説明

地形解像度差を考慮した大気流動場シミュレーション方法

【課題】 大気流動場シミュレーションに発生するエラーを最小化するためのものであって、高解像度地形資料と、前記高解像度地形資料から得られる低解像度地形資料間の高度差による影響を、低解像度地形資料を利用した大気流動場シミュレーションに反映することにより、低解像度地形資料から得られる大気流動場シミュレーションにおいて、高解像度地形資料を使用した大気流動場シミュレーションとの誤差を減らすことができるようにした。
【解決手段】 地形解像度差による風速のシミュレーション誤差を減らすための大気流動シミュレーション方法であって、前記地形解像度差を地形粗度に導入して、これを地面条件に付加することにより、低解像度地形資料を利用した大気流動場の風速を補正する大気流動シミュレーション方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、数値模擬技法を活用した大気流動場シミュレーション方法において、地形解像度差による風速のシミュレーション誤差を減らすための大気流動シミュレーション方法であって、さらに詳細には、前記地形解像度差を地形粗度に導入して、これを地面条件に付加することにより、低解像度地形資料を利用した大気流動場の風速を補正する大気流動シミュレーション方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大気流動場シミュレーションに広く活用される電算流動シミュレーション法(CFD:Computational Fluid Dynamics)は、複雑な地形による機械的な乱流混合特性を正確にシミュレーションできるという側面で、大気環境、風工学、風力発電など、様々な分野で核心的な予測及び評価手段として位置づけている。
【0003】
大気流動場の電算流動シミュレーションにおいて、気象場境界条件と共に重要な入力資料は、地形資料である。韓国の場合、地形資料は、国土地理情報院の数値地図の等高線から格子点地形高度を抽出するか、米国地質調査所(USGS)の90m解像度地形高度モデル(DEM:Digital Elevation Model)であるSRTM(Shuttle Radar Topography Mission)を利用する方法が普遍的であり、特別な場合、環境部の10m解像度DEMまたは国土地理情報院の1m解像度DEMを活用することもできる。
【0004】
しかしながら、電算シミュレーションの負荷のため、シミュレーション領域全体に対して、前記1m解像度DEMなど、高解像度の地形資料をそのまま活用するには限界がある。したがって、電算流動シミュレーション時、関心部分または地形変化の大きい領域のみに対して地形分解能を高めることは別論として、実際、前記高解像度の地形資料を格子大きさに平均化する過程を経て、低解像度の地形資料に加工して利用するようになる。
【0005】
図1は、1m解像度DEMと100m解像度DEMを利用して電算流動シミュレーションした結果であって、地表面から高さ10mにおける風速を比較したものである。
【0006】
図1からみると、100m解像度DEMを利用したシミュレーション結果は、地形平均化によって地形が緩やかになり、風速が、1m解像度DEMを利用したシミュレーション結果より高く表れることを確認することができる。これは、中立大気状態と仮定する場合、地表面付近における鉛直風速分布は地表面抗力、流体の密度に依存するため、当然の結果だと言えるが、ここで特に注目すべき点は、地形高度の平均化により下流地域では、シミュレーション誤差が累積的に大きく増加する現象を確認することができるという点である。特に、風力団地の位置選定のための大気流動場数値模擬時、シミュレーション範囲が数十kmに至る可能性があるという点で、低解像度地形資料を利用したシミュレーション結果は、大きいエラーを内包する危険がある。
【0007】
このように、前記低解像度の地形資料を使用すると、高解像度地形資料で表現される繊細な地形変化が無視され、地形が平坦化される効果が現れて、これは、特に地表面付近の大気流動場シミュレーションにエラーとして介入する問題点があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記大気流動場シミュレーションに発生するエラーを最小化するためのものである。高解像度地形資料と、前記高解像度地形資料から得られる低解像度地形資料間の高度差による影響を、低解像度地形資料を利用した大気流動場シミュレーションに反映することにより、低解像度地形資料から得られる大気流動場シミュレーションにおいて、高解像度地形資料を使用した大気流動場シミュレーションとの誤差を減らすことができるようにした。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、数値模擬技法を活用して、特定高解像度地形高度モデル(DEM:Digital Elevation Model)地形図から、高度が平均化された特定低解像度地形高度モデル地形図の一定区間に対する風速をシミュレーションする、地形解像度差を考慮した大気流動場シミュレーション方法であって、前記高解像度地形高度モデルと前記低解像度地形高度モデル間の前記一定区間に対する高度平均平方根誤差を獲得するステップと、前記一定区間に対する高度平均平方根誤差を利用し、前記一定区間に対する地形解像度変数を得るステップと、前記一定区間に対する地形解像度変数を前記一定区間に対する地面条件に付加し、前記低解像度地形高度モデルの前記一定区間に対する風速を求めるステップとを含む。
【0010】
ここで、前記高度平均平方根誤差は、特定高解像度地形高度モデルと前記特定低解像度地形高度モデルでそれぞれ表示された地形図において、高度の差を二乗して求めた平均値の平方根である。
【0011】
特に、前記地形解像度変数を得るステップは、前記特定高解像度と前記特定低解像度における地形高度モデル間の高度平均平方根誤差値が互いに異なる2以上の仮想地形を生成するステップと、前記仮想地形別に地形粗度を獲得するステップと、前記仮想地形の高度平均平方根誤差と地形粗度値の関係から、高度平均平方根誤差−地形粗度線形関係式を導出する地形粗度定形化ステップと、前記高度平均平方根誤差−地形粗度線形関係式に前記一定区間に対する高度平均平方根誤差を代入し、前記一定区間に対する地形粗度を獲得するステップとを含み、前記一定区間に対する地形粗度を前記一定区間に対する地形解像度変数として利用することを特徴とする。
【0012】
一方、前記風速を求めるステップは、獲得された前記一定区間に対する地形粗度と地面粗度とを比較するステップを含み、前記地形粗度が地面粗度より大きい場合、地形粗度を地面条件に付加することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明による大気流動場シミュレーションを通じて、地形資料の解像度差を地形粗度に導入することにより、大気流動場数値模擬に地形資料の解像度差を考慮することができるようになる。
【0014】
これにより、低解像度地形資料に対する大気流動場数値模擬時に発生するシミュレーション誤差が減少するようになり、特に、広範囲な地域に対する風力団地設計時、大きな誤りを誘発する危険性が減少する長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】1m解像度DEMと100m解像度DEMを利用した電算流動シミュレーショングラフである。
【図2】本発明による地形解像度差を考慮した大気流動場シミュレーション方法の順序図である。
【図3】累積高度絶対誤差と風速絶対誤差の関係グラフである。
【図4】鉛直風速分布式の外挿グラフである。
【図5】仮想地形に対する仮想高度平均平方根誤差(H_RMSE)と仮想地形粗度の関係である。
【図6】本発明による実施例の大気流動シミュレーション結果グラフである。
【図7】本発明による、また他の実施例における、3次元大気流動シミュレーション結果グラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、上述のような特徴を有する本発明による地形解像度差を図2の順序図を参考して考慮した大気流動場シミュレーション方法を詳細に説明する。
【0017】
本発明において、高度平均平方根誤差(Height Root Mean Square Error:H_RMSE)は、相異なる地形高度モデルで表示された地形間の高度の差を二乗して求めた平均値の平方根である。例えば、特定高解像度地形高度モデルで表示された地形の高度(H)と前記特定高解像度地形高度モデルから獲得された特定低解像度地形高度モデルで表示された地形の高度(H)との差の平均値は、特定低解像度地形高度モデルの高度平均平方根誤差(H_RMSE)として、下記式1のようになる。
【数1】

【0018】
本発明において風速絶対誤差(Wind Speed Absolute Error:U_AE)とは、相異なる地形高度モデルで表示された地形からシミュレーションされた風速分布において、風速の差の絶対値である。特定高解像度地形高度モデルで表示された地形からシミュレーションされた風速(U)分布と、前記特定高解像度地形高度モデルから獲得された特定低解像度地形高度モデルで表示された地形からシミュレーションされた風速(U)分布との風速絶対誤差(U_AE)は、下記式2のようになる。
【数2】

【0019】
本発明は、数値模擬技法を活用して、特定高解像度地形高度モデル(DEM:Digital Elevation Model)地形図から、高度が平均化された特定低解像度地形高度モデル地形図の一定区間に対する風速をシミュレーションする地形解像度差を考慮した大気流動場シミュレーション方法に関する。
【0020】
大気流動場の数値模擬時は、入力される地形資料による電算負荷を減らすために、特定高解像度地形高度モデル地形図の資料を、格子間隔で平均値を求めて再構成することにより、高度が平均化される特定低解像度地形高度モデル地形図を再構成し、これを使用して風速をシミュレーションする。
【0021】
この場合、特定高解像度地形高度モデル地形図に比べ比較的緩やかな地形変化を示すようになり、これにより、再構成された特定低解像度地形高度モデルを利用したシミュレーション時は、特定高解像度地形高度モデルを利用したシミュレーション時より風速が増加する誤りが発生する。
【0022】
一方、特定高解像度地形高度モデルと前記特定高解像度地形高度モデルから得られた特定低解像度地形高度モデルとの累積高度絶対誤差と、前記特定高解像度地形高度モデルと特定低解像度地形高度モデルを利用したシミュレーション結果風速絶対誤差との関係をグラフで示すと図3のようになる。ここで累積高度絶対誤差は、前記累積高度絶対誤差と風速絶対誤差が図3において漸近的線形関係があるとして表れるため、特定地形解像度地形高度モデルの高度誤差を利用して風速誤差を減らすような主要変数として活用することができるようになる。
【0023】
このために本発明は、図2の順序図に示されたように、前記高解像度地形高度モデルと前記低解像度地形高度モデル間の前記一定区間に対する高度平均平方根誤差を獲得するステップと、前記一定区間に対する高度平均平方根誤差を利用し、前記一定区間に対する地形解像度変数を得るステップと、前記一定区間に対する地形解像度変数を前記一定区間に対する地面条件に付加し、前記低解像度地形高度モデルの前記一定区間に対する風速を求めるステップとを含む地形解像度差を考慮した大気流動場シミュレーション方法を提案することにより、地形解像度差によるエラーを減らそうとしたものである。
【0024】
前記一定区間に対する高度平均平方根誤差は、上述の式1から得られる。
【0025】
前記一定区間に対する高度平均平方根誤差(H_RMSE)から前記一定区間に対する地形解像度変数を得る過程は、具体的に以下のステップからなる。
前記特定高解像度と前記特定低解像度における地形高度モデル間の高度平均平方根誤差値が互いに異なる2以上の仮想地形を生成するステップ;
前記仮想地形別に地形粗度を獲得するステップ;
前記仮想地形の高度平均平方根誤差と地形粗度値の関係から、高度平均平方根誤差−地形粗度線形関係式を導出する地形粗度定形化ステップ;
前記高度平均平方根誤差−地形粗度線形関係式に前記一定区間に対する高度平均平方根誤差を代入し、前記一定区間に対する地形粗度を獲得するステップ;
前記地形粗度と地面粗度とを比較し、地形粗度が地面粗度より大きい場合、地形粗度を選択して付加するステップ。
【0026】
まず、2以上の仮想地形を生成する。この際、前記仮想地形は、前記大気流動場シミュレーションで利用する特定高解像度と特定低解像度における地形高度モデル間の高度平均平方根誤差がそれぞれ相異なっている。
【0027】
仮想地形の数は、後で高度平均平方根誤差(H_RMSE)と地形解像度変数間の線形関係式を求めるためのものであるため、多数であることが有利であるが、2以上であれば十分である。
【0028】
高度平均平方根誤差がそれぞれ異なる2以上の仮想地形が生成されてから、前記仮想地形に対してそれぞれ地形粗度を求める。仮想地形に対する地形粗度は、鉛直風速分布式から得られる。
【0029】
具体的に仮想地形の1特定地点を定めて、前記特定地点に式3のような鉛直風速分布式により前記特定地点に対する仮想地形粗度を求めることができる。
【数3】

風速(u)と高度(z)に関する式3の鉛直風速分布式において、uは、摩擦速度、kは、フォンカルマン常数、zは、地面粗度である。
【0030】
式3を変数ln(z)とuに関する一次式で簡単に示すと、式4のようになる。
【数4】

ここで、u=0になる高度まで最もよく合わせた直線を図4のように外挿することにより、仮想地形の1特定地点に対する地面粗度(z)を求めることができる。同一な方法により、地形粗度(h)を地面粗度(z)に代入することにより、地形粗度を求めることができる。
【0031】
仮想地形の任意の特定地点毎に、鉛直風速分布に局所的に差が生じ得るという点に鑑みて、仮想地形において2以上の特定地点に対してそれぞれ前記特定地点の仮想地形粗度を求めて、これらの平均値から仮想地形の地形粗度を得ることが好ましい。
【0032】
前記それぞれの仮想地形に対する地形粗度と前記それぞれの仮想地形に対する高度平均平方根誤差(H_RMSE)との関係をグラフで示すと、図5のような線形関係式(高度平均平方根誤差−地形粗度線形関係式)を導出することにより地形粗度を定形化することができる。
【0033】
再び前記特定低解像度地形高度モデルの一定区間における風速のシミュレーションに戻って、前記一定区間に対して求めておいた高度平均平方根誤差値を前記高度平均平方根誤差−地形粗度線形関係式に代入することにより、前記一定区間に対する地形粗度値を導出することができる。
【0034】
この前記一定区間に対する地形粗度は、地形解像度差から生じた値であって、前記一定区間に対する地形解像度変数も使用することができる。前記一定区間に対する地形粗度値を前記一定区間に対する地面条件に付加することにより、シミュレーションされる風速が補正される。
【0035】
別途に前記特定低解像度地形高度モデルの一定区間の地形粗度値を地面条件に付加する前後の風速シミュレーション結果を、それぞれ前記特定高解像度地形高度モデルを利用した風速シミュレーション結果と比較することにより、補正の効果を確認することができる。
【0036】
一方、前記風速を求めるステップは、獲得された前記一定区間に対する地形粗度と地面粗度を比較するステップを含み、前記地形粗度が地面粗度より大きい場合、地形粗度を地面条件に付加することが好ましい。
【0037】
即ち、地形解像度差を補正するための地形解像度変数値として、地形粗度が地面粗度より小さい値であれば、却って地面粗度をそのまま地面条件に適用することがシミュレーションに好ましく、地形粗度が地面粗度より大きい値であれば、本発明により提案された地形粗度を地面条件に付加することにより、地面粗度以上に影響を及ぼす地形解像度差を、平準化された低解像度地形高度モデルにも反映することができるのである。
【0038】
前記特定低解像度地形高度モデルの一定区間の風速シミュレーションにおいて、前記区間全体に対して一つの地形解像度変数を適用する例を説明したが、前記一定区間をさらに小さい単位の微細区間に分割して、各微細区間に対する高度平均平方根誤差から各微細区間の地形解像度変数をそれぞれ求めて適用する場合、さらに精密な補正結果を得ることができる。
【0039】
以下、本発明による大気流動場シミュレーション方法による数値模擬を、2次元地形シミュレーションの実施例を通じて詳細に説明する。
【実施例】
【0040】
特定高解像度地形高度モデルとして国土地理情報院の1m解像度DEMを使用して、韓国の済州島の海岸地形の大気流動場をシミュレーションする。前記1m解像度DEM1kmから、100m格子大きさで平均化された100m解像度DEM特定低解像度地形高度モデル2kmを再構成した。前記再構成された100m解像度DEM地形高度モデルを200m単位で分割して、10個の各微細区間の高度平均平方根誤差を求めておく。
【0041】
以下、地形粗度を定形化するために、1m解像度と100m解像度間の高度平均平方根誤差(H_RMSE)が0.276m、0.568m、0.831m、1.138mである四つの仮想地形1kmをそれぞれ生成した。
【0042】
高度平均平方根誤差(H_RMSE)が0.276mである仮想地形1kmにおいて、3地点(500m、600m、700m)における鉛直風速分布から各個別地点の地形粗度を求める。高度平均平方根誤差(H_RMSE)が0.568m、0.831m、1.138mである仮想地形に対しても、それぞれ上記と同一な方法によりそれぞれの地形粗度を求める。
【0043】
図5は、前記仮想地形に対する高度平均平方根誤差(H_MAE)と地形粗度値をグラフで示したもので、その関係が線形的であって、これから高度平均平方根誤差−地形粗度線形関係式を求めた。
【0044】
予め求めておいた前記100m解像度地形高度モデル2kmの10個区間に対するそれぞれの高度平均平方根誤差(H_RMSE)を前記線形関係式に代入した結果、下記表1のようなそれぞれの区間別地形粗度(h)値を得た。図3の線形関係式では、H_RMSEが約0.27以下である時、0より小さい地形粗度が存在するようになるが、地形粗度は、0より小さいことはありえないため、H_RMSEが0.27より小さい区間は、広かつな平地における粗度を示す0.001を付加してシミュレーションする。
【0045】
【表1】

【0046】
前記100m解像度地形高度モデル2kmの各10個区間別地形粗度値を地形解像度変数として地面条件に付加する補正過程を経てシミュレーションした大気流動シミュレーション結果は、図6に示した。
【0047】
図6には、補正過程無しに、前記1m解像度地形高度モデルと100m解像度地形高度モデルを利用した大気流動シミュレーション結果が一緒に示されており、補正がない場合、全体2kmに対する高さ10mにおける風速平均絶対誤差が0.96m/sであったが、本発明による補正を経た結果、風速平均絶対誤差が0.14m/sに減っていることが分かる。
【0048】
一方、本発明による地形解像度を考慮した大気流動場シミュレーション方法は、上記の2次元地形シミュレーションの実施例だけではなく、以下の3次元地形シミュレーションにも適用できる。
【0049】
図7は、本発明による大気流動場シミュレーション方法によって、特定高解像度地形高度モデルとしての国土地理情報院の1m解像度DEMから、10m格子大きさに平均化された10m解像度DEM特定低解像度地形高度モデル100mmを再構成した後、3次元電算流動シミュレーションを行った実施例である。図7のように、3次元地形シミュレーションにおいても同様に適用可能であり、結果として風速平均絶対誤差が非常に減っていることが分かる。
【0050】
本発明は、上記の実施例に限定されることなく、適用範囲が多様であることは自明であり、請求の範囲で請求する本発明の要旨を逸脱することなく多様な変形実施が可能であることは明らかである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
数値模擬技法を活用して、特定高解像度地形高度モデル(DEM:Digital Elevation Model)地形図から、高度が平均化された特定低解像度地形高度モデル地形図の一定区間に対する風速をシミュレーションする大気流動場シミュレーション方法であって、
前記高解像度地形高度モデルと前記低解像度地形高度モデル間の前記一定区間に対する高度平均平方根誤差を獲得するステップと、
前記一定区間に対する高度平均平方根誤差を利用し、前記一定区間に対する地形解像度変数を得るステップと、
前記一定区間に対する地形解像度変数を前記一定区間に対する地面条件に付加し、前記低解像度地形高度モデルの前記一定区間に対する風速を求めるステップと、
を含む地形解像度差を考慮した大気流動場シミュレーション方法。
【請求項2】
前記地形解像度変数を得るステップは、
前記特定高解像度と前記特定低解像度における地形高度モデル間の高度平均平方根誤差値が互いに異なる2以上の仮想地形を生成するステップと、
前記仮想地形別に地形粗度を獲得するステップと、
前記仮想地形の高度平均平方根誤差と地形粗度値の関係から、高度平均平方根誤差−地形粗度線形関係式を導出する地形粗度定形化ステップと、
前記高度平均平方根誤差−地形粗度線形関係式に前記一定区間に対する高度平均平方根誤差を代入し、前記一定区間に対する地形粗度を獲得するステップと、を含み、
前記一定区間に対する地形粗度を前記一定区間に対する地形解像度変数として利用することを特徴とする、請求項1に記載の地形解像度差を考慮した大気流動場シミュレーション方法。
【請求項3】
前記風速を求めるステップは、獲得された前記一定区間に対する地形粗度と地面粗度とを比較するステップを含み、
前記地形粗度が地面粗度より大きい場合、地形粗度を地面条件に付加することを特徴とする、請求項2に記載の地形解像度差を考慮した大気流動場シミュレーション方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−54144(P2011−54144A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−254969(P2009−254969)
【出願日】平成21年11月6日(2009.11.6)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 〔発行者名〕 韓国大気環境学会(The Korean Society for Atmospheric Environment) 〔刊行物名〕 韓国大気環境学会 学術大会論文集 〔巻数・号数〕 2009年5月号 〔発行年月日〕 平成21年5月8日 〔刊行物等〕 〔発行者名〕 韓国新再生エネルギー学会(The Korean Society for New and Renewable Energy) 〔刊行物名〕 韓国新再生エネルギー学会 2009春季会議要約集 〔発行年月日〕 平成21年6月25日
【出願人】(507286840)コリア インスティテュート オブ エナジー リサーチ (3)