説明

地震による構造物の揺れを表現する装置

【課題】一般の人に、与える揺れの強さをからだで感じとってもらいながら、構造物の揺れを見てもらうことができて、興味をもってもらうことができる、地震による構造物の揺れを表現する装置を提供する。
【解決手段】 つまみ17を操作して可動台12を固定台11上で水平方向に移動させ、レバー16の側面部16aをストッパー18に衝突させることにより、そのエネルギーが可動台12を通じて構造物14,15に伝えられ、構造物14,15に揺れを生じるようになされている。構造物は14,15の2つ備えられ、いずれも、マス19を一体的に取り付けた板バネ20を備え、一方に制震装置15が、もう一方に耐震装置26が組み込まれて、制震装置と耐震装置で揺れの違いを比較することができるようになされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地震による構造物の揺れを表現する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
地震による構造物の揺れを表現する装置として、従来より、種々の装置が提供されているが、技術的知識に乏しい一般の人を対象に、該一般の人に、与える揺れの強さをからだで感じとってもらいながら、構造物の揺れを見てもらうことができて、興味をもってもらうことができる装置は見当たらない。
【特許文献1】特許第3670126号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記のような問題点に鑑み、一般の人に、与える揺れの強さをからだで感じとってもらいながら、構造物の揺れを見てもらうことができて、興味をもってもらうことができる、地震による構造物の揺れを表現する装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記の課題は、固定台と、
該固定台の上に水平方向に移動可能に設けられた可動台と、
該可動台の上に固定状態に設置された構造物と、
前記可動台を固定台上で水平方向に移動させる機械伝動式操作部と、
前記固定台に設けられたストッパーと、
前記操作部に対する操作によって可動台を水平方向に移動させていく過程で前記ストッパーに当接する当接部と
が備えられ、
前記操作部を操作して可動台を固定台上で水平方向に移動させ、当接部をストッパーに衝突させることにより、そのエネルギーが可動台を通じて構造物に伝えられて、前記構造物に揺れを生じるようになされていることを特徴とする、地震による構造物の揺れを表現する装置によって解決される(第1発明)。
【0005】
この装置では、操作部を操作して当接部をストッパーに衝突させることによって、その衝突エネルギーが可動台を通じて構造物に伝えられて構造物に揺れを生じると共に、与える揺れの強さを上記の衝突によって操作部を通じてからだで感じとってもらうことができる。よって、一般の人に、与える揺れの強さをからだで感じとってもらいながら、構造物の揺れを見てもらうことができて、興味をもってもらうことができる。
【0006】
第1発明において、前記構造物が、上端側にマスを一体的に取り付けた上下方向に延びる板バネを含み、該板バネは、その面が可動台の移動方向に向けられると共に、下端側が可動台の側に固定されて、面と直交する方向に揺れるようになされているとよい(第2発明)。
【0007】
この装置では、構造物に板バネが用いられ、該板バネが、その面を可動台の移動方向に向けるようにして備えられているので、揺れの方向が可動台の移動方向にガイドされて、揺れの方向が変化せず、方向安定性の良い揺れを行わせることができる。しかも、板バネの上端側にはマスが一体的に取り付けられているので、揺れの周期が延ばされて目視しやすい揺れを生じさせることができる。
【0008】
第1発明において、前記構造物が少なくとも2つ備えられ、各構造物は、上端側にマスを一体的に取り付けた上下方向に延びる板バネを含み、該板バネは、その面が可動台の移動方向に向けられると共に、下端側が可動台の側に固定されて、面と直交する方向に揺れるようになされたものであって、板バネの高さ寸法とマスの質量がそれぞれ互いに同じで固有周期が同じものからなっており、
各構造物の側において、可動台の側に第1剛体が固着状態に設けられると共に、板バネの側には上方に板バネ部分を残す態様において同じ高さ位置に第2剛体が固着状態に設けられ、
一方の構造物の側において第1剛体と第2剛体とにわたすように制震装置が固着に取り付けられ、もう一方の構造物の側において第1剛体と第2剛体とにわたすように耐震装置が固着に取り付けられ、制震装置と耐震装置で揺れの違いを比較することができるようになされているとよい(第3発明)。
【0009】
この装置では、各構造物について、第2発明と同様の作用効果が奏されると共に、制震装置を組み込んだ構造物と、耐震装置を組み込んだ構造物とで、揺れの違いを目視にて同時に比較してわかってもらうことができる。
【0010】
しかも、操作部を操作して当接部をストッパーに衝突させるという行為によって同じ量のエネルギーが各構造物に伝えられたにもかかわらず、構造物で揺れに違いを生じるのを体験してわかってもらうことができて、揺れに違いを生じる原因について強い興味を抱いてもらうことができ、制震装置を採用するメリットを理解してもらうことができる。
【0011】
また、第3発明において、前記各板バネの面部に制振、耐震の対象となる構造の模型品が備えられ、該模型品は複数の部品からなって、各部品は上下方向に隣接状態にされて板バネの面部に動き可能に磁石で接着され、かつ、部品と部品は水平線に対して傾斜した辺部同士を正対接触し、板バネの振幅の大きさにより、傾斜辺部間の隙間の大きさに違いを生じるようになされているとよい(第4発明)。
【0012】
この装置では、模型品の傾斜辺部間の隙間の大きさ、即ち、模型品の崩れ具合の大きさが、制震装置を組み込んだものと、耐震装置を組み込んだものとで異なることを、目視にて比較してわかってもらうことができる。
【0013】
また、上記の課題は、
固定台と、
該固定台の上に水平方向に移動可能に設けられた可動台と、
該可動台の上に固定状態に設置された構造物と、
前記可動台を固定台上で水平方向に移動させる機械伝動式操作部と、
該操作部に対する操作によって可動台を水平方向に移動させていく過程で可動台に移動方向とは反対の方向の付勢力を蓄積していく付勢手段と
が備えられ、
前記操作部を操作して可動台を固定台上で水平方向に移動させ、付勢手段に付勢力を蓄積させた状態で、付勢手段をフリーにすると、蓄積された付勢力が可動台の側に伝えられて、前記構造物に揺れを生じるようになされていることを特徴とする、地震による構造物の揺れを表現する装置によって解決される(第5発明)。
【0014】
この装置では、操作部を操作して付勢手段に付勢力を蓄積していき、付勢手段をフリーにすることによって、その蓄積付勢力が可動台を通じて構造物に伝えられて構造物に揺れを生じると共に、与える揺れの強さを上記の付勢手段への付勢力の蓄積によって操作部を通じてからだで感じとってもらうことができる。よって、一般の人に、与える揺れの強さをからだで感じとってもらいながら、構造物の揺れを見てもらうことができて、興味をもってもらうことができる。
【0015】
第5発明において、前記固定台の側に複数の震度階を順次に等間隔配置で示す目盛りが設けられると共に、
前記可動台の側に、操作部と連動して前記各目盛りを指示する指示部が設けられ、
前記付勢手段は、付勢方向に積層された積層材からなり、該積層材を構成する各層のバネ定数が互いに異ならされて、前記等間隔配置の目盛りによって、各震度階の揺れの相対的な違いを比較することができるようになされているとよい(第6発明)。
【0016】
この装置では、震度階と振幅とが対数関係にあることを感じ取ってもらうことができる。しかも、震度階の目盛りは等間隔配置に備えられているので、一般の人にわかりやすく、また、装置を目盛り方向にコンパクトに構成することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明の装置は、以上のとおりのものであるから、一般の人に、与える揺れの強さをからだで感じとってもらいながら、構造物の揺れを見てもらうことができて、興味をもってもらうことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に、本発明の実施最良形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1及び図2に示す第1発明の実施形態の装置10において、11は固定台であり、固定台11の上には、可動台12が、レール13などによる案内機構により、水平左右方向に移動可能に設けられ、該可動台12の上には、第1,第2の二つの構造物14,15が左右に所定の間隔をおいて可動台12に対して固定状態に設置されている。
【0020】
固定台11と可動台12との間には、レバー16が差し込まれ、該レバー16は、その長さ方向の中間部位置において垂直軸線回りに回動することができるように固定台11の上面側に枢着されると共に、先端側が可動台12の下面側に垂直軸線回りに回動可能であって水平方向への変位可能に連結され、かつ、基端側は、可動台12から正面側に突出し、該突出部に機械伝動式操作部としての操作用つまみ17が設けられ、該つまみ17を左右に動かすことにより、レバー16が回動し、可動台12が左右に移動するように構成されている。
【0021】
そして、固定台11の上面部において、つまみ17を挟む左右には、互いに間隔をおくようにして、硬質ゴムなどからなるストッパー18,18が設けられており、つまみ17を操作してレバー16の一方の側面部16aを一方のストッパー18に当接させ、その状態から、つまみ17をもう一方のストッパー18の側に向けて移動させ、レバー16のもう一方の側面部16aをもう一方のストッパー18に衝突させることで、その衝突エネルギーが可動台12を通じて構造物14,15に伝えられて、各構造物14,15に揺れを生じさせるようになされている。本実施形態では、レバー16の側面部16aが当接部を構成している。
【0022】
第1,第2の各構造物14,15は、図3〜図7に示すように、上端部にマス19を一体的に取り付けた上下方向に延びる帯状の板バネ20を備えており、板バネ20は、その面、即ち、平面部が可動台12の移動方向である左右方向に向けられ、下端側が脚金物21でベースプレート22に固定されると共に、ベースプレート22が可動台12の上面に固定され、可動台12が左右方向に移動すると、面と直交する左右方向に揺れるようになされている。また、両構造物14,15において、図4及び図7に示すように、板バネ20,20の高さ寸法aとマス19,19の質量はそれぞれ互いに同じで、固有周期が同じになるように設定されている。
【0023】
そして、第1,第2の各構造物14,15の側には、可動台12の側、具体的にはベースプレート22,22に、第1剛体23,23が固着状態に設けられると共に、板バネ20,20には、図4及び図7に示すように、脚金物21,21との間に高さ寸法bの間隔をおいた同じ高さ位置に第2剛体24,24が固着状態に設けられ、左側の第1構造物14の側において第1剛体23と第2剛体24とにわたすように制震装置25が固着に取り付けられると共に、右側の第2構造物15の側において第1剛体23と第2剛体24とにわたすように耐震装置26が固着に取り付けられている。
【0024】
制震装置25は、例えば、図3(ハ)に示すように、プレート27,27間に粘弾性体28を接着状態に介設したものからなって、図3(イ)(ロ)に示すように、一方のプレート27が第1剛体23に、もう一方のプレート27が第2剛体24に、それぞれ固着状態に取り付けられている。
【0025】
耐震装置26は、例えば、図6に示すように、ブレース式構造のものからなって、下端側が第1剛体23に、上端側が第2剛体24に、それぞれ固着状態に取り付けられている。
【0026】
また、図5に示すように、各構造物14,15において、板バネ20の面部には、マス19と第剛体24との間の領域において、制振、耐震の対象となる構造、例えば家屋の模型品29が備えられ、該模型品29は複数の部品29a…からなって、各部品29a…は上下方向に隣接状態にされて板バネ20の各面部に動き可能に磁石30…で接着されており、また、部品29aと部品29aは水平線に対して傾斜した辺部31,31同士を正対接触し、板バネ20の振幅の大きさにより、傾斜辺部31,31間の隙間の大きさに違いを生じるようになされている。
【0027】
上記の装置10では、つまみ17を操作してレバー16の側面部を一方のストッパー18に衝突させることによって、その衝突エネルギーが可動台12を通じて第1,第2の構造物14,15に伝えられて構造物14,15に揺れを生じると共に、与える揺れの強さを上記の衝突によってつまみ17を通じてからだで感じとってもらうことができ、これにより、一般の人に、与える揺れの強さをからだで感じとってもらいながら、構造物14,15の揺れを見てもらうことができて、揺れについての興味をもってもらうことができる。
【0028】
しかも、本実施形態では、第1,第2の二つの構造物14,15が備えられ、一方に制震装置25が、もう一方に耐震装置26が、それぞれ組み込まれているので、制震装置25を組み込んだ構造物14と、耐震装置26を組み込んだ構造物15とで、揺れの違いを目視にて同時に比較してわかってもらうことができると共に、
つまみ17を操作してレバー16の側面部をストッパー18に衝突させるという行為によって同じ量のエネルギーが各構造物14,15に伝えられたにもかかわらず、構造物14,15間で揺れに違いを生じるのを体験してわかってもらうことができて、揺れに違いを生じる原因に強い興味をもってもらうことができる。
【0029】
また、特定構造の模型品29が各構造物14,15に備えられているので、揺れによって生じる模型品29の傾斜辺部31,31間の隙間の大きさが、模型品29の崩れ具合の大きさを表して、それらが、制震装置25を組み込んだものと、耐震装置26を組み込んだものとで異なることを、目視にて比較して容易にわかってもらうことができる。
【0030】
更に、この装置では、各構造物14,15に板バネ20が用いられ、該板バネ20が、その面を可動台12の移動する左右方向に向けるようにして備えられているので、揺れの方向が可動台12の移動方向にガイドされて、揺れの方向が変化せず、方向安定性の良い揺れを構造物14,15に行わせることができる。しかも、板バネ20の上端側にはマス19が一体的に取り付けられているので、揺れの周期が延ばされて目視しやすい揺れを生じさせることができる。
【0031】
なお、図1及び図2において、32は背面板であり、本実施形態では、背面板32は黒、マス19は赤、模型の中央側は青、その周囲は白に着色され、正面側からマス19の動きや、模型品29を構成する部品29a…の傾斜辺部31,31間の隙間の大きさを、はっきりと見てとってもらうことができるようになされている。
【0032】
図8〜図10に示す第2発明の実施形態の装置10は、固定台11の上面部の左右方向中間部に壁33が立設されると共に、該壁33を挟む一方の側において、固定台11の上面に可動台12が水平左右方向に移動可能に設けられ、可動台12には、図示しない構造物が固定状態に設置されると共に、壁33の側においてロッド34が連結され、該ロッド34は、壁33を貫通して、壁33を挟むもう一方の側に突出し、該突出端部に、機械伝動式操作部としてのつまみ17が設けられ、つまみ17を左右方向に操作することにより、壁33の向こう側の可動台12を左右に移動させることができるようになされている。
【0033】
そして、可動台12と壁33との間には、付勢手段としての積層材8が介設され、つまみ17に対する操作によって可動台12を壁33の側に移動させていくと、積層材8が圧縮されて、積層材8に移動方向とは反対の方向の付勢力が蓄積されていき、つまみ17を離してフリーにすると、積層材8に蓄積された付勢力が可動台12の側に伝えられて、構造物に揺れを生じるようになされている。
【0034】
また、本実施形態では、壁33を挟んでつまみ17の位置する側において、固定台11の上面には、1〜7の震度階を示す目盛り35…が、壁33から離れる方向に震度階を大きくしていくように順次に等間隔配置で設けられ、つまみ17に、各目盛り35を指示する鋭角状の指示部36が設けられている。
【0035】
そして、積層材8は、図10(イ)に示すように、これを構成する各層1〜7のバネ定数k1〜k7が互いに異ならされて、例えば、図10(ロ)に示すような圧縮のされ方をするようになされていて、上記の等間隔配置の目盛り35を指す指示部36の位置によって、各震度階の揺れの相対的な違いを比較することができるようになされている。
【0036】
上記の装置10では、図9(イ)に示すように、つまみ17を引いて積層材8に付勢力を蓄積させていった後、つまみ17を離して積層材8をフリーにすると、その蓄積付勢力が可動台12を通じて構造物に伝えられて、図9(ロ)に示すように、構造物に揺れを生じると共に、与える揺れの強さを上記の積層材8への付勢力の蓄積によってつまみ17を通じてからだで感じとってもらうことができる。よって、一般の人に、与える揺れの強さをからだで感じとってもらいながら、構造物の揺れを見てもらうことができて、興味をもってもらうことができる。
【0037】
しかも、震度階に応じてバネ定数を異ならせた層1〜7を積層した積層材8を付勢手段として用いているので、震度階と振幅とが対数関係にあることを感じ取ってもらうことができると共に、震度階の目盛り35は等間隔配置に備えられているので、一般の人にわかりやすく、また、装置10を目盛り方向にコンパクトに構成することができる。
【0038】
なお、本実施形態において、可動台12の上に設置される構造物は、図示していないけれども、第1実施形態と同様の2つの構造物14,15であってもよいし、いずれか一方の構造物であってもよい。
【0039】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、第3,第4発明以外の発明では、可動台の上に構造物が一つ設置されたものであってもよいし、制震装置や制震装置が組み込まれていない構造物が設置されていてもよい。
【0040】
また、第1,第5,第6の各発明では、構造物として、板バネ20とマス19を備えないその他の構造の構造物が用いられてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】第1実施形態の表現装置を示す正面図である。
【図2】同平面図である。
【図3】図(イ)は制震装置が組み込まれた構造物を示す一部分解斜視図、図(ロ)は同構造物の斜視図、図(ハ)は制震装置の分解斜視図である。
【図4】図(イ)は同構造物の一部分解側面図、図(ロ)は同構造物において制震装置を省略した正面図、図(ハ)は同構造物の正面図である。
【図5】図(イ)は制震装置が組み込まれた構造物において模型品を分離状態にして示す斜視図、図(ロ)は同模型品を取り付けた同構造物の正面図、図(ロ)は同模型品を取り付け、耐震装置が組み込まれた構造物の正面図である。
【図6】図(イ)は耐震装置が組み込まれた構造物を示す一部分解斜視図、図(ロ)は同構造物の斜視図である。
【図7】図(イ)は同構造物の一部分解側面図、図(ロ)は同構造物において耐震装置を省略した正面図、図(ハ)は同構造物の正面図である。
【図8】第2実施形態の表現装置を示す平面図である。
【図9】図(イ)及び図(ロ)は、使用方法を順次に示す平面図である。
【図10】図(イ)は積層材の平面図、図(ロ)は震度階に応じた積層材の圧縮のされ方を示す平面図である。
【符号の説明】
【0042】
8…積層材(付勢手段)
10…表現装置
11…固定台
12…可動台
14…第1構造物
15…第2構造物
17…つまみ(操作部)
16a…レバー側面部(当接部)
18…ストッパー
19…マス
20…板バネ
23…第1剛体
24…第2剛体
25…制震装置
26…耐震装置
29…模型品
29a…部品
30…磁石
31…傾斜辺部
35…目盛り
36…指示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固定台と、
該固定台の上に水平方向に移動可能に設けられた可動台と、
該可動台の上に固定状態に設置された構造物と、
前記可動台を固定台上で水平方向に移動させる機械伝動式操作部と、
前記固定台に設けられたストッパーと、
前記操作部に対する操作によって可動台を水平方向に移動させていく過程で前記ストッパーに当接する当接部と
が備えられ、
前記操作部を操作して可動台を固定台上で水平方向に移動させ、当接部をストッパーに衝突させることにより、そのエネルギーが可動台を通じて構造物に伝えられて、前記構造物に揺れを生じさせるようになされていることを特徴とする、地震による構造物の揺れを表現する装置。
【請求項2】
前記構造物が、上端側にマスを一体的に取り付けた上下方向に延びる板バネを含み、該板バネは、その面が可動台の移動方向を向けられると共に、下端側が可動台の側に固定されて、面と直交する方向に揺れるようになされている請求項1に記載の地震による構造物の揺れを表現する装置。
【請求項3】
前記構造物が少なくとも2つ備えられ、各構造物は、上端側にマスを一体的に取り付けた上下方向に延びる板バネを含み、該板バネは、その面が可動台の移動方向に向けられると共に、下端側が可動台の側に固定されて、面と直交する方向に揺れるようになされたものであって、板バネの高さ寸法とマスの質量がそれぞれ互いに同じで固有周期が同じものからなっており、
各構造物の側において、可動台の側に第1剛体が固着状態に設けられると共に、板バネの側には上方に板バネ部分を残す態様において同じ高さ位置に第2剛体が固着状態に設けられ、
一方の構造物の側において第1剛体と第2剛体とにわたすように制震装置が固着に取り付けられ、もう一方の構造物の側において第1剛体と第2剛体とにわたすように耐震装置が固着に取り付けられ、制震装置と耐震装置で揺れの違いを比較することができるようになされている請求項1に記載の地震による構造物の揺れを表現する装置。
【請求項4】
前記各板バネの面部に制振、耐震の対象となる構造の模型品が備えられ、該模型品は複数の部品からなって、各部品は上下方向に隣接状態にされて板バネの面部に動き可能に磁石で接着され、かつ、部品と部品は水平線に対して傾斜した辺部同士を正対接触し、板バネの振幅の大きさにより、傾斜辺部間の隙間の大きさに違いを生じるようになされている請求項3に記載の地震による構造物の揺れを表現する装置。
【請求項5】
固定台と、
該固定台の上に水平方向に移動可能に設けられた可動台と、
該可動台の上に固定状態に設置された構造物と、
前記可動台を固定台上で水平方向に移動させる機械伝動式操作部と、
該操作部に対する操作によって可動台を水平方向に移動させていく過程で可動台に移動方向とは反対の方向の付勢力を蓄積していく付勢手段と
が備えられ、
前記操作部を操作して可動台を固定台上で水平方向に移動させ、付勢手段に付勢力を蓄積させた状態で、付勢手段をフリーにすると、蓄積された付勢力が可動台の側に伝えられて、前記構造物に揺れを生じさせるようになされていることを特徴とする、地震による構造物の揺れを表現する装置。
【請求項6】
前記固定台の側に複数の震度階を順次に等間隔配置で示す目盛りが設けられると共に、
前記可動台の側に、操作部と連動して前記各目盛りを指示する指示部が設けられ、
前記付勢手段は、付勢方向に積層された積層材からなり、該積層材を構成する各層のバネ定数が互いに異ならされて、前記等間隔配置の目盛りによって、各震度階の揺れの相対的な違いを比較することができるようになされている請求項5に記載の、地震による構造物の揺れを表現する装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−186520(P2009−186520A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−23368(P2008−23368)
【出願日】平成20年2月1日(2008.2.1)
【出願人】(390037154)大和ハウス工業株式会社 (946)
【Fターム(参考)】