説明

坑井遠隔計測システム用インターフェイス及びインターフェイス方法

アップホール電子機器(120)と、地下坑井(11)内に吊り下げられ、少なくとも1つのダウンホールツール(100)が取り付けられ、ダウンホールツールとアップホール電子機器との間の通信リンクの一部をなすワイヤードドリルパイプ(WDP)の一区分を備えたドリルストリング(12)とを含む掘削作業に用いられる、ワイヤードドリルパイプの一区分と通信源/通信先との間の通信のためのインターフェイス(140)であって、全体として円筒形の外形を備え、通路が貫通して設けられ、ワイヤードドリルパイプの一区分に接続可能なWDP側端部及び通信元/通信先に接続可能な別の端部を有するハウジングと、ハウジング内に設けられ、ワイヤードドリルパイプの一区分に電気的に結合可能なWDP回路モジュールと、ハウジング内に設けられた別の回路モジュールとを有し、別の回路モジュールは、WDP回路モジュールに電気的に結合可能であると共に通信元/通信先に接続可能である、インターフェイス。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、坑井作業に用いられる遠隔計測システムに関する。本発明は、特に、坑外プロセッサユニットと地下地層を貫通した坑井内に位置決め可能なダウンホールツールとの間で信号を送る坑井遠隔計測システムに関する。
【背景技術】
【0002】
坑井は、炭化水素の存在場所を突き止めてかかる炭化水素を産出するために掘削される。一端にビットを備えたダウンホール掘削ツールを、ドリルストリングを介して地中に前進させて坑井を形成する。ドリルストリング及びダウンホールツールは、典型的には、下端部にビットを備えた長尺の管を形成するよう互いにねじ連結された一連のドリルパイプで作られる。掘削ツールを前進させながら掘削泥水を坑外泥水ピットからドリルストリング及び掘削ツール中に圧送し、そしてドリルビットから送り出して掘削ツールを冷却すると共に堀屑(カッテングス)を運び去る。流体は、ドリルビットから出てツール中への再循環のために地表(又は坑外)まで流れて戻る。掘削泥水も又、坑井を内張りするマッドケークを形成するために用いられる。
【0003】
掘削作業中、地表とダウンホールツールとの間の通信を可能にすることが望ましい。典型的には、例えば電力、指令及び(又は)通信信号が坑外ユニットとダウンホールツールとの間で行き交うことができるようにするために坑井遠隔計測装置が用いられる。これら信号は、ダウンホールツールの作動を制御すると共に(或いは)これに動力を供給したりダウンホール情報を地表に送ったりするために用いられる。
【0004】
所望の通信機能を確立するために種々の坑井遠隔計測システムを用いることができる。かかるシステムの例としては、米国特許第6,641,434号明細書に記載されているようなワイヤードドリルパイプ型坑井遠隔計測システム、米国特許第5,624,051号明細書に記載されているような電磁型坑井遠隔計測システム、国際公開第2004/085796号パンフレットに記載されているような音響型坑井遠隔計測システムが挙げられ、これら特許文献を参照により引用し、これらの記載内容全体を本明細書の一部とする。また、電力及び(又は)データを送るために他のデータ運搬又は通信装置、例えばセンサに結合されたトランシーバを用いることができる。
【0005】
ワイヤードドリルパイプ(“WDP”)遠隔計測システムでは、ドリルストリングを形成するドリルパイプは、信号を坑外ユニットとダウンホールツールとの間で送ることができるエレクトロニクスを備えている。例えば米国特許第6,641,434号明細書に示されているように、かかるワイヤードドリルパイプ型遠隔計測システムは、ドリルストリングを貫通した通信チェーンを形成するワイヤ(電線)及び電磁結合手段を備えている場合がある。この場合、ワイヤードドリルパイプは、ダウンホールツール及びこれと通信可能な坑外ユニットに作動的に連結される。ワイヤードドリルパイプシステムは、ダウンホールツールのコンポーネントから受け取ったデータを坑外ユニットに送ると共に坑外ユニットにより作成された指令をダウンホールツールに送るようになっている。ワイヤードドリルパイプ及び(又は)ドリルストリング内の電磁結合手段に関する別の特許文献としては、次のもの、米国特許第4,126,848号明細書、米国特許第3,957,118号明細書、米国特許第3,807,502号明細書、刊行物であるダブリュ・ジェイ・マクドナルド(W.J.McDonald)著,「フォー・ディファレント・システムズ・ユーズド・フォー・エムダブリューデー(Four Different Systems Used for MWD)」,ジ・オイル・アンド・ガス・ジャーナル(The Oil and Gas Jounal),1978年4月3日,P115−124)、米国特許第4,605,268号明細書、1997年12月18日に出願されたロシア連邦国特許出願公開第2,140,527号明細書、1992年4月14日に出願されたロシア連邦国特許出願公開第2,040,691号明細書、国際公開第90/14497(A2)号パンフレット、米国特許第5,052,941号明細書、米国特許第4,806,928号明細書、米国特許第4,901,069号明細書、米国特許第5,531,592号明細書、米国特許第5,278,550号明細書、及び米国特許第5,971,072号明細書が挙げられる。
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,641,434号明細書
【特許文献2】米国特許第5,624,051号明細書
【特許文献3】国際公開第2004/085796号パンフレット
【特許文献4】米国特許第4,126,848号明細書
【特許文献5】米国特許第3,957,118号明細書
【特許文献6】米国特許第3,807,502号明細書
【特許文献7】米国特許第4,605,268号明細書
【特許文献8】ロシア連邦国特許出願公開第2,140,527号明細書
【特許文献9】ロシア連邦国特許出願公開第2,040,691号明細書
【特許文献10】国際公開第90/14497(A2)号パンフレット
【特許文献11】米国特許第5,052,941号明細書
【特許文献12】米国特許第4,806,928号明細書
【特許文献13】米国特許第4,901,069号明細書
【特許文献14】米国特許第5,531,592号明細書
【特許文献15】米国特許第5,278,550号明細書
【特許文献16】米国特許第5,971,072号明細書
【非特許文献1】ダブリュ・ジェイ・マクドナルド(W.J.McDonald)著,「フォー・ディファレント・システムズ・ユーズド・フォー・エムダブリューデー(Four Different Systems Used for MWD)」,ジ・オイル・アンド・ガス・ジャーナル(The Oil and Gas Jounal),1978年4月3日,P115−124
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ワイヤードドリルタイプ技術の出現及び予想された進歩により、ワイヤードドリルパイプの一区分を種々の形式のアップホール機器又は種々の形式のツール又は他のダウンホール機器に連結することが必要な種々の環境が生じることになる。幾つかの場合では、ワイヤードドリルパイプは、ダウンホールツール及び(又は)坑外ユニットの1つ又は2つ以上のコンポーネントには不適合な場合がある。
【0008】
したがって、ダウンホールツールと坑外ユニットとの間の通信を容易にするためにワイヤードドリルパイプの1区分とダウンホールツール及び(又は)坑外ユニットとの間の通信リンクを確立するインターフェイスを提供することが望ましい。さらに、信頼性を高めることができ、データ率を増大させることができ、種々のダウンホールシステム相互間の適合性を高めることができ、しかも電力機能を高めることができる坑井遠隔計測システムを提供することが望ましい。かかるシステムは、好ましくは、とりわけ、以下の特徴、即ち、信頼性の向上、通信障害の減少、接続性の向上、帯域幅の拡大、データ率の向上、種々のダウンホール形態に関する融通性の提供、及び種々の坑井現場形態への坑井遠隔計測ツールの適合のうちの1つ又は2つ以上を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一形態は、アップホール電子機器と、地下坑井内に吊り下げられ、少なくとも1つのダウンホールツールが取り付けられ、ダウンホールツールとアップホール電子機器との間の通信リンクの一部をなすワイヤードドリルパイプ(WDP)の一区分を備えたドリルストリングとを含む掘削作業に用いられる。本発明の一実施形態によれば、ワイヤードドリルパイプの一区分と通信源/通信先との間の通信のためのインターフェイスが提供される。〔本明細書における定義を説明すると、通信元/通信先は、アップホール電子機器とダウンホールツールとの間であってこれらを含む通信リンクの任意の部分であって良い。例えば、通信元/通信先は、アップホール電子機器又はアップホール電子機器に結合されたアップホールサブ(uphole sub)であって良く(この場合、インターフェイスは、アップホールインターフェイスと呼ばれる場合がある)、或いは、通信元/通信先は、ダウンホールツール、ダウンホールツールを含む底部穴組立体又はWDPの別の区分であって良い(この場合、インターフェイスは、ダウンホールインターフェイスと呼ばれる場合がある)。なお、かかる例には限定されない。〕全体として円筒形の外形を備えていて、通路が貫通して設けられたハウジングが提供される。ハウジングは、ワイヤードドリルパイプの一区分に接続可能なWDP側端部及び通信元/通信先に接続可能な別の端部を有する。WDP回路モジュールが、ハウジング内に設けられ、WDP回路モジュールは、ワイヤードドリルパイプの一区分に電気的に結合可能である。別の回路モジュールが、ハウジング内に設けられ、別の回路モジュールは、WDP回路モジュールに電気的に結合可能であると共に通信元/通信先に接続可能である。
【0010】
上述したように、ワイヤードドリルパイプ技術の出現及び予想される進歩により、ワイヤードドリルパイプの一区分を種々の形式のアップホール機器又は種々の形式のツール又は他のダウンホール機器に連結することが必要な種々の環境が生じることになる。ワイヤードドリルパイプシステムのインターフェイスの使用がますます普及した場合又はそのようなとき、WDPの区分が種々の形式のアップホール及びダウンホール機器に接続されることにより、種々の形式のインターフェイスの数が、増えることが予想される。したがって、本発明の開示される実施形態では、インターフェイスは、有利なモジュール形式で提供される。このようにすると、専用の対をなすエンドポイント特性を備えたインターフェイスの製造量及び在庫量を少なくすることが必要になろう。また、モジュールは、所望ならば、モジュールの電気的及び機械的構成に関して特定のノウハウを持つ種々の事業実体により製作できる。というのは、モジュールは、特に、特定のモジュールの外端部が最終的に結合される外部機器に関するからである。
【0011】
したがって、本発明の実施形態では、WDP回路モジュールと別の回路モジュールは、取り外し可能に結合され、WDP回路モジュール及び別の回路モジュールは、ハウジングから別々に取り外し可能である。この実施形態の一形態では、ハウジングは、2つの分離可能であって接続可能なハウジングモジュールで構成され、ハウジングモジュールは、ハウジングのWDP側端部を収容すると共にWDP回路モジュールを収容したWDPハウジングモジュール及びハウジングの別の端部を収容すると共に別の回路モジュールを収容した別のハウジングモジュールを含む。
【0012】
本発明の一実施形態では、別の回路モジュールは、電力源を有し、電力源は、内部電源モジュール、バッテリ及び(又は)外部電力源から成る群から選択された少なくとも1つの装置を用いて電力を提供する。
【0013】
本発明の一実施形態では、WDP回路モジュール及び別の回路モジュールのうちの少なくとも一方は、センサ、診断回路、読み出しポート、コントローラ、リアルタイムクロック及びメモリから成る群から選択された装置を含む。
【0014】
本発明の一実施形態では、ハウジングの通路は、少なくとも部分的中央軸方向通路を含み、WDP回路モジュール及び別の回路モジュールは、全体として中央軸方向通路に隣接してハウジング内に設けられている。この実施形態では、別の端部は、通信元/通信先に接続可能に別の回路モジュールに電気的に結合されたコネクタを有し、コネクタは、部分的中央軸方向通路に通じている環状通路内に軸方向に位置している。また、この実施形態では、コネクタは、中央電子モジュールを更に有する。
【0015】
本発明の別の実施形態では、ハウジングの通路は、少なくとも部分的環状通路を含み、WDP回路モジュール及び別の回路モジュールのうちの一方は、部分的環状通路内のハウジングの中央部分内に設けられている。
【0016】
本発明の別の特徴及び別の利点は、添付の図面と関連して行われる以下の詳細な説明から容易に明らかになろう。
【0017】
本発明の上述の特徴及び利点を細部にわたって理解することができるように、上記において概要説明した本発明のより具体的な説明が、添付の図面に記載されたその実施形態を参照して行われる。しかしながら、添付の図面は、本発明の代表的な実施形態を記載しているに過ぎず、したがって、本発明の範囲を制限するものと考えられるべきではないことは注目されるべきである。というのは、本発明は、他の同じように有効な実施形態に具体化できるからである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の現時点で好ましい実施形態が、図示されており、これらにつき以下に詳細に説明する。好ましい実施形態の説明にあたり、同一又は類似の参照符号は、共通又は類似の要素を示すために用いられている。図は、必ずしも縮尺通りではなく、図の或る特定の特徴及び或る特定の見方は、縮尺が誇張された状態で又は明確さ及び簡潔さのために概略的に示されている場合がある。
【0019】
図1は、本発明を有利に利用できる坑井現場システム1を示している。図示のシステムでは、坑井11は、周知の仕方で回転掘削法により形成されている。しかしながら、この開示の利益を享受する当業者であれば、本発明は、従来型回転掘削法(例えば泥水モータを利用した指向性掘削及び回転操向性システム)以外の掘削用途にも利用でき、陸地用リグには限定されない。
【0020】
ダウンホールシステム3は、坑井11内に吊り下げられていて、下端部にドリルビット15が取り付けられたドリルストリング12を有している。坑外システム2は、地下地層Fを貫通した坑井11の上に位置決めされた陸上用プラットホームとデリック(やぐら)の組立体10を有している。組立体10は、回転テーブル16、ケリー17、フック18及び回転スイベル19を有している。ドリルストリング12は、回転テーブル16により回転し、ドリルストリングの上端部のところでケリー17に係合する図示していない手段によってエネルギー供給される。ドリルストリング12は、トラベリングブロック(これ又図示せず)に取り付けられたフック18からケリー17及び回転スイベル19を介して吊り下げられており、この回転スイベルは、フックに対するドリルストリングの回転を可能にする。
【0021】
坑外システムは、坑井現場に形成されたピット又は窪み27内に蓄えられた掘削流体又は泥水26を更に有する。ポンプ29が、掘削流体26をスイベル19に設けられたポートを介してドリルストリング12の内部に送り込み、それにより、掘削流体は、方向を示す矢印9により示されているようにドリルストリング12を通って下方に流れるようになる。掘削流体は、ドリルビット15に設けられているポートを介してドリルストリング12から出て、次に、方向を示す矢印32によって示されるように、ドリルストリングの外部と坑井の壁との間のアニュラス部(環状域)と呼ばれている領域を通って情報に循環する。このように、掘削流体は、ドリルビット15を潤滑し、しかも、これが再循環のためにピット27に戻されるときに地層堀屑を地表(又は坑外)まで運搬する。
【0022】
ドリルストリング12の下には、ドリルビード15の近くに全体を参照符号100で示された底部穴組立体(BHA)(換言すると、ドリルビットから数個のドリルから長さ分内に位置する)が設けられている。底部穴組立体は、情報測定機能、情報処理機能及び情報蓄積機能並びに地表との通信機能を有する。かくしてBHA100はとりわけ、坑井11周りの地層Fの1つ又は2つ以上の特性、例えば地層の抵抗率(又は導電性)、自然放射線、密度(ガンマ線又は中性子)及び間隙圧を測定してこれを伝達する装置110を有している。
【0023】
BHA100は、種々の他の測定機能を実行するドリルカラー150を更に有している。ドリルカラー150は、測定しながら掘削する(MWD)ツールを収容している。MWDツールは、ダウンホールシステムへの電力を生じさせる装置(図示せず)を更に有している。泥水パルスシステムがドリルストリング12及びMDWドリルカラー150を通って流れる掘削流体26の流れにより動力供給される発電機を備えた状態で示されているが、他の電力及び(又は)バッテリシステムを採用しても良い。
【0024】
坑井現場の作業情報及び坑井現場での条件に関するデータを好ましくはリアルタイムで収集するセンサが、坑井現場付近に設けられるのが良い。例えば、かかる坑外センサは、とりわけ、スタンドパイプ圧力、フック荷重、深さ、地表トルク、回転rpmを測定するために設けられるのが良い。ダウンホールセンサは、ダウンホール条件、とりわけ例えば坑井圧力、ビットに加わる重量、ビットに加わるトルク、方向、勾配、ドリルカラーrpm、ツール温度、アニュラス部温度及びツールフェース(toolface)に関する情報を提供するために掘削ツール及び(又は)坑井の付近に設けられるのが良い。センサにより集められた情報は、坑外システム、ダウンホールシステム及び(又は)坑外制御ユニットに送られる。
【0025】
図1に示すように、アップホールインターフェイス120がドリルストリング12のアップホール側端部のところに設けられ、ダウンホールインターフェイスがドリルストリング12のダウンホール側端部に設けられている。ワイヤードドリルパイプ遠隔計測システム145が、ドリルストリング12を貫通して延びている。通信リンク130が、アップホールインターフェイスと坑外ユニット4との間に概略的に示されている。この構成により、坑外遠隔計測ユニット4から通信リンク130を通ってアップホールインターフェイス120に至り、そしてワイヤードドリルパイプ遠隔計測システムを通ってインターフェイス140に至り、そしてダウンホールツール(又はBHA100)に至るまでの通信リンクが提供される。
【0026】
1つの坑井現場1に坑外ユニット4が1つしか示されていないが、1つ又は2つ以上の坑井現場を横切って1つ又は2つ以上の坑外ユニットを提供しても良い。坑外ユニットは、1本又は2本以上の通信ライン130を介してワイヤード又はワイヤレス接続手段を用いて1つ又は2つ以上の坑外インターフェイスに連係されるのが良い。坑外インターフェイスと坑外システムとの間の通信トポロジ(接続形態)は、ポイントツーポイントであっても良く、ポイントツーマルチポイントであっても良く、マルチポイントツーポイントであっても良い。ワイヤード接続手段としては、任意形式のケーブル(任意形式のプロトコル(シリアル、イーサネット(登録商標)(Ethernet(登録商標))等)を用いるワイヤ)及び光ファイバの使用が挙げられる。ワイヤレス技術は、任意形式の標準型ワイヤレス通信技術、例えばIEEE802.11仕様、ブルートゥース(Bluetooth)、ジグビー(zigbee)又は任意形式のデータ多重化技術、例えばTDMA、FDMA、CDMA等と組み合わせた任意種類の変調方式、例えばFM、AM、PM、FSK、QAM、DMT、OFDM等を用いる任意の非標準型RF又は光通信技術であって良い。一例を挙げると、ワイヤレス接続手段のアンテナをサブの外側層内に埋め込むのが良い。
【0027】
図1に示すように、アップホールインターフェイスは、ワイヤードドリルパイプ遠隔計測システムのアップホール側端部のところに位置決めされている。アップホールインターフェイスは、ワイヤードドリルパイプ遠隔計測システムを坑外ユニットに作動的に接続している。図示のように、通信リンクがアップホールインターフェイスと坑外ユニットとの間に設けられている。オプションとして、ドリルパイプが回転テーブルの上方で頂部駆動装置まで延びる場合、インターフェイスサブは、例えば、頂部駆動装置とワイヤードドリルパイプとの間に位置決めされるのが良い。
【0028】
アップホールインターフェイス120は、図2Aに詳細に示されている。アップホールインターフェイスは、坑外モデム200、WDPアップホールモデム202、センサ204及び電力モジュール206を備えている。代表的には、アップホールインターフェイスは、ドリルストリングのアップホール側端部に連結可能なドリルパイプ内に収納される。 アップホールインターフェイスをワイヤードドリルパイプ遠隔計測システムに作動的に連係するWDPコネクタ208が設けられている。このコネクタは、WDP遠隔計測システムの隣接のドリルパイプに用いられている誘導結合器とほぼ同じ誘導結合器であるのが良い。変形例として、コネクタは、ワイヤードドリルパイプ遠隔計測システムと通信できる導電性コネクタ又は任意他のコネクタであっても良い。
【0029】
また、アップホールインターフェイスを坑外ユニットに作動的に連係する坑外コネクタ210が設けられている。坑外コネクタは、坑外ユニットに連係するようになったワイヤードコネクタであっても良く、ワイヤレスコネクタであっても良く又は光コネクタであっても良い。このコネクタは、坑外ユニットと導電性通信、誘導性通信、ワイヤード通信、ワイヤレス通信及び(又は)光通信を可能にするのが良い。
【0030】
種々の坑井パラメータ、例えば、温度、圧力(スタンドパイプ、泥水遠隔計測等)、泥水流量、騒音、掘削上の力学的条件(即ち、トルク、ビットに加わる重量、加速度、パイプ回転等)等を測定する1つ又は2つ以上のセンサ204をアップホールインターフェイス120内に設けるのが良い。掘削上の力学的条件に関する測定は、高サンプリングレート(代表的には120Hz)で行われる。加うるに、圧力測定は、、遠隔計測復調を容易にするようより高いサンプリングレート(代表的には480Hz)で行われる。センサは、信号調節のためのアナログフロントエンド及び(又は)データを処理すると共に(或いは)分析するプロセッサに連係されるのが良い。また、センサを用いて診断を行い、ワイヤードドリルパイプシステム中の故障の存在場所を突き止め、ワイヤードドリルパイプ遠隔計測システムの騒音及び(又は)特性を測定し、そして坑井現場の他の診断を行うのが良い。センサをアップホールインターフェイス120内に組み込んでも良く、或いはその外周部又は内周部に沿って配置しても良い。センサデータをメモリ素子に記録するのが良い。
【0031】
アップホールインターフェイス120は、電力モジュール206を更に備えるのが良い。電力モジュールは、任意の種類の発電機、例えばタービン、圧電装置、太陽電池等を用いて任意種類の潜在的エネルギー源、例えば泥水流れ、回転、振動、RF信号等から電力を発生させることができる。また、バッテリのみを用いて又は発電技術のバックアップとしてアップホールインターフェイスに電力供給できる。バッテリは、充電可能であるのが良い。代替電力を外部で生じさせ、アップホールインターフェイスにより貯蔵し又は使用しても良い。また、ワイヤードドリルパイプシステムでは、リグに又はその近くに設けられた発電機からケーブルを用いてアップホールインターフェイス120に電力供給できる。
【0032】
坑外モデム200は、坑外ユニット4内に設けられた1つ又は2つ以上のモデムと通信するようになっている。WDPアップホールモデム202は、ワイヤードドリルパイプ遠隔計測システムを介して、ダウンホールツールの1つ又は2つ以上のモデム、リピータ又は他のインターフェイスと通信するようになっている。好ましくは、これらモデムは、双方向通信を可能にする。任意の種類のディジタル及びアナログ変調方式、例えば、二相シフトキーイング、周波数シフトキーイング(FSK)、四相位相シフトキーイング(QPSK)、直交振幅変調(QAM)、離散マルチトーン(DMT)等を用いることができる。これらの方式は、任意の種類のデータ多重化技術、例えば時分割多重化(TDM)、周波数分割多重化(FDM)等と組み合わせて用いられるのが良い。モデムは、ドリルパイプ診断及びダウンホール診断機能を有するのが良い。
【0033】
坑外モデム200が、図3に詳細に示されている。モデムは、アナログであっても良く、ディジタルであっても良い。モデムは、送信器300、受信器302、プロセッサ304及びメモリユニット306を有している。送信器及び受信器は、アナログ又はディジタル式のトランシーバの形態をしているのが良い。送信器は、受信器により受け取ったデータをダウンホールから坑外ユニットに伝送するために設けられている。また、送信器は、受信器により坑外ユニットから受け取った指令をダウンホールツールに伝達するためにも使用できる。診断信号も又、インターフェイスサブからダウンホールツール及び(又は)坑外ユニットに送信できる。診断のため、ダウンホール/坑外ユニットからの信号をそれぞれ、ダウンホールツール/坑外ユニットにループバックすることができる。
【0034】
モデムのプロセッサ304は、比較のためにダウンホールツール及び(又は)坑外ユニットから受け取った信号を変調したり復調したりしてこれら信号をダウンホールツール及び坑外ユニットよって受け取ることができるようにするために用いられる。誤差補正、検出、圧縮、暗号化及び他のデータ操作を実施することができる。インターフェイスに関する変調方式は、好ましくは、坑外ユニットとダウンホールツールとの間の通信を可能にするボーレートに設定される。坑外ユニット及びインターフェイス用の対応のモデムのボーレートは、互いに合わされたボーレートを備える。同様に、ダウンホールツール及びアップホールインターフェイス用の対応のモデムのボーレートは、互いに合わされる。
【0035】
メモリユニット306は、将来の使用のためにデータをストレージするために設けられている。例えば、センサ又は診断データをストレージするのが良い。
【0036】
他の構成要素、例えばグローバルポジショニングシステム308も又、追加の機能、例えばリアルタイムクロックの設定の実施のため又はアップホール及びダウンホールツール/坑外ユニット相互間の時刻同期のために設けられるのが良い。加うるに、アナログフロントエンド(増幅器、フィルタ等)も又必要な場合がある。
【0037】
次に図2Bを参照すると、ダウンホールインターフェイス140が示されている。ダウンホールインターフェイスは、WDP遠隔計測システムとダウンホールツールとの間にこれら相互間の通信を可能にするために位置決めされている。幾つかの場合では、ダウンホールツールが内部インターフェイスを備えている場合、別個のダウンホールインターフェイスが不良な場合がある。かかる内部インターフェイスは、現行のダウンホールツール内の既存のモデム、プロセッサ、センサ及び他の機能的特徴部で構成される。
【0038】
ダウンホールインターフェイス140は、ダウンホールインターフェイスがWDPダウンホールモデム320、ダウンホールモデム322、WDPコネクタ324及びダウンホールツールコネクタ326を備えている点を除き、アップホールインターフェイスと同一であるのが良い。ダウンホールインターフェイスは、アップホールインターフェイスとダウンホールインターフェイスとの間の通信リンクを提供する。ダウンホールモデムは、WDP遠隔計測システムとダウンホールツールの1つ又は2つ以上の構成要素との間の通信リンクを提供する。加うるに、坑外コネクタに代えてダウンホールコネクタ326が設けられる。ダウンホールコネクタは、ワイヤード方式のものであっても良く、ワイヤレス方式のものであっても良く、かかるダウンホールコネクタは、WDP遠隔計測システムとダウンホールツールとの間の誘導性、導電性又は光結合を可能にする。WDPコネクタ324は、ダウンホールインターフェイスをワイヤードドリルパイプ遠隔計測システムに作動的に結合する。
【0039】
インターフェイスとダウンホールツール及び(又は)坑外ユニットとの間の通信は、プロトコルに従って行われる。プロトコルは、インターフェイスにより送られたり受け取ったりされる信号に関するフォーマット及びシーケンスを定める。プロトコルは、例えば、対応のモデム相互間の通信方式を確立するあらかじめ規定された1組のルールである場合がある。プロトコルを選択的に調整して所与の遠隔計測システムの要件に適合させるのが良い。変形例として所与の遠隔計測システムは、インターフェイスのプロトコルに適合するようになっていても良い。ダウンホールインターフェイスに関するプロトコル及び(又は)ボーレートは、アップホールインターフェイスに合わせて調整されるのが良く、アップホールインターフェイスに関するプロトコル及び(又は)ボーレートも同様にダウンホールインターフェイスに合わせて調整されるのが良い。
【0040】
図4は、1つ又は2つ以上のインターフェイスを利用した種々の考えられる形態を概略的に示している。インターフェイスは、坑井現場に沿う種々の場所に位置決めできる。例えば、アップホールインターフェイスの1つは、頂部駆動装置に隣接して位置決めされ、別のアップホールインターフェイスは、更にダウンホール側に配置されるのが良い。別の例では、1つのダウンホールインターフェイスをワイヤードドリルパイプ遠隔計測システムに隣接して位置決めし、別のインターフェイスをダウンホールツールに沿って更にダウンホール側に位置決めするのが良い。
【0041】
図4Aは、ダウンホールツール410に直結されたワイヤードドリルパイプ遠隔計測システム445を示している。アップホールインターフェイス422が、ワイヤードドリルパイプ遠隔計測システムの上方に位置決めされている。ダウンホールインターフェイス440が、ダウンホールツール410と一体である。この状況では、ダウンホールインターフェイスをダウンホールツールの既存の部分、例えばプロセッサ、モデム及びダウンホールツールの構成要素の幾つかの部分を形成する他の装置で形成するのが良い。
【0042】
図4Bは、各々がそれ自体のダウンホールインターフェイス450を備えた多数のワイヤードドリルパイプ遠隔計測システム445を示している。アップホールインターフェイス422が、最も上に位置するワイヤードドリルパイプ遠隔計測システムのアップホール側端部のところに設けられている。ダウンホールインターフェイス450は、ダウンホールツール410と同時に又はこれとは独立して通信することができる。
【0043】
図4Cは、各々がそれ自体のダウンホールインターフェイス450を備えた多数のダウンホールツールを示している。アップホールインターフェイス422が、ワイヤードドリルパイプ遠隔計測システムのアップホール側端部のところに設けられている。図4Dは、多数のアップホールインターフェイス422及び多数のダウンホールインターフェイス450を備えたワイヤードドリルパイプ遠隔計測システムを示している。
【0044】
図5Aは、ワイヤードドリルパイプシステム、例えば図1のワイヤードドリルパイプシステム145とダウンホールツール又は底部穴組立体、例えば図1のBHA100との間に使用可能なインターフェイス500の一例を示している。インターフェイス500は、ハウジング502、WDPコネクタ524、ダウンホールコネクタ526及びエレクトロニクス550を有している。図示のように、エレクトロニクスは、矢印で示されているような泥水の流通を可能にするようドリルカラーの内面に取り付けられている。エレクトロニクスは、好ましくは、取り外し可能にドリルカラー内に装填されて肩527に当てて取り付けられる。
【0045】
ハウジングは、WDPシステム及び(又は)ダウンホールツールに連結可能なドリルカラー又は他のチュービング若しくはサブであるのが良い。変形例として、ハウジングは、WDPシステム及び(又は)ダウンホールツールの一部であっても良い。好ましくは、タブ531,533は、WDPシステム及び(又は)ダウンホールツールの対応のドリルパイプにねじ連結される。図示のように、端部531,533は、隣接のドリルパイプに螺合してこれと作動的に連結できるようになったつがい関係をなす雌ねじを備えたボックス形端部である。これら端部は、オプションとして、必要に応じて隣接のカラーと合致するボックス又はピン形端部であっても良い。1つ又は2つ以上のかかるインターフェイス500を互いに連結しても良く又は追加のドリルカラーによって分離しても良い。インターフェイスは、それぞれのツールへの作動的連結がつがい関係をなす限り、逆さまであっても良い。
【0046】
WDPコネクタ524及びダウンホールコネクタ526は、インターフェイスをそれぞれWDPシステム及びダウンホールツールに作動的に結合する。エレクトロニクス550は、信号をWDPシステムとダウンホールツールとの間で送るよう用いられる。エレクトロニクスは、WDPモデム520及びダウンホールモデム522を有する。また、追加のエレクトロニクス、例えば図2A、図2B及び図3に示すエレクトロニクスを更に設けても良い。図7A〜図9は、エレクトロニクスの追加の形態を示しており、これにつき以下に更に説明する。
【0047】
図5Aに示すように、追加の特徴部、例えば読み出しポート525も又設けるのが良い。読み出しポートは、エレクトロニクスへの接近を可能にする。例えば、ツールが地表又は坑外まで取り出されると、坑外ユニットを読み出しポートにプラグ接続すると、データを検索し、指令を入れ、電力を切り又は他の手順を実施することができる。
【0048】
図5Bは、部分的に環状であり部分的にマンドレルの形をした形態のインターフェイス500aを示している。インターフェイス500aは、エレクトロニクスの一部分がマンドレルレイアウト内に位置決めされていることを除き、本質的に図5Aのものと同一である。換言すると、エレクトロニクスの一部分550aは、図5Aに示すようにハウジング502の内面に沿って位置決めされ、エレクトロニクスの別の部分550bは、ハウジング内のマンドレル形態内に位置決めされている。セントラライザ(centralizer)552が、エレクトロニクス550bを支持するようハウジングの内面に沿って位置決めされており、かかるセントラライザには、矢印によって示されるように掘削泥水の通過を可能にする孔が貫通して設けられている。
【0049】
図6A〜図6Dは、ワイヤードドリルパイプシステム、例えば図1のワイヤードドリルパイプシステム145とダウンホールツール又は底部穴組立体、例えば図1のBHA100との間で使用可能なモジュール式インターフェイスの種々の形態を示している。図6Aに示すように、モジュール式インターフェイス600は、ハウジング602、WDPコネクタ624、ダウンホールコネクタ626a,626b及びエレクトロニクス650a,650bを有している。図示のように、エレクトロニクスは、矢印で示されるように泥水の流通を可能にするようドリルカラーの内面に取り付けられている。エレクトロニクスは、好ましくは、ドリルカラー内に装填され、その内面に沿って取り付けられている。
【0050】
ハウジングは、図5Aに示すものと同一であるのが良い。図6Aに示すように、アップホール側端部631は、ボックス形端部であり、ダウンホール側端部633は、対応のツールに作動的に連結できるよう螺着可能な連結部を備えたピン形端部である。
【0051】
ハウジングは、1つ又は2つ以上の連結部660を備えるのが良い。連結部660は、インターフェイス600にモジュール性を与える。インターフェイスの幾つかの部分は、選択的に連結でき又は分離できる。接続部は、例えば、工場継手、ねじ継手、はんだ継手、溶接継手又はインターフェイスの幾つかの部分を作動的に連結する他の継手であるのが良い。連結部は、必要に応じ例えばメンテナンス又は機械加工のためにインターフェイスの分離を可能にする。例えば、WDPシステムが第1の事業実体によって開発された場合、第1の事業実体は、関連のインターフェイスのWDP部分を開発する場合があり、ダウンホールツールが第2の事業実体によって開発された場合、この第2の事業実体は、インターフェイスのダウンホール部分を開発する場合がある。このようにすると、インターフェイスを別々に製造し、次に共同的に組み立てることができる。エレクトロニクス650a,650bは、好ましくは、別個の組み立てを可能にするよう別々のモジュール内に位置決めされる。2組のエレクトロニクスが示されているが、追加のエレクトロニクスを備えた追加のモジュールを提供しても良い。
【0052】
エレクトロニクス650a,650bを互いに作動的に連結するために1つ又は2つ以上のコネクタ、例えばリンク662を用いるのが良い。リンク670a,670bは、それぞれ、エレクトロニクス650aをWDPコネクタ624に作動的に接続し、エレクトロニクス650bをダウンホールコネクタ626bに作動的に接続するために設けられている。接続部、リンク、読み出しポート又は他の装置は、ワイヤードコネクタ、ワイヤレスコネクタ又は作動的な接続を可能にする任意の種類のコネクタを介して通信することができる。かかる接続部が接続部660を横切って延びる場合、追加の継手を用いるのが良い。
【0053】
WDPコネクタ624及びダウンホールコネクタ626aは、それぞれ、コネクタ524,526と同一であるのが良い。オプションとして、追加の又は別のダウンホールコネクタ626b、例えばダウンホールツールに作動的に接続可能な誘導又は導電性コネクタを用いることができる。エレクトロニクス650a,650bは、信号をWDPシステムとダウンホールツールとの間で送るために用いられる。エレクトロニクス650a,650bは、これらを介する通信を可能にするようそれぞれWDPモデム620及びダウンホールモデム622を有するものとして示されている。作動的接続が行われる限り、インターフェイス内の種々の場所にコネクタ、例えばコネクタ624,620a,626bを設けることができる。
【0054】
また、追加のエレクトロニクス、例えば図2A、図2B及び図3に示すエレクトロニクスを更に設けることができる。図7A〜図9は、以下に更に説明するように、エレクトロニクスに関する追加の形態を記載している。図6Aに示すように、読み出しポート625a,625bは、これらの中に位置決めされた読み出し回路を更に備えるのが良い。例えば、かかる読み出し回路は、例えば図7A〜図9に示されると共に本明細書によって更に説明されるセンサ及び他のエレクトロニクスを有するのが良い。読み出しポート625a,625bは、接続を容易にすると共に信号の伝送を容易にする回路が読み出しポート内に設けられる場合があることを除き、図5Aの読み出しポート525と同一であるのが良い。
【0055】
図6Aに示すように、種々の追加の機能を実行する1つ又は2つ以上の追加のコンポーネント672をインターフェイス内に設けるのが良い。例えば、かかるコンポーネントは、種々のダウンホール作業、例えばダウンホール検出(即ち、圧力)、発電、遠隔計測、記憶又は他の作業を実行するために使用されるのが良い。
【0056】
図6Bは、追加のエレクトロニクス650c,650dが設けられていることを除き、図6Aのモジュール式インターフェイス600aと同一のモジュール式インターフェイスの別の形態600aを示している。図示のように、エレクトロニクス650cは、エレクトロニクス650aに隣接してハウジング602の内面に沿う環状位置に設けられた追加のエレクトロニクスである。エレクトロニクス650dは、ハウジング内のマンドレル位置でセントラライザ652上に支持されている。この形態では、モジュール式接続部は、インターフェイスの第1の部分がエレクトロニクス650a,650cを有し、第2の部分がエレクトロニクス650b,650dを有するように接続部660に沿って別々であるのが良い。例えばカプラ624を備えたねじ山付き端部631及びダウンホールコネクタ626bを備えたねじ山付き端部633に関して追加の分離を可能にするために追加の接続部660を設けるのが良い。
【0057】
図6Cは、別のモジュール式インターフェイス600bを示している。この形態では、エレクトロニクス650aは、内面に沿って設けられ、エレクトロニクス650eは、エレクトロニクス650aに隣接してハウジングの内面に設けられている。エレクトロニクス650aは、WDPモデム620を備え、エレクトロニクス650eは、ダウンホールモデム622を備えている。好ましくは、エレクトロニクス650eは、ドリルカラー内に取り外し可能に設けられる。このようにすると、エレクトロニクス650eは、別個のメンテナンス、据え付け等を行うためにインターフェイスから分離できる。
【0058】
図6Cに示すように、ハウジングは、第1のボックス形端部631及びピン形端部633aを有している。上述したように、端部は、インターフェイスをドリルストリング及び(又は)ダウンホールツールに作動的に連結するボックス形及び(又は)ピン形又は他の連結部であるのが良い。
【0059】
図6Dは、別のモジュール式インターフェイス600cを示している。モジュール式インターフェイス600cは、エレクトロニクス650eに代えてマンドレル形態のエレクトロニクス650fが用いられていることを除き、図6cのモジュール式インターフェイス600bと同一であるのが良い。ダウンホールモデム622は、ダウンホールツールと通信可能にエレクトロニクス650f内に設けられている。
【0060】
エレクトロニクス650fをハウジング内で支持するセントラライザ652a,652bが設けられている。セントラライザ652aは、例えば、エレクトロニクスの周りに設けられた支持体であるのが良い。セントラライザ652bは、例えば、エレクトロニクスを支持するために用いられるリング又はスパイダであるのが良い。
【0061】
図5A〜図6Dに示す形態は、ハウジング内に設けられたエレクトロニクス、コネクタ及び他の装置の特定の配置状態を示しているが、これら配置状態を変えても良いことは理解されよう。例えば、WDPコネクタ及びモデムをハウジング周りの種々の場所に設けても良い。
【0062】
図7A〜図7Cは、本明細書において説明したインターフェイスに使用可能なエレクトロニクス750の詳細図を示す略図である。図示のように、エレクトロニクスは、WDPモデム720、ダウンホールモデム722及び電力モジュール781を有している。図示のように、電力モジュール781及び(又は)バッテリ771及び(又は)外部電力源772を用いて電力を内部で提供することができる。また、追加のエレクトロニクス、例えば診断装置773、コントローラ774、センサ775、GPS/リアルタイムクロック776及び読み出しポート(ROP)725も又設けられるのが良い。
【0063】
コントローラは、信号の処理、データの分析、電源の制御及び他のダウンホール作業の実施を行うために使用されるのが良い。診断装置は、エレクトロニクス、ダウンホールツール、WDPシステム及び他の関連システムをモニタするために使用されるのが良い。センサは、図2Bのセンサ204と同一であるのが良い。GPS/リアルタイムクロックは、センサから得たデータに関するタイムスタンプを提供すると共に時刻同期を行うよう使用されるのが良い。読み出しポートは、本明細書において説明した読み出しポート625と同一であるのが良い。
【0064】
図7Bは、別の形態としてのエレクトロニクス750aを示している。この形態では、図7Aのエレクトロニクス750は、WDP部分782とダウンホール部分780に分離されており、これらの間にはコネクタ762が設けられている。図示のように、エレクトロニクス780は、WDPモデム720をWDP部分782に移し、信号/電力インターフェイス778がWDP部分782と作動的に通信するよう設けられていることを除き、図7Aのエレクトロニクス750と同一である。
【0065】
WDP部分782は、WDPモデム720及びダウンホール部分780の信号/電力インターフェイス778aと通信する信号/電力インターフェイス778bを備えている。オプションとして、上側部分と下側部分を作動的に接続するコネクタ762が設けられている。幾つかの場合において、これは、信号を部分780,782相互間で送ることができる現場継手又は他の形式のコネクタであるのが良い。接続は、例えば、誘導性、導電性又は光及びワイヤード又はワイヤレス方式であって良い。
【0066】
図7Cは、別の形態としてのエレクトロニクス750bを示している。この形態は、WDP部分782aが追加のエレクトロニクスを備えていることを除き、図7bのエレクトロニクス750aと同一である。WDP部分782aは、WDPモデム720及び信号/電力インターフェイス778b(図7Bの先に説明したWDP部分782の場合と同様である)に加えて電力モジュール781、バッテリ771、GPS/リアルタイムクロック776、ROP725、センサ775、コントローラ774、診断装置773及び外部電力源772を有している。この形態は、種々のエレクトロニクスをエレクトロニクスのうちの1つ又は2つ以上の部分に使用できることを示している。2つの部分が示されているが、エレクトロニクスの種々の部分を有する多数の部分を提供できる。それぞれのエレクトロニクスを互いに接合するコネクタが必要な場合がある。
【0067】
図8及び図9は、別々の部分に分割された図3の坑外モデム200の別の形態を示している。図8は、コントローラ774の詳細図である。コントローラは、プロセッサ892、メンブレン894、アプリケーション専用集積回路(ASIC)/フィールドプログラマブル機器(FPD)893及び他の回路を備えるのが良い。
【0068】
図9は、ダウンホールモデム772の詳細図である。同一の形態をWDPモデム720に使用することができる。モデムは、例えば、送信器及び受信器(又はトランシーバ)995を有するのが良い。アナログが用いられる場合、モデムは、フィルタ996、増幅器997、利得制御装置998、変調器999、復調器999及びデータ変換器988を更に備えるのが良い。
【0069】
図5A〜図6Dに示すインターフェイスを図4A〜図4Dに示すようにWDPシステム及び(又は)ダウンホールツールの周りに設けるのが良い。例えば図5A〜図6Dのインターフェイスは、坑外インターフェイス、例えば、図4A〜図4Dのインターフェイス422、図4Aの一体形インターフェイス440及び(又は)図4B〜図4Dのダウンホールインターフェイス450として構成されるのが良い。本明細書で説明したインターフェイスは、信号を増幅すると共に(或いは)整形する1つ又は2つ以上のリピータを更に備えるのが良い。リピータ及び他の装置、例えば図9に示すモデムを用いると、信号が坑井を通過しているときにこの信号を改善することができる。
【0070】
これら形態は、とりわけ、種々のダウンホールツール及びワイヤードドリルパイプ遠隔計測システムに適合する際の融通性の実現を可能にする。図示の構成に加えて、一体形インターフェイス及び別々のインターフェイスの種々の組み合わせを用いることができる。多くの一体形インターフェイスも又使用できる。
【0071】
上述の説明から、本発明の真の精神から逸脱することなく、本発明の好ましい実施形態及び変形実施形態の改造例及び変更例を想到できることは理解されよう。例えば、本明細書において説明した通信リンクは、ワイヤード方式であっても良く、ワイヤレス方式であっても良い。本明細書において説明した装置を、所望の機能を実行するよう手動で且つ(或いは)自動的に起動化することができる。この起動化は、所望に応じて且つ(或いは)生じたデータ、検出した状態及び(又は)ダウンホール作業からの結果の分析に基づいて実施されるのが良い。
【0072】
本明細書は、例示の目的のためにのみ意図され、本発明を限定する意味に解釈されてはならない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲の記載に基づいてのみ定められる。原文明細書に記載された「comprising」(訳文では、「〜を有する」と訳している場合が多い)という用語は、“including at least”(「〜を少なくとも含む」の意)を意味し、従って、特許請求の範囲中に記載した構成要素は、集合の概念としてのオープングループであり、即ち、これら構成要素に限られることはない。冠詞“a”、“an”及び他の単数を示す冠詞は、もし特段の指摘が無ければ、その複数の形態を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】ワイヤードドリルパイプ型遠隔計測システムを収納しているドリルストリングを介してリグから坑井内に配備されたダウンホールツールを有する坑井現場の部分断面略図である。
【図2A】坑外ユニットとワイヤードドリルパイプ型遠隔計測システムとの間で信号を送るアップホールインターフェイスの実施形態の略図である。
【図2B】坑外ユニットとワイヤードドリルパイプ型遠隔計測システムとの間で信号を送るダウンホールインターフェイスの実施形態の略図である。
【図3】図2A及び図2Bのダウンホールインターフェイスに使用できるモデムの実施形態の略図である。
【図4A】ワイヤードドリルパイプ型遠隔計測システム及びダウンホールツールと組み合わせて使用されるインターフェイスの一形態の略図である。
【図4B】ワイヤードドリルパイプ型遠隔計測システム及びダウンホールツールと組み合わせて使用される別の形態のインターフェイスの略図である。
【図4C】ワイヤードドリルパイプ型遠隔計測システム及びダウンホールツールと組み合わせて使用される別の形態のインターフェイスの略図である。
【図4D】ワイヤードドリルパイプ型遠隔計測システム及びダウンホールツールと組み合わせて使用される別の形態のインターフェイスの略図である。
【図5A】本発明のインターフェイスの実施形態の断面図である。
【図5B】本発明のインターフェイスの実施形態の断面図である。
【図6A】本発明の実施形態によるモジュール化インターフェイスの断面図である。
【図6B】本発明の実施形態によるモジュール化インターフェイスの断面図である。
【図6C】本発明の別の実施形態によるインターフェイスの断面図である。
【図6D】本発明の別の実施形態によるインターフェイスの断面図である。
【図7A】本発明のインターフェイスの実施形態に使用されるエレクトロニクスの概略ブロック図である。
【図7B】本発明のインターフェイスの実施形態に使用されるエレクトロニクスの概略ブロック図である。
【図7C】本発明のインターフェイスの実施形態に使用されるエレクトロニクスの概略ブロック図である。
【図8】本発明の実施形態に用いられるコントローラのブロック図である。
【図9】本発明の実施形態に用いられるモデムのブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アップホール電子機器と、地下坑井内に吊り下げられ、少なくとも1つのダウンホールツールが取り付けられ、前記ダウンホールツールと前記アップホール電子機器との間の通信リンクの一部をなすワイヤードドリルパイプ(WDP)の一区分を備えたドリルストリングとを含む掘削作業に用いられる、前記ワイヤードドリルパイプの前記一区分と通信源/通信先との間の通信のためのインターフェイスであって、
全体として円筒形の外形を備えていて、通路が貫通して設けられたハウジングを有し、
前記ハウジングは、前記ワイヤードドリルパイプの前記一区分に接続可能なWDP側端部及び前記通信元/通信先に接続可能な別の端部を有し、
前記ハウジング内に設けられたWDP回路モジュールを有し、前記WDP回路モジュールは、前記ワイヤードドリルパイプの前記一区分に電気的に結合可能であり、
前記ハウジング内に設けられた別の回路モジュールを有し、前記別の回路モジュールは、前記WDP回路モジュールに電気的に結合可能であると共に前記通信元/通信先に接続可能である、インターフェイス。
【請求項2】
前記通信元/通信先は、前記アップホール電子機器及び前記ダウンホールツールから成る群から選択される、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項3】
前記アップホール電子機器は、アップホールサブに結合され、前記通信元/通信先は、前記アップホールサブを有する、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項4】
前記ダウンホールツールは、通信機能を備えた底部穴組立体の一部であり、前記通信元/通信先は、前記底部穴組立体を有する、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項5】
前記ドリルストリングは、ワイヤードドリルパイプの別の一区分を有し、前記通信元/通信源は、前記ワイヤードドリルパイプの前記別の一区分を有する、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項6】
前記ドリルストリングは、追加のインターフェイスを含み、前記通信元/通信先は、前記追加のインターフェイスを有する、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項7】
前記WDP回路モジュールと前記別の回路モジュールは、取り外し可能に結合され、前記WDP回路モジュール及び前記別の回路モジュールは、前記ハウジングから別々に取り外し可能である、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項8】
前記ハウジングは、2つの分離可能であって接続可能なハウジングモジュールで構成され、前記ハウジングモジュールは、前記ハウジングの前記WDP側端部を収容すると共に前記WDP回路モジュールを収容したWDPハウジングモジュール及び前記ハウジングの前記別の端部を収容すると共に前記別の回路モジュールを収容した別のハウジングモジュールを含む、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項9】
前記ハウジングは、2つの分離可能であって接続可能なハウジングモジュールで構成され、前記ハウジングモジュールは、前記ハウジングの前記WDP側端部を収容すると共に前記WDP回路モジュールを収容したWDPハウジングモジュール及び前記別の回路モジュールを収容した別のハウジングモジュールを含む、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項10】
前記WDP回路モジュールと前記別の回路モジュールは、取り外し可能に結合されている、請求項8記載のインターフェイス。
【請求項11】
前記WDP回路モジュールと前記別の回路モジュールは、コネクタにより取り外し可能に結合されている、請求項10記載のインターフェイス。
【請求項12】
前記WDP回路モジュールは、WDPモデムを有し、前記別の回路モジュールは、別のモデムを有する、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項13】
前記WDP回路モジュールは、WDPモデムを有し、前記別の回路モジュールは、別のモデムを有する、請求項11記載のインターフェイス。
【請求項14】
前記別の回路モジュールは、電力源を有する、請求項12記載のインターフェイス。
【請求項15】
前記電力源は、内部電源モジュール、バッテリ及び外部電力源から成る群から選択された少なくとも1つの装置を用いて電力を提供する、請求項14記載のインターフェイス。
【請求項16】
前記WDP回路モジュール及び前記別の回路モジュールのうちの少なくとも一方は、センサ、診断回路、読み出しポート、コントローラ、リアルタイムクロック及びメモリから成る群から選択された装置を含む、請求項12記載のインターフェイス。
【請求項17】
少なくとも1つのリピータを更に有する、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項18】
前記通路は、少なくとも部分的中央軸方向通路を含み、前記WDP回路モジュール及び前記別の回路モジュールは、全体として前記中央軸方向通路に隣接して前記ハウジング内に設けられている、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項19】
前記通路は、少なくとも部分的中央軸方向通路を含み、前記WDP回路モジュール及び前記別の回路モジュールは、全体として前記中央軸方向通路に隣接して前記ハウジング内に設けられている、請求項7記載のインターフェイス。
【請求項20】
前記通路は、少なくとも部分的中央軸方向通路を含み、前記WDP回路モジュール及び前記別の回路モジュールは、全体として前記中央軸方向通路に隣接して前記ハウジング内に設けられている、請求項9記載のインターフェイス。
【請求項21】
前記別の端部は、前記通信元/通信先に接続可能に前記別の回路モジュールに電気的に結合されたコネクタを有し、前記コネクタは、前記部分的中央軸方向通路に通じている環状通路内に軸方向に位置している、請求項18記載のインターフェイス。
【請求項22】
前記コネクタは、中央電子モジュールを更に有する、請求項21記載のインターフェイス。
【請求項23】
前記通路は、少なくとも部分的環状通路を含み、前記WDP回路モジュール及び前記別の回路モジュールのうちの一方は、前記部分的環状通路内の前記ハウジングの中央部分内に設けられている、請求項1記載のインターフェイス。
【請求項24】
前記通路は、少なくとも部分的環状通路を含み、前記WDP回路モジュール及び前記別の回路モジュールのうちの一方は、前記部分的環状通路内の前記ハウジングの中央部分内に設けられている、請求項7記載のインターフェイス。
【請求項25】
前記別の端部は、前記通信元/通信先に接続可能に前記別の回路モジュールに電気的に結合された非中央コネクタを含む、請求項18記載のインターフェイス。
【請求項26】
前記別の端部は、前記通信元/通信先に接続可能に前記別の回路モジュールに電気的に結合されたコネクタを含む、請求項18記載のインターフェイス。
【請求項27】
アップホール電子機器と、地下坑井内に吊り下げられ、少なくとも1つのダウンホールツールが取り付けられ、前記ダウンホールツールと前記アップホール電子機器との間の通信リンクの一部をなすワイヤードドリルパイプ(WDP)の一区分を備えたドリルストリングとを含む掘削作業に用いられる、前記ワイヤードドリルパイプの一区分と通信源/通信先との間の通信のためのインターフェイス方法であって、
全体として円筒形の外形を備えていて、通路が貫通して設けられたハウジングを用意するステップを有し、前記ハウジングは、前記ワイヤードドリルパイプの前記一区分に接続可能なWDP側端部及び前記通信元/通信先に接続可能な別の端部を有し、
前記ハウジング内に設けられたWDP回路モジュールを用意するステップを有し、前記WDP回路モジュールは、前記ワイヤードドリルパイプの前記一区分に電気的に結合可能であり、
前記ハウジング内に設けられた別の回路モジュールを用意するステップを有し、前記別の回路モジュールは、前記WDP回路モジュールに電気的に結合可能であると共に前記通信元/通信先に接続可能である、インターフェイス方法。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−503306(P2009−503306A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525194(P2008−525194)
【出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【国際出願番号】PCT/US2006/030326
【国際公開番号】WO2007/016687
【国際公開日】平成19年2月8日(2007.2.8)
【出願人】(500177204)シュルンベルジェ ホールディングス リミテッド (51)
【氏名又は名称原語表記】Schlnmberger Holdings Limited