説明

地絡点標定システム

【課題】被雷した架空地線の位置を容易に、且つきめ細かく確実に特定することができる地絡点標定システムを提供する。
【解決手段】この地絡点標定システム100は、被雷により架空地線4に所定値以上の落雷電流が流れた時に作動して外観を変化させるサーモテープ5と、サーモテープ5を含む監視エリア11を撮影する人工衛星10と、人工衛星10により撮影されたサーモテープ5の変色に基づいて、被雷した架空地線の位置を特定するセンター13と、を備えて構成されている。尚、各送電鉄塔6には、各送電鉄塔固有の番号、又は/及び、記号を表示した表示板12を夫々備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地絡点標定システムに関し、さらに詳しくは、送電鉄塔に張架された架空地線に被雷した場合に、その位置を特定する位置判定技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高圧送電鉄塔は山岳部等の高所に設置される場合が多いため、被雷による送電線の被害を防止するために、各送電鉄塔の頂部間に架空地線を架線し、各送電鉄塔で大地に接地している。即ち、架空地線は、送電線へ雷の直撃を防止することと、雷により送電鉄塔の電位が上昇し、送電鉄塔側から送電線に逆フラッシュオーバすることを防ぐことを主な目的としている。しかし、架空地線によりこれらを完全に防止することができないため、雷雲が発生して落雷の虞がある場合、天候が回復してから巡視員が該当場所まで車両、徒歩等により出向いて送電線の被害状況を確認していた。
【0003】
しかしながら、送電鉄塔全てを巡視することは困難であるため、故障点標定装置(電流と電圧降下により送電線の故障点を推定する装置)を各拠点(例えば電気所等)に配置して、各拠点から故障点までの距離を割り出していた。
また、従来技術として特許文献1には、送電線の落雷による物理的現象の全体的情報としての落雷電流を電流センサにより検出し、電流センサに予め割り振られた機器識別番号と共に電流データと発生時刻を基地局に送信することにより、当該情報に基づき、送電線への落雷地点特定、及び送電線の閃絡事故の有無を判断する閃絡事故検出方法について開示されている。
【特許文献1】特開平11−352176号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の故障点標定装置による方法は、敷設した送電線の長さ、構成する送電鉄塔から線路定数を机上で計算し、その値に基づいて割り出しているが、実系統の定数は地形や送電鉄塔間にある設備の有無により、理論値との間に誤差が生じて、故障点標定装置が割り出した位置と実際の故障点とが必ずしも一致しないといった問題がある。また、故障点標定装置のコストが非常に高価であるため、設置する数が限られるといった問題がある。
また、特許文献1に開示されている従来技術は、鉄塔毎に取り付けられた電流センサの値と、各センサに割り振られた機器識別番号と共に発生時刻を基地局に送信するものであり、センサに送信機能が必要となり、コストが高くなるといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、架空地線に落雷電流が流れることにより外観が変化する表示手段を配置し、その表示手段の変化を上空より撮影することにより、被雷した架空地線の位置を容易に、且つきめ細かく確実に特定することができる地絡点標定システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、被雷した架空地線の位置を特定する地絡点標定システムであって、被雷により前記架空地線に所定値以上の落雷電流が流れた時に作動して外観を変化させる表示手段と、前記表示手段を含む監視エリアを撮影する撮影手段と、該撮影手段により撮影された前記各表示手段の作動の有無に基づいて、被雷した架空地線の位置を特定する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記撮影手段により撮影した基準となる画像とリアルタイムに撮影された画像とを比較し、該比較の結果に基づいて被雷位置を特定することを特徴とする。
本発明の地絡点標定システムの原理は、被雷した架空地線に落雷電流が流れることを利用して、架空地線に所定値以上の落雷電流が流れた時に作動して外観を変化させる表示手段を備える。そして、人工衛星或いは航空機により上空から監視エリアを撮影する。この監視エリアには当然表示手段が含まれており、基準となる画像と、リアルタイムに撮影した画像とを比較することにより、表示手段の変化の有無に基づいて被雷位置を特定するものである。これにより、表示手段の外観の変化を画像から判断することにより、容易に、且つ誤差少なく被雷した架空地線の位置を特定することができる。
【0006】
請求項2は、前記表示手段は、前記架空地線に取り付けられ、該架空地線に流れた落雷電流により発生するジュール熱により変色するサーモテープであることを特徴とする。
架空地線に被雷する頻度は一般的には少ないとはいえ、自然の環境条件によっては低くない頻度で発生する地域もある。従って、表示手段は可能な限り安価なものが良い。一方、落雷電流は非常に大きいため、架空地線に流れると、大きなジュール熱が発生する。そこで本発明では、このジュール熱を利用して、熱により変色するサーモテープを架空地線に巻き回して使用するものである。これにより、部品コストを安価にでき、且つ取付けが容易な表示手段を実現することができる。
【0007】
請求項3は、前記サーモテープは、前記架空地線に直接取り付けるか或いは、取り付け部材を介して取り付けることを特徴とする。
サーモテープに熱を効率的に与えるためには、架空地線に直接取り付けることが好ましい。しかし、現場で短時間に取り付けるためには、予め取り付け部材を用意しておき、そこにサーモテープを取り付ける方法もある。これにより、現場の状況に臨機応変に取り付け方を選択することができる。
【0008】
請求項4は、前記表示手段は、前記送電鉄塔に取り付けられ、該送電鉄塔に流れた落雷電流により発生する磁束によりコイルに起電力を発生し、該起電力により表示部材を放出する構成を有することを特徴とする。
架空地線に被雷した落雷電流は、送電鉄塔を介して大地に流れる。従って、架空地線に被雷したときは、送電鉄塔にも大電流が流れ、送電鉄塔の周りに磁束が発生する。そこで本発明では、この磁束を検出するコイルを送電鉄塔に近接して配置する。それにより、コイルに起電力が発生するので、この起電力により表示部材を放出する構成を有するものである。これにより、落雷電流の大小により表示手段の動作閾値を任意に設定することができる。
【0009】
請求項5は、前記表示手段は、前記送電鉄塔の近傍で、且つ各送電鉄塔間に少なくとも1つ配置されることを特徴とする。
2基の送電鉄塔間に張架した架空地線に被雷した場合、落雷電流は、2基の送電鉄塔に分かれて流れる。従って、架空地線に少なくとも1つの表示手段を配置しておけば必ず作動することになる。このときの被雷位置の誤差は、最大でも2基の送電鉄塔間の距離になる。これにより、表示手段の配置数を最少とすることができ、設置コストを最小限にすることができる。
【0010】
請求項6は、前記送電鉄塔に該送電鉄塔固有の番号、又は/及び、記号を表示した表示板を備え、前記制御手段は、前記表示板に記載された番号、又は/及び、記号を前記撮影手段から取得し、該番号、又は/及び、記号と対応する位置情報を検索することにより、被雷した送電鉄塔の位置を特定することを特徴とする。
撮影手段により表示手段を撮影して、表示手段の外観の変化を見分けるためには、かなり細かい解像度が必要となる。そのような条件下では、送電鉄塔に送電鉄塔を特定する固有の番号、又は/及び、記号を表示した表示板を取り付けても判読が可能である。そこで本発明では、この番号、又は/及び、記号と位置情報を対応付けて記憶しておくことにより、番号、又は/及び、記号から被雷した送電鉄塔の位置を特定するものである。これにより、送電鉄塔に備えられた表示板の内容から即座に、その送電鉄塔の位置を特定することができる。
【0011】
請求項7は、前記撮影手段は、航空写真又は人工衛星による衛星写真であることを特徴とする。
撮影手段、撮影方法は、表示手段の外観が確認できる解像度であれば、どのような手段、方法でも構わない。例えば、航空写真の場合は、比較的高度が低く、一度に撮影する監視エリアは狭くなるので、撮影範囲を分割して何回も撮影しなければならない。また、人工衛星による場合は、高度が高く、一度に撮影する監視エリアは広くなるので、撮影は1回で完了する。従って、ある程度被雷エリアが限定される場合は、航空写真でも判定が可能である。また、広い範囲を監視する場合は、衛星写真による方法が優れている。このように、監視エリアの広さにより、撮影手段を選択することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、被雷により架空地線に所定値以上の落雷電流が流れた時に作動して外観を変化させる表示手段と、表示手段を含む監視エリアを撮影する撮影手段と、撮影手段により撮影された各表示手段の作動の有無に基づいて、被雷した架空地線の位置を特定する制御手段と、を備え、制御手段は、撮影手段により撮影した基準となる画像とリアルタイムに撮影された画像とを比較し、比較の結果に基づいて被雷位置を特定するので、被雷した架空地線の位置を容易に、且つきめ細かく確実に特定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は架空地線に被雷したときの落雷電流の動きを説明する模式図である。一般に雷は電気を帯びた雲がその電気を蓄えきれなくなって放電する現象である。この電気を帯びた雲、すなわち雷雲1は、強い上昇気流によって雲が形成されるときに、雲の粒子同士が衝突する際の摩擦等によって帯電し、さらに雲の下方が「−」に、上方が「+」に分極して形成されるとき、雷雲1になると考えられている。そして、雷雲1が成長し、電気を蓄えきれなくなると地上等に放電する。そのとき、近くに送電鉄塔6があると、それに張架された架空地線4に落雷する。そのときの落雷電流3は、電流A、Bとなって夫々の送電鉄塔6を介して大地8に流れる。この落雷電流は、大きい場合は10〜30KAといった大きな電流が大地8に瞬間的に流れる。そのときの架空地線3には、電流の二乗に比例したジュール熱が発生する。また、同様に各送電鉄塔6にも大きな電流が流れるため、鉄柱には電流に比例した磁束が発生する。本発明では、上記ジュール熱又は磁束を利用した表示手段を用いて、被雷した架空地線の位置を特定するものである(詳細は後述する)。図1では、架空地線4にジュール熱により変色するサーモテープ5を配置した例を示している。
【0014】
図2は本発明の一実施形態に係る地絡点標定システムの構成を示す図である。この地絡点標定システム100は、被雷により架空地線4に所定値以上の落雷電流が流れた時に作動して外観を変化させるサーモテープ(表示手段)5と、サーモテープ5を含む監視エリア11を撮影する人工衛星(撮影手段)10と、人工衛星10により撮影されたサーモテープ5の変色(作動の有無)に基づいて、被雷した架空地線の位置を特定するセンター(制御手段)13と、を備えて構成されている。尚、各送電鉄塔6には、各送電鉄塔固有の番号、又は/及び、記号を表示した表示板12を夫々備えている。また、センター13内には、人工衛星10から受信した画像を解析して、どの送電鉄塔のサーモテープが変色したかを解析するPC等が備えられ、その結果に基づいて、該当する送電鉄塔を管轄する担当部署A、B、Cにその結果情報を送信するように構成されている。即ち、センター13は、人工衛星10により撮影した基準となる画像とリアルタイムに撮影された画像とを比較し、この比較の結果に基づいて被雷位置を特定するものである。
【0015】
次に地絡点標定システム100の動作について図3を用いて説明する。尚、この実施形態では、撮影手段として人工衛星による衛星写真を利用する場合について説明する。図3は本発明の地絡点標定システムの動作を説明するフローチャートである。まず、予め、センター3に備えられたPCの記憶装置に、各送電鉄塔固有の番号、又は/及び、記号と位置情報(地名、或いは緯度と経度)を対応付けて記憶しておく(S1)。例えば、図4のように中国地方を例にとると、各県毎に鉄塔番号として、山口県の場合は、頭文字に「Y」を付して「Y−1」「Y−2」・・「Y−n」として、島根県の場合は、頭文字に「S」を付して「S−1」「S−2」・・「S−n」として、広島県の場合は、頭文字に「H」を付して「H−1」「H−2」・・「H−n」として、鳥取県の場合は、頭文字に「T」を付して「T−1」「T−2」・・「T−n」として、その鉄塔番号に対応付けて位置情報を記憶する。このとき位置情報として、具体的な地名と番地等を記憶することが好ましいが、山間部等のように、番地が特定されない場合もあるので、緯度と経度を併せて記憶するようにしても良い。
【0016】
次に、人工衛星10により、監視エリア11の基準画像(架空視線に取り付けられたサーモテープが変色していないときの画像)を撮影して、センター13内のPCに記憶する(S2)。ここで、人工衛星10がリアルタイムに監視エリア11を常時撮影した画像をセンター13のアンテナ14により受信して基準画像と比較するようにしても良いが(S10)、本実施形態では、発雷した後や任意の時間または、所定のインターバル時間を設けて、監視時間になった場合に(S3でYES)、人工衛星10により撮影された監視エリア11の画像をセンター13のアンテナ14により受信してPCに記憶する(S4)。そして、PCは画像処理により、基準画像のサーモテープ5の色と今回受信した画像のサーモテープ5の色が変化している場所があるか否かを検証する(S5)。検証の結果、全てのサーモテープの色に変化がなければ(S5でYES)、ステップS3に戻って繰り返す。
【0017】
一方、ステップS5でサーモテープに変色がある場合は(S5でNO)、その変色したサーモテープの近傍の送電鉄塔に備えられた表示板12(図6参照)から、鉄塔番号を取得する(S6)。鉄塔番号が分かると、図4から送電鉄塔に対応する位置情報を取得することにより、サーモテープ5が変色した送電鉄塔の位置を特定する(S7)。PCは送電鉄塔の位置を特定すると、PCにあるデータベースにて該当した送電線名を割り出し、情報配信装置20または送電線保護継電装置から該当送電線の事故情報(短絡、地絡)を受け(S11)、過去の事故実績などをあわせてその送電鉄塔を管轄する担当部署に送電鉄塔の位置や関連した情報を連絡する(S8)。連絡を受けた担当部署は、現場に出向いて被害の状況を調査し、変色したサーモテープを新品に交換すると共に、被害箇所の補修を行なう(S9)。
【0018】
図5は表示手段の実施例を示す図である。図5(a)は、架空地線4に巻き回したサーモテープ14の図である。即ち、架空地線4に被雷する頻度は少ないとはいえ、多い場所ではそれなりの頻度で発生する。従って、表示手段は可能な限り安価なものが良い。その一つの手段として、落雷電流は、非常に大きいため、架空地線に流れると、大きなジュール熱が発生する。そこで本実施例では、このジュール熱を利用して、熱により変色するサーモテープ14を架空地線4に巻き回して使用するものである。これにより、部品コストを安価にでき、且つ取付が容易な表示手段を実現することができる。
【0019】
図5(b)は、サーモテープ14を取り付け部材16を介して取り付けるものである。即ち、サーモテープ14に熱を効率的に与えるためには、架空地線4に直接取り付けることが好ましい。しかし、現場で短時間に取り付けるためには、予め取り付け部材16を用意しておき、そこにサーモテープ14を取り付ける方法もある。これにより、現場の状況に臨機応変に取り付け方を選択することができる。図5(b)の表示手段は、弾性を有する取り付け部材16に架空地線4の直径より若干小さくした取付部16aを備え、取付部16aを架空地線4に挟み込むように取り付けるものである。図5(c)の表示手段は、弾性を有する取り付け部材16に架空地線4の直径より若干小さくした取付部17aを備え、取付部17aを架空地線4に挟み込むように取り付けるものである。そして、この表示手段の表面積を拡げるために、一方の側に翼状の片部17を備え、その表面にサーモテープ14を張りつけたものである。図5(d)の表示手段は、弾性を有する取り付け部材18に架空地線4の直径より若干小さくした取付部18aを備え、取付部18aを架空地線4に挟み込むように取り付けるものである。そして、この表示手段の表面積を拡げるために、両方の側に翼状の片部18を備え、その表面にサーモテープ14を張りつけたものである。そして、架空地線4のジュール熱が伝播しやすいように、片部18に溝19を形成したものである。
また、図示は省略するが、表示手段の他の実施例として、送電鉄塔6に取り付けられ、送電鉄塔6に流れた落雷電流により発生する磁束によりコイルに起電力を発生し、この起電力により表示部材を放出する構成を有するもがある。表示部材として、布状のテープや球状のボールを放出するものがある。
【0020】
即ち、架空地線6に被雷した落雷電流は、送電鉄塔6を介して大地8に流れる。従って、架空地線6に被雷したときは、送電鉄塔6に大電流が流れ、送電鉄塔6の周りに磁束が発生する。そこで本実施例では、この磁束を検出するコイルを送電鉄塔6に近接して配置する。それにより、コイルに起電力が発生するので、この起電力により表示部材を放出する構成を有するものである。これにより、落雷電流の大小により表示手段の動作閾値を任意に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】架空地線に被雷したときの落雷電流の動きを説明する模式図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る地絡点標定システムの構成を示す図である。
【図3】本発明の地絡点標定システムの動作を説明するフローチャートである。
【図4】表示板の鉄塔番号と位置情報を対応付けた例を示す図である。
【図5】表示手段の実施例を示す図である。
【図6】表示板の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0022】
1 雷雲、2 落雷、3 落雷電流、4 架空地線、5 サーモテープ、6 送電鉄塔、10 人工衛星、11 監視エリア、12 表示板、13 センター、14 アンテナ、16、17、18 取り付け部材、100 地絡点標定システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被雷した架空地線の位置を特定する地絡点標定システムであって、
被雷により前記架空地線に所定値以上の落雷電流が流れた時に作動して外観を変化させる表示手段と、前記表示手段を含む監視エリアを撮影する撮影手段と、該撮影手段により撮影された画像に基づいて判定された前記各表示手段の作動の有無に基づいて、被雷した架空地線の位置を特定する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、前記撮影手段により撮影した基準となる画像とリアルタイムに撮影された画像とを比較し、該比較の結果に基づいて被雷位置を特定することを特徴とする地絡点標定システム。
【請求項2】
前記表示手段は、前記架空地線に取り付けられ、該架空地線に流れた落雷電流により発生するジュール熱により変色するサーモテープであることを特徴とする請求項1に記載の地絡点標定システム。
【請求項3】
前記サーモテープは、前記架空地線に直接取り付けられるか、或いは、取り付け部材を介して取り付けられることを特徴とする請求項2に記載の地絡点標定システム。
【請求項4】
前記表示手段は、前記送電鉄塔に取り付けられ、該送電鉄塔に流れた落雷電流により発生する磁束によりコイルに起電力を発生し、該起電力により表示部材を放出する構成を有することを特徴とする請求項1に記載の地絡点標定システム。
【請求項5】
前記表示手段は、前記送電鉄塔の近傍で、且つ各送電鉄塔間に少なくとも1つ配置されることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の地絡点標定システム。
【請求項6】
前記送電鉄塔に該送電鉄塔固有の番号、又は/及び、記号を表示した表示板を備え、前記制御手段は、前記表示板に記載された番号、又は/及び、記号を前記撮影手段から取得し、該番号、又は/及び、記号と対応する位置情報を検索することにより、被雷した送電鉄塔の位置を特定することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の地絡点標定システム。
【請求項7】
前記撮影手段は、航空写真又は人工衛星による衛星写真であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか一項に記載の地絡点標定システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−8448(P2009−8448A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−168092(P2007−168092)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】