説明

地表通信装置、及び掘削ストリング遠隔測定に使用する方法

ダウンホール装具と地面上のプロセッサ・サブシステムとの間において、双方向通信を行うシステムであって、掘削パイプのストリングの少なくとも上部部分を備え、ダウンホール装具と掘削パイプのストリングの上部との間における双方向通信リンクの少なくとも一部分を形成する、ワイヤード掘削パイプの部分と、最も上のワイヤード掘削パイプに機械的に結合可能な掘削ストリングの駆動ストリング部分と、掘削ストリングを回転させるために、前記駆動ストリング部分に機械的に結合可能な駆動機構と、掘削ストリングと関連して回転するために、掘削ストリングの駆動ストリング部分に取り付けられた、第1の無線式のトランシーバー・サブシステムと、最も上のワイヤード掘削パイプの上部ジョイントと第1のトランシーバー・サブシステムとの間に電気的に接続されたケーブルと、アップホール・プロセッサ・サブシステムに結合された第2の無線式のトランシーバー・サブシステムであって、第1の無線式のトランシーバー・サブシステムと双方向的に通信するような第2の無線式のトランシーバー・サブシステムと、を備えているシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、掘削及び炭化水素の井戸の作成の分野、及び、ダウンホール形成特性の測定、及び、ダウンホールと地表設備との間の測定値及び制御情報についての双方向通信のための掘削ストリング遠隔測定、及び、掘削ストリング遠隔測定装置と地表プロセッサとの間における双方向通信のための地表通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
掘削中測定(MWD)及び掘削中ロギング(LWD)の出現、並びに方向性掘削などの、特殊な掘削工程の地表制御の発達は、掘削及び炭化水素の井戸の作成の技術分野における重要な進歩である。これらの工程は、地表とダウンホール測定及び掘削設備との間に、両方向の通信を必要とする。現在のところ、泥パルス遠隔測定は、掘削中に、ダウンホール設備と地表との間における通信において、広範囲に商業的に使用されている唯一の技術である。[特に別言しない限り、「掘削中」等の用語は、掘削、休止、及び/又はトリッピングを含む、全体的な掘削作業の一部分として、掘削ストリングがボア孔の中に、または、部分的にボア孔の中にあることを意味する意図であり、掘削ビットは必ずしも回転していなくても良い。]。泥パルス遠隔測定においては、データは、掘削部分における圧力パルスとして伝達される。しかしながら、泥パルス遠隔測定には、比較的遅い通信、低いデータ速度、及び限界信頼性を含む、制限があることが良く知られている。現在の泥パルス技術は、1秒間あたりわずかに約12ビットだけのMWD/LWDのデータを送ることができる。多くの場合に、この速度は、LWDツールストリングによって集められたすべてのデータを送るために不十分であり、または、所望のツールストリングの構成を限定する。また、泥パルス技術は、拡張した範囲のボア孔においては、良く働かない。方向性掘削及びツール機能などの工程を制御するため、泥ポンプ流れの調整によって、アップホールからダウンホールへ伝えられる信号も遅く、極めて低い情報速度を有している。また、例えば、釣合下にある掘削使用ガス、又は発泡掘削流体など、ある種の状況の下では、現在の泥パルス遠隔測定は機能しない。
【0003】
より速くて、高いデータ速度を有し、特定のタイプの掘削流体の存在を必要としないような、泥パルス遠隔測定に代わる手段を開発しようとして、長年にわたって、様々な試みがなされてきた。例えば、掘削ストリングを通して音波を伝達するような、音響遠隔測定が提案されている。データ速度は、泥パルス遠隔測定に比べて、約1オーダー高い大きさに見積もられるが、依然として制限があり、雑音が問題である。音響遠隔測定は、まだ、商業的に利用可能になっていない。別の例は、地球を通した電磁遠隔測定である。この技術は、ボア孔を取り囲む地質の、特に抵抗率の特性に依存した、限られた範囲をもつと考えられ、また、限られたデータ速度を有する。
【0004】
信号を運ぶために、掘削パイプ内にワイヤを配置することは、長い間、提案されてきた。ワイヤード掘削ストリングに関するいくつかの初期のアプローチは、米国特許第4,126,848号、米国特許第3,957,118号、及び米国特許第3,807,502号、および、刊行物、The Oil and Gas Journal(1978年4月3日、第115頁〜第124頁)の、W. J. McDonaldによる「MWDに使用される4つの異なるシステム("Four Different Systems Used for MWD")」に開示されている。
【0005】
また、パイプジョイントなどに、誘導結合器を使用するアイデアも提案されている。掘削ストリングに誘導結合器を用いることは、米国特許第4,605,268号、1997年12月18日に出願されたロシア連邦公開特許公報第2140527号、1992年2月14日に出願されたロシア連邦公開特許公報第2040691号、及び国際特許公報第90/14497A2号に開示されている。また、米国特許第5,052,941号、米国特許第4,806,928号、米国特許第4,901,069号、米国特許第5,531,592号、米国特許第5,278,550号、及び米国特許第5,971,072号も参照されたい。
【0006】
米国特許第6,641,434号が開示しているワイヤード掘削パイプのジョイントは、ワイヤード掘削パイプの分野における著しい進歩であって、地表のステーションとボア孔内の位置との間において、双方向に、高いデータ速度にて、測定データを確実に伝達する。’434号特許は、低損失のワイヤードパイプのジョイントを開示していて、導電層が、それぞれの誘導結合器における抵抗損失及び磁束損失を減少させることで、掘削ストリングの全長にわたる、信号エネルギーの損失を減少させる。ワイヤードパイプのジョイントは、導電層に設けた隙間が存在したまま動作するので頑丈である。掘削ストリング遠隔測定の分野における当業者及びその他の進歩した性能列席者は、範囲、速度、及びデータ速度が従前にはシステムの性能を制限していた従来技術の短所について、革新の機会を提供する。
【0007】
ワイヤード掘削パイプのシステムが使用されるときには、最も上のワイヤード掘削パイプと地表のプロセッサとの間に通信リンクを有することが必要である(地表のプロセッサは、なかんずく、代表的に以下の機能の1又は複数を実行する。すなわち、データの受信及び/又は送信、情報のロギング、及び/又は、ダウンホールと地表の設備への及び/又はこれらからの情報の制御、計算及び分析の実行、及びオペレータ及び遠隔位置との通信、である。)。様々なアプローチが示唆されており、それらのいくつかは、米国特許第7,040,415号に要約されており、スリップリング装置の使用と、誘導又はいわゆる変圧作用に基づいた回転電気結合の使用とを含んでいる。スリップリング(ブラシ接触面としても知られている)は、周知の電気コネクタであって、静止したワイヤから回転装置に電流又は信号を運ぶようにデザインされている。それは、代表的に、非回転要素に支持された、静止したグラファイト又は金属製の接点(ブラシ)が、(例えば、ケリージョイントの上部部分に支持された)回転金属リングの外径にこすり合わせられる。金属リングが回転すると、電流又は信号は、静止ブラシを通して金属リングに導通して、接続を形成する。
【0008】
誘電(変圧作用)に基づいた回転電気結合は、回転変圧器として知られており、回転回路と静止回路との間の導通に基づいたスリップリング及び接触ブラシに対する代替手段を提供し、直接接触を必要としない。変圧器の巻線は、静止コイルと回転コイルとを構成し、これらの両方は回転軸線と同軸的になっている。いずれかのコイルが一次巻線として働き、他方は二次巻線として働く。
【0009】
【特許文献1】米国特許第4,126,848号
【特許文献2】米国特許第3,957,118号
【特許文献3】米国特許第3,807,502号
【特許文献4】米国特許第4,605,268号
【特許文献5】ロシア連邦公開特許公報第2140527号
【特許文献6】ロシア連邦公開特許公報第2040691号
【特許文献7】国際特許公報第90/14497A2号
【特許文献8】米国特許第5,052,941号
【特許文献9】米国特許第4,806,928号
【特許文献10】米国特許第4,901,069号
【特許文献11】米国特許第5,531,592号
【特許文献12】米国特許第5,278,550号
【特許文献13】米国特許第5,971,072号
【特許文献14】米国特許第6,641,434号
【特許文献15】米国特許第7,040,415号
【非特許文献1】"Four Different Systems Used for MWD," W. J. McDonald, The Oil and Gas Journal, pages 115-124, April 3, 1978.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
これらのタイプのアプローチによる地表との通信には、複雑な電気機械構造の使用に付随するある種の制限及び欠点があり、本発明の目的は、効率及び信頼性が改善された、最も上にあるワイヤード掘削パイプと地表プロセッサとの間における、信号の双方向通信のためのシステムを提供することである。
【0011】
さらに別の観点において、本願に述べられる掘削及び測定の技術は、井戸の現場における安全性、及び、パワーを運ぶワイヤを使用しない、危険地域として分類される位置における回転組立体の駆動の問題に関連している。既存の技術には、ある種の制限がある。例えば、移動する掘削流体によって駆動される泥タービンは、比較的複雑で、製作及び維持が高価である。普通のバッテリーを使用することは、バッテリーの交換のために掘削作業を中断しなければならない場合には、不都合である。従って、本発明のさらに別の目的は、回転する掘削ストリングに関連して、安全で、効率的な、信頼できる電力源を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
無線式の地表との通信が、掘削ストリングの遠隔測定システムと、地表のプロセッサとの間の通信のために使用できることは認識されている(例えば、米国特許第7,040,415号参照。)。しかしながら、これを有利に達成できる方法は、これまでに認識されていない。
【0013】
本発明のひとつの形態は、地面にボア孔を掘削する作業に使用するための、掘削リグと、その略上端が掘削リグに機械的に結合可能であり、掘削リグから吊下可能であるような掘削ストリングと、掘削ストリング上のダウンホール装具とを備えている。システムは、ダウンホール装具と地面上のプロセッサ・サブシステムとの間にて双方向通信するものであり、ワイヤード掘削パイプの部分であって、少なくとも掘削パイプのストリングにおける上部部分を備え、ダウンホール装具と掘削パイプのストリングの上部との間における双方向通信の少なくとも一部分を形成しているような上記ワイヤード掘削パイプの部分と、最も上のワイヤード掘削パイプに機械的に結合可能であるような、掘削ストリングの駆動ストリング部分と、掘削ストリングを回転させるために、駆動ストリング部分に機械的に結合可能であるような駆動機構と、掘削ストリングと関連して回転するために、掘削ストリングにおける駆動ストリング部分に取り付けられた、第1の無線式のトランシーバー・サブシステムと、最も上のワイヤード掘削パイプの上部ジョイントと、第1のトランシーバー・サブシステムとの間に、電気的に接続されたケーブルと、アップホールのプロセッサ・サブシステムに結合された、第2の無線式のトランシーバー・サブシステムであって、第1の無線式のトランシーバー・サブシステムと双方向に通信するような、第2の無線式のトランシーバー・サブシステムと、を備えていることを特徴とする。[本願において、掘削ストリングにおける「駆動ストリング」の部分は、掘削ストリングにおける最も上の掘削パイプの上に結合された、すべてのサブ、ケリー、上部装置などから構成される。図示の実施形態においては、最も上の掘削パイプは、掘削ストリングにおける最も上のワイヤード掘削パイプである。]。
【0014】
いくつかの状況においては、単一のワイヤが使用されるけれども、本発明の好ましい実施形態においては、ケーブルは、ワイヤペアなど、複数のワイヤを備える。この実施形態の形態においては、ワイヤード掘削パイプの部分は、それぞれのパイプのジョイントに誘導結合器を有し、ケーブルは、誘導結合器によって、前記最も上のワイヤード掘削パイプの上部ジョイントに電気的に接続される。また、本発明の好ましい実施形態においては、第1のトランシーバー・サブシステムは、第1のアンテナ・サブシステムを具備し、第2のトランシーバー・サブシステムは、第2のアンテナ・サブシステムを具備している。それぞれのアンテナ・サブシステムは、複数のアンテナを備えている。アンテナは、駆動ストリングに対して異なる方位角の位置にある。
【0015】
本発明のひとつの実施形態においては、掘削ストリングにおける駆動ストリング部分は、ケリーを備え、この実施形態の形態においては、掘削ストリングにおける駆動ストリング部分は、ケリーと最も上のワイヤード掘削パイプとの間に、セーバーサブをさらに備えている。本発明の他の実施形態においては、掘削ストリングにおける駆動ストリング部分は、上部駆動サブを備え、駆動機構は、上部駆動サブと係合する上部駆動装置を備えている。この実施形態の形態においては、掘削ストリングにおける駆動ストリング部分は、上部駆動サブと前記最も上のワイヤード掘削パイプとの間に、セーバーサブをさらに備えている。
【0016】
本発明の実施形態においては、第1のアンテナ・サブシステムにおけるアンテナと、第1の無線式のトランシーバー・サブシステムとは、掘削ストリングにおける駆動ストリング部分の実質的に同じ位置に取り付けられており、他の実施形態においては、第1のアンテナ・サブシステムにおけるアンテナと、第1の無線式のトランシーバー・サブシステムにおける少なくとも一部分とは、掘削ストリングにおける駆動ストリング部分のそれぞれ異なる位置に取り付けられている。
【0017】
本発明のさらに別の形態によれば、第1のトランシーバー・サブシステムで使用される電力を発電するための電気発電機をさらに備え、電気発電機は、掘削ストリングにおける駆動ストリング部分に取り付けられた回転発電要素と、掘削リグにおける静止部分に取り付けられた静止発電要素とを具備している。本発明のこの形態の実施形態においては、静止発電要素は、磁石のリングを備え、回転発電要素は、少なくともひとつのステーターコイルを備えている。回転発電要素と静止発電要素とは、近接して配置され、磁石のリングからの磁束が、少なくともひとつのステーターコイルに交差する。
【0018】
本発明のさらに別の特徴及び利点は、添付図面と関連させた、以下の詳細な説明から容易に明らかになるだろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図1は、本発明を採用できる井戸の現場のシステムを示している。井戸の現場は、オンショア又はオフショアである。この例示的なシステムにおいては、ボア孔11は、周知の回転掘削の方法で、地面下の地質に形成される。掘削は、代わりに、周知の泥モータに基づく方向性掘削でも良い。
【0020】
掘削ストリング12は、ボア孔11の内部に吊下され、下端に掘削ビット105を具備してなる孔底組立体100を有している。地表システムは、プラットホーム及びデリック組立体10を、ボア孔11の上方に配置されて具備し、組立体10は、回転テーブル16と、ケリー17と、フック18と、回転スイベル19とを具備している。掘削ストリング12は、不図示の手段によって駆動される、回転テーブル16によって回転され、掘削ストリングの上端にて、ケリー17に係合している。掘削ストリング12は、フック18から吊下され、フックは移動ブロック(図示せず)に取り付けられ、ケリー17及び回転スイベル19を介して、フックに対する掘削ストリングの回転を許容する。周知のように、上部駆動システムを代わりに使用しても良い。
【0021】
この実施形態の例においては、地表システムはさらに、井戸の現場に形成されたピット27内に格納された、掘削流体又は泥26を具備している。ポンプ29は、スイベル19のポートを介して、掘削ストリング12の内部に掘削流体26を送り届け、掘削流体を、矢印8の方向に示すように、掘削ストリング12を通して下向きに流れさせる。掘削流体は、掘削ビット105に設けたポートを介して、掘削ストリング12から排出され、次に、掘削ストリングの外側とボア孔の壁との間の環状の領域を通して、矢印9の方向に示すように上向きに循環する。この周知のやり方において、掘削流体は、掘削ビット105を潤滑し、再循環のためにピット27に戻されるとき、切断された地質を地表へと運ぶ。
【0022】
当業者に知られているように、データを集めるために、井戸の現場の付近にセンサが設けられ、好ましくは、リアルタイムに、井戸の現場の作業、及び井戸の現場の状態に関連したデータを集める。例えば、そうした表面センサは、とりわけ、給水塔圧、フック荷重、深さ、表面トルク、回転rpmなどのパラメータを測定するために提供される。
【0023】
図示の実施形態における孔底組立体100は、インターフェースサブ110と、掘削中ロギング(LWD)モジュール120と、掘削中測定(MWD)モジュール130と、方向性掘削のための回転操縦システム及びモータ150と、掘削ビット105とを具備している。
【0024】
LWDモジュール120は、当業者に知られているように、特別なタイプの掘削カラーに収容されており、1又は複数の公知のタイプのロギングツールを収容することができる(本願と同日に出願され、本願と同じ譲受人に譲渡された、上に参照した係属中の米国特許出願第________号[ファイル19.DST]をも参照されたい。)。LWDモジュールは、測定、処理、及び情報の格納の能力と、地表の設備との通信能力とを具備している。LWDモジュールは、例えば、地質の特性を測定する、1又は複数の以下のタイプのロギング装置を具備している。すなわち、抵抗測定装置、方向抵抗測定装置、音響測定装置、核測定装置、核磁気共鳴測定装置、圧力測定装置、地震測定装置、撮像装置、及び地質サンプリング装置である。
【0025】
また、MWDモジュール130も、当業者に知られているように、特別なタイプの掘削カラーに収容され、掘削ストリング及び掘削ビットの特性を測定するための1又は複数の装置を含むことができる。MWDツールはさらに、ダウンホールシステムへの電力を発生させるための装置(図示せず)を具備することができる。これは、代表的には、掘削流体の流れによって駆動される泥タービン発電機を具備するけれども、他のパワー及び/又はバッテリーシステムを採用しても良い。MWDモジュールは、例えば、1又は複数の以下のタイプの測定装置を具備する。すなわち、ビットの重さ測定装置、トルク測定装置、振動測定装置、衝撃測定装置、棒のスリップ測定装置、方向測定装置、及び傾斜測定装置である。
【0026】
図1のシステムにおいては、掘削ストリング遠隔測定システムが採用され、これは、図示の実施形態においては、誘導結合されたワイヤード掘削パイプ180のシステムを備え、地表サブ185から、孔底組立体におけるインターフェースサブ110まで延びている。掘削ストリングの長さを含む要因に応じて、符号182にて例示するように、ワイヤード掘削パイプにおけるストリングの間隔に、リレーサブ又はリピーターが設けられる。リレーサブは、センサを備え、本願と同日に出願され、本願と同じ譲受人に譲渡された、上に参照した係属中の米国特許出願第________号(ファイル19.0410/11)に、さらに開示されている。
【0027】
インターフェースサブ110は、LWD及びMWDモジュールの通信回路と、掘削ストリング遠隔測定システムとの間のインターフェースを提供し、この実施形態では、誘導結合器を備えたワイヤード掘削パイプから構成されている。インターフェースサブ110には、センサが設けられ、上に参照した係属中の米国特許出願第________号(ファイル19.0410/11)に、さらに開示されている。
【0028】
ワイヤード掘削ストリングの上部には、さらにインターフェースサブ185が設けられ、この場合には、地表サブとして働く。例えば、米国特許第7,040,415号に開示されているように、ワイヤード掘削パイプは、電子回路サブシステムに接続され、電子回路サブシステムは、ケリー17と共に回転し、トランシーバー及びアンテナを具備し、ロギング及び制御ユニット4のアンテナ及びトランシーバーと双方向に通信し、ロギング及び制御ユニットは、この実施形態においては、アップホール処理サブシステムを具現化している。この実施形態においては、インターフェースサブ185は、ワイヤードセーバーサブ(後述)を備え、トランシーバー30の電子回路はケリーに取り付けられ、または、後述するように、掘削ストリングにおけるその他の部分に取り付けられる。図1において、通信リンク175は、電子回路サブシステム30と、ロギング及び制御ユニット4のアンテナとの間に、模式的に図示される。従って、図1の構成は、ロギング及び制御ユニット4から、通信リンク175を介して、地表サブ185へ、ワイヤード掘削パイプ遠隔測定システムを介して、ダウンホールインターフェース110及び孔底組立体の要素への通信リンクを提供し、また、双方向動作のために、これらの逆を提供する。
【0029】
参照された係属中の米国特許出願第________号(ファイル19.0410/11)に開示されているように、井戸の現場にはひとつだけのロギング及び制御ユニット4を示しているけれども、1又は複数の井戸の現場を横切る1又は複数の地表ユニットを設けても良い。地表ユニットは、1又は複数の通信ラインを介して、有線式又は無線式の接続を用いて、1又は複数の地表インターフェースにリンクされる。地表インターフェースと地表システムとの間の通信トポロジーは、一点と一点、一点と多点、又は多点と一点である。ワイヤード接続は、任意のタイプのケーブル(任意のタイプのプロトコル(シリアル、イーサネット(登録商標)等)を用いるワイヤ)及び光ファイバーの使用を含む。無線技術は、任意の種類の標準的な無線通信技術であって、例えば、IEEE802.11の仕様、Bluetooth、zigbee、または、任意の非標準的なRF又は光学通信技術であって、任意の種類の変調方式、例えば、FM、AM、PM、FSK、QAM、DMT、OFDM等を、TDMA、FDMA、CDMA等の任意の種類のデータ多重化技術と組み合わせられる。
【0030】
図2は、図1の電子回路に使用できるタイプの無線式のトランシーバー・サブシステムの電子回路を示したブロック図である。また、米国特許第7,040,415号も参照されたい。最も上のワイヤード掘削パイプにおける上部ジョイントの誘導結合器からの及び誘導結合器への信号は、WDPモデムを用いて結合される。WDPモデム221は、無線式モデム231に接続されている。バッテリー250及び電源255は、モデムを駆動するために設けられる。より好ましい、他の電力発生手段については、以下に説明する。また、ロギング及び制御ユニットは、例えば、無線式モデムを備えたトランシーバーを有する。
【0031】
WDP地表モデムは、ワイヤード掘削パイプ遠隔測定システムを介して、ダウンホールツールにおける、1又は複数のモデム、リピーター、又はその他のインターフェースと通信するように適合している。好ましくは、モデムは2方向の通信を提供する。モデムは、他のモデム又はリピーター又はダウンホールツールに配置された別のサブと通信する。任意の種類のデジタル及びアナログの変調方式を使用することができ、例えば、2位相の、周波数偏移符号化(FSK)、直角位相偏移変調(QPSK)、直角振幅変調(QAM)、離散マルチトーン(DMT)などを使用できる。これらの方式は、時分割多重(TDM)、周波数分割多重(FDM)など、任意の種類のデータ多重化技術と組み合わせられる。モデムは、掘削パイプ診断及びダウンホールツール診断のための機能を具備しても良い。
【0032】
単一の地表プロセッサを図示しているけれども、ロギング/制御ユニット又はその他の形態の、有線式及び/又は無線式のトランシーバー結合を備えた、複数の地表プロセッサを様々な位置に提供できることが理解され、さらに、本願で述べる任意のモードの通信が利用され、データの圧縮及び/又は符号化が利用されることが理解される。それぞれのユニットは、それ自身のアンテナ、及び/又は、共有されるアンテナを有する。アンテナは、信号の強度及び品質を最大にするように、最適な位置に、最適な方位をもって提供される。衛星を介した通信を含む、遠隔位置への/からの通信も実行できる。
【0033】
図3は、本発明の実施形態を示していて、ケリー350と、最も上のワイヤード掘削パイプ181との間に、特別なセーバーサブ340が設けられている。セーバーサブ340は、その下端に誘導結合器341を有し、最も上のワイヤード掘削パイプにおける誘導結合器189と電気的に結合している。ケーブル315は、誘導結合器341に接続され、密封されたポートを通してセーバーサブ340から出て、ケリー350の外側を通って、トランシーバー・サブシステム330に至り、トランシーバー・サブシステムはアンテナ335を具備している。セーバーサブ340におけるケーブルの出口部分には、コネクタ346が提供される。ケリー350の外側に沿って通るケーブルは、ケリーに設けた溝内に密封され、例えば、エポキシ又はピーク材料によって保護される。トランシーバー・サブシステムの電子回路には、さらに別のコネクタが設けられる。ケーブル315には、少なくともワイヤのペアが設けられる。
【0034】
図4の実施形態においては、セーバーサブ440及びケリー450は、内部の電気ケーブルを有し、掘削ストリングは、ケリー450の上方に、特別な上部サブ470を具備し、無線式のトランシーバー・サブシステム430が取り付けられている。この実施形態の形態においては、セーバーサブ440とケリー450とのそれぞれは、両端に誘導結合器を有し、それぞれの端部間に渡る、符号441及び451にてそれぞれ示されたケーブル(再び、全体にわたり、好ましくは少なくともワイヤのペアを具備している。)を備えている。この及び他の実施形態においては、ジョイントには、代わりに、他のタイプの結合を用いることもできることを理解されたい。ケリー450の上方に取り付けられた、特別な上部サブ470は、掘削ストリングと共に回転する。この例においては、上部サブ470は、その下端に誘導結合器を有し、無線式のトランシーバー・サブシステム430と接続するための内部ケーブル471を有する。
【0035】
図3及び図4の実施形態の例においては、無線式のトランシーバー・サブシステムの電子回路と共に、関連するアンテナは、掘削ストリングにおける駆動ストリング部分のひとつの一般的な位置にあるが、電子回路の一部分又はすべては、接触する又は隔てられたアンテナを備え、複数の位置にあっても良いことを理解されたい。例えば、図5の実施形態においては、セーバーサブ440とケリー550との間に、特別な地表サブ590が採用されている。この例においては、セーバーサブ440は、両端の誘導結合器と、(図4に示すような)内部ワイヤとを有し、特別な地表サブ590は、その下端に誘導結合器を有し、符号591にて示される内部ワイヤを備え、電子回路530につながっている。この例においては、無線式のトランシーバー・サブシステムの電子回路530、または、その少なくとも一部分は、特別な地表サブ590の内部に取り付けられている。電子回路をサブの内部にパッケージする例は、本願と同日に出願され、本願と同じ譲受人に譲渡された、上に参照した米国特許出願第________号(ファイル19.0410/11)に示されている。本実施形態においては、アンテナ535(及び、望ましいならば、関連する電子回路の部分)は、ケリー550に取り付けられ、ケーブル531を介して、残りの電子回路530に接続され、ケーブルは、この実施形態においては、密封されたポート又はコネクタにて、特別なサブ590を出て、上述と同じやり方にて、ケリーに設けた溝内に支持される。望ましいならば、電子回路530とアンテナ/電子回路535との間における双方向のリンクは、デジタル化された信号を運ぶ。この実施形態においては、サブ590とケリー550の部分とは、少なくとも時々は泥のレベルの下にあるが、アンテナ/電子回路535は、泥のレベルの上にあることを理解されたい。図5は、ケリーと共に回転する複数のアンテナを示していて、理解されるように、回転する駆動ストリング上の方位角冗長アンテナは、無線リンクにおけるデッドスポット又は弱いスポットを最小化する。同じことは、他の実施形態にも適用可能である。また、無線式のトランシーバー・サブシステムにおける複数のアンテナも有利である。
【0036】
図6は、上部駆動装置605と関連して使用するための本発明の実施形態を示している。図6の例においては、最も上のワイヤード掘削パイプ181に結合されたセーバーサブ440は、両端に誘導結合器を有し、図4及び図5の実施形態と同様に、ケーブル441によって結合されている。上部駆動サブ690は、上部駆動装置605とセーバーサブ440との間に設けられ、この実施形態における無線式のトランシーバー・サブシステム630は、上部駆動サブ690に取り付けられている。また、この実施形態においては、上部駆動サブは、その下端に誘導結合器を有し、誘導結合器からサブシステム630へと延びた、内部ケーブル691を有している。しかしながら、図3の実施形態のように、外部ケーブルを使用したり、または、図5の実施形態のように、電子回路及び/又はアンテナを分割しても良いことを理解されたい。
【0037】
図7乃至図9は、本発明のひとつの形態による実施形態を示していて、安全で信頼できる電源が、井戸の現場の回転要素に設けられ、これを用いて、例えば、無線式のトランシーバー・サブシステム及び/又はその他の用途に電力を提供する。この実施形態においては、磁石リング710は、静止発電要素として動作し、例えば、ケリー又は上部駆動装置に隣接した取付部など、符号705にて示される、掘削リグにおける静止部分に取り付けられる。地表サブ720(例えば、図3乃至図6に示した地表サブのうちのひとつである。)は、ステーター725(図8及び図9)と、整流器726と、充電回路727と、充電式バッテリー728(図9)とを具備し、これらは、なかんずく、第1のトランシーバー・サブシステム30を駆動するために使用される。ステーター725は、1又は複数のステーターコイルを有し、磁石リングと環状に整列されてそれに近接し、ステーター725が掘削ストリングにおける駆動ストリング部分と共に回転すると、磁石リングからの磁束は、ステーター725の1又は複数のステーターコイルと交差する。この実施形態においては、磁石リングは、交互の磁極に配置された磁石を備えている。ステーターからの交流は、整流器726で整流され、その出力は直流となって、充電回路727に入力され、その出力は、充電式のバッテリー728を充電する。この実施形態においては、バッテリーは、第1の無線式のトランシーバー・サブシステム30を駆動し、また、例えば、測定及び/又は通信のための他の回路を駆動する。また、発電機及び/又は整流器の出力は、望ましいならば、設備における回路又はサブシステムを直接に駆動するために使用されることを理解されたい。
【0038】
本発明について、多数の特定の好ましい実施形態に関して説明したけれども、当業者は、本発明の精神及び範囲内において、変形を行うことが可能である。例えば、図3乃至図6は、様々な組合せによる、結合器、内部及び外部ケーブル、電子回路の部分の内部及び/又は外部の取付、セーバーサブ及び/又は特別な地表サブの使用などを示しているけれども、他の組合せも可能であり、特許請求の範囲に定められた範囲内に包含されることを理解されたい。また、ワイヤード掘削パイプサブシステムは、掘削ストリング遠隔測定サブシステムのひとつの好ましい実施形態であるけれども、他の形態による掘削ストリング遠隔測定、例えば、音響式の掘削ストリング遠隔測定を使用することもでき、この場合には、トランスデューサーサブシステムが掘削ストリング遠隔測定サブシステムの上部に設けられ、電気信号へ/から変換することを認識されたい。また、回転又は振動の動きを含む、掘削ストリングの動きを使用する他の技術も、掘削ストリングの領域にて電力を発電するために使用できることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の実施形態を採用できるシステムを、一部分を模式的に、一部分をブロック図にて示した模式図である。
【図2】地表の通信サブと地表のコンピュータとの間における双方向の無線式の通信のための既存の計画を、一部分をブロック図にて示した模式図である。
【図3】本発明の実施形態に従った、双方向の地表通信のサブシステムを、一部分をブロック図にて示した、模式的な断面図である。
【図4】本発明の実施形態に従った、双方向の地表通信のサブシステムを、一部分をブロック図にて示した、模式的な断面図である。
【図5】本発明の別の実施形態に従った、双方向の地表通信のサブシステムを、一部分をブロック図にて示した、模式的な断面図である。
【図6】本発明のさらに別の実施形態に従った、双方向の地表通信のサブシステムを、一部分をブロック図にて示した、模式的な断面図である。
【図7】本発明の実施形態に従った、電力発電サブシステムを示した模式図である。
【図8】本発明の実施形態に従った、図7の電力発電サブシステムを示した分解図である。
【図9】本発明の実施形態に従った、図7及び図8の電力発電サブシステムを、一部分をブロック図にて示した模式図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地面にボア孔を掘削する作業に使用するための、掘削リグと、その略上端が掘削リグに機械的に結合可能であり、掘削リグから吊下可能であるような掘削ストリングと、掘削ストリング上のダウンホール装具と、ダウンホール装具と地面上のプロセッサ・サブシステムとの間にて双方向通信するためのシステムとを備え、
ワイヤード掘削パイプの部分であって、少なくとも掘削パイプのストリングにおける上部部分を備え、ダウンホール装具と掘削パイプのストリングの上部との間における双方向通信の少なくとも一部分を形成しているような上記ワイヤード掘削パイプの部分と、
最も上のワイヤード掘削パイプに機械的に結合可能であるような、掘削ストリングの駆動ストリング部分と、
掘削ストリングを回転させるために、前記駆動ストリング部分に機械的に結合可能であるような駆動機構と、
掘削ストリングと関連して回転するために、掘削ストリングにおける前記駆動ストリング部分に取り付けられた、第1の無線式のトランシーバー・サブシステムと、
前記最も上のワイヤード掘削パイプの上部ジョイントと、前記第1のトランシーバー・サブシステムとの間に、電気的に接続されたケーブルと、
前記アップホールのプロセッサ・サブシステムに結合された、第2の無線式のトランシーバー・サブシステムであって、前記第1の無線式のトランシーバー・サブシステムと双方向に通信するような、前記第2の無線式のトランシーバー・サブシステムと、
を備えていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記ケーブルは、複数のワイヤを備えていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
ワイヤード掘削パイプにおける前記部分は、それぞれのパイプのジョイントに誘導結合器を有し、前記ケーブルは、誘導結合によって、前記最も上のワイヤード掘削パイプの上部ジョイントに電気的に接続されていることを特徴とする請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1のトランシーバー・サブシステムは、第1のアンテナ・サブシステムを具備し、前記第2のトランシーバー・サブシステムは、第2のアンテナ・サブシステムを具備していることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1のアンテナ・サブシステムは、複数のアンテナを備えていることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2のアンテナ・サブシステムは、複数のアンテナを備えていることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
掘削ストリングにおける前記駆動ストリング部分は、ケリーを備えていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
前記駆動機構は、前記ケリーと係合するケリーブッシングを備えてなる回転テーブルを備えていることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項9】
掘削ストリングにおける前記駆動ストリング部分は、上部駆動サブを備えていることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
前記駆動機構は、前記上部駆動サブに係合する上部駆動装置を備えていることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
掘削ストリングにおける前記駆動ストリング部分は、前記ケリーと前記最も上のワイヤード掘削パイプとの間に、セーバーサブをさらに備えていることを特徴とする請求項7に記載のシステム。
【請求項12】
掘削ストリングにおける前記駆動ストリング部分は、前記上部駆動サブと前記最も上のワイヤード掘削パイプとの間に、セーバーサブをさらに備えていることを特徴とする請求項9に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1のアンテナ・サブシステムにおけるアンテナと、前記第1の無線式のトランシーバー・サブシステムとは、掘削ストリングにおける前記駆動ストリング部分の実質的に同じ位置に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1のアンテナ・サブシステムにおけるアンテナと、前記第1の無線式のトランシーバー・サブシステムにおける少なくとも一部分とは、掘削ストリングにおける前記駆動ストリング部分のそれぞれ異なる位置に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1のアンテナ・サブシステムは、掘削ストリングにおける前記駆動ストリング部分上の異なる方位角の位置にある複数のアンテナを具備していることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項16】
前記第2のアンテナ・サブシステムは、複数の間隔を隔てられたアンテナを具備していることを特徴とする請求項4に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1のトランシーバー・サブシステムで使用される電力を発電するための電気発電機をさらに備え、前記電気発電機は、掘削ストリングにおける前記駆動ストリング部分に取り付けられた回転発電要素と、掘削リグにおける静止部分に取り付けられた静止発電要素とを具備していることを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記静止発電要素は、磁石のリングを備えていることを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記回転発電要素は、少なくともひとつのステーターコイルを備えていることを特徴とする請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記回転発電要素と静止発電要素とは、近接して配置され、前記磁石のリングからの磁束が、前記少なくともひとつのステーターコイルに交差することを特徴とする請求項19に記載のシステム。
【請求項21】
前記電気発電機によって充電される充電式のバッテリーをさらに備え、前記バッテリーは、前記第1のトランシーバー・サブシステムで使用される前記電力を保存することを特徴とする請求項17に記載のシステム。
【請求項22】
前記電気発電機によって充電される充電式のバッテリーをさらに備え、前記バッテリーは、前記第1のトランシーバー・サブシステムで使用される前記電力を保存することを特徴とする請求項20に記載のシステム。
【請求項23】
前記充電式のバッテリーは、掘削ストリングと関連して回転するために、前記第1のトランシーバー・サブシステムと関連して取り付けられていることを特徴とする請求項21に記載のシステム。
【請求項24】
地面にボア孔を掘削する作業に使用するための、掘削リグと、その略上端が掘削リグに機械的に結合可能であり、掘削リグから吊下可能であるような掘削パイプの掘削ストリングと、掘削ストリングの駆動ストリング部分であって、前記掘削ストリングの最も上の掘削パイプと機械的に結合可能なものと、駆動ストリング及び掘削ストリングを回転させるための前記掘削ストリングと機械的に結合可能な駆動機構とを備え、駆動ストリングの領域において電力を発生させるシステムであって、前記駆動ストリングと共に回転するようにそれに取り付けられてなる回転発電要素と、掘削リグの静止部分に取り付けられてなる静止発電要素とを具備している電気発電機を備え、前記回転発電要素は、前記駆動ストリングの領域において電力を発生させることを特徴とするシステム。
【請求項25】
前記静止発電要素は、磁石のリングを備えていることを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項26】
前記回転発電要素は、少なくともひとつのステーターコイルを備えていることを特徴とする請求項25に記載のシステム。
【請求項27】
前記回転発電要素と静止発電要素とは、近接して配置され、前記磁石のリングからの磁束が、前記少なくともひとつのステーターコイルに交差することを特徴とする請求項26に記載のシステム。
【請求項28】
前記電気発電機によって充電される充電式のバッテリーをさらに備え、前記掘削ストリングに取り付けられていることを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項29】
掘削ストリングのダウンホール装具とアップホール・プロセッサ・サブシステムとの間の通信リンクの少なくとも一部分を形成する掘削遠隔測定サブシステムをさらに備え、前記電気発電機からの前記電力は、前記通信リンクのための電力を提供するように適合していることを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項30】
掘削ストリングのダウンホール装具とアップホール・プロセッサ・サブシステムとの間の通信リンクの少なくとも一部分を形成する掘削遠隔測定サブシステムをさらに備え、前記電気発電機からの前記電力は、前記通信リンクのための電力を提供するように適合していることを特徴とする請求項27に記載のシステム。
【請求項31】
システムが、さらに、
ダウンホール装具と地面上のプロセッサ・サブシステムとの間における双方向通信のためのシステムであって、掘削パイプのストリングの少なくとも上部部分を備えてなるワイヤード掘削パイプの部分を備え、ダウンホール装具と掘削パイプのストリングの上部との間の双方向通信リンクの少なくとも一部分を形成するような上記システムと、掘削ストリングと関連して回転するように、掘削ストリングにおける前記駆動ストリング部分に取り付けられた、第1の無線式のトランシーバー・サブシステムであって、ワイヤード掘削パイプの前記部分に結合されている前記第1の無線式のトランシーバー・サブシステムと、前記アップホール・プロセッサ・サブシステムに接続された、第2の無線式のトランシーバー・サブシステムであって、前記第1の無線式のトランシーバー・サブシステムと双方向に通信する前記第2の無線式のトランシーバー・サブシステムと、を備え、
前記電気発電機からの前記電力は、前記第1のトランシーバー・サブシステムで使用するように適合している、
ことを特徴とする請求項24に記載のシステム。
【請求項32】
地面にボア孔を掘削する作業に使用するための、掘削リグと、その略上端が掘削リグに機械的に結合可能であり、掘削リグから吊下可能であるような掘削ストリングと、掘削ストリング上のダウンホール装具と、ダウンホール装具と地面上のプロセッサ・サブシステムとの間にて双方向通信するための方法であって、
掘削パイプのストリングの少なくとも上部部分を備え、ダウンホール装具と掘削パイプのストリングの上部との間において、双方向通信リンクの少なくとも一部分を形成するような、掘削ストリング遠隔測定システムを提供する段階と、
最も上の掘削パイプと機械的に結合可能であるような、掘削ストリングの駆動ストリング部分を提供する段階と、
掘削ストリングを回転させるために、前記駆動ストリング部分と機械的に結合可能であるような駆動機構を提供する段階と、
掘削ストリングと関連して回転するために、掘削ストリングにおける前記駆動ストリング部分に取り付けられた、第1の無線式のトランシーバー・サブシステムを提供する段階と、
前記最も上の掘削パイプの上部ジョイントにて、前記掘削ストリング遠隔測定システムと前記第1の無線式トランシーバー・サブシステムとの間に電気的に接続されるケーブルを提供する段階と、
前記アップホール・プロセッサ・サブシステムに接続された、第2の無線式のトランシーバー・サブシステムであって、前記第1の無線式のトランシーバー・サブシステムと双方向に通信するような、前記第2の無線式のトランシーバー・サブシステムを提供する段階と、
を備えていることを特徴とする方法。
【請求項33】
掘削ストリングの略上部に、掘削作業に関連したパラメータを測定するためのセンサを提供する段階をさらに備え、前記センサからの信号は前記ケーブルに結合されることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記センサを提供する前記段階は、温度センサ、圧力センサ、泥流センサ、雑音センサ、振動センサ、トルクセンサ、加速度センサ、及び回転センサからなるグループから選択された少なくともひとつのセンサを提供する段階であることを特徴とする請求項33に記載の方法。
【請求項35】
前記第1の無線式のトランシーバー・サブシステムと前記第2の無線式のトランシーバー・サブシステムとの間において双方向的に通信された信号を符号化する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項36】
前記第1の無線式のトランシーバー・サブシステムと前記第2の無線式のトランシーバー・サブシステムとの間において双方向的に通信された信号を圧縮する段階をさらに備えていることを特徴とする請求項32に記載の方法。
【請求項37】
地面にボア孔を掘削する作業に使用するための、掘削リグと、その略上端が掘削リグに機械的に結合可能であり、掘削リグから吊下可能であるような掘削パイプの掘削ストリングと、前記掘削ストリングにおける最も上の掘削パイプに機械的に結合可能であるような、掘削ストリングの駆動ストリング部分と、駆動ストリング及び掘削ストリングを回転させるために、前記駆動ストリングに機械的に結合可能であるような駆動機構と、を備え、駆動ストリングの領域において電力を発生させる方法が、前記駆動ストリングに取り付けられてそれと共に動くような第1の要素を有してなる発電ユニットを提供する段階と、前記第1の要素の動きから、前記駆動ストリングの領域に電力を発生させる段階と、を備えていることを特徴とする方法。
【請求項38】
電力を発生させる前記段階は、前記第1の要素の振動から電力を発生させる段階を備えていることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項39】
掘削リグの静止部分に第2の要素を取り付ける段階をさらに備え、電力を発生させる前記段階は、前記第2の要素に対する前記第1の要素の相対的な運動から電力を発生させる段階を備えていることを特徴とする請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記相対的な運動は、前記第2の要素に対する前記第1の要素の回転から構成されていることを特徴とする請求項39に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−503307(P2009−503307A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525218(P2008−525218)
【出願日】平成18年8月4日(2006.8.4)
【国際出願番号】PCT/US2006/030404
【国際公開番号】WO2007/019292
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
2.ZIGBEE
【出願人】(500177204)シュルンベルジェ ホールディングス リミテッド (51)
【氏名又は名称原語表記】Schlnmberger Holdings Limited