説明

地盤沈下により生じた空隙部を充填する工法

【課題】1個の注入孔をフーチングに形成し、該注入孔を通じて流動化処理土で空隙部を充填して杭基礎の耐力の低下を未然に防止することができる、地盤沈下により生じた空隙部を充填する工法を提供する。
【解決手段】地盤沈下により支持杭1で支持された既存のフーチング2底面と地盤3との間に生じた空隙部4に流動化処理土5を充填する工法であって、前記フーチング2上面からフーチング2を貫通して前記空隙部4へ到達する注入孔6をコアボーリングにより1カ所穿設し、流動性がフロー値180〜300mmで、比重が1.35〜1.6t/mで、材料分離抵抗性がブリージング率1%未満で、一軸圧縮強度が材令28日で13〜55N/cmの品質基準を満たす流動性の高い流動化処理土5を、前記注入孔6を通して前記空隙部4に注入して充填する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、埋め立て地等の軟弱地盤に構築する杭基礎を有する構造物において、地盤沈下によりフーチング(コンクリートの基礎)底面と地盤との間に生じた空隙部に、充填材として流動性の高い流動化処理土を充填する工法の技術分野に属し、更に云えば、前記空隙部に流動化処理土を充填することにより、杭基礎の耐力の低下を防止する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
埋め立て地等の軟弱地盤に構築する杭基礎を有する構造物に地盤沈下が生じた場合、支持杭で支持されたフーチング底面と地盤との間に空隙部が生じる。杭頭周辺部に空隙部が生じると、地震等の水平力に対する抵抗力が低下し、ひいては鉛直方向の杭の極限支持力が低下するなど、構造物の杭基礎の耐力が大幅に低下することが知られている。よって、前記空隙部、特には杭頭周辺部の空隙部は、充填材で充填して杭基礎の耐力の低下を未然に防止する必要がある。
従来、杭頭周辺部の空隙部を充填材で充填して杭基礎の耐力の低下を未然に防止する工法は、種々開示されて公知である(例えば、特許文献1〜3を参照)。
【0003】
特許文献1は、杭基礎工事に際し、予め、コンクリート基礎4の上端部からコンクリート基礎4を通してコンクリート基礎4の底面に接する地盤に到達する少なくとも2本の透孔(貫通孔)1を、コンクリート基礎4にパイプを埋設して設け、当該透孔1を利用して、コンクリート基礎4の底面と地盤との間の空隙部の有無を監視し、空隙部8が生じた場合は、透孔(パイプ)1を通して充填材(流動性固化物質)を注入して空隙部8を充填する発明が開示されている(特許請求の範囲および図面等参照)。
【0004】
特許文献2は、構造物1の底部と地盤3との間に間隙4が生じた場合、構造物1の底部にバランスよく複数の充填材注入孔5と空気抜き孔6を穿設し、複数の充填材注入孔5を通して、充填材(水硬性組成物モルタル)を、僅かの間隙を残して充填して硬化せしめた後、残部の空隙内に流動性のある膨張性の充填材を充填する発明が開示されている(特許請求の範囲および図面等参照)。
【0005】
特許文献3は、杭基礎工事に際し、予め、フーチング内の中央部にフーチング底面と地盤との間に充填材を充填できる供給路を形成しておき、地盤沈下によってフーチング底面と地盤との間に生ずる空隙に対し、前記供給路を通して、流動性を有しかつ長期間にわたって固結しにくい充填材を継続的に充填することにより、前記空隙部の発生を未然に防止する発明が開示されている(特許請求の範囲および図1〜図3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭51−94611号公報
【特許文献2】特公昭55−30087号公報
【特許文献3】特開昭62−78321号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に係る発明は、杭基礎工事に際し、予め、少なくとも2個の透孔(貫通孔)をパイプを利用して形成している。よって、コンクリート基礎4に地震時の水平力が作用する等してパイプ1が破損する虞があり、実際に空隙部が発生した場合にその用をなさない場合がある。また、実際に充填作業を開始するまでの間、パイプ1の上端に被せ蓋をするなどメンテナンスも必要となり、大変煩わしい。すなわち、空隙部が発生する前に予め透孔を設ける意義は、その費用対効果を鑑みるとあまりないと云わざるを得ない(以下、第一の問題という)。
さらに、この種の透孔(貫通孔)は、充填材を空隙部に密実に充填せしめるべく、充填用と空気抜き用の二つの孔を少なくとも有するのが一般的とされているが、たとえ空隙部を隙間なく密実に充填できたとしても、事後も経時的に地盤沈下により空隙部が発生することを考慮すると、複数の孔を設けて密実に充填する意義は、その費用対効果を鑑みるとあまりないと云わざるを得ない。また、充填材を空隙部に充填する目的は、杭基礎の耐力の低下を防止することにあり、杭基礎に地震等の水平力に耐え得る剛性を与えればその目的は達成されるので、空隙部を完璧に密実に充填する必要性は薄いと云える。さらに、透孔の数量がコンクリート基礎4の剛性へ与える影響を考慮すると、できるだけ数量が少ない方が望ましい(以下、第二の問題という)。
【0008】
特許文献2に係る発明は、構造物1の底部と地盤3との間に間隙4が生じた場合に、事後的に複数の充填注入孔5と空気抜き孔6を穿設するので、前記第一の問題は生じない。
しかしながら、複数の充填注入孔5と空気抜き孔6を穿設して実施するので第二の問題はまったく解消されていない。よって、不経済であり、構造物底部の剛性へ与える影響が懸念される。加えて、間隙部を二段階に分けて異なる充填材を用いて実施するので、充填作業が面倒で施工性が悪く、非常に不経済である。
【0009】
特許文献3は、予めフーチング内の中央部に複雑な供給路を形成して実施するので、前記第一および第二の問題がまったく解消されていない。さらに、前記供給路を通して流動性を有しかつ長期間にわたって固結しにくい充填材を継続的に充填するので、その制御およびメンテナンスが非常に面倒でコストが嵩み、非常に不経済である。
【0010】
以上要するに、従来技術に係る空隙部を充填材で充填する工法は種々開示され、その効果も一応認められるものの、経済性、ひいては実用性を考慮すると改良の余地が残されている。
【0011】
本発明の目的は、上記第一および第二の問題を解消した充填工法、すなわち、事後的に1個の注入孔をフーチングに形成し、該注入孔を通じて充填材(流動化処理土)で空隙部を充填して杭基礎の耐力の低下を未然に防止することができる、シンプルな構成で、経済的かつ実用的で実効性が高い、地盤沈下により生じた空隙部を充填する工法を提供することである。
本発明の次の目的は、所定の品質基準を満たす流動性の高い流動化処理土を用いて1個の注入孔でも空隙部を密実に充填することができる、経済的かつ合理的な地盤沈下により生じた空隙部を充填する工法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記背景技術の課題を解決するための手段として、請求項1に記載した発明に係る地盤沈下により生じた空隙部を充填する工法は、
地盤沈下により支持杭で支持された既存のフーチング底面と地盤との間に生じた空隙部に、建設残土と固化材と水または泥水とを配合してなる流動化処理土を充填する工法であって、
前記フーチング上面からフーチングを貫通して前記空隙部へ到達する注入孔をコアボーリングにより1カ所穿設し、流動性がフロー値180〜300mmで、比重が1.35〜1.6t/mで、材料分離抵抗性がブリージング率1%未満で、一軸圧縮強度が材令28日で13〜55N/cmの品質基準を満たす流動性の高い流動化処理土を、前記注入孔を通して前記空隙部に注入して充填することを特徴とする。
【0013】
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した地盤沈下により生じた空隙部を充填する工法において、前記注入孔の口径を、80〜100mmとすることを特徴とする。
【0014】
請求項3に記載した発明は、請求項1又は2に記載した地盤沈下により生じた空隙部を充填する工法において、前記流動化処理土を注入する前に、前記空隙部の溜水を注入孔を通して排水することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る地盤沈下により生じた空隙部を充填する工法は、以下の効果を奏する。
1)フーチングに、鉛直方向に1個の注入孔を穿設するだけで充填作業に着手できるので、穿設作業に要する費用を飛躍的に削減できると共に、フーチングの剛性に悪影響を与える虞がない。よって、シンプルな構成で実施でき、工期短縮を図ることができるので、経済性および施工性に非常に優れている。
2)流動化処理土を、フーチング上方から鉛直な注入孔を通じてフーチング直下へ圧入するので、充填性に優れている。よって、空隙部を密実に充填することができる。
3)空隙部を充填する充填材として安価な流動化処理土を用いて実施するので、コスト削減に寄与すると共に、流動性および強度をフレキシブルに設定することが可能となる。
4)適正な流動性を有し、かつ適正な時期に硬化するのに必要な品質基準を満たした流動性処理土を用いて充填作業を行うので、1個の注入孔のみを用いて充填作業を行っても、杭頭部周辺の空隙部を密実に充填することができる。よって、合理的かつ経済的であり実効性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】Aは、本発明に係る地盤沈下により生じた空隙部を充填する工法の実施要領を示した立面図であり、Bは、同平面図である。
【図2】本発明に係る地盤沈下により生じた杭頭部周辺の空隙部を流動化処理土で密実に充填した状態を示した立面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下に、本発明に係る地盤沈下により生じた空隙部を充填する工法の実施例を図面に基づいて説明する。
本発明は、図1と図2に示したように、地盤沈下により支持杭1で支持された既存のフーチング2底面と地盤3との間に生じた空隙部4に、建設残土と固化材と水または泥水とを配合してなる流動化処理土5を充填する工法であり、前記フーチング2上面からフーチング2を貫通して前記空隙部4へ到達する注入孔6をコアボーリングにより1カ所穿設し、流動性がフロー値180〜300mmで、比重(密度)が1.35〜1.6t/mで、材料分離抵抗性がブリージング率1%未満で、一軸圧縮強度が材令28日で13〜55N/cmの品質基準を満たす流動性の高い流動化処理土5を、前記注入孔6を通して前記空隙部4に注入して充填することを特徴とする。
【0018】
図1と図2は、構造物の一部である1本の柱8とこれを支持するフーチング2、マットスラブ7、及び4本の支持杭1を本発明の主要部として示し、構造物の他の柱等については図示の便宜上省略している。なお、図1Bについては、図示の便宜上マットスラブ7を省略している。
ちなみに図中の符号9〜12は、流動化処理土5を注入孔6を通して注入(圧入)するための器具であり、符号9はエルボ、符号10はユニオン、符号11は電磁流量計、符号12は注入ホースを示している。
以下、本発明に係る前記空隙部4を充填する工法の手順を具体的に説明する。
【0019】
(空隙部4の検知)
地盤沈下による空隙部4の検知方法は種々あるが、本実施例では、構造物周辺の地盤沈下の状況からフーチング2底面と地盤3との間の空隙部4の有無をある程度予測し、杭頭部周辺の空隙部4の所要深さが支持杭1の構造耐力上不適切であると判断される場合、フーチング2に注入孔6を形成する穿設作業に着手する。そして、形成した注入孔6へファイバースコープや棒状部材を挿入して杭頭部周辺の空隙部4の所要深さを実測する。ちなみに空隙部4への充填作業は、杭頭部周辺の空隙部4の所要深さが、使用する杭径の1.0〜1.5倍程度に達したときに行うのが効果的かつ経済的である。
【0020】
(フーチング2の穿設)
前記フーチング2を鉛直方向に穿設して当該フーチング2を鉛直方向に貫通する1個の注入孔6を形成する。フーチング2における注入孔6を形成する穿設部位は、構造設計図を参照する等してフーチング2及び柱8の配筋の邪魔にならない場所で、且つフーチング2の剛性に悪影響を与えない場所、更にはコアボーリングマシンを支障なく設置できる場所を考慮して設定する。ちなみに本実施例に係る注入孔6は、前記フーチング2を平面方向に見て、角隅部近傍位置に1カ所形成して実施している(図1B参照)。
フーチング2を鉛直方向に穿設する手法は種々あるが、本実施例では、フーチング2上面に設置したベビーモール推進機により、所謂ベビーモール(削進)工法で実施し、削孔(注入孔6)を剛性の高い鋼管で形成している。なお、フーチング2を鉛直方向に穿設する手法は勿論これに限定されず、公知のコアボーリングマシンによるコアボーリング工法でも同様に実施できる。
また、前記注入孔6の口径は、80〜100mmの小口径で実施することが好ましい。80mm未満とすると特殊な推進機を用いる必要があるなどコアボーリングのコストが嵩むし、100mmを超えるとフーチング2の剛性に悪影響を与える虞があるからである。参考までに本実施例に係る注入孔6は、外径89.1mmの80A鋼管で形成され、その先端は、空隙部4の底面から100mm程度離して位置決めされている。
【0021】
(溜水の排水)
この作業は、前記注入孔6を利用して杭頭部周辺の空隙部4内の状況を検知した結果、流動化処理土5を充填するにあたり、流動化処理土5が適正に硬化できないなど、充填作業に支障が生じる程度の溜水が発生している場合に実施する。溜水を排出する手段は格別新規ではなく、空隙部4内の溜水を排水ポンプにより注入孔6を通じて排水する。
【0022】
(流動化処理土5の充填)
かくして、前記フーチング2に注入孔6を形成し、電磁流量計11、注入ホース12など充填作業に必要な器具を設備した後、注入ポンプから注入ホース12へ供給された流動化処理土5を前記注入孔6を通して空隙部4へ注入(圧入)して充填する。
杭頭部周辺の空隙部4を充填するのに必要な流動化処理土5の充填量は、構造設計図を基に、地上から注入孔6へ挿入したファイバースコープを利用するなどして算出した杭頭部周辺の空隙部4の容積量に応じて適宜設計変更される。
流動化処理土5の充填速度、充填量等の制御手段は公知であり、前記電磁流量計11等で制御し、前記注入孔6の上部から流動化処理土5が溢れ出ることを確認して充填作業を終了する。前記注入孔6は、最終的には床処理を行い塞がれる。
ちなみに、本実施例に係る流動化処理土5は、小口径の1個の注入孔6のみを利用して杭頭部周辺の空隙部4内を適正な流動性を有し、かつ適正な時期に硬化せしめるべく、本出願人が行った種々の実験結果に基づき、以下の品質基準を満たす流動化処理土5が使用される。
【0023】
(流動化処理土5の品質基準)
流動性をフロー値180〜300mmの範囲内とする。フロー値180mm未満とすると、流動化処理土5の流動性を損う結果、杭頭部周辺の空隙部4を密実に充填する前に硬化する不具合が生じるからであり、フロー値300mmを超えると、密度、一軸圧縮強度など他の品質基準を満たさなくなるからである。
比重(密度)が1.35〜1.6t/mとする。比重を1.35t/mとすると、流動化処理土5が適正に硬化しないからであり、1.6t/mを超えると自重により地盤沈下を促進する虞があるからである。
材料分離抵抗性がブリージング率1%未満とする。ブリージング率1%以上とすると、水量が多くなる結果、適正に硬化しないからである。
一軸圧縮強度が材令28日で13〜55N/cmとする。一軸圧縮強度が13N/cmに満たないと、杭基礎の耐力の低下を有効に防止できないからであり、13N/cmを超えると、フロー値など他の品質基準を満たさなくなるからである。
以上が、杭頭部周辺の空隙部4内を適正な流動性を有し、かつ適正な時期に硬化する流動化処理土5の主要な品質基準である。
【0024】
(流動化処理土5の製造)
このような品質基準を満たす流動化処理土5は、環境保全に寄与するべく、一般に産業廃棄物として処理される現地発生土に水を加えてミキサー車に投入して撹拌し、フロー値(180〜300mm)および比重(1.35〜1.6t/m)を調整後、更に固化材3としてセメント系固化材(本実施例では高炉セメントB種)を添加、混練し、必要とする一軸圧縮強度(材令28日で13〜55N/cm)を得るように製造される。
ちなみに、流動化処理土5の強度特性は、泥水に十分な細粒分含有量があり、ブリージング率1%未満を満たす製品であることを条件に、調整泥水比重と固化材の量に支配される。したがって、強度管理は、調整泥水比重と固化材添加量で行えばよく、その実施配合は以下の通りである。
[配合1]製品1mあたりの配合(kg){調整泥水1mで1,300kg、セメント(外割)120kg}、製品比重1.36t/m
[配合2]製品1mあたりの配合(kg){調整泥水1mで1,300kg、セメント(外割)140kg}、製品比重1.37t/m
【0025】
以上説明したように、本発明に係る地盤沈下により生じた空隙部を充填する工法は、前記フーチング2上面からフーチング2を鉛直方向に貫通して前記空隙部4へ到達する注入孔6をコアボーリング(本実施例ではベビーモール工法)により1カ所穿設し、図1〜図2に示したように、上記した品質基準を満たした流動化処理土5を、前記注入孔6を通して杭頭部周辺の空隙部4に注入して密実に充填する工法なので、以下のような効果を奏する。
1)フーチング2に、鉛直方向に1個の小口径の注入孔6を穿設するだけで充填作業に着手できるので、穿設作業に要する費用を飛躍的に削減できると共に、フーチング2の剛性に悪影響を与える虞がない。よって、シンプルな構成で実施でき、工期短縮を図ることができるので、経済性および施工性に非常に優れている。
2)流動化処理土5を、フーチング2上方から鉛直な注入孔6を通じてフーチング2直下へ圧入するので、充填性に優れている。よって、空隙部4を密実に充填することができる。
3)空隙部4を充填する充填材として安価な流動化処理土5を用いて実施するので、コスト削減に寄与すると共に、流動性および強度をフレキシブルに設定することが可能となる。4)適正な流動性を有し、かつ適正な時期に硬化するのに必要な品質基準を満たした流動性処理土5を用いて充填作業を行うので、1個の注入孔6のみを用いて充填作業を行っても、杭頭部周辺の空隙部4を密実に充填することができる。よって、合理的かつ経済的であり実効性に優れている。
【0026】
以上に実施例を図面に基づいて説明したが、本発明は、図示例の限りではなく、その技術的思想を逸脱しない範囲において、当業者が通常に行う設計変更、応用のバリエーションの範囲を含むことを念のために言及する。
【符号の説明】
【0027】
1 支持杭
2 フーチング
3 地盤
4 空隙部
5 流動化処理土
6 注入孔
7 マットスラブ
8 柱
9 エルボ
10 ユニオン
11 電磁流量計
12 注入ホース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地盤沈下により支持杭で支持された既存のフーチング底面と地盤との間に生じた空隙部に、建設残土と固化材と水または泥水とを配合してなる流動化処理土を充填する工法であって、
前記フーチング上面からフーチングを貫通して前記空隙部へ到達する注入孔をコアボーリングにより1カ所穿設し、流動性がフロー値180〜300mmで、比重が1.35〜1.6t/mで、材料分離抵抗性がブリージング率1%未満で、一軸圧縮強度が材令28日で13〜55N/cmの品質基準を満たす流動性の高い流動化処理土を、前記注入孔を通して前記空隙部に注入して充填することを特徴とする、地盤沈下により生じた空隙部を充填する工法。
【請求項2】
前記注入孔の口径を、80〜100mmとすることを特徴とする、請求項1に記載した地盤沈下により生じた空隙部を充填する工法。
【請求項3】
前記流動化処理土を注入する前に、前記空隙部の溜水を注入孔を通して排水することを特徴とする、請求項1又は2に記載した地盤沈下により生じた空隙部を充填する工法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−180633(P2010−180633A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−25881(P2009−25881)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【出願人】(000003621)株式会社竹中工務店 (1,669)
【Fターム(参考)】