説明

圧縮成形用組成物、圧縮成形体の製造方法及び成形状態の評価方法

【課題】 本発明は顆粒状圧縮成形用材料に着色顆粒状無機材料を分散させて圧縮成形し、得られる成形体の着色状態を観察することにより成形条件の最適化を熟練者ではなくとも容易に調整することを可能にする成形状態の評価方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 セラミックス粉又は金属粉を顆粒状に造粒して得られる顆粒状無機材料を主成分とする圧縮成形用組成物であって、前記顆粒状無機材料の一部分が表面に有機系着色剤が付着された着色顆粒状無機材料であることを特徴とする圧縮成形用組成物を用いて圧縮成形することにより得られる成形体の着色領域を観察する成形状態の評価方法による。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセラミックス又は金属等の粉末圧縮成形工法(Powder Compaction Mold、以下、PCMともいう)に用いられる圧縮成形用組成物及び該組成物を用いた圧縮成形体の製造方法及び成形状態の評価方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、各種無機材料の焼結体を得るためにセラミックス又は金属粉末にバインダ(ワックス、ポリマーなどの低分子又は高分子化合物や分散剤その他の有機化合物を配合した組成物)を5〜10質量%程度配合して造粒した顆粒状の圧縮成形用材料を用いた粉末圧縮成形工法が用いられている。
【0003】
粉末圧縮成形工法においては、はじめに、圧縮成形用金型のキャビティに圧縮成形用材料を充填した後、圧縮成形用金型により圧縮成形用材料を圧縮し、目的とする形状の焼結前の成形体(いわゆるグリーン体)を得る。
【0004】
グリーン体の製造の際には、圧縮成形用材料は圧縮成形用金型の複数個の部分に分割されたパンチで構成されるキャビティ内に充填された後、パンチで拘束されて圧縮されるが、成形体形状に偏肉部分、即ち厚さの異なる部分を有する成形体を成形する場合においては、各部分における粉粒体の密度差が生じないように薄い部分と厚い部分の圧縮率が近くなるように調整する必要がある。このためにはそれぞれのパンチを最適なタイミングで可動させて圧縮成形用材料をキャビティ内部で圧縮し、移送させることが必要になる。
【0005】
更に、圧縮成形用材料は、その製造ロットのバラツキのために同じ形状の成形体を製造する場合においても前記キャビティ内部での移送される方向や圧力が変化する。そのために、前記製造ロット毎に各パンチの可動の最適なタイミング条件を適宜設定しなければグリーン体の密度がばらつき、従って得られる焼結体の寸法にばらつきが生じるという問題があった。
【0006】
しかしながら複雑な形状を有する成形体を成形する場合における、パンチ可動の最適なタイミング条件の設定は難しく熟練者のトライアンドエラーにより調整するしかなく、そのような熟練者によっても未だ完全なタイミング条件の設定は不充分であった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、圧縮成形体の材料の圧縮状態を着色により可視化し、その着色領域が示す形態の結果を成形条件にフィードバックして成形条件の最適化を熟練者ではなくとも容易に調整することを可能にするための新規な成形状態の評価方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明はセラミックス粉又は金属粉を顆粒状に造粒して得られる顆粒状無機材料を主成分とする圧縮成形用組成物であって、前記顆粒状無機材料の一部分が表面に有機系着色剤が付着された着色顆粒状無機材料であることを特徴とする圧縮成形用組成物である。
【0009】
また、請求項2の発明は予め顆粒状無機材料全体の粒子径分布における最大粒子径から15〜25質量%に相当する部分を選択し、選択された顆粒状無機材料の表面に有機系着色剤を付着させて前記着色顆粒状無機材料とする圧縮成形用組成物である。
【0010】
さらに、請求項3の発明は前記有機系着色剤が圧縮されることにより発色するものである圧縮成形用組成物である。
【0011】
また、請求項4の発明は前記圧縮成形用組成物を用いて圧縮成形する工程を備えた圧縮成形体の製造方法である。
【0012】
そして、請求項5の発明は前記圧縮成形体の製造方法により得られる圧縮成形体の着色された領域を観察することを特徴とする成形状態の評価方法である。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の圧縮成形用組成物を用いて圧縮成形して得られる成形体中の着色領域を観察すると高い圧縮がかかる部位は着色顆粒状無機材料が大きくつぶれ、低い圧縮がかかる部位は着色顆粒状無機材料が殆んどつぶれないので、着色顆粒状無機材料の形態を観察することによりその圧力状態(圧力の大きさや方向)を可視化することができる。従って成形体中の圧縮密度やその分布等が容易に把握でき、経験の浅い者でも加工条件を最適化することができる。また、焼結時に有機系着色剤が消失するために最終製品である焼結体には着色領域が残らないという効果もある。
【0014】
また、請求項2の圧縮成形用組成物を用いた場合には,有機系着色剤が付着している顆粒状無機材料の粒径が大きいので着色領域が容易に認識でき、また、成形材料の元々の粒度分布を同じに保ちつつ(顆粒の流動度も同じ)圧力状態の可視化が容易になる効果がある。
【0015】
さらに、請求項3の圧縮成形用組成物を用いた場合において、有機系着色剤が圧縮されることにより発色するものを用いた場合には圧縮成形時に一定以上の圧力を受けた場合にのみ発色するために、成形体中の各部分にかかった実圧力を把握することができる。
【0016】
また、請求項4の圧縮成形体の製造方法によれば、圧縮成形時の圧力分布や流動方向を可視化することができる焼結前の成形体(グリーン体)を得ることができる。
【0017】
そして、請求項5に記載の成形状態の評価方法を用いることにより、焼結前のグリーン体の密度分布を把握することができるために、成形体中の圧縮密度やその分布等を容易に把握でき、経験の浅い者でも加工条件を最適化することができる。また、焼結時に有機系着色剤が消失し、最終製品である焼結体には着色領域が残らないために、焼結工程の前段階で品質検査ができる効果もある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の圧縮成形用組成物はセラミックス粉又は金属粉を顆粒状に造粒して得られる顆粒状無機材料を主成分とする圧縮成形用組成物であって、前記顆粒状無機材料の一部分が表面に有機系着色剤が付着された着色顆粒状無機材料であることを特徴とするものである。
【0019】
本発明の圧縮成形用組成物で用いられるセラミックス粉又は金属粉を顆粒状に造粒して得られる顆粒状無機材料は粉末圧縮成形工法において従来から用いられている成形材料であれば特に限定無く用いられる。
【0020】
前記顆粒状無機材料は、例えばその一例として、アルミナの場合には以下のようにして得られる。
【0021】
すなわち、水に0.5〜1.2μm程度の粒径のアルミナとシリカや各種金属酸化物を含有する焼結助剤とを入れて混合して泥しょうを作製し、さらに、通常用いられるバインダや可塑剤等の添加剤をセラミックス粉又は金属粉の粉体重量の2〜6質量%程度になるように添加する。そして、各種造粒法(例えば、スプレードライヤー法等)により粒子径が40〜160μm程度、更には80〜100μm程度に造粒されたものである。
【0022】
本発明におけるセラミックス粉又は金属粉の具体例としては、前記アルミナの他、例えば、窒化アルミニウム、ジルコニア、炭化ケイ素、アルミ、銅等が挙げられる。
【0023】
また、バインダとしてはポリビニルアルコール(PVA)やメチルセルロース等が、可塑剤としてはポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等やその他の有機化合物を配合した組成物が挙げられる。
【0024】
また、本発明における顆粒状無機材料は、前記顆粒状無機材料の一部分の顆粒表面に有機系着色剤が付着された着色顆粒状無機材料を含有することを特徴とする。なお、本発明における付着とは顆粒状無機材料の全表面を被覆した状態の他、表面の一部分のみに有機系着色剤が物理的・化学的に付着している状態をも含むことを意味する。
【0025】
前記有機系着色剤が付着される顆粒状無機材料の割合は顆粒状無機材料全量中15〜25質量%程度であることが好ましい。前記有機系着色剤が付着される顆粒状無機材料の割合が多すぎる場合には得られる圧縮成形体中の着色領域同士が重なることがあり、着色領域の境界が不明確になり成形状態の評価が困難になり、少なすぎる場合には前記成形状態の評価において着色領域全体の形状の傾向等が把握しにくくなる傾向がある。
【0026】
有機系着色剤としては、特に限定されないが、例えばフタロシアニン系のフタロシアニンブルーやフタロシアニングリーン、ジアゾ系のベンジジンイエローやカーミン6B等、レーキ系のレーキレッドC、ジオキサジンバイオレット等、チアジン系のメチレンブルー等が用いられる。
【0027】
また、有機系着色剤はマイクロカプセル中に封入された形態であってもよい。このように有機系着色剤がマイクロカプセルに封入されている場合には、圧縮成形時にかかる圧力によりマイクロカプセルが割れ、中の着色剤が外部に出てきて発色することになる。
【0028】
従って、例えば、マイクロカプセルの強度を調節し、一定圧以上の圧力がかかった場合に割れるものを用いた場合には、圧縮成形時にどの部分にどれくらいの圧力が掛かったかを可視的に把握することができる。
【0029】
また、色の異なる着色剤をそれぞれ強度が異なるマイクロカプセルに封入したものを調製し、それらを顆粒状無機材料の表面に付着させて着色顆粒状無機材料とすることで圧縮成形時に得られる成形体において、どの部分にどの程度の圧力が掛かったかをその色の種類により可視化することもできる。
【0030】
マイクロカプセルは公知の方法により製造することができる。具体的な例としては発色剤としてクリスタルバイオレットラクトンを用いた場合について以下に説明する。
【0031】
まず、発色剤としてクリスタルバイオレットラクトンをジイソピルナフタレンに加熱溶解してクリスタルバイオレットラクトン組成物を調製する。一方、ポリビニルアルコールやセルロースを水に溶解し、ジイソシアン酸ヘキサメチレンを加えてポリビニルアルコール溶液又はセルロース溶液を製造する。
【0032】
次に、前記クリスタルバイオレットラクトン組成物に前記ポリビニルアルコール溶液又はセルロース溶液を少量ずつ添加しながら常温で1時間ほど撹拌し、油滴を微分散させて分散液を調製する。
【0033】
前記分散液にジエチレントリアミンを加えて80℃で約1時間加熱し、クリスタルバイオレットラクトンを含有するマイクロカプセルを得、さらにポリビニルアルコール、セルロース、水を加えて希釈し、活性白土(顕色剤)を加えることでマイクロカプセルと活性白土が分散したマイクロカプセル分散液が得られる。このようにして得られるマイクロカプセルは粒子径が1〜10μm程度のものである。
【0034】
なお、前記顆粒状成形材料としては、予め顆粒状無機材料全体の粒子径分布における最大粒子径から15〜25質量%に相当する顆粒を選択し、選択された顆粒表面に有機系着色剤を付着させることが元々の粒度分布を同じに保ちつつ(顆粒の流動度も同じに保てるることから、焼結後の収縮率も同じに保てる)圧力状態の可視化が容易になる効果がある点から好ましい。
【0035】
顆粒状無機材料の顆粒表面に有機系着色剤を付着させる方法としては、有機系着色剤をそのまま、あるいはマイクロカプセルに封入した状態で溶媒中に溶解又は分散させる。そして、その液中に顆粒状無機材料を添加してミキサー等で分散混合し、その後溶媒を除去することにより着色顆粒状無機材料が得られる。なお、前記溶媒を除去することにより塊状になる場合がある。その場合には、必要に応じてミル等の粉砕機を用いて破砕することが好ましい。
【0036】
有機系着色剤と顆粒状無機材料との混合割合は顆粒状無機材料100質量部に対して有機系着色剤0.1〜1質量部、更には0.3〜0.7質量部混合することが好ましい。前記割合が0.1質量部未満の場合には着色が不完全になり、前記割合が1質量部をこえる場合には顆粒の流動度が悪くなり成形が困難になる傾向がある。
【0037】
そして、得られた着色顆粒状無機材料を前記顆粒状成形材料に配合することにより本発明の圧縮成形用組成物が得られる。
【0038】
なお、圧縮成形用組成物に含有される着色顆粒状無機材料は混合することにより均一分散させてもよく、また、後述する圧縮成形金型のキャビティ内に着色されていない顆粒状成形材料と着色顆粒状無機材料とを層状になるように重ねて給粉してもよい。
【0039】
本発明の圧縮成形用組成物は、公知の粉末圧縮成形工法を用いて成形される。
【0040】
具体的には、例えば、はじめに、複数個の部分に分割されたパンチで構成されるキャビティに本発明の圧縮成形用組成物を充填した後、上下に対向するパンチを可動させて圧縮成形用材料を圧縮し、目的とする形状の焼結前の成形体(グリーン体)を得る。
【0041】
この際、本発明の圧縮成形用組成物を用いた場合には、グリーン体は着色顆粒状無機材料により着色された状態で得られる。
【0042】
そして、この着色状態を光学顕微鏡等を用いて観察することにより、圧縮成形時にグリーン体の各部分に掛かった圧力等を可視的に観察することができる。また、この観察によりグリーン体中における各部分の材料密度のバラツキ等を把握することもできる。
【0043】
この際に、グリーン体各部分における着色状態の不均一さが大きい場合には、着色状態が均一になるように圧縮成形条件、即ち、成形体形状に応じた各パンチの可動速度や速度変更のタイミングを調整し、着色状態を目安に容易に調整することができる。
【0044】
また、前記着色状態の観察は表面観察だけではなく、得られたグリーン体を切断し、その切断面を観察することも好ましい。
【0045】
また、本発明の評価方法は、試作段階の成形条件検討においてのみ用いられるのではなく、製品量産の際に用いてもよい。
【0046】
すなわち、量産において焼結前に圧縮密度の偏りが大きいものはその際に除去することができるために得られる成形体の不良品の発生を焼結工程の前に減らすことができる。
【0047】
なお、本発明において用いられる着色剤は有機系着色剤であるために、通常450℃以上の加熱により分解されて消失する。従って、前記着色領域は次工程の脱脂工程や焼結工程における加熱において分解され、最終製品である焼結体には残らないために量産時の品質管理にも用いることができる。
【0048】
前記グリーン体は、その後600℃程度で加熱されてバインダ等の有機物と共に有機系着色剤が除去され、脱脂された成形体(ブラウン体)が得られる。
【0049】
そして、前記得られた成形体を通常の焼結温度、例えばアルミナの場合には1550〜1650℃程度で焼結することにより焼結体が得られる。
【0050】
本発明の圧縮成形用組成物を用いた成形方法及び成形状態の評価方法について、さらに具体的に実施例を用いて以下に説明する。
【実施例】
【0051】
(圧縮成形用組成物の作製)
圧縮成形用組成物として、アルミナを造粒して得られる平均粒径90μmの顆粒状無機材料のうち、その粒子径分布における最大粒子径から20質量%に相当する部分の顆粒を選択し、その表面に有機系着色剤としてメチレンブルー等を付着させた着色顆粒状無機材料を得た。
【0052】
なお、前記着色顆粒状無機材料は以下のような方法により得られた。
【0053】
即ち、106〜125メッシュの篩いを用いて、前記顆粒状無機材料をメッシュの小さいものから順に篩い掛けし、顆粒状無機材料全量に対して、粒子径の大きいものから20質量%に相当する部分の顆粒状無機材料を選択した。
【0054】
次に、前記選択した顆粒状無機材料を溶媒であるアルコールに添加し、更に、前記顆粒状無機材料100質量部に対して有機系着色剤としてメチレンブルーを0.5質量部添加し、均一になるように攪拌混合して混合液を得た。
【0055】
次に、得られた混合液から溶媒を除去することにより着色顆粒状無機材料が得られた。
【0056】
そして、前記着色顆粒状無機材料を有機系着色剤を付着させなかった元の顆粒状無機材料と均一になるように混合することにより圧縮成形用組成物が得られた。
(圧縮成形工程)
図1は本発明の圧縮成形用組成物を用いた圧縮成形工程の断面模式図を示す。
【0057】
図1中の圧縮成形用金型は2つの上パンチ1,2から構成される上型と、2つの下パンチ3,4及びダイス5から構成される下型から構成されており、また、下型にはダイス5と下パンチ3,4によりキャビティ6が形成されている。
【0058】
まず、圧縮成形用組成物10を図1(a)に示すようにキャビティ6に充填した。
【0059】
次に、図1(b)に示すように上パンチ1,2を下降させ、図1(c)に示すように10Maの圧力で圧縮成形用組成物10を等方圧縮した。この際、圧縮成形用組成物10には上方からの力がかかっているために、その着色顆粒状無機材料11の形状は図1(c)の模式図に示すように偏平形状をしていると思われる。
【0060】
そして、さらに図1(d)に示すように上パンチ2及び下パンチ4を更に下降させて、圧縮成形体を得た。
【0061】
得られた圧縮成形体について、図1におけるA部及びB部の着色状態を光学顕微鏡等を用いて20倍程度で観察した。
【0062】
そのときの観察結果の写真を図2に示す。
【0063】
図2(a)中、A部付近では比較的着色顆粒状無機材料の輪郭が明瞭であるが、B部付近では、着色顆粒状無機材料が図中左右方向に配向するように偏平につぶれ、つぶれた着色顆粒状無機材料同士が重なり合ってその輪郭が不明瞭になっている。従ってA部付近よりもB部付近の方が高い圧力を受け、また圧縮密度が高くなっていることがわかる。
【0064】
次に、前記観察結果を参考にして、上パンチ2及び下パンチ4の移動速度を上げ、パンチ1及び下パンチ3の速度より速く動く様に調整した以外は前記と同様にして圧縮成形体を作製した。
【0065】
そのときの観察結果の写真を図2(b)に示す。
【0066】
図2(b)中、A部付近及びB部付近において、共に着色顆粒状無機材料の輪郭が明瞭であり、その輪郭形状及び配向方向も殆んど同様の形態であった。
【0067】
従って本条件ではA部付近とB部付近において圧縮時に掛かった圧力は比較的均質であり、そのため得られる圧縮成形体の密度に殆んど差が生じていないことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】実施例で用いた圧縮成形工程の模式断面図を示す。
【図2】実施例における圧縮成形工程により得られる成形体の着色領域の観察状態を示す図面代用写真。
【符号の説明】
【0069】
1,2 上パンチ
3、4 下パンチ
5 ダイス
6 キャビティ
10 圧縮成形用組成物
11 着色顆粒状無機材料
A、B 成形体の着色領域の観察部位。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックス粉又は金属粉を顆粒状に造粒して得られる顆粒状無機材料を主成分とする圧縮成形用組成物であって、前記顆粒状無機材料の一部分が表面に有機系着色剤が付着された着色顆粒状無機材料であることを特徴とする圧縮成形用組成物。
【請求項2】
予め顆粒状無機材料全体の粒子径分布における最大粒子径から15〜25質量%に相当する部分を選択し、選択された顆粒状無機材料の表面に有機系着色剤を付着させて前記着色顆粒状無機材料とする請求項1に記載の圧縮成形用組成物。
【請求項3】
前記有機系着色剤が圧縮されることにより発色するものである請求項1又は請求項2に記載の圧縮成形用組成物。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の圧縮成形用組成物を用いて圧縮成形する工程を備える圧縮成形体の製造方法。
【請求項5】
請求項4に記載の圧縮成形体の製造方法により得られる圧縮成形体の着色された領域を観察することを特徴とする成形状態の評価方法。


【図1】
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【図2】
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