説明

地中埋設管及びその緩衝用繊維層の形成方法

【課題】
地中埋設管である長尺の管材を構成する単位管の外周面にシート状のフェルト(緩衝用弾性材層)を簡便且つ確実に巻回装着できるようにする。
【解決手段】
受け台12の上に水平に支持されて回転駆動される単位管2の外周面に所定温度の熱風を吹き付けて凹凸からなる粗面を形成し、受け台12に設けられた円弧状溝13と単位管2の外表面の間に形成される円弧状間隙14へフェルト10を送り込む。すると、単位管2の外表面に形成された粗面がフェルト10の繊維に絡まってフェルト10を円弧状間隙14内へ引き込み、単位管2の外表面へ圧接巻回させる。したがって、単位管2を1回転させると、その外周面にフェルト10が巻回して装着一体化する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、農業用管路や下水道管路等を形成する地中埋設管及びその表面に対する緩衝用繊維層の形成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地下に埋設された農業用管路や下水道管路は、長年の使用により老朽化し更生する必要がある。これらの既設管路を更生するため、既設管路の中へ工場製品の新管を更生管として挿入する、いわゆる鞘管工法と呼ばれる技術がある。
このような更生管として、PBT(ポリブチレンテレフタレート)樹脂にガラス繊維等の適宜強化材を充填した所定長さを有する単位管を順次長手方向に継ぎ足しながら既設管路中へ送り込んで必要長さの長尺管を構成するようになっているものが公知である(特許文献1参照)。
なお、本願における地中埋設管とは、上記の農業用管路や下水道管路等をなすため地下に埋設される管材一般を意味し、既設管路用の管材及び更生管はいずれもその一例である。

【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4416091号公報
【0004】
このような更生管は、地上を走行する車両の通過等で発生する衝撃を緩衝するクッションとして外表面にフェルトなどの緩衝用弾性材層を被せることが行われており、例えば、予めチューブ状に形成されたフェルトを、既設管内に導入してから、チューブ状フェルトの中へ更生管を挿入している。
【0005】
図6はこのようなフェルト取付の従来方法を説明するための図である。(a)はフェルトを既設管路へ挿入する工程であり、地面100から縦穴状に彫り込まれたマンホール140に一端が臨む横穴150中に既設管路を構成する土管などの既設管160が埋設されている。
【0006】
フェルトは予めチューブ状に形成されてフェルトチューブ120をなし、先端121をすぼめてここにロープ122を取付け、この先端121側をマンホール140から既設管160の開口端部内へ入れてロープ122を横穴150内の挿入先端側から引っ張ることにより、既設管160内へ挿入する。
【0007】
(b)は挿入時におけるフェルトチューブ120及び既設管160の横断面であり、フェルトチューブ120の外周と既設管160の内周との間には若干の間隙170をなして抵抗が少ない状態で挿入できるようにフェルトチューブ120の外径が設定されている。また、フェルトチューブ120の中には予めゴム等の弾性チューブ130が内装されており、弾性チューブ130はフェルトチューブ120と一緒に既設管160の中へ引き込まれる。
【0008】
(c)は、フェルトチューブ120の固定工程であり、フェルトチューブ120は所定の長さで挿入されると、弾性チューブ130の中へ圧縮空気等を入れて弾性チューブ130を膨らませることにより、フェルトチューブ120を拡径させ、既設管160の内周面へ圧接して固定する。その後、弾性チューブ130は圧縮空気等を抜くことにより収縮され、フェルトチューブ120の内側より抜き取られる。
【0009】
(d)は、(c)にて既設管160の内周面へ固定されているフェルトチューブ120の内側へ更生管102を挿入する工程を示す。
更生管102は取扱容易な比較的短い(例えば、マンホール140の内径より若干短い長さ)単位管として構成され、その一端に雄ネジ部102a、他端に雌ネジ部102bが形成されている。この更生管102を形成するには、まず、1つの単位管をマンホール140内からフェルトチューブ120の開口端部へ押し込み、続いて他の単位管の挿入方向先端を先の単位管の挿入方向後端にネジ結合させてから押し込み、以下これを反復することにより所定長さの更生管102を既設管160の内側へ挿入できる。
【0010】
この更生管102を挿入するに際して、予めフェルトチューブ120のマンホール140側端部は、既設管160のマンホール140へ突出する端部外周へ折り返されてバンド等の固定側190で固定されている。
この状態で、更生管102の外径はフェルトチューブ120の内径よりも大きくなるように設定されており、フェルトチューブ120を外周側へ押し開いて既設管160の内周面へ圧縮させながら押し込まれる。
【0011】
この更生管102の挿入により、フェルトチューブ120はさらに圧縮される。例えば、(c)の固定工程後におけるフェルトチューブ120の当初肉厚が8mmであるとき、更生管102により内周側を3mm圧縮されて、5mm肉厚になるように設定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
ところで、上記のようにフェルトチューブ120の内側へ更生管102を押し込むと、フェルトチューブ120自体の伸びや既設管160の内周表面との間におけるずれにより、更生管102の挿入方向先端側に、仮想線で示すようなたるみ129が生じ、次第に波打ち状に圧縮されるため挿入抵抗が大きくなる。この挿入抵抗は更生管102の挿入長さに応じて増大する。しかも、実際の施工では挿入長さが数十m程度の長尺になることが多く、このような場合は大きな抵抗によって挿入不可能になることさえあり得る。したがって、このような挿入抵抗を少なくすることが望まれている。
【0013】
また、挿入抵抗を少なくするための一方法として更生管102を細径化すればよいが、更生管102は既設管160に対して求められていたと同程度の流量を確保する必要があるため、可能な限り大径にしなければならない。このため、更生管102の細径化は採用できず、むしろ従来の挿入抵抗に対する限界サイズと同程度までに大径にして、しかも挿入抵抗を低減させることも望まれる。
【0014】
さらに、上記フェルトチューブ120を先に挿入して、その後から更生管102を挿入する施工方法は、更生管102の挿入による上記大きな挿入抵抗に加えて、フェルトチューブ120自体の挿入時にも大きな抵抗が生じ、しかも上記のように長尺の場合はさらに大きな挿入抵抗によりフェルトチューブ120の挿入が困難になる。したがって、更生管102の挿入に先立つフェルトチューブ120の単独挿入を省略することも施工上望まれている。
【0015】
そのうえ、地中へ埋設されて上方等から、車両の通過や地震等により大きな衝撃が繰り返しかかる地中埋設管は、上記フェルトのような緩衝用の繊維被覆などからなる緩衝用弾性材層が必要であるから、このような緩衝用弾性材層を有する長尺の地中埋設管を容易に施工できるようにすることも望まれており、さらには緩衝用弾性材層の効率的な取付方法も望まれている。
本願はこのような諸要請の実現を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するため請求項1に係る地中埋設管は、所定長さの単位管を長さ方向に複数個接続して長尺の管材を形成するととともに、この長尺の管材の表面に緩衝用弾性材層を巻いて地中へ埋設する地中埋設管において、
予め前記単位管(2)の表面へ緩衝用弾性材層(10)を巻回して一体化しておき、この緩衝用弾性材層を巻回一体化した複数の単位管(2)を順次長さ方向へ接続して前記長尺の管材とすることを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載した発明は、上記請求項1における地中埋設管が、予め地中に埋設された既設管の内部へ挿入される更生管であることを特徴とする。
【0018】
請求項3に係る地中埋設管に対する緩衝用弾性材層を装着する方法は、請求項1又は2における単位管(2)を回転可能に支持し、この単位管(2)を回転させつつ、表面を粗面化手段(40)により粗面化するとともに、この粗面化された単位管(2)の表面へ緩衝用弾性材層(10)を押しつけ、この粗面化された表面に前記緩衝用弾性材層(10)を結合させながら単位管(2)の表面へ緩衝用弾性材層(10)を層状に巻回させて装着一体化することを特徴とする。
ここで、単位管(2)の粗面化された表面に緩衝用弾性材層(10)を結合させるとは、緩衝用弾性材層(10)がフェルトなどの繊維材料からなるときは、その繊維に粗面化された表面の凹凸を絡ませて係合させることであり、スポンジ材料やクッション材料など非繊維材料の場合は、これらに粗面化された表面を食い込ませて結合させることである。
【0019】
請求項4に記載した発明は上記請求項3において、前記単位管(2)は熱可塑性樹脂製であり、前記粗面化手段は加熱手段(40)であることを特徴とする。
【0020】
請求項5に記載した発明は上記請求項3又は4において、
前記管材単位管(2)の表面に接着剤(31)を塗布し、その後、加熱手段(40)にて前記管材(2)の表面を粗面化することを特徴とする。
【0021】
請求項6に記載した発明は上記請求項3〜5のいずれかにおいて、前記緩衝用弾性材層(10)はシート状のフェルトであることを特徴とする。
【0022】
請求項7に記載した発明は上記請求項3〜6のいずれかにおいて、
前記単位管(2)の軸線と平行な受け台(12)を設け、この受け台(12)の表面に円弧状溝(13)を設けてこの円弧状溝(13)内へ前記単位管(2)の一部を収容し、この単位管(2)の外表面と前記円弧状溝(13)の間に前記緩衝用弾性材層(10)の厚さよりも狭い幅の円弧状間隙(14)を形成し、この円弧状間隙(14)内へ前記緩衝用弾性材層(10)を送り込むようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0023】
請求項1に記載した発明によれば、予め単位管(2)の表面へ緩衝用弾性材層(10)を巻回一体化しておき、この単位管(2)を長さ方向へ複数接続いて長尺の地中埋設管を形成するので、予めフェルトチューブのような繊維チューブを形成して、この中へ長尺の地中埋設管を挿入する必要がなくなり、緩衝用弾性材層(10)を巻回一体化した長尺の地中埋設管を容易に形成できる。しかも繊維チューブの中へ長尺の地中埋設管を挿入することによる挿入抵抗がなくなるので、施工が容易になる。そのうえ、挿入抵抗がない分、地中埋設管を太径化できるので、必要な流量を確保できる。
【0024】
請求項2に記載した発明によれば、地中埋設管を更生管としたので、既設管路内へ予め繊維チューブを固定しておくことなく、予め緩衝用弾性材層(10)を巻回一体化した単位管(2)を複数個接続して長尺の更生管としながら、これを直接挿入するだけでよい。このため、挿入抵抗を低減して更生管をスムーズに挿入でき、施工が容易になる。そのうえ長尺化しても挿入抵抗を少なくすることができ、従来の挿入抵抗に対する限界サイズと同程度までに大径にしてもスムーズに挿入できる。
また、挿入抵抗が少なくなる分だけ更生管を大径化できるから必要な流量の確保が容易になる。
さらに、繊維チューブを不要にするので、繊維チューブ自体の既設管に対する困難な挿入作業が不要になり、この点でも施工が容易になる。
【0025】
請求項3に記載した発明によれば、単位管(2)を回転させつつ、表面を粗面化手段により粗面化し、この粗面へ緩衝用弾性材層(10)を押しつけて粗面で緩衝用弾性材層(10)を結合させるようにしたので、単位管(2)を回転させると、その表面へ緩衝用弾性材層(10)を結合させながら層状に巻回させて装着一体化することができる。このため、管材(2)の外周面に緩衝用弾性材層(10)を確実かつ容易・迅速に巻回装着させて一体化することができる。
【0026】
請求項4に記載した発明によれば、単位管(2)を熱可塑性樹脂製とし、粗面化手段を加熱手段(40)としたので、単位管(2)の表面を加熱することにより凹凸を形成して粗面化させることができ、粗面化が容易になる。
この場合、上記単位管(2)の粗面化された表面に対する緩衝用弾性材層(10)の結合には、加熱により軟化された単位管(2)の表面に緩衝用弾性材層(10)の一部が押し込まれ、この状態で単位管(2)の表面が固化することにより、緩衝用弾性材層(10)の一部が単位管(2)の表面肉厚内へ埋め込み一体化される固着が含まれることになり、単位管(2)の表面に対する緩衝用弾性材層(10)の結合が一層強力になる。
【0027】
請求項5に記載した発明によれば、前記単位管(2)の表面に接着剤(31)を塗布してから加熱手段(40)にて前記単位管(2)の表面を粗面化するので、単位管(2)に対して相溶性のない接着剤であっても、加熱によって流動性を増した状態で粗面化された凹凸内へ入り込む。このため、接着剤を単位管(2)の表面へ確実に保持させることができ、接着を強固にすることができる。
また、この場合の単位管(2)表面に対する緩衝用弾性材層(10)の結合は、粗面の凹凸と緩衝用弾性材層(10)との係合等による結合と、単位管(2)の表面に緩衝用弾性材層(10)の一部が押し込まれ、この状態で単位管(2)の表面が固化することにより一体化される固着と、接着剤による接着とが含まれる。
【0028】
請求項6に記載した発明によれば、前記緩衝用弾性材層(10)をシート状のフェルトとしたので、管材の表面へフェルトを容易に装着することができる。
【0029】
請求項7に記載した発明によれば、単位管(2)と受け台(12)の円弧状溝(13)との間に緩衝用弾性材層(10)の厚さよりも狭い幅の円弧状間隙(14)を形成し、この円弧状間隙(14)内へ緩衝用弾性材層(10)を送り込むようにしたので、単位管(2)の回転により緩衝用弾性材層(10)が円弧状間隙(14)内で単位管(2)の外周に沿って曲げられ、かつ外周面へ強く押しつけられるので、緩衝用弾性材層(10)を単位管(2)の外周面へ確実かつ強固に巻回させて装着できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態に係るフェルト装着を示す正面図
【図2】図1の2−2線断面図であって(a)は更生管の外周に熱風を吹き付けた状態で接着剤を塗布する接着剤塗布工程図、(b)は接着剤を塗布した更生管の外周に熱風を吹き付けて粗面を形成する加熱工程図、(c)は粗面化した外周面を示す説明図
【図3】粗面化した更生管の部分拡大図
【図4】フェルト装着工程を示す説明図
【図5】フェルト装着状態の更生管を示し、(a)は軸方向断面図、(b)は(a)の5−5断面図
【図6】従来の更生管挿入方法を示す図
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面に基づいて地中埋設管の表面に対する緩衝用弾性材層の形成方法に係る一実施形態を説明する。
図1は、本実施形態に係るフェルトを装着装置を示す正面図である。
この図1おいて、フェルトを装着装置1は長尺の更生管を構成する単位管2を回転させてその外周面にフェルト10を装着する装置であって、単位管2の回転手段と、冷却手段20を備え、さらに図2に示すように、接着剤塗布手段30及び加熱手段40を備える。
なお、フェルト10は本願発明における緩衝用弾性材層の一例であり、空隙率が大きく、かつ厚み方向等において伸縮性に富む弾性体をなし、単位管2の表面を覆うことにより、単位管2に対する緩衝用の弾性被覆層となる。このような緩衝用弾性材層としては、フェルトに限らず、ウレタンフォーム等のスポンジ材料やゴム等のクッション材料等が採用可能である。
【0032】
回転手段は、単位管2の一端を支持する回転駆動軸4と、他端を支持する支持部6を備える。回転駆動軸4は基台5上に立設された駆動支持部3へ回転自在に支持されるとともに、駆動支持部3は図示しないモータ等の適宜駆動手段により回転駆動軸4を回転軸線Cを中心に回転駆動する。回転軸線Cは図示状態にて基台5の表面と平行して水平であり、単位管2の中心軸線と一致する。
【0033】
支持部6は駆動支持部3と単位管2の長さ程度離隔して基台5上に立設され、マニホールド7を介して単位管2の他端を支持する。マニホールド7は支持部6に設けられたセンタ6aにて心出し支持される。センタ6aは回転軸線Cと同軸上に配置され、かつ回転軸線C方向へ進退自在に支持され、センタ6aが回転軸線C方向へ進退するとき、マニホールド7を一体に進退させる。
【0034】
したがって、単位管2は、予め一端を回転駆動軸4に支持された状態で、センタ6aを駆動支持部3側へ前進させれば、マニホールド7が単位管2の他端を支持し、単位管2を回転駆動軸4と一体に回転可能になる。この状態からセンタ6aを後退させれば、マニホールド7が単位管2の他端を離すので、単位管2を回転駆動軸4から取り外すことができる。
単位管2は中空のパイプ状をなし、その一端開口側に回転駆動軸4の一端に設けられた突出部4aが密に嵌合する。一方、単位管2の他端開口側にマニホールド7の一端に設けられた突出部7aが密に嵌合する。
【0035】
単位管2は回転駆動軸4の軸心部に形成された冷却水通路4bを介して冷却手段20の給水部21へ連通し、冷却手段20より冷却水通路4bを通して冷却水が密閉空間8内へ適時に供給される。また、密閉空間8内へ供給された冷却水は単位管2を冷却してからマニホールド7に設けられた排出通路7bより外部へ排出される。9は排水ホースである。
【0036】
基台5の上方へ水平に支持された単位管2の下方には、受け台12が駆動支持部3と支持部6の間に配置され、基台5上に設けられている。
図4に示すように、受け台12の表面は、搬送手段50により回転軸線C(図1参照)と直交する方向に送り込まれるシート状のフェルト10が載置されるテーブルをなすとともに、単位管2の外周部が略半分程度入り込む半円状断面の円弧状凹溝13が形成されている。
【0037】
円弧状凹溝13と単位管2の外周面との間には円弧状間隙14(図2参照)が形成され、この円弧状間隙14にはフェルト10が送り込まれる。円弧状間隙14の間隙幅(単位管2の径方向における幅寸法)はフェルト10の厚みよりも若干薄くなるように形成され、円弧状間隙14内へ送り込まれたフェルト10が単位管2の外周面へ押しつけられるようになっている。
【0038】
なお、円弧状間隙14の間隙幅は、全周に亘って一定でも、出口側が徐々にもしくは段階的に狭くなるように変化するものでもよい。出口付近を若干狭くすると、単位管2の外表面に対するフェルト10の装着を強力にすることができるとともに、単位管2の回転負荷を軽減することができる。
【0039】
また、円弧状凹溝13の回転軸線C方向における横幅は、フェルト10の幅並びに単位管2の装着部長さL(図5参照)と一致している。
受け台12上面における円弧状凹溝13のフェルト入口側近傍には押圧部材15が設けられている。符号18は押さえガイドであり、フェルト10を上面から押さえつけながら、単位管2の外周面に臨む押圧部材15の先端側へ案内する部材であり、必要により適宜設けられる。
【0040】
押圧部材15は、円弧状間隙14の中へ送り込まれるフェルト10を、円弧状間隙14の入口近傍にて単位管2の外周面へ押しつけて、単位管2の外周面によるフェルト10の絡め取りを確実にするための部材であり、フェルト10の送り方向に沿って油圧シリンダ等の適宜手段により進退可能に配設されている。
【0041】
押圧部材15は比較的剛性があって表面が平滑な適宜材料からなるブロック状をなす部材であり、円弧状間隙14に臨む部分はR状曲面をなし、フェルト10の滑りを良好にしている。フェルト10の先端がある程度円弧状間隙14内に入り込むと、ブロック状の押圧部材15を単位管2の外周面側に移動してフェルト10の外面を約5〜10kg/m の押付け圧でフェルト10を単位管2の外周面へ押しつけ、この状態で単位管2を回転させることにより、単位管2の回転にともなってフェルト10が一緒に円弧状間隙14へスムーズに送り込まれるように案内している。
【0042】
冷却手段20は、給水部21、冷却水通路4b、密閉空間8、排水通路7b及び排水ホース9で構成され、単位管2の外周にフェルト10が巻回装着された状態で、密閉空間8内へ冷却水を供給することで、単位管2の内部空間を利用して加熱されている単位管2の表面を効率的に急速冷却して、軟化していた表面を硬化させることができ、軟化した表面へ食い込んだフェルト10の繊維を、この食い込んだままの状態で固化させるようになっている。
【0043】
これによりフェルト10の単位管外周面に対する結合を強め、接着剤による接着を補強することができる。また、単位管2の表面を急速冷却することにより、フェルト装着後の単位管2を容易に手で持てるようになるから、取扱易くなる。
なお、このような冷却水に限らず、送風や他の公知冷媒を用いることもできる。
【0044】
接着剤塗布手段30は噴霧ノズル等で接着剤31を単位管2の表面へ塗布する手段であり、具体的な塗布手段は、噴霧、浸漬、刷毛塗り等、公知のいずれであってもよい。但し、本実施形態では加熱に先立って直前に塗布するものであるから噴霧が好ましい。特に、予めこの接着剤を塗布してから加熱して単位管2の表面を凹凸にして粗面化すると、接着剤が凹凸内へ万遍なく馴染むことができるので接着力の向上に有利である。
【0045】
接着剤31は種々のものが可能であるが、例えば、変成シリコーン系の化学反応型接着剤がある。この接着剤の具体例としては、1液性常温硬化型弾性接着剤である商品名スーパーX2(セメダイン株式会社)がある。この接着剤は樹脂と繊維の接着性に優れ、空気中の水分で比較的短時間で硬化して接着時間を短縮でき、粗面化工程の前に塗布することで、キュアタイムを粗面化後に合わせて、粗面化後直ちに接着できるように設定できる。そのうえ凹凸への馴染みがよい等の優れた性質がある。しかも、埋設施工事や埋設後における繊維層に対する衝撃等が加わったときでも、接着剤の弾性によりこれを緩和して、繊維層の剥離を防止することができる。
【0046】
なお、接着剤31としては上記以外にも種々可能であり、溶剤タイプ、エマルジョンタイプ、ホットメルトタイプ、熱硬化樹脂系、熱可塑樹脂系、ゴム系等公知のものを適宜選択できる。但し、一般にPBT製の樹脂管で形成されている単位管2の表面に対する十分な相溶性がある接着剤はなく、このような単位管2の表面へ強固に接着することが困難である。そのうえ、フェルトのような空隙の大きな繊維層を接着剤で接着することは一層困難である。したがって、接着剤は、フェルトのような空隙の大きな繊維層をPBT製の樹脂管へできるかぎり強固に接着できるような接着剤を選択する必要がある。
また、加熱により接着するものでは、本実施形態における単位管2の粗面化工程が単位管2の表面を180°C程度に加熱するものであるため、この加熱温度により硬化等して接着するように、粗面化工程の加熱温度に適合するものが好ましい。
【0047】
加熱手段40は、熱可塑性樹脂からなる単位管2の表面を軟化させて凹凸を形成することにより粗面化するものであって、粗面化手段の一例である。熱風や赤外線などの熱線等を用いて構成され、加熱された単位管2の表面温度が単位管2を構成する樹脂材料の融点近傍まで加熱して軟化させることにより粗面化できるように設定する。
【0048】
本実施形態においては熱風により加熱するものとし、単位管2を構成するPBT樹脂の融点が約225°C程度であるため、表面温度が約180℃程度になるように加熱すると、表面が軟化して凹凸を形成する。なお、単位管2における肉厚等の設定寸法を維持しつつ、表面のみを粗面化することが必要なため、単位管2を構成する樹脂の融点より低い温度で加熱することが必要である。
【0049】
また、このときの粗面は、単位管2の表面へフェルトの繊維を絡みつかせて係合することで結合できる必要最低限のものであればよく、例えば、1mm以下、好ましくは0.5mm程度の微少な凹凸が形成されるようにする。
なお、具体的な加熱手段は公知のものを適宜利用できる。
また、粗面化手段は加熱手段40に限定されず、単位管2の表面をやすり等で機械的に粗面化しおたり、速乾性の樹脂材料等を吹き付けて多数の凸部を形成することにより凹凸化するものでもよい。
【0050】
搬送手段50は、フェルト10を受け台12上へ搬送する手段であって、送りローラー等の公知手段で構成される。フェルト10はロール状のものを間欠的に所定長さづつ送り、受け台12上でカッター等で裁断するから、予め所定長さに裁断されたものを搬送するようにしてもよい。また、後述するようにシート状をなさないブロック状等の繊維材料を円弧状間隙14の入口部へ供給するものでもよい。
【0051】
次に、本実施形態で使用される単位管2につき説明する。なお、以下の説明では単位管2として、その最小構成部である単位管を示す。この単位管である単位管2の長さは、既設管の開口端部が臨むマンホール(図6参照)内で取り扱うに適した数10cm程度のものになっている。
単位管2の長さ方向一端部は薄肉で外周に雄ネジが形成された雄ジョイント2a、他端が薄肉で内周に雌ネジが形成された雌ジョイント2bをなし、これら両ジョイント間の中間部が、隣り合う2個の単位管2の雄ジョイント2aと雌ジョイント2bを内外にネジ結合したときの厚さとなる肉厚部2cをなしている。
【0052】
図4に示すように、単位管2は外径R1、内径R2、肉厚Tで形成されており、前述したように前記基台5の長手方向略中央に載置された受け台12の上面には、水平支持された単位管2の外周下面に対し同芯状の円弧状間隙14を形成すべく円弧状溝13が形成されている。
【0053】
本実施形態においては、肉厚部2cの外径R1が242mm、内径R2が220mm、肉厚部2cの肉厚Tが11mmであり、この種の樹脂製単位管2においては比較的薄肉になっている(図4参照)。その結果、従来工法で挿入抵抗から限界となる外径と同程度にでき、かつ内径は、従来の更生管に要求されていると同程度以上の流量を可能とする内径が可能になる。
【0054】
この外径R1は任意に決定されるが、作業性向上の観点から容易に持てる程度の大きさが好ましい。内径R2および肉厚Tは適宜決定されるが、より大流量の確保並びに流体圧の確保を考慮して、可及的に内径R2を大きく、且つ肉厚Tを小さくすることが求められている。
【0055】
この単位管2は、FRP樹脂製のパイプであり、前述したようにガラス繊維等の適宜強化材料で補強されたPBT製の樹脂管である。
肉厚Tは、単位管2を構成する材料及び流体の圧力を考慮する必要があるが、本実施形態の場合は、母材樹脂をPBTとし、ガラス繊維等の適宜強化繊維を15%程度充填したものであり、表面温度が180°C程度になるよう加熱すると表面に凹凸が生じて荒れるようになっている。母材樹脂をPBTとすることで、比較的肉厚が薄くても十分なジョイント強度が得られるので、PBTが最も好ましい。
【0056】
但し、単位管2の母材樹脂及び強化材料は公知のものの種々な組み合わせが可能であり、母材樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレンなど適宜の熱可塑性樹脂が可能である。同様に強化材料は、金属や樹脂製の強化繊維など適宜の公知の種々な材料を適宜範囲で充填できる。
【0057】
フェルト10は、動植物繊維、合成繊維、金属繊維等の適宜繊維を絡み合わせてシート状にした公知のものである。その構成材料や繊維密度及び厚さは緩衝作用に影響するので、要求される性能(緩衝作用の程度や耐久性など)に応じて適宜選択採用される。
この場合フェルト10は、単位管2の全長に相当する横幅と単位管2の外周囲に相当する長さと円弧状間隙14と略同一寸法に相当する板厚で形成されている。
【0058】
また、本願発明において緩衝用弾性材層として使用されるものはフェルトに限らず、単位管2の外周に装着されて緩衝作用をなすことができる弾性体層であれば足りる。したがって、繊維材料としては、織布や不織布などの布状物や網状のものでもよい。さらにはシート状をなさない繊維ブロック(繊維の塊)であってもよい。繊維ブロックの場合でも、本願発明の方法により単位管2の外周に多少厚さが不均一になるが繊維層を装着できる。
さらに、非繊維材料としては、軟質ウレタンフォームやその他の各種樹脂材料フォーム等からなるスポンジ材料やゴム等のクッション材料をシート状にしたものがある。
【0059】
次に、単位管の外周面へフェルトを装着する方法を、図2〜4を参照して説明する。
図2(a)は接着剤塗布工程、図2(b)は加熱工程、図2(c)は加熱後の粗面化した外周面を示す図、図3は加熱時における単位管表面の部分拡大図、図4はフェルト装着工程を示す断面図である。
【0060】
まず、図2(a)において、単位管2を回転駆動軸4に取付けて一体に矢印方向へ回転させ、単位管2の外方に接近配置された接着剤塗布手段30から接着剤31を単位管2の外表面へ点線で示されるように噴霧等で塗布する。この塗布は単位管2の外周面全長に亘って行う。
【0061】
図2(b)において、接着剤31が塗布されると、接着剤塗布手段30に近接して配置された加熱手段40により、継続して回転する単位管2の外周面全長に亘って、塗布された接着剤31の上へ向かって180℃の熱風を吹き付ける。
これにより、単位管2の外周面には図2(c)に示すような微小(例えば、0.5mm程度)の凸部60が形成されることにより、凹凸状の粗面となる。
このとき、接着剤31は単位管2の外周面と一緒に加熱されるが、粗面化前に塗布されているため、図3に示すように、粗面化した単位管2の外周面の凹部内へも十分に塗布され、粗面と一体化される。
【0062】
さらに、単位管2が継続して回転する状態で、図4に示すように、搬送手段50により、フェルト10を回転駆動軸4の回転軸線C(図1参照)と直交する方向に送り出し、受け台12の上面にて先端を円弧状間隙14の入口内へ送り込み、押圧部材15を前進させてフェルト10の先端を単位管2の外周面へ押しつける。
【0063】
すると、粗面化した凸部60がフェルト10の繊維を絡めて係合することにより単位管2の外表面へフェルト10を結合一体化した状態で円弧状間隙14内に引き込む。このとき、押圧部材15の押しつけにより、さらに強くフェルト10を単位管2の外表面へ一体化することができる。なお、フェルト10に代えて前記の非繊維材料を用いる場合には、やはり凸部60が非繊維材料の表面へ食い込むことによって結合一体化する。
このように、単位管2の外表面へ一体化されたフェルト10は、単位管2の回転に伴って後続部分が連続して円弧状間隙14内へ引き込まれる。
【0064】
円弧状間隙14内に引き込まれたフェルト10は、単位管2の回転駆動力により円弧状溝13の内壁面により単位管2の外周面へ強く押圧され、フェルト10は繊維が軟化した単位管2の表面内へ食い込んだ状態で単位管2の外表面へ強固に固着一体化され、かつフェルト10の形状を単位管2の外表面に沿って円弧状に変形させる。
その結果、円弧状間隙14から出たフェルト10は単位管2の外表面へ一体化された状態を維持する。
【0065】
単位管2が1回転してフェルト10の先端が円弧状間隙14の入口へ戻ると、フェルト10は単位管2の全周へ巻回された状態で一体化する。
上記1回転が終了すると、フェルト10の供給は終了するが、単位管2は引き続き回転を継続して2回転目に入るとともに、冷却手段20により密閉空間8内へ冷却水を供給して単位管2を急速冷却させる。
【0066】
これにより、単位管2が内部から冷却され、粗面化した凹部内へ保持された接着剤が固まることによりフェルト10を単位管2の外表面へ接着する。
このとき、接着剤31は粗面化された凹部内へ強固に保持されているので、相溶性に乏し
いものであってもアンカー効果が向上して強固な接着が可能になる。
しかも、接着剤31を塗布した後から加熱により粗面化するので、接着剤31が加熱により流動し易くなるタイプのものであれば、加熱により接着剤の流動性を良くして粗面の凹凸内へ確実かつ速やかに入り込ませることができる。
但し、接着剤31はそのタイプ等により単位管2の表面を加熱して粗面化した後から塗布してもよい。
【0067】
そのうえ、フェルト10の繊維が軟化した単位管2の外表面へ食い込んだ状態で、単位管2の軟化した表面が急速固化するから、フェルト10の繊維が食い込んだ状態で固化することになり、フェルト10の繊維の一部が単位管2の表面肉厚内へ埋め込み一体化されて固着され、植え込まれた状態になるので、接着剤による接着に加えてフェルト10の単位管2の外表面に対する結合力をさらに増強できる。
しかも、緩衝用弾性材層として繊維材料であるフェルト10を用いたので、このフェルト10の繊維が単位管2の粗面化した表面に絡まって係合しやすく、かつ単位管2の表面肉厚内へも食い込みやすくなるので、単位管2の外表面に対する結合を強力にすることができる。
【0068】
また、単位管2が急速冷却するので、2回転目の回転終了後に直ちに単位管2を手で持つことができるから、取扱性が向上し、比較的短時間でフェルト装着工程を終わらせることができるので、作業時間を短縮できる。
但し、冷却工程は2回転目の1回転だけでなく、これでも不十分な場合はさらに回転を継続させて十分に冷却させることができる。
【0069】
このようにして、本実施形態に係るフェルトの装着法を実施することで図5(a)、(b)に示すように、所定長さを単位とする単位管2の外周にシート状のフェルト10を巻回装着したフェルト装着単位管2が完成する。
【0070】
この完成したフェルト装着単位管2は、図6の既設管160の内側へ挿入される(但し、図6においてフェルトチューブ120が装着されていない既設管160の内側へ直接挿入される)。このとき、フェルト10の厚さは、従来と同様に、既設管160へ挿入する前の状態において8mmとし、挿入時に5mmに圧縮されるように設定すると、フェルト10は単位管2の外周に対して、粗面による結合、単位管表面の軟化による食い込み固着並びに接着剤31による接着によって強固に結合一体化されているから、フェルト10が単位管2の外周に対してずれずに圧縮されながら円滑に挿入することができる。
【0071】
しかもフェルト10は単位管である各単位管2毎に切れており、従来のような長尺のフェルトチューブではないから、多数個を接続して長尺にしても、フェルトの伸びが蓄積してたるみが大きくなることはないから、挿入長さの長尺化に伴って挿入抵抗が著しく増大することはないから、かなり長尺にしても容易に挿入可能になる。そのうえ、予めフェルトチューブを挿入する必要もないので、長尺のフェルトチューブ自体を挿入するための困難もなくなる。このため、施工工数を大幅に削減することができる。
【0072】
また、雄ジョイント2aの上にはフェルトを覆わず、フェルトに覆われた雌ジョイント2bの内側へ重なってネジ結合するので、フェルト装着した単位管を順次接続して長手方向へ所望長さに延設することができる。しかも、このネジ結合部の外表面を平滑にし、接続された長尺管の表面は長さ方向に面一のフェルト層で覆われるので、接続部における凹凸がなく、既設管の内部へスムーズに挿入できるようになり、挿入抵抗が少なくなって施工の効率が向上する。
そのうえ、挿入抵抗が少なくなる分だけ単位管2を大径化できるから必要な流量の確保が容易になる。
【0073】
なお、本願発明は上記の各実施例に限定されるものではなく、発明の原理内において種々に変形や応用が可能である。例えば、更生管に限らず地中に埋設される種々な用途の管材に適用することができる。
この場合、地表面から開削された長い溝中へ敷設され、その後埋め戻されるような場合には、既設管路が存在する必要がないので、更生管以外の地中埋設管(単独埋設管ということにする)に適用可能である。
さらに、上記フェルト等の繊維素材を巻回取付けする方法は、これら更生管や単独埋設管に限定されず種々な用途の管材に適用できる。
【0074】
この場合、予め単位管2と同様の単位管の表面へフェルト10(緩衝用弾性材層)を巻回一体化しておき、この単位管2を長さ方向へ複数接続して長尺の地中埋設管を形成するので、予めフェルトチューブを形成して、この中へ長尺の地中埋設管を挿入する必要がなくなり、フェルト10を巻回一体化した長尺の地中埋設管を容易に形成できる。しかもフェルトチューブの中へ長尺の地中埋設管を挿入することによる挿入抵抗がなくなるので、施工が容易になる。そのうえ、挿入抵抗がない分、緩衝用繊維に制約されずに地中埋設管を太径化できるので、必要な流量を確保できる。
【0075】
また、上記繊維素材を巻回取付けする方法において、粗面化手段として加熱出段ではなくブラストなどの機械的手段を採用する場合は、金属や熱硬化樹脂製の管材に対して適用可能である。
さらに、単位管2に対する緩衝用弾性材層の結合は、粗面化手段だけによる結合でもよい。また、この粗面化手段に加えて、緩衝用弾性材層の一部を単位管表面へ埋め込み固着させること、さらには接着剤31による接着を組み合わせることで、結合力を適宜に強化することができる。
【符号の説明】
【0076】
1:フェルト装着装置、2:単位管、4:回転駆動軸、6:支持部、10:フェルト、12:受け台、13:円弧状溝、14:円弧状間隙、20:冷却手段、30:接着剤塗布手段、31:接着剤、40:加熱手段、50:搬送手段、60:凸部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定長さの単位管を長さ方向に複数個接続して長尺の管材を形成するととともに、この管材の表面に緩衝用弾性材層を巻いて地中へ埋設する地中埋設管において、
予め前記単位管(2)の表面へ緩衝用弾性材層(10)を巻回して一体化しておき、この緩衝用弾性材層を巻回一体化した複数の単位管(2)を順次長さ方向へ接続して前記長尺の管材とすることを特徴とする地中埋設管。
【請求項2】
請求項1に記載した地中埋設管が、予め地中に埋設された既設管路の内部へ挿入される更生管であることを特徴とする。
【請求項3】
上記請求項1又は2に記載した地中埋設管に対する緩衝用弾性材層の形成方法において、
前記単位管(2)を回転可能に支持し、この単位管(2)を回転させつつ、表面を粗面化手段(40)により粗面化するとともに、この粗面化された単位管(2)の表面へ緩衝用弾性材層(10)を押しつけ、この粗面化された表面に前記緩衝用弾性材層(10)を結合させながら単位管(2)の表面へ緩衝用弾性材層(10)を層状に巻回させて装着一体化することを特徴とする地中埋設管に対する緩衝用弾性材層の形成方法。
【請求項4】
前記単位管(2)は熱可塑性樹脂製であり、前記粗面化手段(40)は加熱手段(40)であることを特徴とする請求項3に記載した地中埋設管に対する緩衝用弾性材層の形成方法。
【請求項5】
前記単位管(2)の表面に接着剤(31)を塗布し、その後、加熱手段(40)にて前記単位管(2)の表面を粗面化することを特徴とする請求項3又は4に記載した地中埋設管に対する緩衝用弾性材層の形成方法。
【請求項6】
前記緩衝用弾性材層はシート状のフェルト(10)であることを特徴とする請求項3〜4のいずれかに記載した地中埋設管に対する緩衝用弾性材層の形成方法。
【請求項7】
前記単位管(2)の軸線と平行な受け台(12)を設け、この受け台(12)の表面に円弧状溝(13)を設けてこの円弧状溝(13)内へ前記単位管(2)の一部を収容し、この単位管(2)の外表面と前記円弧状溝(13)の間に前記緩衝用弾性材層(10)の厚さよりも狭い幅の円弧状間隙(14)を形成し、この円弧状間隙(14)内へ前記緩衝用弾性材層(10)を送り込むようにしたことを特徴とする請求項3〜6のいずれかに記載した地中埋設管に対する緩衝用弾性材層の形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−87827(P2012−87827A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−232759(P2010−232759)
【出願日】平成22年10月15日(2010.10.15)
【出願人】(000219358)東亜グラウト工業株式会社 (47)
【出願人】(508198638)株式会社オグテック (2)