説明

圧接装置

【課題】短い電線グループの圧接切断が可能で、サイクルタイムが長くならないマルチハーネスの圧接装置、及びその圧接方法を提供する。
【解決手段】複数の電線の一端に親コネクタが圧接され、他端に電線長が異なる電線グループごとに複数の子コネクタが圧接されたマルチハーネスの圧接方法であって、子コネクタを子側コネクタガイド部30で保持し、電線を一括して圧接する子側圧接工程、子コネクタを子側コネクタガイド部から開放する開放工程、子コネクタに圧接された電線グループの各々を並列する電線の幅方向一側の電線グループから他側の電線グループまで、電線ごとに測長する電線測長工程、親コネクタを親側コネクタガイド部70で保持し幅方向に並ぶ電線グループから他側の電線グループまで親コネクタに圧接切断する親側圧接工程を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハーネスの圧接装置関し、詳しくは、短い電線が圧接可能なマルチハーネスの圧接装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の電線の両端にコネクタを接続したハーネスがある。電線の一端に共通して接続される親コネクタに対して、電線の他端に接続されるそれぞれ電線長が異なる電線グループL1からLnに対応した子コネクタC1からCnが接続された態様のマルチハーネスがある(たとえば、特許文献1参照)。
この特許文献1記載の技術によれば、たしかに、電線長が異なる複数の電線グループからなるマルチハーネスがえられる。
しかしこの方式では、たとえば添付図面(特許文献1の添付図面)の図1に示されるように右側の子コネクタ搬送レールと、これと間隔を置いて配設されている左側の親コネクタ搬送レールとの間に、電線を搬送するキャリッジ機構が構成されている。これは左レールよりもさらに左側にある電線供給部から供給される電線を右側レールの子コネクタに搬送するためのものであり、この先行技術の構成上必要な機構である。なお、説明中の左右方向は作業者位置を基準にする。
【0003】
このように、左右レール間にキャリッジ機構が備わるために、ハーネスの電線長の最短は、このキャリッジ機構の幅によって概ね制限されることとなり、この幅よりも狭い(短い)電線をハーネスに組み込むことがこの圧接装置ではできなかった。
また、この先行技術によれば、右側レールの子コネクタに電線を一括圧接したあと。左側の親コネクタについては、電線を圧接するのは、電線長の異なるL1からLnの電線グループごとに、順次測長、および切断、圧接を繰り返しおこなうものである。このように繰り返し工程をサイクル内に含むため作業時間の短縮は難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−223236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、短い電線グループの圧接、切断が可能で、作業時間の短縮が可能なマルチハーネスの圧接装置、およびその圧接方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の圧接方法は、(1)複数の電線の一端に親コネクタCpが圧接され、他端に電線長が異なる電線グループL1・・・Lnごとに複数の子コネクタC1・・・Cnが圧接されたマルチハーネスを形成するためのマルチハーネスの圧接方法であって、複数の子コネクタC1・・・Cnをコネクタガイド部で保持し、子コネクタC1・・・Cnに電線の一端を一括して圧接する子側圧接工程、この電線が圧接された子コネクタC1・・・Cnをコネクタガイド部から外に開放する開放工程、この開放された複数の子コネクタC1・・・Cnの各々に圧接された電線グループL1・・・Lnの各々を、並列する複数の電線の幅方向の一側に位置する電線グループL1から他側に位置する電線グループLnに至るまで、電線ごとに測長する電線測長工程、親コネクタCpをコネクタガイド部で保持し、幅方向に並ぶ電線グループL1・・・Lnを、一側に位置する電線グループL1から他側に位置する電線グループLnまで順次、親コネクタCpに圧接
、切断する親側圧接工程、を含むものである。
【0007】
本発明のマルチハーネスの圧接方法は、全ての電線グループに含まれる電線を順次測長したあとに、電線を順次親コネクタに圧接、切断するものである。これにより、測長と、圧接、切断とが電線ごとに繰り返しおこなわれるループ工程が含まれないので機械のサイクルタイムが早められる。
また、子コネクタは電線圧接後、子側コネクタガイド部から開放されて、拘束がなくなり自重で垂れ下がる。本発明の機構上ほかに電線長を規制する特別な構造体はなく、実質的に電線をガイドする部分と電線を圧接する部分の干渉を避けるだけの間隔を設ければよく、これにより短い電線長の電線グループを含むマルチハーネスが得られる。
【0008】
さらに好ましくは、本発明のマルチハーネスの圧接方法は、(2)前記電線測長工程の電線測長時またはその直後に電線に向かって上方から下方にエアーが吹きつけられるエアブロー工程が備わることを特徴とする(1)記載のものである。
【0009】
本発明のマルチハーネスの圧接方法は、電線に向かって上方から下方にエアーが吹きつけられるエアブロー工程が備わっているので、圧接後開放された子コネクタは、確実に下方への垂れ下がる。これにより、電線が浮き上がって電線同士が絡まるなどの不具合が生じることなく、短い電線グループから長い電線グループまでを備えたマルチハーネスが得られる。
【0010】
上記課題を解決するために、本発明のマルチハーネスの圧接装置は、(3)複数の電線の一端に親コネクタCpが圧接され、他端に電線長が異なる電線グループL1・・・Lnごとに複数の子コネクタC1・・・Cnが圧接されたマルチハーネスの圧接装置であって、複数の子コネクタC1・・・Cnを保持するための子側コネクタガイド部、親コネクタCpを保持するための親側コネクタガイド部、電線供給部から供給される複数の電線を搬送する電線ガイド部、電線供給部から供給される複数の電線を測長する電線測長部、電線供給部から送り出される複数の電線を複数の子コネクタC1・・・Cnに対して圧接する子側圧接パンチ、及び電線測長部から送り出される複数の電線を親コネクタCpに対して圧接する親側圧接パンチ、を有する圧接部、を備え、前記子側コネクタガイド部は、子コネクタC1・・・Cnの保持、及び開放手段を備え、供給された複数の子コネクタC1・・・Cnを保持し、子コネクタC1・・・Cnに電線が前記子側圧接パンチによって一括圧接されたあと、子コネクタC1・・・Cnを開放し、この一端に子コネクタC1・・・Cnが圧接された電線を前記電線測長部で電線グループL1・・・Ln毎に順次測長し、この電線の測長完了後、前記親側圧接パンチで切断、圧接するところに特徴を有するものである。
【0011】
本発明のマルチハーネスの圧接装置は、電線グループに含まれる全ての電線を測長したあとに、電線を親コネクタに順次圧接、切断するものである。これにより、測長工程、圧接工程の順に工程が組み立てられるので圧接装置のサイクルタイムが早くなる。
また、子コネクタは電線圧接後、子側コネクタガイド部から開放されて、拘束がなくなり自重で垂れ下がる。機構上ほかに電線長を規制する特別な構造体はなく、実質的に電線をガイドする部分と電線を圧接する部分の干渉を避けるだけの間隔を設ければよく、これにより短い電線長の電線グループを含むマルチハーネスが得られる。
【0012】
さらに好ましくは、本発明のマルチハーネスの圧接装置は、(4)上記(3)記載のマルチハーネスの圧接装置の子側コネクタ圧接部と、親側コネクタ圧接部との間に上方から下方にエアーが吹きつけられるエアブロー部が備わり、開放された前記子コネクタC1・・・Cnがこのエアーを受けて下方に垂れ下がるところに特徴を有するものである。
【0013】
本発明のマルチハーネスの圧接装置は、電線に向かって上方から下方にエアーが吹きつけられるエアブロー部を備えているので、開放された子コネクタは確実に下方へ垂れ下がる。これにより、電線が絡まることなく短い電線グループから長い電線グループまでを含むマルチハーネスが得られる。
【0014】
さらに好ましくは、本発明のマルチハーネスの圧接装置は、(5)前記電線ガイド部は、電線供給方向に沿って移動可能で、前進端は、前記子側コネクタガイド部まで移動し、後退端は、前記親側コネクタガイド部まで移動することで、電線を子コネクタC1・・・Cn、親コネクタCpに供給するところに特徴を有する(3)または(4)記載のものである。
【0015】
本発明のマルチハーネスの圧接装置は、子コネクタC1・・・Cn、親コネクタCp間の電線の掛け渡しを電線ガイド部がおこなう方式であるとともに、この電線ガイド部の待避位置は、親側コネクタガイド部よりも電線供給部側にある。これにより、短い電線グループを含むマルチハーネスが得られる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施形態に係るマルチハーネスの圧接装置の構成図である。
【図2】図1の圧接部周辺を拡大した正面図である。
【図3】図1の子側コネクタガイド部、圧接部を拡大した側面図である。
【図4】図1の親側コネクタガイド部、圧接部を拡大した側面図である。
【図5】本発明の実施形態に係るマルチハーネスの圧接装置の初期位置を示す模式図である。
【図6】同マルチハーネスの圧接装置におけるコネクタの流れを示す模式図である。
【図7】同マルチハーネスの圧接装置における子側圧接部周辺の模式図である。
【図8】同マルチハーネスの圧接装置における親側圧接部周辺の模式図である。
【図9】同マルチハーネスの圧接装置における第1工程を示す模式図である。
【図10】同マルチハーネスの圧接装置における第2工程を示す模式図である。
【図11】同マルチハーネスの圧接装置における第3工程を示す模式図である。
【図12】図11における平面図である。
【図13】本発明の実施形態に係るマルチハーネスの圧接装置における第4工程を示す模式図である。
【図14】同マルチハーネスの圧接装置における第5工程を示す模式図である。
【図15】同マルチハーネスの圧接装置における第6工程を示す模式図である。
【図16】図15における平面図である。
【図17】本発明の実施形態に係るマルチハーネスの圧接装置における第7工程を示す模式図である。
【図18】同マルチハーネスの圧接装置における第8工程を示す模式図である。
【図19】図18における平面図である。
【図20】本発明の実施形態に係るマルチハーネスの圧接装置における第9工程を示す模式図である。
【図21】図20における平面図である。
【図22】本発明の実施形態に係るマルチハーネスの圧接装置における第10工程を示す模式図である。
【図23】図22における平面図である。
【図24】本発明の実施形態に係るマルチハーネスの圧接装置における製造工程図である。
【図25】同マルチハーネスの圧接装置で組み立てられるマルチハーネスを示した外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0018】
〔装置全体 機能的説明〕
本発明のマルチハーネスMの圧接方法、及び圧接装置1は、複数の電線Wの一端に親コネクタCpが圧接され、他端に電線長が異なる電線グループL1・・・L3ごとに複数の子コネクタC1・・・C3が圧接されたマルチハーネスMを形成するものである。
【0019】
本発明のマルチハーネスMの圧接方法は、複数の子コネクタC1・・・C3を子側コネクタガイド部30で保持し、子コネクタC1・・・C3に電線Wの一端を一括して圧接する子側圧接工程、この電線Wが圧接された子コネクタC1・・・C3を子側コネクタガイド部30から外に開放する開放工程、この開放された複数の子コネクタC1・・・C3の各々に圧接された電線グループL1・・・L3の各々を、並列する複数の電線Wの幅方向の一側に位置する電線グループL1から他側に位置する電線グループL3に至るまで、電線Wごとに測長する電線測長工程、親コネクタCpを親側コネクタガイド部70で保持し、幅方向に並ぶ電線グループL1・・・L3を、一側に位置する電線グループL1から他側に位置する電線グループL3まで順次、親コネクタCpに圧接、切断する親側圧接工程、を含むものである。
【0020】
さらに、前記電線測長工程の電線測長時またはその直後に電線Wに向かって上方から下方に向かってエアブロー部90からエアーが吹きつけられるエアブロー工程が備わることを特徴とするものである。
また、マルチハーネスMの圧接装置1の子側圧接部40と、親側圧接部80との間に上方から下方にエアーが吹きつけられるエアブロー部90が備わり、開放された前記子コネクタC1・・・C3が下方に垂れ下がるところに特徴を有するものである。
さらに、前記電線ガイド部130は、電線供給方向に沿って移動可能で、前進端は、前記子側コネクタガイド部30まで移動し、後退端は、前記親側コネクタガイド部70まで移動することで、電線Wを子コネクタC1・・・C3、親コネクタCpに供給するところに特徴を有するものである。
【0021】
〔装置全体 構成〕
本発明のマルチハーネスMの圧接方法を適用した圧接装置1を示しているのが図1であって、本発明のマルチハーネスMの圧接装置1は、図1に示されるように、複数の電線Wの一端に親コネクタCpが圧接され、他端に電線長が異なる電線グループL1・・・L3ごとに複数の子コネクタC1・・・C3が圧接されるものである。
【0022】
マルチハーネスMの圧接装置1は、大きく分けて、パーツフィーダーから子コネクタC1・・・C3を搬送レール21上に供給、搬送する子側コネクタ供給部、子側コネクタ搬送部、この搬送された子コネクタC1・・・C3を電線Wと圧接するために子コネクタC1・・・C3を保持する子側コネクタガイド部30、この子側コネクタガイド部30で保持された子コネクタC1・・・C3に電線Wを圧接する子側圧接部40、が備わっている。なお、親コネクタCpにも同機能のものが備わっている(親側コネクタ供給部、親側コネクタ搬送部、親側コネクタガイド部70、親側圧接部80)。
【0023】
また、マルチハーネスMの圧接装置1は、電線Wを電線巻き取り台に巻きつけた態様で収容するための電線収容部(図示せず)が備わり、そのほか、電線Wを所定長さに測長する電線測長部120、電線Wを子コネクタC1・・・C3、親コネクタCpに掛け渡すための電線ガイド部130を備えている。
さらに、マルチハーネスMの圧接装置1は、端部に子コネクタC1・・・C3が圧接された電線Wが開放された際に下方に垂れ下がるようにするためのエアブロー部90、及び
完成されたマルチハーネスMを排出するための排出部100が備わっている。
【0024】
前記子側コネクタガイド部30は、子コネクタC1・・・C3の保持、及び開放手段を備え、供給された複数の子コネクタC1・・・C3を保持し、子コネクタC1・・・C3に電線Wが前記子側圧接パンチ42によって一括圧接されたあと、子コネクタC1・・・C3を開放し、この一端に子コネクタC1・・・C3が圧接された電線Wを前記電線測長部120で電線グループL1・・・L3毎に測長し、この電線Wの測長完了後、前記親側圧接パンチ82で切断、圧接するところに特徴を有する。
【0025】
〔個々の構成〕 〔子側コネクタ供給部〕
タイプの異なる子コネクタC1・・・C3がそれぞれ複数のパーツフィーダーに収められ、これらパーツフィーダーから配列順に搬送レール21に移される。パーツフィーダーは、圧接装置1の後方に位置し、子側圧接部40は、パーツフィーダーの前方に位置する。
なお、説明中の指示方向は、特に説明中定義しない限り、圧接装置1に向かった作業者の立場を基準にし、作業者の向かって右手側を右、反対側を左、その他前方後方、上方下方も同様とする。
【0026】
〔子側コネクタ搬送部〕
子コネクタC1・・・C3は、搬送レール21にのって、前方の子側圧接部40に搬送される。搬送駆動力は、後方からのエアブローによる。搬送レール21は、溝が形成された金属板材の加工品である。
【0027】
〔子側コネクタガイド部〕
子側コネクタガイド部30は、図3に示されるように、搬送レール21上を搬送されてきた複数の子コネクタC1・・・C3を動かないように保持するものであり、搬送レール21と同じ高さに受け部32を備えている。子側コネクタガイド部30は、電線圧接側が上になるように子コネクタC1・・・C3を保持する。子側コネクタガイド部30は、コネクタカバー31と、ブレーキ35とを備え、これらの協働によって子コネクタC1・・・C3を保持する。コネクタカバー31は、受け部32を備え、この受け部32は搬送レール21面と同じ高さに受け面33を備えている。
【0028】
受け部32の側面には、上下方向に移動可能な板状矩形のブレーキ35が備わる。ブレーキ35は、コネクタカバー31を支える支持台とコイルスプリング36によってつながり、常にコネクタカバー31側面に押圧が加わる状態である。ブレーキ35は、受け部32の側面壁部に面当たりするように本体正面で受け部32側面に当たっている。受け部32はこの押圧状態で上端を受け面33よりも上方に突き出している。このようにしてできた断面コの字の溝部に子コネクタC1・・・C3が収容される。
【0029】
コネクタカバー31の受け部は、上面が開放されている。この開放部を通して子側圧接パンチ42が上下に移動する。コネクタカバー31は、底部がコネクタカバー上下駆動シリンダ39につながっていて、上下方向に移動可能である。搬送されてきた子コネクタC1・・・C3を受け入れ、電線Wがセットされ、そして圧接がおこなわれるまでは、コネクタカバー31は最下位位置で待機している。
コネクタカバー31がコネクタカバー上下駆動シリンダ39の駆動によって上昇するとき、ブレーキ35は、元の位置から動かない。すなわち、コネクタカバー31の上昇によって、相対的にブレーキ35は下方に移動し、所定量の下降でその先端は受け面33よりも下になる。これにより、子コネクタC1・・・C3が保持される受け部32は上面のほか側面にも開放部が出現することになる。この一連の動作によって子コネクタC1・・・C3の子側コネクタガイド部30からの開放準備がなされる。
【0030】
〔子側圧接部 圧接パンチ〕
子側圧接部40は、図3に示されるように、上下方向に移動可能な子側圧接パンチダイ41、及びこの子側圧接パンチダイ41に組み付けられる子側圧接パンチ42を備えている。子側圧接パンチ42は、複数のパンチが一列に集合した櫛歯状である。櫛歯は、子コネクタC1・・・C3のピッチに合わせて等間隔に成形されている。子側圧接パンチ42は、複数の電線Wが上方にセットされた複数の子コネクタC1・・・C3に対して一動作で、一括して電線Wを圧接することができる。
【0031】
〔親側コネクタ供給部〕
親コネクタCpは、パーツフィーダーに収められ、配列順に搬送レール61に移される。パーツフィーダーは、圧接装置1の後方に位置し、親側圧接部80は、パーツフィーダーの前方に位置する。
【0032】
〔親側コネクタ搬送部〕
親コネクタCpは、搬送レール61にのって、前方の親側圧接部80に搬送される。搬送駆動力は、後方からのエアブローによる。搬送レール61は、溝が形成された金属板材の加工品である。
【0033】
〔親側コネクタガイド部〕
親側コネクタガイド部70は、図4に示されるように、搬送レール61上を搬送されてきた複数の親コネクタCpを動かないように保持するものであり、搬送レール61と同じ高さに受け部72を備えている。親側コネクタガイド部70は、電線圧接側が上になるように親コネクタCpを保持する。親側コネクタガイド部70は、コネクタカバー71と、ブレーキ75とを備え、これらの協働によって親コネクタCpを保持する。コネクタカバー71は、受け部72を備え、この受け部72は、搬送レール61面と同じ高さに受け面73を備えている。
【0034】
受け部72の側面には、上下方向に移動可能な板状のブレーキ75が備わる。ブレーキ75は、コネクタカバー71を支える支持台とコイルスプリング76によってつながり、常にコネクタカバー71側面に押圧を加えた状態である。ブレーキ75は、受け部72の側面壁部に面当たりするように本体正面で受け部72側面に当たっている。受け部72はこの押圧状態で上端を受け面73よりも上方に突き出している。このようにしてできた断面コの字の溝部に親コネクタCpが収容される。コネクタカバー71の受け部72は、上面が開放されている。この開放部を通して親側圧接パンチ82が上下方向に移動する。
【0035】
〔親側圧接部 圧接パンチ〕
親側圧接部80は、図4に示されるように、親側圧接パンチダイ81、及びこの親側圧接パンチダイ81に組み付けられる親側圧接パンチ82を備えている。親側圧接パンチ82は、1本のパンチのみからなる。親側圧接パンチ82は、複数の電線Wが上方にセットされた複数の親コネクタCpに対してコネクタ供給側の一側端の端子から順番に他側端まで1個ずつ電線Wを圧接していく。
【0036】
親側圧接パンチダイ81は、圧接パンチ移動用サーボモータ89につながっていて、親側コネクタガイド部70のガイド溝に沿って移動可能である。ガイド溝には、複数の親コネクタCpが保持されていて、一ピッチずつずらしながら電線Wを1本ずつ端子に圧接していく。このときいわゆるピッチ変換がおこなわれる。
【0037】
〔電線測長部 測長ローラ〕
電線測長部120は、図1に示されるように、測長ローラ121によって電線長さを測
長するとともに、電線Wを必要長さ押し出すものである。測長ローラ121は、上下一対のローラ121a、121bからなる。測長ローラ121は電線測長用サーボモータ128につながっていて精度のよい制御が可能である。測長ローラ121の回転角度によって電線長が測長される。測長ローラ121は、電線Wの本数分備わっている。測長ローラ121は、電線測長用サーボモータにベルトでつながっていて、上下ローラ121a、121bの回転は同期している。上ローラ121aは、電線測長ローラ上下シリンダ129につながっていて上下方向に移動可能である。
電線Wの測長は、電線グループL1・・・L3まで全電線Wが同時に開始される。最も短い電線長の電線グループL1から順次測長が終了する。測長が終了した電線グループL1の電線Wから上ローラ121aが離れる。このとき上ローラ121aは電線Wの上方に位置している。このように短い電線長の電線グループL1から順次上ローラ121aが上方に上がり、最後の最も長い電線長の電線グループL3の測長が終わったときには、全ての上ローラ121aが上方に待避している。
【0038】
〔電線ガイド部〕
電線ガイド部130は、図1、図2に示されるように、複数の電線Wを平面上に整列させて、動かないように保持しながら、子側圧接部40と親側圧接部80との間を往復移動し、親コネクタCpと、子コネクタC1・・・C3間に電線Wを掛け渡すものである。電線ガイド部130は、底盤と蓋とを備えている。この底盤には、複数の電線Wをガイドする溝が彫られている。溝間隔は後方(電線入側)で広く、前方(電線出側)に向かうほど狭くなり、前端のピッチは子コネクタの端子ピッチに等しくなる。この溝は、電線Wの径よりもやや大きめであり、電線Wはこの溝をスムーズに移動可能である。底盤には蓋が被せられて電線Wがバラケないようにされている。
【0039】
電線ガイド部130は、チャック部133を備えている。このチャック部133は、電線Wをチャックして保持するものであり、チャック部133は、電線チャック用エアーシリンダ139によって駆動する。電線ガイド部130は、底盤に切断刃134を備えている。切断刃134は、子側圧接パンチ42あるいは親側圧接パンチ82と協働して電線Wを所定位置で切断する。
電線測長部120、電線ガイド部130は、一つの盤面にあって、この盤面は電線ユニット移動用サーボモータ138によって、左右方向(電線供給方向)に前進、後退する。
【0040】
〔エアブロー部〕
エアブロー部90は、図1、図2に示されるように、子側コネクタガイド部30と、親側コネクタガイド部70との間の上方に位置する。エアブロー部90は、端部に子コネクタC1・・・C3が圧接された電線Wにエアーを吹きつけて、開放された子コネクタC1・・・C3を確実に垂れ下がらせるためのものである。エアブロー部90は、エアブロー上下シリンダ99につながっていて、上下方向に移動可能である。
【0041】
〔コネクタ排出部〕
コネクタ排出部110は、図1に示されるように、親側コネクタ搬送レール61の作業者側の部分である。親コネクタCp、子コネクタC1・・・C3が電線Wに圧接されたマルチハーネスMは、複数の子コネクタC1・・・C3は、全て搬送レール21から開放されて垂れ下がった状態であり、親コネクタCpが搬送レール61にガイドされて移動する。
【0042】
〔作用的説明 工程順に説明〕
これまで、マルチハーネスMの圧接装置1について、その構成について説明してきた。これ以後は、その構成がどのように作用して電線WにコネクタCp、C1、C2、C3が圧接されていくのかを、図24に示されるように、工程を1から10に分けて工程ごとに
説明していく。
【0043】
〔工程1〕
工程1は、図9に示されるように、電線ガイド部130が子側圧接部40まで移動する工程である。
電線Wは、電線ガイド部130のチャック部133で保持されていて、一括して子側圧接部40まで送られる。電線Wは、電線ガイド部130が子側圧接部40まで移動した際、送り出しローラ(電線測長ローラ121)で、圧接代分(数ミリ〜10ミリ程度)が送り出される。この送り出された電線Wは、子コネクタC1・・・C3に組み付けられた端子の上方に位置し、圧接を待つ状態にある。
この電線Wの圧接代分の送り出しは、全ての電線グループL1・・・L3の複数の電線Wに対して同時におこなわれる。電線W一本に対して1個の送り出しローラ(測長ローラ121)が備わるので、全電線Wの同時送り出しが可能である。これにより、電線測長工程の高速化が図られている。
【0044】
〔工程2〕
工程2は、図10に示されるように、電線Wを子コネクタC1・・・C3の端子に圧接する工程である。
工程1で子コネクタC1・・・C3に組み付けられた端子の上方に電線Wが配置されると、電線Wは、圧接準備完了状態である。この状態の電線Wに対して上方から子側圧接パンチ42が下降を開始し、電線Wを端子に圧接する。子側圧接パンチ42が最下点に達し反転して上昇するときには圧接は完了し、子コネクタC1・・・C3に電線Wが接続された状態である。
子側圧接パンチ42は櫛歯状で、全電線グループL1・・・L3に含まれる全電線数分のパンチが備わっている。したがって、子側圧接パンチ42の上下一動作で、全電線Wの子コネクタC1・・・C3への圧接が完了する。このような一括処理によって、子側圧接工程の高速化が図られている。
【0045】
〔工程3〕
工程3は、図11、図12に示されるように、電線ガイド部130が途中位置まで後退する工程である。
電線ガイド部130は、電線Wをクランプするチャック部133を開放した状態で後退する。後退位置は、後退経路の途中で子側圧接部40と、親側圧接部80との中間位置である。この間、子コネクタC1・・・C3は、子側コネクタガイド部30で保持されている。これにより、子コネクタC1・・・C3に圧接された電線Wは、電線ガイド部130が後退した距離分空中に懸架された状態である。
【0046】
〔工程4〕
工程4は、図13に示されるように、コネクタカバー31が上昇して受け部32の側面で子コネクタC1・・・C3をガイドしていたブレーキ35が相対的に下降する工程である。
側面のガイドが解かれた子コネクタC1・・・C3は、圧接された電線Wの後方(図13の紙面左側)への移動によって、この電線Wの動きとともに後方に移動可能な状態にある。子側コネクタガイド部30の上方への移動によって、電線Wの位置レベルと、子コネクタC1・・・C3の位置レベルとが水平面上で等しくなる。
【0047】
〔工程5〕
工程5は、図14に示されるように、電線ガイド部130が工程3の位置よりもさらに後方(図14の紙面左側)の位置に後退する工程である。しかしこの位置も後退途中の中間位置である。電線ガイド部130は、電線チャック部133のクランプを作動させなが
ら、つまり電線Wを保持しながら後退する。したがって、工程4で後退準備状態にあった全ての子コネクタC1・・・C3は、このとき子側コネクタガイド部30から開放される。開放された子コネクタC1・・・C3は、下面のガイドを失うので子コネクタC1・・・C3、及び電線Wの重みで垂れ下がる。
【0048】
〔工程6〕
工程6は、図15、図16に示されるように、電線ガイド部130が親側圧接部80の位置まで電線Wを保持した状態で後退する工程である。
親側圧接パンチ82は上方で待機した状態で、電線ガイド部130に組み込まれた対応する切断刃134は下方にある。このとき電線Wはまだ測長されていない。
【0049】
〔工程7〕
工程7は、図17に示されるように、上位で待機していたエアブロー部90が下位に移動する工程である。
エアブロー部90のエアノズルは下方に向かいエアーを下方に吹きつける。エアブロー部90は、電線Wにつながった子コネクタC1・・・C3の上方近くまで下降してくる。このようにエアブロー部90のエアー吹きつけエリア内に子コネクタC1・・・C3は入っている。これにより、子コネクタC1・・・C3は確実に下方に垂れ下がる。
【0050】
〔工程8〕
工程8は、図18、図19に示されるように、子コネクタC1・・・C3に圧接された電線Wの電線長を測長する工程である
上位で待機していた測長上ローラ121aが下降し電線Wに上ローラ121aが接触する。このとき下で待機していた下ローラ121bとともに上下一対のローラ121a、121bで電線Wを挟持する。測長ローラ121は、電線Wの本数分備わっている。測長ローラ121は、電線測長用サーボモータ128でベルトによって駆動する。
【0051】
必要電線長を測長ローラ121の回転量で測長する。測長と同時に電線Wが送り出される。測長は、電線グループL1・・・L3単位で電線Wごとにおこなわれる。このとき子コネクタC1・・・C3には、測長前にいくらかの電線Wがつながっているが、この量を考慮して必要電線長が送り出される。
本発明の実施形態によれば、最短電線長は、図8に示されるように、子コネクタC1・・・C3が電線ガイド部130の前端に接するように位置するときである。この距離は、電線ガイド部130の形状によるが、このような基本構成をとることによって最短電線長を30ミリ程度に設計することは可能である。
【0052】
電線測長ローラ121で電線Wを測長、送り出し中もエアブロー部90からエアーが吹きつけられている。電線Wの端部につながった子コネクタC1・・・C3は自然と自重で垂れ下がるものではあるが、中には、不用意な作用によって浮き上がったりして隣の電線と絡まるものが発生する場合がある。したがって、この垂れ下がりを一層確実におこなわせるためにエアーが吹きつけられている。これにより、電線Wの浮き上がりによる電線同士の絡まりが防がれ、圧接装置のスムーズな連続稼動をより確かなものにしている。
【0053】
〔工程9〕
工程9は、図20、図21に示されるように、長さ違いの電線長を測長する工程である。
子コネクタC1・・・C3ごとに電線グループL1・・・L3が規定され、電線グループL1・・・L3単位で電線Wごとに電線長が測長される。測長は、全電線グループL1・・・L3が同時に開始され、短い電線グループL1から長い電線グループL3の順に測長が順次終了していく。
【0054】
〔工程10〕
工程10は、図22に示されるように、測長された電線Wを親コネクタCpに圧接する工程である。
圧接は、横方向に配列された電線Wの一側端から他側端まで電線Wごとに順次おこなう個別方式である。このとき、電線ガイド部130にガイドされている電線Wは、電線チャック部133のクランプが開放状態である。上方で待機していた親側圧接パンチ82は、圧接位置まで下降して一側端から他側端まで順次測長された電線Wを親コネクタCpの端子に圧接していく。
【0055】
親コネクタCpは、親側コネクタガイド部70のコネクタカバー71の受け部72に保持されている。電線Wは、電線ガイド部130に保持されて、電線ガイド部130は、圧接中は動かない。電線ガイド部130は、子コネクタC1・・・C3のピッチに合わせて電線Wを保持している。
親コネクタCpと、子コネクタC1・・・C3とのピッチが異なる場合、親側コネクタガイド部70が両者のピッチ差を補正する量も含めて一端子圧接ごとに横方向に移動する。親側圧接パンチ82は、一端子ずつ圧接する方式で、圧接ごとに電線ガイド部130の電線ピッチずつ横方向に移動する。
【0056】
すなわち、電線ガイド部130で固定された電線Wを間において、上方では、親側圧接パンチ82が1ピッチずつ横方向に移動し、下方では、親側コネクタガイド部70が子コネクタC1・・・C3と親コネクタCpとのピッチ差を補正する量も含めて横方向に一端子圧接ごとに移動する。
親コネクタCpに全電線グループL1・・・L3に含まれる電線Wが全て圧接されると、図25に示されるような、電線長が異なる電線グループL1・・・L3からなるマルチハーネスMが得られる。
親側コネクタガイド部70は、大きさ次第で複数の親コネクタCpを収容することが可能で、同時に複数のマルチハーネスMを完成させることができる。
【0057】
〔作用、効果〕
上述したように工程1から工程10までの1サイクルが終了したマルチハーネス圧接装置を再び初期状態に戻して、上記工程を繰り返すことによって、自動運転によるマルチハーネスの連続形成が可能である。
本発明のマルチハーネス圧接装置によれば、子コネクタのピッチと、親コネクタのピッチとが異なる場合、親側コネクタ圧接の際、親側圧接パンチ及び親側コネクタガイド部がピッチ差分を考慮して移動することによって、ピッチずれが補正される。この方式によって、ピッチ変換用のテンプレートを備える必要がなくなり、テンプレートの作成や、型変更時の段替が不要になる。ピッチ補正の設定は操作盤からキー入力によっておこなうので型変更時の作業が軽減される。
【0058】
本発明のマルチハーネス圧接装置によれば、子コネクタの圧接は、子側コネクタガイド部に保持された複数の子コネクタに対して一括して同時におこなうことができるので、圧接工程の作業時間を早めることができる。
本発明のマルチハーネス圧接装置によれば、親コネクタの圧接時、電線測長は、全電線に電線測長ローラが備わるので、全電線の測長を同時に開始することができる。これにより、電線測長工程の作業時間を早めることができる。
【0059】
本発明のマルチハーネス圧接装置によれば、電線ガイド部が子側圧接部、及び親側圧接部に電線の掛け渡しをし、かつ親コネクタ圧接時、子コネクタが子側コネクタガイド部から開放されるので、電線長が短い電線グループを含むマルチハーネスの形成が可能である

本発明のマルチハーネス圧接装置によれば、子コネクタの圧接が終了した後、子コネクタは、子側コネクタガイド部から開放され、この開放された子コネクタに対して上方に位置するエアブロー部からエアーが吹きつけられる。これにより、電線が圧接された子コネクタは確実に垂れ下がり、電線同士の絡まりによる不具合が防がれる。
【0060】
本発明のマルチハーネス圧接装置によれば、測長ローラの駆動方式は、ひとつのモータでベルトを介して全ての電線分の測長ローラを回転させるものである。これによりコンパクト化とともに精度のよい電線測長がおこなえる圧接装置が得られる。
本発明のマルチハーネス圧接装置によれば、電線測長方法は、全電線分の複数の測長ローラを電線に接触させ、同時に回転させて測長を開始するとともに、測長の終了した短い電線グループから順次測長ローラが離れて、最後にのこった最も長い電線グループまで測長が続くものである。このように全電線が一斉に測長されるので1サイクルの時間が短縮される。
本発明のマルチハーネス圧接装置によれば、コネクタが圧接されたマルチハーネスは、圧接装置手前の作業者側に排出される。これにより圧接状態の確認がしやすく正常でない状態の早期発見、早期対応が可能である。
【0061】
〔その他の実施形態〕
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は、上述した実施形態に限られるものではなく、発明思想の範囲内で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0062】
1 圧接装置
21 搬送レール
30 子側コネクタガイド部
31 コネクタカバー
32 受け部
33 受け面
35 ブレーキ
36 コイルスプリング
38 コネクタ移動用サーボモータ
39 コネクタカバー上下駆動シリンダ
40 子側圧接部
41 子側圧接パンチダイ
42 子側圧接パンチ
48 子側圧接パンチ用サーボモータ
61 搬送レール
70 親側コネクタガイド部
71 コネクタカバー
72 受け部
73 受け面
75 ブレーキ
76 コイルスプリング
78 コネクタ移動用サーボモータ
80 親側圧接部
81 親側圧接パンチダイ
82 親側圧接パンチ
88 親側圧接パンチ用サーボモータ
89 圧接パンチ移動用サーボモータ
90 エアブロー部
99 エアブロー上下シリンダ
100 排出部
120 電線測長部
121 電線測長ローラ
121a 上ローラ
121b 下ローラ
128 電線測長用サーボモータ
129 電線測長ローラ上下シリンダ
130 電線ガイド部
133 チャック部
134 切断刃
138 電線ユニット移動用サーボモータ
139 電線チャック用エアーシリンダ
C1・・・Cn 子コネクタ
Cp 親コネクタ
W 電線
L1・・・Ln 電線グループ
M マルチハーネス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電線の一端に親コネクタCpが圧接され、
他端に電線長が異なる電線グループL1・・・Lnごとに複数の子コネクタC1・・・Cnが圧接されたマルチハーネスを形成するためのマルチハーネスの圧接方法であって、
複数の子コネクタC1・・・Cnをコネクタガイド部で保持し、子コネクタC1・・・Cnに電線の一端を一括して圧接する子側圧接工程、
この電線が圧接された子コネクタC1・・・Cnをコネクタガイド部から外に開放する開放工程、
この開放された複数の子コネクタC1・・・Cnの各々に圧接された電線グループL1・・・Lnの各々を、並列する複数の電線の幅方向の一側に位置する電線グループL1から他側に位置する電線グループLnに至るまで、電線ごとに測長する電線測長工程、
親コネクタCpをコネクタガイド部で保持し、幅方向に並ぶ電線グループL1・・・Lnを、一側に位置する電線グループL1から他側に位置する電線グループLnまで順次、親コネクタCpに圧接、切断する親側圧接工程、を含むマルチハーネスの圧接方法。
【請求項2】
前記電線測長工程の電線測長時またはその直後に電線に向かって上方から下方にエアーが吹きつけられるエアブロー工程が備わることを特徴とする請求項1記載のマルチハーネスの圧接方法。
【請求項3】
複数の電線の一端に親コネクタCpが圧接され、
他端に電線長が異なる電線グループL1・・・Lnごとに複数の子コネクタC1・・・Cnが圧接されたマルチハーネスの圧接装置であって、
複数の子コネクタC1・・・Cnを保持するための子側コネクタガイド部、
親コネクタCpを保持するための親側コネクタガイド部、
電線供給部から供給される複数の電線を搬送する電線ガイド部、
電線供給部から供給される複数の電線を測長する電線測長部、
電線供給部から送り出される複数の電線を複数の子コネクタC1・・・Cnに対して圧接する子側圧接パンチ、及び電線測長部から送り出される複数の電線を親コネクタCpに対して圧接する親側圧接パンチ、を有する圧接部、
を備え、
前記子側コネクタガイド部は、子コネクタC1・・・Cnの保持、及び開放手段を備え、供給された複数の子コネクタC1・・・Cnを保持し、子コネクタC1・・・Cnに電線が前記子側圧接パンチによって一括圧接されたあと、子コネクタC1・・・Cnを開放し、
この一端に子コネクタC1・・・Cnが圧接された電線を前記電線測長部で電線グループL1・・・Ln毎に順次測長し、
この電線の測長完了後、前記親側圧接パンチで切断、圧接するところに特徴を有するマルチハーネスの圧接装置。
【請求項4】
請求項3記載のマルチハーネスの圧接装置の子側コネクタ圧接部と、親側コネクタ圧接部との間に上方から下方にエアーが吹きつけられるエアブロー部が備わり、開放された前記子コネクタがこのエアーを受けて下方に垂れ下がるところに特徴を有するマルチハーネスの圧接装置。
【請求項5】
前記電線ガイド部は、電線供給方向に沿って移動可能で、前進端は、前記子側コネクタガイド部まで移動し、後退端は、前記親側コネクタガイド部まで移動することで、電線を子コネクタC1・・・Cn、親コネクタCpに供給するところに特徴を有する請求項3または4記載のマルチハーネスの圧接装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate