説明

地盤改良体の品質管理方法、測定方法、及び測定用ロッド

【課題】地盤改良体の造成中にリアルタイムで地盤改良体の径に代表される形状を確認し、地盤改良体の品質を管理する。
【解決手段】地盤に貫入させた噴射ロッド12から硬化材液6を高圧噴射して造成する地盤改良体5の品質管理方法であって、地盤改良体5が造成される地盤に、予め、温度又はひずみの少なくとも一方を測定する光ファイバー測定器21,22,23を設置しておく。そして、地盤改良体5の造成中に、地盤改良体5が造成される地盤の温度又はひずみの少なくとも一方を光ファイバー測定器21,22,23により連続的に測定し、その測定結果の履歴を追跡することによりリアルタイムで地盤改良体5の径に代表される形状を確認する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高圧噴射攪拌工法で造成する地盤改良体の品質管理方法と、高圧噴射攪拌工法または薬液注入工法で造成する地盤改良体の形状の測定方法と、薬液注入工法で造成する地盤改良体の形状の測定方法に用いる測定用ロッドに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高圧噴射攪拌工法により造成した地盤改良体の、直径や半径に代表される改良形状は、改良体固化後に地表面の地盤を掘削してスケール等で直接測定する方法や、改良体固化後にチェックボーリングを行う方法等によって確認していた。
【0003】
しかし、スケールで直接測定する方法は、地盤改良体を地中深くに造成した場合には行うことができない。またチェックボーリングを行う方法は、改良体と地盤との境界部にボーリング孔を設けた場合、改良体と地盤は強度差があるためボーリング孔が孔曲がりを起こし適切な改良径を調査することができない。
【0004】
このような問題に対し、例えば特許文献1には、地中に造成した円柱状の地盤改良体の直径を測定する方法であって、地盤改良体の中心点から所定距離離れた地表面から、地盤改良体の中心点を貫通する向きに傾斜して穿孔し、その際の掘削抵抗の変化により地盤改良体の直径を精度良く確認する方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−213663号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法は、地盤改良体造成後に事後的に行うものであるため、固化後の改良体の強度や地盤の土質によっては、改良体を貫通する掘削孔を改良体の中心点を通過するように正確に穿孔するのは困難な場合がある。
【0007】
本発明の課題は、地盤改良体の造成中にリアルタイムで地盤改良体の径に代表される形状を確認し、地盤改良体の品質を管理することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、地盤に貫入させた噴射ロッドから硬化材液を高圧噴射して造成する地盤改良体の品質管理方法であって、前記地盤改良体が造成される地盤に、予め、温度又はひずみの少なくとも一方を測定する光ファイバー測定器を設置する設置工程と、前記地盤改良体の造成中に、前記地盤改良体が造成される地盤の温度又はひずみの少なくとも一方を前記光ファイバー測定器により連続的に測定し、その測定結果の履歴を追跡することによりリアルタイムで前記地盤改良体の径に代表される形状を確認する管理工程と、を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の地盤改良体の品質管理方法であって、前記管理工程の前に、前記光ファイバー測定器により、前記地盤改良体が造成される地盤の温度を測定する工程を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の地盤改良体の品質管理方法であって、前記管理工程において、前記地盤改良体の造成中に、前記地盤改良体が造成される地盤の温度及びひずみの両方を前記光ファイバー測定器により連続的に測定することを特徴とする。
【0011】
請求項4に記載の発明は、地盤に挿入した噴射ロッドから硬化材液を高圧噴射して造成する地盤改良体の径に代表される形状の測定方法であって、前記地盤改良体を造成する地盤に、温度又はひずみの少なくとも一方を測定する光ファイバー測定器を挿入し、前記地盤改良体の造成中に、前記地盤改良体が造成される地盤の温度又はひずみの少なくとも一方を前記光ファイバー測定器により連続的に測定することによって、前記地盤改良体の径に代表される形状を測定することを特徴とする。
【0012】
請求項5に記載の発明は、地盤に薬液を注入して造成する地盤改良体の径に代表される形状の測定方法であって、前記地盤改良体を造成する地盤に、温度を測定する光ファイバー測定器を挿入し、前記地盤改良体の造成中に、前記地盤改良体が造成される地盤の温度を前記光ファイバー測定器により連続的に測定することによって、前記地盤改良体の径に代表される形状を測定することを特徴とする。
【0013】
請求項6に記載の発明は、地盤に挿入されて地中の温度を計測する測定用ロッドであって、周囲の地盤の温度を測定する光ファイバー測定器を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、地盤改良体の造成中に、光ファイバー測定器で地盤の温度、ひずみを連続的に測定することで、地盤改良体の径に代表される形状をリアルタイムで確認することができ、地盤改良体が適切な径に代表される形状で造成されるように品質を管理することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本実施形態に係る地盤改良体の品質管理方法の施工状況を示す図である。
【図2】図1に示されたII-II線に沿った面の矢視断面図である。
【図3】本実施形態の効果を説明する説明図である。
【図4】薬液注入による地盤改良体の熱電対による温度計測の問題を指摘する図である。
【図5】薬液注入による地盤改良体の光ファイバー測定器による温度計測を示す図である。
【図6】図5の光ファイバー測定器の具体的構成を示す拡大図である。
【図7】実施形態2を示すもので、薬液注入による地盤改良体の造成中の光ファイバー測定器による温度計測を示す図である。
【図8】実施形態3を示すもので、測定用ロッドの先端部の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0017】
(実施形態1)
図1は、本実施形態に係る地盤改良体の品質管理方法の施工状況を示す図であり、図2は、図1に示したII-II線に沿った面の矢視断面図であって地盤改良体5の断面を示して
いる。
【0018】
本実施形態に係る地盤改良体の品質管理方法は、高圧噴射攪拌工法により地盤改良体を造成するにあたり、その地盤改良体の径に代表される形状をリアルタイムで確認する方法である。図1及び図2を参照して、本実施形態に係る品質管理方法を行うための各装置について説明する。
【0019】
地上には、地盤改良体の造成を行う造成装置1が設置されるとともに、地盤改良体の品質管理を行う管理装置2が設置されている。造成装置1は、本体部11と、該本体部11に支持された噴射ロッド12とを備えている。噴射ロッド12は鉛直方向に延在し、鉛直方向に移動可能かつその鉛直方向を軸として回転可能な状態で支持されている。噴射ロッド12の先端部の側面には噴射孔13が形成され、この噴射孔13から硬化材液6が噴射ロッド12の側方に向けて高圧噴射されるようになっている。硬化材液6はセメントミルク等の液状の硬化材である。高圧噴射された硬化材液6により地盤が切削され、切削された地盤と硬化材液6とが攪拌混合されることにより、円柱形状の地盤改良体5が造成される。なお、噴射孔13から高圧噴射される液体は硬化材液6に限られるものではなく、水等であってもよい。
【0020】
管理装置2は、光ファイバー測定器21〜23、データロガー24及びモニター25等を備える。光ファイバー測定器21〜23は、その基端部側がデータロガー24に接続され、先端部側が地中に設置されている。光ファイバー測定器21〜23は、表面の何れの点においても温度、ひずみ等を感知することができるものであり、地中の複数個所を同時に測定することができる。図2に示すように、光ファイバー測定器21〜23の先端部側は、地盤改良体5の径方向に沿って並んで配置されている。すなわち光ファイバー測定器22が地盤改良体5の外周縁に配置されており、光ファイバー測定器21がそれよりも内側、光ファイバー測定器22がそれよりも外側に配置されている。データロガー24は、光ファイバー測定器21〜23による測定結果を記録・保存するものであり、モニター25はその測定結果の履歴を画面上に表示するものである。
なお、光ファイバー測定器21〜23の先端部側の配置は、地盤改良体5の径方向に沿った並びでなくともよく、互いにずれて配置されていてもよい。また、光ファイバー測定器が設けられている数は3つに限られるものではなく、1又は2つであってもよいし、4つ以上あってもよい。
【0021】
続いて、本実施形態に係る地盤改良体の品質管理方法について説明する。
本実施形態においては、高圧噴射攪拌工法によって所定深度に円柱形状の地盤改良体5を造成する場合について説明する。また本実施形態の一例として、地盤改良体5が造成される地盤の温度を光ファイバー測定器21〜23により測定した場合について説明する。
【0022】
まず、地盤改良体5を造成しようとする地盤を掘削して、所定深度のボーリング孔を地盤改良体5の径方向に所定間隔で3つ設ける。ボーリング孔の掘削深度及び間隔は測定範囲・測定条件に応じて適宜決定されるものであり、例えば3つのボーリング孔の間隔は50cm程度である。このボーリング孔に光ファイバー測定器21〜23を挿入設置する。光ファイバー測定器21〜23の設置が完了したら地盤改良前の地盤の温度を測定する。そして、光ファイバー測定器21〜23による温度測定はそのまま継続し、以下に述べる地盤改良中も連続的に行う。
【0023】
続いて、地盤改良体5を造成しようとする地盤の地表面上に造成装置1を設置する。そして噴射ロッド12を所定の深度に達するまで下降させて、噴射ロッド12を地中に設置する。なお、噴射ロッド12は、その下端位置が標準的には10〜20m程度、最大では100m程度の深度に達するまで下降させることが可能である。
【0024】
次に、噴射ロッド12を回転させながら、所定位置に達するまで上方に所定長さずつ引き上げていき、同時に噴射孔13から硬化材液6を高圧噴射させる。高圧噴射された硬化材液6はその噴流エネルギーで噴射ロッド12の周囲の地盤を切削し、切削された地盤と硬化材液6とが攪拌混合される。これにより、噴射ロッド12を引き上げた位置までの間に地盤改良体5が造成される。このようにして造成される地盤改良体5の径は適宜変更可能であるが、例えば直径2〜8mである。
【0025】
ここで、上述の通り光ファイバー測定器21〜23による温度測定は、地盤改良体5の造成前から継続して行われ、地盤改良体5の造成中にも連続的に行われる。
光ファイバー測定器21〜23は、硬化材液6による噴流エネルギーが地盤を切削する際に発生する熱エネルギーを測定する。図2に示すように、光ファイバー測定器21,22は地盤改良体5の内側に配置されているため、光ファイバー測定器21,22は地盤改良体5(硬化材液6及び硬化材液6により切削された地盤)の温度を連続的に感知する。一方、光ファイバー測定器23は地盤改良体5の外側に配置されているため、光ファイバー測定器23は地盤改良体5(硬化材液6及び硬化材液6により切削された地盤)の周囲の地盤の温度を連続的に感知する。データロガー24は、光ファイバー測定器21〜23による測定結果を記録・保存する。モニター25は、データロガー24が記録した測定結果の履歴を画面上に表示する。また、モニター25が演算処理機能を備えている場合には、測定結果の履歴を表示すると同時に、光ファイバー測定器21〜23による測定結果に基づき地盤改良体5の径を推定し、これを画面上に表示するものとしてもよい。施工者は、モニター25に表示された測定結果の履歴を追跡することにより、地盤改良体5が適切な径で造成されているか否かを地盤改良体5の造成中にリアルタイムで確認することができる。これにより地盤改良体5の品質を適切に管理することができ、地盤改良体5が目的の径で造成されていない場合には施工者が早期に対応することができる。
なお、本実施形態において、光ファイバー測定器21〜23により測定する温度は、切削時に生じる熱エネルギーに限られるものではなく、硬化材液6の水和熱等をも測定可能である。
【0026】
本実施形態の作用効果について説明する。
本実施形態によれば、光ファイバー測定器21〜23が、硬化材液6が地盤を切削する際に生じる熱エネルギーを連続的に測定しその測定結果の履歴を追跡することにより、地盤改良体5が適切な径で造成されているかどうかをリアルタイムで確認することができる。地盤改良体5の径に代表される形状をリアルタイムで確認することができるので、地盤改良体5の品質を適切に管理することができる。
【0027】
また、本実施形態では温度測定手段として光ファイバー測定器を用いているため、次のような作用効果を奏する。図3を参照してその作用効果について説明する。
図3(a)は温度測定手段として熱電対3を用いた場合、図3(b)は温度測定手段として光ファイバー測定器4を用いた場合について示す図である。熱電対3は、一般的に二種のケーブル31,32が被覆材34に覆われて構成され、ケーブル31,32が接触した接触部33において温度を感知できるようになっている。これに対し、光ファイバー測定器4は表面の何れの点においても温度を感知することが可能であるため、光ファイバー測定器1本で複数の点における温度を測定することができる。
【0028】
また、図3(a)に示すように、地盤改良体5の造成中に熱電対3が切断されてしまった場合、上述の通り熱電対3は接触部33で温度を感知しているため、切断箇所が接触部33よりも基端部側であると、ケーブル31,32の接触箇所がなくなり温度を測定することができなくなる。一方、図3(b)に示すように、地盤改良体5の造成中に光ファイバー測定器4が切断されてしまったとしても、その切断箇所よりも基端部側においては継続して温度を測定することが可能である。
【0029】
このように、本実施形態によれば温度測定手段として光ファイバー測定器を用いているので、複数の点の温度を同時に測定することができる。また、光ファイバー測定器が切断されてしまった場合においても、その切断箇所よりも基端部側においては継続して温度を測定することができる。
【0030】
本実施形態においては、光ファイバー測定器21〜23が地盤の温度を測定するものとしたが、温度の代わりに地盤のひずみを測定するものとしてもよい。その場合には、光ファイバー測定器21〜23は、硬化材液6が地盤を切削する際に生じる地盤のひずみを連続的に感知する。温度を測定する場合には、地盤の切削で生じた熱エネルギーが光ファイバー測定器23に到達するまでに時間を要することにより、測定結果に僅かなタイムラグを生じる場合があるが、ひずみを測定する場合にはそのようなタイムラグが生じにくく、より実時間に沿った径に代表される形状の確認を行うことができる。
更に、光ファイバー測定器21〜23により、地盤の温度及び地盤のひずみの両方を測定するものとしてもよい。かかる場合には、どちらか一方を測定する場合に比べて測定結果の精度を更に向上させることができる。
【0031】
なお、本発明による地盤改良体の品質管理方法は、地盤改良体が円柱形状でない場合、例えば壁状、扇形、格子状その他の形状であっても適用可能である。
【0032】
(熱電対を用いた温度計測による、薬液注入による地盤改良体の造成範囲計測の問題)
薬液注入工法で造成する地盤改良体の造成範囲を計測する場合、従来、薬液の温度と地盤との温度差を比較し、地盤よりも高い温度で注入された薬液の温度を検知することで薬液の注入を確認する技術があり、それには熱電対という、電気抵抗の変化を用いて温度を測定することができる素子を用いている。
【0033】
図4は薬液注入による地盤改良体の熱電対による温度計測の問題を指摘するもので、40は薬液注入して造成する地盤改良体、41は測定装置、42は測定ロッド、43は熱電対、44は配線である。
【0034】
図示のように、薬液注入して造成する地盤改良体40の薬液注入範囲に対応する熱電対43を備える測定ロッド42を予め地中に設置しておく。
【0035】
しかし、熱電対43による薬液の温度計測では、熱電対43は素子ひとつで一箇所しか測定できない。
このため、広範囲にわたり測定するためには、図示のように、非常に多くの熱電対43を設置しなくてはならない。
従って、図示のように、配線44が非常に多く煩雑になるといった問題がある。
【0036】
(光ファイバー測定器を用いた温度計測による、薬液注入による地盤改良体の造成範囲計測)
本発明は、光ファイバーを用いて薬液注入範囲の測定を行うものである。
すなわち、連続した光ファイバーを地中に配置し、地盤よりも高い温度で注入された薬液の温度を計測することで薬液の注入範囲を測定する。
【0037】
図5は薬液注入による地盤改良体の光ファイバー測定器による温度計測を示すもので、50は薬液注入して造成する地盤改良体、51は測定装置、52は測定ロッド、53は光ファイバー測定器、54は光ファイバーである。
【0038】
図示のように、薬液注入して造成する地盤改良体50の薬液注入範囲に対応する光ファイバー測定器53を備える測定ロッド52を予め地中に設置しておく。
【0039】
この光ファイバー測定器53により、光ファイバー54は測定箇所1箇所につき1本または2本で済むため、配線を簡略化することができる。
【0040】
図6は光ファイバー測定器53の具体的構成を拡大して示すもので、薬液注入して造成する地盤改良体50の薬液注入範囲に対応させて、測定ロッド52に対し2本の光ファイバー54が切れ目なく巻き付けられている。
なお、1本の光ファイバー54を切れ目なく巻き付けてもよい。
【0041】
(実施形態2)
図7は薬液注入による地盤改良体の造成中の光ファイバー測定器による温度計測を示すもので、60は薬液注入ロッド、70は薬液注入して造成する地盤改良体、72は測定ロッド、73は光ファイバー測定器である。
【0042】
図示のように、地盤に挿入した薬液注入ロッド60から薬液注入して地盤改良体70を造成する工程において、その薬液注入範囲に対応して予め地中に設置しておいた測定ロッド72の光ファイバー測定器73により、造成中の地盤改良体70の温度を連続的に測定して、地上の図示しない測定装置によって地盤改良体70の径に代表される形状を測定する。
【0043】
従って、薬液注入による造成中の地盤改良体70の出来形を直接計測して、確実に施工管理することができる。
【0044】
(実施形態3)
図8は測定用ロッド80の先端部の構成を示すもので、81は薬液吐出孔、82はカメラ、83は光ファイバー測定器、84は光ファイバーである。
【0045】
図示のように、中空の測定用ロッド80の先端には、周囲に開口して薬液(例えばフェノール液)を吐出する薬液吐出孔81が形成されて、カメラ82が内蔵されるとともに、光ファイバー84を切れ目なく巻き付けた光ファイバー測定器83が内蔵されている。
【0046】
ここで、カメラ82の配線及び光ファイバー84は、測定用ロッド80の内部を通して、図示しない地上のモニターを含む測定装置に接続される。
【0047】
このように、測定用ロッド80に光ファイバー測定器83を備えることで、地盤への薬液注入中に、注入範囲を連続的に計測して、地盤改良体の出来形を測定することができる。
また、測定用ロッド80にカメラ82を備えることで、地盤への薬液注入状況をモニターで見て確認することができる。
【0048】
(変形例)
以上の図4、図5及び図7においては、球状の地盤改良体としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、図1及び図2のような円柱形状の他、壁状その他の形状にも適用可能である。
【符号の説明】
【0049】
1 造成装置
2 管理装置
5 高圧噴射して造成する地盤改良体
6 硬化材液
12 噴射ロッド
21 光ファイバー測定器
22 光ファイバー測定器
23 光ファイバー測定器
50 薬液注入して造成する地盤改良体
51 測定装置
52 測定ロッド
53 光ファイバー測定器
54 光ファイバー
60 薬液注入ロッド
70 薬液注入して造成する地盤改良体
72 測定ロッド
73 光ファイバー測定器
80 測定用ロッド
81 薬液吐出孔
82 カメラ
83 光ファイバー測定器
84 光ファイバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤に貫入させた噴射ロッドから硬化材液を高圧噴射して造成する地盤改良体の品質管理方法であって、
前記地盤改良体が造成される地盤に、予め、温度又はひずみの少なくとも一方を測定する光ファイバー測定器を設置する設置工程と、
前記地盤改良体の造成中に、前記地盤改良体が造成される地盤の温度又はひずみの少なくとも一方を前記光ファイバー測定器により連続的に測定し、その測定結果の履歴を追跡することによりリアルタイムで前記地盤改良体の径に代表される形状を確認する管理工程と、を備えることを特徴とする地盤改良体の品質管理方法。
【請求項2】
前記管理工程の前に、前記光ファイバー測定器により、前記地盤改良体が造成される地盤の温度を測定する工程を備えることを特徴とする請求項1に記載の地盤改良体の品質管理方法。
【請求項3】
前記管理工程において、前記地盤改良体の造成中に、前記地盤改良体が造成される地盤の温度及びひずみの両方を前記光ファイバー測定器により連続的に測定することを特徴とする請求項1又は2に記載の地盤改良体の品質管理方法。
【請求項4】
地盤に挿入した噴射ロッドから硬化材液を高圧噴射して造成する地盤改良体の径に代表される形状の測定方法であって、
前記地盤改良体を造成する地盤に、温度又はひずみの少なくとも一方を測定する光ファイバー測定器を挿入し、
前記地盤改良体の造成中に、前記地盤改良体が造成される地盤の温度又はひずみの少なくとも一方を前記光ファイバー測定器により連続的に測定することによって、前記地盤改良体の径に代表される形状を測定することを特徴とする地盤改良体の測定方法。
【請求項5】
地盤に薬液を注入して造成する地盤改良体の径に代表される形状の測定方法であって、
前記地盤改良体を造成する地盤に、温度を測定する光ファイバー測定器を挿入し、
前記地盤改良体の造成中に、前記地盤改良体が造成される地盤の温度を前記光ファイバー測定器により連続的に測定することによって、前記地盤改良体の径に代表される形状を測定することを特徴とする地盤改良体の測定方法。
【請求項6】
周囲の地盤の温度を測定する光ファイバー測定器を備えることを特徴とする測定用ロッド。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2011−226250(P2011−226250A)
【公開日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−60283(P2011−60283)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000201478)前田建設工業株式会社 (358)
【Fターム(参考)】