューブ50と、導入針60とを含む装置10を表す。この実施形態では、筒31および34はルアーフィッティング介して等でY字接続器40に連結される。筒31および34からの流体はY字接続器内に流れ、ここで混合が開始する。次に、流体は、導入針60内に延在する流体送達チューブ50に入る。導入針60はルアーフィッティングを介して接続器40に連結する。この実施形態では、圧力モニタは筒34(トランスジューサが筒34内に配置される)に連結される。
【0032】
当然のことながら、流体送達装置には広範囲な設計が使用可能である。例えば、装置は、ラッチレバーを備え注入を容易にする送達銃を含んでよい。このような送達銃は、注入を行うのに医師による物理的な圧力が必要でないように自動化も可能であろう。このような送達銃が使用されると、この銃は、フィブリノゲンと活性化化合物の液体を収容する複数筒を装填可能であろう。レバーの圧縮はプランジャに力を加え、筒から流体を押し出して、接続器、流体送達チューブ、および/または導入針の中に入れる。または、この銃はねじ型の作用を利用してプランジャを動作させ得る。いずれの実施形態でも、成分を注入する際に機械的な利点を医師に与える。しかし、重要なことは、本発明では圧力モニタは常に送達装置に連結されることである。
【0033】
図2に本発明の代表的なキットを示す。このキット100は、フィブリノゲン110と、活性化化合物115と、フィブリン封止剤をヒト椎間板に注入するためのフィブリン封止剤送達装置120とを含み、送達装置は圧力モニタ121を備える。キットは適当な容器130に入れて保存および出荷してよい。キットは、1つまたは複数の添加剤、カルシウムイオンの供給源、凍結乾燥フィブリノゲンの溶解用の装置、追加の流体送達チューブ、追加の導入針、等の追加の用品を含んでよいが、これらに限定されるものではない。
【0034】
図3Aおよび3Bは複数内腔のカテーテルの代表的な断面図である。図3Aは2つの内腔のカテーテル200を示し、内腔は並んで配置されて、例えば内腔201を通してフィブリノゲンが、内腔202を通して活性化化合物が注入される。図3Bは3つの内腔のカテーテル210を表し、第1の内腔211が1つの流体を、第2の内腔212が第2の流体を、そして第3の内腔では添加剤を輸送したり、またはこの内腔213を通してワイヤを挿入しポリマーカテーテルの剛性および物理的な完全性を向上させる。図3Cは3つの内腔のカテーテル220を表し、内腔221、222および223は連続して(並んだ関
係で)配置される。複数内腔のカテーテルは本発明に使用可能である。複数内腔のカテーテルは多数の断面構造を持ち得る。このカテーテルは、3つを超える内腔を有することもまた可能である。
【0035】
ここで図4を参照すると、本発明の代表的な送達装置が表されている。装置310は、装置の部品のいくつかを保持、または部品のいくつかに接続されたハウジング320を含む。ハウジングはさまざまな材料から製作可能であるが、典型的には1つまたは複数のプラスチック材料から製作される。ハウジングは、一般に、取っ手321と筒322とを含むピストルの形状をしていると見なされる。少なくとも2つの貯蔵部(カートリッジ)330が筒322内に配置される。ハウジングはカートリッジを受けて収容するように適合される。カートリッジ330は、このように、筒322内に配置される。ハウジングは、2つの片からなるハウジング等、ねじを使用して組み立てられる、または瞬時取り付け型の機能を使用して構成される、複数片からなる部品でよい。図4に示す具体的な設計は、単に、代表的なものであり、本発明が実施される際に採用されるハウジングの型を制限する意図はない。
【0036】
さらに、引き金340はハウジング内に位置して、操作可能にハウジングに接続され、操作者によって引き金340に圧力が加えられると、引き金340が第1の位置からハウジング内の第2位置まで移動可能である。ハウジング320には、引き金340の移動量のため内部停止材(図示せず)を含んでよい。
【0037】
カートリッジ330は、図5に非常に詳細に表される。このように、カートリッジ330は2つの円筒331、331’を含み、流体を受けるために内孔332、332’をそれぞれ有する。各円筒331、331’は、内孔332、332’の長さに渡り同じ直径を有する、一般に真直なチューブを画定する。カートリッジ330は1つまたは複数のフィッティング、スロット、または、カートリッジ330をハウジング内に固定する役割の同様なものを含んでよい。例えば、図5では、ハウジングはフィッティング353を含み、このフィッティングはカートリッジのスロット337内に嵌合し、これによってカートリッジ330を横の移動から固定するように構成される。当然のことながら、カートリッジ330は、引き金340に圧力が加えられた際には移動しない。むしろ、引き金340に圧力が加えられると、ラック342、車輪組み立て体350、および押し棒334、334’が係合し、プランジャ336、336’をカートリッジ330の導出口338、338’(図6参照)に向かって押す。図8では、車輪組み立て体350の伸張した歯車端351、351’がカートリッジ330の内孔333に嵌合する(図7も参照)。当然のことながら、カートリッジ330はハウジング320と一体化可能である。すなわち、カートリッジ330は、ハウジング内に設置される分離および/または脱着可能な部品である必要はなく、代わりに、ハウジングの製造の間にハウジングの一部として形成可能である。
【0038】
当然のことながら、車輪組み立て体350は単一の片、または組み立て体を形成するように複数の部品から組み立てられてよい。したがって、例えば、複数部品組み立て体に対しては、図8に表したように、伸張した歯車端351、351’を有する歯のある内部歯車352が車輪350の内部の内孔353内に挿入される。歯車352は、互いに噛み合う歯等によって車輪350に係合するように適合され、これによって、装置310の使用時に組み立て体は単一の部品として動作することができる。この実施形態では、内側の歯の付いた歯車352が、伸張した歯車端351、351’の間に挟まれて示される。または、車輪組み立て体は、鋳造、鍛造、削り加工、またはそれ以外の方法で形成され、単一の一体の歯車組み立て体を製造し得る。歯の代わりに、歯車組み立て体350、ラック342、押し棒は、所望の動作を得るに十分な摩擦で係合する材料、例えば、粘着性のゴム材料、粗面を有する材料(例えば、サンドペーパのような仕上げで)、等を使用して製作可能である。
【0039】
再度図5を参照すると、外科医にカートリッジ330の内孔332、332’の内の1つの中の圧力測定値を提供する圧力読み出し表示器370が示される。トランスジューサ(図示せず)は内孔内の圧力を測定するように構成され、トランスジューサから表示器370への線路(図示せず)は、信号を処理し表示器370に測定値を出力する電子回路に信号を供給する。このように、圧力モニタは、例えばシリンジの内の1つの中のトランスジューサに接続された線路を通して送達装置に連結する。または、トランスジューサは接続器内、または、トランスジューサを装置内に導入し装置内の圧力が測定可能な任意の場所に設置可能である。好ましくは、トランスジューサは内孔中にある。表示器はLCDでよいが、これに限定されるものではない。
【0040】
圧力モニタは市販されている。例えば、適当な圧力モニタは、現在、Merit Medical Systems,Inc(米国ユタ州)からMeritrans(登録商標)トランスジューサとして販売されており購入可能である。他の代表的な圧力モニタは、例えば、米国特許出願第2005/0004518号に開示されており、これを本明細書の一部として援用する。2005/0004518号に開示されている装置では、圧力トランスジューサは、シリンジのプランジャ中でプランジャの先端の下に一体的に装着されているので、プランジャによってシリンジ中の流体に加えられる力をトランスジューサに伝達し、その結果の電子信号が表示値に変換され、背骨中の疾病のある椎間板を診断している医師を補助する。圧力モニタのトランスジューサは、シリンジの筒の中、または接続器(すなわちハブ)の中に設置可能である。
【0041】
図4および5に分配マニフォールド360を示す。分配マニフォールド360は分配マニフォールド導入口361、361’を含み、これらはカートリッジ330の導出口338、338’に密閉状態で整列して連結する。分配マニフォールド360は、例えば、相補的なスロット339’に係合するフィッティング362、363を使用してカートリッジのマニフォールド連結部分339に連結するように適合されており、分配マニフォールド360を結合部339、339’に固定化する。これらの図に表された実施形態では、導出口338、338’はマニフォールド連結部分339、339’内に形成される。図4および5中に表した分配マニフォールド360は、また、随意の覆い364を含む。分配マニフォールド360は流体チューブ365、366を含み、これらの流体チューブは流体をカートリッジ330から受け、例えば図9〜11に表す、針組み立て体380に移送する。チューブ365、366はさまざまな材料で製作可能であるが、一般に、外科医の使い易さを向上させるように可撓性の材料で製作される。典型的には、チューブ365、366は、ポリマー材料、特に医療等級の材料で製造される。または、チューブは柔軟な材料またはチューブが曲がることが可能な他の材料から製作可能である。このように、流体を送達するための送達マニフォールドは、ハウジングアダプタの少なくとも2つの導出口にそれぞれ連結する少なくとも2つの導出口と、2つの端部を有する少なくとも2つの導管とを含む送達アダプタを含んでよく、導管それぞれの第1の端部が送達マニフォールドの導出口に接続し、導管それぞれの第2の端部が二口のルアーフィッティングに接続し、ルアーフィッティングは1つの導管から内側の針に流体を送達するように構成され、かつルアーフィッティングは内側の針の外部と第2のより大きな直径の針とによって画定される空間に第2の導管から流体を送達するように構成され、より大きな直径の針は、より大きな直径の針の内部に内側の針を備えるルアーフィッティングに接続される。図12は、マニフォールド360がハウジング320に操作可能に接続されており、マニフォールド360の導入口がカートリッジ330の導出口に整列する装置310を例示する。
【0042】
分配マニフォールド360の代わりに、図13に表す流体充填マニフォールド390を使用して、カートリッジ330の円筒331、331’内に流体を充填してよい。分配マ
ニフォールド360と同様に、充填マニフォールド390は、密閉状態で導出口338、338’に整列して連結する導入口(図示せず)を含む。充填マニフォールド390はフィッティング392、393および随意の覆い394を含む。しかし、充填マニフォールド390は、円筒331、331’内に導入される流体で充填されたシリンジ397、398に連結するチューブ395、396を含む。シリンジ397、398はルアーフィッティング397’、398’を介してチューブに接続する。このように、使用の間に、シリンジ397、398は円筒331、331’に導入される流体(例えば、トロンビン溶液およびフィブリノゲン溶液)で充填される。シリンジはルアーフィッティングを使用して所定の位置に固定され、次に、プランジャ336、336’が後ろに駆動される時に円筒内に流体が注入される。次に、充填マニフォールド390は取り外されて分配マニフォールド360に交換され、この後に、外科医は、選択した生物学的な封止剤を椎間板等の人体の所望の場所の中に注入する。このように、流体を円筒に導入するための充填マニフォールドは、送達装置のハウジングアダプタに連結する充填マニフォールドアダプタを含み、充填マニフォールドアダプタは、ハウジングアダプタの少なくとも2つの導出口にそれぞれが連結する少なくとも2つの導出口と、少なくとも2つのシリンジと、少なくとも2つの導管とを含み、導管の1つの端部はシリンジに接続し導管の第2の端部は充填マニフォールドアダプタの導出口に接続する。当然のことながら、充填マニフォールド390は、代わりに、シリンジ397、398以外の広範囲な再充填部品に接続可能である。このように、流体充填マニフォールド390は、例えば、圧力容器、自動注入装置、手動または自動で絞られて円筒内に再充填を行う流体バッグ、針を刺し圧力がかかったガスを使用して流体を円筒内に押し出して流体を供給する流体アンプル等を使用可能である。
【0043】
図9〜11は針組み立て体380を表す。針組み立て体は2つの同軸の針、すなわち、外側の針および内側のポリマーカテーテルを含んでよい。図9では、処置される患者に直接挿入される外側の針381がルアーフィッティング382、382’を介して内側の針383(図10参照)を囲む外側の針381に接続される。外側の針は、典型的には、18〜22ゲージの脊髄針で、これは湾曲部381’を含み脊髄針の挿入の際に外科医が針本体を操作するのを補助する。内側の針は、流体が針と針の間の間隙の中を流れ得る任意の大きさでよい。実施形態のあるものでは、内側の針383は先端383’付近に開口を含み、流体の混合を潜在的に向上させ促進する。同様に、先端383’は覆ってもよい。図3A〜3Cに、本発明が実施される際に採用され得る針およびカテーテルの断面図を例示する。複数内腔のカテーテルまたは針が使用される場合には、ルアーフィッティングを適用して各流体をそれぞれの内腔に送達可能である。再度図9〜11を参照すると、内側の針383は任意の長さでよいが、典型的には、内側および外側の針が互いに連結した場合に、内側の針383の先端383’が外側の針381の先端381’まで1mmから50mmの範囲で延在するような長さとされる。1つの実施形態では、フィブリノゲン溶液が内側の針383に供給され、一方、トロンビン溶液が外側の針381に供給される。内側の針383の先端383’で撹拌が開始される。
【0044】
図11に、ルアーフィッティング382’の詳細な実施形態を示す。このように、フィブリノゲンチューブ365は、内側の針383に連結する開口384中にフィブリノゲン溶液を直接供給する。一方、チューブ366は、例えば、ルアーフィッティング382’のハブ(中空の空間)385中にトロンビン溶液を供給し、外側の針381がルアーフィッティング382を介して接続されると、トロンビン溶液はハブに流入して針381に流入する。2つの流体は、溶液の内の1つが内側の針383から出るまでは混合しない。
【0045】
図5に引き金340を非常に詳細に表す。引き金は歯の付いたラック342を含む。外科医が引き金340に圧力を加えると、引き金340とラック342は取っ手321の方向に後ろ向きに動作する。ラック342は、そこで車輪組み立て体350と係合し、ラック342が後ろ向きに動作すると車輪組み立て体が回転する。車輪組み立て体350は、
それによって押し棒334、334’を駆動し、押し棒はプランジャ336、336’を前向きに導出口338、338’に向かって移動させる。1つの実施形態では、引き金340に圧力が加えられるとラック342の歯が車輪組み立て体350の歯と係合し、圧力が開放されるとラック342は外れて、それぞれの歯はもはや係合しないように引き金は構成される。この構成は、例えば、図14等のように、例えば、引き金の後ろ向きの動作によってラック342が持ち上がるように、ハウジング320と引き金340を適合させることによって与えられる。図14中で、引き金340はガイド内孔344を含み、引き金340に圧力を加えると、ハウジングに取り付けられたガイド支柱328がガイド内孔344の中で滑動する。圧力を開放すると、バネ345が引き金340を元の場所に戻す。引き金340が取っ手321のA側に向かって滑動すると、ラック342に装着または一体化されたピン348がスロット329中で滑動し、スロット329の角度によってラック342に上または下に力を加え、これによって、引き金340に圧力が加えられると車輪組み立て体350に係合させる。この構成では、スロット329はハウジング320の一部でありハウジングと一体化している。または、ラック342はハウジング320内に装着されたピンを備えるスロットを含んでよく、これによってピンがスロット中で滑動しラック342に力を加え車輪組み立て体350に係合させる。
【0046】
図15に本発明の送達装置の他の実施形態を表す。図15で、送達装置410は、例えば図4中のものと異なった引き金構成を有して表されている。図15では、引き金440はピンの周りに回転し、例えば、力が押し棒に加わり流体を円筒431、431’から押し出す。例えば、総量4mlの流体を送達するために、1回から4回の絞り動作を繰り返すことが必要かも知れない。本発明のこの実施形態および他の実施形態は、最大1平方インチ当たり100ポンド(1平方センチ当たり7.03キログラム)、および/または最大引き金力で1平方インチ当たり10ポンド(1平方センチ当たり0.70グラム)に力を制限するように構成可能である。1つの実施形態では、流体を装置から押し出すラチエットは、固定化または非固定化いずれかの動作を使用して、絞り動作1回当たり1回のみのクリック動作を行う。次の絞り動作を繰り返す前に、バネ(図示せず)が引き金440を開始の位置に戻す。この実施形態では、駆動系は先に説明した車輪組み立て体350と同じ、または異なってよい。
【0047】
図16に本発明の他の実施形態を表すが、ここでは、引き金が取っ手421の反対側で流体貯蔵部の方に絞られる。この構成では、引き金440は枢着部449で取っ手421に取り付けられる。引き金440は駆動棒446を介して駆動系に係合する。外科医によって少なくとも1つの指が掛かるように、随意の穴423がハウジングおよび取っ手の一部として含まれる。この構成では、引き金440は外科医の手の平からの直接の圧力によって作動する。駆動組み立て体は図16Aのように構成可能であり、ここでは、引き金440に圧力を加えると棒446がラック442に係合する。棒446はラチエットアーム446’によってガイドされ、これは駆動組み立て体の一部でよい。
【0048】
図17では、装置410は傾いた指用の穴を引き金440として含む。外科医が引き金を絞ることによって圧力が加わり、引き金440をハウジング420に向かって移動させ、駆動組み立て体(図示せず)が貯蔵部から流体を分配する。または、図17に表すように引き金は穴を含まない。
【0049】
図18では、装置410は、さまざまな弾性材料または発泡材から形成され得る柔軟な握り部421’を含む。この構成では、引き金440は1本から4本指操作用の大きさとしてよい。所望すれば、柔軟な握り部により、外科医が引き金を押し込んだ際に握りを良くする、または快適にし得る。同様に、取っ手は縞目、隆起部、または外科医の手に装置を握り良くする他の同様なものを含んでよい。
【0050】
図19A、19Bに、本発明が実施される際に使用される代わりの駆動組み立て体を示す。このように、図19Aでは、駆動組み立て体455は、引き金440が枢着部を介して動作し、その結果、送り棒456から圧力が加わりプランジャ436、436’を送るように構成される。一方、図19Bでは、駆動組み立て体は引き金440によって駆動され、棒456が歯車457をラック442に係合させてプランジャ436、436’を駆動する。図19Cは図19Bと同様の構成だが、引き金440が歯車457に代わりの係合をなす例を示す。
【0051】
図20は基本的なラッチ設計を例示し、外科医が引き金440を絞ることによって圧力を加えると、引き金440は、プランジャ436と係合するラック(図示せず)を介してプランジャ436を動作させる。この構成では、1回の反復でストロークの最後に貯蔵部から半分の容量の流体を押し出す。
【0052】
図21Aは装置410の代わりの実施形態を示し、圧力表示器が装置の正面で導出口338、338’の付近に配置される。図21Aでは、表示器470は隆起した形状であるが、一方、図21Bでは表示器470はハウジング420に対して同じ高さで装着される。
【0053】
図22Aおよび22Bに本発明の流体送達貯蔵部の代わりの実施形態を例示する。図22Aに示すようにこの実施形態では、貯蔵部500は封止剤または封止剤の成分を保持する。貯蔵部は封止剤の導出口510とローラ520とを含む。当然のことながら、図22Aに示すローラ520は例示的なものであり、圧力を加え封止剤を貯蔵部500から流出させることを可能にするさまざまな構造を取り得る。例えば、ローラ520はローラ対の形態もあり得るし、または貯蔵部500の上に単に真っ直ぐに下に押しつける平坦な構造もあり得る。勿論、圧力を加える装置(図22Aのローラ520)は角度を付けてもよいし、または、封止剤が貯蔵部500から排出されることを促進する任意の構造も取り得る。図22Bに示すように、ローラ520がA’方向に転がされると、圧力が加えられて封止剤530を貯蔵部から絞り出す。
【0054】
本発明の送達装置は、これだけに限定されないがフィブリン封止剤等の医薬品の調整、これだけに限定されないが、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリエソザゾリン、ポリヒドロキシエチルアクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、多糖類、ポリペプチド、ポリエチレングリコールから製造されるポリマー、本明細書の一部として援用する米国特許第6,428,576号公報(Haldimann)に開示された材料等の合成ポリマー等を含み、添加剤の有無を問わず、広範囲な生物学的な材料(生体適合性のある封止剤、混成物、ポリマー等)を送達するために使用可能である。フィブリン封止剤は、本発明の実施において好適である。フィブリン封止剤はフィブリノゲン成分およびフィブリノゲンをフィブリンに変化させるトロンビン成分を含む。封止剤は1つまたは複数の他の成分を含有してよい。フィブリン封止剤は、例えば、椎間板内に注入され、線維輪中の亀裂および裂傷を封止する。線維輪中の欠陥は、現在はMRIおよびCTスキャン、およびディスコグラムを使用して、一般に診断される。これは、腰部の椎間板に注入した場合に、椎間板起因の腰痛および神経根障害性下肢痛の両方を処置し得る。
【0055】
本発明の実施の際に使用されるフィブリノゲンは、ヒトの体中でフィブリンを形成する任意のフィブリノゲンを含む。フィブリノゲンは、凍結乾燥の形態で多く市販され、使用の前に溶解させる必要がある。フィブリノゲンは凍結または新鮮なものもあり得る。フィブリノゲンは自己由来(処置される患者からの)、プールされたヒトのフィブリノゲン、リコンビナント品を含むヒト由来、またはウシまたは魚(例えば、鮭およびシートラウト)等の他の動物由来であり得る。フィブリノゲンは所与の処置、患者等に適した量が使用される。凍結乾燥フィブリノゲンは、例えば、水(注入用)、アプロチニン(抗線溶剤)を含有する水溶液、塩化カルシウムから供給され得るカルシウムイオン(Ca+2)を含有する水溶液、局部麻酔薬等の1つまたは複数の他の添加剤を含有する水溶液、生理食塩水、アプロチニンを含有する生理食塩水、塩化カルシウムから供給され得るカルシウムイオン(Ca+2)を含有する生理食塩水、局部麻酔薬等の1つまたは複数の他の添加剤を含有する生理食塩水、または添加剤の組み合わせを含有する溶液で溶解してよい。
【0056】
トロンビンは、フィブリノゲンをフィブリンに変化させる役割を持ち、使用される典型的な酵素である。しかし、当分野で既知の蛇の毒(例えばバトロキソビン)または蜘蛛の毒から誘導されるもの等、フィブリノゲンをフィブリンに変換する他の酵素を用いることも可能である。本明細書で使用する「活性化化合物」とは、フィブリノゲンに作用してフィブリンを形成させる化合物を指し、この用語にはトロンビン、バトロキソビン等を含む。トロンビンは市販されており、典型的には凍結乾燥形態である。凍結乾燥トロンビンは使用の前に溶解させる必要がある。トロンビンは凍結または新鮮なものもあり得る。トロンビンは、ヒトのトロンビン(rhThrombin)等のリコンビナント品でもよい。トロンビンは、自己由来、ヒトまたはプールされたヒト由来のもの、ウシ、魚(鮭等)、または、さまざまな蛛形類および他の毒液を分泌する種等が供給源のその他の動物由来のフィブリノゲンを開裂させる酵素でよい。トロンビンまたは酵素は、当業者に既知なように、フィブリノゲンからフィブリンに変化を促進させる任意の量で使用される。トロンビンは、水(注入用)、カルシウムイオンを含有する水溶液、局部麻酔薬等の1つまたは複数の他の添加剤を含有する水溶液、または、カルシウムイオンと1つまたは複数の添加剤とを含有する溶液、生理食塩水、カルシウムイオンを含有する生理食塩水溶液、局部麻酔薬等の1つまたは複数の他の添加剤を含有する生理食塩水溶液、または、カルシウムイオンと1つまたは複数の添加剤とを含有する溶液で溶解してよい。
【0057】
フィブリン封止剤中に追加の添加剤を使用してもよく、これだけに限定されないが、抗生物質;増殖抑制薬、細胞障害性および化学療法薬を含む抗腫瘍性の薬物;鎮痛剤;血管新生阻害剤;抗体;抗ウイルス剤;サイトカイン;コロニー刺激因子;タンパク質;化学誘引物質;EDTA;ヒスタミン;抗ヒスタミン剤;エリトロポイエチン;抗真菌薬;抗寄生虫剤;非コルチコステロイド性抗炎症剤;抗凝固剤;リドカインおよびブピバカイン等の局部麻酔薬を含む麻酔薬;鎮痛剤;抗癌剤;心血管薬;ビタミンおよびその他の栄養補助食品;ホルモン;糖タンパク質;フィブロネクチン;ポリペプチドおよびタンパク質を含むペプチド;インターフェロン;軟骨誘導因子;プロテアーゼ阻害剤;血管収縮剤、血管拡張剤、脱灰骨または骨形態形成タンパク質;ホルモン;脂質;炭水化物;アグリカン(コンドロイチン硫酸およびケラタン硫酸)等のプロテオグリカン、バーシカン、デコリンおよびビグリカン;抗アンギオジェニン;抗原;DBM;ヒアルロン酸およびその塩および誘導体;多糖類;メチルセルロース等のセルロース化合物、カルボキシメチルセルロース、およびヒロドキシプロピルメチルセルロースおよびその誘導体;抗体;遺伝子療法試薬;遺伝子組み換え細胞、形質転換成長因子を伴う間葉性幹細胞を含む幹細胞、および/または他の細胞;損傷組織のリハビリテーションおよび/またはBMP7およびBMP2等の新しい健康な組織の成長を促進する細胞成長因子;I型およびII型コラーゲン;コラーゲン加水分解物;エラスチン;硫酸化グリコサミノグリカン(sGAG)、グルコサミンサルフェイト;pH変更子;メチルサルフォニルメタン(MSM);骨形成化合物;骨誘導化合物;プラスミノゲン;ヌクレオチド;オリゴヌクレオチド;ポリヌクレオチド;ポリマー;骨形成プロテイン1(リコンビナントOP−1を含むOP−1);LMP−1(Lim Mineralization Protein−1);自己由来軟骨を含む軟骨;酸素含有化合物;酵素、例えば、そのような化合物から酸素を解離を媒介するペルオキシダーゼ等;合成血液製剤;メラトニン;ビタミン;および、例えば、ブドウ糖または他の糖類等栄養素がある。しかし、これらの添加剤の任意のものを分けて、または組み合わせてフィブリン封止剤に添加してもよいことが分かる。1つまたは複数のこれらの添加剤はフィブリノゲンおよび活性化化合物と共に注入可能であり、または、代わりに、フィブリン封止剤を注入する前または注入した後のいずれかかに、1つまたは複数のこれらの成分を分けて注入することも可能である。
【0058】
完全に水溶性でない添加剤を含有する溶液に対しては、例えばポリソルベート等アンチケーキング剤を添加し、この成分の懸濁を促進させてもよい。本発明においては、グリコールはアンチケーキング剤として使用するには適当ではない。
【0059】
本発明の実施において、フィブリン封止剤は椎間板内に注入され、線維輪中の亀裂を少なくとも部分的に修復および/または封止する。特に、フィブリノゲンおよびトロンビンがフィブリンを形成するこれらの成分と共に椎間板内に注入される。当然のことながら、双シリンジのY字接続器の中または針の中等でフィブリノゲンとトロンビンが接触すると、フィブリン形成が即座に開始する。本明細書で使用される、フィブリン封止剤を「注入する」の用語は、椎間板に接触または椎間板内に実際に導入する前に、混合によって成分の一部が反応してフィブリンを形成する状況を含み、椎間板内でフィブリンを形成する成分のどのような注入をも包含する。
【0060】
また、当然のことながら、注入点(例えば、脊髄針の先端)は線維輪内でも、線維輪の外側の表面上、または髄核内でもよい。注入が髄核内に行われる場合には、注入された成分が髄核と線維輪との間の界面にパッチを形成する、または、さらに一般には、これらの成分が線維輪の欠陥(例えば亀裂)内に流入し、椎間板間の空間内にオーバーフローする可能性がある。実施の際には、これらの成分を椎間板内に注入することによって椎間板に過剰に圧力をかけることは避けるべきである。
【0061】
当業者には自明であるが、フィブリノゲンおよび活性化化合物は椎間板の所与の欠陥を封止するために有効な量が注入される。トロンビン等の活性化化合物の量は、フィブリン形成が完了する時間を短縮または延長するために変化させてよい。一般に、フィブリノゲンの単位量当たりのトロンビンが高水準の場合、フィブリンが速く形成する。遅いフィブリン形成を所望する場合には、単位フィブリノゲン当たり、より少ないトロンビンを使用する。一方または両方の成分溶液中にカルシウムイオン(塩化カルシウムから等)を使用すると、そのように形成されるフィブリンの強度に影響を与え、カルシウムイオンの量を増加させるとフィブリン凝固塊の強度が増加する。一般に、水溶液であるフィブリノゲンを含む混成物については、約3mlから約5mlのこのような混成物で有効なフィブリン封止が十分に実施できると考えられる。しかし、混成物の使用によって、投薬量は約0.05mLから約40mLの範囲であり得る。
【0062】
フィブリン封止剤は自然の凝固機構の最終段階を擬態するものである。典型的には、そのような封止剤は、フィブリノゲン成分をトロンビン等の活性化酵素と混合する必要がある。トロンビンは血液の血漿中に存在する酵素で、フィブリノゲンをフィブリンに変換することによって血液を凝固させる。通常の実施では、いくつかの市販されているフィブリン封止剤の成分は、使用に先立ち、凍結乾燥状態から個別に溶解される。しかし、凍結状態または新鮮な状態から調整された試料の使用もまた許容される。封止剤の宿主組織に対する生体適合性を増加させるために、宿主の体液からさまざまな成分が内生的に供給され得る。溶解された成分を混ぜ合わせると粘性のある溶液となり、これは急速に弾性のある凝塊となる。従来のフィブリン封止剤を調整する方法はJournal of Thoracic and Cardiovascular Surgery,vol.97,no.2,pp194−203,Feb.1989にJ.Rousouらが記載している。元の血漿から生成した寒冷沈降物は、洗浄、バッファ溶液に溶解、ろ過、および凍結乾燥される。凍結乾燥フィブリノゲンは、例えば、3000KIU/mlのアプロチニン(形成されたフィブリンの早期変質を防止する多価のプロテアーゼ阻害剤)を含有するフィブ
リン溶解阻害溶液で溶解される。この溶液は撹拌および約37℃の温度まで加熱される。各溶液(トロンビンおよびフィブリノゲン溶液)は双筒シリンジ内に吸引され、Y字接続器に装着され、これに針が取り付けられて混ぜ合わされた溶液を送達する。(例えば、ImmunoAG(オーストリア、ウィーン)のDuploject(登録商標)参照)このように、これらの成分の混合は、送達過程の間でのみ発生し、これは、所望する適用部位でのみ凝固の形成を促進させる。これらの成分は十分に、迅速に注入し、針の中でフィブリン形成によって流路が詰まることを避ける必要がある。
【0063】
カルシウムイオンをフィブリン封止剤に含ませて注入し、そのように形成されたフィブリンの混成物を変更し、およびその結果の凝固塊の強度を変更してもよい。
【0064】
1つの実施形態では、約75〜105mg/mLの凍結乾燥フィブリノゲンが従来の方法によって溶解され、本発明の方法と混成物によって、約45〜55mg/mLのトロンビン成分を別途凍結乾燥状態から溶解される。凍結乾燥フィブリノゲンおよび凍結乾燥トロンビンは、キットの形態でBaxter等の製造業者からTISEEL(登録商標)等の名称で販売されている。これら2つのフィブリン封止剤成分は、例えば、それぞれが約2mLの試料に調整され、総量約4mlの封止剤になる(溶解フィブリノゲン+溶解トロンビン)。
【0065】
本発明のフィブリン封止剤において使用する凍結乾燥トロンビンの調整には、いくつかの方法と混成物が使用可能であるが、1つの方法は約45〜55mg/mLの凍結乾燥トロンビンを用い、これを溶解液と混合する。溶解液は、約0.1〜100ミリグラムの本明細書に記載された他の添加剤(例えば局部麻酔薬)および/またはカルシウムイオンを随意にさらに含んでよい。カルシウムイオン溶液(例えば塩化カルシウム)の濃度は、例えば、1〜100ミリモル/mLであり、1つの実施形態では4〜40ミリモル/mLでよい。使用する場合には、カルシウム+イオン濃度は、強固なフィブリン封止剤凝固塊を形成する重合反応を促進させるに十分な量でなければならない。防腐剤が入っていない溶解液が望ましいであろうが、必要ではない。
【0066】
フィブリン封止剤の注入と共に造影剤が使用される場合もある。造影剤がフィブリン封止剤の注入に先立ち注入される場合もある。または、造影剤は、椎間板内に注入されるフィブリノゲン成分、またはトロンビン成分中に含ませる。造影剤とその使用は当業者にはよく知られている。
【0067】
体内で所望のフィブリン封止剤凝固塊を形成するために、フィブリノゲンおよびトロンビンの他の量と濃度を使用してもよい。例えば、前述のように、フィブリノゲンおよび/またはトロンビンの量/濃度を変化させて、混ぜ合わされたフィブリノゲンとトロンビン成分の粘度と「設定」時間を変化させてもよい。同様に、フィブリノゲンを変化させて混ぜ合わされた成分の密度を変化させてもよく、これは、体内に挿入したカテーテル等の長い導管を通した流れを制御するために重要であり得る。トロンビンを変化させて成分の重合時間を変化させてもよく、これは凝固塊を形成する時間を制御し、体内で早すぎる凝固を起こさず適切な部位での成分の凝固を確実にするために重要であり得る。
【0068】
凍結乾燥形態で入手した場合には、トロンビンとフィブリノゲンは使用するために溶解する必要がある。凍結乾燥トロンビンと混合する前に、1つまたは複数の添加剤を随意に含有するトロンビンの溶解液(例えば、滅菌水ベースのCaCl溶液)を1つの瓶に調整してよい。次に、フィブリン封止剤のこの成分は、溶解した状態で、または、凍結乾燥トロンビンと予め混合された溶解液を収容する未混合の2つの瓶の状態で使用者に供給してもよい。2つの瓶の内容物の混合は、フィブリン封止剤(またはその成分)が患者に注入される時を含み、この時までのどの時点で行ってもよい。フィブリノゲン溶液の溶解は従
来の方法によって実施してよい。例えば、フィブリノゲン成分は滅菌水溶液で溶解可能で、溶解水には、随意に、例えばアプロチニン、局部麻酔薬等の添加剤を含有してよい。所望すれば、トロンビンまたはフィブリノゲンまたは両方は、1つまたは複数の添加剤を含有する滅菌水溶液を使用して溶解してよい。全ての溶液は約37℃の温度にする。好ましくは、トロンビンは、本明細書に記載した双シリンジ注入手法を使用して、フィブリノゲン溶液と混ぜ合わせ、単一の封止剤混成物を形成して患者に注入する。本発明は、封止剤を背骨の正確な位置に搬送し、線維輪の亀裂を封止し、弾性の凝塊を介してフィブリンをその位置に保持する、封止剤を送達するための手段を提供する。さらに、形成されたフィブリン凝固塊の生物分解性の性質によって、使用の有効期間の後に侵襲的な外科手術による除去の必要性が最小化または排除される。したがって、封止剤および適用方法の利点は、線維輪中の欠陥(例えば亀裂)の局所的で長期の封止を達成する低侵襲手段を、および、添加剤が封止剤に入っている場合には、経時的な添加剤の送達を、提供可能なことである。
【0069】
一般に、本発明のフィブリン封止剤は、椎間板、硬膜外の空間、脊椎関節突起(2関節)関節、横環軸関節、脊柱管、および/または包膜の嚢の中に注入される。フィブリン封止剤の椎間板内への注入に関しては、椎間板内注入は、髄核から椎間板の外側の部分に物質が漏れないように椎間板を封止するフィブリンマトリックスを生成させることに役立つ。または、この処置は神経支配の顆粒状組織を髄核の影響から遮断し得る。線維輪内の環状欠陥または裂傷の部位に時々見られるこの神経支配の顆粒状組織は、一般的な生理的な回復の反応と考えられる。例えば、米国特許第6,468,527号公報に記載されているように、フィブリン封止剤は蛍光透視腰椎硬膜外トランスフォーラミナル法(transforaminal lumber epidural)または椎間板内注入によって送達される。このような背骨の損傷の処置には、髄核内にフィブリン封止剤を注入し、どのような亀裂または線維輪の空隙を充填し、骨端板を椎間板に封止し、椎間板の圧力を増加させ、および椎間板の空間の高さを増加させる。一般に、フィブリン封止剤は線維輪内の欠陥の近くの位置に注入される。典型的には、フィブリン封止剤は線維輪内の亀裂内に流入し、ここでフィブリン封止剤の一部は椎間板内空間から流出する場合がある。注入は、椎間板に隣接する部分を、直接に神経根を、および漏れた髄核の物質の影響からこれらの部分を保護するために役立つ周辺の部分を、被覆するのに役立つ。亀裂および骨端板を封止することは、有害な化学物質が椎間板の環境中に漏れることを止め、免疫系による損傷した椎間板に向かって異物反応が開始されることを防止する。椎間板の空間を増加させることは、神経根にかかる圧力を和らげる。すなわち、注入の結果、椎間板の高さの増加が起こり、薄片間の間隔を増加させ、その結果、薄片上の神経根の圧力を和らげる。この応用では、フィブリン封止剤に成長因子の追加で、損傷した組織のリハビリテーションを、またはフィブリン封止剤が健康な組織で徐々に置換されることを、促進し得る。
【0070】
椎間板の処置に関しては、導入針が先端を線維輪内の欠陥に近接して位置決めされて椎間板内空間の中に挿入される。次に、針またはカテーテル等の細いゲージの流体送達チューブが、導入針の中に挿入される。フィブリン封止剤が、この流体送達チューブを通して注入される。より細いゲージの針、または、例えば合成ポリマーで製作されたカテーテルのいずれかと共に、針またはカテーテルが導入針の中を通して髄核の中に送られる。または、針またはカテーテルは導入針の先端まで送られることがあるが、導入針の先端を超える程の遠くには送られない。1つの実施形態では、流体送達チューブは先端が導入針の先端から1mmを超えて延在することはなく、かつ導入針の先端から10mmより少ないこともなく、このため、流体送達チューブおよび導入針を通して注入されたフィブリン封止剤は、導入針の中で少なくとも部分的に混合する。他の実施形態では、流体送達チューブは遠位の先端に向かって複数の穴を含み、流体が遠位の先端より前で流体送達チューブから出ることを可能にする。他の実施形態では、流体送達チューブは、使用の間に、流体送達チューブが導入針の範囲内でヒトの椎間板の椎間板内空間の中に延在するような長さで、かつ流体送達チューブは流体送達チューブを通して注入された流体が、導入針を通して注入された流体と導入針の内孔の中で最初に接触するような長さである。他の実施形態では、流体送達チューブの先端は導入針の先端から1mmを超えて延在しない。1つの実施形態では、流体送達チューブは先端が導入針の先端から1mmを超えて延在することはなく、このため、脊髄針および導入針を通して注入されたフィブリン封止剤は、導入針の中で少なくとも部分的に混合する。他の実施形態では、流体送達チューブは先端が導入針の先端から1mmを超えて延在することはなく、かつ導入針の先端から5mmより少ないこともなく、このため、流体送達チューブおよび導入針を通して注入されたフィブリン封止剤は、導入針の中で少なくとも部分的に混合する。特に、ポリマーカテーテルは髄核中で曲がる場合があり、このため、誤って位置決めされることがあるために、本発明では注入点を正確に位置決めする利点を有する。同様に、初期事項として所望の注入点に導入針を位置決めすることにより、フィブリン封止剤を短時間で注入し処置を迅速化することが可能であり、これは患者の利益である。
【0071】
カテーテルの先端と導入針の先端との間に間隔があることによって、これらの成分が導入針から出る前に、フィブリノゲンとトロンビンの混合を促進する。ゲージ16〜22までの標準的な導入針が、また、他の実施形態ではゲージ18〜22までの導入針が使用可能である。または、導入針はこれらの成分の混合を増加させるように適合可能である。例えば、導入針の内面に傷をつける、または、それ以外には模様をつけて、これらの成分の混合を補助してもよい。また、導入針の先端を導入針の残りの部分と比べ細くしてもよい。これは導入針の先端の「直径短縮(necking down)」と称してもよい。直径短縮導入針は種々の方法で製作可能であり、針の製造の際に先端を引っ張る、またはスエージング工法の使用等で導入針の先端により薄いゲージ針を取り付けることによる方法を含む。または、これらの成分の静的な混合を増加させる他のいくつかの手段を使用してもよい。
【0072】
以下の実施例を参照することによって、改良型のフィブリン封止剤混成物の使用がより理解されるだろう。これらの実施例は代表的なものであり、本発明の範囲または本発明の請求項を制限するものと解釈されるべきではない。
【0073】
例1
蛍光透視ガイド椎間板内注入
滅菌処理の後に、斜投象法で導入針が上関節突起に送られる。湾曲した脊髄針が導入針を通して椎間板内に送られる。前後両方、および左右の蛍光透視投影を使用して針の適切な位置決めを確認する。針の位置決め調節が必要な場合、位置決めは再び蛍光透視法で確認される。針の位置決めを確認するために造影剤が注入される。化学的な神経根炎の患者では、造影剤が線維輪の亀裂および/または椎間板内の病状を通して漏れることを観察することができ、したがって、その識別が可能である。導入針が椎間板内空間に適切に位置決めされると、圧力モニタを有する本発明のシリンジシステムを使用してフィブリン封止剤(または、その成分)が注入される。椎間板に過大な圧力が加わらないことを確実にするために圧力をモニタする。フィブリン封止剤が環状亀裂を封止すると、フィブリン封止剤が造影剤を椎間板内空間から押し出すのが観察される。または、造影剤は封止剤と共に注入される。または、造影剤は使われない。この処置は線維輪の欠陥/亀裂を封止し、化学的な漏れを止め、椎間板内の再生を促進する。
【0074】
本発明は、上の実施例で説明したものと同様な方法で、フィブリン封止剤の使用を介し、さまざまな状態に対応するために使用可能なことが分かる。本発明の説明では、請求範囲記載の発明について限定された用途を詳述する、特定の手段、材料および実施形態を引用した。本発明は、これらの特定のものに限定されるものではなく、全ての同等なものに対して適用される。特定の手段、材料、および実施形態を参照して、上に本発明を説明したが、本発明はこれらの開示した特定のものに限定されるものではなく、むしろ、添付の請求範囲内で全ての同等なものに拡張されると理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1A−1C】本発明の代表的な送達装置を示す図である。
【図2】一体化された同軸の流れ接続器(「ハブ」)を含む、本発明の他の代表的な装置を示す図である。
【図3A−3C】複数内腔のカテーテルの代表的な断面図である。
【図4】本発明の装置の1つの実施形態の半展開図である。
【図5】本発明の装置の1つの実施形態の部品の半展開図である。
【図6】カートリッジ30の導出口338、338’を含み、本発明の装置を示す図である。
【図7】本発明の装置の斜視図である。
【図8】本発明の装置の1つの実施形態で使用される車輪組立体を示す図である。
【図9−11】本発明の針組立体の1つの実施形態を示す図である。
【図12】本装置に操作可能に取り付けられた送達マニフォールドを備える本発明の装置を示す図である。
【図13】本装置に操作可能に取り付けられた充填マニフォールドを備える本発明の装置を示す図である。
【図14】本発明の装置の断面図である。
【図15】本発明の装置の他の実施形態を示す図である。
【図16−16A】本発明の装置の他の実施形態を示す図である。
【図17−17A】本発明の装置の他の実施形態を示す図である。
【図18】本発明の装置の他の実施形態を示す図である。
【図19A−19C】本発明の装置の追加の実施形態を示す図である。
【図20】使用中の本発明の装置の追加の実施形態を示す図である。
【図21A−21B】追加の実施形態であり、圧力表示構成位置を示す図である。
【図22A−22B】本発明の流体送達貯蔵部の代わりの実施形態を例示する図である。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送達される流体のための少なくとも2つの貯蔵部と、前記流体を前記貯蔵部の導出口を通って前記貯蔵部から流出させる作動組立体と、送達装置に連結され送達装置内の圧力を測定する圧力モニタとを有する、生体適合性のある封止剤を送達するための装置。
【請求項2】
多筒シリンジと、
導入針と、
前記多筒シリンジの第1の筒から流体を受けるように適合されると共に前記導入針の中に延在するように適合された流体送達チューブと、
前記多筒シリンジの1つの筒に連結された接続器とを有し、
前記接続器が前記導入針に連結されると共に前記流体送達チューブを受けるように適合されるので、前記流体送達チューブが前記導入針の中に延在するようになる請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記圧力モニタがハウジング内に収容される請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記圧力モニタが、取っ手の上方で前記装置の後方に向かって配置される表示器を有する請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記圧力モニタが、ハウジングに対して同じ高さの表示器を有する請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記圧力モニタが電子式圧力モニタである請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記圧力モニタが、少なくとも1つの貯蔵部に操作可能に取り付けられる圧力トランスジューサを有する請求項1記載の装置。
【請求項8】
流体圧力が付与された水準に達すると、前記圧力モニタが外科医に警告する請求項1記載の装置。
【請求項9】
流体圧力が付与された水準に達すると、前記圧力モニタが音を発散させて外科医に警告する請求項1記載の装置。
【請求項10】
流体圧力が付与された水準に達すると、前記圧力モニタが信号を発して外科医に警告する請求項1記載の装置。
【請求項11】
流体圧力が付与された水準に達すると、前記圧力モニタが前記装置を振動させて外科医に警告する請求項1記載の装置。
【請求項12】
流体圧力が付与された水準に達すると、前記圧力モニタの表示が色を変えて外科医に警告する請求項1記載の装置。
【請求項13】
前記圧力モニタが、外科医によって付与された最大圧力に設定されるように適合された請求項1記載の装置。
【請求項14】
流体圧力が付与された水準に達すると、前記圧力モニタは前記流体の圧力がさらに増加することを停止させる請求項1記載の装置。
【請求項15】
前記圧力モニタがコンピュータにデータを供給する請求項1記載の装置。
【請求項16】
前記流体送達チューブが針である請求項1記載の装置。
【請求項17】
前記流体送達チューブがカテーテルである請求項1記載の装置。
【請求項18】
前記流体送達チューブが接続器と一体化されている請求項2記載の装置。
【請求項19】
前記流体送達チューブが多筒シリンジの第1のシリンジに連結すると共に、前記接続器に連結した栓を通して前記接続器の中に前記流体送達チューブが延在する請求項2記載の装置。
【請求項20】
前記接続器は、第2の接続器から前記導入針までの流体の流路を有し、前記流路は、前記第2のシリンジからの前記流体が前記流体送達チューブを通して送達された流体の容量とほぼ等しい容量になるような直径である請求項2記載の装置。
【請求項21】
前記導入針は、前記接続器の前記シリンジに接続されている端部と反対側の端部において、ルアーフィッティングによって前記接続器に連結される請求項2記載の装置。
【請求項22】
少なくとも2つの貯蔵部が多筒シリンジを構成する請求項2記載の装置。
【請求項23】
前記第2のシリンジがルアーフィッティングによって前記接続器と連結する請求項2記載の装置。
【請求項24】
前記接続器は、流体を前記流体送達チューブから前記導入針の中に搬送するように適合される請求項2記載の装置。
【請求項25】
前記流体送達チューブが、前記導入針の端部から突出しない請求項2記載の装置。
【請求項26】
前記導入針が前記接続器から遠位の先端を有し、前記流体送達チューブの先端が前記導入針の先端から1mmを超えて延在しない請求項2記載の装置。
【請求項27】
前記導入針は前記接続器から遠位の先端を有し、前記流体送達チューブの先端が前記導入針の先端から1mmを超えて延在せず、前記流体送達チューブおよび前記導入針を通って注入されたフィブリン封止剤が前記導入針の中で少なくとも部分的に混合する請求項2記載の装置。
【請求項28】
前記流体送達チューブは前記少なくとも2つの貯蔵部の内の1つに直接連結し、かつ前記流体送達チューブは前記接続器に固定され、これによって前記流体送達チューブが前記導入針内で動くことがない請求項2記載の装置。
【請求項29】
導入針が16から22の範囲のゲージである請求項2記載の装置。
【請求項30】
装置が手で持てる大きさである請求項1記載の装置。
【請求項31】
前記流体送達チューブは前記遠位の先端に向かって複数の穴を有し、流体が前記遠位の先端より前で前記流体送達チューブから出ることを可能にする請求項1記載の装置。
【請求項32】
前記流体送達チューブの前記遠位の端部が封止されると共に、前記遠位の先端に向かう側壁に少なくとも1つの穴を有し、流体が前記遠位の先端より前で前記流体送達チューブから出ることを可能にする請求項1記載の装置。
【請求項33】
前記流体送達チューブは、使用の間に、前記流体送達チューブが前記導入針の範囲内でヒトの椎間板の椎間板内空間の中に延在するような長さであり、かつ前記流体送達チューブは、前記流体送達チューブを通って注入された流体が、前記導入針を通って注入された流体と前記導入針の内孔の中で最初に接触するような長さである請求項1記載の装置。
【請求項34】
送達される流体のための少なくとも2つの円筒状の内孔を有し円筒のそれぞれが流体の導出口を有するカートリッジと、
前記円筒から前記流体を押し出すためにそれぞれの円筒内に配置されたプランジャと、
前記カートリッジを受けるように適合され前記カートリッジの前記導出口に操作可能に接続するマニフォールドを受けて固定するアダプタを有するハウジングと、
それぞれが少なくとも部分的に円筒内孔の中に配置される少なくとも2つの歯の付いた押し棒と、
前記ハウジングに接続されており歯の付いた駆動ラックを有する引き金と、
前記歯の付いた駆動ラックおよび前記歯の付いた押し棒と協調する歯の付いた車輪組立体と、
圧力モニタとを備える請求項1記載の装置。
【請求項35】
前記ハウジングと前記カートリッジとが互いに一体である請求項34記載の装置。
【請求項36】
前記カートリッジが前記ハウジングから分離した部品であって前記ハウジングの中に挿入される請求項34記載の装置。
【請求項37】
前記プランジャが前記押し棒に取り付けられている請求項34記載の装置。
【請求項38】
前記車輪組立体は、それぞれが前記内側の車輪よりも直径が小さい2つの外側の歯の付いた車輪の間に挟まれた内側の歯の付いた車輪を有する請求項34記載の装置。
【請求項39】
前記駆動ラックは、手動の圧力が前記引き金にかかると前記車輪組立体と係合し、圧力が前記引き金から開放されると前記車輪組立体との係合が外れて離れる請求項34記載の装置。
【請求項40】
流体を前記円筒中に導入するための充填マニフォールドをさらに有し、前記充填マニフォールドは前記送達装置の前記ハウジングアダプタに連結する充填マニフォールドアダプタを有し、前記充填マニフォールドアダプタは、前記ハウジングアダプタの前記少なくとも2つの導出口にそれぞれが連結する少なくとも2つの導出口と、少なくとも2つのシリンジと、少なくとも2つの導管とを有し、前記導管の1つの端部は前記シリンジに接続し前記導管の第2の端部は前記充填マニフォールドアダプタの導出口に接続する請求項34記載の装置。
【請求項41】
前記流体を送達するための送達マニフォールドをさらに有し、前記送達マニフォールドは、前記ハウジングアダプタの前記少なくとも2つの導出口にそれぞれが連結する少なくとも2つの導出口と、2つの端部を有する少なくとも2つの導管とを含む送達アダプタを有し、前記導管それぞれの第1の端部が前記送達マニフォールドの導出口に接続し、前記導管それぞれの第2の端部が二口のルアーフィッティングに接続し、前記ルアーフィッティングは1つの導管から内側の針に流体を送達するように構成され、かつ前記ルアーフィッティングは前記内側の針の外部と第2のより大きな直径の針とによって画定される空間に前記第2の導管から流体を送達するように構成され、前記より大きな直径の針は、前記より大きな直径の針の内部に前記内側の針を備える前記ルアーフィッティングに接続される請求項34記載の装置。
【請求項42】
前記少なくとも2つの貯蔵部を収容するハウジングをさらに有する請求項1記載の装置。
【請求項43】
前記作動組み立て体を駆動する引き金をさらに有する請求項1記載の装置。
【請求項44】
線維輪の少なくとも1つの欠陥を封止するようにフィブリン封止剤を椎間板内に注入するステップと、注入されている前記フィブリン封止剤の圧力をモニタするステップとを有し、前記フィブリン封止剤がフィブリノゲンと活性化化合物とを含み、注入後に前記フィブリノゲンと活性化化合物がフィブリンの少なくとも一部を形成する、椎間板を処置する方法。
【請求項45】
前記活性化化合物がトロンビンである請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記フィブリノゲンと前記活性化化合物と共にカルシウムイオンが注入される請求項44記載の方法。
【請求項47】
前記フィブリノゲンと前記活性化化合物とともに添加剤が注入され、前記添加剤は、抗生物質;増殖抑制薬、細胞障害性および化学療法薬を含む抗腫瘍性の薬物;鎮痛剤;血管新生阻害剤;抗体;抗ウイルス剤;サイトカイン;コロニー刺激因子;タンパク質;化学誘引物質;EDTA;ヒスタミン;抗ヒスタミン剤;エリトロポイエチン;抗真菌薬;抗寄生虫剤;非コルチコステロイド性抗炎症剤;抗凝固剤;麻酔薬;鎮痛剤;抗癌剤;心血管薬;ビタミンおよびその他の栄養補助食品;ホルモン;糖タンパク質;フィブロネクチン;ポリペプチドおよびタンパク質を含むペプチド;インターフェロン;軟骨誘導因子;プロテアーゼ阻害剤;血管収縮剤、血管拡張剤、脱灰骨または骨形態形成タンパク質;ホルモン;脂質;炭水化物;プロテオグリカン;抗アンギオジェニン;抗原;DBM;ヒアルロン酸およびその塩および誘導体;多糖類;セルロース化合物およびその誘導体;抗体;遺伝子療法試薬;遺伝子組み換え細胞、形質転換成長因子を伴う間葉性幹細胞を含む幹細胞、および/または他の細胞;細胞成長因子;I型およびII型コラーゲン;コラーゲン加水分解物;エラスチン;硫酸化グリコサミノグリカン(sGAG)、グルコサミンサルフェイト;pH変更子;メチルサルフォニルメタン(MSM);骨形成化合物;骨誘導化合物;プラスミノゲン;ヌクレオチド;オリゴヌクレオチド;ポリヌクレオチド;ポリマー;骨形成プロテイン1(リコンビナントOP−1を含むOP−1);LMP−1(Lim Mineralization Protein−1);軟骨;酸素含有化合物;酵素;メラトニン;ビタミン;栄養素;およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項44記載の方法。
【請求項48】
前記圧力は請求項1から43いずれか1つに記載の装置を使用してモニタされる請求項44記載の方法。
【請求項49】
前記フィブリノゲンが自己由来である請求項44記載の方法。
【請求項50】
前記フィブリン封止剤が前記椎間板の複数の場所で前記椎間板に注入される請求項44記載の方法。
【請求項51】
前記注入が、先端を有する導入針を、少なくとも1つの欠陥に隣接した位置にて椎間板空所内に挿入し、第2の針またはポリマーカテーテルを前記導入針を通して前記導入針の先端を超えず先端まで挿入し、前記フィブリン封止剤を前記第2の針またはポリマーカテーテルを通して注入することによって行われる請求項44記載の方法。
【請求項52】
前記椎間板が腰部の椎間板である請求項44記載の方法。
【請求項53】
前記椎間板が胸部の椎間板である請求項44記載の方法。
【請求項54】
前記椎間板が頚部の椎間板である請求項44記載の方法。
【請求項55】
前記フィブリン封止剤の前に、前記フィブリン封止剤と共に、または前記フィブリン封止剤が注入された後のいずれかで造影剤が注入される請求項44記載の方法。
【請求項56】
前記フィブリン封止剤と共に局部麻酔薬が注入される請求項44記載の方法。
【請求項57】
送達される流体のための少なくとも2つの貯蔵部と、前記流体を前記貯蔵部の導出口を通って前記貯蔵部から流出させる作動組立体と、前記送達装置に連結され前記装置内の圧力を測定する圧力モニタとを組み立てるステップを有する、フィブリン封止剤を送達するための装置を製造するための方法。
【請求項58】
装置が請求項1から43記載の装置のいずれか1つを有する請求項57記載の方法。
【請求項59】
フィブリノゲンと、活性化化合物と、フィブリン封止剤をヒト椎間板内に注入するためのフィブリン封止剤送達装置とを有し、前記装置が圧力モニタを備えるキット。
【請求項60】
フィブリン封止剤送達装置が、請求項1から43記載の装置のいづれか1つを有する請求項59記載のキット。
【請求項61】
フィブリノゲン成分と、活性化化合物と、フィブリン封止剤をヒト椎間板内に注入するためのフィブリン封止剤送達装置とを提供するステップを有し、前記装置は圧力モニタが設けられている、キットを形成するための方法。
【請求項62】
前記装置が請求項1から43記載の装置のいづれか1つである請求項61記載の方法。
【請求項63】
線維性関節包の少なくとも1つの欠陥を封止するようにフィブリン封止剤を関節内に注入すると共に、注入されている前記フィブリン封止剤の圧力をモニタするステップを有し、前記フィブリン封止剤がフィブリノゲンと活性化化合物とを含み、注入後に前記フィブリノゲンと活性化化合物がフィブリンの少なくとも一部を形成する脊髄関節を処置する方法。
【請求項64】
前記関節が横環軸関節である請求項63記載の方法。
【請求項65】
前記関節が脊椎関節突起関節である請求項63記載の方法。
【請求項1】
送達される流体のための少なくとも2つの貯蔵部と、前記流体を前記貯蔵部の導出口を通って前記貯蔵部から流出させる作動組立体と、送達装置に連結され送達装置内の圧力を測定する圧力モニタとを有する、生体適合性のある封止剤を送達するための装置。
【請求項2】
多筒シリンジと、
導入針と、
前記多筒シリンジの第1の筒から流体を受けるように適合されると共に前記導入針の中に延在するように適合された流体送達チューブと、
前記多筒シリンジの1つの筒に連結された接続器とを有し、
前記接続器が前記導入針に連結されると共に前記流体送達チューブを受けるように適合されるので、前記流体送達チューブが前記導入針の中に延在するようになる請求項1記載の装置。
【請求項3】
前記圧力モニタがハウジング内に収容される請求項1記載の装置。
【請求項4】
前記圧力モニタが、取っ手の上方で前記装置の後方に向かって配置される表示器を有する請求項1記載の装置。
【請求項5】
前記圧力モニタが、ハウジングに対して同じ高さの表示器を有する請求項1記載の装置。
【請求項6】
前記圧力モニタが電子式圧力モニタである請求項1記載の装置。
【請求項7】
前記圧力モニタが、少なくとも1つの貯蔵部に操作可能に取り付けられる圧力トランスジューサを有する請求項1記載の装置。
【請求項8】
流体圧力が付与された水準に達すると、前記圧力モニタが外科医に警告する請求項1記載の装置。
【請求項9】
流体圧力が付与された水準に達すると、前記圧力モニタが音を発散させて外科医に警告する請求項1記載の装置。
【請求項10】
流体圧力が付与された水準に達すると、前記圧力モニタが信号を発して外科医に警告する請求項1記載の装置。
【請求項11】
流体圧力が付与された水準に達すると、前記圧力モニタが前記装置を振動させて外科医に警告する請求項1記載の装置。
【請求項12】
流体圧力が付与された水準に達すると、前記圧力モニタの表示が色を変えて外科医に警告する請求項1記載の装置。
【請求項13】
前記圧力モニタが、外科医によって付与された最大圧力に設定されるように適合された請求項1記載の装置。
【請求項14】
流体圧力が付与された水準に達すると、前記圧力モニタは前記流体の圧力がさらに増加することを停止させる請求項1記載の装置。
【請求項15】
前記圧力モニタがコンピュータにデータを供給する請求項1記載の装置。
【請求項16】
前記流体送達チューブが針である請求項1記載の装置。
【請求項17】
前記流体送達チューブがカテーテルである請求項1記載の装置。
【請求項18】
前記流体送達チューブが接続器と一体化されている請求項2記載の装置。
【請求項19】
前記流体送達チューブが多筒シリンジの第1のシリンジに連結すると共に、前記接続器に連結した栓を通して前記接続器の中に前記流体送達チューブが延在する請求項2記載の装置。
【請求項20】
前記接続器は、第2の接続器から前記導入針までの流体の流路を有し、前記流路は、前記第2のシリンジからの前記流体が前記流体送達チューブを通して送達された流体の容量とほぼ等しい容量になるような直径である請求項2記載の装置。
【請求項21】
前記導入針は、前記接続器の前記シリンジに接続されている端部と反対側の端部において、ルアーフィッティングによって前記接続器に連結される請求項2記載の装置。
【請求項22】
少なくとも2つの貯蔵部が多筒シリンジを構成する請求項2記載の装置。
【請求項23】
前記第2のシリンジがルアーフィッティングによって前記接続器と連結する請求項2記載の装置。
【請求項24】
前記接続器は、流体を前記流体送達チューブから前記導入針の中に搬送するように適合される請求項2記載の装置。
【請求項25】
前記流体送達チューブが、前記導入針の端部から突出しない請求項2記載の装置。
【請求項26】
前記導入針が前記接続器から遠位の先端を有し、前記流体送達チューブの先端が前記導入針の先端から1mmを超えて延在しない請求項2記載の装置。
【請求項27】
前記導入針は前記接続器から遠位の先端を有し、前記流体送達チューブの先端が前記導入針の先端から1mmを超えて延在せず、前記流体送達チューブおよび前記導入針を通って注入されたフィブリン封止剤が前記導入針の中で少なくとも部分的に混合する請求項2記載の装置。
【請求項28】
前記流体送達チューブは前記少なくとも2つの貯蔵部の内の1つに直接連結し、かつ前記流体送達チューブは前記接続器に固定され、これによって前記流体送達チューブが前記導入針内で動くことがない請求項2記載の装置。
【請求項29】
導入針が16から22の範囲のゲージである請求項2記載の装置。
【請求項30】
装置が手で持てる大きさである請求項1記載の装置。
【請求項31】
前記流体送達チューブは前記遠位の先端に向かって複数の穴を有し、流体が前記遠位の先端より前で前記流体送達チューブから出ることを可能にする請求項1記載の装置。
【請求項32】
前記流体送達チューブの前記遠位の端部が封止されると共に、前記遠位の先端に向かう側壁に少なくとも1つの穴を有し、流体が前記遠位の先端より前で前記流体送達チューブから出ることを可能にする請求項1記載の装置。
【請求項33】
前記流体送達チューブは、使用の間に、前記流体送達チューブが前記導入針の範囲内でヒトの椎間板の椎間板内空間の中に延在するような長さであり、かつ前記流体送達チューブは、前記流体送達チューブを通って注入された流体が、前記導入針を通って注入された流体と前記導入針の内孔の中で最初に接触するような長さである請求項1記載の装置。
【請求項34】
送達される流体のための少なくとも2つの円筒状の内孔を有し円筒のそれぞれが流体の導出口を有するカートリッジと、
前記円筒から前記流体を押し出すためにそれぞれの円筒内に配置されたプランジャと、
前記カートリッジを受けるように適合され前記カートリッジの前記導出口に操作可能に接続するマニフォールドを受けて固定するアダプタを有するハウジングと、
それぞれが少なくとも部分的に円筒内孔の中に配置される少なくとも2つの歯の付いた押し棒と、
前記ハウジングに接続されており歯の付いた駆動ラックを有する引き金と、
前記歯の付いた駆動ラックおよび前記歯の付いた押し棒と協調する歯の付いた車輪組立体と、
圧力モニタとを備える請求項1記載の装置。
【請求項35】
前記ハウジングと前記カートリッジとが互いに一体である請求項34記載の装置。
【請求項36】
前記カートリッジが前記ハウジングから分離した部品であって前記ハウジングの中に挿入される請求項34記載の装置。
【請求項37】
前記プランジャが前記押し棒に取り付けられている請求項34記載の装置。
【請求項38】
前記車輪組立体は、それぞれが前記内側の車輪よりも直径が小さい2つの外側の歯の付いた車輪の間に挟まれた内側の歯の付いた車輪を有する請求項34記載の装置。
【請求項39】
前記駆動ラックは、手動の圧力が前記引き金にかかると前記車輪組立体と係合し、圧力が前記引き金から開放されると前記車輪組立体との係合が外れて離れる請求項34記載の装置。
【請求項40】
流体を前記円筒中に導入するための充填マニフォールドをさらに有し、前記充填マニフォールドは前記送達装置の前記ハウジングアダプタに連結する充填マニフォールドアダプタを有し、前記充填マニフォールドアダプタは、前記ハウジングアダプタの前記少なくとも2つの導出口にそれぞれが連結する少なくとも2つの導出口と、少なくとも2つのシリンジと、少なくとも2つの導管とを有し、前記導管の1つの端部は前記シリンジに接続し前記導管の第2の端部は前記充填マニフォールドアダプタの導出口に接続する請求項34記載の装置。
【請求項41】
前記流体を送達するための送達マニフォールドをさらに有し、前記送達マニフォールドは、前記ハウジングアダプタの前記少なくとも2つの導出口にそれぞれが連結する少なくとも2つの導出口と、2つの端部を有する少なくとも2つの導管とを含む送達アダプタを有し、前記導管それぞれの第1の端部が前記送達マニフォールドの導出口に接続し、前記導管それぞれの第2の端部が二口のルアーフィッティングに接続し、前記ルアーフィッティングは1つの導管から内側の針に流体を送達するように構成され、かつ前記ルアーフィッティングは前記内側の針の外部と第2のより大きな直径の針とによって画定される空間に前記第2の導管から流体を送達するように構成され、前記より大きな直径の針は、前記より大きな直径の針の内部に前記内側の針を備える前記ルアーフィッティングに接続される請求項34記載の装置。
【請求項42】
前記少なくとも2つの貯蔵部を収容するハウジングをさらに有する請求項1記載の装置。
【請求項43】
前記作動組み立て体を駆動する引き金をさらに有する請求項1記載の装置。
【請求項44】
線維輪の少なくとも1つの欠陥を封止するようにフィブリン封止剤を椎間板内に注入するステップと、注入されている前記フィブリン封止剤の圧力をモニタするステップとを有し、前記フィブリン封止剤がフィブリノゲンと活性化化合物とを含み、注入後に前記フィブリノゲンと活性化化合物がフィブリンの少なくとも一部を形成する、椎間板を処置する方法。
【請求項45】
前記活性化化合物がトロンビンである請求項44記載の方法。
【請求項46】
前記フィブリノゲンと前記活性化化合物と共にカルシウムイオンが注入される請求項44記載の方法。
【請求項47】
前記フィブリノゲンと前記活性化化合物とともに添加剤が注入され、前記添加剤は、抗生物質;増殖抑制薬、細胞障害性および化学療法薬を含む抗腫瘍性の薬物;鎮痛剤;血管新生阻害剤;抗体;抗ウイルス剤;サイトカイン;コロニー刺激因子;タンパク質;化学誘引物質;EDTA;ヒスタミン;抗ヒスタミン剤;エリトロポイエチン;抗真菌薬;抗寄生虫剤;非コルチコステロイド性抗炎症剤;抗凝固剤;麻酔薬;鎮痛剤;抗癌剤;心血管薬;ビタミンおよびその他の栄養補助食品;ホルモン;糖タンパク質;フィブロネクチン;ポリペプチドおよびタンパク質を含むペプチド;インターフェロン;軟骨誘導因子;プロテアーゼ阻害剤;血管収縮剤、血管拡張剤、脱灰骨または骨形態形成タンパク質;ホルモン;脂質;炭水化物;プロテオグリカン;抗アンギオジェニン;抗原;DBM;ヒアルロン酸およびその塩および誘導体;多糖類;セルロース化合物およびその誘導体;抗体;遺伝子療法試薬;遺伝子組み換え細胞、形質転換成長因子を伴う間葉性幹細胞を含む幹細胞、および/または他の細胞;細胞成長因子;I型およびII型コラーゲン;コラーゲン加水分解物;エラスチン;硫酸化グリコサミノグリカン(sGAG)、グルコサミンサルフェイト;pH変更子;メチルサルフォニルメタン(MSM);骨形成化合物;骨誘導化合物;プラスミノゲン;ヌクレオチド;オリゴヌクレオチド;ポリヌクレオチド;ポリマー;骨形成プロテイン1(リコンビナントOP−1を含むOP−1);LMP−1(Lim Mineralization Protein−1);軟骨;酸素含有化合物;酵素;メラトニン;ビタミン;栄養素;およびそれらの組み合わせからなる群から選択される請求項44記載の方法。
【請求項48】
前記圧力は請求項1から43いずれか1つに記載の装置を使用してモニタされる請求項44記載の方法。
【請求項49】
前記フィブリノゲンが自己由来である請求項44記載の方法。
【請求項50】
前記フィブリン封止剤が前記椎間板の複数の場所で前記椎間板に注入される請求項44記載の方法。
【請求項51】
前記注入が、先端を有する導入針を、少なくとも1つの欠陥に隣接した位置にて椎間板空所内に挿入し、第2の針またはポリマーカテーテルを前記導入針を通して前記導入針の先端を超えず先端まで挿入し、前記フィブリン封止剤を前記第2の針またはポリマーカテーテルを通して注入することによって行われる請求項44記載の方法。
【請求項52】
前記椎間板が腰部の椎間板である請求項44記載の方法。
【請求項53】
前記椎間板が胸部の椎間板である請求項44記載の方法。
【請求項54】
前記椎間板が頚部の椎間板である請求項44記載の方法。
【請求項55】
前記フィブリン封止剤の前に、前記フィブリン封止剤と共に、または前記フィブリン封止剤が注入された後のいずれかで造影剤が注入される請求項44記載の方法。
【請求項56】
前記フィブリン封止剤と共に局部麻酔薬が注入される請求項44記載の方法。
【請求項57】
送達される流体のための少なくとも2つの貯蔵部と、前記流体を前記貯蔵部の導出口を通って前記貯蔵部から流出させる作動組立体と、前記送達装置に連結され前記装置内の圧力を測定する圧力モニタとを組み立てるステップを有する、フィブリン封止剤を送達するための装置を製造するための方法。
【請求項58】
装置が請求項1から43記載の装置のいずれか1つを有する請求項57記載の方法。
【請求項59】
フィブリノゲンと、活性化化合物と、フィブリン封止剤をヒト椎間板内に注入するためのフィブリン封止剤送達装置とを有し、前記装置が圧力モニタを備えるキット。
【請求項60】
フィブリン封止剤送達装置が、請求項1から43記載の装置のいづれか1つを有する請求項59記載のキット。
【請求項61】
フィブリノゲン成分と、活性化化合物と、フィブリン封止剤をヒト椎間板内に注入するためのフィブリン封止剤送達装置とを提供するステップを有し、前記装置は圧力モニタが設けられている、キットを形成するための方法。
【請求項62】
前記装置が請求項1から43記載の装置のいづれか1つである請求項61記載の方法。
【請求項63】
線維性関節包の少なくとも1つの欠陥を封止するようにフィブリン封止剤を関節内に注入すると共に、注入されている前記フィブリン封止剤の圧力をモニタするステップを有し、前記フィブリン封止剤がフィブリノゲンと活性化化合物とを含み、注入後に前記フィブリノゲンと活性化化合物がフィブリンの少なくとも一部を形成する脊髄関節を処置する方法。
【請求項64】
前記関節が横環軸関節である請求項63記載の方法。
【請求項65】
前記関節が脊椎関節突起関節である請求項63記載の方法。
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図16A】
【図17】
【図17A】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20】
【図21A】
【図21B】
【図22A】
【図22B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図16A】
【図17】
【図17A】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20】
【図21A】
【図21B】
【図22A】
【図22B】
【公表番号】特表2009−538635(P2009−538635A)
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553391(P2008−553391)
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際出願番号】PCT/US2007/002998
【国際公開番号】WO2007/089942
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(507141620)スピナル・レストレーシヨン・インコーポレーテツド (4)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【国際出願番号】PCT/US2007/002998
【国際公開番号】WO2007/089942
【国際公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【出願人】(507141620)スピナル・レストレーシヨン・インコーポレーテツド (4)
【Fターム(参考)】
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