説明

地耐力試験装置の遠隔自動操作方法と装置

【課題】 ニューマチックケーソン工法の高気圧作業室で行う地耐力試験を、地耐力試験装置の試験地点への設置から、地盤に対する実載荷荷重を変化させて設計載荷荷重と一致させ、地盤の変位量を計測して試験を終えるまで、地上からの遠隔自動操作を可能とする地耐力試験装置の遠隔自動操作方法と装置を提供する。
【解決手段】 ニューマチックケーソンの大気圧側の遠隔自動操作装置に制御装置を設け、高気圧作業室側の地耐力試験装置における載荷試験用の載荷荷重のためのジャッキを操作する出力指令値を圧力制御装置に自動制御装置から伝送し、実載荷荷重をリアルタイムに自動調整して設計載荷荷重と一致させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ニューマチックケーソン内の高気圧に保たれる高気圧作業室で行われる地耐力試験に用いる地耐力試験装置の遠隔自動操作を、大気圧下にある遠隔操作室から遂行しうる遠隔自動操作方法とその装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば長大橋梁の基礎構造物等の大型重量構造物を地中に築造する際、ニューマチックケーソン工法を用いることにより、ニューマチックケーソンの底部のスラブとその周囲の刃口とで区画した高気圧作業空間に露出する支持地盤の地耐力を確認するため、地耐力試験装置による計測を複数地点で行いながら工法を進める。地耐力試験装置は地盤に当接する載荷板と、載荷板を介して地盤に可変荷重を掛ける流体圧ジャッキと、載荷板の変位を計測する変位計と、流体圧ジャッキ上端とスラブの天井面との間に配置して荷重の反力を受ける支柱パイプとを含んでなる。地耐力試験は、地盤の所定地点に設置した載荷板の上に各部品を順次鉛直に載置して固定し、流体圧ジャッキを操作して所定小荷重による変位の原点の設定から例えば地盤の予想降伏点を越える時点まで荷重を反復して増加することにより行われる。これらの煩雑な作業は、地盤を安定に維持するため高気圧に保たれた高気圧作業空間内において、法定の呼吸装置をつけた所定人数の作業員により所定の短時間内に迅速に行われねばならない。
【0003】
一方、高気圧作業空間において地盤を掘削する掘削機は既に無人化され、大気圧下の遠隔操作室から、スラブの天井面に施設した走行レールに沿って遠隔操作されている。そこで上記のように制約された条件下で行う煩雑な地耐力試験の作業の一部を、掘削機を介して遠隔操作するようにして、人力による作業の削減を図った地耐力試験方法と装置が提案されている(特許文献1参照)。提案によれば、上記構成の地耐力試験装置の流体圧ジャッキとスラブの間に配置する支柱パイプに支柱パイプを上下動させる持上げ治具と支柱パイプ周囲を回動する支持腕を設け、掘削機の掘削バイト先端に支柱パイプの持上げ治具を取付け、支柱パイプを上下動させかつ回転させて上端部を走行レールに乗せて移動させたり、所定位置で天井面に当接固定させたりするように構成し、これら作業を小人数の作業員で迅速に行えるようにする。
【0004】
また、上記構成の地耐力試験装置において、載荷板と流体圧ジャッキと変位計とを一体化して載荷計測ユニットとすることにより、これら要素の設置と移動を簡便かつ迅速に行えるようにすると共に、上記の支柱パイプの上下動と走行レールに沿う移動作業を、掘削機を介して地上から遠隔操作可能とすると共に、流体圧ジャッキも遠隔操作可能なものとし、変位計の出力信号を地上で読取り計測可能なものとする提案もある(特許文献2参照)。
【特許文献1】特開平9−221762号公報
【特許文献2】特開平9−243479号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これら特許文献は、しかし、地耐力試験装置の試験位置における設置工程をある程度簡略化して高気圧作業室での人員の作業時間を短縮することと、試験地盤の変位量を地上で読取って流体圧ジャッキによる載荷板への載荷荷重の調整制御を地上から遠隔操作することを示すが、変位量や圧力の読取りと調整制御はあくまで人為的に行われるものであり、所定の、あるいは予測される変位量との関係において現行の実載荷荷重を自動的に地上において読取り、所望の設計載荷荷重を実現するために必要な指令を自動的に行うに至っていない。
【0006】
したがって本発明が目的とするのは、上記の課題を解決し、ニューマチックケーソン内の高気圧作業室で掘削地盤に対して行う地耐力試験を、地耐力試験装置の計測試験地点への設置から地盤に対する実載荷荷重を設計載荷荷重に一致させて試験を終了するまでの全工程を含めて、地上の大気圧遠隔操作室から遠隔自動操作によって遂行可能とする、地耐力試験装置の遠隔自動操作方法と装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本発明による地耐力試験装置の遠隔自動操作方法は、ニューマチックケーソンの作業室内に地耐力試験装置を設置して行う地耐力試験方法において、予め得た地盤情報に基づいて、地耐力試験において用いる設計載荷荷重と載荷時間を決定し、決定した設計載荷荷重と載荷時間を数値で入出力操作装置に入力し、入出力操作装置は設計載荷荷重と載荷時間の入力数値を自動制御装置に入力し、自動制御装置は入力された設計載荷荷重を指令として圧力制御装置に伝送し、圧力制御装置は指令に従う圧力を地耐力試験装置のジャッキに負荷し、ジャッキは負荷された圧力により地盤を押圧し、ジャッキに連接した荷重計は地盤の反力を感知し、感知された反力は自動制御装置に伝送され、荷重計で得られた反力は実載荷荷重として自動制御装置に伝送され、自動制御装置は現在の実載荷荷重を設計載荷荷重に一致させるため実載荷荷重と設計載荷荷重との差を圧力制御装置に指令し、圧力制御装置は指令された差の値に応じて実載荷荷重を増減して設計載荷荷重に一致する圧力を所定時間の間ジャッキに負荷させる各工程よりなることを特徴とする。
また、本発明による地耐力試験装置の遠隔自動操作装置は、ニューマチックケーソンの作業室内に設置される地耐力試験装置を所定の手順に従って遠隔自動操作する地耐力試験装置の遠隔自動操作装置において、自動制御装置と、設計載荷荷重と載荷時間が入力され、入力された設計載荷荷重と載荷時間を自動制御装置に入力させ、自動制御装置から出力される荷重情報を出力表示する入出力操作装置と、自動制御装置の指令によりジャッキを操作して地盤に載荷する圧力制御装置と、ジャッキに連接して地盤の反力を感知する荷重計とよりなること、更に、自動制御装置は、荷重情報と時間情報を入出力し、所定の手順に従って圧力制御装置に指令して自動的に制御を行うとともに、荷重計が感知した地盤反力を実載荷荷重として受信する機能を有し、現在の実載荷荷重と設計載荷荷重との差を圧力制御装置に指令し、指令された差の値に応じて圧力制御装置に設計載荷荷重と一致する圧力を負荷させ、設計載荷荷重と一致する荷重を所定時間の間ジャッキに載荷させる機能を有すること、を特徴とする。
上記の本発明による地耐力試験装置の遠隔自動操作装置は、更に、ジャッキに負荷された圧力値を感知する圧力センサーと、測定器を介して変位量と実載荷荷重とを大気圧側においてリアルタイムに表示するパソコンを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ニューマチックケーソンの大気圧側の遠隔自動操作装置に制御装置を設け、高気圧作業室側の地耐力試験装置における載荷試験用の載荷荷重のためのジャッキを操作する出力指令値を圧力制御装置に自動制御装置から伝送し、実載荷荷重をリアルタイムに自動調整して設計載荷荷重と一致させ得る。従って地耐力試験の荷重誤差が極めて小さくなり、高精度の地耐力試験を実現し得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、添付の図面に示す本発明の一実施例について詳述する。
【実施例1】
【0010】
図1に、本発明が用いる地耐力試験装置Hの、ニューマチックケーソンAと遠隔自動操作装置20との関係における配置を略図的に示す。図において、ニューマチックケーソンAは、遠隔自動操作装置20を含む遠隔操作室Jが配置される地表から掘り下げて埋設された位置にあり、そのケーソン躯体Bの下部には、下端を閉じる作業室スラブCとその周囲において下方に突き出す刃口Eとによって区画される作業室Dが設けられる。この作業室DはそれぞれシャフトMによって地表に位置するマテリアルロックKとマンロックLに接続され、作業室Dの内部は図示しない装置により地盤安定化のための高気圧に圧気した状態に保たれる。作業スラブCの作業室D側の天井には、ケーソン掘削機Fを取り付けて走行させるための走行レールGが施設され、台車を介してケーソン掘削機Fが走行レールGに懸架されて遠隔操作室Jから遠隔操作される。通常の掘削作業の際には掘削バケットを取り付ける掘削バケット駆動用油圧ジャッキの先端に、連結部材を介して地耐力試験装置Hを連結し、地耐力試験装置Hは地盤Iの掘削面と作業スラブCの天井面との間に設置され、ケーソン掘削機Fを介して地上の遠隔操作室Jから遠隔操作される。遠隔操作は、一部を後述のように手動とするが、総じて自動的に行われる。
【0011】
図2はケーソン掘削機Fとの関係における本発明の地耐力試験装置Hの配置を示し、ケーソン掘削機Fは台車24を介して走行レールGに沿って走行自在に取り付けられ、掘削バケット駆動用油圧ジャッキ22に結合した連結部材23によってケーソン掘削機Fと連結した地耐力試験装置Hは、地耐力試験を施行する地点において地盤Iに面する載荷板6を介して地盤Iと、これに対向する位置の作業室スラブCの天井面との間にほぼ鉛直に固定して設置される。掘削バケット駆動用油圧ジャッキ22は、ケーソン掘削機Fが備えて遠隔操作室Jから遠隔操作される油圧ユニット1と方向制御弁2により駆動される。つまり、ケーソン掘削機Fの掘削駆動用の油圧ユニット1と方向制御弁2は、地耐力試験装置Hの操作にも利用される。
【0012】
地耐力試験装置Hは、上端を作業室スラブCの天井面に当接して直立する支柱21と、支柱21の下端に接する荷重計3と、荷重計3と載荷板6との間に挿入した油圧ジャッキ4と、前記のように地盤Iに面して油圧ジャッキ4からの載荷荷重を受ける載荷板6と、油圧ジャッキ4の両側において載荷板6上に直立させた2対の変位計5(図では1対)とでなる。油圧ジャッキ4は油圧ユニット1と方向制御弁2によって遠隔操作室Jから操作され、載荷板6に所定の載荷荷重を与えると共に、与えた載荷荷重は荷重計3によって計測される。望ましくは、地耐力試験装置Hは更に当該装置全体の傾斜を監視する傾斜計7を備える。
【0013】
図3は本発明による地耐力試験装置Hにおける各計測機器の構成ないし系統を示す。図において、後述するように地上の遠隔操作室Jに備える入出力操作装置19が、地耐力試験装置Hの荷重計3、変位計5、傾斜計7、更には油圧ジャッキ4に加えられる圧力を計測する後述の圧力センサー9に接続され、各計測値を画面上に表示する。これら表示された計測値は入出力操作装置19に保存ならびに記録可能である。
【0014】
図4は本発明による地耐力試験のフローチャートであり、図に沿って説明する。
<S1> 最初に、掘削地盤について予め得た情報に基づいて予測される設計載荷荷重とその載荷時間の数値を遠隔操作室Jにおいて作業員が入出力操作装置19に入力する。
<S2> ケーソン掘削機Fを遠隔操作して地耐力試験装置Hを掘削地盤Iの所定位置に移動させ、設置する。
<S3> 地耐力試験としての載荷試験の初期載荷を自動で行う。
<S4> 変位計5の初期化設定を遠隔操作室Jから後述のパソコン18で行う。
<S5> 次に、載荷試験の自動又は調整による操作の選択を行う。自動操作を選択の場合は入出力操作装置19で自動操作を選択する。
<S6> 図6に1サイクル載荷試験として例示する4段階の荷重と時間になる様に設計載荷荷重と載荷時間を入力して1サイクル載荷試験を自動で行う。
<S7> 1サイクル載荷試験を終了する。
<S8> 2サイクル載荷試験を行わない場合は、入出力操作装置19で自動操作終了を選択し、
<S11> 地耐力試験装置Hを移動、撤去して試験を終了する。
<S8> 次に、2サイクル載荷試験を行う場合は
<S9> 図6に2サイクル載荷試験として例示する、1サイクル載荷試験の最大荷重から8段階の荷重と時間になる様に設計載荷荷重と載荷時間を入力して2サイクル載荷試験を自動で行う。
<S10> 2サイクル載荷試験を終了する。
<S11> 地耐力試験装置Hを移動、撤去して載荷試験を終了する。
<S5> 次に、載荷試験の調整操作を選択の場合は、入出力操作装置19の調整操作を選択する。
<S12> 任意設定の載荷荷重と載荷時間の数値を入出力操作装置19に入力する。
<S13> 入力した任意の設定条件に従って載荷試験を実施する。
<S14> 載荷試験を終了する場合は
<S5> 入出力操作装置19で調整操作終了を選択し、
<S11> 地耐力試験装置Hを移動、撤去して試験を終了する。
<S14> 載荷試験を終了しない場合は
<S5> 入出力操作装置19の自動又は調整操作の選択に戻り、いずれかを選択して、フローチャートに基づき地耐力試験を実施する。
【0015】
図5は、本発明による地耐力試験装置Hとその遠隔自動操作装置20の全体の構成を示すブロック回路図である。図示の構成の地耐力試験装置Hで地盤に載荷荷重を与えることにより行われる地耐力試験は、以下のようにして施行される。
【0016】
先ず、ニューマチックケーソン工法による掘削作業現場の地盤Iについて、前以って得た情報に基づいて予想される地耐力に対応する設計載荷荷重と載荷時間との数値が、大気圧側の遠隔操作室Jに設置した遠隔自動操作装置20が備える入出力操作装置19に、作業員により入力される。入力された数値は装置20内、つまり大気圧側制御装置14に送られ、高気圧側の地耐力試験装置H内の圧力制御弁のような圧力制御装置11に、載荷荷重の指令として伝送され、指令に応じて圧力制御装置11から地耐力試験装置Hの油圧ジャッキ4に油圧が負荷される。負荷された油圧によって油圧ジャッキ4は載荷板6を地盤Iに押し付け、地盤Iからの反力が荷重として荷重計3により計測され、高気圧側制御装置10と大気圧側制御装置14とに伝送される。また、油圧ジャッキ4に負荷された油圧の圧力値も、圧力センサー9を介して高気圧側と大気圧側の両制御装置10および14に伝送される。なお、これら制御装置10および14は統合して高気圧側または大気圧側のいずれか一方に設置した自動制御装置としても良い。また、圧力センサー9の出力は、図3にあるように制御装置10および14を経由するが表示のためのみである。つまり、圧力センサー自体は油温の変動等による感知誤差が大きいため、圧力センサー9の出力は参照ないし確認に用いるのみで、制御には用いない。従って油圧参照が不要であれば圧力センサー9は省略しても良い。
【0017】
次いで、大気圧側制御装置14は現在負荷されている圧力値を実載荷荷重として、これを設計載荷荷重と一致させるために、実載荷荷重と設計載荷荷重との差を圧力制御装置11に指令し、指令を受けた圧力制御装置11は差に相当する油圧を所定時間に亘り油圧ジャッキ4に負荷させる。
【0018】
実載荷荷重と設計載荷荷重との一致が見られるまで、上記の指令伝送を繰り返すことによって載荷荷重の誤差の少ない地耐力試験を実行することが可能となる。また、実載荷荷重を大気圧側制御装置14から、測定器17を介してパソコン18に入力すれば、地耐力試験の経過を確認し、保存することができる。更に、油圧ジャッキ4に負荷された油圧の圧力値と、実載荷荷重と、そして設計載荷荷重とが、大気圧側制御装置14からリアルタイムに入出力操作装置19に出力表示されるので作業員は遠隔操作室J内において地耐力試験の内容を容易に確認できる。
【0019】
次に、地耐力試験における載荷板の変位量は地耐力試験装置Hが備える4台の変位計5で感知され、遠隔操作室Jの測定器17を介してパソコン18に入力され、確認と保存に用いられる。また、地耐力試験装置Hが備える傾斜計7によって、装置全体の傾斜が測定され、高気圧側と大気圧側の両制御装置10および14に伝送され、数値が遠隔操作室Jの入出力操作装置19にリアルタイムに出力表示され、容易に確認することができる。
【0020】
なお、上記実施例の説明において地耐力試験装置の駆動あるいは移動と載荷板への載荷荷重の発生用として油圧ユニット1、油圧ジャッキ4、掘削バケット駆動用油圧ジャッキ22を記載したが、これらの圧力源は油圧に限定されることなく、空気圧、水圧を含む流体圧の何れであっても良く、また、電動機による電動型とすることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明に用いる地耐力試験装置とニューマチックケーソンとの関係における本発明による遠隔自動操作装置の配置図。
【図2】本発明に用いる地耐力試験装置のケーソン掘削機との関係における配置図。
【図3】本発明に用いる地耐力試験装置における各種計測機器の系統図。
【図4】本発明による地耐力試験のフローチャート。
【図5】本発明による地耐力試験装置とその遠隔自動操作装置の全体構成図。
【図6】本発明による地耐力試験に含まれるサイクル載荷試験の時間−荷重強さ曲線図。
【符号の説明】
【0022】
A ニューマチックケーソン
B ケーソン躯体
C 作業室スラブ
D 作業室
E 刃口
F ケーソン掘削機
G 走行レール
H 地耐力試験装置
I 地盤
J 遠隔操作室
K マテリアルロック
L マンロック
M シャフト
1 油圧ユニット
2 方向制御弁
3 荷重計
4 油圧ジャッキ
5 変位計
6 載荷板
7 傾斜計
9 圧力センサー
10 高気圧側制御装置(自動制御装置)
11 圧力制御装置
14 大気圧側制御装置(自動制御装置)
17 測定器
18 パソコン
19 入出力操作装置
20 遠隔自動操作装置
21 支柱
22 掘削バケット駆動用油圧ジャッキ
23 連結部材
24 台車


【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニューマチックケーソンの作業室内に地耐力試験装置を設置して行う地耐力試験方法において、
予め得た地盤情報に基づいて、地耐力試験において用いる設計載荷荷重と載荷時間を決定し、
決定した設計載荷荷重と載荷時間を数値で入出力操作装置に入力し、
入出力操作装置は設計載荷荷重と載荷時間の入力数値を自動制御装置に入力し、
自動制御装置は入力された設計載荷荷重を指令として圧力制御装置に伝送し、
圧力制御装置は指令に従う圧力を地耐力試験装置のジャッキに負荷し、
ジャッキは負荷された圧力により地盤を押圧し、
ジャッキに連接した荷重計は地盤の反力を感知し、
感知された反力は自動制御装置に伝送され、
荷重計で得られた反力は実載荷荷重として自動制御装置に伝送され、
自動制御装置は現在の実載荷荷重を設計載荷荷重に一致させるため実載荷荷重と設計載荷荷重との差を圧力制御装置に指令し、
圧力制御装置は指令された差の値に応じて実載荷荷重を増減して設計載荷荷重に一致する圧力を所定時間の間ジャッキに負荷させる
各工程よりなることを特徴とする地耐力試験装置の遠隔自動操作方法。
【請求項2】
ニューマチックケーソンの作業室内に設置される地耐力試験装置を所定の手順に従って遠隔自動操作する地耐力試験装置の遠隔自動操作装置において、
自動制御装置と、
設計載荷荷重と載荷時間が入力され、入力された設計載荷荷重と載荷時間を自動制御装置に入力させ、自動制御装置から出力される荷重情報を出力表示する入出力操作装置と、
自動制御装置の指令によりジャッキを操作して地盤に載荷する圧力制御装置と、
ジャッキに連接して地盤の反力を感知する荷重計とよりなること、更に、
自動制御装置は、荷重情報と時間情報を入出力し、所定の手順に従って圧力制御装置に指令して自動的に制御を行うとともに、荷重計が感知した地盤反力を実載荷荷重として受信する機能を有し、現在の実載荷荷重と設計載荷荷重との差を圧力制御装置に指令し、指令された差の値に応じて圧力制御装置に設計載荷荷重と一致する圧力を負荷させ、設計載荷荷重と一致する荷重を所定時間の間ジャッキに載荷させる機能を有すること、
を特徴とする地耐力試験装置の遠隔自動操作装置。
【請求項3】
ジャッキに負荷された圧力値を感知する圧力センサーと、測定器を介して変位量と実載荷荷重とを大気圧側においてリアルタイムに表示するパソコンを更に備える、請求項2に記載の遠隔自動操作装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−150757(P2010−150757A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−327470(P2008−327470)
【出願日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(000207780)大豊建設株式会社 (77)