説明

圧縮撚線導体の製造方法

【課題】複数の素線を撚り合わせて圧縮する際に、圧縮形態の乱れをなるべく抑制できるようにすること。
【解決手段】複数の素線を撚り合わせて圧縮する圧縮撚線導体の製造方法であって、前記複数の素線を集合させる工程と、前記複数の素線を撚り合わせる工程とを備える。さらに、集合された前記複数の素線を、複数回の分割圧縮工程に分けて圧縮する工程であり、前記複数の分割圧縮工程のうちの少なくとも1つが撚り合わせ完了後の前記複数の素線に対して行われる工程をも備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の素線を撚り合わせて圧縮する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、特許文献1に開示のように、複数の素線を撚り合わせて圧縮することによって、圧縮撚線導体を製造する技術がある。
【0003】
また、圧縮撚線導体が複数の層によって構成されている場合には、特許文献2に開示のように、中心に近い層から1層ずつ圧縮成型する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平8−1217号公報
【特許文献2】特開2000−311528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の場合でも、特許文献2の場合でも、所望の最終圧縮形状を得るためには、当該所望の最終圧縮形状に応じた圧縮率で、全ての素線を集合させて圧縮を行う必要がある。なお、ここで、圧縮率とは、(圧縮前の導体断面積−圧縮後の導体断面積)/(圧縮前の断面積)で求められる。
【0006】
しかしながら、発明者らは、複数の素線を集合させた後に圧縮を行うと、図10に示すように、複数の素線110a、110bのうちの一部の素線110aが、圧縮後に反転してしまい、圧縮形態に乱れが生じてしまうことがあるという問題を見出した。
【0007】
そこで、本発明は、複数の素線を撚り合わせて圧縮する際に、圧縮形態の乱れをなるべく抑制できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、第1の態様は、複数の素線を撚り合わせて圧縮する圧縮撚線導体の製造方法であって、(a)前記複数の素線を集合させる工程と、(b)前記複数の素線を撚り合わせる工程と、(c)集合された前記複数の素線を、複数回の分割圧縮工程に分けて圧縮する工程であり、前記複数の分割圧縮工程のうちの少なくとも1つが撚り合わせ完了後の前記複数の素線に対して行われる工程とを備える。
【0009】
第2の態様は、第1の態様に係る圧縮撚線導体の製造方法であって、前記複数の分割圧縮工程のうちの少なくとも他の1つが、集合後撚り合わせ前の前記複数の素線に対して行われる。
【発明の効果】
【0010】
第1の態様によると、集合された前記複数の素線を、複数回の分割圧縮工程に分けて圧縮しているため、1回の圧縮工程において素線が急激に圧縮されることが抑制される。これにより、圧縮後における素線の反転が抑制され、圧縮形態の乱れを抑制することができる。また、前記複数の分割圧縮工程のうちの少なくとも1つが撚り合わせ完了後の前記複数の素線に対して行われるため、撚り合わせ完了後における圧縮形態が安定する。
【0011】
第2の態様によると、前記複数の分割圧縮工程のうちの少なくとも他の1つが、集合後撚り合わせ前の前記複数の素線に対して行われるため、複数の素線を最終的に撚り合わせた後における圧縮率を小さくすることができる。これにより、最終撚り合わせ完了後における圧縮形態の乱れをより確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態に係る圧縮撚線導体の製造装置を示す概略図である。
【図2】同上の製造装置のうちの1回目の圧縮部分を示す説明図である。
【図3】同上の製造装置のうちの2回目の圧縮部分を示す説明図である。
【図4】圧縮撚線導体を示す断面図である。
【図5】圧縮撚線導体の製造工程例を示す図である。
【図6】圧縮撚線導体の他の製造工程例を示す図である。
【図7】圧縮撚線導体の他の製造工程例を示す図である。
【図8】圧縮工程の違いと反転の有無との関係を示す図である。
【図9】圧縮率の違いと密着力との関係を示す図である。
【図10】素線の反転が生じた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施形態に係る圧縮撚線導体の製造方法について説明する。なお、圧縮撚線導体は、複数の素線を撚り合わせて圧縮した導体である。素線としては、軟銅或は硬銅等の銅合金線、その他の合金線が用いられる。本実施形態では、3本の素線を撚り合わせる例で説明するが、複数本の素線を撚り合わせる場合であればよい。この圧縮撚線導体の外周囲に絶縁樹脂等が押出被覆される。つまり、圧縮撚線導体は、電線の芯線として用いられる。
【0014】
図1は圧縮撚線導体の製造装置20を示す概略図であり、図2は同製造装置の1回目の圧縮部分を示す説明図であり、図3は同製造装置のうちの2回目の圧縮部分を示す説明図である。
【0015】
この圧縮撚線導体の製造装置20は、素線供給部22と、素線ガイド部24と、集合圧縮ダイス28と、弓形撚り合せ機構32と、圧縮ダイス40と、導体巻取部44とを備えている。そして、素線供給部22から引出された複数の素線12が、素線ガイド部24を通って集合圧縮ダイス28に送給されて、集合及び圧縮される。この後、集合導体14は、弓形撚り合せ機構32によって撚り合わされた後、圧縮ダイス40で再度圧縮され、導体巻取部44に巻回収容される。
【0016】
より具体的に説明すると、素線供給部22は、複数本の素線を巻取収容したリール23を有している。複数本の素線は、単一のリール23に巻回収容されていてもよいし、或は、別々のリール23に巻回収容されていてもよい。素線供給部22としては、複数本の素線を連続的に供給可能な構成であればよい。
【0017】
素線ガイド部24は、複数のガイド孔25を有する板状に形成されている(図2参照)。ガイド孔25は、撚り合せ対象となる複数の素線12に合わせた数形成されており、所定の中心周りに(好ましくは均等間隔で)分散するように形成されている。そして、複数の素線12が、各ガイド孔25を通ることで所定の中心周りに分散した状態で、集合圧縮ダイス28に向けて送給されるようになっている。
【0018】
集合圧縮ダイス28は、複数の素線12を圧縮するための孔29を有している(図2参照)。孔29の一端側開口は、集合された複数の素線12を挿入可能な程度の径、例えば、複数の素線12の断面を包含可能な最小包含円と同じ径又はそれよりも大きな径に形成されている。また、孔29の他端側開口は、集合された複数の素線12を圧縮可能な程度の径、例えば、複数の素線12の断面を包含可能な最小包含円よりも小さな径に形成されている。さらに、孔29は、一端側開口から他端側開口に向けて徐々に径が小さくなるテーパー形状に形成されている。孔29のうち大きな径側の一端側開口が上記素線ガイド部24を向いており、孔29のうち比較的小さな径側の他端側開口が弓形撚り合せ機構32側を向いている。そして、上記素線ガイド部24を通った複数の素線12が、集合圧縮ダイス28の孔29の一端側開口に向けて導入される際に1本の導体14に集合される。そして、この導体14が、孔29の一端側開口から他端側開口に向うことで徐々に圧縮され、その他端側開口の径に応じた径を持つように圧縮加工されるようになっている。
【0019】
なお、多数の素線12が集合される場合には、複数箇所で順次素線12が集合されてもよい。
【0020】
弓形撚り合せ機構32は、弓状導体ガイド34と、弓状導体ガイド34を所定の回転軸X周りに回転駆動する回転駆動部36とを備えている。
【0021】
弓状導体ガイド34は、弓状の経路に沿って導体14を送給可能に支持するように構成されている。このような弓状導体ガイド34としては、弓状を描く棒状部材の外向き面に導体14をガイド可能な溝を形成した構成、或は、ガイドリングを設けた構成等を採用することができる。要するに、弓状導体ガイド34として、弧状の経路に沿って導体14を送給可能に支持できる構成であればよい。
【0022】
なお、本実施形態では、複数の素線12を弓形撚り合せ機構32で撚り合わせているが、必ずしもその必要はない。例えば、素線供給部22及び導体巻取部44の少なくとも一方を回転させることで、素線12を撚り合わせる構成であってもよい。
【0023】
回転駆動部36は、上記弓状導体ガイド34を、その両端部を結ぶ線(弦)を中心として、回転駆動可能に支持している。ここでは、集合圧縮ダイス28の孔29の軸の延長上に、回転駆動部36による弓状導体ガイド34の回転軸が存在している。より具体的には、弓状導体ガイド34の両端部が軸受部37によって回転駆動可能に支持されており、その少なくとも一端部がモータ等によって回転駆動されるように構成されている。また、弓状導体ガイド34の一端部にガイドローラ38aが設けられると共に、弓状導体ガイド34の他端部にガイドローラ38bが設けられている。なお、ガイドローラ38aは弓状導体ガイド34と同期回転しない固定側のローラであり、ガイドローラ38bは弓状導体ガイド34と同期して回転軸X周りに回転する可動側のローラである。そして、集合圧縮ダイス28を通った導体14が、ガイドローラ38aを経て弓状導体ガイド34の一端部に向けてガイドされ、弓状導体ガイド34に沿って弧状に経路案内される。また、導体14が弓状導体ガイド34の他端部に向けて案内されると、ガイドローラ38bを経由して反転し、弓状導体ガイド34の回転軸Xに沿って経路案内される(図3参照)。上記のように導体14が弓状導体ガイド34に沿って案内される際、弓状導体ガイド34が回転軸X周りに回転することによって、複数の素線12を含む導体14が弓状導体ガイド34の両端側の2箇所で撚り合わされる。すなわち、導体14が固定側のガイドローラ38aから弓状導体ガイド34に案内される箇所P1で撚り合わされる。また、導体14が弓状導体ガイド34の他端側で可動側のガイドローラ38bから反転しつつ導出された後、圧縮ダイス40に至る箇所P2で撚り合わされる。つまり、本装置においては、導体14は2箇所で撚り合わされる。
【0024】
圧縮ダイス40は、導体14をさらに圧縮するための孔41を有している(図3参照)。ここでは、圧縮ダイス40は、孔41の軸を弓状導体ガイド34の回転軸Xと一致させた姿勢で、弓状導体ガイド34の回転軌跡内に配設されている。孔41の一端側開口は、上記集合圧縮ダイス28によって圧縮された導体14を挿入可能な程度の径、例えば、当該導体14の断面を包含可能な最小包含円と同じ径又はそれよりも大きな径に形成されている。また、孔41の他端側開口は、導体14を圧縮可能な程度の径(例えば、製造目的径)と同じ径に形成されている。さらに、孔41は、一端側開口から他端側開口に向けて徐々に径が小さくなるテーパー形状に形成されている。孔41のうち大きな径側の一端側開口は弓状導体ガイド34の他端部側及びガイドローラ38b側を向いており、孔41のうち小さな径側の他端側開口は、弓状導体ガイド34の回転軌跡内で、導体巻取部44側を向いている。そして、導体14が孔41の一端側開口から他端側開口に向うことで徐々に圧縮され、その他端側開口の径に応じた目的径の圧縮撚線導体16に圧縮加工されるようになっている。
【0025】
そして、圧縮ダイス40によって目的径に圧縮された圧縮撚線導体16は、弓状導体ガイド34の回転軌跡内に設けられた導体巻取部44に巻回収容されるようになっている。
【0026】
上記圧縮撚線導体の製造装置20において、複数の素線12は次のように圧縮及び撚り合せされる。
【0027】
すなわち、素線供給部22から供給される複数の素線12は、素線ガイド部24の複数のガイド孔25を通って、集合圧縮ダイス28の孔29に導かれ、1本の導体14に集合される。複数の素線12が集合された導体14は、孔29の一端側開口から他端側開口に向うことで圧縮される。
【0028】
このように圧縮された導体14は、弓形撚り合せ機構32に導かれる。この導体14は、まず、固定側のガイドローラ38aから弓状導体ガイド34に案内される箇所P1で撚り合わされる。その後、導体14が弓状導体ガイド34の他端側で可動側のガイドローラ38bから反転しつつ導出された後、圧縮ダイス40に至る箇所P2で再度撚り合わされる。
【0029】
この後、導体14は、圧縮ダイス40の孔41を通過する際、再度圧縮され、図4に示すように、目的径を持つ圧縮撚線導体16に加工される。
【0030】
上記実施形態によると、集合された複数の素線12を、集合圧縮ダイス28と圧縮ダイス40とで複数回(2回)に分けて圧縮している。このため、個々の圧縮工程(分割圧縮工程)において、素線12が急激に圧縮されることが抑制される。これにより、圧縮後における素線12の反転が抑制され、圧縮形態の乱れを抑制することができる。
【0031】
特に、導体14として引張り強度が450MPa以上の高剛性導体(例えば、硬銅等)を用いた場合、塑性変形し難いため、圧縮による反転が生じ易い傾向となる。そこで、上記のように複数回に分けて徐々に圧縮することで、導体14の反転を有効に抑制することができる。ここで、引張り強度とは、例えば、JISC3002の5.引張りの項目に規定された方法によって得られた値を採用することができる。
【0032】
また、複数の分割圧縮工程のうちの1つである圧縮ダイス40による分割圧縮工程が、箇所P1及びP2による撚り合せ完了後の導体14に対して行われる。このため、撚り合せ完了後における圧縮形態が安定する。
【0033】
また、複数の分割圧縮工程のうちの他の1つである集合圧縮ダイス28による分割圧縮工程が、複数の素線12を集合圧縮ダイス28の直前で集合させた後、箇所P1、P2で撚り合わせる前の導体14に対して行われるため、複数の素線12を圧縮ダイス40によって最終的に撚り合わせた後における圧縮ダイス40による圧縮率を小さくすることができる。これにより、最終撚り合せ完了後における過度な圧縮を抑制し、圧縮形態の乱れをより確実に抑制することができる。
【0034】
なお、上記実施形態では、図5に示すように、素線12を集合させた後、複数回(2回)撚り合せを行う場合において、集合直後のタイミングT1、及び、最終撚り合せ直後のタイミングT2の2回圧縮を行う例で説明したが、必ずしもその必要はない。
【0035】
図5に示す場合において、素線12を集合させた後から最終撚り合せの前において、少なくとも1回分割圧縮工程を行い、最終撚り合わせの後、少なくとも1回分割圧縮工程を行う例であってもよい。
【0036】
また、素線12の撚り合せ回数は複数回である必要はなく、図6に示すように、素線の撚り合せは1回のみ行われてもよい。この場合、素線12を集合させた後撚り合せするまでの間に少なくとも1回分割圧縮工程を行い、撚り合わせの後、少なくとも1回分割圧縮工程を行う例であってもよい。
【0037】
また、図7に示すように、複数の素線12の集合直後に撚り合せが行われるような場合にあっては、その後に、複数回の分割圧縮工程を行うようにするとよい。
【0038】
すなわち、集合された複数の素線12を複数回の分割圧縮工程に分けて圧縮し、そのうちの少なくとも1つの分割圧縮工程が撚り合せ完了後の複数の素線12に対して行われればよく、その他に関しては、複数の素線12を撚り合わせる工程の数或は当該撚り合わせ工程に対する圧縮工程の順序は任意である。
【0039】
なお、集合圧縮ダイス28、圧縮ダイス40における圧縮率の設定は、孔29、41のテーパー角、長さ等を調整することによって行うことができる。また、各分割圧縮工程においてどの程度の圧縮率で圧縮するかについては、当初の複数の素線の合計断面積から目的径となる圧縮撚線導体の合計断面積に加工できる範囲で、かつ、各圧縮時に素線12の反転等が生じない範囲で自由に設定することができる。1回での圧縮率をなるべく小さくするためには、各分割圧縮工程の圧縮率を同じにすることが好ましい。
【0040】
図8に示すように、複数の素線12を集合させた導体14を圧縮した場合において、反転の有無を実験した。実験では、硬銅からなる素線12を3本撚り合わせる場合について調べた。
【0041】
目標圧縮率10%である場合において、1回圧縮で行う場合と、2回圧縮で行う場合とのそれぞれについて素線反転の有無を調べた。2回圧縮の場合には、1回目の圧縮率を5%、2回目の圧縮率を5%とした。なお、2回目の圧縮率は、(2回目の圧縮によって減少した導体断面積)/(1回目の圧縮を行う前の当初の断面積)で考えた(以下も同様)。この場合、いずれの場合でも素線の反転は生じなかった。
【0042】
目標圧縮率15%、及び、20%である各場合において、1回圧縮、2回圧縮のいずれの場合でも、素線の反転は生じなかった。
【0043】
目標圧縮率が25%である場合において、1回圧縮では素線反転の問題が生じた。これに対して、1回目の圧縮率を10%、2回目の圧縮率を15%として2回圧縮を行うと、素線反転の問題は生じなかった。
【0044】
同様に、目標圧縮率が30%である場合において、1回圧縮では素線反転の問題が生じた。これに対して、1回目の圧縮率を15%、2回目の圧縮率を15%として2回圧縮を行うと、素線反転の問題は生じなかった。
【0045】
上記から、複数回に分けて圧縮を行うことで、素線反転の問題が有効に抑制されることが判明した。
【0046】
また、圧縮率が25%以上になると素線反転の問題が生じ易くなる一方、圧縮率が20%以下では素線反転の問題が生じ難いことがわかる。そこで、個々の分割圧縮工程における圧縮率が20%以下となるように設定することが好ましいと考えられる。
【0047】
ところで、複数の素線を撚り合わせた導体に樹脂を押出被覆する場合、樹脂が各素線間に入り込んでしまうと、導体と被覆との密着力が高くなり、皮剥し難くなってしまう。皮剥し易くするためには、導体表面をなるべく凹凸の少ない表面にすることが有効と考えられ、そのためには、導体をなるべく高い圧縮率で圧縮することが有効と考えられる。
【0048】
このような要請から導体をなるべく高い圧縮率で圧縮するためにも、上記のように複数の分割圧縮工程に分けて圧縮を行うことは有効といえる。
【0049】
実際、図9に示すように、複数の圧縮率で導体を圧縮した場合において、密着力(N)を測定してみた。なお、図9における接触長(mm)は、断面周りにおける導体と被覆との接触長である。また、密着力は、所定長さの試料片において、導体から切込みが形成された被覆を引抜く際に要する力であり、例えば、ISO6722の7.2密着力に規定されている方法により得られる値とすることができる。なお、いずれの場合も、最終断面積が0.13mmとなるようにした。
【0050】
すると、圧縮率が10%、15%、20%、25%、30%と大きくなるに伴って、密着力は30N、23N、15N、13N、10Nとなった。通常、皮剥作業上、好ましいとされる密着力は15N以下とされているため、圧縮率は20%以上であることが好ましいといえる。また、密着力を小さくするためには、圧縮率を大きくすることが好ましいともいえる。そして、圧縮率を大きくするためには、上記実施形態で説明したように、複数回に分けて圧縮を行う製造方法が有効であるといえる。
【符号の説明】
【0051】
12 素線
16 圧縮撚線導体
20 圧縮撚線導体の製造装置
22 素線供給部
28 集合圧縮ダイス
32 弓形撚り合せ機構
40 圧縮ダイス
44 導体巻取部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の素線を撚り合わせて圧縮する圧縮撚線導体の製造方法であって、
(a)前記複数の素線を集合させる工程と、
(b)前記複数の素線を撚り合わせる工程と、
(c)集合された前記複数の素線を、複数回の分割圧縮工程に分けて圧縮する工程であり、前記複数の分割圧縮工程のうちの少なくとも1つが撚り合わせ完了後の前記複数の素線に対して行われる工程と、
を備える圧縮撚線導体の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の圧縮撚線導体の製造方法であって、
前記複数の分割圧縮工程のうちの少なくとも他の1つが、集合後撚り合わせ前の前記複数の素線に対して行われる、圧縮撚線導体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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