説明

地中探査装置

【課題】使用時には画像出力部を視認性の良好な位置に配置し、非使用時には画像出力部やハンドルをコンパクトな収納姿勢とすることのできる地中探査装置を提供する。
【解決手段】ハンドル13が台車10上に滑節部13aと操作部13cとを有し、台車10に回動可能に支持されて画像出力部16の一端側を回動可能に支持する支持リンク22が、ハンドル13と交差するようその中間結合部13fに回動可能に結合され、画像出力部16の他端側が、中間結合部13fより操作部13c側でハンドル13に結合された連結リンク24によって回動可能に支持され、操作部13cが上方に操作されるときリンク22、24によって画像出力部16が回動され、操作部13cが使用高さに達すると、連結リンク24の中間部24cが支持リンク22の先端部22bに支持されるとともに、画像出力部16が使用姿勢で停止するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地中探査装置、特に画像出力部を備えた移動式の地中探査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地中に電磁波を放射して探査対象物からの反射波を受信し、その反射信号の方向や遅延時間に基づいて地中の埋設物等を探査する地中探査装置が知られており、特に水道管等のような埋設物の探査を行う比較的小型の移動式の地中探査装置が多用されている。
【0003】
この種の地中探査装置としては、ハンドルによる移動操作が可能な車輪付の台車に地中探査レーダ部とその送受信信号の信号処理部とを搭載し、台車上にその地中探査レーダ部での探査結果を画像出力する表示画面やプリンタ等の画像出力部と、操作スイッチ等の操作部とを装備したものが知られている(例えば、特許文献1、2参照)。
【0004】
また、ハンドルを台車に対し前後方向に回動可能に支持させ、非使用時には画像出力部や操作部を装着したハンドルを台車側に倒して折り畳んだ姿勢(以下、収納姿勢という)とすることで、小型自動車等にも容易に積み降ろしできるようにしたものがある(例えば、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開2001−116852号公報
【特許文献2】特開平11−271464号公報
【特許文献3】特開2006−250591号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の地中探査装置にあっては、使用時に画像出力部を視認性の良好な位置に配置しながらも、非使用時には画像出力部やハンドルをコンパクトな収納姿勢にするという相反する要求に十分に応えることができなかった。
【0006】
すなわち、画像出力部が視認性の良好な位置に配置される場合、その画像出力部は専ら台車上の高い位置に配置されるため、それをコンパクトに収納することが容易でなく、一方、コンパクトさを重要視して画像出力部をハンドル側に支持させると、その視認性を若干犠牲にせざるを得なかった。
【0007】
また、非使用時に画像出力部やハンドルをコンパクトな収納姿勢とする場合でも、その収納姿勢のハンドルを操作して地中探査装置を容易に移動させるようなことができなかった。
【0008】
本発明は、このような従来の未解決の課題を解決すべくなされたものであり、使用時には画像出力部を視認性の良好な位置に配置し、かつ、非使用時には画像出力部やハンドルをコンパクトな収納姿勢とすることのできる地中探査装置を提供することを目的とし、併せて、収納姿勢でもハンドルを操作して容易に移動させることができる地中探査装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的達成のため、(1)車輪付の台車と、該台車に搭載された地中探査レーダ部と、前記台車の移動操作が可能なハンドルと、前記台車上に設けられ前記地中探査レーダ部の探査結果を画面に出力する画像出力部と、を備えた移動式の地中探査装置において、前記ハンドルが、前記台車上に前後方向に摺動および回動可能に案内された滑節部と、前記台車の移動操作がなされる操作部とを有し、前記台車に回動可能に支持された基端部および前記画像出力部の一端側を回動可能に支持する先端部を有する支持リンクが、前記ハンドルと交差するよう前記滑節部と前記操作部の間の前記ハンドルの中間結合部に回動可能に結合され、前記画像出力部の他端側が、前記中間結合部より前記操作部側で前記ハンドルに回動可能に結合された基端部を有する連結リンクの先端部に回動可能に支持され、前記ハンドルの操作部が上方に持ち上げられるとき、前記ハンドルの滑節部が前記台車上で摺動するとともに、前記支持リンクおよび前記連結リンクによって前記画像出力部が回動され、前記ハンドルの操作部が使用高さまで持ち上げられたとき、前記連結リンクの中間部が前記支持リンクの先端部に下方側から支持されるとともに、前記画像出力部が使用姿勢で停止することを特徴とするものである。
【0010】
この構成により、ハンドルの操作部が使用高さまで持ち上げられると、画像出力部は操作部の後方に位置する作業者からの視認性が良好な画面姿勢を持った使用姿勢となり、画像出力部はハンドルの中間結合部より高くハンドルの中間結合部より前方側の視認性の良好な位置に停止することになる。また、ハンドルの操作部が台車側に下げられると、そのハンドルの前方側および下方側への動きに連動して支持リンクも倒れ、画像出力部の一端側を支持する支持リンクの先端部が前方へ、画像出力部の他端側を支持する連結リンクが後方へと移動することで、画像出力部が画面を裏返すように回動し、画像出力部およびハンドルがコンパクトな収納姿勢に変化する。
【0011】
上記(1)の地中探査装置においては、(2)前記ハンドルの操作部が前記台車側に下げられたとき、前記画像出力部の画面が前記台車側に対向するとともに、前記支持リンク、前記連結リンクおよび前記ハンドルが、それぞれ前記前後方向に向くようにしたものであるのが好ましい。
【0012】
この構成により、ハンドルや画像出力部がよりコンパクトな収納姿勢となる。なお、この場合、支持リンクの先端部および画像出力部の一端部と、ハンドルの滑節部とは、それぞれ台車の前端付近で前後方向での位置が揃うのが好ましい。すなわち、連結リンクのリンク長さと画像出力部の一端部から他端部までの長さとの和が、ハンドルの連結リンクとの結合点から滑節部までの長さとほぼ等しくなるのが好ましく、さらに、支持リンクの中間結合部から先端部までの長さとハンドルの中間結合部から滑節部までの長さとがほぼ等しいのが好ましい。また、支持リンクを左右一対設ける場合には、左右の支持リンクの外方にハンドルの左右一対の支柱部を配置するのが好ましい。
【0013】
また、上記(1)又は(2)の地中探査装置においては、(3)前記連結リンクが、前記ハンドルの中間結合部から前記支持リンクの先端部までの前記支持リンクの長さより大きいリンク長さを有しているのがよい。
【0014】
この構成により、ハンドルの中間結合部から連結リンクまでの部分と、支持リンクと、連結リンクと、画像出力部とによって構成される4節リンク機構が、支持リンクおよび連結リンクを長短の対向リンクとする両クランク機構となり、ハンドルの操作部の上下方向への操作に応じて支持リンクおよびハンドルの中間結合部より台車側部分の交差角度が変化するとき、この両クランク機構の回動により画像出力部が視認性の良好な使用姿勢をとる状態から収納姿勢までの回動範囲内で円滑に姿勢変化できることになる。
【0015】
さらに、上記(1)〜(3)の地中探査装置においては、(4)前記連結リンクの中間部に、前記支持リンクの先端部に係合したとき前記支持リンクの先端部に対する前記前後方向への位置ずれを規制する係合部を設けるのが好ましい。
【0016】
この構成により、係合部が支持リンクの先端部に係合すると、ハンドルと支持リンクの交差角度が所定値に規制されることになり、一定の使用姿勢が得られることになる。なお、係合部が支持リンクの先端部に係合した状態で係合部を支持リンク側にロックする手段を設けるのがよい。
【0017】
また、上記(4)の地中探査装置においては、(5)前記画像出力部の他端側に、前記支持リンクの先端部を支点として前記画像出力部を前記使用姿勢から前記操作部側に回動させるよう操作され、前記連結リンクの係合部を前記支持リンクの先端部から離脱させることができる解除ハンドル部を設けたものであるのがより好ましい。
【0018】
この構成により、解除ハンドル部が操作部側に操作されると、係合部により支持リンクに対する前後方向への位置ずれが規制されていた連結リンクが支持リンクの先端部から離脱し、ハンドルと支持リンクの交差角度の規制が解かれることになって、使用時の姿勢に保持されていたハンドルが台車側に回動可能となる。すなわち、ハンドルの収納姿勢への操作が可能となる。また、ハンドルの操作部と解除ハンドル部が前後に大きく離間していることから、地中探査装置の探査作業中に誤ってその画像出力部やハンドルの使用姿勢が解除されるような不具合がない。
【0019】
上記(1)の地中探査装置においては、(6)前記ハンドルの操作部が前記台車側に下げられたとき、前記中間結合部より前記操作部側の前記ハンドルに装着された被ロック部材が、前記台車上に設けられた解除可能なロック機構部にロックされるようにするのが望ましい。
【0020】
この構成により、ハンドルの操作部が台車側に下がったときにはハンドルが台車側にロックされることで、非使用時にコンパクトで安定した装置形態とすることができ、収納や移送のために分解作業等を行う必要がない。
【0021】
上記(1)の地中探査装置においては、(7)前記台車が前方側の車輪と後方側の車輪とを有し、前記前方側の車輪に近接する前記台車の前方下部が前方側ほど上方に位置する傾斜面となっており、前記被ロック部材が前記ロック機構部にロックされた状態で、前記ハンドルの操作部が持ち上げられたとき、前記台車が前記後方側の車輪を持ち上げるように傾斜した姿勢となるようにしてもよい。
【0022】
この場合、ハンドルや画像出力部を収納姿勢としたコンパクトな状態で、ハンドルの操作部を持ち上げて地中探査装置を容易に移動させることができる。なお、台車の前方下部の傾斜面は、前方側の車輪の回転中心軸から所定半径の円曲面形状をなすのがよい。
【0023】
上記(1)の地中探査装置は、(8)前記支持リンクのうち前記ハンドルの中間結合部より前記支持リンクの基端部側の部分と前記ハンドルの中間結合部より前記操作部側の部分との間にダンパを介在させたものであるのが好ましい。
【0024】
この場合、ダンパは、例えばシリンダ内に粘性又は粘弾性の流体を収容し、シリンダに対するピストンの急な変位を流体の絞りによって抑制する緩衝機能を発揮するもので、これにより、使用姿勢の解除時にハンドルと支持リンクが台車側に急落することが抑制され、画像出力部や地中探査レーダ部に衝撃が加わることが防止されることとなる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、ハンドルの操作部が使用高さまで持ち上げられるときには画像出力部が操作部の後方に位置する作業者からの視認性が良好な使用姿勢となり、ハンドルの操作部が台車側に下げられるときには、そのハンドルの前方側および下方側への動きに連動して支持リンクが倒れるとともに画像出力部が画面を裏返すように回動して、画像出力部およびハンドルがコンパクトな収納姿勢に変化するようにしているので、使用時には画像出力部を視認性の良好な位置に配置し、かつ、非使用時には画像出力部やハンドルをコンパクトな収納姿勢とすることのできる地中探査装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0027】
図1は本発明の一実施形態に係る地中探査装置の使用状態を示す左側面図であり、図2(a)はその地中探査装置の収納状態を示す平面図、図2(b)はその地中探査装置の収納状態を示す左側面図である。また、図3はその地中探査装置の使用状態を示す正面図、図4はその地中探査装置の使用状態を示す右側面図、図5はその地中探査装置の使用状態を示す背面図である。さらに、図6はその地中探査装置の画像出力部を支持する連結リンクと支持リンク先端部との係合部分を示す部分拡大図で、同図(a)はその係合部分の離脱状態を示し、同図(b)はその係合部分の係合状態を示している。図7は一実施形態に係る地中探査装置のハンドルの下端側の滑節部を示す部分拡大図で、同図(a)はその滑節部の背面図、同図(b)はその滑節部の下面図である。
【0028】
図1および図2に示すように、本実施形態の地中探査装置は、左右の前輪11a、11bと操向のための自在車輪からなる後輪11cとが取り付けられた車輪付の箱形の台車10を備えた移動式となっており、台車10にはその前後方向への移動操作およびその操作が可能な折り畳み式のハンドル13が装着されている。また、台車10内には、公知の地中探査レーダ部14およびその制御部15(共に詳細は図示せず)が搭載されており、台車10上には地中探査レーダ部14での探査結果を画面に出力する画像出力部16が設けられている。
【0029】
図1および図3に示すように、ハンドル13は、台車10上の左右のガイド部12a、12bに前後方向に摺動可能にかつ回動可能に案内された左右下端側の滑節部13a、13bと、台車10の移動操作がなされる上端側の略水平(前輪11a、11bの車軸と平行)な操作部13cとを有する略コの字形に形成されており、滑節部13a、13bと操作部13cの間が左右の支柱部13d、13eとなっている。なお、図2に示すように、ハンドル13が台車10側に折り畳まれた状態を、以下、収納姿勢という。
【0030】
台車10は図示しない樹脂製の底板を有しており、地中探査レーダ部14はその底板を通し地中に向かって電磁波の送信信号を放射し、地中の探査対象物からの反射信号を受信するようになっている。また、制御部15は、地中探査レーダ部14の受信信号の送信出力時点からの往復に要した時間と、反射信号の信号レベルが最大になる方向とを検知することで、送信された電磁波の障害物となる地中の探査対象物の位置を探査する処理を実行するとともに、その探査結果に対応する画像信号を画像出力部16に出力するようになっている。なお、地中探査レーダ部14によるこのような地中探査方法自体は公知のものと同様である。
【0031】
図2および図5に示すように、画像出力部16は、一面側に表示画面16d(図5参照)を、他面側に着脱式のプリンタ16p(図2(a)参照)を有しており、表示画面16dに探査結果の画像や位置情報を表示させるとともに、作業者からの記録出力要求操作に応じて選択的にプリンタ16pからのプリント出力を実行できるようになっている。この画像出力部16の画面出力やプリント出力の方式自体は、公知のものと同様であるが、画像出力部16の表示画面16dは、例えば画面上に形成される操作入力部を操作して指示入力や設定を行うことのできるタッチパネルで構成される。
【0032】
ハンドル13の操作部13cには、地中探査レーダ部14の始動や停止、記録出力要求等のスイッチ操作を行う指示入力部17が装着されている。
【0033】
また、図1および図3に示すように、画像出力部16および指示入力部17はそれぞれ制御部15に配線接続されており、地中探査レーダ部14および制御部15には台車10の後端側のバッテリ収納部18に収納されたバッテリ19から電力が供給されるようになっている。具体的には、図3に示す電気配線41は画像出力部16と制御部15の間の信号線および給電線を1本の被覆チューブ内に収納したものであり、電気配線42はバッテリ19と制御部15の間の正負の電線を互いに絶縁した状態で1本の被覆チューブに収納したものである。また、電気配線41は、画像出力部16の回動や支持リンク23およびハンドル13の回動に支障がないように、制御部15側から支持リンク23とハンドル13の交差部より下側で両者の間を通して支持リンク23の前方側に引き回され、画像出力部16に接続されている。電気配線43は、指示入力部17と画像出力部16を接続するもので、指示入力部17は画像出力部16の制御回路を介して制御部15に接続されるようになっている。
【0034】
一方、図1〜図4に示すように、台車10上の後部には左右の支持ブラケット21a、21bが装着されており、これら支持ブラケット21a、21bには左右一対の支持リンク22、23がその基端部22a、23aで前後方向に回動可能に支持されている。これら支持リンク22、23の先端部22b、23bは画像出力部16の一端側の左右両側部を回動可能に結合されており、ハンドル13の支柱部13d、13eの内側で画像出力部16の一端側を回動可能に支持するようになっている。また、左右一対の支持リンク22、23は、ハンドル13の支柱部13d、13eとそれぞれ交差するように、滑節部13a、13bと操作部13cの間のハンドル13の中間結合部13f、13gに回動可能に結合されている。さらに、ハンドル13の中間結合部13f、13gより操作部13c側には、左右一対の連結リンク24、25の基端部24a、24bが回動可能に結合されており、これら連結リンク24、25の先端部24b、25bにはそれぞれ画像出力部16の他端側(図1中の左端側)の左右両側部が回動可能に結合され支持されている。なお、ハンドル13の支柱部13d、13eは、支持リンク22、23および連結リンク24、25より左右方向外側に位置している。
【0035】
連結リンク24、25の中間部24c、25cは、図1に示すように、ハンドル13の操作部13cが所定の使用高さの位置まで持ち上げられているとき、支持リンク22、23の先端部22b、23bに下方側から支持されるようになっており、一端側を支持リンク22、23の先端部22b、23bに、他端側を連結リンク24、25の先端部24b、25bにそれぞれ支持された画像出力部16が、所定の使用姿勢で停止することができるようになっている。
【0036】
具体的には、図6に示すように、連結リンク24、25の中間部24c、25cには、それぞれ支持リンク22、23の先端部22b、23bに係合したときに、これら支持リンク22、23の先端部22b、23bに対する前後方向への位置ずれを規制される凹状の係合部24d、25dが設けられている。また、支持リンク22、23の先端部22b、23bには、連結リンク24、25の凹状の係合部24d、25d内に凹凸係合する凸状部22c、23cが設けられている。より具体的には、連結リンク24、25の凹状の係合部24d、25dは円弧断面の前後一対の凸部を有しており、それらの湾曲面に支持リンク22、23の先端部22b、23bの前後の傾斜面部分がそれぞれ線接触する状態で、支持リンク22、23の先端部22b、23bが連結リンク24、25の凹状の係合部24d、25d内に入り込み、両者間の前後方向への位置ずれが規制される。
【0037】
一方、台車10に対して前後方向に回動可能な支持リンク22、23およびハンドル13は、ハンドル13の操作部13cが台車10側に押し下げられたときには、図2(b)に示すように、所定の収納姿勢になるように倒れ、これにより、画像出力部16の画面16dが台車10側に対向するとともに、支持リンク22、23、連結リンク24、25およびハンドル13の支柱部13d、13eが、それぞれの長手方向を前後方向に向けるようになっている。
【0038】
また、連結リンク24、25は、支持リンク22、23の中間部22d、23dとハンドル13の中間結合部13f、13gの結合中心C1(図4参照)から先端部22b、23bまでの支持リンク22、23の長さL1よりも大きいリンク長さL2(>L1)を有している。また、連結リンク24、25のリンク長さL2と画像出力部16の一端部16aから他端部16bまでの長さL3との和(L2+L3)が、ハンドル13の連結リンク24、25との結合点C2から滑節部13a、13bまでの直線長さL4とほぼ等しくなっており、さらに、支持リンク22、23の中間部22c、23c(結合中心C1)から先端部22b、23bまでの長さL1とハンドル13の中間結合部13f、13gの結合中心C1から滑節部13a、13bまでの長さL5とがほぼ等しくなっている。これにより、ハンドル13が図2に示すように台車10側に折り畳まれたとき(収納姿勢時)、支持リンク22、23の先端部22b、23bおよび画像出力部16の一端部16aと、ハンドル13の滑節部13a、13bとは、それぞれ台車10の前端付近で前後方向位置が揃うようになっている。
【0039】
さらに、ハンドル13の中間結合部13f、13gから連結リンク24、25までの部分(図4中のC1、C2の間のリンク長さL6の部分)と、支持リンク22、23(図4中のリンク長さL1の部分)と、連結リンク24、25(図4中のリンク長さL2の部分)と、画像出力部16のブラケット部分16c(図4中のリンク長さL3の部分)とによって構成される左右一対の4節リンク機構(符号なし)は、支持リンク22、23および連結リンク24、25を各一対の長短の対向リンクとする左右の両クランク機構となっている。これにより、ハンドル13の操作部13cの上下方向への操作に応じて支持リンク22、23およびハンドル13の中間結合部13f、13gより台車10側の部分(リンク長さL5の部分)の交差角度が変化するとき、これら左右の両クランク機構の回動により、画像出力部16が図1および図4に示すような視認性の良好な使用姿勢をとる使用状態から図2(b)に示すような収納姿勢までの回動範囲内で円滑に姿勢変化できるようになっている。
【0040】
そして、ハンドル13の操作部13cが収納姿勢から上方に持ち上げられるときには、ハンドル13の滑節部13a、13bが図1中の左方から右方側に台車10上で摺動するとともに、支持リンク22、23および連結リンク24、25によって画像出力部16が同図中に仮想線で示す下方側から同図中に実線で示す上方側へと移動および回動させられるようになっている。
【0041】
また、画像出力部16の他端部16b側には解除ハンドル部16hが設けられており、この解除ハンドル部16hは、支持リンク22、23の先端部22b、23bを支点として画像出力部16を使用姿勢から操作部13c側に回動させることで、連結リンク24、25の係合部24d、25dを支持リンク22、23の先端部22b、23bから離脱させる手動解除操作を行うことができるようになっている。
【0042】
なお、図6に示すように、少なくとも左右一方側、例えば左右の連結リンク24、25の係合部24d、25dと、支持リンク22、23の先端部22b、23bとの間には、支持リンク22、23の先端部22b、23bに係合した係合部24d、25dを支持リンク22、23側にロックすることができる手段として、公知のいわゆるパチン錠28が設けられている。なお、パチン錠28は、例えば連結リンク24の中間部24c側に固定されたフック部28aと、支持リンク22の先端部22b側に装着された操作レバー28bおよび係合爪部28cとを有しており、操作レバー28bを外方に開操作することで係合爪部28cをフック部28aに係合・離脱させることができ、操作レバー28bを閉操作して係合爪部28cをフック部28aに緊締連結状態に係合させることができる。
【0043】
また、図5に示すように、ハンドル13の中間結合部13f、13gより操作部13c側には連結リンク24、25を回動可能に支持する支持軸部13sが設けられており、この支持軸部13sにはコの字形の被ロック部材31が例えば操作部13cに向かって凸となるように装着されている。この被ロック部材31は、ハンドル13の操作部13cが台車10側に下げられたとき、台車10上に設けられたロック機構部32にロックされるようになっている。ロック機構部32は、その解除レバー32aが押下操作されたときに被ロック部材31に係合する内部のフック状のロック爪(詳細図示せず)が解除可能な状態に回動又は変位するように構成された公知のものである。さらに、台車10はその前輪11a、11bに近接する台車10の前方下部10fが前方側ほど上方に位置する傾斜面となっており、被ロック部材31がロック機構部32にロックされた状態で、ハンドル13の操作部13cが持ち上げられたとき、台車10が後輪11cを持ち上げるように傾斜した姿勢となり得るようになっている。
【0044】
また、図4に示すように、支持リンク23のうちハンドル13の中間結合部13gより基端部23a側の部分(図4中のリンク長さL7の部分)と、ハンドル13の中間結合部13gより操作部13c側の部分との間には公知の直動型の小型のダンパ35が介装されており、このダンパ35は、例えばシリンダ35a内に図示しない粘性又は粘弾性の流体を収容し、シリンダ35aに対するピストン35bの急な変位を流体の絞りによって抑制する緩衝機能を発揮するようになっている。
【0045】
図7に示すように、ハンドル13の滑節部13a、13bは、それぞれつば付ピン46を介してガイド部12a、12bに摺動および回動可能に案内されており、つば付ピン46の一端側のつば部46aは左右内方側に位置している。このつば付ピン46の他端側には固定レバー47が回動可能にピン結合されており、左右外側の固定レバー47と滑節部13a、13bとの間には内側に円筒面を有するクランプ板48が、滑節部13a、13bとつば付ピン46の頭部47aとの間には皿ばね49がそれぞれ装着されている。また、固定レバー47は、つば付ピン46の他端側にピン結合された頭部47aが操作軸部分47bより太くなっており、その頭部47aのつば付ピン46との結合中心47cが操作軸部分47bの中心軸線位置47fから所定距離だけオフセットされている。さらに、頭部47aの端面47dと側面47eとは直交しており、図7(a)に示すようにいずれかの固定レバー47をつば付ピン46と直交する方向に向けたとき、つば付ピン46の頭部47aとガイド部12a又は12bとの間で皿ばね49が撓み、滑節部13a又は13bがガイド部12a又は12bに緊締連結状態に固定され、固定レバー47をつば付ピン46と略平行な方向側(図7中に仮想線で示す操作軸部分47b側)に向けたときにその固定状態が解けるようになっている。
【0046】
本実施形態においては、操作部13cから連結リンク24、25のハンドル13への連結点C2(図4参照)までの距離は、例えば図2(b)に示す収納姿勢の装置全長(以下、収納長という)Ltの0.35倍であり、リンク長さL2は、例えば収納長の0.38倍、リンク長さL5は、例えば収納長の0.29倍、リンク長さL6は例えば収納長の0.34倍、リンク長さL7は、例えば収納長の0.19倍、ガイド部12a、12bのガイド溝長さは、例えば収納長の0.30倍、ガイド部12a、12bのガイド溝の地上高は、例えば収納長の0.37倍であるが、装置サイズや画像出力部の設置高さや使用姿勢、画面サイズ等に応じてこれらの長さは適宜変化させることができる。
【0047】
次に、動作について説明する。
【0048】
(地中探査作業開始時)
上述のように構成された本実施形態の地中探査装置では、地中探査作業の開始時には、まず、ハンドル13の操作部13cが使用高さまで持ち上げられ、図1に示すように、画像出力部16が操作部13cの後方に位置する作業者からの視線方向に対し所定角度をなす使用姿勢となり、この画像出力部16がハンドル13の中間結合部13f、13gより高くハンドル13の中間結合部13、13gより前方側の視認性の良好な位置に停止することになる。
【0049】
このとき、連結リンク24、25の中間部24c、25cは、係合部24d、25dによって支持リンク22、23に対する前後方向への位置ずれが規制された状態となり、その状態でパチン錠28の操作レバー28bが閉操作されると、係合爪部28cがフック部28aに緊締連結状態に係合することで、連結リンク24、25の中間部24c、25cと支持リンク22、23の先端部22b、23bが実質的に連結・固定された状態となる。
【0050】
また、左右の固定レバー47をつば付ピン46と直交する方向に向けるように操作することで、つば付ピン46の頭部47aとガイド部12a、12bとの間でそれぞれの皿ばね49が撓み、ハンドル13の滑節部13a、13bがガイド部12a、12bに緊締連結状態に固定される。
【0051】
これにより、地中探査装置の使用姿勢が固定され、地中探査が可能となる。
【0052】
(地中探査作業時)
探査開始時には、支持入力部17の始動スイッチが押下され、画像出力部16が起動されるとともに、地中探査が可能になる。
【0053】
この状態においては、地中探査レーダ部14が台車10の底板を通し地中に向かって電磁波の送信信号を放射し、地中の探査対象物からの反射信号を受信する一方、制御部15が地中探査レーダ部14の受信信号の送信出力時点からの往復に要した時間と、反射信号の信号レベルが最大になる方向とを検知することで、送信された電磁波の障害物となる地中の探査対象物の位置を探査する処理を実行する。これにより、その探査結果に対応する画像信号が画像出力部16に出力される。
【0054】
作業者はハンドル13により装置の移動操作を行いながら、その探査結果の画像を見て地中の探査対象物、例えば水道管の埋設位置を把握し、あるいは接続部分の抜け等の異常な状態を探査する作業を行うことができる。なお、必要に応じて支持入力部17や画像出力部16の表示画面16d上に表示される操作ボタン等が操作されると、画像出力部16のプリンタ16pによって探査結果が記録出力され、あるいは探査条件の設定変更等がなされる。
【0055】
このような作業状態においては、画像出力部16の表示画面16dの視認性が良好であるから、地中探査作業の作業性がよい。また、地中探査作業を行う使用姿勢における操作部13cの高さ、すなわちハンドル高さは、例えば地上870〜880mm程度であり、画像出力部16の表示画面16dは視線方向で操作部13cから例えば260mm程度の位置に斜めに配置される。このとき、画像出力部16と台車10の間の空間は、支持リンク22、23およびハンドル13が後方側にあるだけで、大きく開放されている状態となる。したがって、ガードレール等の障害物に近接する探査作業時においても、台車10はガイドレールより下側に、画像出力部16はガイドレールより上側に位置することになり、作業性がよい。さらに、画像出力部16の表示画面16dをタッチパネルとして操作を行う際にも、操作し易いパネル位置およびパネル姿勢となり、作業性がよい。
【0056】
(探査作業終了時および収納姿勢時)
上述のような作業時の使用姿勢を解除するときには、まず、解除ハンドル部16hが操作部13c側に操作され、画像出力部16が支持リンク22、23の先端部22b、23bを支点として操作部13c側に回動する。
【0057】
このとき、係合部24c、25cにより支持リンク22、23に対する前後方向への位置ずれが規制されていた連結リンク24、25が、支持リンク22、23の先端部22b、23bから上方に離脱することで、ハンドル13と支持リンク22、23の交差角度の規制が解かれ、使用時の姿勢に保持されていたハンドル13が台車10側に回動可能となる。すなわち、ハンドル13の収納姿勢への操作が可能となる。
【0058】
また、支持リンク22、23の先端部22b、23bよりも前方側にあった画像出力部16の重心Gが、支持リンク22、23の先端部22b、23bよりも後方側に移動し、それ以降、ハンドル13および支持リンク22、23はその自重や画像出力部16の重量によって倒れる側に付勢され、解除ハンドル部16h若しくは操作部13cへの若干の押下操作に応じて容易に下降する状態となる。なお、画像出力部16の重量やハンドル13および支持リンク22、23の自重のみによってこれらが下降するようにしてもよいが、その場合、倒れる速度はダンパ35によって十分低速に抑制される。
【0059】
ここで、解除ハンドル部16h若しくはハンドル13の操作部13cが台車10側に下げられると、図1に仮想線で示すように、そのハンドル13の前方側および下方側への動きに連動して支持リンク22、23も倒れ、画像出力部16の一端側を支持する支持リンク22、23の先端部22b、23bが前方へ、画像出力部16の他端側を支持する連結リンク24、25の先端部24b、25bが後方へと移動することで、画像出力部16が表示画面16dを下側に裏返すように回動し、最後には、画像出力部16およびハンドル13が図2に示すようなコンパクトな収納姿勢に変化する。
【0060】
この状態においては、装置の全高は、例えば410mmであり、一般的なガードレールの下端高さより低くなる。また、ハンドル13を図2に示す収納姿勢に折り畳んだときの収納長Lt(全長)は例えば740〜750mm程度であり、ハッチバック式の乗用車等の小型自動車でも、容易に積載可能なサイズとなる。
【0061】
(作用・効果)
このように、本実施形態の地中探査装置では、ハンドル13の操作部13cが使用高さまで持ち上げられるときには画像出力部16が操作部13cの後方に位置する作業者からの視認性が良好な使用姿勢となり、ハンドル13の操作部13cが台車10側に下げられるときには、そのハンドル13の前方側および下方側への動きに連動して支持リンク22、23が倒れるとともに画像出力部16が表示画面16dを裏返すように回動して、画像出力部16およびハンドル13がコンパクトな収納姿勢に変化する。したがって、使用時には画像出力部16を視認性の良好な位置に配置し、かつ、非使用時には画像出力部16やハンドル13をコンパクトな収納姿勢とすることのできる地中探査装置を提供することができる。
【0062】
また、本実施形態においては、連結リンク24、25の係合部24d、25dが支持リンク22、23の先端部22b、23bに係合すると、ハンドル13と支持リンク22、23の交差角度が所定値に規制されることから、一定の使用姿勢が得られることになる。しかも、パチン錠28によって連結リンク24、25の係合部24d、25dと支持リンク22、23の先端部22b、23bとが係合状態でロックされるので、安定した使用姿勢となる。
【0063】
さらに、ハンドル13の操作部13cと解除ハンドル部16hが分離されていることから、地中探査装置の使用中に誤ってその画像出力部16やハンドル13の使用姿勢が解除されるような不具合が防止される。
【0064】
また、ハンドル13の操作部が台車10側に下がったときにはロック機構部32によってハンドル13が台車10側にロックされることから、非使用時にコンパクトで安定した装置形態とすることができ、収納や移送のためにハンドル13や画像出力部16等を台車10から取り外すような分解作業等を行う必要がない。
【0065】
加えて、ダンパ35によって、使用姿勢の解除時にハンドル13と支持リンクが台車10側に急落することが防止され、画像出力部16や地中探査レーダ部14や制御部15に衝撃が加わることが防止される。
【0066】
また、ハンドル13や画像出力部16を収納姿勢としたコンパクトな状態で、ハンドル13の操作部13cを持ち上げて地中探査装置を容易に移動させることができ、搬送時の移動操作が非常に容易になる。
【0067】
なお、上述の実施形態においては、ハンドル13の中間結合部13f、13gから連結リンク24、25までの部分(図4中のリンク長さL6の部分)と、支持リンク22、23(リンク長さL1の部分)と、連結リンク24、25(リンク長さL2の部分)と、画像出力部16のブラケット部分16c(リンク長さL3の部分)とによって構成される左右一対の両クランク機構のリンク長さの比を、画像出力部16の大きさや使用時高さ、使用姿勢、収納姿勢等に応じて適宜設定することができる。また、画像出力部16のブラケット部分16cに対して表示画面16dの位置や姿勢を微調整できるようにしてもよい。また、パチン錠28や固定レバー47は必ずしも必要でなく、係合部24d、25dの係合を強化してこれらを省くことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0068】
以上説明したように、本発明は、ハンドルの操作部が使用高さまで持ち上げられるときには画像出力部が操作部の後方に位置する作業者からの視認性が良好な使用姿勢となり、ハンドルの操作部が台車側に下げられるときには、そのハンドルの前方側および下方側への動きに連動して支持リンクが倒れるとともに画像出力部が画面を裏返すように回動して、画像出力部およびハンドルがコンパクトな収納姿勢に変化するようにしているので、使用時には画像出力部を視認性の良好な位置に配置し、かつ、非使用時には画像出力部やハンドルをコンパクトな収納姿勢とすることのできる地中探査装置を提供することができるという効果を奏するものであり、地中探査装置、特に画像出力部を備えた移動式の地中探査装置全般に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明の一実施形態に係る地中探査装置の使用状態を示す右側面図である。
【図2】(a)は一実施形態に係る地中探査装置の収納状態を示す平面図、(b)はその地中探査装置の収納状態を示す右側面図である。
【図3】一実施形態に係る地中探査装置の使用状態を示す正面図である。
【図4】一実施形態に係る地中探査装置の使用状態を示す左側面図である。
【図5】一実施形態に係る地中探査装置の使用状態を示す背面図である。
【図6】一実施形態に係る地中探査装置の画像出力部を支持する連結リンクと支持リンク先端部との係合部分を示す部分拡大図で、(a)はその係合部分の離脱状態を示し、(b)はその係合部分の係合状態を示している。
【図7】一実施形態に係る地中探査装置のハンドルの下端側の滑節部を示す部分拡大図で、同図(a)はその滑節部の背面図、同図(b)はその滑節部の下面図である。
【符号の説明】
【0070】
10 台車
10f 前方下部
11a、11b 前輪(前方側の車輪)
11c 後輪(後方側の車輪)
12a、12b ガイド部
13 ハンドル
13a、13b 滑節部
13c 操作部
13d、13e 支柱部
13f、13g 中間結合部
13s 支持軸部
14 地中探査レーダ部
15 制御部
16 画像出力部
16a 一端部
16b 他端部
16c ブラケット部分
16d 表示画面
16h 解除ハンドル部
16p プリンタ
17 指示入力部
18 バッテリ収納部
19 バッテリ
21a、21b 支持ブラケット
22、23 支持リンク
22a、23a 基端部
22b、23b 先端部
22c、23c 凸状部
22d、23d 中間部
24、25 連結リンク
24a、25a 基端部
24b、25b 先端部
24c、25c 中間部
24d、25d 係合部
28 パチン錠(係合部をロックする手段)
28a フック部
28b 操作レバー
28c 係合爪部
31 被ロック部材
32 ロック機構部
32a 解除レバー
35 ダンパ
35a シリンダ
35b ピストン
41、42、43 電気配線
46 つば付ピン
46a つば部
47 固定レバー
47a 頭部
47b 操作軸部分
47c 結合中心
47d 端面
47e 側面
47f 操作軸部分の中心軸
48 クランプ板
49 皿ばね
C1 結合中心
C2 結合点
L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7 リンク長さ
Lt 収納長(収納姿勢時の装置の全長)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪付の台車と、該台車に搭載された地中探査レーダ部と、前記台車の移動操作が可能なハンドルと、前記台車上に設けられ前記地中探査レーダ部の探査結果を画面に出力する画像出力部と、を備えた移動式の地中探査装置において、
前記ハンドルが、前記台車上に前後方向に摺動および回動可能に案内された滑節部と、前記台車の移動操作がなされる操作部とを有し、
前記台車に回動可能に支持された基端部および前記画像出力部の一端側を回動可能に支持する先端部を有する支持リンクが、前記ハンドルと交差するよう前記滑節部と前記操作部の間の前記ハンドルの中間結合部に回動可能に結合され、
前記画像出力部の他端側が、前記中間結合部より前記操作部側で前記ハンドルに回動可能に結合された基端部を有する連結リンクの先端部に回動可能に支持され、
前記ハンドルの操作部が上方に持ち上げられるとき、前記ハンドルの滑節部が前記台車上で摺動するとともに、前記支持リンクおよび前記連結リンクによって前記画像出力部が回動され、前記ハンドルの操作部が使用高さまで持ち上げられたとき、前記連結リンクの中間部が前記支持リンクの先端部に下方側から支持されるとともに、前記画像出力部が使用姿勢で停止することを特徴とする地中探査装置。
【請求項2】
前記ハンドルの操作部が前記台車側に下げられたとき、前記画像出力部の画面が前記台車側に対向するとともに、前記支持リンク、前記連結リンクおよび前記ハンドルが、それぞれ前記前後方向に向くようにしたことを特徴とする請求項1に記載の地中探査装置。
【請求項3】
前記連結リンクが、前記ハンドルの中間結合部から前記支持リンクの先端部までの前記支持リンクの長さより大きいリンク長さを有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の地中探査装置。
【請求項4】
前記連結リンクの中間部に、前記支持リンクの先端部に係合したとき前記支持リンクの先端部に対する前記前後方向への位置ずれを規制する係合部を設けたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の地中探査装置。
【請求項5】
前記画像出力部の他端側に、前記支持リンクの先端部を支点として前記画像出力部を前記使用姿勢から前記操作部側に回動させるよう操作され、前記連結リンクの係合部を前記支持リンクの先端部から離脱させることができる解除ハンドル部を設けたことを特徴とする請求項4に記載の地中探査装置。
【請求項6】
前記ハンドルの操作部が前記台車側に下げられたとき、前記中間結合部より前記操作部側の前記ハンドルに装着された被ロック部材が、前記台車上に設けられた解除可能なロック機構部にロックされるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の地中探査装置。
【請求項7】
前記台車が前方側の車輪と後方側の車輪とを有し、
前記前方側の車輪に近接する前記台車の前方下部が前方側ほど上方に位置する傾斜面となっており、前記被ロック部材が前記ロック機構部にロックされた状態で、前記ハンドルの操作部が持ち上げられたとき、前記台車が前記後方側の車輪を持ち上げるように傾斜した姿勢となることを特徴とする請求項1に記載の地中探査装置。
【請求項8】
前記支持リンクのうち前記ハンドルの中間結合部より前記支持リンクの基端部側の部分と前記ハンドルの中間結合部より前記操作部側の部分との間にダンパを介在させたことを特徴とする請求項1に記載の地中探査装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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