説明

垂直磁気記録媒体および磁気記憶装置

【課題】本発明は、信頼性の高い垂直磁気記録媒体及びそれを用いた磁気記憶装置を提供することを目的とする。
【解決手段】基板1と、前記基板1の一主面側に形成された軟磁性層3と、前記軟磁性層3に接触して形成された非磁性層4と、前記非磁性層4上に形成された中間層6と、前記中間層6に接触して形成された垂直記録層7とを備えた垂直磁気記録媒体において、前記中間層として表面平坦性を向上させるため、アセン塗布膜を用いる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直磁気記録媒体および磁気記憶装置に関する。
【背景技術】
【0002】
磁気ディスクの分野では、従来の面内記録方式を用いた場合、面記録密度が高まるとともに記録したデータが熱の影響により消失してしまうという問題がある。これに対して、垂直記録方式の場合、例えば公開特許公報の特開2004−39152号公報に記載されているように、記録密度の増加とともに隣接ビット間の反磁界が減少して記録データが安定に保持される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−39152号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術においては、基板と、前記基板の一主面側に形成された軟磁性下地膜と、前記軟磁性下地膜に接触して形成された非磁性膜と、前記非磁性膜に接触して形成された中間膜と、前記中間膜に接触して形成された垂直記録層とを備えた垂直磁気記録媒体において、中間膜がRu膜である場合には、前記Ru膜を形成した際の表面平坦性が十分でないという問題がある。そこで、この中間膜の上に垂直記録層を形成した際に、中間膜と垂直記録層の界面が荒れた状態となり、製品の信頼性や機能の低下が懸念される。
【0005】
本発明は、信頼性の高い垂直磁気記録媒体を提供することにあり、また、信頼性の高い磁気記憶装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明者らは、基板と、前記基板の一主面側に形成された軟磁性下地膜と、前記軟磁性下地膜に接触して形成された非磁性膜と、前記非磁性膜に接触して形成された中間膜と、前記中間膜に接触して形成された垂直記録層とを備えた垂直磁気記録媒体において、中間膜がRu膜である場合には、前記垂直記録層の原子配列がRuの原子配列にならって並ぶために結晶性が良くなる一方で、粒界拡散と表面拡散のバランスが悪く、粒界溝が形成されることを見出した。この粒界溝により、表面平坦性が悪くなる。そこで、発明者らは、垂直記録層の結晶性を良くする効果を持ちながらなおかつ表面平坦性を向上させる中間膜を見出すために鋭意研究を行った結果、アセン類をマトリックス材料とする中間膜を用いることが有効であることを見出した。本願発明の課題は例えば、下記の構成を備えた垂直磁気記録媒体と磁気記憶装置により解決される。
(1)基板と、前記基板の一主面側に形成された軟磁性下地膜と、前記軟磁性下地膜に接触して形成された非磁性膜と、前記非磁性膜に接触して形成された中間膜と、前記中間膜に接触して形成された垂直記録層とを備えた垂直磁気記録媒体において、前記中間膜がアセン類をマトリックス材料とすること。
【0007】
なお、前記垂直記録層は、CoとCrとPtを構成元素とし、前記Crの濃度が15at.%以上25at.%以下の濃度であり、前記Ptの濃度が10at.%以上20at.%以下であることが望ましい。
(2)基板と、前記基板の一主面側に形成された軟磁性下地膜と、前記軟磁性下地膜に接触して形成された非磁性膜と、前記非磁性膜に接触して形成された中間膜と、前記中間膜に接触して形成された垂直記録層とを備えた垂直磁気記録媒体において、前記中間膜がテトラセン,ペンタセン,ヘキサセンの群から選ばれる少なくともひとつのアセン類をマトリックス材料とすること。
【0008】
なお、前記垂直記録層は、CoとCrとPtを構成元素とし、前記Crの濃度が15at.%以上25at.%以下の濃度であり、前記Ptの濃度が10at.%以上20at.%以下であることが望ましい。
(3)基板と、前記基板の一主面側に形成された軟磁性下地膜と、前記軟磁性下地膜に接触して形成された非磁性膜と、前記非磁性膜に接触して形成された中間膜と、前記中間膜に接触して形成された垂直記録層とを備えた垂直磁気記録媒体において、前記中間膜がRuを主構成元素とし、前記中間膜がテトラセン,ペンタセン,ヘキサセンの群から選ばれる少なくともひとつのアセン類をマトリックス材料とし、前記中間膜が無機セラミックス粉末をフィラー(充填材)として含有すること。
【0009】
なお、前記垂直記録層は、CoとCrとPtを構成元素とし、前記Crの濃度が15at.%以上25at.%以下の濃度であり、前記Ptの濃度が10at.%以上20at.%以下であることが望ましい。
(4)基板と、前記基板の一主面側に形成された軟磁性下地膜と、前記軟磁性下地膜に接触して形成された非磁性膜と、前記非磁性膜に接触して形成された中間膜と、前記中間膜に接触して形成された垂直記録層とを備えた垂直磁気記録媒体と、前記垂直磁気記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と、記録部と再生部を備えた磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記垂直磁気記録媒体に対して相対運動させる手段と、前記磁気ヘッドの信号入力と前記磁気ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生処理手段を有する磁気記憶装置において、前記中間膜がテトラセン,ペンタセン,ヘキサセンの群から選ばれる少なくともひとつのアセン類を主構成材料とし、前記中間膜が窒化ホウ素,窒化アルミニウムの群から選ばれる少なくともひとつからなる無機セラミックス粉末をフィラー(充填材)として含有すること。
【0010】
なお、前記垂直記録層は、CoとCrとPtを構成元素とし、前記Crの濃度が15at.%以上25at.%以下の濃度であり、前記Ptの濃度が10at.%以上20at.%以下であることが望ましい。
(5)基板と、前記基板の一主面側に形成された軟磁性下地膜と、前記軟磁性下地膜に接触して形成された非磁性膜と、前記非磁性膜に接触して形成された中間膜と、前記中間膜に接触して形成された垂直記録層とを備えた垂直磁気記録媒体と、前記垂直磁気記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と、記録部と再生部を備えた磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記垂直磁気記録媒体に対して相対運動させる手段と、前記磁気ヘッドの信号入力と前記磁気ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生処理手段を有する磁気記憶装置において、前記中間膜がテトラセン,ペンタセン,ヘキサセンの群から選ばれる少なくともひとつのアセン類をマトリックス材料とし、前記アセンが持つCHのボンドのうち12%以上85%以下がCOOH,COH,CNH2,CSに置き換わっており、前記中間膜が窒化ホウ素,窒化アルミニウムの群から選ばれる少なくともひとつからなる無機セラミックス粉末をフィラー(充填材)として含有し、さらに前記中間膜がエポキシ樹脂,ポリエステル樹脂,フェノール樹脂,アクリル樹脂の群から選ばれる少なくともひとつからなる樹脂を添加物として含有すること。
【0011】
なお、前記垂直記録層は、CoとCrとPtを構成元素とし、前記Crの濃度が15at.%以上25at.%以下の濃度であり、前記Ptの濃度が10at.%以上20at.%以下であることが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、信頼性の高い垂直磁気記録媒体を提供できる。また、機能の高い垂直磁気記録媒体を提供できる。また、信頼性の高い磁気記憶装置を提供できる。さらに、機能の高い磁気記憶装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明における第一の実施例である垂直磁気記録媒体の断面図である。
【図2】本発明における第一の実施例である垂直磁気記録媒体において、中間層に下地膜を設けた構造の断面図である。
【図3】アセン類とルテニウム(Ru)の結晶構造の類似性を示す図である。
【図4】垂直記録層としてCo70%Cr15%Pt15%を用いた場合の結晶性の良さを界面の剥離エネルギーで表した図である。
【図5】アセン類をマトリックスとして、無機セラミックス粉末をフィラーとして含有させた中間膜を形成することで、より強度の高い中間膜が得られることを示した図である。
【図6】アセン類をマトリックスとして、無機セラミックス粉末をフィラーとして含有させた中間膜を形成することで、より熱伝導性の高い中間膜が得られることを示した図である。
【図7】2つの軟磁性層で非磁性層を挟んだ構造の代わりに、1層の軟磁性層を用いた構造を示す図である。
【図8】本発明における第二の実施例である磁気記憶装置の断面図である。
【図9】本発明における第二の実施例である磁気記憶装置を上からみた概略図である。
【図10】本発明における第三の実施例である磁気記憶装置を上からみた概略図である。
【図11】本発明における第三の実施例である磁気記憶装置に使われるスライダの周囲を拡大した概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を用いて本発明の実施例について説明する。
【実施例1】
【0015】
まず、次に、本発明における第一の実施例である垂直磁気記録媒体の断面構造を図1に示す。本実施例の垂直磁気記録媒体は、図1に示すように、基板1の上にプリコート層2,軟磁性層3,非磁性層4,軟磁性層5,中間層6,垂直記録層7および保護層8が例えばDCマグネトロンスパッタリング法により形成され、さらにこの上に潤滑層9が形成された構成となっている。図1の構造の代わりに、中間層6に例えばNi,Ta,Wなどからなる下地膜106を形成した図2のような構造であってもよい。発明者らは、これらの構造において、中間膜が従来から使用されてきたRu膜である場合には、前記垂直記録層の原子配列がRuの原子配列にならって並ぶために結晶性が良くなる一方で、粒界拡散と表面拡散のバランスが悪く、粒界溝が形成されることを見出した。この粒界溝により、表面平坦性が悪くなる。そこで、発明者らは、垂直記録層の結晶性を良くする効果を持ちながらなおかつ表面平坦性を向上させる中間膜を見出すために鋭意研究を行った結果、ナフタレン,アントラセン,テトラセン,ペンタセン,ヘキサセン等のアセン類をマトリックス材料とする中間膜を用いることが有効であることを見出した。したがって、本実施例の特徴のひとつは、中間層6としてアセン類をマトリックスとする材料を用いることである。例えば、製造方法として、中間膜のマトリックス材料であるアセン類にフィラー(充填材)である無機セラミックス粉末を溶かした1,2,4−トリクロロベンゼンまたは3,4−ジクロロトルエンを塗布した後、180〜200℃の温度で加熱して溶剤を蒸発させることにより、平坦な中間膜を形成することができる。塗布することで自然と平らな形状が得られるため、化学的機械研磨のようなコストの高い方法を用いずに低コストで平坦化することができる。また、アセン類は、炭素が六角形状につながった芳香環をつなげた構造を持ち、最密六方構造の結晶構造を持つRuに近い構造を持つため、Ruと同様に垂直記録層の結晶性を良くする効果を持つ。この様子を図にしたものが、図3である。図3では、芳香環が6個つながったヘキサセンを省略しているが、芳香環が5個つながったペンタセンに芳香環をひとつ加えただけである。図3からわかるように、アセン類とRuでは原子間距離と結晶構造が似ているので、アセン類はRuと同様に垂直記録層の結晶性を良くする効果を持つ。この効果を示した図が図4である。図4では、垂直記録層としてCo70%Cr15%Pt15%を用いた場合の結晶性の良さを界面の剥離エネルギーで表している。Co70%Cr15%Pt15%の結晶性が良いほど中間膜との界面で剥離しにくく、剥離エネルギーが高くなる。図4から、中間膜としてタンタル(Ta)やタングステン(W)を用いた場合には、中間膜としてRuを用いた場合よりも結晶性が悪くなることがわかるが、ナフタレン,アントラセンを用いた場合にはRuの場合とほぼ同等の結晶性の良さが得られ、テトラセン,ペンタセン,ヘキサセンを用いた場合には、Ruの場合よりも剥離エネルギーが高くなり、結晶性が良くなることがわかる。アセン類のみの中間膜でも以上の効果は得られるが、アセン類をマトリックスとして、無機セラミックス粉末をフィラーとして含有させた中間膜を形成することで、より強度の高い中間膜を得ることができる。この効果を中間膜の降伏応力(降伏強度)を用いて示した図が図5である。図5より、シリカやアルミナを含有させるよりも、酸化チタン,酸化ジルコニウム,酸化ハフニウムを含有させることが好ましく、さらには、窒化ボロン,窒化アルミニウムを含有させることがより好ましい。また、図6に示すように、アセン類との界面の熱伝導も図5の降伏強度と同様の順序となっており、放熱性の観点でも、酸化チタン,酸化ジルコニウム,酸化ハフニウムを含有させることが好ましく、さらには、窒化ボロン,窒化アルミニウムを含有させることがより好ましい。放熱性が高いと、スライダが磁気記録媒体に接触して熱を発生しても、熱を逃がすことができるので、より信頼性の高い磁気記録装置を提供できる。中間膜の放熱性が良いために、レーザなどで加熱して書き込みを行ういわゆる熱アシスト磁気記録装置(例えば特許第3884031号公報)の記録媒体として用いることができる。熱アシスト磁気記録装置の媒体として用いる場合、記録層の熱を速やかに逃がすことができる上に、記録媒体の表面に凹凸の無い平坦性を実現できるので、高速・高密度な磁気記録装置を達成しやすい。
【0016】
図2の構造の軟磁性層3,非磁性層4,軟磁性層5の代わりに、1層の軟磁性層103を用いた図7のような構造であってもよい。また、3層以上の軟磁性層を持つ構造でもよい。
【実施例2】
【0017】
次に、本発明における第二の実施例である磁気記憶装置の概要図を図8,図9に示す。本実施例の磁気記憶装置は、垂直磁気記録媒体201と、これを回転駆動する駆動部202と、磁気ヘッド203と、その駆動手段204と、磁気ヘッドの記録再生信号処理手段205を備えた構成となっている。ここで、垂直磁気記録媒体201は実施例1で説明したような媒体である。すなわち、垂直磁気記録媒体201は、表面の平坦性が良いものである。表面の平坦性が良いと、ヘッド浮上量(ヘッド−保護膜間距離)が10nm以下になった場合でも、磁気記憶装置として安定した特性が得られるという利点がある。
【実施例3】
【0018】
次に、本発明における第三の実施例である熱アシスト磁気記録装置の概要図を図10に示す。この実施例のスライダには加熱素子が設けられている。この磁気ディスク装置は、本発明による垂直磁気記録媒体201,垂直磁気記録媒体201を回転駆動する駆動部202(スピンドル),磁気ヘッドを搭載したスライダ207を有する。スライダ207はサスペンション208に保持され、駆動手段204(ボイスコイルモータ)によって磁気ディスク上の所望トラックに対して位置決めされる。磁気ヘッドに送られる記録信号あるいは磁気ヘッドによって読み出された再生信号は信号処理用LSI212によって処理される。サスペンションには半導体レーザ用パッケージ213が固定され、そこで発生されたレーザ光は導波路206によって磁気ヘッドに伝達される。図11は、スライダ部分の略断面図である。スライダ207には、記録磁界を発生する記録素子209,垂直磁気記録媒体201に記録された情報を読み出すための磁気抵抗効果素子等の再生素子210、及び近接場光を発生する加熱素子211が設けられている。半導体レーザ用パッケージ213で発生されたレーザ光は、導波路206を通して加熱素子211に照射される。それによって加熱素子211から発生された近接場光は、磁気ディスクの記録磁界印加領域を局所的に加熱し、記録層の保磁力を低減させることで磁気記録を行う。実施例1に記載したような放熱性と平坦性に優れた垂直磁気記録媒体201を搭載しているため、記録層の熱を速やかに逃がすことができる上に、記録媒体の表面に凹凸の無い平坦性を実現できるので、高速・高密度な磁気記録装置を達成しやすい。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明は、垂直磁気記録媒体及びそれを用いた垂直磁気記憶装置の製造業に広く利用される。
【符号の説明】
【0020】
1 基板
2 プリコート層
3,5,103 軟磁性層
4 非磁性層
6 中間層
7 垂直記録層
8 保護層
9 潤滑層
106 下地膜
201 垂直磁気記録媒体
202 駆動部
203 磁気ヘッド
204 駆動手段
205 記録再生信号処理手段
206 導波路
207 スライダ
208 サスペンション
209 記録素子
210 再生素子
211 加熱素子
212 信号処理用LSI
213 半導体レーザ用パッケージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板の一主面側に形成された軟磁性下地膜と、前記軟磁性下地膜に接触して形成された非磁性膜と、前記非磁性膜上に形成された中間膜と、前記中間膜に接触して形成された垂直記録層とを備え、前記中間膜がアセン類をマトリックス材料とすることを特徴とする垂直磁気記録媒体。
【請求項2】
前記中間膜が、テトラセン,ペンタセン,ヘキサセンの群から選ばれる少なくともひとつのアセン類をマトリックス材料とすることを特徴とする請求項1記載の垂直磁気記録媒体。
【請求項3】
前記中間膜が、無機セラミックス粉末をフィラーとして含有することを特徴とする請求項2記載の垂直磁気記録媒体。
【請求項4】
前記中間膜が、窒化ホウ素,窒化アルミニウムの群から選ばれる少なくともひとつからなる無機セラミックス粉末をフィラーとして含有することを特徴とする請求項3記載の垂直磁気記録媒体。
【請求項5】
前記アセンが持つCHのボンドのうち12%以上85%以下がCOOH,COH,CNH2,CSに置き換え、前記中間膜が、エポキシ樹脂,ポリエステル樹脂,フェノール樹脂,アクリル樹脂の群から選ばれる少なくともひとつからなる樹脂を添加物として含有することを特徴とする請求項4記載の垂直磁気記録媒体。
【請求項6】
前記垂直記録層がCoとCrとPtを構成元素とし、前記Crの濃度が15at.%以上25at.%以下の濃度であり、前記Ptの濃度が10at.%以上20at.%以下であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の垂直磁気記録媒体。
【請求項7】
基板と、前記基板の一主面側に形成された軟磁性下地膜と、前記軟磁性下地膜に接触して形成された非磁性膜と、前記非磁性膜上に形成された中間膜と、前記中間膜に接触して形成された垂直記録層とを備えた垂直磁気記録媒体と、前記垂直磁気記録媒体を記録方向に駆動する駆動部と、記録部と再生部を備えた磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記垂直磁気記録媒体に対して相対運動させる手段と、前記磁気ヘッドの信号入力と前記磁気ヘッドからの出力信号再生を行うための記録再生処理手段を有する磁気記憶装置において、前記中間膜がテトラセン,ペンタセン,ヘキサセンの群から選ばれる少なくともひとつのアセン類をマトリックス材料とすることを特徴とする磁気記憶装置。
【請求項8】
前記中間膜が、窒化ホウ素,窒化アルミニウムの群から選ばれる少なくともひとつからなる無機セラミックス粉末をフィラーとして含有することを特徴とする請求項7記載の磁気記憶装置。
【請求項9】
前記アセンが持つCHのボンドのうち12%以上85%以下がCOOH,COH,CNH2,CSに置き換え、前記中間膜が、エポキシ樹脂,ポリエステル樹脂,フェノール樹脂,アクリル樹脂の群から選ばれる少なくともひとつからなる樹脂を添加物として含有することを特徴とする請求項8記載の磁気記憶装置。
【請求項10】
前記垂直記録層がCoとCrとPtを構成元素とし、前記Crの濃度が15at.%以上25at.%以下の濃度であり、前記Ptの濃度が10at.%以上20at.%以下であることを特徴とする請求項9記載の垂直磁気記録装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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