説明

地下水地表流出流速流量測定装置及びそのモニタリング装置

【課題】本発明は、地下水地表流出流速流量測定装置及びそのモニタリング装置を提供するためのものである。
【解決手段】本発明は、地下水が流出される地表領域に固定設置されて地表上に流出される地下水を保管する貯蔵槽と、貯蔵槽の内に保管された地下水を流入して水柱の上昇を誘発する液柱管及び液柱管の上端開口の上に形成されて液柱管の内で上昇した水柱の水頭差により地下水の流出速度及び流量を検出する圧力式測定手段とを含む構成からなって、地表に流出される地下水の流速及び流量を容易で、かつ速く測定することができ、併せて測定された地下水の流速及び流量に関するデータをリアルタイムまたは時間帯別に、あるいはユーザの要請によって何時でもユーザの端末機を介してモニタリングすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地下水地表流出流速流量測定装置及びそのモニタリング装置に関し、より詳しくは、地表上に流出される地下水の流速及び流量をやさしく、かつ速く測定することができ、併せて、測定された地下水の流速及び流量に関するデータをリアルタイムまたは時間帯別に、あるいはユーザの要請によってユーザの端末機を介してモニタリングできる地下水地表流出流速流量測定装置及びそのモニタリング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地下水は、地球上の水の1%以下であって、基盤岩と土壌の空間に入っている。大部分の地下水の根源は降雨であるが、このような降雨は地中に染み込んで地下水系の一部分となり、残りは地中を経由したり地面を流れて海へ流入する。
【0003】
地下にある水を全て地下水と定義するものではないが、我が国の地下水法においても地下水を‘地下の地層や岩石の間の隙間を詰めている水’と定義している。
【0004】
このような地下水は、湖や海底に向かって流れており、その流れは地質の構成成分により影響を受ける。その例として、石灰岩地域の地下水は時速数(m/h)の速度で速く移動する一方、大部分の他の地域では年間数m程度の遅い速度で移動する。
【0005】
地下水は重要な水資源であるので、これに対する効果的な管理と利用のためには、まず、地表上に流出される地下水の流速及び流量を正確に測定する作業が先行されなければならない。
【0006】
しかしながら、このような地下水の流速及び流量は、一々作業者または監督者の自覚のみに依存して測定することはできなかったので、今までも地下水の地表流出に対する正確な流速及び流量を速かに測定するには多くの困難性が伴うことが事実である。
【0007】
したがって、地球上の重要な水資源である地下水に対する活用価値を高めるために、地表から流出される地下水の流速及び流量を迅速で、かつ正確にリアルタイムに測定できる計測装置に対する必要性が台頭されたし、延いては測定されたデータを何時何処でも容易に収集して把握できるモニタリング装置に対する要請が至急な実状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上記の問題点を解決するために案出したものであって、地表から流出される地下水の流速及び流量を迅速で、かつ正確にリアルタイムに測定できる地下水地表流出流速流量測定装置を提供することをその目的とする。
【0009】
また、本発明は測定された地下水の流速及び流量と関連したデータを何時何処でも容易に収集及び把握するための地下水地表流出流速流量測定装置を用いたモニタリング装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の技術的課題を達成するための本発明の事象によれば、地下水が流出される地表領域の側面及び上部面を密閉するよう固定設置されて地表上に流出される地下水を保管する貯蔵槽と、上記貯蔵槽の内に保管された地下水を流入して水柱の上昇を誘発する液柱管と、上記液柱管の上端開口の上に形成されて上記液柱管の内で上昇した水柱の水頭差により差圧を感知して、地表に流出される地下水の流速及び流量を検出する圧力式測定手段と、を含む地下水地表流出流速流量測定装置を提供する。
【0011】
この際、上記貯蔵槽は、上記地下水が流出される地表領域に少なくとも1つが固定設置され、円筒の容器形状のものがよい。
【0012】
そして、上記貯蔵槽と上記液柱管との間には、地表領域から流出されて上記貯蔵槽の内に保管された地下水が上記液柱管側に流入できるように、上記貯蔵槽と上記液柱管との相互間に管路を形成する連結ホースが連結形成されることができ、上記連結ホースは、一端が上記貯蔵槽の上側に連結され、他端が上記液柱管の下側に連結される形態からなる。
【0013】
そして、上記液柱管の下側には上記連結ホースを連結するためのソケットが備えられるものがよい。
【0014】
また、上記液柱管には、上記液柱管の立設された位置及び姿勢を固定するトライポッドがさらに備えられることが好ましい。
【0015】
そして、上記液柱管の上側または下側には自動開閉器が備えられる。
【0016】
また、上記圧力式測定手段は、差圧トランスミッタであるものがよい。
【0017】
そして、上記液柱管の上端開口には上記圧力式測定手段を固定して設置するための受け台が備えられる。
【0018】
また、本発明のもう1つの事象によれば、地下水が流出される地表領域の側面及び上部面を密閉するよう固定設置されて地表上に流出される地下水を保管する貯蔵槽と、上記貯蔵槽の内に保管された地下水を流入して水柱の上昇を誘発する液柱管と、上記液柱管の上端開口の上に形成されて上記液柱管の内で上昇した水柱の水頭差により地下水の流出速度及び流量を検出する圧力式測定手段と、上記圧力式測定手段から検出された地下水の流出速度及び流量に関するデータをケーブルまたは通信網を介してリアルタイムまたは時間帯別に転送する通信インターフェース部と、上記通信インターフェース部を介して転送されたデータを格納し、上記データを既に設定された基準値と比較すると共に、リアルタイムまたは時間帯別、あるいはユーザの要請によって上記格納されたり、基準値と比較されたデータをユーザの端末機へ転送する統合サーバー部と、を含む地下水地表流出流速流量測定装置を用いたモニタリング装置を含む。
【0019】
この際、上記統合サーバー部には、上記通信インターフェース部を介して地下水の流出速度及び流量に関するデータの入力を受けるデータ入力部と、上記データ入力部に入力されたデータをリアルタイムまたは時間帯別に記録するデータ格納部と、上記データ入力部に入力されたデータを既に設定された基準値と比較して、ユーザのコマンドに従う地下水の流出速度及び流量に関する統計データに分析及び演算するデータ演算部と、上記データ入力部、上記データ格納部、及び上記データ演算部の動作を制御する制御部と、を含む。
【0020】
そして、上記統合サーバー部から転送される地下水の流出速度及び流量に関する上記データは、ユーザの端末機を介して、テキスト情報、画像情報、及び音声情報のうち、いずれか1つの形式で転送される。この際、ユーザの端末機が携帯用通信端末機の場合、常用化されたSMS(short messaging service)またはMMS(multimedia messaging service)などを活用して、テキスト情報は勿論、簡単な画像情報までも同時に転送できる。
【0021】
また、上記統合サーバー部は、上記通信インターフェース部を介して転送されたデータ及び上記データを既に設定された基準値と比較したデータ差を別途に格納する予備DB格納部をさらに含むことができる。
【0022】
この際、上記貯蔵槽は、上記地下水が流出される地表領域に少なくとも1つが固定設置され、円筒の容器形状のものがよい。
【0023】
そして、上記貯蔵槽と上記液柱管との間には、地表領域から流出されて上記貯蔵槽の内に保管された地下水が上記液柱管側に流入できるように、上記貯蔵槽と上記液柱管との相互間に管路を形成する連結ホースが連結形成されることができ、上記連結ホースは、一端が上記貯蔵槽の上側に連結され、他端が上記液柱管の下側に連結される形態からなる。
【0024】
そして、上記液柱管の下側には上記連結ホースを連結するためのソケットが備えられるものがよい。
【0025】
また、上記液柱管には、上記液柱管の立設された位置及び姿勢を固定するトライポッドがさらに備えられることが好ましい。
【0026】
そして、上記液柱管の上側または下側には自動開閉器が備えられる。
【0027】
また、上記圧力式測定手段は、差圧トランスミッタであるものがよい。
【0028】
そして、上記液柱管の上端開口には上記圧力式測定手段を固定して設置するための受け台が備えられる。
【発明の効果】
【0029】
本発明の地下水地表流出流速流量測定装置及びそのモニタリング装置によれば、地表上に流出される地下水の速度及び流量を該当地表上に設置されるチャンバー(chamber)と、これと連結されて立設されたピエゾメーター形態の長い液柱管及びその上部に設置された差圧トランスミッタのような圧力式センサーを用いることによって、リアルタイムに容易に液柱管に沿って上昇された水柱の水頭差により地下水の流出速度及び流量を測定することができる効果がある。
【0030】
また、本発明の地下水地表流出流速流量測定装置及びそのモニタリング装置によれば、上記のように測定された地下水の流速及び流量に関するデータをリアルタイムまたは時間帯別に、あるいはユーザの要請がある度に、ユーザの端末機(例:携帯電話、PDA、PC等)を介して、文字、画像、及び音声のような多様な形態の情報にて速かに知らせてくれるので、ユーザは何時何処でも地下水の流出に関する情報を容易に収集または把握することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の地下水地表流出流速流量測定装置の一実施形態を説明するために示す概念図である。
【図2】本発明の地下水地表流出流速流量測定装置における複数の貯蔵槽が用いられた形態を説明するために示す概念図である。
【図3】図1に図示された実施形態におけるモニタリング装置が含まれた形態を説明するために示す概念図である。
【図4】図2に図示された実施形態におけるモニタリング装置が含まれた形態を説明するために示す概念図である。
【図5】本発明のモニタリング装置を説明するために示す図である。
【図6】本発明のモニタリング装置における統合サーバー部を説明するために示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に従う地下水地表流出流速流量測定装置及びそのモニタリング装置の好ましい実施形態について説明する。
【0033】
本発明の利点及び特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付の図面と共に詳細に後述する実施形態を参照すれば明らかになる。しかしながら、本発明は、以下に開示される実施形態により限定されるものではなく、互いに異なる多様な形態で具現され、単に、本実施形態は本発明の開示が完全になるようにし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせてくれるために提供されるものであり、本発明は請求項の範疇により定義される。また、本発明を説明するに当たって、関連した公知技術などが本発明の要旨を曖昧にすることができると判断される場合、それに関する詳細な説明は省略する。
【0034】
図1は、地下水地表流出流速流量測定装置の一実施形態を示す斜視図である。このような図面は本発明の構成関係を概念的に明確に理解するために特徴される部分のみを図示したものであって、その結果、図解の多様な変形が予想され、本発明は図示された特定の形態に制限される必要はない。
【0035】
図1を参照すると、図示された地下水地表流出流速流量測定装置は、地表Sの上に流出される地下水を保管する貯蔵槽102、上記貯蔵槽102の内に保管された地下水を流入して水柱の上昇を誘発する液柱管110、及び上記液柱管110の内で上昇した水柱の水頭差により差圧を感知して地下水の流速及び流量を検出する圧力式測定手段150を含む構成からなる。
【0036】
まず、貯蔵槽102について説明する。
【0037】
貯蔵槽102は、チャンバー(chamber)とも呼ばれる貯蔵容器または貯蔵タンクをいう。
【0038】
貯蔵槽102の下部は地下水が流出される地表Sの領域に開放形成され、側面及び上部面は密閉形成されて、上記貯蔵槽102の底面、即ち上記貯蔵槽102が固定設置されて密閉空間をなす地表領域から流出される地下水を内部空間に保管することができる形態からなる。
【0039】
このような貯蔵槽102の形状は、図1に示すように、円筒の容器形状からなることができるが、このような形状は1つの好ましい一例に過ぎないものであり、本発明はこのような形状にあまり制限されない。
【0040】
したがって、多様な実施形態によってその形状及びサイズが少しずつ変形されて実施されるとしても、全て本発明の範疇に属することが自明である。
【0041】
また、このような貯蔵槽102が設置される場所には、地表水Wが詰められている場所であって、地下水が流出できる地表Sの領域である。例えば、地下水が底面から流出できる貯水池のような場所がここに該当する。
【0042】
このような理由により、上記貯蔵槽102は水中に設置される形態となることができるので、耐食性及び耐摩耗性の良好な材質を有するものが良い。延いては、上記貯蔵槽102の設置によって水中生態系が汚染されないように防汚性の良い材質で製作される。
【0043】
また、上記貯蔵槽102は内部から流出される地下水の流量変動を勘案すると、所定の内部圧力にもその形状が変形されてはならないので、強靭な自体強度を有する剛性の構造材質を用いるものが良い。
【0044】
一方、このような貯蔵槽102は地下水が流出される地表Sの領域に少なくとも1つ以上が固定設置できるが、図2を参照すると、3台の貯蔵槽102が同一地表Sの領域上に配置されたことを確認することができる。
【0045】
図2に示すように、該当地表Sの領域上に1つ以上の貯蔵槽102を設置する場合、それぞれの貯蔵槽102からの地下水の流入量を算術平均して液柱管110の内の水柱の水頭差を検出することができるので、図1の場合のように、単一の貯蔵槽102を用いることに比べて、より正確なデータを検出することに助けになる。
【0046】
また、図1を参照して、液柱管110について説明する。
【0047】
液柱管110は前述した貯蔵槽102と連結されて、貯蔵槽102の内に保管された地下水を流入して水柱の上昇を誘発し、上昇された水柱の水頭差により差圧を測定できるようにする装置である。
【0048】
即ち、このような液柱管110はピエゾメーター(piezometer)方式を適用したものであって、その内部に流入した地下水の定圧(static pressure)を測定できるようにする。
【0049】
このような目的に符合するように、上記液柱管110は全長さ区間で同一なサイズ及び形状をなす円形断面の長い管体形状からなり、その内部の表面は表面粗さの殆どない滑らかな面からなった形態を有するように製作されるものが良い。
【0050】
但し、上記液柱管110の断面のサイズ及び全長さは該当地表Sの領域から流出される地下水の流量を考慮して合目的的に設計される。
【0051】
また、上記液柱管110は作業者が外部から内部の水柱高さを観察できるように透明な材質からなるものが良いが、これで、よりよい実験的便宜性を提供することができる。
【0052】
このような液柱管110と貯蔵槽102との間には連結ホース106が形成される。
【0053】
上記連結ホース106は図1に示すように、地表Sの領域から流出されて貯蔵槽102の内に保管された地下水が液柱管110の側に流入できるように、貯蔵槽102と液柱管110との相互間に管路を形成する。
【0054】
図1では、単一の貯蔵槽102が地表Sの上に固定配置されているので、1つの貯蔵槽102と1つの液柱管110が単一管路を通じて連結できるので、このような連結ホース106が1つのみ使われる。
【0055】
即ち、連結ホース106は貯蔵槽102の上側に備えられた流出口104から液柱管110の下側まで管路を形成する。
【0056】
この際、液柱管110の下側には連結ホース106を締結して固定させるためのソケット112がさらに備えられる。
【0057】
また、図2を参照すると、3台の貯蔵槽102が同一地表Sの領域の上に相互離隔して固定配置される形態となっていることを確認することができる。
【0058】
3台の貯蔵槽102から1つの液柱管110の下側に地下水を流入させるためには、既存の連結ホース106の以外に連結ホースの追加分が必要であり、併せて、液柱管110の下側にも多数のソケットが備えられなければならない。
【0059】
このような不都合を解消するために、液柱管110と連結される連結ホース106aと、各々の貯蔵槽102に連結される連結ホース106bとを分離し、分離された連結ホース106bの管路を合わせるために、Y型あるいはT型の連結配管108を用いることができる。
【0060】
そして、上記液柱管110には液柱管110が立設された位置及び姿勢を固定させるトライポッド(tripod)120がさらに備えられる。
【0061】
このようなトライポッド120は、上記液柱管110の外周縁に覆いかぶせて固定される環状固定部122と、上記環状固定部122から地表まで延長支持され、上記液柱管110の位置及び姿勢を設置時と同一に維持できるようにする支持段部124を含む構成からなる。
【0062】
このような上記トライポッド120のサイズ及び形状は、液柱管110のサイズによって多様に変形実施されて適用され、図1及び図2に図示された形状によって本発明が制限されるものではない。
【0063】
一方、液柱管110の上端または下端の一側上には各々少なくとも1つずつの自動開閉器130a、130bが設置される。自動開閉器130a、130bは、電気または磁気的に設定された負荷によって自動に開放または閉鎖される装置であって、一種のバルブと見ることができ、このような自動開閉器130a、130bの作動の如何によって液柱管110の内の水柱の上昇調節が補正及び制御できる。
【0064】
液柱管110を通じて流入した地下水は、液柱管110の内で水柱の上昇を誘発する。この際、水柱の上昇を起こす圧力の差を水柱の水頭差という。
【0065】
もし、液柱管110の内の水柱の水頭差を把握し、その定圧の差を知ることができると、地表に流出される地下水の流速及び流量が検出できるが、このような役割を担当するものが圧力式測定手段150である。
【0066】
このような圧力式測定手段150は、液柱管110の内の水柱の水頭差により定圧、流量、または流速を測定することができる装置であって、差圧トランスミッタ(differential pressure transmitters)が用いられる。
【0067】
差圧トランスミッタは液柱管110の内の水柱の上昇により、定圧、流量、及び流速が全て測定できる圧力センサーを含むことは勿論、RS232等のシリアル通信信号を用いて常用プロトコルを用いるための信号処理回路及び通信出力回路を含む装置と定義することができる。
【0068】
地表Sの領域から流出された地下水の流速及び流量により液柱管110の内で水柱の水頭差が発生すれば、このような差圧トランスミッタのような圧力式測定手段150で該当信号を生成して、データ転送まで可能にする。
【0069】
本実施形態では、上記圧力式測定手段150として差圧トランスミッタを用いているが、これは例示的なものであり、本発明はこれに制限される必要がない。
【0070】
したがって、前述したように、圧力式測定手段150として敢えて差圧トランスミッタを利用しなくても、別途の圧力センサーと、圧力センサーから検出された信号を適切に変換する信号処理回路、及び変換された信号を送信する通信回路を別々に構成して、本発明の目的に符合するように実施してもよい。
【0071】
そして、できる限り、このような圧力式測定手段150は、液柱管110の上端開口の上に配置されることがその測定の正確性を高めることに効果的である。
【0072】
このような圧力式測定手段150の固定配置のために、上記液柱管110の上端開口の上には上記圧力式測定手段150を固定して設置するための受け台140がさらに備えられる形態に実施されることが良い。
【0073】
図3は図1の実施形態にモニタリング装置を付加して含めた形態を示す概念図であり、図4は図2の実施形態にモニタリング装置を付加して含めた形態を示す概念図である。
【0074】
図3及び図4を併行参照すると、図示された圧力式測定手段150により検出された地下水の流出速度及び流量に関するデータがケーブル152を介して通信インターフェース部160に伝えられる形態を確認することができる。
【0075】
通信インターフェース部160は、相互通信するシステムの間の資料転送のために、データの入力チャンネルに連結された入力端子とデータの出力チャンネルに連結された出力端子とを連結する役割をする装置であって、上記圧力式測定手段150から転送された地下水の流出速度及び流量に関するデータをケーブルまたは通信網を介してリアルタイムまたは時間帯別に統合サーバー部170に転送する機能を遂行する。
【0076】
上記通信インターフェース部160を介して転送されたデータは統合サーバー部170に格納され、既に設定された基準値と比較されると共に、リアルタイムまたは時間帯別、あるいはユーザの要請に応じてユーザの端末機180、182に転送される。この時のユーザの端末機180、182には、ユーザのPC180またはユーザの携帯用端末機182が該当される。
【0077】
これで、地下水が流出される地表領域での地下水の流速及び流量に対する測定データは遠隔地にある多数のユーザまたは監督者にリアルタイムまたは時間帯別に、あるいはユーザまたは監督者の要請がある時に直ちに転送できるようになる。即ち、何時でも所望の時間帯に地下水の地表流出に対する流速及び流量をモニタリングすることができる。
【0078】
図5はモニタリング装置の構成を概念的に示すブロック図であり、図6はこのようなモニタリング装置における統合サーバー部のみを説明するために示すブロック図である。
【0079】
図5及び図6を併行参照して、本発明に用いられるモニタリング装置及び統合サーバー部についてより詳細に説明する。
【0080】
図5を参照すると、図示されたモニタリング装置は、圧力式測定手段150により検出された地下水流速及び流量に関するデータは、ケーブルまたは通信網を介して有・無線で通信インターフェース部160に転送される。
【0081】
通信インターフェース部160に転送されたデータは、ケーブルまたは通信網を介して統合サーバー部170に転送され、統合サーバー部170ではデータを格納したり、データを既に設定された基準値と比較したり、あるいはこのようなデータをリアルタイムまたは時間帯別に、あるいはユーザの要請によって、ユーザのPC180または携帯用端末機182に転送する。
【0082】
図6を参照すると、このようなモニタリング装置の内に含まれた統合サーバー部170に関する構造を把握することができる。
【0083】
統合サーバー部170は、先に簡略に説明したような機能を遂行するために、データ入力部172、データ格納部174、データ演算部176、そして、これらを制御する制御部178を含む構成からなる。
【0084】
データ入力部172は、通信インターフェース部を介して地下水の流出速度及び流量に関するデータの入力を受ける入力手段である。
【0085】
そして、データ格納部174は、上記データ入力部172を介して入力されたデータをリアルタイムまたは時間帯別に記録する格納手段である。ここで、リアルタイムまたは時間帯別の区分は、ユーザのコマンド及び設定により調節可能であり、時間帯別の調節においてもデータが測定されるステップ(step)間隔、区間などに対する調節はユーザの操作設定に従う。
【0086】
そして、図6には別に図示してはいないが、データ格納部174を除いて、別にこのようなデータを記録格納するための予備DB格納部(図示せず)がさらに備えられる形態からなるが、これは長い期間の資料を蓄積できるようにして、該当地表領域の地質環境の研究に大きい助けになる。
【0087】
そして、データ演算部176は、上記データ入力部172に入力されたデータを既に設定された基準値(ここで、“基準値”は1週間、1月、1年、3年、10年のように、定まった期間の間の平均的な地下水流出速度及び流量となることもでき、その他、ユーザが任意に設定して置いたデフォルト(default)値となることもできる)と比較して、ユーザのコマンドに従う地下水の流出速度及び流量に関する統計データにより分析及び演算する手段である。
【0088】
一方、このようなデータ入力部172、データ格納部174、及びデータ演算部176の動作を制御する制御部178が統合サーバー部170にはさらに備えられることができ、これによって、統合サーバー部170は全体的な制御アルゴリズムを通じて安定的に制御駆動できる。
【0089】
また、図5を参照すると、先に図6を通じて前述した統合サーバー部170を介してユーザに転送されても良い形態の情報に変換されたデータは、ユーザのPC180またはユーザの携帯用端末機182に転送される。
【0090】
ここで、携帯用端末機182は、PDA、携帯電話などを始めとする各種の携帯用無線機器を全て含む概念である。
【0091】
この際、統合サーバー部170からユーザのPC180または携帯用端末機182に転送できるデータ情報は、テキスト情報、画像情報、音声情報のように、多様な形態の変換された形式でも転送可能であるが、3G通信は勿論、直ぐ常用化される4Gの技術を用いる場合、既に常用化されたSMS(short messaging service)またはMMS(multimedia messaging service)は勿論、リアルタイムにシミュレーションされた画像情報でもユーザに転送できる。
【0092】
以上、本発明に従う地下水地表流出流速流量測定装置及びそのモニタリング装置に関する好ましい実施形態について説明した。
【0093】
前述した実施形態は全て例示的なものであり、限定的に理解されてはならず、本発明の範囲は前述した詳細な説明よりは後述する特許請求範囲により表れるものであり、その特許請求範囲の意味及び範囲、そしてその等価概念から導出される全ての変更または変形された形態が本発明の範囲に含まれるものと解析されるべきである。
【符号の説明】
【0094】
102 貯蔵槽
110 液柱管
120 トライポッド
140 受け台
150 圧力式測定手段
160 通信インターフェース部
170 統合サーバー部
S 地表
W 地表水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下水が流出される地表領域の側面及び上部面を密閉するよう固定設置されて地表上に流出される地下水を保管する貯蔵槽と、
前記貯蔵槽の内に保管された地下水を流入して水柱の上昇を誘発する液柱管と、
前記液柱管の上端開口の上に形成されて前記液柱管の内で上昇した水柱の水頭差により差圧を感知して、地表に流出される地下水の流速及び流量を検出する圧力式測定手段と、
を含むことを特徴とする、地下水地表流出流速流量測定装置。
【請求項2】
前記貯蔵槽は、前記地下水が流出される地表領域に少なくとも1つが固定設置され、円筒の容器形状であることを特徴とする、請求項1に記載の地下水地表流出流速流量測定装置。
【請求項3】
前記貯蔵槽と前記液柱管との間には、地表領域から流出されて前記貯蔵槽の内に保管された地下水が前記液柱管側に流入できるように、前記貯蔵槽と前記液柱管との相互間に管路を形成する連結ホースが連結形成されることを特徴とする、請求項1に記載の地下水地表流出流速流量測定装置。
【請求項4】
前記連結ホースは、一端が前記貯蔵槽の上側に連結され、他端が前記液柱管の下側に連結される形態からなることを特徴とする、請求項3に記載の地下水地表流出流速流量測定装置。
【請求項5】
前記液柱管の下側には前記連結ホースを連結するためのソケットが備えられることを特徴とする、請求項4に記載の地下水地表流出流速流量測定装置。
【請求項6】
前記液柱管には、前記液柱管の立設された位置及び姿勢を固定するトライポッドがさらに備えられることを特徴とする、請求項1に記載の地下水地表流出流速流量測定装置。
【請求項7】
前記液柱管の上側または下側には自動開閉器が備えられることを特徴とする、請求項1に記載の地下水地表流出流速流量測定装置。
【請求項8】
前記圧力式測定手段は、差圧トランスミッタであることを特徴とする、請求項1に記載の地下水地表流出流速流量測定装置。
【請求項9】
前記液柱管の上端開口には前記圧力式測定手段を固定して設置するための受け台が備えられることを特徴とする、請求項1に記載の地下水地表流出流速流量測定装置。
【請求項10】
地下水が流出される地表領域の側面及び上部面を密閉するよう固定設置されて地表上に流出される地下水を保管する貯蔵槽と、
前記貯蔵槽の内に保管された地下水を流入して水柱の上昇を誘発する液柱管と、
前記液柱管の上端開口の上に形成されて前記液柱管の内で上昇した水柱の水頭差により地下水の流出速度及び流量を検出する圧力式測定手段と、
前記圧力式測定手段から検出された地下水の流出速度及び流量に関するデータをケーブルまたは通信網を介してリアルタイムまたは時間帯別に転送する通信インターフェース部と、
前記通信インターフェース部を介して転送されたデータを格納し、前記データを既に設定された基準値と比較すると共に、リアルタイムまたは時間帯別に、あるいはユーザの要請によって前記格納されたり、基準値と比較されたデータをユーザの端末機へ転送する統合サーバー部と、
を含むことを特徴とする、地下水地表流出流速流量測定装置を用いたモニタリング装置。
【請求項11】
前記統合サーバー部には、
前記通信インターフェース部を介して地下水の流出速度及び流量に関するデータの入力を受けるデータ入力部と、
前記データ入力部に入力されたデータをリアルタイムまたは時間帯別に記録するデータ格納部と、
前記データ入力部に入力されたデータを既に設定された基準値と比較して、ユーザのコマンドに従う地下水の流出速度及び流量に関する統計データに分析及び演算するデータ演算部と、
前記データ入力部、前記データ格納部、及び前記データ演算部の動作を制御する制御部と、
を含むことを特徴とする、請求項10に記載の地下水地表流出流速流量測定装置を用いたモニタリング装置。
【請求項12】
前記統合サーバー部から転送される地下水の流出速度及び流量に関する前記データは、ユーザの端末機を介して、テキスト情報、画像情報、音声情報のうち、いずれか1つの形式で転送されることを特徴とする、請求項10に記載の地下水地表流出流速流量測定装置を用いたモニタリング装置。
【請求項13】
前記統合サーバー部は、前記通信インターフェース部を介して転送されたデータ及び前記データを既に設定された基準値と比較したデータ差を別途に格納する予備DB格納部をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載の地下水地表流出流速流量測定装置を用いたモニタリング装置。
【請求項14】
前記貯蔵槽は、前記地下水が流出される地表領域に少なくとも1つが固定設置され、円筒の容器形状であることを特徴とする、請求項10に記載の地下水地表流出流速流量測定装置を用いたモニタリング装置。
【請求項15】
前記貯蔵槽と前記液柱管との間には、地表領域から流出されて前記貯蔵槽の内に保管された地下水が前記液柱管側に流入できるように、前記貯蔵槽と前記液柱管との相互間に管路を形成する連結ホースが連結形成されることを特徴とする、請求項10に記載の地下水地表流出流速流量測定装置を用いたモニタリング装置。
【請求項16】
前記連結ホースは、一端が前記貯蔵槽意上側に連結され、他端が前記液柱管の下側に連結される形態からなることを特徴とする、請求項15に記載の地下水地表流出流速流量測定装置を用いたモニタリング装置。
【請求項17】
前記液柱管の下側には前記連結ホースを連結するためのソケットが備えられることを特徴とする、請求項16に記載の地下水地表流出流速流量測定装置を用いたモニタリング装置。
【請求項18】
前記液柱管には、前記液柱管の立設された位置及び姿勢を固定するトライポッドがさらに備えられることを特徴とする、請求項10に記載の地下水地表流出流速流量測定装置を用いたモニタリング装置。
【請求項19】
前記液柱管の上側または下側には自動開閉器が備えられることを特徴とする、請求項10に記載の地下水地表流出流速流量測定装置を用いたモニタリング装置。
【請求項20】
前記圧力式測定手段は、差圧トランスミッタであることを特徴とする、請求項10に記載の地下水地表流出流速流量測定装置を用いたモニタリング装置。
【請求項21】
前記液柱管の上端開口には前記圧力式測定手段を固定して設置するための受け台が備えられることを特徴とする、請求項10に記載の地下水地表流出流速流量測定装置を用いたモニタリング装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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