地下層の層境界を識別する方法及び装置
【課題】累層解析、特に、地下層の層境界を識別する方法及び装置を提供する。
【解決手段】地下層の層境界を識別する方法及び装置を説明する。地下層の層境界を識別する例示的な方法は、地下層のボアホール内に送信機から音響信号を発信する段階と、ダウンホールツールに結合され、かつ送信機から離間した受信機で音響信号を受信する段階とを含む。更に、例示的な方法は、ダウンホールツールがボアホール内で移動される時に受信機によって受信した音響信号に関連付けられたエネルギ値をログする段階と、地下層のインピーダンス変化に関連付けられたログされたエネルギ値の変化を識別して層境界を識別する段階とを含む。
【解決手段】地下層の層境界を識別する方法及び装置を説明する。地下層の層境界を識別する例示的な方法は、地下層のボアホール内に送信機から音響信号を発信する段階と、ダウンホールツールに結合され、かつ送信機から離間した受信機で音響信号を受信する段階とを含む。更に、例示的な方法は、ダウンホールツールがボアホール内で移動される時に受信機によって受信した音響信号に関連付けられたエネルギ値をログする段階と、地下層のインピーダンス変化に関連付けられたログされたエネルギ値の変化を識別して層境界を識別する段階とを含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本特許は、一般的に累層解析に関し、より具体的には、地下層の層境界を識別する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
サンプリング及び/又は掘削作動中に、例えば、半径方向に累層を画像化する有線ツールを使用して音波測定値を取得することができる。半径方向の画像化は、累層の理解を深めるために使用することができる。しかし、一部の場合には、半径方向の画像化は、累層の各部分の識別が不正確であるので、解釈が適正でない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,308,137号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】P.Breton他著「良好に位置決めされ地震測定」、油田展望、32〜45頁、2002年春
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
地下層の層境界を識別する例示的な方法は、地下層のボアホール内に送信機から音響信号を発信する段階と、ダウンホールツールに結合され、かつ送信機から離間した受信機で音響信号を受信する段階とを含む。更に、例示的な方法は、ダウンホールツールがボアホール内で移動される時に、受信機によって受信した音響信号に関連付けられたエネルギ値をログする段階と、地下層のインピーダンス変化に関連付けられたログされたエネルギ値の変化を識別して層境界を識別する段階とを含む。
【0006】
地下層の層境界を識別する例示的な方法は、地下層のボアホール内で音響信号を発信する段階と、ダウンホールツールに結合され、かつ送信機から離間した複数の受信機で音響信号を受信する段階とを含む。更に、例示的な方法は、受信機の各々に対して音響信号の経過時間を計算する段階と、計算経過時間の変動を識別して層境界を識別する段階とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】例示的な有線ツールを示す図である。
【図1B】例示的な坑井サイト掘削システムを示す図である。
【図2】例示的な音波式掘削時ロギングツールを示す図である。
【図3】1つ又はそれよりも多くの震源及び1つ又はそれよりも多くの受信機を有する音波式掘削時ツールを示す図である。
【図4】1つ又はそれよりも多くの震源及び1つ又はそれよりも多くの受信機を有する音波式掘削時ツールを示す図である。
【図5】1つ又はそれよりも多くの震源及び1つ又はそれよりも多くの受信機を有する音波式掘削時ツールを示す図である。
【図6】1つ又はそれよりも多くの震源及び1つ又はそれよりも多くの受信機を有する音波式掘削時ツールを示す図である。
【図7】本明細書で説明する実施例を実施するのに使用することができる例示的な装置を示す図である。
【図8】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果を示す図である。
【図9】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果を示す図である。
【図10】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果を示す図である。
【図11】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果を示す図である。
【図12】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果を示す図である。
【図13】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果を示す図である。
【図14】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果を示す図である。
【図15】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果を示す図である。
【図16】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果を示す図である。
【図17】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果を示す図である。
【図18A】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果のプロットを示す図である。
【図18B】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果のプロットを示す図である。
【図18C】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果のプロットを示す図である。
【図19A】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果のプロットを示す図である。
【図19B】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果のプロットを示す図である。
【図19C】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果のプロットを示す図である。
【図20A】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果のプロットを示す図である。
【図20B】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果のプロットを示す図である。
【図20C】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果のプロットを示す図である。
【図21】本明細書で説明する実施例を実施するのに使用することができる例示的な方法の流れ図である。
【図22】ボアホール内の装置の異なる位置を示す図である。
【図23】ボアホール内の装置の異なる位置を示す図である。
【図24】ボアホール内の装置の異なる位置を示す図である。
【図25】ボアホール内の装置の異なる位置を示す図である。
【図26】ボアホール内の装置の異なる位置を示す図である。
【図27】ボアホール内の装置の異なる位置を示す図である。
【図28】ボアホール内の装置の異なる位置を示す図である。
【図29】ボアホール内の装置の異なる位置を示す図である。
【図30】図22〜図29の装置の受信機により異なる位置で受信したエネルギ値を示す図である。
【図31】本明細書で説明する例示的な方法及び装置のいずれか又は全てを実施するように使用及び/又はプログラムすることができる例示的なプロセッサプラットフォームの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
好ましい実施形態の以下の詳細説明において、本明細書の一部を成し、かつ本発明を実施することができる特定の実施形態を例示的に示す添付図面を参照する。他の実施形態を利用することができ、かつ本発明の範囲から逸脱することなく構造上の変更を行うことができることは理解されるものとする。
【0009】
本明細書で説明する例示的な方法及び装置は、ツールがボアホールを横断する時の地下層の層境界及び/又は音響インピーダンスコントラストを識別するのに使用することができる。層境界及び/又は音響インピーダンスコントラストを識別するこのような手法は、有利な態様では、解析中の累層のより良好な理解を可能にすることができる。
【0010】
一部の例においては、層境界及び/又は音響インピーダンスコントラストは、1つ又はそれよりも多くの受信機に音響信号を発信し、次に、累層の音響インピーダンスに関連付けられたエネルギ値のログを生成することによって識別することができる。ログを精査することにより、層境界及び/又は音響インピーダンスコントラストの存在及び位置決めは、エネルギ値の変化(例えば、低下)を識別し、次に、変化が起こった時のツール及び/又は受信機の位置を判断することによって判断することができる。他の例においては、ログを精査することにより、層境界及び/又は音響インピーダンスコントラストの存在及び位置決めは、隣接受信機のエネルギ値の傾向を識別することによって判断することができる。
【0011】
他の例においては、層境界及び/又は音響インピーダンスコントラストは、1つ又はそれよりも多くの受信機に音響信号を発信し、次に、受信機の各々に対して音響信号の経過時間及び/又は相対時間遅延を判断することによって識別することができる。受信及び関連データを反転することにより、層境界及び/又は音響インピーダンスコントラストの存在及び位置決めを判断することができる。具体的には、受信及び関連データ(例えば、経過時間、送信機に対する受信機間隔)を反転することにより、データ内の線の数を識別することができ、データ内の勾配の数を識別することができ、及び/又はデータ内の線を相互接続する点の数を識別することができる。上述の識別された情報の全部又は一部は、鉱床境界の数、すなわち、累層の速度の推定値を判断し(例えば、自動的に判断し)、及び/又は例えば鉱床境界指標を生成するのに使用することができる。
【0012】
図1Aは、本明細書で説明する実施例を使用することができる例示的な有線ツール(例えば、双極子音波画像化ツール)10を示している。例示的な有線ツール10は、地表でウインチ(図示せず)上に巻かれた多導体ケーブル14の下端から坑井12内に吊り下げられる。地表で、ケーブル14は、電子機器及び処理システム16に通信的に結合されている。例示的な有線ツール10は、処理及び遠隔測定カートリッジ20及び音響ツール22を含む細長本体18を含む。音響ツール22は、音波受信機区画24及び音波送信機区画26を含む。
【0013】
有線ツール10が坑井12から出て移動する間に、測定値を取得して、例えば、累層Fの特性を判断することができる。一部の例においては、このような測定値は、音響ツール22により取得することができ、かつ半径方向に累層Fを画像化するのに使用することができる。しかし、鉱床境界、裂け目、層境界、又は累層Fに存在する場合がある音響インピーダンスコントラストは、識別されない場合、半径方向の画像化の解釈に悪影響を与える場合がある。従って、例示的な音波送信機区画26は、1つ又はそれよりも多くの送信機(例えば、単極送信機、双極送信機)28、30、32、及び34を含むことができ、音波受信機区画24は、有線ツール10に結合され、かつ送信機28〜34から離間した受信機36のアレイを含むことができる。以下でより詳細に説明するように、送信機28〜34及び受信機36は、このような鉱床境界、裂け目、層境界、及び/又は音響インピーダンスコントラストを識別するように構成することができる。図示していないが、音響ツール22は、同じか又は異なるとすることができるあらゆる数の送信機(例えば、1つ、2つ、3つ、4つなど)を含むことができる。例えば、送信機28〜34の1つは、単極送信機とすることができ、送信機28〜34の別の1つは、有線ツール10のx軸に沿って位置決めされた双極送信機とすることができ、及び/又は送信機28〜34の別の1つは、例えば、有線ツール10のy軸に沿って位置決めされた双極送信機とすることができる。更に、図示していないが、音響ツール22は、各々が複数のセンサ(例えば、水中聴音器)を含むことができるあらゆる数の受信機(例えば、1つ、2つ、3つ、4つなど)を含むことができる。センサは、有線ツール10の周囲の周りに配分する(例えば、方位角的に配分する)ことができる。一部の例においては、受信機の各々は、8つのセンサを含むことができるが、受信機の各々は、その代わりにあらゆる他の数のセンサ(例えば、1つ、2つ、3つ、4つなど)を含むことができる。
【0014】
有線ツール10が坑井12から出て移動すると、送信機28〜34を通じて坑井12内に音響信号を発信することにより、鉱床境界、裂け目、層境界、及び/又は音響インピーダンスコントラストを識別する測定値を取得することができる。これらの音響信号は、受信機36により受信することができる。送信される異なる音響信号に対して、受信機36は、例えば、所定のボアホール深度である一定の期間(例えば、約1から2ミリ秒の間)にわたって所定の時間間隔で(例えば、10マイクロ秒毎に)音響信号に関連付けられた情報(例えば、振幅)を記録又はログすることができる。作動時に、受信機36が音響信号を受信すると、音響信号に関連付けられた情報は、格納に向けてデータストア38に送信することができる。
【0015】
有線ツール10が坑井12から出て移動されるか又は坑井12内で移動される時に、データストア38内に格納された音響信号の送信に付随する情報は、異なるボアホール深度で受信機36により検出されたエネルギ含量又は値のログを生成するために電子機器及び処理システム16及び/又は処理及び遠隔測定カートリッジ20により使用することができる。エネルギ値は、累層Fのインピーダンス(例えば、音響インピーダンス)に関連付けることができる。累層F内の層が異なれば、異なる音響インピーダンスを有する可能性がある。従って、エネルギ値の変化(例えば、減少)は、エネルギの一部が層境界により反射される場合があり、従って、受信機36に到達しないことになるので音響インピーダンス変化を示すことができる。エネルギ値の変化は、送信機28〜34と受信機36との間の層境界の存在を示すことができる。これとは対照的に、一定のエネルギ値は、送信機28〜34と受信機36の間の層境界の不在を示すことができる。
【0016】
例えば、送信機28〜34及び受信機36が層境界の同じ側に位置決めされている場合、受信機36により受信した音響信号に関連付けられたエネルギ値は、比較的一定のままであるか、比較的高いか、及び/又は小さい変動を示す場合がある。しかし、送信機28〜34及び受信機36が層境界の異なる側に位置決めされている場合、受信機36により受信した音響信号に関連付けられたエネルギ値は、比較的低めであり、及び/又は減少すると考えられ、その理由には、エネルギの一部が、層境界により反射される場合があり、従って、受信機36に到達しないことになるからである。一部の例においては、エネルギ値の実質的な減少は、約20〜40デシベル(dB)の間とすることができる。追加的又は代替的に、例えば、エネルギ値の実質的な減少は、エネルギ値内のほぼ50%の減少に対応するほぼ3dBの変化とすることができる。しかし、特定の事例及び/又は坑井条件によっては、エネルギ値の実質的な減少は、異なる値である場合がある。
【0017】
他の例においては、受信機36により受信したエネルギ値の比率のログは、有線ツール10が坑井12から出て移動されている時に得られる情報から生成することができる。2つの隣接ボアホール位置間のエネルギ値の差は、2つの位置間の層境界の存在を示すことができる。従って、2つの隣接位置のエネルギ値がほぼ同じである場合、これらのエネルギ値の比率は、ほぼ1になり、これは、2つの位置間には恐らく層境界が存在しないことを示している。しかし、2つの隣接ボアホール位置のエネルギ値が異なる場合、エネルギ値の比率は、1にはならず、これは、2つの位置間に層境界が存在することを示すことができる。有線ツール10が複数の受信機36を含む場合、層境界の存在は、複数の受信機36のエネルギ含量を精査することによって識別することができる。
【0018】
他の例においては、データストア38内に格納された音響信号の送信に付随する情報は、電子機器及び処理システム16及び/又は処理及び遠隔測定カートリッジ20により使用され、異なるボアホール深度での送信機28〜34と受信機36の間の距離の関数として受信機36により受信した音響信号の相対時間遅延のログ又はプロットを生成することができる。受信機36が有線ツール10に沿って均一に離間している場合、音響信号が隣接受信機36間を進む時間間隔又は遅延はほぼ同じになる。しかし、層境界が隣接受信機36間に位置決めされている場合、音響信号が隣接受信機36間を進む時間間隔又は遅延は異なるものになる(例えば、層境界の送信機28〜34と反対側の受信機36の相対時間遅延の方が実質的に大きいか又は増大することになる)。一部の例においては、音響信号が所定の受信機に到達する経過時間(例えば、相対的な経過時間)の実質的な増加は、サンプリング速度の数倍の変動である場合がある。しかし、特定の事例及び/又は坑井条件によっては、経過時間の増加は、異なる値である場合がある。
【0019】
2つの隣接ボアホール位置間の音響信号の相対時間遅延の実質的な変化は、2つの位置の間の層境界に関連付けることができる。層境界を識別するために及び/又は累層の速度を推定するために、受信及び関連データは、例えば、非線形反転を使用して反転することができる。受信及び関連データを反転することにより、データ内の線の数を自動的に識別することができ、データ内の勾配の数を自動的に識別することができ、及び/又はデータ内の線を相互接続する点の数を自動的に識別することができる。例えば、データ内の線を相互接続する点の数は、一部の累層F内の層境界の数に関連付けることができる。
【0020】
層境界が2つの隣接ボアホール位置の間にない場合、受信機36の1つにより受信した音響信号の相対時間遅延は、受信機36のうちの別の受信機によって受信した音響信号の相対時間遅延と類似のものである場合がある。この類似性は、受信及び関連データがプロットされた場合、送信機28〜34と受信機36の間の距離の関数として音響信号の経過時間の比較的一定の勾配によって示すことができる。しかし、層境界が2つの隣接ボアホール位置の間にある場合、受信機36の1つにより受信した音響信号の相対時間遅延は、受信機36の別の受信機によって受信した音響信号の相対時間遅延と異なる(例えば、低い)場合がある。この差は、受信及び関連データがプロットされた場合、送信機28〜34と受信機36の間の距離の関数としての音響信号の経過時間の一貫しない勾配及び/又はその変化よって示すことができる。
【0021】
図1Bは、本明細書で説明する実施例を使用することができる坑井サイトシステム100を示している。坑井サイトシステム100は、陸上又は沖合にあるとすることができる。この例においては、ボアホール102は、回転式掘削により地表下の累層F内に形成されている。しかし、他の掘削方法(例えば、傾斜掘削)を用いることができる。
【0022】
ドリルストリング104は、ボアホール102内に吊り下げられ、かつ下端にドリルビット108を含むボトムホールアセンブリ106を有する。地表で、坑井サイトシステム100は、ボアホール102の上に位置決めされたプラットフォーム及びデリックアセンブリ110を含む。プラットフォーム及びデリックアセンブリ110は、回転台112、ケリー114、フック116、及び回転継手118を含む。回転台112は、ドリルストリング104の上端でケリー114と係合してドリルストリング104に回転を与えることができる。回転台112は、図示していないデバイス又はシステムにより通電することができる。ドリルストリング104は、移動ブロック(同じく図示せず)に装着されているフック116から吊り下げられる。更に、ドリルストリング104は、ケリー114及び回転継手118を通じて位置決めされ、それによってフック116に対するドリルストリング104の回転が可能である。追加的又は代替的に、上部駆動システムは、ドリルストリング104に回転を与えるために使用することができる。
【0023】
図11Bに示す例においては、表面で、坑井サイトシステム100は、坑井サイトで形成されたピット122内に貯蔵することができる掘削流体又はマッド120を含む。ポンプ124は、回転継手118内のポートを通じてドリルストリング104の内部に掘削流体120を供給し、掘削流体120は、方向矢印126によって示めされるようにドリルストリング104を通じて下方へ流れる。掘削流体120は、ドリルビット108内のポートを通じてドリルストリング104を出て、次に、方向矢印130によって示めされるようにドリルストリング104の外側とボアホール102の壁部128の間の環状区域を通って上方へ循環する。掘削流体120は、ドリルビット108を滑らかにして、掘削流体120が再循環に向けてピット122に戻される時に表面まで累層堀屑を搬送する。
【0024】
図1Bに示す例のボトムホールアセンブリ106は、掘削時ロギング(LWD)モジュール132、掘削時測定(MWD)モジュール134、回転操縦可能システム又はマッドモータのような別のドリルストリング構成要素136及びドリルビット108を含む。
【0025】
LWDモジュール132は、ドリルカラー138内に収容することができ、かつ1つ又はそれよりも多くのロギングツールを含むことができる。一部の例においては、ボトムホールアセンブリ106は、参照番号140により表される更に別のLWDモジュール及び/又はMWDモジュールを含むことができる。従って、参照番号132に対するこの説明を通した参照は、追加的又は代替的に参照番号140を含むことができる。LWDモジュール132は、測定し、処理し、及び情報を格納し、並びに地表機器と通信する機能を含むことができる。追加的又は代替的に、LWDモジュール132は、地震測定デバイス142を含むことができる。
【0026】
MWDモジュール134も、ドリルカラー143内に収容することができ、かつドリルストリング104、及び/又はドリルビット108の特性を測定する1つ又はそれよりも多くのデバイスを含むことができる。追加的又は代替的に、MWDモジュール134は、例えば、ボトムホールアセンブリ106の少なくとも各部に向けて電力を発生するための装置(図示せず)を含むことができる。電力を発生する装置は、掘削流体の流動により動力が供給されるマッドタービン発電機を含むことができる。しかし、追加的又は代替的に、他の電力及び/又はバッテリシステムを使用することができる。MWDモジュール134は、例えば、ビット上重量測定デバイス、トルク測定デバイス、振動測定デバイス、ショック測定デバイス、スティックスリップ測定デバイス、方向測定デバイス、及び/又は傾き測定デバイスのような1つ又はそれよりも多くのツール又は測定デバイスを含むことができる。
【0027】
掘削作動中、例示的な音響ツール144は、例えば、累層Fを半径方向に画像化するための情報を得るために使用することができる。しかし、鉱床境界、層境界、又は累層Fに存在する場合がある音響インピーダンスコントラストは、識別されない場合、半径方向の画像化の解釈に悪影響を与える場合がある。従って、例示的な音響ツール144は、累層Fに存在する層境界146を識別するように構成された送信機148及び第1及び第2の受信機150及び151を含む。層境界146を識別することに加えて、音響ツール144は、例えば、層境界146の傾き又は層自体の厚みのような層境界146の特性を識別するのに使用することができる。坑井サイトシステム100は、ダウンホールの送信機148及び受信機150及び151を示しているが、送信機148は、アップホールに位置決めすることができ、受信機150及び151は、ダウンホールに位置決めすることができ、又は送信機148は、ダウンホールに位置決めすることができ、受信機150及び151は、例えば、アップホールに位置決めすることができる。あらゆる数の送信機(例えば、1つ、2つ、3つ、4つなど)及び/又は受信機(例えば、1つ、2つ、3つ、4つなど)を音響ツール144と共に使用することができる。
【0028】
一部の例においては、層境界146を識別するために、送信機148は、ボアホール102に音響信号を発信することができる。音響信号は、次に、第1の受信機150及び/又は第2の受信機151により受信される。送信された異なる音響信号に対して、例えば、受信機150及び/又は151は、所定のボアホール深度である一定の期間にわたって所定の時間間隔で音響信号に関連付けられた情報(例えば、振幅)を記録又はログすることができる。この情報は、あらゆる他の関連の情報と共に格納に向けてデータストア156及び/又は158に送信することができる。
【0029】
データストア156及び/又は158内に格納された音響信号の送信に付随する情報は、異なるボアホール深度である一定の期間にわたって受信機150及び/又は151により受信した音響信号の振幅のログを生成するためにロギング及び制御コンピュータ160により使用することができる。更に、ロギング及び制御コンピュータ160は、異なるボアホール深度である一定の期間にわたって受信機150及び/又は151により受信した音響信号のエネルギ値のログを生成するのに使用することができる。一部の例においては、特定の受信機150又は151に関する特定のボアホール深度でのエネルギ値は、期間の二乗にわたって対応する受信機150又は151により受信した音響信号の振幅の合計(ΣA2)(例えば、トレース全体にわたる振幅の二乗の合計)に関連付けることができる。エネルギ値の減少は、送信機148と受信機150及び/又は151との間の層境界の存在を示すことができる。従って、異なるボアホール深度でのエネルギ値に関連付けられたログを精査することにより、層境界146は、エネルギ値が落ちた時、及び/又はエネルギ値が比較的低い時、及び/又は受信機150と151間のエネルギ値の傾向(例えば、変化)を識別することによって識別することができる。これとは対照的に、異なるボアホール深度でのエネルギ値に関連付けられたログを精査することにより、層境界146の不在は、エネルギ値が比較的一定であり、及び/又は比較的高い時に識別することができる。
【0030】
例えば、送信機148及び第1の受信機150が層境界146の第1の側152に位置決めされている場合(例えば、層境界146は、送信機148及び第1の受信機150の間に位置決めされていない)、第1の受信機150により受信した音響信号に関連付けられたエネルギ値は、比較的一定のままであり、比較的高いままであり、及び/又は増加する場合があり、その理由には、累層Fの音響インピーダンスは、比較的首尾一貫しており、つまり一定とすることができるからである。しかし、送信機148が層境界146の第1の側152に位置決めされ、第1の受信機150が層境界146の第2の側に位置決めされている場合(例えば、層境界146は、送信機148及び第1の受信機150の間に位置決めされている)、第1の受信機150により受信した音響信号に関連付けられたエネルギ値は、比較的低く、及び/又は減少する場合がある。これらのエネルギ値は、第1の側152が第1の音響インピーダンスに関連付けることができるので減少する場合があり、第2の側154は、第2の音響インピーダンスに関連付けることができ、信号エネルギの一部は層境界146で反射される場合があり、従って、この反射されたエネルギは、第1の受信機150に到達することができない。
【0031】
他の例においては、第1の受信機150及び第2の受信機151により受信したエネルギ値の比率のログを生成することができる。隣接ボアホールの位置に関連付けられたエネルギ値の差は、層境界146の存在を示すことができるので、層境界146は、隣接位置に関連付けられたエネルギ値の比率が1又は1に近くない場合に識別することができる。
【0032】
他の例においては、異なるボアホール深度である一定の期間にわたって受信機150及び/又は151により受信した音響信号の振幅のログは、受信機150及び/又は151により受信した音響信号の相対時間遅延の変化を識別するためにロギング及び制御コンピュータ160により使用することができる。第1の受信機150及び次に第2の受信機151により受信した音響信号の相対時間遅延の変化は、受信機150及び151間の層境界146の存在を示すことができる。追加的又は代替的に、2つの隣接ボアホール位置間で受信機150及び/又は151により受信した音響信号の相対時間遅延の変化は、2つの位置間に位置決めされた層境界146に関連付けることができる。
【0033】
例えば、層境界146が第1の受信機150と第2の受信機151との間に位置決めされている場合、第1の受信機150により受信した音響信号の相対時間遅延は、第2の受信機151により受信した音響信号の相対時間遅延と異なる場合がある。この相対時間遅延の差は、受信及び関連データがプロットされた場合、送信機148と対応する受信機150又は151との間の距離の関数として音響信号の経過時間の勾配の変化により表すことができる。これとは対照的に、層境界146が第1の受信機150と第2の受信機151との間に位置決めされていない場合、第1の受信機150により受信した音響信号の相対時間遅延は、第2の受信機151により受信した音響信号の相対時間遅延と類似のものであるとすることができる。この類似性は、受信及び関連データがプロットされた場合、送信機148と対応する受信機150又は151との間の距離の関数として音響信号の経過時間の比較的一定の勾配により表すことができる。
【0034】
ロギング及び制御コンピュータ160は、LWDモジュール132、地震測定デバイス142、MWDモジュール134、及び/又は音響ツール144から送信された情報及び/又はデータを受信することができる。ロギング及び制御コンピュータ160は、掘削中及び/又は例えば掘削が一時的に停止されている間に、取得した結果を解析することができる。ロギング及び制御コンピュータ160は、パラメータ(例えば、処理パラメータ)を入力し、及び/又は出力を表示することを可能にするユーザインタフェースを含むことができる。ログ及び統制コンピュータ160は、アップホールで及び坑井サイトシステムの近くに示されているが、ロギング及び制御コンピュータ160の一部又は全体は、ドリルストリング104、ボトムホールアセンブリ106、及び/又は遠く離れた位置に位置決めすることができる。
【0035】
図1A及び図1Bの構成要素は、特定の運搬形式で実施されるように図示して説明するが、本明細書で説明する例示的な方法及び装置は、特定の運搬形式に限定されず、代替的に、例えば、業界で公知のコイル状の配管、有線ドリルパイプ、及び/又はあらゆる他の運搬形式を含む異なる運搬形式に関連して実施することができる。
【0036】
図2は、図1BのLWDモジュール132の少なくとも一部を実施するのに使用することができ、又は米国特許第6,308,137号に記載されているようにLWDモジュール140の一部とすることができる音波式掘削時ロギングツール200を示すものであり、この特許は、全体が本明細書において引用により組み込まれている。音波送信源又はアレイ又は送信機204を有する沖合リグ202は、水208の表面206の近くに配備することができる。追加的に又は代替的に、あらゆる他の形式のアップホール又はダウンホール源又は送信機は、音波信号を発信するために設けることができる。一部の例においては、アップホールプロセッサ(図示せず)は、送信機204の発信を制御することができる。
【0037】
アップホール機器210はまた、音響受信機(図示せず)及び信号源(例えば、送信機204)の近くで基準信号を捕捉する記録器(図示せず)を含むことができる。アップホール機器210は、ダウンホール機器212からMWD信号を受信する遠隔測定機器(図示せず)を含むことができる。遠隔測定機器及び記録器は、一般的に、アップホール及びダウンホールクロック(図示せず)を使用してログを同期させることができるようにプロセッサ(図示せず)に結合されている。この例においては、ダウンホールLWDモジュール214は、1つ又はそれよりも多くの音響受信機216及び218を含む。音響受信機216及び218は、一般的に、信号源(例えば、送信機204)の発信と同期して受信機216及び/又は218により検出された信号のログを行うことができるように信号プロセッサ220に結合されている。
【0038】
図3〜図6は、図1BのLWDモジュール132の少なくとも一部を実施するのに使用することができ、又は全体が本明細書において引用により組み込まれているP.Breton他著「良好に位置決めされ地震測定」、油田展望、32〜45頁、2002年春に説明されているようなLWDモジュール140の一部とすることができる掘削時地震探査ツール300、400、500、及び/又は600を示すものである。掘削時地震探査ツール300、400、500、及び600は、単一の震源又は送信機304(図3)、508(図5)、又は複数の震源又は送信機404〜414(図4)又は618〜632(図6)と共に使用することができる単一の受信機302(図3)及び402(図4)、又は複数の受信機502〜506(図5)、602〜616(図6)を含むことができる。
【0039】
図3は、鉱床境界308から反射する信号306を示しており、かつ「ゼロオフセット」垂直地震探査プロフィール構成と呼ぶことができる。図4は、鉱床境界430から反射する信号416〜426を示しており、かつ「ウォークアウェイ」垂直地震探査プロフィール構成と呼ぶことができる。図5は、岩塩ドーム境界516を通って反射する信号510〜514を示しており、かつ「ソルトプロキシミティ」垂直地震探査プロフィールと呼ぶことができる。図6は、一部が鉱床境界650から反射している信号634〜648を示しており、「ウォークアバブ」地震探査プロフィールと呼ぶことができる。
【0040】
図7は、層704を有する累層F内に形成されたボアホール702内に位置決めされた例示的な装置700を示している。層704は、ボアホール702の縦軸706に対する傾きを有し(例えば、非垂直角度に位置決めされており)、かつ第1の層境界708及び第2の層境界710を含む。
【0041】
層704及び/又は層境界708及び/又は710の特性を識別するために、例示的な装置700には、送信機714及び第1〜第4の受信機716〜722を有する音響ツール712が設けられている。この例においては、受信機716〜722の各々には、第1及び第2の対向センサ(例えば、水中聴音器)724〜738が設けられている。しかし、受信機716〜722の各々は、例えば、8つのセンサのようなあらゆる数のセンサを含むことができる。この例は、1つの送信機714及び4つの受信機716〜722を有する例示的な装置700を示すが、例示的な装置700は、あらゆる数の送信機(例えば、1つ、2つ、3つなど)及び/又はあらゆる数の受信機(例えば、1つ、2つ、3つなど)を含むことができる。
【0042】
一部の例においては、層704及び/又は層境界708及び/又は710を識別するために、送信機714は、ボアホール702に音響信号を発信することができる。音響信号は、次に、対応する受信機716〜722のセンサ724〜738により受信することができる。送信された異なる音響信号に対して、センサ724〜738は、所定のボアホール深度である一定の期間にわたって所定の時間間隔で音響信号に関連付けられた情報(例えば、信号振幅)を記録又はログすることができる。この情報は、あらゆる他の関連の情報と共に格納に向けてデータストア740に送信することができる。
【0043】
データストア740内に格納された音響信号の送信に付随する情報は、異なるボアホール深度である一定の期間にわたってセンサ724〜738により受信した音響信号の振幅のログを生成するためにプロセッサ742により使用することができる。更に、プロセッサ742は、例えば、装置700がボアホール702内で移動された時に、異なるボアホール深度である一定の期間にわたってセンサ724〜738により受信した音響信号のエネルギ値のログを生成するのに使用することができる。エネルギ値の減少は、層境界708及び/又は710の1つの傾き及び/又はその存在、及び/又は送信機714と対応するセンサ724〜738との間の累層F内の音響インピーダンス変化を示すことができる。エネルギ値の減少は、層境界708及び/又は710で反射されている音響信号のエネルギの一部から生じる場合がある。例えば、例示的な装置700がボアホール702から出て移動されている有線ツールである場合、エネルギ値に関連付けられたログを精査して、例えば、第1の層境界708の傾きを示すことができる第1及び第2の対向センサ724及び726に関連付けられたエネルギ値の差を識別することができる。具体的には、図7に示すように、送信機714及び第1のセンサ724が、第1の音響インピーダンスを有する第1の層境界708の第1の側744に位置決めされているので、第1のセンサ724により受信した音響信号に関連付けられたエネルギ値は、比較的高いと考えられる。しかし、第2のセンサ726は、第2の音響インピーダンスを有する第1の層境界708の第2の側746に位置決めされており、送信機714は、第1の音響インピーダンスを有する第1の層境界708の第1の側744に位置決めされているので、第2のセンサ726により受信した音響信号に関連付けられたエネルギ値の方が、比較的低いと考えられ、その理由には、音響信号のエネルギの一部は、第1の層境界708で反射されると考えられるからである。
【0044】
他の例においては、異なるボアホール深度である一定の期間にわたってセンサ724〜738により受信した音響信号の振幅のログは、センサ724〜738により受信した音響信号の相対時間遅延の変化を識別するためにプロセッサ742により使用することができる。センサ724〜738により受信した音響信号の相対時間遅延の変化は、層境界708及び/又は710の1つの傾き及び/又はその存在、及び/又は送信機714と対応するセンサ724〜738との間の累層F内の音響インピーダンス変化を示すことができる。例えば、例示的な装置700がボアホール702から出て移動されている有線ツールである場合、それぞれのセンサ724〜738により受信した時の音響信号に関連付けられたデータを反転することにより、第1の層境界708の傾きは、第1及び第2の対向センサ724及び726により受信した時の音響信号の相対時間遅延の変化により識別することができる。具体的には、図7に示すように、送信機714及び第1のセンサ724は、第1の音響インピーダンスを有する第1の層境界708の第1の側744に位置決めされているので、音響信号は、第1のセンサ724により受信した時に第1の相対時間遅延を有すると考えられる。しかし、第2のセンサ726は、第2の音響インピーダンスを有する第1の層境界708の第2の側746に位置決めされており、送信機714は、第1の音響インピーダンスを有する第1の層境界708の第1の側744に位置決めされているので、音響信号は、第2のセンサ726により受信した時に、第1の相対時間遅延と異なる第2の相対時間遅延を有すると考えられる。
【0045】
図22〜図29は、層境界2204に対するボアホール2202内のツール2200の異なる位置を示している。ツール2200は、送信機2206及び第1〜第6の受信機2208〜2218を含む。図30は、ボアホール2202内の異なる位置の受信機2208〜2218により受信したエネルギ値のプロット3000を示している。プロット3000のRI〜R6は、それぞれの受信機2208〜2218に対応し、位置1〜8は、それぞれ、図22〜図29のツール2200の位置に対応する。
【0046】
上述のように、送信機2206は、ボアホール2202に音響信号を発信することができ、それは、次に、受信機2208〜2218により受信される。受信機2208〜2218の全てが、図22に示すように最初に層境界2204の送信機2206と同じ側に位置決めされた場合、受信機2208〜2218により受信したエネルギ値は、実質的に全て同じになる(図30の位置1)。しかし、受信機2208〜2218が、図23〜図28に示すように層境界2204の送信機2206と異なる側にあるように移動した時、受信機2208〜2218により受信したエネルギ値は、送信機2206及び層境界2204に対してそれぞれの受信機2208〜2218の位置によっては異なるものになる(図30の位置2〜7)。受信機2208〜2218の全てが、再び図29に示すように層境界2204の送信機2206と同じ側に位置決めされた時、受信機2208〜2218により受信したエネルギ値は、実質的に全て同じものになる(図30の位置8)。
【0047】
図8〜図13は、3つの送信機及び14個の受信機を有する有線ツールと共に本明細書で説明する実施例を使用して取得及び/又は生成された結果を示している。第1の送信機は、単極送信機とすることができ、第2の送信機は、有線ツールのx軸に沿って位置決めされた双極送信機とすることができ、第3の送信機は、有線ツールのy軸に沿って位置決めされた双極送信機とすることができる。第1の受信機は、送信機に比較的近い方であり及び/又は最も近く、第14の受信機は、送信機から比較的遠い方であり及び/又は最も遠い。受信機の各々は、例えば、有線ツールの周りに軸線方向に位置決めされた8つのセンサを含む。
【0048】
図8は、ある一定の期間にわたって所定の時間間隔で単極送信機により送信されて受信機(例えば、第3の受信機)により受信した音響信号の振幅のログ又はコラム800を示している。x軸802は、時間に関連し、y軸804は、ボアホール内の有線ツールの位置(例えば、垂直深度)に関連している。コラム800の濃い方の部分は、負の振幅に対応し、コラム800の淡い方の部分は、正の振幅に対応する。
【0049】
図9は、ある一定の期間にわたって14個の受信機によって受信した図8の音響信号の振幅に関連付けられたエネルギ含量のログ又はコラム900を示している。x軸902は、それぞれの受信機に関連し、y軸904は、ボアホール内の有線ツールの位置(例えば、垂直深度)に関連している。この例においては、特定のボアホール深度のエネルギ値は、期間二乗にわたって対応する受信機によって受信した音響信号の振幅の合計(ΣA2)(例えば、トレース全体にわたる二乗振幅の合計)に関連している。コラム900の濃い方の部分は、低い方のエネルギ値に対応しており、従って、所定のボアホール深度での送信機と対応する受信機との間の層境界の存在を示すことができる。コラム900の淡い方の部分は、高い方のエネルギ値に対応しており、従って、所定のボアホール深度での送信機と対応する受信機との間の層境界の不在を示すことができる。例えば、参照番号906により表された区域は、明暗間の鮮明なコントラストのために層境界の存在を示すことができる。参照番号908により表された濃い方の部分及び淡い方の部分の角度は、第1の受信機が送信機の最も近くに位置決めされ、第14の受信機が送信機から最も離れて位置決めされるので存在する。従って、有線ツールがボアホールから出てかつ層境界にわたって移動される時に、第1の受信機は、層境界の送信機と同じ側にある最初のものであり、第14の受信機は、層境界の送信機と同じ側にある最後のものであることになる。
【0050】
図10は、ある一定の期間にわたって所定の時間間隔内の受信機(例えば、第3の受信機)により受信した時に有線ツールのx軸に沿って位置決めされた双極送信機により送信された音響信号の振幅のログ又はコラム1000を示している。x軸1002は、時間に関連し、y軸1004は、ボアホール内の有線ツールの位置(例えば、垂直深度)に関連している。双極送信機が有線ツールのx軸に沿って位置決めされているので、それぞれの受信機のセンサにより受信した振幅の値は重み付けされる。具体的には、正及び負のx方向に沿って位置決めされたセンサは、それぞれ正及び負のものの値で重み付けされ、x軸に対して正及び負の45度の角度に沿って位置決めされたセンサは、2の平方根を2で割ったもの(√2/2)の値で重み付けされ、x軸に対して正及び負の135度の角度に沿って位置決めされたセンサは、負の2の平方根を2で割ったもの(√2/2)の値で重み付けされ、正及び負のy方向に沿って位置決めされたセンサは、ゼロの重み付けされる。コラム1000の濃い方の部分は、負の振幅に対応し、コラム1000の淡い方の部分は、正の振幅に対応する。
【0051】
図11は、ある一定の期間にわたって14個の受信機によって受信した図10の音響信号の振幅に関連付けられたエネルギ含量のログ又はコラム1100を示している。x軸1102は、それぞれの受信機に関連し、y軸1104は、ボアホール内の有線ツールの位置(例えば、垂直深度)に関連している。コラム1100の濃い方の部分は、低い方のエネルギ値に対応し、従って、所定のボアホール深度での送信機と対応する受信機との間の層境界の存在を示すことができる。コラム1100の淡い方の部分は、高い方のエネルギ値に対応しており、従って、所定のボアホール深度での送信機と対応する受信機との間の層境界の不在を示すことができる。例えば、参照番号1106により表された区域は、明暗間の鮮明なコントラストのために層境界の存在を示すことができる。
【0052】
図12は、ある一定の期間にわたって所定の時間間隔内の受信機によって受信した時に有線ツールのy軸に沿って位置決めされた双極送信機により送信された音響信号の振幅のログ又はコラム1200を示している。x軸1202は、時間に関連し、y軸1204は、ボアホール内の有線ツールの位置(例えば、垂直深度)に関連している。双極送信機が、有線ツールのy軸に沿って位置決めされているので、それぞれの受信機のセンサにより受信した振幅の値は重み付けされる。具体的には、正及び負のy方向に沿って位置決めされたセンサは、それぞれ正及び負のものの値で重み付けされ、y軸に対して正及び負の45度の角度に沿って位置決めされたセンサは、√2/2の値で重み付けされ、x軸に対して正及び負の135度の角度に沿って位置決めされたセンサは、負の√2/2の値で重み付けされ、正及び負のx方向に沿って位置決めされたセンサは、重み付けはゼロである。コラム1200の濃い方の部分は、負の振幅に対応し、コラム1200の淡い方の部分は、正の振幅に対応する。
【0053】
図13は、ある一定の期間にわたって14個の受信機によって受信した図12の音響信号の振幅に関連付けられたエネルギ含量のログ又はコラム1300を示している。x軸1302は、それぞれの受信機に関連し、y軸1304は、ボアホール内の有線ツールの位置(例えば、垂直深度)に関連している。コラム1300の濃い方の部分は、低い方のエネルギ値に対応し、従って、所定のボアホール深度での送信機と対応する受信機との間の層境界の存在を示すことができる。コラム1300の淡い方の部分は、高い方のエネルギ値に対応しており、従って、所定のボアホール深度での送信機と対応する受信機との間の層境界の不在を示すことができる。例えば、参照番号1306により表された区域は、明暗間の鮮明なコントラストのために層境界の存在を示すことができる。
【0054】
図14〜図17は、15個の受信機及び送信機を有する有線ツールを使用する本明細書で説明する実施例を使用して取得及び/又は生成した結果を示している。送信機は、少なくとも1つの単極送信機及び少なくとも1つの双極送信機として機能することができる。第1の受信機は、送信機に比較的近い方であり及び/又は最も近く、第15の受信機は、送信機から比較的遠い方であり及び/又は最も遠い。受信機の各々は、例えば、有線ツールの周りに軸線方向に位置決めされた8つのセンサを含む。
【0055】
図14は、ある一定の期間にわたって所定の時間間隔で送信機により送信されて受信機(例えば、第3の受信機)により受信した音響信号の振幅のインライン双極成分のログ又はコラム1400を示している。x軸1402は、時間に関連し、y軸1404は、ボアホール内の有線ツールの位置(例えば、垂直深度)に関連している。コラム1400の濃い方の部分は、負の振幅に対応し、コラム1400の淡い方の部分は、正の振幅に対応する。
【0056】
図15は、ある一定の期間にわたって15個の受信機によって受信した図14の音響信号のインライン双極成分の振幅に関連付けられたエネルギ含量のログ又はコラム1500を示している。x軸1502は、それぞれの受信機に関連し、y軸1504は、ボアホール内の有線ツールの位置(例えば、垂直深度)に関連している。この例においては、所定のボアホール深度のエネルギ値は、期間二乗にわたって対応する受信機によって受信した音響信号の振幅の合計(ΣA2)(例えば、トレース全体にわたる二乗振幅の合計)に関連している。コラム1500の濃い方の部分は、低い方のエネルギ値に対応しており、従って、所定のボアホール深度での送信機と対応する受信機との間の層境界の存在を示すことができる。コラム1500の淡い方の部分は、高い方のエネルギ値に対応しており、従って、所定のボアホール深度での送信機と対応する受信機との間の層境界の不在を示すことができる。例えば、参照番号1506により表された区域は、明暗間の鮮明なコントラストのために層境界の存在を示すことができる。参照番号1508により表された濃い方の部分及び淡い方の部分の角度は、第1の受信機が送信機の最も近くに位置決めされ、第15の受信機が送信機から最も離れて位置決めされるので存在する。従って、有線ツールがボアホールから出て移動された時、第1の受信機は、層境界の送信機と同じ側にある最初のものであり、第15の受信機は、層境界の送信機と同じ側にある最後のものであることになる。
【0057】
図16は、ある一定の期間にわたって所定の時間間隔内の送信機により送信されて受信機によって受信した音響信号の振幅の単極成分のログ又はコラム1600を示している。x軸1602は、時間に関連し、y軸1604は、ボアホール内の有線ツールの位置(例えば、垂直深度)に関連している。コラム1600の濃い方の部分は、負の振幅に対応し、コラム1600の淡い方の部分は、正の振幅に対応する。
【0058】
図17は、ある一定の期間にわたって15個の受信機によって受信した図16の音響信号の単極成分の振幅に関連付けられたエネルギ含量のログ又はコラム1700を示している。x軸1702は、それぞれの受信機に関連し、y軸1704は、ボアホール内の有線ツールの位置(例えば、垂直深度)に関連している。コラム1700の濃い方の部分は、低い方のエネルギ値に対応しており、従って、所定のボアホール深度での送信機と対応する受信機との間の層境界の存在を示すことができる。コラム1700の淡い方の部分は、高い方のエネルギ値に対応しており、従って、所定のボアホール深度での送信機と対応する受信機との間の層境界の不在を示すことができる。例えば、参照番号1706により表された区域は、明暗間の鮮明なコントラストのために層境界の存在を示すことができる。
【0059】
図18Aは、本明細書で説明する実施例を使用して取得した情報から生成したグラフ又はプロット1800を示している。グラフ1800は、送信機から受信機(TR)の間隔の関数として音響信号の経過時間(TT)を示している。y軸1802は、音響信号の経過時間(TT)に対応し、x軸1804は、送信機から受信機の間隔に対応する。グラフ1800は、累層の第1のスローネス及び第1の層に関連付けられた第1の部分1806、累層の第2のスローネス及び第2の層に関連付けられた第2の部分1808、及び累層の第3のスローネス及び第3の層に関連付けられた第3の部分1810を含む。異なる部分の各々は、異なる勾配1806〜1808を有し、この勾配は、例えば、2つの受信機及び/又は2つのボアホール位置間の層境界の存在を示すことができる。従って、点1812は、第1及び第2の部分1806及び1808間の層境界を示すことができ、点1814は、第2と第3の部分1808及び1810間の層境界を示すことができる。グラフ1800のデータを反転することにより、部分1806〜1810、部分1806〜1810の勾配、及び/又は部分1806〜1810を相互接続する点1812及び/又は1814を識別することができる。グラフ1800のデータを反転することによって取得した情報は、累層の少なくとも一部分内の鉱床境界の数を判断して(例えば、自動的に判断して)、例えば、累層の速度を推定し、及び/又は鉱床境界指標を生成するために使用することができる。
【0060】
実施例の一部においては、部分1806〜1810は、以下の式1により表すことができる。ここで、Liは、点Pi(TRi,TTi)及び角度θによって定めることができる直線(例えば、部分1806〜1810の1つ)を表している。
式1:
【0061】
TTiが固定(例えば、均一)であり、従って、TTiがTTi+1と同じであると考えることにより、TRi+1は、関数Liとして表すことができ、TRiは、以下の式2(例えば、帰納式)を使用してTRi+1の関数として表すことができる。ここで、NSegmentは、データ(例えば、解析されたデータ及び/又はプロット1800のデータポイント)内の部分又は直線(例えば、部分1806〜1810)の数を表している。
式2:
【0062】
式2は、以下の式3として書き換えることができる。式3は、各部分(例えば、部分1806〜1810)のTR及び角度が式を解くのに必要であることを示している。
式3:
【0063】
TTi、i+1、Nは、固定であり、TR及び角度は、以下の式4により表されるように推定することができる。
式4:
【0064】
部分1806〜1810のうちの1点の垂直誤差を推定することができる。線(例えば、部分1806〜1810の1つ)は、点Pi(TRi,TTi)及び角度θにより表すことができるので、この線に対するに垂直単位ベクトルは、式5を使用して定めることができる。
式5:
【0065】
部分1806〜1810のうちの1つの区域の近くの複数の点:
を考える場合、考える部分1806〜1810iに対する全垂直平方誤差は、式6として定めることができる。
式6:
【0066】
部分1806〜1810の全てに対する全体誤差Eは、式7によって定めることができる。ここで、NSegmentは、セグメント又は部分(例えば、部分1806〜1810)の数を表し、Niは、それぞれのセグメント又は部分内の点の数を表している。
式7:
【0067】
式7は、式8によって示される{TR1;θ1、θ2、...、θNセグメント}の関数として表すことができ、ここで、
である。
式8:
【0068】
上述の式3を用いて、全体誤差は、式9を使用して求めることができる。式9は、NSegmentがデータに当て嵌められた後に全体誤差を求めるために使用することができる。
式9:
【0069】
一般的に、鉱床境界は、2つの連続的なセグメント(例えば、部分1806〜1810)が有意なスローネス差を有し、及び/又は例えば10us/ftのような所定の量を超えるスローネス差を有する場合に存在する場合がある。しかし、所定の量は、可変である場合があり、従って、あらゆる他の適切な量をその代わりに使用することができる。
【0070】
プロット1800のデータ内の異常値を検出するために、Hampel識別子試験を使用することができる。アルゴリズムP={pk}により検出された一連のピーク及びその連続:
の中間値は、式10によって定めることができる。
式10:
【0071】
中間絶対偏差(MAD)スケール推定量を式11を使用して計算することができる。式11を用いることにより、Pmadは、このように正規化された時に標準偏差の不偏推定量とすることができる。
は、pkが一般的に基準値:
からどのくらい離れた場所にあるかを測定し、1.4826の正規化係数が使用されるが、その理由には、データシーケンス{pk}の公称部分は、ガウス分布を有するからである。
式11:
【0072】
式12は、スチューデント化偏差を求めるために使用することができる。一部の実施例においては、|zk|>3の場合、点は、異常値及び/又は疑わしいと考えることができる。
式12:
【0073】
上述の式の1つ又はそれよりも多くは、図18Bに示すような鉱床境界指標1850を生成するのに使用することができる。ゼロに対応する値は、層境界が存在しないことを示すことができ、一方、1に対応するか又は1に近い値は、層境界の存在を示すことができる。追加的又は代替的に、上述の式の1つ又はそれよりも多くは、図18Cに示すような部分1806〜1810の各々に対してスローネス評価を行うために使用することができる。近い勾配は、第1の部分1806に対応し、中間勾配は、第2の部分1808に対応し、遠い勾配は、第3の部分1810に対応する。
【0074】
図19A〜図19C及び図20A〜図20Cを参照すると、図19A〜図20Aは、異なる受信機によって受信した生データ(例えば、経過時間、送信機から受信機の間隔)のプロット1900及び2000を示している。図19B及び図20Bは、当て嵌められた図19A及び図20Aのデータのプロット1902及び2002を示している。図19Bは、1つの勾配を含み、この勾配は、層境界の不在を示すことができ、図20Bは、2つの勾配を含み、これらの勾配は、勾配間の変曲点で層境界を示すことができる。図19C及び図20Cは、それぞれ、プロット1900、1902、2000、及び/又は2002からのデータを使用するスローネス推定値のプロット1904及び2004を示している。
【0075】
図21は、累層内の層境界を識別するために本明細書で説明する例示的な装置に関連して使用することができる例示的な方法2100の流れ図である。図21の例示的な方法2100は、音響ツール22、144、及び/又は712のいずれか又は本明細書で説明する他の実施例のいずれかを実施するのに使用することができる。図21の例示的な方法2100は、ソフトウエア及び/又はハードウエアを使用して実施することができる。一部の例示的な実施例では、流れ図は、例示的な機械可読命令を表すことができ、流れ図の例示的な方法2100は、機械可読命令を実行することによって完全に又はある程度実施することができる。このような機械可読命令は、例えば、電子機器及び処理システム16、処理及び遠隔測定カートリッジ20、ロギング及び制御コンピュータ160、及び/又はプロセッサ742によって実行することができる。
【0076】
特に、機械可読命令を実行するプロセッサ又はあらゆる他の適切なデバイスは、データストア(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)など)からこのような命令を検索してそれらの命令を実行することができる。一部の例示的な実施例では、図21の流れ図に示す作業の1つ又はそれよりも多くは、手動で実施することができる。例示的な方法2100を図21の流れ図を参照して説明したが、当業者は、音響ツール22、144、及び/又は712、電子機器及び処理システム16、処理及び遠隔測定カートリッジ20、ロギング及び制御コンピュータ160、及び/又はプロセッサ742のいずれかを実施する他の方法を追加的又は代替的に使用することができることを容易に認めるであろう。例えば、図21の流れ図に示すブロックの実行の順序は変えることができ、及び/又は説明したブロックの一部は、再編成、排除、又は組み合わせることができる。
【0077】
本方法は、送信機28〜34、148、714から音響信号を発信することによって開始することができ(ブロック2102)、この信号は、次に、受信機36、150、151、及び/又は716〜722の1つ又はそれよりも多く、及び/又はセンサ724〜738の1つ又はそれよりも多くにより受信することができる(ブロック2104)。発信された音響信号に対して、対応する受信機36、150、151、及び/又は716〜722、及び/又は対応するセンサ724及び/又は738は、所定のボアホール深度である一定の期間にわたって所定の時間間隔で音響信号に関連付けられた情報(例えば、振幅)を記録又はログすることができる。この情報は、あらゆる他の関連の情報と共に格納に向けてデータストア38、156、158、及び/又は740に送信することができる。
【0078】
方法2100は、次に、音響信号に関連付けられたエネルギ値及び/又は音響信号の相対時間遅延を識別することができる(ブロック2106)。例えば、音響信号に関連付けられたエネルギ値を識別するために、電子機器及び処理システム16、処理及び遠隔測定カートリッジ20、ロギング及び制御コンピュータ160、及び/又はプロセッサ742は、最初に、データストア38、156、158、及び/又は740内に格納された音響信号の送信に付随する情報を利用して、異なるボアホール深度である一定の期間にわたって受信機36、150、151及び/又は716〜722、及び/又はセンサ724〜738により受信した音響信号の振幅のログを生成することができる。電子機器及び処理システム16、処理及び遠隔測定カートリッジ20、ロギング及び制御コンピュータ160、及び/又はプロセッサ742は、次に、振幅に関連して先に生成されたログを利用して、異なるボアホール深度である一定の期間にわたって受信機36、150、151、及び/又は716〜722、及び/又はセンサ724〜738により受信した音響信号のエネルギ値のログを生成することができる。一部の例においては、特定のボアホール深度での特定の受信機36、150、151、及び/又は716〜722、及び/又はセンサ724〜738に関するエネルギ値は、例えば、トレース全体にわたる振幅二乗の合計に関連付けることができる。
【0079】
他の実施例においては、音響信号の相対時間遅延を識別するために、電子機器及び処理システム16、処理及び遠隔測定カートリッジ20、ロギング及び制御コンピュータ160、及び/又はプロセッサ742は、振幅に関連して先に生成したログを利用して、異なるボアホール深度でそれぞれの受信機36、150、151、及び/又は716〜722、及び/又はセンサ724〜738により受信した音響信号の相対時間遅延のログ又はプロットを生成することができる。
【0080】
例示的な方法2100は、次に、層境界を識別するために、音響信号に関連付けられたエネルギ値及び/又は音響信号の相対時間遅延に変動が存在するか否かを識別することができる(ブロック2108)。変動が識別されなかった場合、これは、層境界の不在を示すことができる。一部の例においては、電子機器及び処理システム16、処理及び遠隔測定カートリッジ20、ロギング及び制御コンピュータ160、及び/又はプロセッサ742が異なるボアホール深度である一定の期間にわたって受信機36、150、151、及び/又は716〜722、及び/又はセンサ724〜738により受信した音響信号のエネルギ値のログを生成した場合、変動は、2つの隣接ボアホール深度間のエネルギ値の変化によりログ上で識別することができる。このような変化は、2つの位置間の層境界の存在を示すことができる。他の例においては、電子機器及び処理システム16、処理及び遠隔測定カートリッジ20、ロギング及び制御コンピュータ160、及び/又はプロセッサ742が、異なるボアホール深度でそれぞれの受信機36、150、151、及び/又は716〜722、及び/又はセンサ724〜738により受信した音響信号の相対時間遅延のログ又はプロットを生成した場合、非線形反転を用いて、データ内の線の間の相互接続により変動を自動的に識別することができる。線の間のこのような相互接続は、2つの位置間の層境界の存在を示すことができる。
【0081】
方法2100は、次に、別の音響信号を発信すべきであるか否かを判断する(ブロック2110)。方法2100が、別の音響信号を発信すべきであると判断した場合、制御は、ブロック2102に進み、そうでなければ、例示的な方法2100は終了される。
【0082】
図31は、電子機器及び処理システム16、処理及び遠隔測定カートリッジ20、ロギング及び制御コンピュータ160、及び/又はプロセッサ742を実施するように使用及び/又はプログラムすることができる例示的なプロセッサプラットフォームP100の概略図である。例えば、プロセッサプラットフォームP100は、1つ又はそれよりも多くの汎用プロセッサ、プロセッサコア、マイクロコントローラなどによって実施することができる。
【0083】
図31の実施例のプロセッサプラットフォームP100は、少なくとも1つの汎用プログラマブルプロセッサP105を含む。プロセッサP105は、プロセッサP105の主メモリに(例えば、RAMのP115及び/又はROMのP120内に)存在する符号化された命令P110及び/又はP112を実行する。プロセッサP105は、プロセッサコア、プロセッサ、及び/又はマイクロコントローラのようなあらゆる形式の処理ユニットとすることができる。プロセッサP105は、とりわけ、本明細書で説明する例示的な方法及び装置を実行することができる。
【0084】
プロセッサP105は、バスP125を通じて主メモリ(ROMのP120及び/又はRAMのP115を含む)と通信している。RAMのP115は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、同期型ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、及び/又はあらゆる他の形式のRAMデバイスによって実施することができ、ROMは、フラッシュメモリ及び/又はあらゆる他の望ましい形式のメモリデバイスによって実施することができる。メモリP115及びメモリP120へのアクセスは、メモリコントローラ(図示せず)により制御することができる。
【0085】
プロセッサプラットフォームP100は、インタフェース回路P130も含む。インタフェース回路P130は、外部メモリインタフェース、シリアルポート、汎用入力/出力などのようなあらゆる形式のインタフェース規格によって実施することができる。1つ又はそれよりも多くの入力デバイスP135及び1つ又はそれよりも多くの出力デバイスP140は、インタフェース回路P130に接続されている。
【0086】
本明細書で説明する実施例は、例えば、鉱床境界の数、累層の速度の推定値を判断し(例えば、自動的に判断し)、及び/又は鉱床境界指標を生成するのに使用することができる。一部の例においては、このような累層特性を識別するために、音響信号を1つ又はそれよりも多くの受信機に発信することができ、次に、累層の音響インピーダンスに関連付けられたエネルギ値のログを生成することができる。他の例においては、このような累層特性を識別するために、音響信号を1つ又はそれよりも多くの受信機に発信することができ、次に、異なる受信機により受信される時の音響信号の相対時間遅延に関連付けられたログを生成することができる。
【0087】
ある一定の例示的な方法、装置、及び製造物品を本明細書で説明したが、本特許の範囲は、これに限定されるものではない。逆に、本特許は、文字通り又は均等物の教義の下に添付の特許請求の範囲に正しく該当する全ての方法、装置、及び製造物品を含む。
【符号の説明】
【0088】
10 有線ツール
12 坑井
14 多導体ケーブル
24 音波受信機区画
26 音波送信機区画
【技術分野】
【0001】
本特許は、一般的に累層解析に関し、より具体的には、地下層の層境界を識別する方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
サンプリング及び/又は掘削作動中に、例えば、半径方向に累層を画像化する有線ツールを使用して音波測定値を取得することができる。半径方向の画像化は、累層の理解を深めるために使用することができる。しかし、一部の場合には、半径方向の画像化は、累層の各部分の識別が不正確であるので、解釈が適正でない場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第6,308,137号明細書
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】P.Breton他著「良好に位置決めされ地震測定」、油田展望、32〜45頁、2002年春
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
地下層の層境界を識別する例示的な方法は、地下層のボアホール内に送信機から音響信号を発信する段階と、ダウンホールツールに結合され、かつ送信機から離間した受信機で音響信号を受信する段階とを含む。更に、例示的な方法は、ダウンホールツールがボアホール内で移動される時に、受信機によって受信した音響信号に関連付けられたエネルギ値をログする段階と、地下層のインピーダンス変化に関連付けられたログされたエネルギ値の変化を識別して層境界を識別する段階とを含む。
【0006】
地下層の層境界を識別する例示的な方法は、地下層のボアホール内で音響信号を発信する段階と、ダウンホールツールに結合され、かつ送信機から離間した複数の受信機で音響信号を受信する段階とを含む。更に、例示的な方法は、受信機の各々に対して音響信号の経過時間を計算する段階と、計算経過時間の変動を識別して層境界を識別する段階とを含む。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1A】例示的な有線ツールを示す図である。
【図1B】例示的な坑井サイト掘削システムを示す図である。
【図2】例示的な音波式掘削時ロギングツールを示す図である。
【図3】1つ又はそれよりも多くの震源及び1つ又はそれよりも多くの受信機を有する音波式掘削時ツールを示す図である。
【図4】1つ又はそれよりも多くの震源及び1つ又はそれよりも多くの受信機を有する音波式掘削時ツールを示す図である。
【図5】1つ又はそれよりも多くの震源及び1つ又はそれよりも多くの受信機を有する音波式掘削時ツールを示す図である。
【図6】1つ又はそれよりも多くの震源及び1つ又はそれよりも多くの受信機を有する音波式掘削時ツールを示す図である。
【図7】本明細書で説明する実施例を実施するのに使用することができる例示的な装置を示す図である。
【図8】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果を示す図である。
【図9】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果を示す図である。
【図10】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果を示す図である。
【図11】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果を示す図である。
【図12】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果を示す図である。
【図13】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果を示す図である。
【図14】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果を示す図である。
【図15】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果を示す図である。
【図16】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果を示す図である。
【図17】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果を示す図である。
【図18A】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果のプロットを示す図である。
【図18B】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果のプロットを示す図である。
【図18C】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果のプロットを示す図である。
【図19A】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果のプロットを示す図である。
【図19B】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果のプロットを示す図である。
【図19C】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果のプロットを示す図である。
【図20A】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果のプロットを示す図である。
【図20B】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果のプロットを示す図である。
【図20C】本明細書で説明する実施例を使用して取得した結果のプロットを示す図である。
【図21】本明細書で説明する実施例を実施するのに使用することができる例示的な方法の流れ図である。
【図22】ボアホール内の装置の異なる位置を示す図である。
【図23】ボアホール内の装置の異なる位置を示す図である。
【図24】ボアホール内の装置の異なる位置を示す図である。
【図25】ボアホール内の装置の異なる位置を示す図である。
【図26】ボアホール内の装置の異なる位置を示す図である。
【図27】ボアホール内の装置の異なる位置を示す図である。
【図28】ボアホール内の装置の異なる位置を示す図である。
【図29】ボアホール内の装置の異なる位置を示す図である。
【図30】図22〜図29の装置の受信機により異なる位置で受信したエネルギ値を示す図である。
【図31】本明細書で説明する例示的な方法及び装置のいずれか又は全てを実施するように使用及び/又はプログラムすることができる例示的なプロセッサプラットフォームの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
好ましい実施形態の以下の詳細説明において、本明細書の一部を成し、かつ本発明を実施することができる特定の実施形態を例示的に示す添付図面を参照する。他の実施形態を利用することができ、かつ本発明の範囲から逸脱することなく構造上の変更を行うことができることは理解されるものとする。
【0009】
本明細書で説明する例示的な方法及び装置は、ツールがボアホールを横断する時の地下層の層境界及び/又は音響インピーダンスコントラストを識別するのに使用することができる。層境界及び/又は音響インピーダンスコントラストを識別するこのような手法は、有利な態様では、解析中の累層のより良好な理解を可能にすることができる。
【0010】
一部の例においては、層境界及び/又は音響インピーダンスコントラストは、1つ又はそれよりも多くの受信機に音響信号を発信し、次に、累層の音響インピーダンスに関連付けられたエネルギ値のログを生成することによって識別することができる。ログを精査することにより、層境界及び/又は音響インピーダンスコントラストの存在及び位置決めは、エネルギ値の変化(例えば、低下)を識別し、次に、変化が起こった時のツール及び/又は受信機の位置を判断することによって判断することができる。他の例においては、ログを精査することにより、層境界及び/又は音響インピーダンスコントラストの存在及び位置決めは、隣接受信機のエネルギ値の傾向を識別することによって判断することができる。
【0011】
他の例においては、層境界及び/又は音響インピーダンスコントラストは、1つ又はそれよりも多くの受信機に音響信号を発信し、次に、受信機の各々に対して音響信号の経過時間及び/又は相対時間遅延を判断することによって識別することができる。受信及び関連データを反転することにより、層境界及び/又は音響インピーダンスコントラストの存在及び位置決めを判断することができる。具体的には、受信及び関連データ(例えば、経過時間、送信機に対する受信機間隔)を反転することにより、データ内の線の数を識別することができ、データ内の勾配の数を識別することができ、及び/又はデータ内の線を相互接続する点の数を識別することができる。上述の識別された情報の全部又は一部は、鉱床境界の数、すなわち、累層の速度の推定値を判断し(例えば、自動的に判断し)、及び/又は例えば鉱床境界指標を生成するのに使用することができる。
【0012】
図1Aは、本明細書で説明する実施例を使用することができる例示的な有線ツール(例えば、双極子音波画像化ツール)10を示している。例示的な有線ツール10は、地表でウインチ(図示せず)上に巻かれた多導体ケーブル14の下端から坑井12内に吊り下げられる。地表で、ケーブル14は、電子機器及び処理システム16に通信的に結合されている。例示的な有線ツール10は、処理及び遠隔測定カートリッジ20及び音響ツール22を含む細長本体18を含む。音響ツール22は、音波受信機区画24及び音波送信機区画26を含む。
【0013】
有線ツール10が坑井12から出て移動する間に、測定値を取得して、例えば、累層Fの特性を判断することができる。一部の例においては、このような測定値は、音響ツール22により取得することができ、かつ半径方向に累層Fを画像化するのに使用することができる。しかし、鉱床境界、裂け目、層境界、又は累層Fに存在する場合がある音響インピーダンスコントラストは、識別されない場合、半径方向の画像化の解釈に悪影響を与える場合がある。従って、例示的な音波送信機区画26は、1つ又はそれよりも多くの送信機(例えば、単極送信機、双極送信機)28、30、32、及び34を含むことができ、音波受信機区画24は、有線ツール10に結合され、かつ送信機28〜34から離間した受信機36のアレイを含むことができる。以下でより詳細に説明するように、送信機28〜34及び受信機36は、このような鉱床境界、裂け目、層境界、及び/又は音響インピーダンスコントラストを識別するように構成することができる。図示していないが、音響ツール22は、同じか又は異なるとすることができるあらゆる数の送信機(例えば、1つ、2つ、3つ、4つなど)を含むことができる。例えば、送信機28〜34の1つは、単極送信機とすることができ、送信機28〜34の別の1つは、有線ツール10のx軸に沿って位置決めされた双極送信機とすることができ、及び/又は送信機28〜34の別の1つは、例えば、有線ツール10のy軸に沿って位置決めされた双極送信機とすることができる。更に、図示していないが、音響ツール22は、各々が複数のセンサ(例えば、水中聴音器)を含むことができるあらゆる数の受信機(例えば、1つ、2つ、3つ、4つなど)を含むことができる。センサは、有線ツール10の周囲の周りに配分する(例えば、方位角的に配分する)ことができる。一部の例においては、受信機の各々は、8つのセンサを含むことができるが、受信機の各々は、その代わりにあらゆる他の数のセンサ(例えば、1つ、2つ、3つ、4つなど)を含むことができる。
【0014】
有線ツール10が坑井12から出て移動すると、送信機28〜34を通じて坑井12内に音響信号を発信することにより、鉱床境界、裂け目、層境界、及び/又は音響インピーダンスコントラストを識別する測定値を取得することができる。これらの音響信号は、受信機36により受信することができる。送信される異なる音響信号に対して、受信機36は、例えば、所定のボアホール深度である一定の期間(例えば、約1から2ミリ秒の間)にわたって所定の時間間隔で(例えば、10マイクロ秒毎に)音響信号に関連付けられた情報(例えば、振幅)を記録又はログすることができる。作動時に、受信機36が音響信号を受信すると、音響信号に関連付けられた情報は、格納に向けてデータストア38に送信することができる。
【0015】
有線ツール10が坑井12から出て移動されるか又は坑井12内で移動される時に、データストア38内に格納された音響信号の送信に付随する情報は、異なるボアホール深度で受信機36により検出されたエネルギ含量又は値のログを生成するために電子機器及び処理システム16及び/又は処理及び遠隔測定カートリッジ20により使用することができる。エネルギ値は、累層Fのインピーダンス(例えば、音響インピーダンス)に関連付けることができる。累層F内の層が異なれば、異なる音響インピーダンスを有する可能性がある。従って、エネルギ値の変化(例えば、減少)は、エネルギの一部が層境界により反射される場合があり、従って、受信機36に到達しないことになるので音響インピーダンス変化を示すことができる。エネルギ値の変化は、送信機28〜34と受信機36との間の層境界の存在を示すことができる。これとは対照的に、一定のエネルギ値は、送信機28〜34と受信機36の間の層境界の不在を示すことができる。
【0016】
例えば、送信機28〜34及び受信機36が層境界の同じ側に位置決めされている場合、受信機36により受信した音響信号に関連付けられたエネルギ値は、比較的一定のままであるか、比較的高いか、及び/又は小さい変動を示す場合がある。しかし、送信機28〜34及び受信機36が層境界の異なる側に位置決めされている場合、受信機36により受信した音響信号に関連付けられたエネルギ値は、比較的低めであり、及び/又は減少すると考えられ、その理由には、エネルギの一部が、層境界により反射される場合があり、従って、受信機36に到達しないことになるからである。一部の例においては、エネルギ値の実質的な減少は、約20〜40デシベル(dB)の間とすることができる。追加的又は代替的に、例えば、エネルギ値の実質的な減少は、エネルギ値内のほぼ50%の減少に対応するほぼ3dBの変化とすることができる。しかし、特定の事例及び/又は坑井条件によっては、エネルギ値の実質的な減少は、異なる値である場合がある。
【0017】
他の例においては、受信機36により受信したエネルギ値の比率のログは、有線ツール10が坑井12から出て移動されている時に得られる情報から生成することができる。2つの隣接ボアホール位置間のエネルギ値の差は、2つの位置間の層境界の存在を示すことができる。従って、2つの隣接位置のエネルギ値がほぼ同じである場合、これらのエネルギ値の比率は、ほぼ1になり、これは、2つの位置間には恐らく層境界が存在しないことを示している。しかし、2つの隣接ボアホール位置のエネルギ値が異なる場合、エネルギ値の比率は、1にはならず、これは、2つの位置間に層境界が存在することを示すことができる。有線ツール10が複数の受信機36を含む場合、層境界の存在は、複数の受信機36のエネルギ含量を精査することによって識別することができる。
【0018】
他の例においては、データストア38内に格納された音響信号の送信に付随する情報は、電子機器及び処理システム16及び/又は処理及び遠隔測定カートリッジ20により使用され、異なるボアホール深度での送信機28〜34と受信機36の間の距離の関数として受信機36により受信した音響信号の相対時間遅延のログ又はプロットを生成することができる。受信機36が有線ツール10に沿って均一に離間している場合、音響信号が隣接受信機36間を進む時間間隔又は遅延はほぼ同じになる。しかし、層境界が隣接受信機36間に位置決めされている場合、音響信号が隣接受信機36間を進む時間間隔又は遅延は異なるものになる(例えば、層境界の送信機28〜34と反対側の受信機36の相対時間遅延の方が実質的に大きいか又は増大することになる)。一部の例においては、音響信号が所定の受信機に到達する経過時間(例えば、相対的な経過時間)の実質的な増加は、サンプリング速度の数倍の変動である場合がある。しかし、特定の事例及び/又は坑井条件によっては、経過時間の増加は、異なる値である場合がある。
【0019】
2つの隣接ボアホール位置間の音響信号の相対時間遅延の実質的な変化は、2つの位置の間の層境界に関連付けることができる。層境界を識別するために及び/又は累層の速度を推定するために、受信及び関連データは、例えば、非線形反転を使用して反転することができる。受信及び関連データを反転することにより、データ内の線の数を自動的に識別することができ、データ内の勾配の数を自動的に識別することができ、及び/又はデータ内の線を相互接続する点の数を自動的に識別することができる。例えば、データ内の線を相互接続する点の数は、一部の累層F内の層境界の数に関連付けることができる。
【0020】
層境界が2つの隣接ボアホール位置の間にない場合、受信機36の1つにより受信した音響信号の相対時間遅延は、受信機36のうちの別の受信機によって受信した音響信号の相対時間遅延と類似のものである場合がある。この類似性は、受信及び関連データがプロットされた場合、送信機28〜34と受信機36の間の距離の関数として音響信号の経過時間の比較的一定の勾配によって示すことができる。しかし、層境界が2つの隣接ボアホール位置の間にある場合、受信機36の1つにより受信した音響信号の相対時間遅延は、受信機36の別の受信機によって受信した音響信号の相対時間遅延と異なる(例えば、低い)場合がある。この差は、受信及び関連データがプロットされた場合、送信機28〜34と受信機36の間の距離の関数としての音響信号の経過時間の一貫しない勾配及び/又はその変化よって示すことができる。
【0021】
図1Bは、本明細書で説明する実施例を使用することができる坑井サイトシステム100を示している。坑井サイトシステム100は、陸上又は沖合にあるとすることができる。この例においては、ボアホール102は、回転式掘削により地表下の累層F内に形成されている。しかし、他の掘削方法(例えば、傾斜掘削)を用いることができる。
【0022】
ドリルストリング104は、ボアホール102内に吊り下げられ、かつ下端にドリルビット108を含むボトムホールアセンブリ106を有する。地表で、坑井サイトシステム100は、ボアホール102の上に位置決めされたプラットフォーム及びデリックアセンブリ110を含む。プラットフォーム及びデリックアセンブリ110は、回転台112、ケリー114、フック116、及び回転継手118を含む。回転台112は、ドリルストリング104の上端でケリー114と係合してドリルストリング104に回転を与えることができる。回転台112は、図示していないデバイス又はシステムにより通電することができる。ドリルストリング104は、移動ブロック(同じく図示せず)に装着されているフック116から吊り下げられる。更に、ドリルストリング104は、ケリー114及び回転継手118を通じて位置決めされ、それによってフック116に対するドリルストリング104の回転が可能である。追加的又は代替的に、上部駆動システムは、ドリルストリング104に回転を与えるために使用することができる。
【0023】
図11Bに示す例においては、表面で、坑井サイトシステム100は、坑井サイトで形成されたピット122内に貯蔵することができる掘削流体又はマッド120を含む。ポンプ124は、回転継手118内のポートを通じてドリルストリング104の内部に掘削流体120を供給し、掘削流体120は、方向矢印126によって示めされるようにドリルストリング104を通じて下方へ流れる。掘削流体120は、ドリルビット108内のポートを通じてドリルストリング104を出て、次に、方向矢印130によって示めされるようにドリルストリング104の外側とボアホール102の壁部128の間の環状区域を通って上方へ循環する。掘削流体120は、ドリルビット108を滑らかにして、掘削流体120が再循環に向けてピット122に戻される時に表面まで累層堀屑を搬送する。
【0024】
図1Bに示す例のボトムホールアセンブリ106は、掘削時ロギング(LWD)モジュール132、掘削時測定(MWD)モジュール134、回転操縦可能システム又はマッドモータのような別のドリルストリング構成要素136及びドリルビット108を含む。
【0025】
LWDモジュール132は、ドリルカラー138内に収容することができ、かつ1つ又はそれよりも多くのロギングツールを含むことができる。一部の例においては、ボトムホールアセンブリ106は、参照番号140により表される更に別のLWDモジュール及び/又はMWDモジュールを含むことができる。従って、参照番号132に対するこの説明を通した参照は、追加的又は代替的に参照番号140を含むことができる。LWDモジュール132は、測定し、処理し、及び情報を格納し、並びに地表機器と通信する機能を含むことができる。追加的又は代替的に、LWDモジュール132は、地震測定デバイス142を含むことができる。
【0026】
MWDモジュール134も、ドリルカラー143内に収容することができ、かつドリルストリング104、及び/又はドリルビット108の特性を測定する1つ又はそれよりも多くのデバイスを含むことができる。追加的又は代替的に、MWDモジュール134は、例えば、ボトムホールアセンブリ106の少なくとも各部に向けて電力を発生するための装置(図示せず)を含むことができる。電力を発生する装置は、掘削流体の流動により動力が供給されるマッドタービン発電機を含むことができる。しかし、追加的又は代替的に、他の電力及び/又はバッテリシステムを使用することができる。MWDモジュール134は、例えば、ビット上重量測定デバイス、トルク測定デバイス、振動測定デバイス、ショック測定デバイス、スティックスリップ測定デバイス、方向測定デバイス、及び/又は傾き測定デバイスのような1つ又はそれよりも多くのツール又は測定デバイスを含むことができる。
【0027】
掘削作動中、例示的な音響ツール144は、例えば、累層Fを半径方向に画像化するための情報を得るために使用することができる。しかし、鉱床境界、層境界、又は累層Fに存在する場合がある音響インピーダンスコントラストは、識別されない場合、半径方向の画像化の解釈に悪影響を与える場合がある。従って、例示的な音響ツール144は、累層Fに存在する層境界146を識別するように構成された送信機148及び第1及び第2の受信機150及び151を含む。層境界146を識別することに加えて、音響ツール144は、例えば、層境界146の傾き又は層自体の厚みのような層境界146の特性を識別するのに使用することができる。坑井サイトシステム100は、ダウンホールの送信機148及び受信機150及び151を示しているが、送信機148は、アップホールに位置決めすることができ、受信機150及び151は、ダウンホールに位置決めすることができ、又は送信機148は、ダウンホールに位置決めすることができ、受信機150及び151は、例えば、アップホールに位置決めすることができる。あらゆる数の送信機(例えば、1つ、2つ、3つ、4つなど)及び/又は受信機(例えば、1つ、2つ、3つ、4つなど)を音響ツール144と共に使用することができる。
【0028】
一部の例においては、層境界146を識別するために、送信機148は、ボアホール102に音響信号を発信することができる。音響信号は、次に、第1の受信機150及び/又は第2の受信機151により受信される。送信された異なる音響信号に対して、例えば、受信機150及び/又は151は、所定のボアホール深度である一定の期間にわたって所定の時間間隔で音響信号に関連付けられた情報(例えば、振幅)を記録又はログすることができる。この情報は、あらゆる他の関連の情報と共に格納に向けてデータストア156及び/又は158に送信することができる。
【0029】
データストア156及び/又は158内に格納された音響信号の送信に付随する情報は、異なるボアホール深度である一定の期間にわたって受信機150及び/又は151により受信した音響信号の振幅のログを生成するためにロギング及び制御コンピュータ160により使用することができる。更に、ロギング及び制御コンピュータ160は、異なるボアホール深度である一定の期間にわたって受信機150及び/又は151により受信した音響信号のエネルギ値のログを生成するのに使用することができる。一部の例においては、特定の受信機150又は151に関する特定のボアホール深度でのエネルギ値は、期間の二乗にわたって対応する受信機150又は151により受信した音響信号の振幅の合計(ΣA2)(例えば、トレース全体にわたる振幅の二乗の合計)に関連付けることができる。エネルギ値の減少は、送信機148と受信機150及び/又は151との間の層境界の存在を示すことができる。従って、異なるボアホール深度でのエネルギ値に関連付けられたログを精査することにより、層境界146は、エネルギ値が落ちた時、及び/又はエネルギ値が比較的低い時、及び/又は受信機150と151間のエネルギ値の傾向(例えば、変化)を識別することによって識別することができる。これとは対照的に、異なるボアホール深度でのエネルギ値に関連付けられたログを精査することにより、層境界146の不在は、エネルギ値が比較的一定であり、及び/又は比較的高い時に識別することができる。
【0030】
例えば、送信機148及び第1の受信機150が層境界146の第1の側152に位置決めされている場合(例えば、層境界146は、送信機148及び第1の受信機150の間に位置決めされていない)、第1の受信機150により受信した音響信号に関連付けられたエネルギ値は、比較的一定のままであり、比較的高いままであり、及び/又は増加する場合があり、その理由には、累層Fの音響インピーダンスは、比較的首尾一貫しており、つまり一定とすることができるからである。しかし、送信機148が層境界146の第1の側152に位置決めされ、第1の受信機150が層境界146の第2の側に位置決めされている場合(例えば、層境界146は、送信機148及び第1の受信機150の間に位置決めされている)、第1の受信機150により受信した音響信号に関連付けられたエネルギ値は、比較的低く、及び/又は減少する場合がある。これらのエネルギ値は、第1の側152が第1の音響インピーダンスに関連付けることができるので減少する場合があり、第2の側154は、第2の音響インピーダンスに関連付けることができ、信号エネルギの一部は層境界146で反射される場合があり、従って、この反射されたエネルギは、第1の受信機150に到達することができない。
【0031】
他の例においては、第1の受信機150及び第2の受信機151により受信したエネルギ値の比率のログを生成することができる。隣接ボアホールの位置に関連付けられたエネルギ値の差は、層境界146の存在を示すことができるので、層境界146は、隣接位置に関連付けられたエネルギ値の比率が1又は1に近くない場合に識別することができる。
【0032】
他の例においては、異なるボアホール深度である一定の期間にわたって受信機150及び/又は151により受信した音響信号の振幅のログは、受信機150及び/又は151により受信した音響信号の相対時間遅延の変化を識別するためにロギング及び制御コンピュータ160により使用することができる。第1の受信機150及び次に第2の受信機151により受信した音響信号の相対時間遅延の変化は、受信機150及び151間の層境界146の存在を示すことができる。追加的又は代替的に、2つの隣接ボアホール位置間で受信機150及び/又は151により受信した音響信号の相対時間遅延の変化は、2つの位置間に位置決めされた層境界146に関連付けることができる。
【0033】
例えば、層境界146が第1の受信機150と第2の受信機151との間に位置決めされている場合、第1の受信機150により受信した音響信号の相対時間遅延は、第2の受信機151により受信した音響信号の相対時間遅延と異なる場合がある。この相対時間遅延の差は、受信及び関連データがプロットされた場合、送信機148と対応する受信機150又は151との間の距離の関数として音響信号の経過時間の勾配の変化により表すことができる。これとは対照的に、層境界146が第1の受信機150と第2の受信機151との間に位置決めされていない場合、第1の受信機150により受信した音響信号の相対時間遅延は、第2の受信機151により受信した音響信号の相対時間遅延と類似のものであるとすることができる。この類似性は、受信及び関連データがプロットされた場合、送信機148と対応する受信機150又は151との間の距離の関数として音響信号の経過時間の比較的一定の勾配により表すことができる。
【0034】
ロギング及び制御コンピュータ160は、LWDモジュール132、地震測定デバイス142、MWDモジュール134、及び/又は音響ツール144から送信された情報及び/又はデータを受信することができる。ロギング及び制御コンピュータ160は、掘削中及び/又は例えば掘削が一時的に停止されている間に、取得した結果を解析することができる。ロギング及び制御コンピュータ160は、パラメータ(例えば、処理パラメータ)を入力し、及び/又は出力を表示することを可能にするユーザインタフェースを含むことができる。ログ及び統制コンピュータ160は、アップホールで及び坑井サイトシステムの近くに示されているが、ロギング及び制御コンピュータ160の一部又は全体は、ドリルストリング104、ボトムホールアセンブリ106、及び/又は遠く離れた位置に位置決めすることができる。
【0035】
図1A及び図1Bの構成要素は、特定の運搬形式で実施されるように図示して説明するが、本明細書で説明する例示的な方法及び装置は、特定の運搬形式に限定されず、代替的に、例えば、業界で公知のコイル状の配管、有線ドリルパイプ、及び/又はあらゆる他の運搬形式を含む異なる運搬形式に関連して実施することができる。
【0036】
図2は、図1BのLWDモジュール132の少なくとも一部を実施するのに使用することができ、又は米国特許第6,308,137号に記載されているようにLWDモジュール140の一部とすることができる音波式掘削時ロギングツール200を示すものであり、この特許は、全体が本明細書において引用により組み込まれている。音波送信源又はアレイ又は送信機204を有する沖合リグ202は、水208の表面206の近くに配備することができる。追加的に又は代替的に、あらゆる他の形式のアップホール又はダウンホール源又は送信機は、音波信号を発信するために設けることができる。一部の例においては、アップホールプロセッサ(図示せず)は、送信機204の発信を制御することができる。
【0037】
アップホール機器210はまた、音響受信機(図示せず)及び信号源(例えば、送信機204)の近くで基準信号を捕捉する記録器(図示せず)を含むことができる。アップホール機器210は、ダウンホール機器212からMWD信号を受信する遠隔測定機器(図示せず)を含むことができる。遠隔測定機器及び記録器は、一般的に、アップホール及びダウンホールクロック(図示せず)を使用してログを同期させることができるようにプロセッサ(図示せず)に結合されている。この例においては、ダウンホールLWDモジュール214は、1つ又はそれよりも多くの音響受信機216及び218を含む。音響受信機216及び218は、一般的に、信号源(例えば、送信機204)の発信と同期して受信機216及び/又は218により検出された信号のログを行うことができるように信号プロセッサ220に結合されている。
【0038】
図3〜図6は、図1BのLWDモジュール132の少なくとも一部を実施するのに使用することができ、又は全体が本明細書において引用により組み込まれているP.Breton他著「良好に位置決めされ地震測定」、油田展望、32〜45頁、2002年春に説明されているようなLWDモジュール140の一部とすることができる掘削時地震探査ツール300、400、500、及び/又は600を示すものである。掘削時地震探査ツール300、400、500、及び600は、単一の震源又は送信機304(図3)、508(図5)、又は複数の震源又は送信機404〜414(図4)又は618〜632(図6)と共に使用することができる単一の受信機302(図3)及び402(図4)、又は複数の受信機502〜506(図5)、602〜616(図6)を含むことができる。
【0039】
図3は、鉱床境界308から反射する信号306を示しており、かつ「ゼロオフセット」垂直地震探査プロフィール構成と呼ぶことができる。図4は、鉱床境界430から反射する信号416〜426を示しており、かつ「ウォークアウェイ」垂直地震探査プロフィール構成と呼ぶことができる。図5は、岩塩ドーム境界516を通って反射する信号510〜514を示しており、かつ「ソルトプロキシミティ」垂直地震探査プロフィールと呼ぶことができる。図6は、一部が鉱床境界650から反射している信号634〜648を示しており、「ウォークアバブ」地震探査プロフィールと呼ぶことができる。
【0040】
図7は、層704を有する累層F内に形成されたボアホール702内に位置決めされた例示的な装置700を示している。層704は、ボアホール702の縦軸706に対する傾きを有し(例えば、非垂直角度に位置決めされており)、かつ第1の層境界708及び第2の層境界710を含む。
【0041】
層704及び/又は層境界708及び/又は710の特性を識別するために、例示的な装置700には、送信機714及び第1〜第4の受信機716〜722を有する音響ツール712が設けられている。この例においては、受信機716〜722の各々には、第1及び第2の対向センサ(例えば、水中聴音器)724〜738が設けられている。しかし、受信機716〜722の各々は、例えば、8つのセンサのようなあらゆる数のセンサを含むことができる。この例は、1つの送信機714及び4つの受信機716〜722を有する例示的な装置700を示すが、例示的な装置700は、あらゆる数の送信機(例えば、1つ、2つ、3つなど)及び/又はあらゆる数の受信機(例えば、1つ、2つ、3つなど)を含むことができる。
【0042】
一部の例においては、層704及び/又は層境界708及び/又は710を識別するために、送信機714は、ボアホール702に音響信号を発信することができる。音響信号は、次に、対応する受信機716〜722のセンサ724〜738により受信することができる。送信された異なる音響信号に対して、センサ724〜738は、所定のボアホール深度である一定の期間にわたって所定の時間間隔で音響信号に関連付けられた情報(例えば、信号振幅)を記録又はログすることができる。この情報は、あらゆる他の関連の情報と共に格納に向けてデータストア740に送信することができる。
【0043】
データストア740内に格納された音響信号の送信に付随する情報は、異なるボアホール深度である一定の期間にわたってセンサ724〜738により受信した音響信号の振幅のログを生成するためにプロセッサ742により使用することができる。更に、プロセッサ742は、例えば、装置700がボアホール702内で移動された時に、異なるボアホール深度である一定の期間にわたってセンサ724〜738により受信した音響信号のエネルギ値のログを生成するのに使用することができる。エネルギ値の減少は、層境界708及び/又は710の1つの傾き及び/又はその存在、及び/又は送信機714と対応するセンサ724〜738との間の累層F内の音響インピーダンス変化を示すことができる。エネルギ値の減少は、層境界708及び/又は710で反射されている音響信号のエネルギの一部から生じる場合がある。例えば、例示的な装置700がボアホール702から出て移動されている有線ツールである場合、エネルギ値に関連付けられたログを精査して、例えば、第1の層境界708の傾きを示すことができる第1及び第2の対向センサ724及び726に関連付けられたエネルギ値の差を識別することができる。具体的には、図7に示すように、送信機714及び第1のセンサ724が、第1の音響インピーダンスを有する第1の層境界708の第1の側744に位置決めされているので、第1のセンサ724により受信した音響信号に関連付けられたエネルギ値は、比較的高いと考えられる。しかし、第2のセンサ726は、第2の音響インピーダンスを有する第1の層境界708の第2の側746に位置決めされており、送信機714は、第1の音響インピーダンスを有する第1の層境界708の第1の側744に位置決めされているので、第2のセンサ726により受信した音響信号に関連付けられたエネルギ値の方が、比較的低いと考えられ、その理由には、音響信号のエネルギの一部は、第1の層境界708で反射されると考えられるからである。
【0044】
他の例においては、異なるボアホール深度である一定の期間にわたってセンサ724〜738により受信した音響信号の振幅のログは、センサ724〜738により受信した音響信号の相対時間遅延の変化を識別するためにプロセッサ742により使用することができる。センサ724〜738により受信した音響信号の相対時間遅延の変化は、層境界708及び/又は710の1つの傾き及び/又はその存在、及び/又は送信機714と対応するセンサ724〜738との間の累層F内の音響インピーダンス変化を示すことができる。例えば、例示的な装置700がボアホール702から出て移動されている有線ツールである場合、それぞれのセンサ724〜738により受信した時の音響信号に関連付けられたデータを反転することにより、第1の層境界708の傾きは、第1及び第2の対向センサ724及び726により受信した時の音響信号の相対時間遅延の変化により識別することができる。具体的には、図7に示すように、送信機714及び第1のセンサ724は、第1の音響インピーダンスを有する第1の層境界708の第1の側744に位置決めされているので、音響信号は、第1のセンサ724により受信した時に第1の相対時間遅延を有すると考えられる。しかし、第2のセンサ726は、第2の音響インピーダンスを有する第1の層境界708の第2の側746に位置決めされており、送信機714は、第1の音響インピーダンスを有する第1の層境界708の第1の側744に位置決めされているので、音響信号は、第2のセンサ726により受信した時に、第1の相対時間遅延と異なる第2の相対時間遅延を有すると考えられる。
【0045】
図22〜図29は、層境界2204に対するボアホール2202内のツール2200の異なる位置を示している。ツール2200は、送信機2206及び第1〜第6の受信機2208〜2218を含む。図30は、ボアホール2202内の異なる位置の受信機2208〜2218により受信したエネルギ値のプロット3000を示している。プロット3000のRI〜R6は、それぞれの受信機2208〜2218に対応し、位置1〜8は、それぞれ、図22〜図29のツール2200の位置に対応する。
【0046】
上述のように、送信機2206は、ボアホール2202に音響信号を発信することができ、それは、次に、受信機2208〜2218により受信される。受信機2208〜2218の全てが、図22に示すように最初に層境界2204の送信機2206と同じ側に位置決めされた場合、受信機2208〜2218により受信したエネルギ値は、実質的に全て同じになる(図30の位置1)。しかし、受信機2208〜2218が、図23〜図28に示すように層境界2204の送信機2206と異なる側にあるように移動した時、受信機2208〜2218により受信したエネルギ値は、送信機2206及び層境界2204に対してそれぞれの受信機2208〜2218の位置によっては異なるものになる(図30の位置2〜7)。受信機2208〜2218の全てが、再び図29に示すように層境界2204の送信機2206と同じ側に位置決めされた時、受信機2208〜2218により受信したエネルギ値は、実質的に全て同じものになる(図30の位置8)。
【0047】
図8〜図13は、3つの送信機及び14個の受信機を有する有線ツールと共に本明細書で説明する実施例を使用して取得及び/又は生成された結果を示している。第1の送信機は、単極送信機とすることができ、第2の送信機は、有線ツールのx軸に沿って位置決めされた双極送信機とすることができ、第3の送信機は、有線ツールのy軸に沿って位置決めされた双極送信機とすることができる。第1の受信機は、送信機に比較的近い方であり及び/又は最も近く、第14の受信機は、送信機から比較的遠い方であり及び/又は最も遠い。受信機の各々は、例えば、有線ツールの周りに軸線方向に位置決めされた8つのセンサを含む。
【0048】
図8は、ある一定の期間にわたって所定の時間間隔で単極送信機により送信されて受信機(例えば、第3の受信機)により受信した音響信号の振幅のログ又はコラム800を示している。x軸802は、時間に関連し、y軸804は、ボアホール内の有線ツールの位置(例えば、垂直深度)に関連している。コラム800の濃い方の部分は、負の振幅に対応し、コラム800の淡い方の部分は、正の振幅に対応する。
【0049】
図9は、ある一定の期間にわたって14個の受信機によって受信した図8の音響信号の振幅に関連付けられたエネルギ含量のログ又はコラム900を示している。x軸902は、それぞれの受信機に関連し、y軸904は、ボアホール内の有線ツールの位置(例えば、垂直深度)に関連している。この例においては、特定のボアホール深度のエネルギ値は、期間二乗にわたって対応する受信機によって受信した音響信号の振幅の合計(ΣA2)(例えば、トレース全体にわたる二乗振幅の合計)に関連している。コラム900の濃い方の部分は、低い方のエネルギ値に対応しており、従って、所定のボアホール深度での送信機と対応する受信機との間の層境界の存在を示すことができる。コラム900の淡い方の部分は、高い方のエネルギ値に対応しており、従って、所定のボアホール深度での送信機と対応する受信機との間の層境界の不在を示すことができる。例えば、参照番号906により表された区域は、明暗間の鮮明なコントラストのために層境界の存在を示すことができる。参照番号908により表された濃い方の部分及び淡い方の部分の角度は、第1の受信機が送信機の最も近くに位置決めされ、第14の受信機が送信機から最も離れて位置決めされるので存在する。従って、有線ツールがボアホールから出てかつ層境界にわたって移動される時に、第1の受信機は、層境界の送信機と同じ側にある最初のものであり、第14の受信機は、層境界の送信機と同じ側にある最後のものであることになる。
【0050】
図10は、ある一定の期間にわたって所定の時間間隔内の受信機(例えば、第3の受信機)により受信した時に有線ツールのx軸に沿って位置決めされた双極送信機により送信された音響信号の振幅のログ又はコラム1000を示している。x軸1002は、時間に関連し、y軸1004は、ボアホール内の有線ツールの位置(例えば、垂直深度)に関連している。双極送信機が有線ツールのx軸に沿って位置決めされているので、それぞれの受信機のセンサにより受信した振幅の値は重み付けされる。具体的には、正及び負のx方向に沿って位置決めされたセンサは、それぞれ正及び負のものの値で重み付けされ、x軸に対して正及び負の45度の角度に沿って位置決めされたセンサは、2の平方根を2で割ったもの(√2/2)の値で重み付けされ、x軸に対して正及び負の135度の角度に沿って位置決めされたセンサは、負の2の平方根を2で割ったもの(√2/2)の値で重み付けされ、正及び負のy方向に沿って位置決めされたセンサは、ゼロの重み付けされる。コラム1000の濃い方の部分は、負の振幅に対応し、コラム1000の淡い方の部分は、正の振幅に対応する。
【0051】
図11は、ある一定の期間にわたって14個の受信機によって受信した図10の音響信号の振幅に関連付けられたエネルギ含量のログ又はコラム1100を示している。x軸1102は、それぞれの受信機に関連し、y軸1104は、ボアホール内の有線ツールの位置(例えば、垂直深度)に関連している。コラム1100の濃い方の部分は、低い方のエネルギ値に対応し、従って、所定のボアホール深度での送信機と対応する受信機との間の層境界の存在を示すことができる。コラム1100の淡い方の部分は、高い方のエネルギ値に対応しており、従って、所定のボアホール深度での送信機と対応する受信機との間の層境界の不在を示すことができる。例えば、参照番号1106により表された区域は、明暗間の鮮明なコントラストのために層境界の存在を示すことができる。
【0052】
図12は、ある一定の期間にわたって所定の時間間隔内の受信機によって受信した時に有線ツールのy軸に沿って位置決めされた双極送信機により送信された音響信号の振幅のログ又はコラム1200を示している。x軸1202は、時間に関連し、y軸1204は、ボアホール内の有線ツールの位置(例えば、垂直深度)に関連している。双極送信機が、有線ツールのy軸に沿って位置決めされているので、それぞれの受信機のセンサにより受信した振幅の値は重み付けされる。具体的には、正及び負のy方向に沿って位置決めされたセンサは、それぞれ正及び負のものの値で重み付けされ、y軸に対して正及び負の45度の角度に沿って位置決めされたセンサは、√2/2の値で重み付けされ、x軸に対して正及び負の135度の角度に沿って位置決めされたセンサは、負の√2/2の値で重み付けされ、正及び負のx方向に沿って位置決めされたセンサは、重み付けはゼロである。コラム1200の濃い方の部分は、負の振幅に対応し、コラム1200の淡い方の部分は、正の振幅に対応する。
【0053】
図13は、ある一定の期間にわたって14個の受信機によって受信した図12の音響信号の振幅に関連付けられたエネルギ含量のログ又はコラム1300を示している。x軸1302は、それぞれの受信機に関連し、y軸1304は、ボアホール内の有線ツールの位置(例えば、垂直深度)に関連している。コラム1300の濃い方の部分は、低い方のエネルギ値に対応し、従って、所定のボアホール深度での送信機と対応する受信機との間の層境界の存在を示すことができる。コラム1300の淡い方の部分は、高い方のエネルギ値に対応しており、従って、所定のボアホール深度での送信機と対応する受信機との間の層境界の不在を示すことができる。例えば、参照番号1306により表された区域は、明暗間の鮮明なコントラストのために層境界の存在を示すことができる。
【0054】
図14〜図17は、15個の受信機及び送信機を有する有線ツールを使用する本明細書で説明する実施例を使用して取得及び/又は生成した結果を示している。送信機は、少なくとも1つの単極送信機及び少なくとも1つの双極送信機として機能することができる。第1の受信機は、送信機に比較的近い方であり及び/又は最も近く、第15の受信機は、送信機から比較的遠い方であり及び/又は最も遠い。受信機の各々は、例えば、有線ツールの周りに軸線方向に位置決めされた8つのセンサを含む。
【0055】
図14は、ある一定の期間にわたって所定の時間間隔で送信機により送信されて受信機(例えば、第3の受信機)により受信した音響信号の振幅のインライン双極成分のログ又はコラム1400を示している。x軸1402は、時間に関連し、y軸1404は、ボアホール内の有線ツールの位置(例えば、垂直深度)に関連している。コラム1400の濃い方の部分は、負の振幅に対応し、コラム1400の淡い方の部分は、正の振幅に対応する。
【0056】
図15は、ある一定の期間にわたって15個の受信機によって受信した図14の音響信号のインライン双極成分の振幅に関連付けられたエネルギ含量のログ又はコラム1500を示している。x軸1502は、それぞれの受信機に関連し、y軸1504は、ボアホール内の有線ツールの位置(例えば、垂直深度)に関連している。この例においては、所定のボアホール深度のエネルギ値は、期間二乗にわたって対応する受信機によって受信した音響信号の振幅の合計(ΣA2)(例えば、トレース全体にわたる二乗振幅の合計)に関連している。コラム1500の濃い方の部分は、低い方のエネルギ値に対応しており、従って、所定のボアホール深度での送信機と対応する受信機との間の層境界の存在を示すことができる。コラム1500の淡い方の部分は、高い方のエネルギ値に対応しており、従って、所定のボアホール深度での送信機と対応する受信機との間の層境界の不在を示すことができる。例えば、参照番号1506により表された区域は、明暗間の鮮明なコントラストのために層境界の存在を示すことができる。参照番号1508により表された濃い方の部分及び淡い方の部分の角度は、第1の受信機が送信機の最も近くに位置決めされ、第15の受信機が送信機から最も離れて位置決めされるので存在する。従って、有線ツールがボアホールから出て移動された時、第1の受信機は、層境界の送信機と同じ側にある最初のものであり、第15の受信機は、層境界の送信機と同じ側にある最後のものであることになる。
【0057】
図16は、ある一定の期間にわたって所定の時間間隔内の送信機により送信されて受信機によって受信した音響信号の振幅の単極成分のログ又はコラム1600を示している。x軸1602は、時間に関連し、y軸1604は、ボアホール内の有線ツールの位置(例えば、垂直深度)に関連している。コラム1600の濃い方の部分は、負の振幅に対応し、コラム1600の淡い方の部分は、正の振幅に対応する。
【0058】
図17は、ある一定の期間にわたって15個の受信機によって受信した図16の音響信号の単極成分の振幅に関連付けられたエネルギ含量のログ又はコラム1700を示している。x軸1702は、それぞれの受信機に関連し、y軸1704は、ボアホール内の有線ツールの位置(例えば、垂直深度)に関連している。コラム1700の濃い方の部分は、低い方のエネルギ値に対応しており、従って、所定のボアホール深度での送信機と対応する受信機との間の層境界の存在を示すことができる。コラム1700の淡い方の部分は、高い方のエネルギ値に対応しており、従って、所定のボアホール深度での送信機と対応する受信機との間の層境界の不在を示すことができる。例えば、参照番号1706により表された区域は、明暗間の鮮明なコントラストのために層境界の存在を示すことができる。
【0059】
図18Aは、本明細書で説明する実施例を使用して取得した情報から生成したグラフ又はプロット1800を示している。グラフ1800は、送信機から受信機(TR)の間隔の関数として音響信号の経過時間(TT)を示している。y軸1802は、音響信号の経過時間(TT)に対応し、x軸1804は、送信機から受信機の間隔に対応する。グラフ1800は、累層の第1のスローネス及び第1の層に関連付けられた第1の部分1806、累層の第2のスローネス及び第2の層に関連付けられた第2の部分1808、及び累層の第3のスローネス及び第3の層に関連付けられた第3の部分1810を含む。異なる部分の各々は、異なる勾配1806〜1808を有し、この勾配は、例えば、2つの受信機及び/又は2つのボアホール位置間の層境界の存在を示すことができる。従って、点1812は、第1及び第2の部分1806及び1808間の層境界を示すことができ、点1814は、第2と第3の部分1808及び1810間の層境界を示すことができる。グラフ1800のデータを反転することにより、部分1806〜1810、部分1806〜1810の勾配、及び/又は部分1806〜1810を相互接続する点1812及び/又は1814を識別することができる。グラフ1800のデータを反転することによって取得した情報は、累層の少なくとも一部分内の鉱床境界の数を判断して(例えば、自動的に判断して)、例えば、累層の速度を推定し、及び/又は鉱床境界指標を生成するために使用することができる。
【0060】
実施例の一部においては、部分1806〜1810は、以下の式1により表すことができる。ここで、Liは、点Pi(TRi,TTi)及び角度θによって定めることができる直線(例えば、部分1806〜1810の1つ)を表している。
式1:
【0061】
TTiが固定(例えば、均一)であり、従って、TTiがTTi+1と同じであると考えることにより、TRi+1は、関数Liとして表すことができ、TRiは、以下の式2(例えば、帰納式)を使用してTRi+1の関数として表すことができる。ここで、NSegmentは、データ(例えば、解析されたデータ及び/又はプロット1800のデータポイント)内の部分又は直線(例えば、部分1806〜1810)の数を表している。
式2:
【0062】
式2は、以下の式3として書き換えることができる。式3は、各部分(例えば、部分1806〜1810)のTR及び角度が式を解くのに必要であることを示している。
式3:
【0063】
TTi、i+1、Nは、固定であり、TR及び角度は、以下の式4により表されるように推定することができる。
式4:
【0064】
部分1806〜1810のうちの1点の垂直誤差を推定することができる。線(例えば、部分1806〜1810の1つ)は、点Pi(TRi,TTi)及び角度θにより表すことができるので、この線に対するに垂直単位ベクトルは、式5を使用して定めることができる。
式5:
【0065】
部分1806〜1810のうちの1つの区域の近くの複数の点:
を考える場合、考える部分1806〜1810iに対する全垂直平方誤差は、式6として定めることができる。
式6:
【0066】
部分1806〜1810の全てに対する全体誤差Eは、式7によって定めることができる。ここで、NSegmentは、セグメント又は部分(例えば、部分1806〜1810)の数を表し、Niは、それぞれのセグメント又は部分内の点の数を表している。
式7:
【0067】
式7は、式8によって示される{TR1;θ1、θ2、...、θNセグメント}の関数として表すことができ、ここで、
である。
式8:
【0068】
上述の式3を用いて、全体誤差は、式9を使用して求めることができる。式9は、NSegmentがデータに当て嵌められた後に全体誤差を求めるために使用することができる。
式9:
【0069】
一般的に、鉱床境界は、2つの連続的なセグメント(例えば、部分1806〜1810)が有意なスローネス差を有し、及び/又は例えば10us/ftのような所定の量を超えるスローネス差を有する場合に存在する場合がある。しかし、所定の量は、可変である場合があり、従って、あらゆる他の適切な量をその代わりに使用することができる。
【0070】
プロット1800のデータ内の異常値を検出するために、Hampel識別子試験を使用することができる。アルゴリズムP={pk}により検出された一連のピーク及びその連続:
の中間値は、式10によって定めることができる。
式10:
【0071】
中間絶対偏差(MAD)スケール推定量を式11を使用して計算することができる。式11を用いることにより、Pmadは、このように正規化された時に標準偏差の不偏推定量とすることができる。
は、pkが一般的に基準値:
からどのくらい離れた場所にあるかを測定し、1.4826の正規化係数が使用されるが、その理由には、データシーケンス{pk}の公称部分は、ガウス分布を有するからである。
式11:
【0072】
式12は、スチューデント化偏差を求めるために使用することができる。一部の実施例においては、|zk|>3の場合、点は、異常値及び/又は疑わしいと考えることができる。
式12:
【0073】
上述の式の1つ又はそれよりも多くは、図18Bに示すような鉱床境界指標1850を生成するのに使用することができる。ゼロに対応する値は、層境界が存在しないことを示すことができ、一方、1に対応するか又は1に近い値は、層境界の存在を示すことができる。追加的又は代替的に、上述の式の1つ又はそれよりも多くは、図18Cに示すような部分1806〜1810の各々に対してスローネス評価を行うために使用することができる。近い勾配は、第1の部分1806に対応し、中間勾配は、第2の部分1808に対応し、遠い勾配は、第3の部分1810に対応する。
【0074】
図19A〜図19C及び図20A〜図20Cを参照すると、図19A〜図20Aは、異なる受信機によって受信した生データ(例えば、経過時間、送信機から受信機の間隔)のプロット1900及び2000を示している。図19B及び図20Bは、当て嵌められた図19A及び図20Aのデータのプロット1902及び2002を示している。図19Bは、1つの勾配を含み、この勾配は、層境界の不在を示すことができ、図20Bは、2つの勾配を含み、これらの勾配は、勾配間の変曲点で層境界を示すことができる。図19C及び図20Cは、それぞれ、プロット1900、1902、2000、及び/又は2002からのデータを使用するスローネス推定値のプロット1904及び2004を示している。
【0075】
図21は、累層内の層境界を識別するために本明細書で説明する例示的な装置に関連して使用することができる例示的な方法2100の流れ図である。図21の例示的な方法2100は、音響ツール22、144、及び/又は712のいずれか又は本明細書で説明する他の実施例のいずれかを実施するのに使用することができる。図21の例示的な方法2100は、ソフトウエア及び/又はハードウエアを使用して実施することができる。一部の例示的な実施例では、流れ図は、例示的な機械可読命令を表すことができ、流れ図の例示的な方法2100は、機械可読命令を実行することによって完全に又はある程度実施することができる。このような機械可読命令は、例えば、電子機器及び処理システム16、処理及び遠隔測定カートリッジ20、ロギング及び制御コンピュータ160、及び/又はプロセッサ742によって実行することができる。
【0076】
特に、機械可読命令を実行するプロセッサ又はあらゆる他の適切なデバイスは、データストア(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読取専用メモリ(ROM)など)からこのような命令を検索してそれらの命令を実行することができる。一部の例示的な実施例では、図21の流れ図に示す作業の1つ又はそれよりも多くは、手動で実施することができる。例示的な方法2100を図21の流れ図を参照して説明したが、当業者は、音響ツール22、144、及び/又は712、電子機器及び処理システム16、処理及び遠隔測定カートリッジ20、ロギング及び制御コンピュータ160、及び/又はプロセッサ742のいずれかを実施する他の方法を追加的又は代替的に使用することができることを容易に認めるであろう。例えば、図21の流れ図に示すブロックの実行の順序は変えることができ、及び/又は説明したブロックの一部は、再編成、排除、又は組み合わせることができる。
【0077】
本方法は、送信機28〜34、148、714から音響信号を発信することによって開始することができ(ブロック2102)、この信号は、次に、受信機36、150、151、及び/又は716〜722の1つ又はそれよりも多く、及び/又はセンサ724〜738の1つ又はそれよりも多くにより受信することができる(ブロック2104)。発信された音響信号に対して、対応する受信機36、150、151、及び/又は716〜722、及び/又は対応するセンサ724及び/又は738は、所定のボアホール深度である一定の期間にわたって所定の時間間隔で音響信号に関連付けられた情報(例えば、振幅)を記録又はログすることができる。この情報は、あらゆる他の関連の情報と共に格納に向けてデータストア38、156、158、及び/又は740に送信することができる。
【0078】
方法2100は、次に、音響信号に関連付けられたエネルギ値及び/又は音響信号の相対時間遅延を識別することができる(ブロック2106)。例えば、音響信号に関連付けられたエネルギ値を識別するために、電子機器及び処理システム16、処理及び遠隔測定カートリッジ20、ロギング及び制御コンピュータ160、及び/又はプロセッサ742は、最初に、データストア38、156、158、及び/又は740内に格納された音響信号の送信に付随する情報を利用して、異なるボアホール深度である一定の期間にわたって受信機36、150、151及び/又は716〜722、及び/又はセンサ724〜738により受信した音響信号の振幅のログを生成することができる。電子機器及び処理システム16、処理及び遠隔測定カートリッジ20、ロギング及び制御コンピュータ160、及び/又はプロセッサ742は、次に、振幅に関連して先に生成されたログを利用して、異なるボアホール深度である一定の期間にわたって受信機36、150、151、及び/又は716〜722、及び/又はセンサ724〜738により受信した音響信号のエネルギ値のログを生成することができる。一部の例においては、特定のボアホール深度での特定の受信機36、150、151、及び/又は716〜722、及び/又はセンサ724〜738に関するエネルギ値は、例えば、トレース全体にわたる振幅二乗の合計に関連付けることができる。
【0079】
他の実施例においては、音響信号の相対時間遅延を識別するために、電子機器及び処理システム16、処理及び遠隔測定カートリッジ20、ロギング及び制御コンピュータ160、及び/又はプロセッサ742は、振幅に関連して先に生成したログを利用して、異なるボアホール深度でそれぞれの受信機36、150、151、及び/又は716〜722、及び/又はセンサ724〜738により受信した音響信号の相対時間遅延のログ又はプロットを生成することができる。
【0080】
例示的な方法2100は、次に、層境界を識別するために、音響信号に関連付けられたエネルギ値及び/又は音響信号の相対時間遅延に変動が存在するか否かを識別することができる(ブロック2108)。変動が識別されなかった場合、これは、層境界の不在を示すことができる。一部の例においては、電子機器及び処理システム16、処理及び遠隔測定カートリッジ20、ロギング及び制御コンピュータ160、及び/又はプロセッサ742が異なるボアホール深度である一定の期間にわたって受信機36、150、151、及び/又は716〜722、及び/又はセンサ724〜738により受信した音響信号のエネルギ値のログを生成した場合、変動は、2つの隣接ボアホール深度間のエネルギ値の変化によりログ上で識別することができる。このような変化は、2つの位置間の層境界の存在を示すことができる。他の例においては、電子機器及び処理システム16、処理及び遠隔測定カートリッジ20、ロギング及び制御コンピュータ160、及び/又はプロセッサ742が、異なるボアホール深度でそれぞれの受信機36、150、151、及び/又は716〜722、及び/又はセンサ724〜738により受信した音響信号の相対時間遅延のログ又はプロットを生成した場合、非線形反転を用いて、データ内の線の間の相互接続により変動を自動的に識別することができる。線の間のこのような相互接続は、2つの位置間の層境界の存在を示すことができる。
【0081】
方法2100は、次に、別の音響信号を発信すべきであるか否かを判断する(ブロック2110)。方法2100が、別の音響信号を発信すべきであると判断した場合、制御は、ブロック2102に進み、そうでなければ、例示的な方法2100は終了される。
【0082】
図31は、電子機器及び処理システム16、処理及び遠隔測定カートリッジ20、ロギング及び制御コンピュータ160、及び/又はプロセッサ742を実施するように使用及び/又はプログラムすることができる例示的なプロセッサプラットフォームP100の概略図である。例えば、プロセッサプラットフォームP100は、1つ又はそれよりも多くの汎用プロセッサ、プロセッサコア、マイクロコントローラなどによって実施することができる。
【0083】
図31の実施例のプロセッサプラットフォームP100は、少なくとも1つの汎用プログラマブルプロセッサP105を含む。プロセッサP105は、プロセッサP105の主メモリに(例えば、RAMのP115及び/又はROMのP120内に)存在する符号化された命令P110及び/又はP112を実行する。プロセッサP105は、プロセッサコア、プロセッサ、及び/又はマイクロコントローラのようなあらゆる形式の処理ユニットとすることができる。プロセッサP105は、とりわけ、本明細書で説明する例示的な方法及び装置を実行することができる。
【0084】
プロセッサP105は、バスP125を通じて主メモリ(ROMのP120及び/又はRAMのP115を含む)と通信している。RAMのP115は、ダイナミックランダムアクセスメモリ(DRAM)、同期型ダイナミックランダムアクセスメモリ(SDRAM)、及び/又はあらゆる他の形式のRAMデバイスによって実施することができ、ROMは、フラッシュメモリ及び/又はあらゆる他の望ましい形式のメモリデバイスによって実施することができる。メモリP115及びメモリP120へのアクセスは、メモリコントローラ(図示せず)により制御することができる。
【0085】
プロセッサプラットフォームP100は、インタフェース回路P130も含む。インタフェース回路P130は、外部メモリインタフェース、シリアルポート、汎用入力/出力などのようなあらゆる形式のインタフェース規格によって実施することができる。1つ又はそれよりも多くの入力デバイスP135及び1つ又はそれよりも多くの出力デバイスP140は、インタフェース回路P130に接続されている。
【0086】
本明細書で説明する実施例は、例えば、鉱床境界の数、累層の速度の推定値を判断し(例えば、自動的に判断し)、及び/又は鉱床境界指標を生成するのに使用することができる。一部の例においては、このような累層特性を識別するために、音響信号を1つ又はそれよりも多くの受信機に発信することができ、次に、累層の音響インピーダンスに関連付けられたエネルギ値のログを生成することができる。他の例においては、このような累層特性を識別するために、音響信号を1つ又はそれよりも多くの受信機に発信することができ、次に、異なる受信機により受信される時の音響信号の相対時間遅延に関連付けられたログを生成することができる。
【0087】
ある一定の例示的な方法、装置、及び製造物品を本明細書で説明したが、本特許の範囲は、これに限定されるものではない。逆に、本特許は、文字通り又は均等物の教義の下に添付の特許請求の範囲に正しく該当する全ての方法、装置、及び製造物品を含む。
【符号の説明】
【0088】
10 有線ツール
12 坑井
14 多導体ケーブル
24 音波受信機区画
26 音波送信機区画
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下層の層境界を識別する方法であって、
地下層のボアホール内に送信機から音響信号を発信する段階と、
ダウンホールツールに結合され、かつ前記送信機から離間した受信機で前記音響信号を受信する段階と、
前記ダウンホールツールが前記ボアホール内で移動される時に前記受信機によって受信した前記音響信号に関連付けられたエネルギ値をログする段階と、
前記地下層のインピーダンス変化に関連付けられた前記ログされたエネルギ値の変化を識別して層境界を識別する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記インピーダンス変化は、前記地下層の第2の隣接する層とは異なるインピーダンスを有する該地下層の第1の層に関連付けられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ログされたエネルギ値の前記変化は、該エネルギ値の実質的な減少であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ログされたエネルギ値の前記変化は、前記層境界の1つの側に位置する前記送信機と該層境界の別の側に位置する前記受信機とに関連付けられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ダウンホールツールに結合された複数の受信機に対応する複数のエネルギ値をログする段階と、前記インピーダンス変化に関連付けられた該ログされたエネルギ値の変化を識別して前記層境界を識別する段階とを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ログされたエネルギ値の前記変化を識別する段階は、該ログされたエネルギ値の傾向を識別する段階を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ログされたエネルギ値の前記変化を識別する段階は、前記受信機のうちの少なくとも2つのエネルギ値の比率を計算する段階を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記ボアホール内の前記受信機の深度に基づいて前記層境界の位置を判断する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
地下層の層境界を識別する方法であって、
地下層のボアホール内に音響信号を発信する段階と、
ダウンホールツールに結合され、かつ送信機から離間した複数の受信機で前記音響信号を受信する段階と、
前記受信機の各々に対して前記音響信号の経過時間を計算する段階と、
前記計算経過時間の変動を識別して層境界を識別する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記計算経過時間の前記変動を識別する段階は、前記受信機の少なくとも1つに関連付けられた該計算経過時間の実質的な変化を識別する段階を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記受信機の前記少なくとも1つに関連付けられた前記計算経過時間の前記実質的な変化は、該計算経過時間の実質的な増加であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記ボアホール内の前記少なくとも1つの受信機の深度に基づいて前記層境界の位置を判断する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記計算経過時間を前記送信機と前記受信機の間の対応する距離に関連付ける段階と、該計算経過時間と該対応する距離の該関係に基づいて該計算経過時間の前記変動を識別する段階とを更に含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記計算経過時間と前記対応する距離の前記関係に基づいて該計算経過時間の前記変動を識別する段階は、該関係の勾配の変化を識別する段階を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記関係の前記勾配の前記変化を識別する段階は、前記層境界の第1の側の前記地下層の第1の層に関連付けられた第1のスローネスと該層境界の第2の側の第2の層に関連付けられた第2のスローネスとを識別する段階を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記計算経過時間の前記変動を識別する段階は、前記複数の受信機で受信した前記音響信号の相対時間遅延の変動を識別する段階を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項17】
地下層のボアホール内に音響信号を発信する送信機と、
前記音響信号の少なくとも一部分を受信する1つ又はそれよりも多くの受信機と、
前記送信機と前記1つ又はそれよりも多くの受信機の間の前記音響信号の伝送に基づいて地下層の層境界を識別するための手段と、
を含むことを特徴とするダウンホールツール。
【請求項18】
前記層境界を識別するための前記手段は、前記1つ又はそれよりも多くの受信機によって受信した前記音響信号に関連付けられたエネルギ値を計算し、かつダウンホールツールが前記ボアホール内で移動される時に該エネルギ値を他の計算エネルギ値と比較して該層境界を識別するように構成されたプロセッサを含むことを特徴とする請求項17に記載のダウンホールツール。
【請求項19】
前記層境界を識別するための前記手段は、前記1つ又はそれよりも多くの受信機によって受信した前記音響信号に関連付けられたエネルギ値を計算し、かつ該1つ又はそれよりも多くの受信機の各々の該エネルギ値を比較して該エネルギ値の傾向を識別し、該層境界を識別するように構成されたプロセッサを含むことを特徴とする請求項17に記載のダウンホールツール。
【請求項20】
前記層境界を識別するための前記手段は、前記1つ又はそれよりも多くの受信機の各々への前記音響信号の経過時間を計算し、かつ該経過時間の傾向を識別して該層境界を識別するように構成されたプロセッサを含むことを特徴とする請求項17に記載のダウンホールツール。
【請求項21】
前記層境界を識別するための前記手段は、前記1つ又はそれよりも多くの受信機の各々への前記音響信号の経過時間を計算し、かつ該経過時間の実質的な変化を識別して該層境界を識別するように構成されたプロセッサを含むことを特徴とする請求項17に記載のダウンホールツール。
【請求項1】
地下層の層境界を識別する方法であって、
地下層のボアホール内に送信機から音響信号を発信する段階と、
ダウンホールツールに結合され、かつ前記送信機から離間した受信機で前記音響信号を受信する段階と、
前記ダウンホールツールが前記ボアホール内で移動される時に前記受信機によって受信した前記音響信号に関連付けられたエネルギ値をログする段階と、
前記地下層のインピーダンス変化に関連付けられた前記ログされたエネルギ値の変化を識別して層境界を識別する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記インピーダンス変化は、前記地下層の第2の隣接する層とは異なるインピーダンスを有する該地下層の第1の層に関連付けられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ログされたエネルギ値の前記変化は、該エネルギ値の実質的な減少であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ログされたエネルギ値の前記変化は、前記層境界の1つの側に位置する前記送信機と該層境界の別の側に位置する前記受信機とに関連付けられることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記ダウンホールツールに結合された複数の受信機に対応する複数のエネルギ値をログする段階と、前記インピーダンス変化に関連付けられた該ログされたエネルギ値の変化を識別して前記層境界を識別する段階とを更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ログされたエネルギ値の前記変化を識別する段階は、該ログされたエネルギ値の傾向を識別する段階を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記ログされたエネルギ値の前記変化を識別する段階は、前記受信機のうちの少なくとも2つのエネルギ値の比率を計算する段階を含むことを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項8】
前記ボアホール内の前記受信機の深度に基づいて前記層境界の位置を判断する段階を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
地下層の層境界を識別する方法であって、
地下層のボアホール内に音響信号を発信する段階と、
ダウンホールツールに結合され、かつ送信機から離間した複数の受信機で前記音響信号を受信する段階と、
前記受信機の各々に対して前記音響信号の経過時間を計算する段階と、
前記計算経過時間の変動を識別して層境界を識別する段階と、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項10】
前記計算経過時間の前記変動を識別する段階は、前記受信機の少なくとも1つに関連付けられた該計算経過時間の実質的な変化を識別する段階を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記受信機の前記少なくとも1つに関連付けられた前記計算経過時間の前記実質的な変化は、該計算経過時間の実質的な増加であることを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記ボアホール内の前記少なくとも1つの受信機の深度に基づいて前記層境界の位置を判断する段階を更に含むことを特徴とする請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記計算経過時間を前記送信機と前記受信機の間の対応する距離に関連付ける段階と、該計算経過時間と該対応する距離の該関係に基づいて該計算経過時間の前記変動を識別する段階とを更に含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記計算経過時間と前記対応する距離の前記関係に基づいて該計算経過時間の前記変動を識別する段階は、該関係の勾配の変化を識別する段階を含むことを特徴とする請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記関係の前記勾配の前記変化を識別する段階は、前記層境界の第1の側の前記地下層の第1の層に関連付けられた第1のスローネスと該層境界の第2の側の第2の層に関連付けられた第2のスローネスとを識別する段階を含むことを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記計算経過時間の前記変動を識別する段階は、前記複数の受信機で受信した前記音響信号の相対時間遅延の変動を識別する段階を含むことを特徴とする請求項9に記載の方法。
【請求項17】
地下層のボアホール内に音響信号を発信する送信機と、
前記音響信号の少なくとも一部分を受信する1つ又はそれよりも多くの受信機と、
前記送信機と前記1つ又はそれよりも多くの受信機の間の前記音響信号の伝送に基づいて地下層の層境界を識別するための手段と、
を含むことを特徴とするダウンホールツール。
【請求項18】
前記層境界を識別するための前記手段は、前記1つ又はそれよりも多くの受信機によって受信した前記音響信号に関連付けられたエネルギ値を計算し、かつダウンホールツールが前記ボアホール内で移動される時に該エネルギ値を他の計算エネルギ値と比較して該層境界を識別するように構成されたプロセッサを含むことを特徴とする請求項17に記載のダウンホールツール。
【請求項19】
前記層境界を識別するための前記手段は、前記1つ又はそれよりも多くの受信機によって受信した前記音響信号に関連付けられたエネルギ値を計算し、かつ該1つ又はそれよりも多くの受信機の各々の該エネルギ値を比較して該エネルギ値の傾向を識別し、該層境界を識別するように構成されたプロセッサを含むことを特徴とする請求項17に記載のダウンホールツール。
【請求項20】
前記層境界を識別するための前記手段は、前記1つ又はそれよりも多くの受信機の各々への前記音響信号の経過時間を計算し、かつ該経過時間の傾向を識別して該層境界を識別するように構成されたプロセッサを含むことを特徴とする請求項17に記載のダウンホールツール。
【請求項21】
前記層境界を識別するための前記手段は、前記1つ又はそれよりも多くの受信機の各々への前記音響信号の経過時間を計算し、かつ該経過時間の実質的な変化を識別して該層境界を識別するように構成されたプロセッサを含むことを特徴とする請求項17に記載のダウンホールツール。
【図1A】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図21】
【図30】
【図31】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18C】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図1B】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図18A】
【図18B】
【図19A】
【図19B】
【図19C】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図21】
【図30】
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【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18C】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2011−215149(P2011−215149A)
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−93468(P2011−93468)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(500177204)シュルンベルジェ ホールディングス リミテッド (51)
【氏名又は名称原語表記】Schlnmberger Holdings Limited
【公開日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93468(P2011−93468)
【出願日】平成23年4月1日(2011.4.1)
【出願人】(500177204)シュルンベルジェ ホールディングス リミテッド (51)
【氏名又は名称原語表記】Schlnmberger Holdings Limited
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