説明

圧延材のローラーガイド

【課題】 簡単な構成によって取付け台の違うローラーガイドの交換を可能にする。
【解決手段】 ローラーガイド本体1aはサドル16上に、設置面16aに載置してあるアタッチメント用のベースプレート3を介して搭載され、ローラーガイド本体1aをガイドクランプ4によりサドル16に固定し、ベースプレート3はプレート本体3aとこのプレート本体の底面に突出してある軸受け部3bとを備え、調整ボルト23を有する横位置調整機構によりサドル16上に圧延ラインと交差する方向に移動可能である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は圧延材のローラーガイドに関する。
【背景技術】
【0002】
圧延材のローラーガイドは圧延ロールの入口又は出口に配置し、対のガイドローラーを利用して圧延材を入口に向けて誘導したり、又は出口から進行する圧延材を誘導するものである。
例えば特公昭56−43804号公報に開示されている入口側ローラガイドは、本体フレームに一対のローラホルダが左右の支点ピンによって枢支され、その先端に左右一対のガイドローラがガイドローラピンで軸支されているものである(公報第2頁第3欄第22〜43行参照)。上記本体フレームは、その脚部を取付台(レストバー)の突縁とクランプ金具との間で締付けることにより、取付台上に固定され、上記クランプ金具は取付台の板状尾部に挿入したクランプボルトとナットとで上記脚部の端面に押し付けられる(公報第2頁第4欄第6〜12行参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特公昭56−43804号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に、圧延ロールの孔形の形状やサイズの変更、圧延材の種類の変更など圧延状況に対応できるようにするために複数種類のローラーガイドを予め準備している。
ところで、前記入口側ローラガイドを含む従来のローラーガイドは、取付け台(サドル等)に直接搭載されるので、取付け台の違うローラーガイドの交換時には取付け台の交換作業を伴う。このように、取付け台に対して各種のローラーガイドが従属関係にあるので、このような従属関係をなくす工夫をすれば、取付け台が異なってもローラーガイドの交換が可能となる。
この発明の目的は、簡単な構成によって取付け台の違うローラーガイドの交換を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この発明に係る圧延材のローラーガイドは、ローラーガイド本体と、取付け台と、この取付け台の設置面上に載置してあるアタッチメント用のベースプレートと、上記ローラーガイド本体を上記取付け台に固定するためのガイドクランプとを備えている。上記ローラーガイド本体は、上記取付け台上に上記ベースプレートを介して搭載されている。
上記ベースプレートを取付け台の設置面上に圧延ラインと交差する方向に移動可能に載置させてローラーガイド本体の横位置調整をする場合にはローラーガイド本体の横位置調整機構を設ける。この横位置調整機構は、上記ベースプレートのプレート本体の底面に軸受け部を突出して、この軸受け部に受け孔を形成し、上記受け孔が上記取付け台に設けてある調整軸に連結させる。
また、上記ローラーガイド本体がガイドボックスと、このガイドボックスに支点ピンを中心として回転可能に取り付けている対のローラーホルダーとを備えていると共に、上記各支点ピンが各ローラーホルダーのピン孔に挿入されているものであれば、上記支点ピンのピン径を頭部から先端に向けて段部を設けて縮径部を形成する。このことによって、支点ピンの曲がりや錆が生じても抜き取りやすくなる。
【発明の効果】
【0006】
この発明によれば、取付け台上にローラーガイドを搭載する際に、本来の取付け台と違ってもアタッチメントを介在させるので、簡単な構成によって圧延状況に応じて複数種のローラーガイドの交換が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】この発明に係る圧延材のローラーガイドの第1の実施形態の固定状態を示す正面図である。
【図2】図1の圧延材のローラーガイドの分解状態を示す正面図である。
【図3】この発明に係る圧延材のローラーガイドの第1の実施形態の固定状態を示す側面図である。
【図4】この発明に係る圧延材のローラーガイドの第1の実施形態の固定状態を示す平面図である。
【図5】図2のV−V線断面図であって、片側の支点ピンを抜き出した状態を示す図である。
【図6】この発明に係る圧延材のローラーガイドにおけるアタッチメント用のベースプレートと取付け台との関係を示す断面図である。
【図7】この発明に係る圧延材のローラーガイドにおけるアタッチメント用のベースプレートを示す斜視図である。
【図8】この発明に係る圧延材のローラーガイドにおけるガイドクランプの拡大左側面図である。
【図9】この発明に係る圧延材のローラーガイドの第2の実施形態の固定状態を示す正面図である。
【図10】図9の圧延材のローラーガイドの本体におけるベース部の固定をガイドクランプによって解除された状態を示す正面図である。
【図11】図9に示す圧延材のローラーガイドの本体におけるアタッチメント用のベースプレートを示す拡大斜視図である。
【図12】図9の圧延材のローラーガイドの本体におけるガイドクランプによるベース部の固定状態を示す断面図である。
【図13】図9の圧延材のローラーガイドの本体におけるアタッチメント用のベースプレートとガイドクランプとの関係を示す平面図である。
【図14】図9の圧延材のローラーガイドの本体におけるガイドクランプを示す左側面図である。
【図15】この発明に係る圧延材のローラーガイドの第3の実施形態の固定状態を示す正面図である。
【図16】この発明に係る圧延材のローラーガイドの第4の実施形態の固定状態を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
この発明に係る圧延材のローラーガイドの第1の実施形態について図1〜図8を参照して説明する。
図1〜図4において、ローラーガイド1における本体1aは、取付け台2上に直接搭載することができないので、搭載を可能にするためのアタッチメント用のベースプレート3を用いる。ローラーガイド本体1aは、取付け台2上のベースプレート3に搭載された後、その底部がガイドクランプ4によって固定される。また、ローラーガイド本体1aは前後位置調整機構5によって圧延ラインに沿う方向(図1左右方向)に移動可能(前後移動可能)であり、その前後の位置が調整される。また、ベースプレート3は、横位置調整機構6によって圧延ラインと交差する方向(図1紙面に垂直方向)に移動可能(横移動可能)であり、横の位置が調整される。
【0009】
ローラーガイド本体1aについて図1〜図5を参照して説明する。
ローラーガイド本体1aは、底部にベース部7aを有するガイドボックス7を備えている。ガイドボックス7には、対のローラーホルダー8がそれぞれ支点ピン9を中心として回転可能に取り付けられている。各ローラーホルダー8の先端側には、対のガイドローラー10がローラーピン11を中心として回転可能に設けられている。ガイドボックス7の後端部(図1右端部)にはエントリーガイド12が接続されている。
【0010】
図1、図4及び図5において、各支点ピン9はガイドボックス7及びローラーホルダー8に挿入されている。各支点ピン9は、そのピン径が挿入位置に応じて径差を設けてある。すなわち、各支点ピン9は各ローラーホルダー8のピン孔8aに挿入されており、頭部9aから挿入方向(図5下方)に向けて単一又は複数の段部を設け、ピン径が先端(下端)に向けて段階的に縮径される縮径部9b,9cを形成している。各支点ピン9は、その頭部9aがねじ体13によって図5下方に向けて下端側のばね24のばね力に抗して押圧されている。ねじ体13は、ガイドボックス7の上部のねじ孔にねじ込まれており、ナット14によって固定されている。
【0011】
取付け台2は、図1及び図2に示す例ではレストバー15とサドル16とからなる。サドル16はレストバー15上に配置されている。サドル16には、設置面16aの一側(図1左側)に掛け止め部16bを立ち上げてある。サドル16は、レストバー15上を圧延ラインに沿う方向(図1左右方向)に移動可能(前後移動可能)であり、また圧延ラインと交差する方向(図1紙面に垂直方向)に移動可能(横移動可能)である。
図1、図3及び図6に示すように、レストバー15及びサドル16の両者は、クランプ25、クランプボルト26及びナット27によって結合されている。すなわち、図6に示すように、クランプボルト26はレストバー15内を左右方向に貫通されており、レストバーから突出されているボルト先端にクランプ25が嵌め込まれている。ナット27の締付け操作によって、クランプ25の内側両端部がレストバー15及びサドル16の各側面を押圧して、レストバーとサドルの双方を結合し固定している。
【0012】
アタッチメント用のベースプレート3は、図1、図2及び図7に示すようにプレート本体3aと軸受け部3bとからなる。
プレート本体3aはサドル16の設置面16a上に載置されており、その上面である搭載面にはローラーガイド本体1aのベース部7aが載置される。プレート本体3aは、サドル16の設置面16a上を圧延ラインと交差する方向(図1紙面に垂直方向)に横移動することができるスライドプレートである。プレート本体3aは、図7左右方向の両端部の端面が上方に向かって内側に傾斜された傾斜面3a1,3a2となっている。プレート本体3aの一端部(図1左端部)は、サドル16の掛け止め部16bに嵌め込まれている。
軸受け部3bはプレート本体3aの底面に固着されている。軸受け部3bは、図7に示すように板体からなり、下部側から上側に向けて斜めに受け孔3b1を開けてある。軸受け部3bは、図1及び図6に示すようにプレート本体3aがサドル16の設置面16a上に載せられている状態において、サドルに設けてある溝16c内に配置されている。軸受け部3bは、溝16cを横断する調整ボルト23に受け孔3b1を通じて嵌め込まれている。
ベースプレート3は、図1に示すように、その上面にローラーガイド本体1aが載せられ、その荷重によってサドル16上での設置位置が固定される。この状態で、ローラーガイド本体1aのベース部7aは、ベースプレート3を介してサドル16上に搭載され、ガイドクランプ4により固定される。
【0013】
ガイドクランプ4は、図1及び図8に示すように中央部に上下方向に長孔4aを開けてあり、そしてその内側の下端に掛け止め部4bを、上側に押さえ部4cをそれぞれ突出してある。ガイドクランプ4はサドル16の後端側(図1右端側)に配置され、長孔4aを貫通するクランプボルト17によってサドルに取り付けられている。ガイドクランプ4は、クランプボルト17の締付け操作によって固定されるが、この固定状態において、図1下端側の掛け止め部4bがサドル16の掛け止め凹部16dに係合され、上端側の押さえ部4cがローラーガイド本体1aのベース部7aを所定圧で押圧している。
図1及び図3に示すように、ガイドクランプ4の両側にはプレートクランプ18を配置してあり、クランプボルト19によってサドル16に取り付けられている。各プレートクランプ18はその内側の下端部でサドル16に掛け止められ、上端部でベースプレート3の他方の傾斜面3a2を押圧している。プレートクランプ18は、クランプボルト19の締付け操作によって、サドル16に固定されると共に、傾斜面3a2に対する押圧を通じてベースプレート3をサドル上に固定する。
【0014】
ローラーガイド本体1aの前後位置調整機構5について図1〜図4及び図6を説明する。
前後位置調整機構5は調整ボルト20と受け部21とを備えている。調整軸である調整ボルト20は、サドル16の底部に固着してあるブラケット22に水平状態にねじ込んである。また、受け部21はレストバー15に取り付けてあって、ブラケット22と図1左右方向において対向して配置されている。調整ボルト20はブラケット22を貫通し、先端部が受け部21に回転可能に組み込まれている。
調整ボルト20は、これを回すことによって、ブラケット22が水平方向に移動されるため、サドル16が圧延ロールRに対して前後方向(図1左右方向)に移動され、サドル上のローラーガイド本体1aの前後の位置が調整される。
【0015】
ローラーガイド本体1aの横位置調整機構6について図1、図3及び図6を参照して説明する。
横位置調整機構6は軸受け部3bと調整軸である調整ボルト23を備えている。
調整ボルト23は、サドル16の図6左外側面から反対側に向けて水平にサドル内にねじ込まれている。調整ボルト23は、その先端部側であって、溝16cを横断する位置の外周部に縮径部23aを形成してある。縮径部23aには軸受け部3bの受け孔3b1が嵌め込まれている。
調整ボルト23は、これを回すことによって、縮径部23aがサドル16の溝16c内を水平方向に移動されるため、調整ボルトを回す量に応じて軸受け部3bを通じてベースプレート3を図6左右方向にスライドさせるから、ベースプレートの横の位置が調整されると共に、ベースプレート上のローラーガイド本体1aの横の位置も同時に調整される。調整後にナット28(図3)を回して調整ボルト23を固定する。
【0016】
使用方法について説明する。
ローラーガイド1における本体1aを取付け台2に直接搭載することができないので、搭載するためにベースプレート3を利用する。
まず、クランプボルト19の締付け操作をして、プレートクランプ18を通じてサドル16とベースプレート3との一体化をし、ベースプレートをサドル16上に固定する。
固定後に、サドル16の設置面16a上にベースプレート3を載せてから、ベースプレート上にローラーガイド本体1aを設置する。
その後、ナット27の締付けを解除して、クランプ25によるレストバー15及びサドル16双方の結合を解除する。
解除後に、ローラーガイド本体1aの前後の位置調整及び左右の横位置調整をする。すなわち、前後位置調整機構5の調整ボルト20を回すと、ブラケット22を通じてサドル16が前後方向(図1左右方向)に移動され、回す量を調整して、サドルの前後の位置調整をする。同時に、サドル16と一体となっているベースプレート3上のローラーガイド本体1aは、ベースプレートと共にサドルの前後位置の調整に伴って前後の位置が調整される。調整後、ナット27の締付け操作をし、再び、クランプ25によってレストバー15及びサドル16双方を結合し固定する。
前後の位置調整を終えてから、クランプボルト19及びクランプボルト17を緩めて、プレートクランプ18によるサドル16とベースプレート3の結合状態を、またガイドクランプ4によるサドル16とローラーガイド本体1aとの結合状態をそれぞれ解除する。
解除後に、横位置調整機構6の調整ボルト23を回すことによって、回す量に応じて軸受け部3bを通じてベースプレート3は図6左右方向に移動され、ベースプレートの横の位置が調整される。同時に、ベースプレート3上のローラーガイド本体1aの左右の位置が調整される。
調整後、再び、クランプボルト19を締付けて、プレートクランプ18によるサドル16とベースプレート3との結合状態に戻す。そして、クランプボルト17の締付け操作によって、ガイドクランプ4の掛け止め部4bをサドル16の掛け止め凹部16dに強固に係合させ、押さえ部4cでローラーガイド本体1aのベース部7aを強く押圧する。
上述の操作により、ローラーガイド本体1aはベースプレート3を介してサドル16上に固定される。
図1に示すように、ローラーガイド本体1aがガイドクランプ4によって固定されている状態において、圧延が開始され、ローラーガイド本体が圧延材を圧延ロール側に誘導する。
【0017】
ローラーガイド本体1aの着脱時において、図2に示すようにガイドクランプ4を降下させるが、ガイドクランプの上側の押さえ部4cの上面がサドル16の設置面16aより上方に突出しない(飛び出さない)構成としている。このため、ガイドクランプ4を外すことなく、ベースプレート3の交換やローラーガイド本体1aの設置作業をすることができ、また、一方のローラーガイド本体1aのベース部7a及びベースプレート3と、他方のガイドクランプ4及びクランプボルト17とが衝突するのを回避することができるので、交換作業や設置作業時におけるガイドクランプやクランプボルトの破損を防止することができる。
【0018】
この発明に係る圧延材のローラーガイドの第2の実施形態について図9〜図14を参照して説明する。
図9に示すローラーガイド1Aでは、前記ローラーガイド本体1aを前記取付け台2とは異なる取付け台2A上に搭載するものであり、搭載可能にするためにアタッチメント用のベースプレート3Aを用いる。すなわち、図9に示すローラーガイド1Aにおける取付け台2A及びアタッチメント用のベースプレート3Aは、図1に示すローラーガイド1における取付け台2及びアタッチメント用のベースプレート3とその構成を異にする。
ローラーガイド1Aは、図1に示すローラーガイド1と、主要部分における基本構成及び作用効果が共通しているので、相違する点について説明し、共通する点については必要に応じて説明する。
図9において、ローラーガイド本体1aのガイドボックス7のベース部7aの図左右の長さは、取付け台2Aにおけるサドル16Aの設置面16Aaのそれより短い。このため、上述したように、ローラーガイド本体1aは、取付け台2A上に直接搭載し固定することができないので、搭載を可能にするためのアタッチメント用のベースプレート3Aを用いる。
サドル16Aの設置面16Aa上にベースプレート3Aを介して搭載された後、その底部がガイドクランプ4Aによって固定される。また、ローラーガイド本体1aは、前後位置調整機構5Aによってその前後の位置が調整され、横位置調整機構6Aによって横の位置が調整される。
【0019】
図9及び図10に示す取付け台2Aにおいて、レストバー15Aの右側にサドル16Aの一部を形成している支持体29Aを配置してある。支持体29Aの上端部29Aaの上面はサドル16Aの設置面16Aaと同一平面を形成している。サドル16Aと支持体29Aとの境界部分には、設置面16Aa及び上端部29Aaの上面から下方に向けて、後述するガイドクランプ4Aの押さえ部4Acを収納するための収納溝16Adを切り込んである。また、支持体29Aの下部は前後位置調整機構5Aを構成している調整ボルト20Aの軸受け部29Abである。
レストバー15Aには、軸受け部29Abに対向して受け部21Aを接続してある。調整ボルト20Aは軸受け部29Abと受け部21Aの間に渡し、一方の軸受部にねじ込まれており、他方の受け部に回転可能に組み込まれている。調整ボルト20Aを回すことによって、軸受け部29Abを介してサドル16Aの前後の位置が調整される。
前後位置調整機構5Aは図1に示す前後位置調整機構5と、その構成及び作用において共通している。
【0020】
図9〜図11に示すアタッチメント用のベースプレート3Aは、プレート本体3Aaの両端面が傾斜面3Aa1,3Aa2であり、一方(図11右方)の傾斜面3Aa2から内側(図12左側)に向けて平面角形の逃げ溝3Aa3を切り込んである。
アタッチメント用のベースプレート3Aのその他の構成は図7に示すベースプレート3のそれと実質的に同一であり、軸受け部3Ab及び受け孔3Ab1は、ベースプレート3の軸受け部3b及び受け孔3b1にそれぞれ対応している。
軸受け部3Abは、プレート本体3Aaがサドル16Aの設置面16Aa上に載せられている状態において、サドルに設けてある溝16Ac内に配置されている。軸受け部3Abは、図9及び図10に示すように溝16Acを横断している横位置調整機構6Aの調整ボルト23Aに受け孔3Ab1を通じて嵌め込まれている。
横位置調整機構6Aは図6に示す横位置調整機構6に対応している。
【0021】
図9〜図14において、ガイドクランプ4Aは押さえ部4Acが内側に長く延びており、その他の構成が図1に示すガイドクランプ4のそれと実質的に同一である。
図9及び図12に示すように、クランプボルト17Aの締付けによって、上端の押さえ部4Acはローラーガイド本体1aのベース部7aを押圧する。押圧時において、押さえ部4Acの先端側はベースプレート3Aの逃げ溝3Aa3内に配置されている。図9下端側の掛け止め部4Abが支持体29Aの掛け止め凹部29Acに係合されている。
ガイドクランプ4Aの非固定時であるローラーガイド本体1aの着脱時では、図10に示すように、ガイドクランプ4Aを降下させるが、ガイドクランプの上側の押さえ部4Acの上面がベースプレート3Aの搭載面(上面)より上方に突出しない構成としている。このため、ガイドクランプ4Aを外すことなく、ローラーガイド本体1aの設置作業をすることができる。図12及び図13に示すように、ベースプレート3Aには逃げ溝3Aa3が形成され、この逃げ溝内にガイドクランプ4Aの押さえ部4Acが配置されているので、ガイドクランプ4Aを外すことなく、ベースプレートの交換が可能となる。また、ローラーガイド本体1aのベース部7a及びベースプレート3Aとガイドクランプ4A及びクランプボルト17Aとの衝突を回避することができるので、交換作業や設置作業時における上記ガイドクランプや上記クランプボルトの破損を防止することができる。
【0022】
図9において、ベースプレート3Aを押えるプレートクランプ18A及びクランプボルト19Aは、図1に示すプレートクランプ18及びクランプボルト19にそれぞれ対応している。
また、図9において、長孔4Aa、掛け止め部16Ab、クランプ25A及びナット27Aは、図1に示す長孔4a、掛け止め部16b、クランプ25及びナット27にそれぞれ対応している。クランプ25A、クランプボルト(図示せず。)及びナット27Aによって、レストバー15A及びサドル16Aの双方はその結合固定又はその解除が図られる。
【0023】
この発明に係る圧延材のローラーガイドの第3の実施形態について図15を参照して説明する。
図示するローラーガイド1Bでは、ローラーガイド本体1Baを本来の取付け台とは異なる取付け台2AB上に搭載するものであり、搭載可能にするためにアタッチメント用のベースプレート3Bを用いる。
ローラーガイド本体1Baは、対のガイドローラー10Bを2組設けており、圧延ロールRBの入口側に配置されている。ローラーガイド本体1Baは、その基本構成及び作用が、ダブルローラーガイド本体である点を除いて図1及び図9に示すローラーガイド本体1aと共通しているので、詳細な説明を省略する。
ガイドボックス7B、ベース部7Ba、ローラーホルダー8B、ローラーピン11B及びエントリーガイド12Bは、図1及び図9に示すローラーガイド本体1aのガイドボックス7、ベース部7a、ローラーホルダー8、ローラーピン11及びエントリーガイド12にそれぞれ対応している。
取付け台2ABは、ガイドクランプ4ABを除いて図9に示す取付け台2Aと同一構成であるので、相違点のみ説明する。
なお、説明上、取付け台2Aと共通する取付け台2ABの構成部分は、取付け台2Aに使用した符号をそのまま使用している。
ガイドクランプ4ABは図9に示すガイドクランプ4Aと同一構成である。図15において、ガイドクランプ4ABは、中央部に長孔4ABaを開けてあり、その内側の下端に掛け止め部4ABbを、上側に押さえ部4ABcをそれぞれ突出してある。ガイドクランプ4ABはサドル16Aの後端側(図15右端側)に配置され、長孔4ABaを貫通するクランプボルト17ABによってサドルに取り付けられている。ガイドクランプ4ABは、クランプボルト17ABの締付け操作によって固定され、固定状態において、掛け止め部4ABbがサドル16Aの掛け止め凹部29Acに係合され、上端側の押さえ部4ABcがローラーガイド本体1Baのベース部7Baを所定圧で押圧している。
プレートクランプ18AB及びクランプボルト19ABは図9のプレートクランプ18A及びクランプボルト19Aにそれぞれ対応している。
図15に示すアタッチメント用のベースプレート3Bは、その基本構成及び作用が、図1に示すアタッチメント用のベースプレート3と共通しており、その厚さ及び図左右方向の長さのみが相違している。アタッチメント用のベースプレート3Bは、アタッチメント用のベースプレート3と比較して、その長さが大きく、また厚みが薄い。
ベースプレート3Bのプレート本体3Baはサドル16Aの設置面16Aa上に設置され、一方の傾斜面3Ba1はサドルの掛け止め部16Abに掛け止められ、他方の傾斜面3Ba2はクランプボルト19ABの締付け操作によって、プレートクランプ18ABによって押圧され、固定されている。ローラーガイド本体1Baは、プレート本体3Ba上にベース部7Baを介して搭載される。
ベースプレート3Bの軸受け部3Bb及び受け孔3Bb1は、図1に示す軸受け部3b及び受け孔3b1にそれぞれ対応している。
【0024】
この発明に係る圧延材のローラーガイドの第4の実施形態について図16を参照して説明する。
図示するローラーガイド1Cでは、ローラーガイド本体1Caを本来の取付け台とは異なる取付け台2AC上に搭載するものであり、搭載可能にするためにアタッチメント用のベースプレート3Cを用いる。
ローラーガイド本体1Caは対のガイドローラー10Cを設けているシングルローラーガイド本体であって、圧延ロールRCの入口側に配置されている。ローラーガイド本体1Caは、その基本構成及び作用が、図1及び図9に示すローラーガイド本体1aのそれらと実質的な差異がないので、詳細な説明を省略する。
ガイドボックス7C、ベース部7Ca、ローラーホルダー8C、支点ピン9C、エントリーガイド12C及びナット14Cは、図1及び図9に示すローラーガイド本体1aのガイドボックス7、ベース部7a、ローラーホルダー8、支点ピン9、エントリーガイド12及びナット14にそれぞれ対応している。
取付け台2ACは、ガイドクランプ4ACを除いて図9に示す取付け台2Aと同一構成であるので、相違点のみ説明する。
なお、説明上、取付け台2Aと共通する取付け台2ACの構成部分は、取付け台2Aに使用した符号をそのまま使用している。
ガイドクランプ4ACは図9に示すガイドクランプ4Aと同一構成である。図16において、ガイドクランプ4ACは、中央部に長孔4ACaを開けてあり、その内側の下端に掛け止め部4ACbを、上側に押さえ部4ACcをそれぞれ突出してある。ガイドクランプ4ACはサドル16Aの後端側(図16右端側)に配置され、長孔4ACaを貫通するクランプボルト17ACによってサドルに取り付けられている。ガイドクランプ4ACは、クランプボルト17ACの締付け操作によって固定され、固定状態において、掛け止め部4ACbがサドル16Aの掛け止め凹部29Acに係合され、上端側の押さえ部4ACcがローラーガイド本体1Baのベース部7Caを所定圧で押圧している。
プレートクランプ18AC及びクランプボルト19ACは図9のプレートクランプ18A及びクランプボルト19Aにそれぞれ対応している。
図16に示すアタッチメント用のベースプレート3Cは図1に示すアタッチメント用のベースプレート3と基本構成及び作用が共通しており、その厚さ及び図左右方向の長さのみが相違している。アタッチメント用のベースプレート3Cは、アタッチメント用のベースプレート3と比較して、その長さが大きく、また厚みが薄い。
ベースプレート3Cのプレート本体3Caはサドル16Aの設置面16Aa上に設置され、一方の傾斜面3Ca1はサドルの掛け止め部16Abに掛け止められ、他方の傾斜面3Ca2はクランプボルト19ACの締付け操作によって、プレートクランプ18ACによって押圧され、固定されている。ローラーガイド本体1Caは、プレート本体3Ca上にベース部7Caを介して搭載される。
ベースプレート3Cの軸受け部3Cb及び受け孔3Cb1は、図1に示す軸受け部3b及び受け孔3b1にそれぞれ対応している。
【0025】
図示するローラーガイド1,1A,1B,1Cによれば、圧延状況に応じてローラーガイド本体1a,1Ba,1Caを変える必要が生じても、アタッチメント用のベースプレート3,3A,3B,3Cを用いることによって、交換の対象となっているローラーガイド本体を専用の取付け台と異なる取付け台2,2A,2AB,2ACに搭載することができる。換言すれば、取付け台2,2A,2AB,2ACに対し、ローラーガイド本体1a,1Ba,1Caのそれぞれが本来の取付け台ではなくても、アタッチメント用のベースプレート3,3A,3B,3Cを交換するだけで、各ローラーガイド本体の搭載が可能になる。
図5に示す支点ピン9では、段部による縮径部9b,9cを設けているので、支点ピンの曲がりや錆が発生しても、同一径の支点ピンと比較して抜き取りが容易となり、メンテナンスの作業時間を短縮することができる。
非固定時に、図2及び図15に示すガイドクランプ4,4ABでは押さえ部4c,4ABcの上面がサドル16の設置面16aより上方に突出されないので、また図10に示すガイドクランプ4Aでは押さえ部4Acの上面がベースプレート3Aの逃げ溝3Aa3内に位置され上面より上方に突出されないので、ローラーガイド本体1a及びベースプレート3Aの設置作業がし易い。
【符号の説明】
【0026】
R,RB,RC 圧延ロール
1,1A,1B,1C ローラーガイド
1a,1Ba,1Ca ローラーガイド本体
2,2A,2AB,2AC 取付け台
3,3A,3B,3C ベースプレート
3Aa3 逃げ溝
3a,3Aa,3Ba,3Ca プレート本体
3b,3Ab,3Bb,3Cb 軸受け部
3b1,3Ab1,3Bb1,3Cb1 受け孔
4,4A,4AB,4AC ガイドクランプ
4c,4Ac,4ABc,4ACc 押さえ部
5,5A 前後位置調整機構
6,6A 横位置調整機構
7,7B,7C ガイドボックス
7a,7Ba,7Ca ベース部
8,8B,8C ローラーホルダー
8a ピン孔
9,9C 支点ピン
9b,9c 縮径部
10,10B,10C ガイドローラー
11,11B ローラーピン
15,15A レストバー
16,16A サドル
16a,16Aa 設置面
17,17A,17AB,17AC クランプボルト
18,18A,18AB,18AC プレートクランプ
19,19A,19AB,19AC クランプボルト
20,20A 調整ボルト(調整軸)
21,21A 受け部
22 ブラケット
23,23A 調整ボルト(調整軸)
23a 縮径部
29Ab 軸受け部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローラーガイド本体と、取付け台と、この取付け台の設置面上に載置してあるアタッチメント用のベースプレートと、上記ローラーガイド本体を上記取付け台に固定するためのガイドクランプとを備えており、
上記ローラーガイド本体は、上記取付け台上に上記ベースプレートを介して搭載されていることを特徴とする圧延材のローラーガイド。
【請求項2】
アタッチメント用のベースプレートは、プレート本体とこのプレート本体の底面に突出してある軸受け部とを備えていると共に、取付け台の設置面上に圧延ラインと交差する方向に移動可能に載置され、上記軸受け部に受け孔を形成し、上記受け孔が上記取付け台に設けてあるローラーガイド本体の横位置調整機構の調整軸と連結されていることを特徴とする請求項1記載の圧延材のローラーガイド。
【請求項3】
ローラーガイド本体は、ガイドボックスと、このガイドボックスに支点ピンを中心として回転可能に取り付けている対のローラーホルダーと、各ローラーホルダーの先端側に回転可能に設けてある対のガイドローラーとを備えており、上記各支点ピンは各ローラーホルダーのピン孔に挿入され、かつピン径を頭部から先端に向けて段部を設けて縮径部を形成していることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の圧延材のローラーガイド。
【請求項4】
ガイドクランプは、非固定時における上端部に設けてある押さえ部の位置が取付け台の設置面より上方に突出しない位置に設定されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の圧延材のローラーガイド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−110562(P2011−110562A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−266946(P2009−266946)
【出願日】平成21年11月25日(2009.11.25)
【出願人】(000006655)新日本製鐵株式会社 (6,474)
【出願人】(000182476)寿産業株式会社 (47)