説明

垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子検査用磁界センサ、それを用いた記録素子検査装置および記録素子検査方法

【課題】
垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録磁界を、実際の磁気記憶装置における磁気ヘッドおよび磁気ディスクの構成を模擬して測定する。
【解決手段】
垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子の主磁極近傍に対向するように配置し、該主磁極近傍での磁界強度分布を計測する記録素子検査用磁界センサであって、磁気センサ41の周辺に、被測定記録素子の主磁極1と戻り磁極3および記録素子シールド3全体を覆う領域よりも大きい軟磁性材料のシールド43を配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子の検査技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスク磁気記憶装置は、磁気ヘッドにより、記録ディスク上に磁気信号の記録再生を行うものである。図1に、薄膜プロセスによって形成された垂直磁気記録方式磁気ヘッド14の構成と動作概念を示す。記録素子15および再生素子16を備えた磁気ヘッド14により、磁気ディスク21上に記録再生を行う。磁気ヘッド記録素子15は、磁気コア4を取り巻く導電コイル2で発生する磁界を、磁気コア4の一端の主磁極1において狭い領域に集中し、磁気ディスク21の磁気媒体22をディスク面に垂直な方向に磁化24させることにより磁気信号の記録を行う。磁気コア4から発せられた磁界は、主磁極1より磁気媒体22を抜けて軟磁性裏打ち層23を通って戻り磁極3に戻る閉磁路を形成する。
【0003】
一方、こうして記録された磁気媒体22上の磁気信号は、再生素子16において、上部磁気シールド5と下部磁気シールド6に挟まれた再生センサ7(TMR: トンネル型磁気抵抗効果素子)によって電気信号に変換され情報として読み出す。
【0004】
図14に示されるように、磁気ヘッド14は、電極端子17と共に磁気ヘッドスライダ13の端部に位置し、記録素子15および再生素子16は、それぞれに電極端子17を介して磁気記憶装置と電気的に接続される。
【0005】
磁気ヘッドスライダ13は、図16に示されたプロセスを経て製造される。すなわち、セラミック基板上に磁気ヘッド14を形成したウェハ61を、数十個のスライダを含むローバー62と呼ばれる棒状の部材に切り出すローバー切り出し工程、ローバー62をローバー保持治具63に搭載し、記録素子、再生素子の寸法を調整するためのローバー傾斜機構による傾斜動作を含むローバー粗加工工程、ローバー研磨面64の粗さと磁気ヘッド素子高さの最終仕上げを行うローバー仕上げ加工工程、ローバー62を浮上面溝加工治具65に搭載し、スライダの浮上特性を規定するスライダ浮上面の溝加工工程、およびローバー62から個々のスライダ13を切り出すチップ切断工程である。
【0006】
磁気ヘッド14のうち、再生素子16は、磁気ヘッドスライダ13上の電極端子17を介して直接電気的な接続を取って、その特性をスライダ製造プロセスの途中で検査することができるが、一方、記録素子15は、電極端子17を介して接続されているのは導電コイル2であり、磁気コア4については電気的接続がなく、記録素子15の特性を検査するためには、スライダ13をサスペンションに組み付け、媒体ディスク上を浮上させて記録再生試験を行わなければならない。
【0007】
スライダ製造プロセス中に記録素子15の特性を検査するために、記録素子15に磁気センサを近接させて検査をおこなう技術として、たとえば、特許文献1がある。この文献には、「(課題)HGA(Head Gimbal Assembly)の最終検査よりも前に薄膜磁気ヘッド素子の記録特性を検査することの可能な、磁界発生素子の特性検査方法及び装置を提供する。(解決手段)センサユニットは、微動ユニットによる支持によりX,Y,Z方向に微動可能である。この微動ユニットをX,Y方向に所定量だけ移動させ、その位置で薄膜磁気ヘッド素子が発生する磁界をセンサユニットで読み取り、読み取った結果としてセンサユニットから出力される電圧を記録する。これを所定回数繰り返して得られた記録データに基づいて薄膜磁気ヘッド素子の記録特性を検査ユニットが評価する。」(要約参照)と記載されている。また、特許文献2には、「(課題)垂直磁気記録ヘッドの製造において、主磁極のフレアポイントハイトのばらつきによる歩留まりの低下を防止するために、フレアポイントハイトを測定する必要がある。(解決手段)ヘッドスライダ製造プロセスにおいて、主磁極36のフレアポイントハイトの推定を次のような手順で行う。(1)磁界センサにより磁界強度を測定し、磁界強度が最大となる点を主磁極中心とする。(2)前記中心点から、Z方向に沿って測定点を動かし、磁界強度の測定値がある基準値となるよう位置決めをする。(3)位置決めした位置を中心にZ方向に測定点を±数十nm程度移動させ、測定点のZ方向変位に対する磁界強度の測定値の減衰率(変化率)を算出し、測定値で規格化して、測定値そのものに対してプロットする。別途、用意していたフレアポイントハイトのわかっているサンプルのデータベースと比較し、変化率の規格値から当該サンプルのフレアポイントハイトを推定する。」(要約参照)と記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−277328号公報
【特許文献2】特開2010−3332号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
垂直磁気記録ヘッド14では、上記背景で説明したように、磁気コア4を取り巻く導電コイル2で発生する磁界を、磁気コア4の一端の主磁極1において狭い領域に集中し、磁気媒体22をディスク面に垂直な方向に磁化24させることにより磁気信号の記録を行う。磁気コア4から発せられた磁界は、主磁極1より磁気媒体22を抜けて軟磁性裏打ち層23を通って戻り磁極3に戻る閉磁路を形成する。一方、特許文献1および特許文献2に記載の記録素子の検査方法では、軟磁性裏打ち層23を含む磁気ディスク21を用いずに検査用の磁気センサを記録素子主磁極1に近接させて測定を行うため、磁気センサ近傍に軟磁性裏打ち層23に相当する構造がない、または十分な大きさがない場合、閉磁路が形成されず、記録素子15の特性を正しく検査することができない。特許文献1および特許文献2では、磁気センサに、既存の磁気ヘッドの再生素子16を用いるが、このようなセンサでは、かならずしも記録素子15に対向する軟磁性裏打ち層23を再現することができず、実際の分布と異なる磁界分布を測定していることになってしまう場合がある。
【0010】
そこで、本発明では、磁気センサの周りに大きなシールドを配置して、記録素子主磁極1から出る磁界がシールドを廻って磁気センサに入り、戻り磁極3に戻る、実際の磁気記憶装置の磁気ヘッド14および磁気ディスク21の構成を模擬した磁界センサを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、例えば特許請求の範囲に記載の構成を採用する。
【0012】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、本発明の記録素子検査用磁界センサの一例を挙げるならば、垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子の主磁極近傍に対向するように配置し、該主磁極近傍での磁界強度分布を計測する記録素子検査用磁界センサであって、磁気センサの周辺に、被測定記録素子の主磁極と戻り磁極および記録素子シールド全体を覆う領域よりも大きい軟磁性材料のシールドを配置したことを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の記録素子検査装置の一例を挙げるならば、垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子の主磁極近傍での磁界強度分布を、主磁極近傍に対向するように配置した磁界センサの出力として計測する垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子検査装置であって、磁気センサの周辺に、被測定記録素子の主磁極と戻り磁極および記録素子シールド全体を覆う領域よりも大きい軟磁性材料のシールドを配置した磁界センサと、前記磁界センサを、被測定記録素子に対して相対的にスキャニングする手段とを備えることを特徴とするものである。
【0014】
また、本発明の記録素子検査方法の一例を挙げるならば、垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子の主磁極近傍での磁界強度分布を、主磁極近傍に対向するように配置した磁界センサの出力として計測する垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子検査方法であって、磁気センサの周辺に、被測定記録素子の主磁極と戻り磁極および記録素子シールド全体を覆う領域よりも大きい軟磁性材料のシールドを配置した磁界センサを使用し、前記被測定記録素子に高周波信号を印加すると共に、前記磁界センサを記録素子の近傍で相対的に変位させ、前記磁界センサの出力を検出するものである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、記録素子主磁極から出る磁界がシールドを廻って磁気センサに入り、戻り磁極に戻る、実際の磁気記録ヘッドおよび磁気ディスクの構成を模擬したセンサを提供することができ、より正確な記録素子特性の検査が可能となる。
【0016】
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】垂直磁気記録ヘッドの構成と動作概念を示す説明図である。
【図2】垂直磁気記録ヘッドの記録磁界を、シールドで挟まれた磁気センサで検出する際の従来の構成を示す説明図である。
【図3】磁気センサに通常の磁気記憶装置用の磁気ヘッドを用い、主磁極近傍の記録磁界を測定している場合の構成を示す説明図である。
【図4】磁気センサに通常の磁気記憶装置用の磁気ヘッドを用い、記録素子シールド端部の記録磁界を測定している場合の構成を示す説明図である。
【図5】磁気センサに、被測定記録素子の主磁極と戻り磁極および記録素子シールド全体を覆う領域よりも大きいシールドを付加し、主磁極近傍の記録磁界を測定している場合の構成を示す説明図である。
【図6】磁気センサに、被測定記録素子の主磁極と戻り磁極および記録素子シールド全体を覆う領域よりも大きいシールドを付加し、記録素子シールド端部の記録磁界を測定している場合の構成を示す説明図である。
【図7】被測定記録素子の主磁極、戻り磁極、記録素子シールド近傍の二次元的記録磁界分布を磁界測定センサ側にシールドがないと仮定してシミュレーションにより算出した結果の一例を示す図である。
【図8】被測定記録素子の主磁極、戻り磁極、記録素子シールド近傍の二次元的記録磁界分布を、磁界測定センサ側のシールドが全面を覆っていると仮定してシミュレーションにより算出した結果の一例を示す図である。
【図9】被測定記録素子の主磁極、戻り磁極、記録素子シールド近傍の二次元的記録磁界分布を、磁界測定センサ側のシールドが主磁極近傍のみを覆っていると仮定してシミュレーションにより算出した結果の一例を示す図である。
【図10】被測定記録素子の主磁極、戻り磁極、記録素子シールド近傍の二次元的記録磁界分布を、磁界測定センサ側のシールドが戻り磁極および記録シールドのクロストラック方向の端部のみを覆っていると仮定してシミュレーションにより算出した結果の一例を示す図である。
【図11】図7〜10のシミュレーション結果に基づいて、被測定記録素子の主磁極を通るクロストラック方向の線に沿った記録磁界分布を示す図である。
【図12】図7〜10のシミュレーション結果に基づいて、被測定記録素子の主磁極を通るクロストラック方向の線に沿った記録磁界分布を、主磁極近傍についてのみ示す詳細図である。
【図13】図7〜10のシミュレーション結果に基づいて、被測定記録素子の主磁極を通るクロストラック方向の線に沿った記録磁界分布を、記録素子シールド端部近傍についてのみ示す詳細図である。
【図14】磁気ヘッドスライダの模式図、および直交座標軸の方向を示す模式図である。
【図15】本発明による記録磁界の検査方法を実施するための装置構成の一例を示す模式図である。
【図16】磁気ヘッドスライダの製造プロセスを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【実施例1】
【0019】
本実施例は、記録素子主磁極から出る磁界がシールドを廻って磁気センサに入り、戻り磁極に戻る、実際の磁気記録ヘッドおよび磁気ディスクの構成を模擬した磁界センサを実現するために、磁気センサの周辺に、主磁極と戻り磁極および記録素子シールド全体を覆う領域よりも大きく、その記録ヘッドと対となる磁気媒体の軟磁性裏打ち層の厚さ以上の軟磁性材料のシールドを配置する薄膜型の微細デバイス磁界センサを使用することを特徴とする垂直磁気記録素子検査装置、垂直磁気記録素子検査方法、さらに前記検査装置に用いる磁界センサの例を説明する。
【0020】
図1は、垂直磁気記録ヘッドの構成と動作概念を示す説明図である。磁気ヘッド14は、記録素子15と再生素子16からなる。記録素子15は、記録素子主磁極1、導体コイル2、記録素子戻り磁極3、磁気コア4、記録素子シールド9からなる。再生素子16は、再生素子上部シールド5、再生素子下部シールド6、再生センサ7からなる。記録素子15の構成要素のうち、記録素子主磁極1、記録素子戻り磁極3、記録素子シールド9が、また、再生素子16の構成要素のうち、再生素子上部シールド5、再生素子下部シールド6、再生センサ7が、スライダ浮上面8において表面に露出している。一方、磁気ディスク21は、記録層22、および軟磁性裏打ち層23からなる。垂直磁気記録は、導体コイル2に電流を流し、磁気コア4を通して記録素子主磁極1より記録磁界を発生させ、磁気ディスク21の軟磁性裏打ち層23と記録素子主磁極1に挟まれた記録層22に、磁気ディスク21の表面に垂直な方向に垂直磁化24を与え磁気的情報ビットとする磁気記録方式である。軟磁性裏打ち層23へと導かれた磁束は、軟磁性裏打ち層23の内部を通り、戻り磁極3へと戻り、磁気コア4、記録素子主磁極1とともに磁気的な閉回路を形成する。記録素子シールド9は、記録素子主磁極1より発せられる記録磁界のトラック端部における磁界勾配を大きくする目的で付与されている。記録信号を載せて変調させた電気信号を、導体コイル2に入力する一方で、磁気ディスク21を回転させ図の矢印の方向に相対運動させることで、磁気ディスク21上に、連続する磁気記録信号を帯びた記録トラックが同心円状に形成される。
【0021】
前記磁気ヘッド14は、回転する磁気ディスク21に対して相対運動することで、磁気ヘッド14と磁気ディスク21の間に動圧が発生し、スライダ浮上面8を介して磁気ディスク21に対して浮上する。図14は、本発明の説明を容易にするための、磁気ヘッドスライダ13の模式図および、本発明の説明に用いる直交座標軸の方向を示す模式図である。磁気ヘッドスライダ13の、磁気ディスク21に向かい合う面がスライダ浮上面8であり、そこに磁気ヘッド14の記録素子15と再生素子16が露出している。本明細書では、磁気ヘッド14と磁気ディスク21の相対運動に沿う方向を「ダウントラック方向」、スライダ浮上面8上で、それに直交する方向を「クロストラック方向」、さらに、スライダ浮上面8の法線方向を「磁気ヘッドスライダ浮上面法線方向」と称する。磁気ヘッドスライダ13は、磁気ヘッド14と、システム側の回路系との電気的な信号のやりとりをするための電極端子17を有する。
【0022】
磁気ヘッド14の性能向上や、安定的な生産のためには、記録素子15や再生素子16の磁気的特性の検査が必須である。再生素子16は、再生センサ7そのものが電気抵抗を示す抵抗体であり、その基本的な磁気特性は、素子に対して外部磁界をおよぼした際の抵抗値変化を、電極端子17を介して計測することで容易に検査することができる。しかしながら、記録素子15は、磁気コア4に巻きつけた導体コイル2に電極端子17を介して電流を流して記録素子主磁極1から発せられる記録磁界を測定する必要があり、電気抵抗の測定ほど容易ではない。一般的には、測定用の磁気ディスク媒体を備えた模擬的な磁気記憶装置に、被測定磁気ヘッドスライダ13を装着し、記録ヘッド15で前記測定用の磁気ディスク媒体に実際に磁気記録を行って、その記録された信号トラックを同じ磁気ヘッドスライダ13上の再生素子16で読み取ることで、記録信号の強度や幅などの特性を検査し、記録ヘッド15の磁気特性を評価する。しかしながら、このような模擬的な磁気記憶装置で測定用の磁気ディスク媒体に一旦記録した信号を読み戻す方法による記録素子15の磁気特性評価では、磁気ヘッドスライダ13が完成するまで計測することができない、記録素子15近傍の詳細な磁界分布が評価できない等の難点があり、記録素子15から発せられる記録磁界を、磁気センサで直接計測する検査方法の開発が進められている。磁気センサの一例は、別の磁気ヘッドスライダ13に搭載されている再生素子14そのものであり、図2に、垂直磁気記録ヘッド15から発せられる記録磁界を、シールド42で挟まれた磁気センサ41で検出する際の構成を説明図として示す。
【0023】
被測定磁気ヘッドスライダ13に搭載されている再生素子16と区別するために、この磁気センサ41を、磁界測定用磁気センサ41と称し、さらに、後に述べる本発明による方式の磁気センサのシールドと区別するために、この磁気センサ41に付帯している磁気シールドを、磁界測定用磁気センサ通常シールド42と称し、これらの構成要素からなる磁気センサアセンブリを、磁界測定用磁気センサ磁気シールドアセンブリ40と称する。
【0024】
磁界測定用磁気センサ41は、被測定磁気ヘッドスライダ13と同様の電極端子17を介して測定回路と接続される。図15は、本発明による記録磁界の検査方法を実施するための装置構成の一例を示す模式図である。ネットワークアナライザのポートの一方から測定対象の記録素子15に実効電圧一定の正弦高周波信号を印加する一方で、定電流電源から、DC信号とRF信号を分離するためのバイアスTを介し、磁界測定用磁気センサ41の磁気抵抗効果素子へ定電流を印加し、前記記録素子15の近傍を微小に変位させることによって前記磁気抵抗効果素子に生じる出力正弦高周波信号の強度変化を、バイアスT、アンプを介してネットワークアナライザのもう一方のポートに取り込み、両ポートの信号の強度比較、および位相の比較を磁気センサ41位置決めステージの位置情報と対にしてデータ処理することで、二次元的なデータのマップ情報を得る。
【0025】
図2では、被測定記録素子15に対し、磁界測定用磁気センサアセンブリ40を近接させる説明図として、磁界測定用磁気センサ41のシールド42を、被測定記録素子15の主磁極1と戻り磁極3を結ぶ方向に対して直行する方向に、すなわち戻り磁極3や記録素子シールド9のクロストラック方向と平行する方向に描いているが、測定にあたっては、図1で説明した、磁気コア4、記録素子主磁極1、記録層22、軟磁性裏打ち層23、戻り磁極3によって形成されるような磁気的な閉回路が形成されていることが望ましい。したがって、磁界測定用センサのシールド42はむしろ、図3に示すように、磁界測定用磁気センサ41のシールド42を被測定記録素子15の主磁極1と戻り磁極3を結ぶ方向に沿わせて配置することで、磁気コア4、記録素子主磁極1、磁界測定用磁気センサシールド42、戻り磁極3という閉回路を形成して、実際の磁気記憶装置における磁気ヘッド14および磁気ディスク21の構成を模擬することが望ましい。
【0026】
図3では、磁界測定用磁気センサ41は、主磁極1の極近傍の記録磁界を計測する位置に描いているが、被測定記録素子15の素子アセンブリ全体、すなわち主磁極1、戻り磁極3、記録素子シールド9全体の磁界分布を詳細に評価するためには、磁界測定用磁気センサ41を、被測定記録素子15の素子アセンブリ全体に対して相対的にスキャニングしなければならない。磁界測定用磁気センサ41が、被測定記録素子15の記録素子シールド9の端部近傍の磁界を計測している際のセンサ41およびシールド42の配置を図4に示す。図4から読み取られるように、通常の磁気記憶装置で使用される再生素子16を、磁界測定用磁気センサアセンブリ40に流用した場合、そのシールド42のダウントラック方向の幅は、被測定記録素子15の戻り磁極3や記録素子シールド9のクロストラック方向の幅より細く、被測定記録素子主磁極1が、磁界測定用磁気センサシールド42の覆う範囲からはみ出してしまっている。すなわち、被測定記録素子15の記録素子シールド9端部などの位置を測定している際には、磁気コア4、記録素子主磁極1、磁界測定用磁気センサシールド42、戻り磁極3という閉回路が形成されず、実際の磁気記憶装置における磁気記録ヘッド14および磁気ディスク21の構成を模擬することが完全にはできていない。磁気回路は、電気回路と異なり、一箇所でも開放していると磁束が通らないというものではないが、より正確に被測定記録素子15の磁気特性を評価するためには、極力、実際の磁気記憶装置での記録素子15と磁気ディスク21の記録層22、軟磁性裏打ち層23の構成を模擬する形で計測を行うことが望ましい。
【0027】
以上の考え方に基づき、本発明の実施例では、図5のように、垂直磁気記録素子15の磁気特性を、記録磁界の直接測定に基づいて評価するための磁界測定用磁気センサ41に、被測定記録素子15の主磁極1と戻り磁極3および記録素子シールド9全体を覆う領域よりも大きい全面被覆シールド43を付加した磁界センサを使用することを特徴とする。図5は、前記全面被覆シールド43を付加した磁界測定用磁気センサ41が、主磁極1近傍の記録磁界を測定している場合の構成を示す説明図である。磁界測定用磁気センサ41が、図5の位置にある場合は、磁気コア4、記録素子主磁極1、磁界測定用磁気センサシールド43、戻り磁極3という閉回路が形成され、実際の磁気記憶装置での記録素子15と磁気ディスク21の記録層22、軟磁性裏打ち層23という構成に近い形で模擬することができている。
【0028】
また、素子アセンブリ全体に対して相対的にスキャニングするにあたって、磁界測定用磁気センサ41が、被測定記録素子15の記録素子シールド9の端部近傍の磁界を計測している際のセンサ41およびシールド43の配置を図6に示す。図6から読み取られるように、磁界測定用磁気センサのシールド43が、本発明の実施例のように十分大きければ、磁界測定用磁気センサ41が、記録素子シールド9の端部に位置していても、主磁極は磁界測定用磁気センサのシールド43で覆われ、やはり磁気コア4、記録素子主磁極1、磁界測定用磁気センサシールド43、戻り磁極3という閉回路が形成され、実際の磁気記憶装置での記録素子15と磁気ディスク21の記録層22、軟磁性裏打ち層23という構成を近い形で模擬することができている。
【0029】
以上の考え方を検証するために、記録素子15を構成する主磁極1、戻り磁極3、記録素子シールド9と、その磁気特性を計測するための磁気センサシールド(通常シールド42または全面被覆シールド43)を構成要素とする電磁界シミュレーションを行った。図7は、被測定記録素子15の主磁極1、戻り磁極3、記録素子シールド9近傍の二次元的記録磁界分布を磁界測定センサ側にシールドがないと仮定してシミュレーションにより算出した結果の一例を示す図、および図の分布に対応する主磁極1、戻り磁極3、記録素子シールド9の配置を示す説明図である。主磁極1に対応する位置に磁界強度の大きなピークが見られ、それ以外は、比較的フラットな分布となっている。
【0030】
図8は、前記図7と同様の被測定記録素子の主磁極1、戻り磁極3、記録素子シールド9近傍の二次元的記録磁界分布を、磁界測定センサ側のシールドが全面を覆っていると仮定してシミュレーションにより算出した結果の一例を示す図、および図の分布に対応する主磁極1、戻り磁極3、記録素子シールド9、ならびにセンサ側の全面被覆シールド43の配置を示す説明図である。主磁極1の位置に対応する磁界強度のピークの値は、図7の場合よりも50%ほど大きくなり、その他の位置における磁界強度分布も全体に値が高くなっている。この図8の配置が、実際の磁気記憶装置での記録素子15と磁気ディスク21の記録層22、軟磁性裏打ち層23という構成を近い形で模擬していると考えている。
【0031】
一方、図9は、前記と同様の被測定記録素子15の主磁極1、戻り磁極3、記録素子シールド9近傍の二次元的記録磁界分布を、磁界測定センサ側のシールドが主磁極1近傍のみを覆っていると仮定してシミュレーションにより算出した結果の一例を示す図、および図の分布に対応する主磁極1、戻り磁極3、記録素子シールド9、ならびにセンサ側の部分的シールド42の配置を示す説明図である。計算リソースを節約する目的で、シミュレーションは、主磁極位置を中心に左右対称に行っており、磁気センサシールド42を主磁極から3μmの幅で配置しているので、磁気センサシールド42に覆われている範囲の幅は、主磁極を中心に6μmとなっている。主磁極1の磁界強度のピーク値は図8とほとんど変わらない(誤差1.1%)が、シールド42に覆われていない部分の磁界強度分布は、むしろ図7の、シールドなしの構成による磁界強度分布のシミュレーション結果に近い。
【0032】
最後に、図10は、前記と同様の被測定記録素子15の主磁極1、戻り磁極3、記録素子シールド9近傍の二次元的記録磁界分布を、磁界測定センサ側のシールドが記録素子15の戻り磁極3および記録シールド9のクロストラック方向の端部のみを覆っていると仮定してシミュレーションにより算出した結果の一例を示す図、および図の分布に対応する主磁極1、戻り磁極3、記録素子シールド9、ならびにセンサ側の部分的シールド42の配置を示す説明図である。前記と同様に、計算リソースを節約する目的で、シミュレーションは、主磁極位置を中心に左右対称に行っており、磁気センサシールド42を主磁極か10μmから13μmの位置に3μmの幅で配置しているので、磁気センサシールド42に覆われている範囲は、主磁極を挟んで記録シールドのクロストラック方向の両端に3μmずつの二箇所に描かれているが、これはあくまで計算上の都合であり、一度に二箇所を測定することを想定していることは意味しない。主磁極1の磁界強度のピーク値は図7のシールドなしの場合とほとんど変わらない(誤差0.6%)が、シールド42に覆われている部分の磁界強度分布は、図8の、全面被覆シールドの構成による磁界強度分布のシミュレーション結果に比較的近い。
【0033】
図9および図10は、通常の磁気記憶装置で使用される再生素子16を、磁界測定用磁気センサアセンブリ40に流用して測定を行った場合をシミュレートしており、磁界測定センサ41は、図示された磁気センサシールド42の中心にあって、磁界測定センサ41が記録素子15アセンブリ全体に対してスキャニングするにあたっては、磁界測定用磁気センサ41は、磁気センサシールド42とともに動いて、被測定記録素子15上を走査する。したがって、磁界測定センサ41が記録素子15アセンブリ全体に対してスキャニングして、各点における磁界強度の測定値を計測して二次元的にプロットしたものは、結果的に、全体的に、図8の、全面被覆シールドの構成による磁界強度分布のシミュレーション結果に比較的近いものとなると考えられる。
【0034】
しかしながら、図4を用いて説明したように、被測定記録素子15を部分的にしか覆わない、通常再生素子の磁界測定センサ41を測定に用いた場合は、被測定記録素子主磁極1が、磁界測定用磁気センサシールド42の覆う範囲からはみ出している配置では、磁気コア4、記録素子主磁極1、磁界測定用磁気センサシールド42、戻り磁極3という閉回路が形成されず、実際の磁気記憶装置における磁気記録ヘッド14および磁気ディスク21の構成を模擬することが完全にはできていない。したがって、磁界測定センサ41を記録素子15アセンブリ全体に対してスキャニングさせて、各点における磁界強度の測定値を計測して二次元的にプロットしたものは、正確には図8の、全面被覆シールドの構成による磁界強度分布とは一致しない。
【0035】
このことを、より定量的に考察するために、図7から図10の磁界強度の二次元分布について、主磁極1を通るクロストラック方向の線に沿った磁界強度のラインプロファイルを抜き出し詳細に検証する。図11は、被測定記録素子15の主磁極1を通るクロストラック方向の線に沿った記録磁界分布を、シールドがないと仮定した場合51、シールド43が記録素子の全面を覆っていると仮定した場合52、シールド42が主磁極近傍のみを覆っていると仮定した場合53、シールド42が記録素子シールド端部のみを覆っていると仮定した場合54について、シミュレーションにより算出した結果の一例を重ねて示した図である。図7から図10の磁界強度の二次元分布でも見たように、シールド43が記録素子15の全面を覆っていると仮定した場合52と、シールド42が主磁極1近傍のみを覆っていると仮定した場合53の磁界強度のピーク値はほぼ同じ(誤差1.1%)で、シールド42が記録素子シールド9端部のみを覆っていると仮定した場合54も、シールド42が記録素子シールド9を覆っている部分については、シールド43が記録素子15の全面を覆っていると仮定した場合52に比較的近い値となっている。
【0036】
しかしながら、これらの磁界測定用磁気センサ通常シールド42が、記録素子15を覆っている部分の比較を仔細に見てゆくと、やはりシールドの幅が小さく、十分な磁気回路が形成されていないことから、磁界強度の大きさが、全面被覆シールド43と、通常シールド42では、計算上の誤差とは言えない程度に異なっていることがわかる。図12は、図10の主磁極近傍で通常シールド42が記録素子15を覆っている部分を拡大した図である。シールド43が記録素子15の全面を覆っていると仮定した場合52と、シールド42が主磁極1近傍のみを覆っていると仮定した場合53を比較すると、ピークの磁界強度の値は、前述のように、それぞれ2.13[kOe]と2.10[kOe]と、誤差1.1%で、ほぼ変わりがない。一方、図13は、図10の記録素子シールド9の端部で、通常シールド42が記録素子15を覆っている部分を拡大した図である。シールド43が記録素子15の全面を覆っていると仮定した場合52と、シールド42が記録素子シールド端部のみを覆っていると仮定した場合54を比較すると、シールド42の中央の位置で、それぞれ259.0[Oe]と、276.2[Oe]と、7.1%の差を生じている。したがって、より詳細な磁界分布計測をより定量的に行いたい場合は、やはり本発明の実施例による、磁界測定用磁気センサ41が記録素子15のどこを測定していても、最低限、主磁極1が覆われているシールド43を有する磁界測定用磁気センサ41が必須であり、さらに望ましくは、磁界測定用磁気センサ41が記録素子15のどこを測定していても記録素子15アセンブリ全体がシールド43に覆われている大きさのシールド43を有する磁界測定用磁気センサ41がよい。
【0037】
また、シールド厚さについては、実際の磁気記憶装置での記録素子15と磁気ディスク21の記録層22、軟磁性裏打ち層23の構成を模擬する目的から、実際の磁気記憶装置で被測定記録素子15と組み合わせて使用される磁気ディスク21の軟磁性裏打ち層23と同様以上の厚さがあればよい。
【0038】
また、本実施例では、磁界測定用磁気センサ41に、実際の磁気記憶装置で使用されるトンネル型磁気抵抗効果素子を例とって説明したが、測定対象の磁界分布に対し、磁界の強度に比例する出力を与える磁気センサであればなんでもよく、たとえばホール素子、超伝導量子干渉(SQUID)素子、フラックスゲート素子、磁気インピーダンス素子のいずれかであってもよい。
【0039】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 記録素子主磁極、
2 導体コイル、
3 記録素子戻り磁極、
4 磁気コア
5 再生素子上部シールド
6 再生素子下部シールド
7 再生センサ、
8 スライダ浮上面
9 記録素子シールド
13 磁気ヘッドスライダ
14 磁気ヘッド
15 記録素子
16 再生素子
17 電極端子
21 磁気ディスク
22 記録層
23 軟磁性裏打ち層
24 垂直磁化
40 磁界測定用磁気センサ磁気シールドアセンブリ
41 磁界測定用磁気センサ
42 磁界測定用磁気センサ通常シールド
43 磁界測定用磁気センサ全面被覆シールド
51 磁界測定用磁気センサにシールドなしの場合
52 磁界測定用磁気センサに全面被覆シールド有の場合
53 磁界測定用磁気センサに通常シールドを主磁極近傍に配置した場合
54 磁界測定用磁気センサに通常シールドを戻り磁極端部に配置した場合
61 ウェハ
62 ローバー
63 ローバー保持治具
64 ローバー研磨面
65 浮上面加工治具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子の主磁極近傍に対向するように配置し、該主磁極近傍での磁界強度分布を計測する記録素子検査用磁界センサであって、
磁気センサの周辺に、被測定記録素子の主磁極と戻り磁極および記録素子シールド全体を覆う領域よりも大きい軟磁性材料のシールドを配置したことを特徴とする垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子検査用磁界センサ。
【請求項2】
請求項1記載の記録素子検査用磁界センサにおいて、
前記シールドの厚さを、被測定記録素子と対となる磁気媒体の軟磁性裏打ち層の厚さ以上としたことを特徴とする垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子検査用磁界センサ。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の記録素子検査用磁界センサにおいて、
前記シールドを、被測定記録素子の主磁極と戻り磁極を結ぶ方向に沿わせて配置したことを特徴とする垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子検査用磁界センサ。
【請求項4】
請求項3記載の記録素子検査用磁界センサにおいて、
前記シールドを、前記磁気センサのクロストラック方向の両側に配置したことを特徴とする垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子検査用磁界センサ。
【請求項5】
請求項1〜4の何れか一つに記載の記録素子検査用磁界センサにおいて、
前記磁気センサが、磁気抵抗効果素子、ホール素子、超伝導量子干渉(SQUID)素子、フラックスゲート素子、磁気インピーダンス素子のいずれかであることを特徴とする垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子検査用磁界センサ。
【請求項6】
垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子の主磁極近傍での磁界強度分布を、主磁極近傍に対向するように配置した磁界センサの出力として計測する垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子検査装置であって、
磁気センサの周辺に、被測定記録素子の主磁極と戻り磁極および記録素子シールド全体を覆う領域よりも大きい軟磁性材料のシールドを配置した磁界センサと、
前記磁界センサを、被測定記録素子に対して相対的にスキャニングする手段とを備える垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子検査装置。
【請求項7】
請求項6記載の記録素子検査装置において、
前記磁界センサのシールドの厚さを、被測定記録素子と対となる磁気媒体の軟磁性裏打ち層の厚さ以上としたことを特徴とする垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子検査装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7記載の記録素子検査装置において、
前記磁界センサのシールドを、被測定記録素子の主磁極と戻り磁極を結ぶ方向に沿わせて配置したことを特徴とする垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子検査装置。
【請求項9】
請求項8記載の記録素子検査装置において、
前記磁界センサのシールドを、前記磁気センサのクロストラック方向の両側に配置したことを特徴とする垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子検査装置。
【請求項10】
請求項6〜9の何れか一つに記載の記録素子検査装置において、
前記磁気センサが、磁気抵抗効果素子、ホール素子、超伝導量子干渉(SQUID)素子、フラックスゲート素子、磁気インピーダンス素子のいずれかであることを特徴とする垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子検査装置。
【請求項11】
垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子の主磁極近傍での磁界強度分布を、主磁極近傍に対向するように配置した磁界センサの出力として計測する垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子検査方法であって、
磁気センサの周辺に、被測定記録素子の主磁極と戻り磁極および記録素子シールド全体を覆う領域よりも大きい軟磁性材料のシールドを配置した磁界センサを使用し、
前記被測定記録素子に高周波信号を印加すると共に、前記磁界センサを記録素子の近傍で相対的に変位させ、前記磁界センサの出力を検出する垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子検査方法。
【請求項12】
請求項11記載の記録素子検査方法において、
前記磁界センサのシールドの厚さを、被測定記録素子と対となる磁気媒体の軟磁性裏打ち層の厚さ以上としたことを特徴とする垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子検査方法。
【請求項13】
請求項11または請求項12記載の記録素子検査方法において、
前記磁界センサのシールドを、被測定記録素子の主磁極と戻り磁極を結ぶ方向に沿わせて配置したことを特徴とする垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子検査方法。
【請求項14】
請求項13記載の記録素子検査方法において、
前記磁界センサのシールドを、前記磁気センサのクロストラック方向の両側に配置したことを特徴とする垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子検査方法。
【請求項15】
請求項11〜14の何れか一つに記載の記録素子検査方法において、
前記磁気センサが、磁気抵抗効果素子、ホール素子、超伝導量子干渉(SQUID)素子、フラックスゲート素子、磁気インピーダンス素子のいずれかであることを特徴とする垂直磁気記録方式磁気ヘッドの記録素子検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−234606(P2012−234606A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−104380(P2011−104380)
【出願日】平成23年5月9日(2011.5.9)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】