説明

地下空洞部充填方法

【課題】 ブリーディング率の良好な地下空洞部充填方法を提供すること。
【解決手段】 隔壁形成用に掘削された注入孔20〜24に向かって圧送される流動化処理土Sにその注入孔手前で急硬剤Rを加えて流動化処理土Sと急硬剤Rを混合し、この急硬剤Rを含む流動化処理土Sを隔壁形成用に掘削された注入孔20,22から地下空洞部31内に充填して地下空洞部31内に隔壁33,34を形成する工程と、隔壁33と隔壁34との間または隔壁と地下空洞閉塞部との間に形成される地下空洞部31の特定路線35の限定充填を行うため地下空洞部31に至る別の注入孔21,23,24を介して、流動化処理土Sを用いて特定路線35を充填する工程とを含むとともに、流動化処理土Sとして、セメントと、水と、現地発生土とを混合してなる改良土に、さらに気泡発生装置13で発生する気泡を注入してスクリューミキサー4にて流動化してなるものを用いている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、防空壕等の特殊地下壕や、例えば石や鉱物等の地下採掘場跡などの地中に存在する地下空洞部を充填材としての流動化処理土で充填する地下空洞部充填方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来この種の地下空洞部充填方法として、例えば下記特許文献1,2に示すものがある。
【0003】
これら特許文献1,2は、地下空洞部への限定的な充填を行うため急硬剤を含む充填材を用いて地下空洞部の上下端間につながる急勾配の隔壁を形成することにより、緩ゆかな勾配の隔壁に比べて、隔壁における充填材の使用量を少なくすることができて余分な充填材を消費することはないようにし、それによって、工費や材料費を節約することができるとともに、急硬剤の作用で充填材が直ちに硬化することによって、工期を短縮することができるものである。
【特許文献1】特開2002−81054号公報
【特許文献2】特開2007−197501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、隔壁を形成した後は、急硬剤を含む充填材よりも安価な別の充填材を注入して、例えば隔壁と隔壁との間に形成される地下空洞部の特定路線の限定充填を行っている。そのため、ブリーディング率が隔壁の場合に比べて高い値となり、特定路線の充填作業が完了した後においては、地下空洞部の天端との間に空洞部分が発生するそれがある。また、隔壁においてもブリーディング率の更なる低下が望まれる。
【0005】
この発明は、上述の事柄に留意してなされたもので、その目的は、ブリーディング率の良好な地下空洞部充填方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、この発明の地下空洞部充填方法は、地下空洞部に至る注入孔を掘削し、この注入孔を介して地下空洞部内を充填材としての流動化処理土で充填するにあたり、
隔壁形成用に掘削された注入孔に向かって圧送される流動化処理土にその注入孔手前で急硬剤を加えて流動化処理土と急硬剤を混合し、この急硬剤を含む流動化処理土を隔壁形成用に掘削された注入孔から地下空洞部内に充填して地下空洞部内に隔壁を形成する工程と、
隔壁と隔壁との間または隔壁と地下空洞閉塞部との間に形成される地下空洞部の特定路線の限定充填を行うため地下空洞部に至る別の注入孔を介して、流動化処理土を用いて特定路線を充填する工程と
を含むとともに、
流動化処理土として、セメントと、水と、現地発生土とを混合してなる改良土に、さらに気泡発生装置で発生する気泡を注入してスクリューミキサーにて流動化してなるものを用いている(請求項1)。
【0007】
この発明において、隔壁形成用に掘削された注入孔に向かって圧送される流動化処理土は、例えば以下のようにして得ることができる。
すなわち、前記改良土に、気泡発生装置で発生する気泡が例えばノズルを介して注入される。そして、気泡と改良土とがスクリューミキサーの攪拌作用により混合されて流動化されて流動化処理土が得られる。
また、この発明において、スクリューミキサーは公知のものを用いることができる。
また、この発明において、流動化処理土を得るため改良土に注入される気泡の起泡剤として界面発生剤を挙げることができる。
【0008】
また、この発明では、前記隔壁を形成する工程において、地下空洞部に至る監視孔より監視カメラで急硬剤を含む流動化処理土が地下空洞部の天端まで充填されたことを確認する充填完了確認作業が施される(請求項2)のが好ましい。
【0009】
また、この発明では、前記特定路線を充填する工程において、前記別の注入孔として地下空洞部に至るよう掘削される複数の注入孔が用いられ、これら複数の隣接する注入孔のうちいずれかの注入孔からまず最初に地下空洞部内に流動化処理土を充填し、この流動化処理土が隣接する一方の注入孔位置の地下空洞部の天端まで充填されたことを水位計で確認するまで充填し続け、その後、前記隣接する他方の注入孔から地下空洞部内に流動化処理土を充填する作業が順次施される(請求項3)のが好ましい。
【0010】
また、この発明では、前記隔壁を形成する工程において、流動化処理土圧送用の圧送ポンプに接続される配管および注入パイプ間に上流側から順に混合管およびミキサーが用いられる一方、
前記特定路線を充填する工程においては、前記混合管およびミキサーを取り外して、配管および注入パイプが接続された状態で用いられる(請求項4)のが好ましい。
前記圧送ポンプとしては、公知のスクィーズ式ポンプを挙げることができる。
【0011】
また、この発明では、前記監視カメラは、地下空洞部の一方側および他方側を含む方向を監視できるよう監視孔の掘削方向のまわりに回動自在に設置されており、地下空洞部における流動化処理土の付着を防止するためカメラ表面を水で洗浄する洗浄ノズルを有する(請求項5)のが好ましい。
【0012】
また、この発明では、前記スクリューミキサーによる前記改良土と気泡の圧送側への搬送の際に、前記気泡発生装置で発生する気泡が気泡発生装置のノズルから前記スクリューミキサーの搬送方向始端側の導入口を介して注入され、前記気泡と改良土とがスクリューミキサーの搬送時における攪拌作用により混合されて流動化処理土が得られ、この流動化処理土が圧送される(請求項6)のが好ましい。
【発明の効果】
【0013】
本願の請求項1に係る発明では、隔壁を形成するとき、また、特定路線を充填するときのいずれにおいても、流動化処理土として、セメントと、水と、現地発生土とを混合してなる改良土に、さらに気泡発生装置で発生する気泡を注入した流動化処理土を用いている。
すなわち、本願の請求項1に係る発明では、スクリューミキサーにおいて、改良土に気泡を注入して流動化し、これを、地下空洞部に至るよう隔壁形成用に掘削された注入孔に向かって圧送したり、地下空洞部の特定路線の限定充填を行うため地下空洞部に至る別の注入孔に向かって圧送したりする。
そのため、本願の請求項1に係る発明では、各種現場での改良土の充填条件(隔壁形成のための充填条件、特定路線の充填のための条件)に応じて、改良土に対する気泡の注入率を変えるような場合、スクリューミキサーとして長さの異なる任意のものを適宜選択採用し、改良土と気泡との両者の混合を均一にすることができる。例えば多量の気泡を改良土に注入するような場合、スクリューミキサーとして長さの長いものを用いることにより、両者の混合を均一化できる。
また、本願の請求項1に係る発明では、スクリューミキサーに任意の傾斜角度を付して圧送側(例えば圧送ポンプ側)に設けることができ、スクリューミキサーを搬送方向始端側が低く、搬送方向終端側が高くなるように傾斜状に設けることにより、スクリューミキサーによる改良土と気泡との搬送時における接触効率を向上させて、両者を均一に混合することができる。
このように、本願の請求項1に係る発明では、気泡を改良土に注入することと、前記スクリューミキサーの搬送経路にわたって改良土と気泡の混合攪拌作用が施されることの2点の有機的な組み合わせにより、充填条件に適応したブリーディング率の低い流動化処理土を得ることができ、気泡を注入していない従来技術のものに比べて有利な地下空洞部充填方法を提供することができる。
【0014】
また、本願の請求項6に係る発明では、前記スクリューミキサーによる前記改良土と気泡の圧送側への搬送の際に、前記気泡発生装置で発生する気泡が気泡発生装置のノズルから前記スクリューミキサーの搬送方向始端側の導入口を介して注入されるので、前記改良土と気泡との両者に、前記スクリューミキサーの長い搬送経路にわたって混合攪拌作用を施すことが可能となり、前記改良土と気泡の良好な混合を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、この発明の実施形態を、図を参照しながら説明する。なお、それによってこの発明は限定されるものではない。
【0016】
図1〜図6は、この発明の一実施形態を示す。図1は、流動化処理土の生成手順ならびに生成された流動化処理土の圧送形態を示す図、図2は、地下空洞部内に隔壁を形成する工程の手順を示す図、図3は特定路線を充填する工程の手順を示す図、図4は、隔壁を形成する工程において用いる配管系統を示す図、図5は、特定路線を充填する工程において用いる配管系統を示す図、図6は、監視カメラを含む充填状況モニター手段を示す図である。
【0017】
まず、図1を用いて、流動化処理土を得る手順ならびに得られた流動化処理土の圧送形態について説明する。
図1において、現地の地下空洞部近辺の地盤の掘削に伴って生じた現地発生土1を、ショベル式積込機2等によって振動ふるい機3にかける。そして、現地発生土1を振動ふるい機3にかけることにより、粒径が所定値以下の現地発生処理土が得られる。ここで、現地発生土1には、例えば、コンクリート屑等が含まれている。また、現地発生処理土は、後述するスクリューミキサー4やスクィーズ式ポンプ装置6に不具合を生じさせない程度の大きさ(粒径)になっている。
続いて、現地発生処理土と、セメントと、水とを混合してなる改良土に、さらに気泡発生装置で発生する気泡を注入してスクリューミキサーにて流動化し、これにより、流動化処理土Sが生成される。詳しく説明すると、図1において、4はスクリューミキサーであり、搬送方向終点側Eが搬送方向始点側Pよりも高くなるように傾斜した状態で設けられている。そして、このスクリューミキサー4の搬送方向始点側Pに設けられた導入口Mの上方に、現地発生処理土を導入口Mに投入するための投入用コンベア5の下流端側Qが位置している。また、前記導入口Mには、前記投入用コンベア5による現地発生処理土の投入と同時に、ホッパー10に収容されたセメントと、開閉弁11a付きの水タンク11に収容された水とが供給される。
【0018】
さらに、セメントと、水と、現地発生処理土とを混合してなる改良土に、気泡発生装置13で発生する気泡を注入するため導入口Mに気泡発生装置13のノズルNが接続されている。そして、この実施形態では、流動化処理土Sを得るため改良土に注入される気泡の起泡剤として界面発生剤が用いられている。14は気泡発生装置13のコンプレッサである。
【0019】
上記のようにスクリューミキサー4を傾斜状態にしてあるので、導入口Mに投入された現地発生処理土、セメントと、水とを混合してなる改良土と気泡の接触効率が良好となり、四者が均一に混合されて流動化された流動化処理土Sが生成されることになる。
すなわち、スクリューミキサー4による改良土と気泡の圧送側への搬送の際に、気泡発生装置13で発生する気泡が気泡発生装置13のノズルNからスクリューミキサー4の搬送方向始端側Pの導入口Mを介して注入され、気泡と改良土とがスクリューミキサー4の搬送時における攪拌作用により混合されて流動化され、流動化処理土Sを得ることができる。
【0020】
そして、流動化処理土Sは、まず最初に、地下空洞部に至るよう地盤30に隔壁形成用に掘削された注入孔20,22(図2,3,4参照)に向かって圧送されたり、地下空洞部の特定路線の限定充填を行うため地下空洞部に至る別の注入孔23,21,24(図2,3,5参照)に向かって圧送される。
詳述すると、図1において、6は車載式のスクィーズ式ポンプ装置(流動化処理土圧送用の圧送ポンプ装置)であり、トラック7に搭載されている。そして、スクリューミキサー4の搬送方向終点側Eはスクィーズ式ポンプ装置6の受けホッパ6aの投入口8の上方に位置しており、スクリューミキサー4によって生成された流動化処理土Sは、投入口8から受けホッパ6aに投入される。その後、スクィーズ式ポンプ装置6に設けた流量計(図示せず)を介して圧送パイプ9により、受けホッパ6aに投入されている流動化処理土Sが注入孔20〜24を介して地下空洞部内に充填される。
【0021】
次に、流動化処理土を用いた地下空洞部充填方法について説明する。
図1〜6において、30は地盤、31は地盤30中に存在している地下空洞部である。 地下空洞部充填方法は、隔壁形成用に掘削された例えば図2(A)、図2(B)、図2(C)に示す一対の注入孔20,22に向かって圧送される流動化処理土Sにその注入孔20,22手前で、図4に示すように、急硬剤Rを加えて流動化処理土Sと急硬剤Rを混合し、この急硬剤Rを含む流動化処理土Sを、注入孔20,22から地下空洞部31内に充填して地下空洞部31内に例えば図2(C)に示すように、一対の隔壁33,34を形成する工程と、
隔壁33と隔壁34との間に形成される地下空洞部31の例えば図2(C)に示す特定路線35(特定路線領域35a)の限定充填を図3(C)のように行うため地下空洞部31に至る例えば図2(A)、図2(B)、図2(C)に示す複数個の隣接する別の注入孔23,21,24を介して、隔壁33,34を形成する前記工程で用いた急硬剤Rを含む流動化処理土Sから急硬剤Rを除いた図5に示す流動化処理土Sを用いて図3(A)、図3(B)、図3(C)に示すように、特定路線35を充填する工程と
を含むとともに、
流動化処理土Sとして、セメントと、水と、現地発生土とを混合してなる改良土に、さらに気泡発生装置13で発生する気泡を注入してスクリューミキサー4にて流動化してなるものを用いている。
なお、注入孔20〜24は、地盤30のボーリングを行うことによって穿設され、例えば図2(B)に示すように、注入孔20,21に例えば塩ビ製の注入パイプPが挿入される。また、注入孔20〜24掘削時の貫通距離は記録されている。
【0022】
そして、図2に示すように、前記隔壁33,34を形成する工程においては、地下空洞部31に至る例えば一対の監視孔21a,24aに監視カメラ40を挿入し、監視カメラ40で急硬剤Rを含む流動化処理土Sが地下空洞部31の天端Uまで充填されたことを確認する充填完了確認作業が施される。この実施形態では、図2(B)、図2(C)に示すように、監視孔21a,24aとして特定路線充填の際に用いる注入孔21,24を用いている。
そして、前記隔壁33,34を形成する工程において、図4、図1に示すように、スクィーズ式ポンプ装置6に接続される圧送パイプ(配管)9および注入パイプP間に上流側から順に、急硬剤Rと流動化処理土Sとを混合する混合管44および静止ミキサー45が用いられる。図1において、急硬剤Rの供給流路iには、上流側から順に、急硬剤Rを収容するタンク46、急硬剤Rを圧送する圧送ポンプ47、流量計48が設けられている。
【0023】
また、図3に示すように、前記特定路線35を充填する工程においては、図5に示すように、前記混合管44および静止ミキサー45を取り外して、圧送パイプ(配管)9と注入パイプPが接続された状態で行われる。
すなわち、流動化処理土Sを注入するために隣接するよう掘削された注入孔23,21,24のうち例えば図3(A)に示すように、例えば注入孔23から地下空洞部31の特定路線35内に流動化処理土Sを充填し、この流動化処理土Sが例えば図3(B)に示す注入孔21位置の地下空洞部31における特定路線35の天端Uまで充填されたことを、注入孔23から充填される流動化処理土Sの表面に接触するよう例えば注入孔21に予め挿入されている水位計41と、例えば注入孔24に予め挿入されている監視カメラ40とで確認するまで充填し続け、その後、圧送パイプ(配管)9を移動させて図3(B)に示すように、注入孔21から特定路線35内に流動化処理土Sを充填する作業と、続いて、圧送パイプ(配管)9を移動させて図3(C)に示すように、注入孔24から特定路線35内に流動化処理土Sを充填する作業とが施される。
この場合、注入孔21からの充填完了確認は、図3(B)に示す注入孔21の天端Tより検測し、特定路線35の天端U以上に流動化処理土Sが充填されていることを確認する作業が施される。
【0024】
前記監視カメラ40は、図6に示すように、注入パイプPに挿入可能な縦長の簡易型カメラであり、カメラ本体(図示せず)を水密可能に覆う縦長の直方体形状のカバー体40aと、カバー体40aの前面Aの上中下の位置に順次形成された可視光光源が位置する前面窓40b、暗所を撮影するときに最適な赤外線光源が位置する前面窓40cおよびカメラのレンズ部40dと、地下空洞部31における流動化処理土Sの付着を防止するためレンズ部40d、前面窓40b,40cの表面を水で洗浄する複数の洗浄ノズルnとを主として有する。さらに、洗浄ノズルnは、水供給パイプeによって形成される水供給流路jに連通しており、水供給流路jには上流側から順に水タンク40f、水タンク40fの水を洗浄ノズルnに供給するためのポンプ40gが設けられている。複数の洗浄ノズルnは、横一列に適宜間隔を有して前面窓40bの直上に位置する取り付け板Wに、レンズ部40d、前面窓40b,40cに向かって下向き状態で取り付けられている。また、37は、カメラ用ケーブルで、一端がカメラ本体に接続され、他端が例えばパソコン38に接続されている。39は電源ケーブルである。そして、カメラ用ケーブル37と電源ケーブル39は束ねられた状態で被覆パイプe’によって覆われている。
そして、この監視カメラ40を、地下空洞部31の一方側および他方側を含む方向を監視できるよう監視孔21a,24aの掘削方向のまわりに回動自在に設置されることにより、監視カメラ40で急硬剤Rを含む流動化処理土Sが地下空洞部31の天端Uまで充填される状態をパソコン38の表示部38aで常時モニターすることができる。また、前記特定路線35を充填する工程においても、例えば注入孔23から地下空洞部31の特定路線35内に流動化処理土Sを充填し、この流動化処理土Sが例えば図3(B)に示す注入孔21位置の地下空洞部31における特定路線35の天端Uまで充填されたことを監視カメラ40で常時モニターすることができる。
【0025】
なお、この実施形態では、隔壁と隔壁との間に形成される地下空洞部の特定路線の限定充填を行う場合を示したが、この発明は、隔壁と地下空洞閉塞部との間に形成される地下空洞部の特定路線の限定充填を行う場合にも適用できる。地下空洞閉塞部とは、例えば地下空洞部の入口を閉塞する板部材により構成されたり、地下空洞部の行き止まり部を意味する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】この発明の一実施形態を実施するため用いられる流動化処理土の生成ならびに圧送機構を示す全体構成説明図である。
【図2】上記実施形態における地下空洞部内に隔壁を形成する工程の手順を順次示す構成説明図である。
【図3】上記実施形態における特定路線を充填する工程の手順を順次示す構成説明図である。
【図4】上記実施形態における隔壁を形成する工程において用いる配管系統を示す構成説明図である。
【図5】上記実施形態における特定路線を充填する工程において用いる配管系統を示す構成説明図である。
【図6】上記実施形態で用いた監視カメラを含む充填状況モニター手段を示す図である。
【符号の説明】
【0027】
4 スクリューミキサー
13 気泡発生装置
20〜24 注入孔
31 地下空洞部
33,34 隔壁
35 特定路線
S 流動化処理土
R 急硬剤

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地下空洞部に至る注入孔を掘削し、この注入孔を介して地下空洞部内を充填材としての流動化処理土で充填するにあたり、
隔壁形成用に掘削された注入孔に向かって圧送される流動化処理土にその注入孔手前で急硬剤を加えて流動化処理土と急硬剤を混合し、この急硬剤を含む流動化処理土を隔壁形成用に掘削された注入孔から地下空洞部内に充填して地下空洞部内に隔壁を形成する工程と、
隔壁と隔壁との間または隔壁と地下空洞閉塞部との間に形成される地下空洞部の特定路線の限定充填を行うため地下空洞部に至る別の注入孔を介して、流動化処理土を用いて特定路線を充填する工程と
を含むとともに、
流動化処理土として、セメントと、水と、現地発生土とを混合してなる改良土に、さらに気泡発生装置で発生する気泡を注入してスクリューミキサーにて流動化してなるものを用いていることを特徴とする地下空洞部充填方法。
【請求項2】
前記隔壁を形成する工程において、地下空洞部に至る監視孔より監視カメラで急硬剤を含む流動化処理土が地下空洞部の天端まで充填されたことを確認する充填完了確認作業が施される請求項1に記載の地下空洞部充填方法。
【請求項3】
前記特定路線を充填する工程において、前記別の注入孔として地下空洞部に至るよう掘削される複数の注入孔が用いられ、これら複数の隣接する注入孔のうちいずれかの注入孔からまず最初に地下空洞部内に流動化処理土を充填し、この流動化処理土が隣接する一方の注入孔位置の地下空洞部の天端まで充填されたことを水位計で確認するまで充填し続け、その後、前記隣接する他方の注入孔から地下空洞部内に流動化処理土を充填する作業が順次施される請求項1または2に記載の地下空洞部充填方法。
【請求項4】
前記隔壁を形成する工程において、流動化処理土圧送用の圧送ポンプに接続される配管および注入パイプ間に上流側から順に混合管およびミキサーが用いられる一方、
前記特定路線を充填する工程においては、前記混合管およびミキサーを取り外して、配管および注入パイプが接続された状態で用いられる請求項1〜3のいずれかに記載の地下空洞部充填方法。
【請求項5】
前記監視カメラは、地下空洞部の一方側および他方側を含む方向を監視できるよう監視孔の掘削方向のまわりに回動自在に設置されており、地下空洞部における流動化処理土の付着を防止するためカメラ表面を水で洗浄する洗浄ノズルを有する請求項1〜4のいずれかに記載の地下空洞部充填方法。
【請求項6】
前記スクリューミキサーによる前記改良土と気泡の圧送側への搬送の際に、前記気泡発生装置で発生する気泡が気泡発生装置のノズルから前記スクリューミキサーの搬送方向始端側の導入口を介して注入され、前記気泡と改良土とがスクリューミキサーの搬送時における攪拌作用により混合されて流動化処理土が得られ、この流動化処理土が圧送される請求項1〜5のいずれかに記載の地下空洞部充填方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−299361(P2009−299361A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−155482(P2008−155482)
【出願日】平成20年6月13日(2008.6.13)
【出願人】(592195274)エースコン工業株式会社 (5)
【Fターム(参考)】