説明

地点関連情報提供装置、地点関連情報提供方法およびプログラム

【課題】 簡易なインターフェースにより、POIの情報をウェブ上からキーワード検索して提供するPOI情報提供装置を提供する。
【解決手段】
POI情報提供装置1は、POIの情報を検索エンジン40を用いて検索して提供する装置であって、地図表示部10と、検索対象のPOIの選択を受け付けるPOI選択部12と、検索対象のPOIの名称と位置座標を地図DB14から読み出すPOIデータ取得部16と、地域データサーバ50にアクセスしてPOIの位置座標に対応する住所データを取得する地域データ取得部18と、取得した住所データから地域特定キーワードを決定する地域特定キーワード決定部22と、POIの名称と地域特定キーワードとを検索エンジンに送信する検索キーワード送信部24と、検索エンジンから送信される検索結果を受信する検索結果受信部26と、検索結果を表示する検索結果表示部28とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地点に関連する情報をウェブ上からキーワード検索し、提供するシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、POIを表示した地図を表示する様々なシステムが普及している。さらに進んだシステムでは、地図上に表示されたPOIをクリックすることにより、そのPOIの詳細情報を表示することができる。このようなシステムにおいては、あらかじめPOIの詳細情報を記憶しておき、クリックされたPOIに対応する詳細情報を読み出して表示する仕組みとなっている。従って、情報を提供できるPOIは、あらかじめ詳細情報を記憶したPOIに限定されていた。
【0003】
特許文献1は、ウェブ上にある情報源からPOIの一つである施設の情報を検索できる情報提供装置を開示している。特許文献1に記載の情報提供装置では、入力された検索キーを情報源に合った検索キーに変換し、ウェブ上のデータベースを検索する。
【特許文献1】特開2002−82982号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1において、情報源に合った検索キーとは、地区を特定する緯度、経度の表現を情報源での表現に合わせた検索キーのことを述べており、ウェブ上の情報源とは、施設の情報を位置情報によって整理した特定のデータベースのことを指している。特許文献1では、情報源をウェブ上にまで拡張しているが、その検索範囲は、依然として特定のデータベースに限定されている。従って、例えば、個人が作成しているようなブログから口コミ情報を検索するというようなことはできなかった。
【0005】
他方で、ウェブ上のあらゆるサイトからキーワードによって情報を検索できる検索エンジンが知られている。この検索エンジンを利用すれば、POIの情報を検索することが可能である。
【0006】
しかしながら、地図上に表示されたPOIの情報を検索するための適切なキーワードを選定することは容易ではない。例えば、単にPOIの名称をキーワードとして用いると、膨大な量の関係のない情報まで検索されてしまい、検索結果の中から所望の情報を見つけ出すことは困難である。また、検索エンジンにアクセスし、選定したキーワードを入力するという作業も煩雑である。
【0007】
そこで、本発明は上記背景に鑑み、簡易なインターフェースにより、地点に関連する情報をウェブ上からキーワード検索して提供する地点関連情報提供装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の地点関連情報提供装置は、地図上に表示された地点に関連する情報である地点関連情報を検索エンジンを用いて検索して提供する地点関連情報提供装置であって、地図を表示する地図表示部と、前記地図表示部にて表示された地図の中から、地点関連情報の検索対象の地点の選択を受け付ける地点選択部と、地点の名称および位置座標を記憶した地点データベースから、前記検索対象の地点の名称と位置座標を読み出す地点データ取得部と、位置座標により示される地域に関する地域データを前記位置座標に関連付けて記憶した地域データベースから、前記検索対象の地点の位置座標に関連付けられた地域データを読み出す地域データ取得部と、前記地域データ取得部にて取得した地域データに基づいて、その地域を特定するための地域特定キーワードを決定する地域特定キーワード決定部と、前記地点の名称と前記地域特定キーワードとを前記検索エンジンに送信する検索キーワード送信部と、前記検索エンジンから送信される検索結果を受信する検索結果受信部と、前記検索結果を地点関連情報として表示する検索結果表示部とを備える。前記地域データ取得部は、前記位置座標に対応する住所、若しくは、前記位置座標の近辺にある駅またはバス停またはインターチェンジまたは大通りの名称を取得してもよい。
【0009】
このように地図上で選択された地点の位置座標から地域特定キーワードを決定し、地域特定キーワードを地点の名称と共に検索エンジンに送信することにより、精度の高い検索を行うことができる。また、地域特定キーワードは自動的に決定され、検索エンジンに送信されるので、ユーザは、地点関連情報を検索するためのキーワードを選定したり、入力したりする手間がなく、便利である。
【0010】
本発明の地点関連情報提供装置において、前記地域特定キーワード決定部は、前記検索対象の地点の属性に基づいて、前記地域データから前記地域特定キーワードを決定してもよい。
【0011】
このように検索対象となる地点の属性に基づいて地域特定キーワードを決定することにより、精度の高い検索を行うことができる。例えば、地点の属性が遊園地の場合には、車や電車を利用することが多く、ブログ等の情報源に駅名、大通り名、インターチェンジ名等が現れると考えられる。この場合には、地域特定キーワードとして、駅名、大通り名、インターチェンジ名等を用いる。別の例として、地点の属性が喫茶店の場合には、車を利用する場合より、電車やバスを利用することが多く、情報源に駅名やバス停名等が現れると考えられる。このような場合には、地域特定キーワードとして、駅名、バス停名等を用いる。ここでは、説明の便宜上、仮想的な例を挙げて説明しているが、実際に、地点の属性に対してどの地域特定キーワードを用いるのがよいかは、検索結果に対する評価等に応じて調整することができる。
【0012】
本発明の別の態様に係る地点情報提供装置は、地図上に表示された地点に関連する情報である地点関連情報を検索エンジンを用いて検索して提供する地点関連情報提供装置であって、地図を表示する地図表示部と、前記地図表示部にて表示された地図の中から、地点関連情報の検索対象の地点の選択を受け付ける地点選択部と、地点の名称および位置座標を記憶した地点データベースから、前記検索対象の地点の名称と位置座標を読み出す地点データ取得部と、位置座標により示される地域を特定する地域特定キーワードを前記位置座標に関連付けて記憶した地域特定キーワードデータベースから、前記検索対象の地点の位置座標に関連付けられた地域特定キーワードを読み出す地域特定キーワード取得部と、前記地点の名称と前記地域特定キーワードとを前記検索エンジンに送信する検索キーワード送信部と、前記検索エンジンから送信される検索結果を受信する検索結果受信部と、前記検索結果を地点関連情報として表示する検索結果表示部とを備える。
【0013】
このように地図上で選択された地点の位置座標から地域特定キーワードを読み出し、地域特定キーワードを地点の名称と共に検索エンジンに送信することにより、精度の高い検索を行うことができる。地点の位置座標に地域特定キーワードを関連付けて記憶しているので、それぞれの地点の周辺情報に対応した地域特定キーワードを用いることができる。
【0014】
本発明の地点関連情報提供方法は、地図上に表示された地点に関連する情報である地点関連情報を検索エンジンを用いて検索して提供する方法であって、地図を表示するステップと、表示された地図の中から、地点関連情報の検索対象の地点の選択を受け付けるステップと、地点の名称および位置座標を記憶した地点データベースから、前記検索対象の地点の名称と位置座標を読み出すステップと、位置座標により示される地域に関する地域データを前記位置座標に関連付けて記憶した地域データベースから、前記検索対象の地点の位置座標に関連付けられた地域データを読み出すステップと、前記地域データに基づいて、その地域を特定するための地域特定キーワードを決定するステップと、前記地点の名称と前記地域特定キーワードとを前記検索エンジンに送信するステップと、前記検索エンジンから送信される検索結果を受信するステップと、前記検索結果を地点関連情報として表示するステップとを備える。
【0015】
本発明のプログラムは、地図上に表示された地点に関連する情報である地点関連情報を検索エンジンを用いて検索して提供するプログラムであって、コンピュータに、地図を表示するステップと、表示された地点の中から検索対象の地点の選択を受け付けるステップと、地点の名称および位置座標を記憶した地点データベースから、前記検索対象の地点の名称と位置座標を読み出すステップと、位置座標により示される地域に関する地域データを前記位置座標に関連付けて記憶した地域データベースから、前記検索対象の地点の位置座標に関連付けられた地域データを読み出すステップと、前記地域データに基づいて、その地域を特定するための地域特定キーワードを決定するステップと、前記地点の名称と前記地域特定キーワードとを前記検索エンジンに送信するステップと、前記検索エンジンから送信される検索結果を受信するステップと、前記検索結果を地点関連情報として表示するステップとを実行させる。
【0016】
これらの構成により、上記した地点関連情報提供装置と同様に、地域特定キーワードを用いて精度の高い検索を行うことができる。また、上記した地点関連情報提供装置の各種の構成を本発明の地点関連情報提供方法およびプログラムに適用することも可能である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、地図上で選択された地点の位置座標から地域特定キーワードを決定し、地域特定キーワードを地点の名称と共に検索エンジンに送信することにより、精度の高い検索を行うことができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態の地点関連情報提供装置について図面を参照して説明する。下記の説明においては、地点関連情報としてPOIの情報を提供する装置を例として説明するが、本発明の地点関連情報提供装置は、例えば、施設や店舗等の情報に限定されず、地点に関連するあらゆる情報を提供することができる。
【0019】
(第1の実施の形態)
図1は、第1の実施の形態のPOI情報提供装置1の構成を示す図である。POI情報提供装置1は、インターネット60を介して、検索エンジン40および地域データサーバ50と接続されている。検索エンジン40は、ウェブ上で提供されている例えばGoogle(登録商標)、yahoo(登録商標)等の一般的な検索エンジンを利用することができる。POI情報提供装置1は、検索エンジン40に対してPOIについてのキーワードを送信し、その検索結果を表示する。地域データサーバ50は、後述するように、所定の位置座標により示される地域に関するデータ(地域データ)を提供するサーバである。
【0020】
POI情報提供装置1は、例えば、インターネット60に接続されたコンピュータによって構成される。以下で説明する機能を実現するプログラムをコンピュータにインストールすることにより、POI情報提供装置1を実現することができる。POI情報提供装置1を実現するプログラムも本発明の範囲に含まれる。以下に、POI情報提供装置1の構成について詳しく説明する。
【0021】
POI情報提供装置1は、POIを含む地図を表示する地図表示部10と、表示された地図へのポインティングによりPOIの選択を受け付けるPOI選択部12と、選択されたPOIについての情報を表示する検索結果表示部28とを有している。ここで、POI選択部12は、本発明の「地点選択部」に相当する。
【0022】
地図表示部10は、地図データベース(以下、「地図DB」という)14に記憶された地図データを読み出し、地図を表示する。地図DB14には、POIの名称および位置座標のデータも記憶されている。地図DB14は、地点データベースの役割も果たしている。
【0023】
図2は、地図DB14に記憶されたPOIのデータの例を示す図である。POIを識別するIDにPOI名と位置座標とが関連付けて記憶されている。地図表示部10は、表示範囲に含まれるPOIの名称を読み出し、地図上にPOIの名称を表示する。なお、地図表示部10は、POIの名称に代えて、POIの略称を表示したり、POIを示す記号を表示してもよい。
【0024】
POI情報提供装置1は、POI選択部12にて選択されたPOIデータ(POIの名称、POIの位置座標)を地図DB14から読み出すPOIデータ取得部16と、POIの位置座標から地域データを取得する地域データ取得部18を有している。POIデータ取得部16は、本発明の「地点データ取得部」に相当する。地域データ取得部18は、POIの位置座標のデータを通信部20を介して地域データサーバ50に送信し、地域データサーバ50から送信される地域データを取得する。
【0025】
図3は、地域データサーバ50が有する地域データベース(以下、「地域DB」という)52に記憶されたデータの例を示す図である。地域DB52には、位置座標と住所データとが関連付けて記憶されている。本実施の形態では、地域データとして住所データを用いている。地域データサーバ50は、位置座標のデータを受信すると、地域DB52に記憶されたデータを用いて位置座標を住所に変換する。地域データサーバ50は、変換後の住所データを、位置座標データの送信元の装置に送信する。
【0026】
POI情報提供装置1は、地域データ取得部18にて取得した住所データに基づいて検索キーワードを決定する地域特定キーワード決定部22と、決定された検索キーワードを検索エンジン40に送信する検索キーワード送信部24と、検索エンジン40から送信される検索結果を受信する検索結果受信部26とを有している。
【0027】
地域特定キーワード決定部22は、地域データ取得部18にて取得した住所データから、住所表記の一部を切り出して、地域特定キーワードとして決定する。例えば、住所が「東京都千代田区霞が関○丁目○番地○号」の場合、「霞が関」の部分を切り出して検索キーワードとしてもよい。検索キーワード送信部24は、POIデータ取得部16にて取得したPOIの名称と地域特定キーワード決定部22にて決定された地域特定キーワードを通信部20を通じて検索エンジン40に送信する。検索エンジン40は、POIの名称と地域特定キーワードの両方を含むサイトを検索し、その一覧を検索結果として返す。
【0028】
図4は、第1の実施の形態のPOI情報提供装置1の動作を示すフローチャートである。POI情報提供装置1は、地図DB14から地図データを読み出し、地図を表示する(S10)。POI情報提供装置1は、地図へのポインティングを検知すると、ポインティングされた位置にあるPOIの選択を受け付ける(S12)。POI情報提供装置1は、地図DB14から選択されたPOIデータを読み出し(S14)、読み出したPOIの名称をキーワードとして、POIの情報を検索する(S16)。POI情報提供装置1は、検索された情報の数が所定の閾値より多いか否かを判定する(S18)。この結果、検索された情報の数が所定の閾値より多いと判定されなかった場合には(S18でNO)、検索結果を表示する(S26)。
【0029】
検索された情報の数が所定の閾値より多いと判定された場合には(S18でYES)、POI情報提供装置1は、POIの位置座標に対応する住所データを取得する(S20)。具体的には、地域データ取得部18が、POIの位置座標データを地域データサーバ50に送信し、地域データサーバ50から送信される住所データを受信する。POI情報提供装置1は、取得した住所から、地域特定キーワードを決定する(S22)。
【0030】
続いて、POI情報提供装置1は、POIの名称と地域特定キーワードを検索エンジン40に送信し、POIの情報を検索する(S24)。POI情報提供装置1は、検索エンジン40から送信される検索結果を受信し、受信した検索結果を表示する(S26)。以上、第1の実施の形態のPOI情報提供装置1の構成および動作について説明した。
【0031】
本実施の形態のPOI情報提供装置1は、検索エンジン40を利用した検索により、情報源を限定することなく、POIに関係のある情報をウェブ上から取得するので、例えば、個人のブログ等に書き込まれた情報等を検索し、提供することができる。
【0032】
本実施の形態のPOI情報提供装置1は、POIの位置座標からPOIの住所データを取得し、住所データに基づいて地域特定キーワードを決定する。この地域特定キーワードをPOIの名称と共に検索のキーワードとして用いることにより、精度の高い検索を行うことができる。
【0033】
本実施の形態のPOI情報提供装置1は、表示された地図の中から検索対象となるPOIを選択するだけで、そのPOIの情報の検索結果が得られるので、キーワードを選定したり、入力する手間がなく、便利である。
【0034】
本実施の形態のPOI情報提供装置1は、最初にPOIの名称をキーワードとする検索を行い(S16)、その結果、閾値より多数の検索結果が得られた場合に(S18でYES)、地域特定キーワードを用いた検索を行うので、POIの名称により検索結果が十分に絞り込まれた場合には、その検索結果を表示することができる。
【0035】
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態のPOI情報提供装置2の構成を示す図である。第2の実施の形態のPOI情報提供装置2の基本的な構成は第1の実施の形態と同じであるが、地域データ取得部18aが住所以外の地域データを取得する点、地域特定キーワード決定部22aがPOIの属性によって地域特定キーワードを決定する点が異なる。以下では、第1の実施の形態のPOI情報提供装置1の構成と異なる点を中心に説明する。
【0036】
図6は、地域DB54に記憶された地域データの例を示す図である。地域DB54には、地図上のどの地点がどの地域データに関連付けられるかを示すデータが記憶されている。地域データに関連付けられる範囲は、その地域データの種類に応じて異なっている。図6に示す例では、例えば、駅の場合には半径2km以内、バス停の場合には半径1km以内、大通りの場合には大通りから2km以内の範囲にある場合に、地域データと関連付けられる。例えば、地点Aは駅とバス停の地域データに関連付けられ、地点Bは大通りの地域データに関連付けられる。
【0037】
地域特定キーワード決定部22aは、地域データ取得部18aにて取得した地域データの中から、検索キーワードとして用いる地域特定キーワードを決定する。地域特定キーワード決定部22には、キーワード種類テーブル30が接続されている。
【0038】
図7は、キーワード種類テーブル30に記憶されたデータの例を示す図である。キーワード種類テーブル30には、POIの属性とキーワードの種類とが対応付けて記憶されている。図7に示す例では、例えば、POIの種類がアウトレットモールの場合には、大通り、またはインターチェンジの名称を地域特定キーワードとして決定することが分かる。従って、例えば、検索対象として選択されたPOIの属性がアウトレットモールであり、そのPOIの地域データとして、駅、バス停、大通りの名称を取得した場合には、地域特定キーワード決定部22は、大通りの名称をPOIの地域特定キーワードとして決定する。
【0039】
図8は、第2の実施の形態のPOI情報提供装置2の動作を示すフローチャートである。第2の実施の形態のPOI情報提供装置2の基本的な動作は第1の実施の形態のPOI情報提供装置1と同じである。第2の実施の形態においては、POI名での検索により検索結果の数が閾値より多い場合には(S18でYES)、POI情報提供装置2は、地域データ取得部18aにより地域データを取得する(S21)。続いて、POI情報提供装置1は、地域データに基づいて地域特定キーワードを決定し(S22)、決定した地域特定キーワードとPOIの名称とを用いてPOIの情報を検索し(S24)、検索結果を表示する(S26)。以上、第2の実施の形態のPOI情報提供装置2の構成および動作について説明した。
【0040】
第2の実施の形態のPOI情報提供装置2は、駅、バス停、大通り等の名称を地域データとして用い、その中からPOIの属性に応じて地域特定キーワードを決定するので、POIと共に現れる可能性の高いキーワードを用いて精度良く情報を検索することができる。
【0041】
また、第2の実施の形態のPOI情報提供装置2は、個人のブログ等に書き込まれた情報等を提供することができる等の上記した第1の実施の形態のPOI情報提供装置1と同様の効果を有する。
【0042】
なお、本実施の形態においては、地域特定キーワード決定部22aは、POIの属性に応じて地域特定キーワードを決定しているが、取得した地域データのすべてを地域特定キーワードとして用いることも可能である。この場合、複数の地域特定キーワードをすべて含む情報を検索することも可能であるし、いずれかの地域特定キーワードを含む情報を検索することも可能である。
【0043】
(第3の実施の形態)
図9は、第3の実施の形態のPOI情報提供装置3の構成を示す図である。第3の実施の形態のPOI情報提供装置3の基本的な構成は、第1の実施の形態のPOI情報提供装置1と同じであるが、地域データ取得部18に代えて地域特定キーワード取得部32を有している点が異なる。また、POI情報提供装置3は、地域データサーバ50ではなく、地域特定キーワードサーバ56に接続されている。以下では、第1の実施の形態のPOI情報提供装置1の構成と異なる点を中心に説明する。
【0044】
図10は、地域特定キーワードサーバ56が有するキーワードデータベース(以下、「キーワードDB」という)58に記憶されたデータの例を示す図である。キーワードDB58には、位置座標のデータと地域特定キーワードとが対応付けて記憶されている。ここで、位置座標のデータは、特定の地点を示すデータではなく、特定の面積を持った地域を示すデータである。地域特定キーワードサーバ56は、POI情報提供装置3から位置座標のデータを受信すると、その位置座標に対応する地域特定キーワードをキーワードDB58から読み出し、読み出した地域特定キーワードをPOI情報提供装置3に送信する。
【0045】
地域特定キーワード取得部32は、POIデータ取得部16にて取得したPOIの位置座標を地域特定キーワードサーバ56に送信し、地域特定キーワードサーバ56から送信される地域特定キーワードを受信することにより、地域特定キーワードを取得する。
【0046】
図11は、第3の実施の形態のPOI情報提供装置3の動作を示すフローチャートである。第3の実施の形態のPOI情報提供装置3の基本的な動作は、第1の実施の形態のPOI情報提供装置1の動作と同じである。第3の実施の形態においては、POI名での検索により検索結果の数が閾値より多い場合には(S18でYES)、POI情報提供装置3は、地域特定キーワード取得部32により地域特定キーワードを取得する(S23)。続いて、POI情報提供装置3は、取得した地域特定キーワードとPOIの名称とを用いてPOIの情報を検索し(S24)、検索結果を表示する(S26)。以上、第3の実施の形態のPOI情報提供装置3の構成および動作について説明した。
【0047】
第3の実施の形態のPOI情報提供装置3は、キーワードDB58を有する地域特定キーワードサーバ56に対して、位置座標に対応する地域特定キーワードを問い合わせることにより、容易に地域特定キーワードを取得することができる。
【0048】
また、第3の実施の形態のPOI情報提供装置3は、個人のブログ等に書き込まれた情報等を提供することができる等の上記した第1の実施の形態のPOI情報提供装置1と同様の効果を有する。
【0049】
なお、第3の実施の形態において、キーワードDB58に記憶する地域特定キーワードは、キーワード検索の結果に応じて更新してもよい。所望の情報に迅速にアクセスできたか否かのフィードバックに基づいて、迅速にアクセスできなかったキーワードは、キーワードDB58から削除し、迅速にアクセスできたキーワードをキーワードDB58に残すようにする。なお、迅速にアクセスできたか否かの情報は、例えば、同じPOIについて再度検索を行ったか否かをPOI情報提供装置3にて監視し、その情報を地域特定キーワードサーバ56に送信することにより、取得することができる。
【0050】
以上、本発明のPOI情報提供装置について実施の形態を挙げて詳細に説明したが、本発明は上記した実施の形態に限定されるものではない。
【0051】
上記した第1の実施の形態においては、地域データサーバ50が地域DB52を有する例について説明したが、POI情報提供装置1が地域DB52を有することとしてもよい。同様に、第2の実施の形態において、POI情報提供装置2が地域DB54を有することとしてもよい。また、第3の実施の形態においては、地域特定キーワードサーバ56がキーワードDB58を有する例について説明したが、POI情報提供装置3がキーワードDB58を有することとしてもよい。
【0052】
上記した実施の形態では、POI情報提供装置1〜3が地図DB14を有する例について説明したが、地図DB14はインターネット60に接続されたサーバに持たせることとしてもよい。
【0053】
上記した第1の実施の形態において、住所表記のどの部分(市町村、市町村より一つ下の大字、小字など)を用いるかをPOIの属性に応じて決定してもよい。また、住所から切り出した大字や小字が全国各地に見られる名称であるか否かを判定し、全国各地に見られる名称の場合には、市町村名や県名を併せて地域特定キーワードとしてもよい。
【0054】
本発明は、ある程度の広さを有するエリアに関連する地点関連情報を提供することもできる。例えば、「○○中華街」等のように複数の店舗が集合して一つのエリアを形成している場合に、「○○中華街」という名称と、その地域を特定する地域特定キーワードを用いて、地点関連情報を検索し、提供してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
以上説明したように、本発明によれば、地域特定キーワードを用いることにより、精度の高い検索を行うことができるという効果を有し、例えば、地点に関連する情報をウェブ上からキーワード検索して提供するシステム等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】第1の実施の形態のPOI情報提供装置の構成を示す図である。
【図2】地図データベースに記憶されたPOIのデータの例を示す図である。
【図3】地域DBに記憶されたデータの例を示す図である。
【図4】第1の実施の形態のPOI情報提供装置の動作を示す図である。
【図5】第2の実施の形態のPOI情報提供装置の構成を示す図である。
【図6】地域DBに記憶されたデータの例を示す図である。
【図7】キーワード種類テーブルに記憶されたデータの例を示す図である。
【図8】第2の実施の形態のPOI情報提供装置の動作を示す図である。
【図9】第3の実施の形態のPOI情報提供装置の構成を示す図である。
【図10】キーワードDBに記憶されたデータの例を示す図である。
【図11】第3の実施の形態のPOI情報提供装置の動作を示す図である。
【符号の説明】
【0057】
1〜3 POI情報提供装置
10 地図表示部
12 POI選択部
14 地図DB
16 POIデータ取得部
18,18a 地域データ取得部
20 通信部
22,22a 地域特定キーワード決定部
24 検索キーワード送信部
26 検索結果受信部
28 検索結果表示部
30 キーワード種類テーブル
32 地域特定キーワード取得部
40 検索エンジン
50 地域データサーバ
52,54 地域DB
56 地域特定キーワードサーバ
58 キーワードDB
60 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図上に表示された地点に関連する情報である地点関連情報を検索エンジンを用いて検索して提供する地点関連情報提供装置であって、
地図を表示する地図表示部と、
前記地図表示部にて表示された地図の中から、地点関連情報の検索対象の地点の選択を受け付ける地点選択部と、
地点の名称および位置座標を記憶した地点データベースから、前記検索対象の地点の名称と位置座標を読み出す地点データ取得部と、
位置座標により示される地域に関する地域データを前記位置座標に関連付けて記憶した地域データベースから、前記検索対象の地点の位置座標に関連付けられた地域データを読み出す地域データ取得部と、
前記地域データ取得部にて取得した地域データに基づいて、その地域を特定するための地域特定キーワードを決定する地域特定キーワード決定部と、
前記地点の名称と前記地域特定キーワードとを前記検索エンジンに送信する検索キーワード送信部と、
前記検索エンジンから送信される検索結果を受信する検索結果受信部と、
前記検索結果を地点関連情報として表示する検索結果表示部と、
を備える地点関連情報提供装置。
【請求項2】
前記地域データ取得部は、前記位置座標に対応する住所、若しくは、前記位置座標の近辺にある駅またはバス停またはインターチェンジまたは大通りの名称を取得する請求項1に記載の地点関連情報提供装置。
【請求項3】
前記地域特定キーワード決定部は、前記検索対象の地点の属性に基づいて、前記地域データから前記地域特定キーワードを決定する請求項1または2に記載の地点関連情報提供装置。
【請求項4】
地図上に表示された地点に関連する情報である地点関連情報を検索エンジンを用いて検索して提供する地点関連情報提供装置であって、
地図を表示する地図表示部と、
前記地図表示部にて表示された地図の中から、地点関連情報の検索対象の地点の選択を受け付ける地点選択部と、
地点の名称および位置座標を記憶した地点データベースから、前記検索対象の地点の名称と位置座標を読み出す地点データ取得部と、
位置座標により示される地域を特定する地域特定キーワードを前記位置座標に関連付けて記憶した地域特定キーワードデータベースから、前記検索対象の地点の位置座標に関連付けられた地域特定キーワードを読み出す地域特定キーワード取得部と、
前記地点の名称と前記地域特定キーワードとを前記検索エンジンに送信する検索キーワード送信部と、
前記検索エンジンから送信される検索結果を受信する検索結果受信部と、
前記検索結果を地点関連情報として表示する検索結果表示部と、
を備える地点関連情報提供装置。
【請求項5】
地図上に表示された地点に関連する情報である地点関連情報を検索エンジンを用いて検索して提供する方法であって、
地図を表示するステップと、
表示された地図の中から、地点関連情報の検索対象の地点の選択を受け付けるステップと、
地点の名称および位置座標を記憶した地点データベースから、前記検索対象の地点の名称と位置座標を読み出すステップと、
位置座標により示される地域に関する地域データを前記位置座標に関連付けて記憶した地域データベースから、前記検索対象の地点の位置座標に関連付けられた地域データを読み出すステップと、
前記地域データに基づいて、その地域を特定するための地域特定キーワードを決定するステップと、
前記地点の名称と前記地域特定キーワードとを前記検索エンジンに送信するステップと、
前記検索エンジンから送信される検索結果を受信するステップと、
前記検索結果を地点関連情報として表示するステップと、
を備える地点関連情報提供方法。
【請求項6】
地図上に表示された地点に関連する情報である地点関連情報を検索エンジンを用いて検索して提供するプログラムであって、コンピュータに、
地図を表示するステップと、
表示された地点の中から検索対象の地点の選択を受け付けるステップと、
地点の名称および位置座標を記憶した地点データベースから、前記検索対象の地点の名称と位置座標を読み出すステップと、
位置座標により示される地域に関する地域データを前記位置座標に関連付けて記憶した地域データベースから、前記検索対象の地点の位置座標に関連付けられた地域データを読み出すステップと、
前記地域データに基づいて、その地域を特定するための地域特定キーワードを決定するステップと、
前記地点の名称と前記地域特定キーワードとを前記検索エンジンに送信するステップと、
前記検索エンジンから送信される検索結果を受信するステップと、
前記検索結果を地点関連情報として表示するステップと、
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−128883(P2010−128883A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−304181(P2008−304181)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(502324066)株式会社デンソーアイティーラボラトリ (332)
【Fターム(参考)】