埋め込み可能な変換器デバイス
受信刺激器は、ほぼ等方性の変換器アセンブリと、復調器回路構成と、少なくとも2つの組織接触電極とを有している。ほぼ等方性の変換器を使用することにより、デバイスは、音響エネルギーソースに対する向きに関してほとんど配慮することなしに埋め込み可能となる。比較的小さいサイズを有する、典型的には音響ソースの1/2より小さい変換器または変換器エレメントは、等方性を向上させる。単結晶圧電材料を用いることで、感度が向上する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の主題は、以下の共同所有された特許出願のものに関しており、該特許出願は、米国特許出願第10/869,242号(代理人整理番号021834−000310US号)と、米国特許出願第10/869,776号(代理人整理番号021834−000130US号)と、米国特許出願第10/869,705号(代理人整理番号021834−000620US号)とである。このような先行出願の各々の全体の開示は、本明細書において参考として援用されるが、その出願日の利益は主張されない。
【0002】
(1.発明の分野)
制御送信器(controller−transmitter)と言う音響変換器および1つ以上の埋め込まれた受信刺激器(receiver−stimulator)デバイスを用いる心臓組織の刺激は、最近、本明細書における発明者らによって、上で参照された特許出願において提案されている。制御送信器は音響信号を生成し、該音響信号は受信刺激器によって受信され、受信刺激器は、次に電気信号を生成し、該電気信号は結合された組織電極を介して心臓組織または他の組織に送られる。制御送信器は、外部にあり得るが、通常は埋め込まれ、制御送信器が、埋め込み可能なペースメーカのサイズに類似する合理的なサイズを有することと、制御送信器が、バッテリから長い期間、典型的には3年以上動作可能であることと、を要求する。比較的に小さいサイズおよび比較的に長い動作期間は、受信刺激器が、制御送信器からの音響エネルギーを効率良く利用することを要求する。
【0003】
それらの理由のために、埋め込まれたまたは外部の音響送信器から音響エネルギーを効率良く受信することが可能な埋め込み可能な変換器デバイスを提供することが所望される。変換器が、等方性の、またはほぼ等方性の方法で動作すれば特に望ましく、この方法では、それらは、送信器と埋め込まれた変換器との間の相対的な方向にかかわらず、音響送信器からの音響エネルギーを効率良く受信可能である。これらの目的の少なくとも一部が本明細書において以後記載される本発明によって満たされる。
【背景技術】
【0004】
(背景技術の記載)
以下の特許および特許公開は、印加された音響エネルギーを電気出力に変換することが可能な様々な埋め込み可能な変換器を記載しており:該特許および特許公開は、米国特許である特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、および特許文献6と、米国特許出願公開である特許文献7、特許文献8、および特許文献9と、公開された独国出願である特許文献10とである。
【特許文献1】米国特許第3,659,615号明細書
【特許文献2】米国特許第3,735,756号明細書
【特許文献3】米国特許第5,193,539号明細書
【特許文献4】米国特許第6,654,638号明細書
【特許文献5】米国特許第6,628,989号明細書
【特許文献6】米国特許第6,764,446号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2002/0077673号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2004/0172083号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2004/0204744号明細書
【特許文献10】独国特許出願公開第4330680号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(本発明の概略)
システムおよび方法が、種々の目的のために体組織に電気信号を送るために提供される。エネルギーは、典型的には、心臓組織に刺激を与えるために、例えば、徐脈(bradycardia)のための、不整脈(tachyarrhythmia)の終結のための、心不全に対する両心室の再同期療法のための、または同様のもののための心臓ペーシングにおいて送られる。しかしながら、本発明のシステムおよび方法は、種々の他の適用、例えば、神経刺激、脳刺激、随意筋刺激、胃刺激、骨成長刺激、痛みの改善、および同様のものに対する適用を含むものにおいて使用され得る。
【0006】
第一の局面において、本発明は、埋め込み可能な受信刺激器デバイスであって、音響ソース(該受信刺激器デバイスから物理的に離れている)から送られた音響エネルギーを受信し、その音響エネルギーを電気信号に変換することが可能な受信刺激器デバイスを提供する。本発明の受信刺激器は、通常は非常に感度が高く、通常は音響エネルギーの低いレベルを受信し、変換することが可能であり、これにより電気信号を生成し、この電気信号は心筋組織を刺激することが可能である。典型的に、断面積が3mm2のオーダの本発明のデバイスを用いて、0.2から0.4メガパスカルまでの範囲にわたる圧力レベルを有する音響波(1.3から5.6W/cm2の強度レベル)は、1.0から2.0ボルトまでの範囲にわたる電気信号に変換され得る。結果として、本発明のデバイスは、通常は非常に効率良く、受信された音響信号の大部分を電気信号に変換することが可能であり、典型的に変換効率は少なくとも25%であり、しばしば少なくとも50%である。このような高い感度および効率に加えて、本発明の埋め込み可能な受信刺激器はまた、少なくとも実質的に等方性に機能することも可能である。すなわち、デバイス感度が等方性である。「等方性」とは、受信刺激器が、音響ソースに対するデバイスの相対的な方向に実質的に反応しない方法で音響エネルギーを受信することが可能なトランスデューサアセンブリを有することを意味する。入力音響エネルギーに応答して受信刺激器デバイスによって生成される電気信号は、デバイスの方向が音響ソースに関して変化するときにわずか±6dBだけ変化し、しばしばわずか±3dBだけ変化し、好ましくはわずか±1dBだけ変化する。
【0007】
第一の特定の実施形態において、埋め込み可能な受信刺激器は、典型的には上記した等方性動作が可能である変換器アセンブリを備えており、該変換器アセンブリは、音響ソースから音響エネルギーを受信し、該音響エネルギーに応答して電気信号を生成する。デバイスは、復調器回路構成をさらに備え、該復調器回路構成は電気信号を受信し、例えば、心臓ペーシング、神経刺激、脳刺激、随意筋刺激、痛みの改善、または同様のものに適切な生体的刺激電気出力を生成する。デバイスは、少なくとも2つの組織接触電極をさらに含み、該電極は復調器回路構成と結合されることにより、刺激電気出力を受信し、該出力を組織に伝える。電極のいずれかまたは両方が、デバイス上に直接搭載され得、一部の例においては、デバイスケーシングの一部を形成し、または代替的に配置のためにワイヤ、ケーブルまたは同様のものによって接続され得る。
【0008】
変換器アセンブリは、円筒形の圧電変換器を備え得、該圧電変換器は、その対向する表面上に形成された一対の電極を有する。入力音響エネルギーは、圧電変換器に振動および電荷を生成させ、電荷は電極により収集され、復調器回路構成に送るために利用可能である。第1の例示的な実施形態において、圧電変換器は、多結晶セラミック圧電材料からなり得る。セラミック圧電材料がチューブの形状で形成される場合には、対向する平坦な端面上の電極が使用され得るが、対向する電極は、典型的に変換器の外側円筒面および内側円筒面上に形成され得る。
【0009】
しかしながら、好ましい例示的な実施形態において、圧電変換器は、典型的には<001>配向に切断されている単結晶材料からなる。好ましい単結晶は、PMN−xPT材料を備え、ここでxは、重量百分率で5%から50%までの範囲である。他の単結晶材料は化合物PZN−xPTまたはRelaxor−PT材料であり得る。圧電変換器が単結晶からなる場合には、対向する電極は、好ましくは円筒面上ではなく、円筒の対向する平坦な端面上に形成される。あるいは、代わりの結晶面に対して、円筒面あるいは切断された複合の結晶アセンブリ上の円筒面に形成された電極が好まれ得る。
【0010】
本発明の埋め込み可能な受信刺激器のさらなる実施形態において、変換器アセンブリは複数の個別の変換器エレメントを備えている。復調器回路構成は、同様に、複数の個別の復調器回路を備え、変換器エレメントの各々は、個別の復調器回路の1つに取り付けられている。変換器エレメント自体は、典型的に最大限の寸法を有し、その寸法は予期される音響伝送のほぼ半波長の寸法であるが、個別の変換器エレメントの累積の横の寸法は、一波長よりもかなり長いことが好ましい。復調回路構成の出力には、個別の復調器回路の各々から電気信号を加算することにより、生体刺激電気出力を生成する備えがある。電気信号は並列に、直列に、または直列と並列の組み合わせで加算され得る。
【0011】
本発明の第2の局面において、埋め込まれた受信刺激器にエネルギーを送る方法は、典型的には、上記したように本発明のデバイスと接続されている実質的に等方性の変換器または複数の変換器を有するアセンブリとして形成された受信刺激器を埋め込むことを包含する。音響エネルギーは、音響ソースから、埋め込まれた受信刺激器アセンブリに向けられ、音響ソースは埋め込まれ得、または外部に配置され得、変換器は電気信号を生成し、該電気信号は、変換器の方向が音響ソースの方向に関して変化するときに、±6dBだけ変化する。電気信号が復調されることにより、生体刺激電気出力を生成し、電気出力は組織に送られる。音響エネルギーは、外部ソースから受信刺激器まで送られ得るが、埋め込まれた音響ソースから送られることが好ましくあり得る。組織と接している刺激電極間に流れる電気出力は、電圧、電流、波形などの特定の特性を所有し得る。これらの電気特性が選択されることにより、ターゲットの心臓組織、神経組織、脳組織、随意筋組織、骨組織、または同様のものを刺激する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(本発明の詳細な記載)
図1に図示されるように、本発明の原理に従って構成された例示的な受信刺激器10は、変換器アセンブリ12と、整流回路13およびフィルタ回路14を含む復調器回路構成と、組織接触電極15とを備えている。オプションとして、インピーダンス整合回路16が提供されることにより、変換器アセンブリの出力を、整流/フィルタ回路および電極と接触した組織によって表される電気インピーダンスと整合させ得る。本発明は、変換器アセンブリ12および変換器のアセンブリに対するある特定の設計を提供し、該変換器のアセンブリは、次に、高い等方性の受信刺激器動作を提供することにより、変換器または複数の変換器の出力が音響ソースに対する変換器または複数の変換器の方向からかなり独立させるものである。
【0013】
本発明において有用な第1のほぼ等方性の変換器アセンブリ29が、図2に図示される。変換器アセンブリ29は、通常は、外側円筒電極21と内側円筒電極22とを有する円筒形の多結晶圧電チューブ20を備えている。典型的に、セラミックは、セラミックの内側の壁とチューブの外側の壁との間にエポキシ結合を有したり、有さなかったりして、ポリアミドまたは他の適切な材料の薄い壁のある(thin walled)チューブ23上に搭載され得る。セラミックの両方の平坦面は、セラミックと構造本体25の始点の前との間に音響吸収体24を有し得る。全ての内部表面は、典型的に低粘性のエポキシによって結合される。アセンブリの外側表面は、典型的に、薄い壁のある収縮チューブ26の下で低粘性のエポキシによって被覆される。アセンブリより前に、電気リード28は、内部および外部電極にハンダ付けされ、中空の内部チューブの内部容積27を通過する。オプションとして、図1に示される他の回路コンポーネントもまた、中空のチューブ内部容積27内に配置され得る。このタイプのデバイスは、ほぼ等方性の感度を、円筒形の軸に沿った仰角においては、円筒形の軸に対して垂直方向の感度に比べて、典型的には6〜12dB落ちたオーダで提供し得、ここで円筒形の軸に対する仰角は、図4に描かれる。
【0014】
図2の変換器アセンブリ29は、高度の等方性感度を提供するが、さらに等方的に動作する変換器アセンブリを提供することが所望される。図3を参照すると、単結晶圧電材料の使用は、さらなる向上を提供し得る。単結晶デバイス39は、単結晶圧電性半導体の電極31および32が円筒30の平坦面上にあり、円筒30は<001>配向で切断された単結晶材料であり、リード28で適宜配線されているという点を除けば、多結晶セラミックデバイスと同様の方法で製造される。結晶軸を定義するために、標準的な結晶学の用語が本明細書で使用される。ミラー指数(hkl)は、結晶軸に対する平面の配向を定義する。平面(hkl)に垂直な別個の軸は、用語<hkl>によって定義される。結果として、(001)平面は、xy結晶面に平行であり、結晶のz軸に垂直である。<001>軸は、結果として、結晶z軸に平行である。
【0015】
図3に描かれるタイプのデバイスは、単結晶コンポーネントがセラミックコンポーネントに実質的に等しいサイズで、製造されている。以下に詳述されるように、ビームプロファイルのような性能における類似性がある。もっとも重要なのは、単結晶は、特に、低い周波数共振におけるすぐれた等方性の感度を有することであり、これはセラミック圧電物質の、より高い周波数共振によっては達成されない。
【0016】
図5および図6は、代表的なデバイスの340kHzおよび550kHzにおけるビームプロファイルに対して測定されたデータおよびモデルデータを描いている。単結晶デバイスプロフィルは、図5に描かれ、セラミックデバイスプロファイルは図6に描かれる。これらのプロファイルに対して、ビーム角は図4に描かれる仰角として定義される。0度の仰角は、デバイスの円筒形の軸に垂直な入力ビームに対応し、90度は円筒形の軸に平行であり、180度は円筒形の軸に垂直であるが、0度とは反対の方向である。対称性によって、目に余る製造の欠点がないことにおいて、これらのデバイスは通常、圧電チューブの円筒形の軸の周辺でアジマスにおいて1dB未満の感度の変動を有する。仰角に対して、完全に等方性のデバイスは、0度から90度を通って180度まで平坦な応答を有する。さらに、低い方の周波数においては、両方のデバイスが、回折理論によって予想されるものよりも低い異方性を示す。しかしながら、異方性における変化は、デバイスサイズおよび周波数に基づく単純な回折モデルと一致しないままである。テストアーティクルの構造的なコンポーネントを介する音響的な結合は、この矛盾に責任があると仮定される。
【0017】
感度に関して、以下の表1は、デバイスの円筒形の軸に垂直な平面におけるデバイスの感度を要約している。デバイスは、通常340kHzと600kHzの範囲の超音波の長いバーストにさらされた。デバイス上に電気負荷がない状態で、生成される最大振幅(peak−to−peak)電圧は高入力インピーダンスデジタルオシロスコープによって測定され、結果は、以下に超音波の場の強さに関して、MI(Mechanical Indexは、メガヘルツ単位の周波数の平方根で割ったメガパスカル単位の希薄圧力(rarefactional pressure)として定義される)で表にされる。続いて、各テストにおいて、デバイスは500オームの抵抗器を用いて電気的に負荷をかけられ、結果は場の強さに関して以下で次に表にされる。500オームの電気インピーダンスが使用され、様々な人体組織タイプと接触する電極間のインピーダンスを表す。最後に、デバイスは0.1マイクロファラッドのコンデンサを有し、500オームによって負荷をかけられた全波整流器と接続された変圧器とほぼ最適にインピーダンス整合される。結果として生じる、場の強さに対するDC(直流)電圧包絡線のピーク振幅は以下に報告される。
【0018】
【表1】
上の表において、デバイス2199は、PZT−5Hセラミックチューブであって、0.070インチの長さで、外径が0.070インチで、内径が0.045インチである。チューブは内側円筒面および外側円筒面上の電極を用いて極性を与えられる。デバイス2216Aは、PMN−32%PT単結晶チューブであって、デバイス2199と同一の寸法を有する。しかしながら、デバイスは<001>結晶方向軸に垂直な平面から切断される。電極は電極間で極性を有する平坦面上にある。デバイス2195は、0.040インチの長さであることを除けば、全ての局面でデバイス2199と同一なセラミックチューブである。
【0019】
開回路モードにおいて、単結晶デバイスは、セラミックデバイスよりも非常に優れている。しかしながら、このことは、組織に刺激を与えるために十分な電流がデバイスから導かれる必要があるという点で、非現実的な状況を表す。代表的な組織インピーダンスによって負荷をかけられる場合には、単結晶材料が未だにかなりの利点を持つが、性能のギャップは小さくなる。最後に、インピーダンス整合回路、整流回路、フィルタ回路、および代表的な組織で負荷をかけられた回路を駆動する場合には、未だに良好な性能のギャップがあるが、わずかな変化を有する。
【0020】
単結晶材料の優秀な性能に対する主要な理由は、低い周波数定数であり、これは、図7に見られるように約340kHzにおける共振という結果を生じる。材料の同一のサイズの一片に対して、図8に見られるように約600kHzにおいてセラミック内で小さな共振が存在し、結果として、550kHzにおけるセラミックの性能に関して、わずかに向上した。より強い共振が、約900kHzにおいて存在する。この共振は不幸にも波長としては使用され得ず、結果としてデバイスよりも小さくなり、デバイスにさらに大きな仰角異方性を与える。興味深いことには、2199の半分の長さを有するデバイス2195において、長さモードの共振は、図9に見られるように約600kHzまで引き下げられ、結果として600kHzにおけるより短いデバイスのわずかに良い性能が観測された。
【0021】
その340kHzの共振における単結晶と、550〜600kHzにおけるそれらのもっとも低い周波数共振におけるセラミックとの性能の比較において、単結晶デバイスは、未だにセラミックデバイスよりも、完全に負荷をかけた状態で、平均で10dB以上感度が高い。共振から離れた(off−resonance)周波数における単結晶と、共振から離れた周波数におけるセラミックとを比較すると、単結晶デバイスは、17dB以上感度が高い。単結晶材料は、結果として、組織刺激器のための音響場における電気エネルギーのソースとして、セラミック材料より十分な改良を提供するように見える。
【0022】
本発明は、埋め込み可能な受信刺激器デバイスにおける使用のために<001>配向に切断された単結晶圧電チューブのインプリメンテーションを詳述し、ここで結晶軸に垂直な感度は、図15Aにおいてチューブの断面図の周りに破線によって描かれるように、全ての方向において周辺で均一である。単結晶の多数の異なる配向面もまた潜在的に実用性を有する。このような可能な構成は、<011>平面で切断された単結晶チューブの性質を活用し、ここで横方向の感度は、図15Bに描かれるように、<100>配向における振幅が、約2つの要因によって上記した単結晶よりも大きいが、逆の極性の小さい振幅である直交する感度を有する、交差したダイポール形状を有する。この結晶が直接インプリメントされる場合には、逆の極性の感度は、より強い直交するダイポールローブから減じ、上記したようなデバイスよりもおそらく低い感度を有するデバイスを生み出す。しかしながら、高い感度のダイポールローブを備えている単結晶の四分円(quadrant)(図15Bにおいて円弧によってハイライトされる)が切断され、この高い感度の材料の4つの四分円が図15Cに描かれるように再集合された場合には、正味の効果は、全ての4つの四分円において高い感度および正味のかなり増加した感度を有する単結晶チューブである。元のチューブ状の形状が維持されているので、デバイス内の全ての機械的な共振は同じままである。あるいは、有利な結晶配向を有する切断面はより小さく、90度の円弧の代わりに60度の円弧になり得、さらに高い感度のために図15Dに描かれるように再集合され得る。予期される動作波長は、約2つの要因によって、再集合されたデバイスの物理的なサイズよりも大きいので、感度はデバイスの表面上で平均化される。
【0023】
本発明の埋め込み可能な受信刺激器のさらなる実施形態は、複数の変換器エレメントを含む変換器アセンブリを活用し、変換器エレメントの少なくとも一部は、選択されたサイズ(半波長に等しいかまたはそれ未満)を有することにより、個別のエレメントの等方性の性質を向上させる。一般的に圧電変換器のサイズが、音響信号の半波長を超える場合には、感度における方向の変化が性能を支配し始め、デバイスのサイズが半波長未満であるのに、デバイスの感度は全ての方向にほぼ均一であって、等方性に近付く。音響の場をサンプルするためのデバイスであるハイドロフォンは、典型的に半波長のセンササイズに対応する動作上の上限を有する。出力が、デバイスの断面積に直接比例する場合には、より大きなサイズがハイドロフォンエレメントに対して好まれる。結果として、受信刺激器に対し、多数のエレメントが特に加えられることにより、感度を増加させるようにデバイスの断面積を増加させる。埋め込み可能なデバイスは、音響の励起の場に対するデバイスの配向が、デバイスが刺激を必要とする組織に埋め込まれるときにデバイスの配向と一致し得ない場合には、ほぼ等方性の応答を有さなければならない。
【0024】
図10に描かれるように、複数のエレメント112a、112b、112c、112nを特徴付ける変換器アセンブリおよび出力リード113a、114a、113b、114b、113n、114nは、単一の検出器/フィルタ回路118への一対の接続リード116aおよび116bと並列に配線され、該単一の検出器/フィルタ回路118は、結合された信号をリード119aおよび119bを介して組織接触刺激電極120aおよび120bに通す。しかしながら、この手法は、さらなるセラミックの体積を提供することにより、より大きな電力出力を達成するが、各エレメントからの信号の異なる到達時間に起因して、個別のエレメントの各々から検出器/フィルタ118に入る信号の増加的(constructive)干渉または相殺的(destructive)干渉を受ける。個別の信号の増加的干渉のみを保証する方法で個別のエレメントのセットを配置することは困難である。この構成は、入力音響信号の位相が各エレメントにおいて同一である場合にのみ高い感度を提供し、このように本発明の好ましい実施形態ではない。
【0025】
この欠陥を克服し、さらにより大きな出力電力のために複数のエレメントを使用し、エレメント間の増加的干渉および相殺的干渉を、減少または除去するために、各エレメントに対する別個の検出器/フィルタが提供される。単一の変換器エレメントおよび単一の検出器/フィルタの組み合わせは、チャネルとして言及され得る。図11に描かれるように、個別のエレメント122a、122b、122c、122nは、それら独自のそれぞれの検出器/フィルタ125a、125b、125c、125nをリード123a、124a、123b、124b、123n、124nを介して駆動する。検出器/フィルタの出力リード126a、127a、126b、127b、126n、127nは、リード129aおよび129bを介して並列に配線され、そこから刺激電極130aおよび130bに直接接続される。この方法において、デバイスの電流送出(エレメントは全て同一であり同一の音響信号を受信することを仮定する)は、デバイス内の個別のチャネルの数nを掛けられる。
【0026】
あるいは、図12に描かれるように個別の検出器/フィルタの出力は直列に配線され得、出力リード139aおよび139bは組織刺激電極140aおよび140bに直接通り、一方でチャネル間の137aおよび137bのような中間リードが接続される。この方法において、デバイスの電圧送出(エレメントは全て同一であり同一の音響信号を受信することを仮定する)は、デバイス内の個別のチャネルの数nを掛けられる。
【0027】
さらに、個別のチャネルの出力上で直列接続と並列接続とを結合することにより、個別の圧電エレメントとターゲットの組織塊との間の特定のインピーダンス整合を少なくとも部分的に達成することも可能である。
【0028】
この概念を証明するために、薄い壁を有するポリイミドの管材料143の内壁にエポキシ結合された4つの個別の円筒形チューブ変換器エレメント141a〜141dを備えるマルチエレメント断面142が、図13に描かれるように製造される。変換器電極リードワイヤ144a〜144hは、管材料の一端まで供給される。ポリイミドチューブの中空の空気充填の内部への流路はない。個別の変換器エレメントは、約0.6波長の外径および約0.8波長の長さを有し、500kHzにおいて約0.6波長というエレメント間のギャップを有する。このプロトタイプのインプリメンテーションにおいて、検出器/フィルタ回路は、同時係属出願に記載されるように、倍電圧器である。
【0029】
図14Aおよび14Bにおいて、上部から下部までのトレースは、チャートの右のインデックスの上部から下部の順序に従う。図14Aは、デバイスが超音波ビームに関して斜めに向けられる場合には、4つのエレメント(上部の4つのトレース)の各々からの出力電圧を描く。エレメント間のランダムな位相変化のために、直列接続(RF SUM)は、任意のエレメントからのそれ自体の信号に比べて弱い正味の信号を生じる。実際には、個別のエレメントの出力が数学的に加重された(MATH SUM)場合には、波形は実質的にRF SUMの波形と等しい。各個別のエレメントが、ほぼ等方性の応答を有し得る場合でさえ、直列接続された個別のエレメント信号の相殺的干渉は、減少された出力を与える。4つのエレメントの振幅におけるわずかな変化は、エレメント間のわずかな製造の変化および音響ビームの可能な相互作用による。
【0030】
図14Bはより理想的な場合を描き、ここで4つのエレメントは超音波ビームに実質的に垂直に整列される。個別のエレメントのサイズが、上で列挙されたルールの基準の半波長よりもわずかに大きいので、この場合には、先の「ランダム整列」角度の場合よりもわずかに大きな個別のエレメント(上部の4つのトレース)の出力がある。上記と同一の方法において、RF SUMは、数学的な組み合わせMATH SUMに匹敵するデバイスのハードウェアの配線された組み合わせと配線を表す。しかしながら、RF SUMはMATH SUMより振幅がわずかに低いことがわかる。測定の間に、個別のエレメントは、個別の開いた系の検出器/フィルタ回路に接続され、これらは、直列に配線され、単一の開いた系の検出器/フィルタ回路と接続されているエレメントとは、異なる電気的負荷を示す。図14Aとは明らかに異なり、チャネル1〜チャネル4の位相は正確に整列されることにさらに注意する。
【0031】
負荷のない条件下で検出器/フィルタ回路の出力を見る場合には、出力電圧は、変換器エレメントからの入力信号による電圧上昇と比較すると、非常にゆっくりと降下する。これは、4つのチャネル(変換器エレメントおよび検出器/フィルタ)に対する図14Cの下部の4つのトレースに見られ、ここで約−5マイクロ秒から100マイクロ秒まで、個別の変換器エレメントは、超音波の場にさらされる。この場合において、かつ残りの図面の全ての測定に対して、音響ビームに関する4つの変換器の配向は、曲げられ、図14Aの場合のように、個別の変換器エレメントの出力に対してランダムな位相を引き起こす。図14Cおよび図14Dにおいて、上部の2つのトレースは、検出器/フィルタのDC出力のハードウェアの加重、および個別の出力の数学的な合計を示す。実際のハードワイヤードの加重は、個別のチャネルの数学的な合計と実質的に同一であることに注意を要する。このことは図14Aのハードワイヤードの場合とは明らかに異なり、ここでハードワイヤードの加重は、一つの検出器/フィルタを有する個別の変換器エレメントの出力上で行われる。
【0032】
図14Dは、個別の変換器エレメントおよび該エレメントのそれぞれの検出器/フィルタ回路を備えている個別のチャネルの出力が1000オームの負荷をかけられ、ハードワイヤードのポスト検出器の加重が4000オームの負荷をかけられていることを除けば、図14Cと同一の条件を示す。合計された出力に4000オームを用いると、各チャネルからの電流送出は、合計されていない状態と同一である。実際、図14Eは、同一のシナリオを示し、ハードワイヤード出力は1000オームの負荷をかけられ、このことは4つのチャネルの各々上の4つのより高い電流需要の要因を置き、結果としてかなり小さい振幅のDC SUMという結果を生じる。なぜならば、個別の変換器エレメントは需要を満たすことが不可能であるからである。さらに、合計された出力の波形は著しく平坦にされ、エレメントの電流しきい値を明確に証明する。個別のチャネルおよび合計された出力上に抵抗的な負荷をかける場合には、検出器/フィルタ回路の上昇時間は以前と同一であるが、降下時間はフィルタコンデンサの外への電荷の流出によって減少することにも注意を要する。
【0033】
図14Gおよび図14Fは、チャネルが、チャネル出力において並列に配線されている点を除けば、図14Cおよび図14Dと同一の条件を示す。負荷のない場合(図14G)および抵抗的な負荷をかけられる場合(図14F)の両方において、異なるチャネルからの出力における同一の比較的重要でない変化が観測される。しかしながら、並列にハードワイヤリングすることは、4つのトレースの平均電圧、DC SUM、数学的平均によって裏付けられる場合には、MATH AVEを作成する。電気負荷の場合には、1000オームが、個別の検出器/フィルタ回路における出力に印加され、250オームはハードワイヤードの並列合計に印加される。抵抗における減少は、電圧を一定に維持する効果を有する。結合されたデバイスは、4倍の電流送出能力を達成する。
【0034】
最後に、図14Hおよび図14Iにおいて、検出器/フィルタ回路の出力は、一度に1つから4つのエレメントまでが、それぞれ直列または並列のいずれかで、互いにハードワイヤードされた。図14Hにおいて、エレメントを加えることは、単に、チャネルの数との直接関係において出力電圧を上昇させる。図14Iにおいて、出力電圧は、一般的に、チャネルの追加に対して一定のままであるが、電流送出能力はチャネルの数に従って増加する(電流は図面には示されない)。
【0035】
このように、RF領域における加重(変換器エレメント出力)が、エレメント間の位相関係に依存して増加的干渉および相殺的干渉を結果として生じることが実験的に証明された。あるいは、検出およびフィルタリングの後に加重を提供することによって、環境に依存しない位相が、増加的干渉のみを有して成立する。
【0036】
本出願で議論された検出器回路は、半波長整流器、全波長整流器、倍電圧器、チャージポンプデバイスなどを含み得る。フィルタは、直列の誘導体、並列のコンデンサ、それらの組み合わせなどを含み得る。インピーダンス整合は、変圧器デバイス、能動的または受動的回路コンポーネントを介して達成され得、検出器/フィルタ回路の設計に組み込まれ得る。検出器/フィルタ回路上のさらなる詳細は、同時係属出願において提供される。
【0037】
受信刺激器における等方性の変換器に対する要求を用いて、(全ての横方向の寸法における)変換器サイズは、約0.5波長を超えるべきではなく、様々な仰角における信号強度において許容される変化量のみを受ける。1マイクロ秒ごとに約1.5mmという通常の組織における音速を与えられる場合、1MHzにおいてデバイスサイズは約0.75mmを、0.5MHzにおいて1.5mmを、250kHzにおいて3.0mmを超えるべきではない。
【0038】
受信刺激器における変換器は、伝送される音響ビームの軸に関して任意の方向に位置決めおよび配置され得る。変換器は図13において描かれるようなリニアな方法で搭載され得、または星形のパターン、円形のパターン、または十字のパターンで搭載され得、これにより、ほんの少しのオプションを列挙している。解剖学上の条件は、埋め込み可能なデバイスの配向を決定することも可能にし得る。
【0039】
上記は、本発明の好ましい実施形態の完全な記載であるが、様々な代替案、変形、および相当物が使用され得る。それゆえ、上記の記載は特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものとしてとらえるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、本発明の原理に従って構成された受信刺激器を図示するブロック図である。
【図2】図2は、本発明の受信刺激器において有用なタイプの第1の例示的な変換器の設計を図示する。
【図3】図3は、本発明の受信刺激器において有用な、特に単結晶変換器とともに有用なタイプの第2の例示的な変換器を図示する。
【図4】図4は、ビームプロファイル測定に対する仰角の定義の概略図である。
【図5】図5は、単結晶変換器および多結晶セラミック変換器に対する仰角ビームプロファイルを図示する。
【図6】図6は、単結晶変換器および多結晶セラミック変換器に対する仰角ビームプロファイルを図示する。
【図7】図7は、異なる変換器材料に対するインピーダンスのプロットである。
【図8】図8は、異なる変換器材料に対するインピーダンスのプロットである。
【図9】図9は、異なる変換器材料に対するインピーダンスのプロットである。
【図10】図10は、多数の変換器エレメントを使用する変換器アセンブリの実施形態である。
【図11】図11は、本発明の原理に従う多数の変換器を使用する変換器アセンブリの2つの実施形態である。
【図12】図12は、本発明の原理に従う多数の変換器を使用する変換器アセンブリの2つの実施形態である。
【図13】図13は、多数の個別の変換器エレメントを有する変換器アセンブリの例示的な構成を図示する。
【図14A】図14Aは、本発明の多数のエレメントの変換器アセンブリによって生成される例示的な波形加重プロットを示している。
【図14B】図14Bは、本発明の多数のエレメントの変換器アセンブリによって生成される例示的な波形加重プロットを示している。
【図14C】図14Cは、本発明の多数のエレメントの変換器アセンブリによって生成される例示的な波形加重プロットを示している。
【図14D】図14Dは、本発明の多数のエレメントの変換器アセンブリによって生成される例示的な波形加重プロットを示している。
【図14E】図14Eは、本発明の多数のエレメントの変換器アセンブリによって生成される例示的な波形加重プロットを示している。
【図14F】図14Fは、本発明の多数のエレメントの変換器アセンブリによって生成される例示的な波形加重プロットを示している。
【図14G】図14Gは、本発明の多数のエレメントの変換器アセンブリによって生成される例示的な波形加重プロットを示している。
【図14H】図14Hは、本発明の多数のエレメントの変換器アセンブリによって生成される例示的な波形加重プロットを示している。
【図14I】図14Iは、本発明の多数のエレメントの変換器アセンブリによって生成される例示的な波形加重プロットを示している。
【図15A】図15Aは、本発明における変換器の様々な単結晶配向およびそれぞれの感度プロファイルを図示する。
【図15B】図15Bは、本発明における変換器の様々な単結晶配向およびそれぞれの感度プロファイルを図示する。
【図15C】図15Cは、本発明における変換器の様々な単結晶配向およびそれぞれの感度プロファイルを図示する。
【図15D】図15Dは、本発明における変換器の様々な単結晶配向およびそれぞれの感度プロファイルを図示する。
【技術分野】
【0001】
本出願の主題は、以下の共同所有された特許出願のものに関しており、該特許出願は、米国特許出願第10/869,242号(代理人整理番号021834−000310US号)と、米国特許出願第10/869,776号(代理人整理番号021834−000130US号)と、米国特許出願第10/869,705号(代理人整理番号021834−000620US号)とである。このような先行出願の各々の全体の開示は、本明細書において参考として援用されるが、その出願日の利益は主張されない。
【0002】
(1.発明の分野)
制御送信器(controller−transmitter)と言う音響変換器および1つ以上の埋め込まれた受信刺激器(receiver−stimulator)デバイスを用いる心臓組織の刺激は、最近、本明細書における発明者らによって、上で参照された特許出願において提案されている。制御送信器は音響信号を生成し、該音響信号は受信刺激器によって受信され、受信刺激器は、次に電気信号を生成し、該電気信号は結合された組織電極を介して心臓組織または他の組織に送られる。制御送信器は、外部にあり得るが、通常は埋め込まれ、制御送信器が、埋め込み可能なペースメーカのサイズに類似する合理的なサイズを有することと、制御送信器が、バッテリから長い期間、典型的には3年以上動作可能であることと、を要求する。比較的に小さいサイズおよび比較的に長い動作期間は、受信刺激器が、制御送信器からの音響エネルギーを効率良く利用することを要求する。
【0003】
それらの理由のために、埋め込まれたまたは外部の音響送信器から音響エネルギーを効率良く受信することが可能な埋め込み可能な変換器デバイスを提供することが所望される。変換器が、等方性の、またはほぼ等方性の方法で動作すれば特に望ましく、この方法では、それらは、送信器と埋め込まれた変換器との間の相対的な方向にかかわらず、音響送信器からの音響エネルギーを効率良く受信可能である。これらの目的の少なくとも一部が本明細書において以後記載される本発明によって満たされる。
【背景技術】
【0004】
(背景技術の記載)
以下の特許および特許公開は、印加された音響エネルギーを電気出力に変換することが可能な様々な埋め込み可能な変換器を記載しており:該特許および特許公開は、米国特許である特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5、および特許文献6と、米国特許出願公開である特許文献7、特許文献8、および特許文献9と、公開された独国出願である特許文献10とである。
【特許文献1】米国特許第3,659,615号明細書
【特許文献2】米国特許第3,735,756号明細書
【特許文献3】米国特許第5,193,539号明細書
【特許文献4】米国特許第6,654,638号明細書
【特許文献5】米国特許第6,628,989号明細書
【特許文献6】米国特許第6,764,446号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第2002/0077673号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第2004/0172083号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2004/0204744号明細書
【特許文献10】独国特許出願公開第4330680号明細書
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(本発明の概略)
システムおよび方法が、種々の目的のために体組織に電気信号を送るために提供される。エネルギーは、典型的には、心臓組織に刺激を与えるために、例えば、徐脈(bradycardia)のための、不整脈(tachyarrhythmia)の終結のための、心不全に対する両心室の再同期療法のための、または同様のもののための心臓ペーシングにおいて送られる。しかしながら、本発明のシステムおよび方法は、種々の他の適用、例えば、神経刺激、脳刺激、随意筋刺激、胃刺激、骨成長刺激、痛みの改善、および同様のものに対する適用を含むものにおいて使用され得る。
【0006】
第一の局面において、本発明は、埋め込み可能な受信刺激器デバイスであって、音響ソース(該受信刺激器デバイスから物理的に離れている)から送られた音響エネルギーを受信し、その音響エネルギーを電気信号に変換することが可能な受信刺激器デバイスを提供する。本発明の受信刺激器は、通常は非常に感度が高く、通常は音響エネルギーの低いレベルを受信し、変換することが可能であり、これにより電気信号を生成し、この電気信号は心筋組織を刺激することが可能である。典型的に、断面積が3mm2のオーダの本発明のデバイスを用いて、0.2から0.4メガパスカルまでの範囲にわたる圧力レベルを有する音響波(1.3から5.6W/cm2の強度レベル)は、1.0から2.0ボルトまでの範囲にわたる電気信号に変換され得る。結果として、本発明のデバイスは、通常は非常に効率良く、受信された音響信号の大部分を電気信号に変換することが可能であり、典型的に変換効率は少なくとも25%であり、しばしば少なくとも50%である。このような高い感度および効率に加えて、本発明の埋め込み可能な受信刺激器はまた、少なくとも実質的に等方性に機能することも可能である。すなわち、デバイス感度が等方性である。「等方性」とは、受信刺激器が、音響ソースに対するデバイスの相対的な方向に実質的に反応しない方法で音響エネルギーを受信することが可能なトランスデューサアセンブリを有することを意味する。入力音響エネルギーに応答して受信刺激器デバイスによって生成される電気信号は、デバイスの方向が音響ソースに関して変化するときにわずか±6dBだけ変化し、しばしばわずか±3dBだけ変化し、好ましくはわずか±1dBだけ変化する。
【0007】
第一の特定の実施形態において、埋め込み可能な受信刺激器は、典型的には上記した等方性動作が可能である変換器アセンブリを備えており、該変換器アセンブリは、音響ソースから音響エネルギーを受信し、該音響エネルギーに応答して電気信号を生成する。デバイスは、復調器回路構成をさらに備え、該復調器回路構成は電気信号を受信し、例えば、心臓ペーシング、神経刺激、脳刺激、随意筋刺激、痛みの改善、または同様のものに適切な生体的刺激電気出力を生成する。デバイスは、少なくとも2つの組織接触電極をさらに含み、該電極は復調器回路構成と結合されることにより、刺激電気出力を受信し、該出力を組織に伝える。電極のいずれかまたは両方が、デバイス上に直接搭載され得、一部の例においては、デバイスケーシングの一部を形成し、または代替的に配置のためにワイヤ、ケーブルまたは同様のものによって接続され得る。
【0008】
変換器アセンブリは、円筒形の圧電変換器を備え得、該圧電変換器は、その対向する表面上に形成された一対の電極を有する。入力音響エネルギーは、圧電変換器に振動および電荷を生成させ、電荷は電極により収集され、復調器回路構成に送るために利用可能である。第1の例示的な実施形態において、圧電変換器は、多結晶セラミック圧電材料からなり得る。セラミック圧電材料がチューブの形状で形成される場合には、対向する平坦な端面上の電極が使用され得るが、対向する電極は、典型的に変換器の外側円筒面および内側円筒面上に形成され得る。
【0009】
しかしながら、好ましい例示的な実施形態において、圧電変換器は、典型的には<001>配向に切断されている単結晶材料からなる。好ましい単結晶は、PMN−xPT材料を備え、ここでxは、重量百分率で5%から50%までの範囲である。他の単結晶材料は化合物PZN−xPTまたはRelaxor−PT材料であり得る。圧電変換器が単結晶からなる場合には、対向する電極は、好ましくは円筒面上ではなく、円筒の対向する平坦な端面上に形成される。あるいは、代わりの結晶面に対して、円筒面あるいは切断された複合の結晶アセンブリ上の円筒面に形成された電極が好まれ得る。
【0010】
本発明の埋め込み可能な受信刺激器のさらなる実施形態において、変換器アセンブリは複数の個別の変換器エレメントを備えている。復調器回路構成は、同様に、複数の個別の復調器回路を備え、変換器エレメントの各々は、個別の復調器回路の1つに取り付けられている。変換器エレメント自体は、典型的に最大限の寸法を有し、その寸法は予期される音響伝送のほぼ半波長の寸法であるが、個別の変換器エレメントの累積の横の寸法は、一波長よりもかなり長いことが好ましい。復調回路構成の出力には、個別の復調器回路の各々から電気信号を加算することにより、生体刺激電気出力を生成する備えがある。電気信号は並列に、直列に、または直列と並列の組み合わせで加算され得る。
【0011】
本発明の第2の局面において、埋め込まれた受信刺激器にエネルギーを送る方法は、典型的には、上記したように本発明のデバイスと接続されている実質的に等方性の変換器または複数の変換器を有するアセンブリとして形成された受信刺激器を埋め込むことを包含する。音響エネルギーは、音響ソースから、埋め込まれた受信刺激器アセンブリに向けられ、音響ソースは埋め込まれ得、または外部に配置され得、変換器は電気信号を生成し、該電気信号は、変換器の方向が音響ソースの方向に関して変化するときに、±6dBだけ変化する。電気信号が復調されることにより、生体刺激電気出力を生成し、電気出力は組織に送られる。音響エネルギーは、外部ソースから受信刺激器まで送られ得るが、埋め込まれた音響ソースから送られることが好ましくあり得る。組織と接している刺激電極間に流れる電気出力は、電圧、電流、波形などの特定の特性を所有し得る。これらの電気特性が選択されることにより、ターゲットの心臓組織、神経組織、脳組織、随意筋組織、骨組織、または同様のものを刺激する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
(本発明の詳細な記載)
図1に図示されるように、本発明の原理に従って構成された例示的な受信刺激器10は、変換器アセンブリ12と、整流回路13およびフィルタ回路14を含む復調器回路構成と、組織接触電極15とを備えている。オプションとして、インピーダンス整合回路16が提供されることにより、変換器アセンブリの出力を、整流/フィルタ回路および電極と接触した組織によって表される電気インピーダンスと整合させ得る。本発明は、変換器アセンブリ12および変換器のアセンブリに対するある特定の設計を提供し、該変換器のアセンブリは、次に、高い等方性の受信刺激器動作を提供することにより、変換器または複数の変換器の出力が音響ソースに対する変換器または複数の変換器の方向からかなり独立させるものである。
【0013】
本発明において有用な第1のほぼ等方性の変換器アセンブリ29が、図2に図示される。変換器アセンブリ29は、通常は、外側円筒電極21と内側円筒電極22とを有する円筒形の多結晶圧電チューブ20を備えている。典型的に、セラミックは、セラミックの内側の壁とチューブの外側の壁との間にエポキシ結合を有したり、有さなかったりして、ポリアミドまたは他の適切な材料の薄い壁のある(thin walled)チューブ23上に搭載され得る。セラミックの両方の平坦面は、セラミックと構造本体25の始点の前との間に音響吸収体24を有し得る。全ての内部表面は、典型的に低粘性のエポキシによって結合される。アセンブリの外側表面は、典型的に、薄い壁のある収縮チューブ26の下で低粘性のエポキシによって被覆される。アセンブリより前に、電気リード28は、内部および外部電極にハンダ付けされ、中空の内部チューブの内部容積27を通過する。オプションとして、図1に示される他の回路コンポーネントもまた、中空のチューブ内部容積27内に配置され得る。このタイプのデバイスは、ほぼ等方性の感度を、円筒形の軸に沿った仰角においては、円筒形の軸に対して垂直方向の感度に比べて、典型的には6〜12dB落ちたオーダで提供し得、ここで円筒形の軸に対する仰角は、図4に描かれる。
【0014】
図2の変換器アセンブリ29は、高度の等方性感度を提供するが、さらに等方的に動作する変換器アセンブリを提供することが所望される。図3を参照すると、単結晶圧電材料の使用は、さらなる向上を提供し得る。単結晶デバイス39は、単結晶圧電性半導体の電極31および32が円筒30の平坦面上にあり、円筒30は<001>配向で切断された単結晶材料であり、リード28で適宜配線されているという点を除けば、多結晶セラミックデバイスと同様の方法で製造される。結晶軸を定義するために、標準的な結晶学の用語が本明細書で使用される。ミラー指数(hkl)は、結晶軸に対する平面の配向を定義する。平面(hkl)に垂直な別個の軸は、用語<hkl>によって定義される。結果として、(001)平面は、xy結晶面に平行であり、結晶のz軸に垂直である。<001>軸は、結果として、結晶z軸に平行である。
【0015】
図3に描かれるタイプのデバイスは、単結晶コンポーネントがセラミックコンポーネントに実質的に等しいサイズで、製造されている。以下に詳述されるように、ビームプロファイルのような性能における類似性がある。もっとも重要なのは、単結晶は、特に、低い周波数共振におけるすぐれた等方性の感度を有することであり、これはセラミック圧電物質の、より高い周波数共振によっては達成されない。
【0016】
図5および図6は、代表的なデバイスの340kHzおよび550kHzにおけるビームプロファイルに対して測定されたデータおよびモデルデータを描いている。単結晶デバイスプロフィルは、図5に描かれ、セラミックデバイスプロファイルは図6に描かれる。これらのプロファイルに対して、ビーム角は図4に描かれる仰角として定義される。0度の仰角は、デバイスの円筒形の軸に垂直な入力ビームに対応し、90度は円筒形の軸に平行であり、180度は円筒形の軸に垂直であるが、0度とは反対の方向である。対称性によって、目に余る製造の欠点がないことにおいて、これらのデバイスは通常、圧電チューブの円筒形の軸の周辺でアジマスにおいて1dB未満の感度の変動を有する。仰角に対して、完全に等方性のデバイスは、0度から90度を通って180度まで平坦な応答を有する。さらに、低い方の周波数においては、両方のデバイスが、回折理論によって予想されるものよりも低い異方性を示す。しかしながら、異方性における変化は、デバイスサイズおよび周波数に基づく単純な回折モデルと一致しないままである。テストアーティクルの構造的なコンポーネントを介する音響的な結合は、この矛盾に責任があると仮定される。
【0017】
感度に関して、以下の表1は、デバイスの円筒形の軸に垂直な平面におけるデバイスの感度を要約している。デバイスは、通常340kHzと600kHzの範囲の超音波の長いバーストにさらされた。デバイス上に電気負荷がない状態で、生成される最大振幅(peak−to−peak)電圧は高入力インピーダンスデジタルオシロスコープによって測定され、結果は、以下に超音波の場の強さに関して、MI(Mechanical Indexは、メガヘルツ単位の周波数の平方根で割ったメガパスカル単位の希薄圧力(rarefactional pressure)として定義される)で表にされる。続いて、各テストにおいて、デバイスは500オームの抵抗器を用いて電気的に負荷をかけられ、結果は場の強さに関して以下で次に表にされる。500オームの電気インピーダンスが使用され、様々な人体組織タイプと接触する電極間のインピーダンスを表す。最後に、デバイスは0.1マイクロファラッドのコンデンサを有し、500オームによって負荷をかけられた全波整流器と接続された変圧器とほぼ最適にインピーダンス整合される。結果として生じる、場の強さに対するDC(直流)電圧包絡線のピーク振幅は以下に報告される。
【0018】
【表1】
上の表において、デバイス2199は、PZT−5Hセラミックチューブであって、0.070インチの長さで、外径が0.070インチで、内径が0.045インチである。チューブは内側円筒面および外側円筒面上の電極を用いて極性を与えられる。デバイス2216Aは、PMN−32%PT単結晶チューブであって、デバイス2199と同一の寸法を有する。しかしながら、デバイスは<001>結晶方向軸に垂直な平面から切断される。電極は電極間で極性を有する平坦面上にある。デバイス2195は、0.040インチの長さであることを除けば、全ての局面でデバイス2199と同一なセラミックチューブである。
【0019】
開回路モードにおいて、単結晶デバイスは、セラミックデバイスよりも非常に優れている。しかしながら、このことは、組織に刺激を与えるために十分な電流がデバイスから導かれる必要があるという点で、非現実的な状況を表す。代表的な組織インピーダンスによって負荷をかけられる場合には、単結晶材料が未だにかなりの利点を持つが、性能のギャップは小さくなる。最後に、インピーダンス整合回路、整流回路、フィルタ回路、および代表的な組織で負荷をかけられた回路を駆動する場合には、未だに良好な性能のギャップがあるが、わずかな変化を有する。
【0020】
単結晶材料の優秀な性能に対する主要な理由は、低い周波数定数であり、これは、図7に見られるように約340kHzにおける共振という結果を生じる。材料の同一のサイズの一片に対して、図8に見られるように約600kHzにおいてセラミック内で小さな共振が存在し、結果として、550kHzにおけるセラミックの性能に関して、わずかに向上した。より強い共振が、約900kHzにおいて存在する。この共振は不幸にも波長としては使用され得ず、結果としてデバイスよりも小さくなり、デバイスにさらに大きな仰角異方性を与える。興味深いことには、2199の半分の長さを有するデバイス2195において、長さモードの共振は、図9に見られるように約600kHzまで引き下げられ、結果として600kHzにおけるより短いデバイスのわずかに良い性能が観測された。
【0021】
その340kHzの共振における単結晶と、550〜600kHzにおけるそれらのもっとも低い周波数共振におけるセラミックとの性能の比較において、単結晶デバイスは、未だにセラミックデバイスよりも、完全に負荷をかけた状態で、平均で10dB以上感度が高い。共振から離れた(off−resonance)周波数における単結晶と、共振から離れた周波数におけるセラミックとを比較すると、単結晶デバイスは、17dB以上感度が高い。単結晶材料は、結果として、組織刺激器のための音響場における電気エネルギーのソースとして、セラミック材料より十分な改良を提供するように見える。
【0022】
本発明は、埋め込み可能な受信刺激器デバイスにおける使用のために<001>配向に切断された単結晶圧電チューブのインプリメンテーションを詳述し、ここで結晶軸に垂直な感度は、図15Aにおいてチューブの断面図の周りに破線によって描かれるように、全ての方向において周辺で均一である。単結晶の多数の異なる配向面もまた潜在的に実用性を有する。このような可能な構成は、<011>平面で切断された単結晶チューブの性質を活用し、ここで横方向の感度は、図15Bに描かれるように、<100>配向における振幅が、約2つの要因によって上記した単結晶よりも大きいが、逆の極性の小さい振幅である直交する感度を有する、交差したダイポール形状を有する。この結晶が直接インプリメントされる場合には、逆の極性の感度は、より強い直交するダイポールローブから減じ、上記したようなデバイスよりもおそらく低い感度を有するデバイスを生み出す。しかしながら、高い感度のダイポールローブを備えている単結晶の四分円(quadrant)(図15Bにおいて円弧によってハイライトされる)が切断され、この高い感度の材料の4つの四分円が図15Cに描かれるように再集合された場合には、正味の効果は、全ての4つの四分円において高い感度および正味のかなり増加した感度を有する単結晶チューブである。元のチューブ状の形状が維持されているので、デバイス内の全ての機械的な共振は同じままである。あるいは、有利な結晶配向を有する切断面はより小さく、90度の円弧の代わりに60度の円弧になり得、さらに高い感度のために図15Dに描かれるように再集合され得る。予期される動作波長は、約2つの要因によって、再集合されたデバイスの物理的なサイズよりも大きいので、感度はデバイスの表面上で平均化される。
【0023】
本発明の埋め込み可能な受信刺激器のさらなる実施形態は、複数の変換器エレメントを含む変換器アセンブリを活用し、変換器エレメントの少なくとも一部は、選択されたサイズ(半波長に等しいかまたはそれ未満)を有することにより、個別のエレメントの等方性の性質を向上させる。一般的に圧電変換器のサイズが、音響信号の半波長を超える場合には、感度における方向の変化が性能を支配し始め、デバイスのサイズが半波長未満であるのに、デバイスの感度は全ての方向にほぼ均一であって、等方性に近付く。音響の場をサンプルするためのデバイスであるハイドロフォンは、典型的に半波長のセンササイズに対応する動作上の上限を有する。出力が、デバイスの断面積に直接比例する場合には、より大きなサイズがハイドロフォンエレメントに対して好まれる。結果として、受信刺激器に対し、多数のエレメントが特に加えられることにより、感度を増加させるようにデバイスの断面積を増加させる。埋め込み可能なデバイスは、音響の励起の場に対するデバイスの配向が、デバイスが刺激を必要とする組織に埋め込まれるときにデバイスの配向と一致し得ない場合には、ほぼ等方性の応答を有さなければならない。
【0024】
図10に描かれるように、複数のエレメント112a、112b、112c、112nを特徴付ける変換器アセンブリおよび出力リード113a、114a、113b、114b、113n、114nは、単一の検出器/フィルタ回路118への一対の接続リード116aおよび116bと並列に配線され、該単一の検出器/フィルタ回路118は、結合された信号をリード119aおよび119bを介して組織接触刺激電極120aおよび120bに通す。しかしながら、この手法は、さらなるセラミックの体積を提供することにより、より大きな電力出力を達成するが、各エレメントからの信号の異なる到達時間に起因して、個別のエレメントの各々から検出器/フィルタ118に入る信号の増加的(constructive)干渉または相殺的(destructive)干渉を受ける。個別の信号の増加的干渉のみを保証する方法で個別のエレメントのセットを配置することは困難である。この構成は、入力音響信号の位相が各エレメントにおいて同一である場合にのみ高い感度を提供し、このように本発明の好ましい実施形態ではない。
【0025】
この欠陥を克服し、さらにより大きな出力電力のために複数のエレメントを使用し、エレメント間の増加的干渉および相殺的干渉を、減少または除去するために、各エレメントに対する別個の検出器/フィルタが提供される。単一の変換器エレメントおよび単一の検出器/フィルタの組み合わせは、チャネルとして言及され得る。図11に描かれるように、個別のエレメント122a、122b、122c、122nは、それら独自のそれぞれの検出器/フィルタ125a、125b、125c、125nをリード123a、124a、123b、124b、123n、124nを介して駆動する。検出器/フィルタの出力リード126a、127a、126b、127b、126n、127nは、リード129aおよび129bを介して並列に配線され、そこから刺激電極130aおよび130bに直接接続される。この方法において、デバイスの電流送出(エレメントは全て同一であり同一の音響信号を受信することを仮定する)は、デバイス内の個別のチャネルの数nを掛けられる。
【0026】
あるいは、図12に描かれるように個別の検出器/フィルタの出力は直列に配線され得、出力リード139aおよび139bは組織刺激電極140aおよび140bに直接通り、一方でチャネル間の137aおよび137bのような中間リードが接続される。この方法において、デバイスの電圧送出(エレメントは全て同一であり同一の音響信号を受信することを仮定する)は、デバイス内の個別のチャネルの数nを掛けられる。
【0027】
さらに、個別のチャネルの出力上で直列接続と並列接続とを結合することにより、個別の圧電エレメントとターゲットの組織塊との間の特定のインピーダンス整合を少なくとも部分的に達成することも可能である。
【0028】
この概念を証明するために、薄い壁を有するポリイミドの管材料143の内壁にエポキシ結合された4つの個別の円筒形チューブ変換器エレメント141a〜141dを備えるマルチエレメント断面142が、図13に描かれるように製造される。変換器電極リードワイヤ144a〜144hは、管材料の一端まで供給される。ポリイミドチューブの中空の空気充填の内部への流路はない。個別の変換器エレメントは、約0.6波長の外径および約0.8波長の長さを有し、500kHzにおいて約0.6波長というエレメント間のギャップを有する。このプロトタイプのインプリメンテーションにおいて、検出器/フィルタ回路は、同時係属出願に記載されるように、倍電圧器である。
【0029】
図14Aおよび14Bにおいて、上部から下部までのトレースは、チャートの右のインデックスの上部から下部の順序に従う。図14Aは、デバイスが超音波ビームに関して斜めに向けられる場合には、4つのエレメント(上部の4つのトレース)の各々からの出力電圧を描く。エレメント間のランダムな位相変化のために、直列接続(RF SUM)は、任意のエレメントからのそれ自体の信号に比べて弱い正味の信号を生じる。実際には、個別のエレメントの出力が数学的に加重された(MATH SUM)場合には、波形は実質的にRF SUMの波形と等しい。各個別のエレメントが、ほぼ等方性の応答を有し得る場合でさえ、直列接続された個別のエレメント信号の相殺的干渉は、減少された出力を与える。4つのエレメントの振幅におけるわずかな変化は、エレメント間のわずかな製造の変化および音響ビームの可能な相互作用による。
【0030】
図14Bはより理想的な場合を描き、ここで4つのエレメントは超音波ビームに実質的に垂直に整列される。個別のエレメントのサイズが、上で列挙されたルールの基準の半波長よりもわずかに大きいので、この場合には、先の「ランダム整列」角度の場合よりもわずかに大きな個別のエレメント(上部の4つのトレース)の出力がある。上記と同一の方法において、RF SUMは、数学的な組み合わせMATH SUMに匹敵するデバイスのハードウェアの配線された組み合わせと配線を表す。しかしながら、RF SUMはMATH SUMより振幅がわずかに低いことがわかる。測定の間に、個別のエレメントは、個別の開いた系の検出器/フィルタ回路に接続され、これらは、直列に配線され、単一の開いた系の検出器/フィルタ回路と接続されているエレメントとは、異なる電気的負荷を示す。図14Aとは明らかに異なり、チャネル1〜チャネル4の位相は正確に整列されることにさらに注意する。
【0031】
負荷のない条件下で検出器/フィルタ回路の出力を見る場合には、出力電圧は、変換器エレメントからの入力信号による電圧上昇と比較すると、非常にゆっくりと降下する。これは、4つのチャネル(変換器エレメントおよび検出器/フィルタ)に対する図14Cの下部の4つのトレースに見られ、ここで約−5マイクロ秒から100マイクロ秒まで、個別の変換器エレメントは、超音波の場にさらされる。この場合において、かつ残りの図面の全ての測定に対して、音響ビームに関する4つの変換器の配向は、曲げられ、図14Aの場合のように、個別の変換器エレメントの出力に対してランダムな位相を引き起こす。図14Cおよび図14Dにおいて、上部の2つのトレースは、検出器/フィルタのDC出力のハードウェアの加重、および個別の出力の数学的な合計を示す。実際のハードワイヤードの加重は、個別のチャネルの数学的な合計と実質的に同一であることに注意を要する。このことは図14Aのハードワイヤードの場合とは明らかに異なり、ここでハードワイヤードの加重は、一つの検出器/フィルタを有する個別の変換器エレメントの出力上で行われる。
【0032】
図14Dは、個別の変換器エレメントおよび該エレメントのそれぞれの検出器/フィルタ回路を備えている個別のチャネルの出力が1000オームの負荷をかけられ、ハードワイヤードのポスト検出器の加重が4000オームの負荷をかけられていることを除けば、図14Cと同一の条件を示す。合計された出力に4000オームを用いると、各チャネルからの電流送出は、合計されていない状態と同一である。実際、図14Eは、同一のシナリオを示し、ハードワイヤード出力は1000オームの負荷をかけられ、このことは4つのチャネルの各々上の4つのより高い電流需要の要因を置き、結果としてかなり小さい振幅のDC SUMという結果を生じる。なぜならば、個別の変換器エレメントは需要を満たすことが不可能であるからである。さらに、合計された出力の波形は著しく平坦にされ、エレメントの電流しきい値を明確に証明する。個別のチャネルおよび合計された出力上に抵抗的な負荷をかける場合には、検出器/フィルタ回路の上昇時間は以前と同一であるが、降下時間はフィルタコンデンサの外への電荷の流出によって減少することにも注意を要する。
【0033】
図14Gおよび図14Fは、チャネルが、チャネル出力において並列に配線されている点を除けば、図14Cおよび図14Dと同一の条件を示す。負荷のない場合(図14G)および抵抗的な負荷をかけられる場合(図14F)の両方において、異なるチャネルからの出力における同一の比較的重要でない変化が観測される。しかしながら、並列にハードワイヤリングすることは、4つのトレースの平均電圧、DC SUM、数学的平均によって裏付けられる場合には、MATH AVEを作成する。電気負荷の場合には、1000オームが、個別の検出器/フィルタ回路における出力に印加され、250オームはハードワイヤードの並列合計に印加される。抵抗における減少は、電圧を一定に維持する効果を有する。結合されたデバイスは、4倍の電流送出能力を達成する。
【0034】
最後に、図14Hおよび図14Iにおいて、検出器/フィルタ回路の出力は、一度に1つから4つのエレメントまでが、それぞれ直列または並列のいずれかで、互いにハードワイヤードされた。図14Hにおいて、エレメントを加えることは、単に、チャネルの数との直接関係において出力電圧を上昇させる。図14Iにおいて、出力電圧は、一般的に、チャネルの追加に対して一定のままであるが、電流送出能力はチャネルの数に従って増加する(電流は図面には示されない)。
【0035】
このように、RF領域における加重(変換器エレメント出力)が、エレメント間の位相関係に依存して増加的干渉および相殺的干渉を結果として生じることが実験的に証明された。あるいは、検出およびフィルタリングの後に加重を提供することによって、環境に依存しない位相が、増加的干渉のみを有して成立する。
【0036】
本出願で議論された検出器回路は、半波長整流器、全波長整流器、倍電圧器、チャージポンプデバイスなどを含み得る。フィルタは、直列の誘導体、並列のコンデンサ、それらの組み合わせなどを含み得る。インピーダンス整合は、変圧器デバイス、能動的または受動的回路コンポーネントを介して達成され得、検出器/フィルタ回路の設計に組み込まれ得る。検出器/フィルタ回路上のさらなる詳細は、同時係属出願において提供される。
【0037】
受信刺激器における等方性の変換器に対する要求を用いて、(全ての横方向の寸法における)変換器サイズは、約0.5波長を超えるべきではなく、様々な仰角における信号強度において許容される変化量のみを受ける。1マイクロ秒ごとに約1.5mmという通常の組織における音速を与えられる場合、1MHzにおいてデバイスサイズは約0.75mmを、0.5MHzにおいて1.5mmを、250kHzにおいて3.0mmを超えるべきではない。
【0038】
受信刺激器における変換器は、伝送される音響ビームの軸に関して任意の方向に位置決めおよび配置され得る。変換器は図13において描かれるようなリニアな方法で搭載され得、または星形のパターン、円形のパターン、または十字のパターンで搭載され得、これにより、ほんの少しのオプションを列挙している。解剖学上の条件は、埋め込み可能なデバイスの配向を決定することも可能にし得る。
【0039】
上記は、本発明の好ましい実施形態の完全な記載であるが、様々な代替案、変形、および相当物が使用され得る。それゆえ、上記の記載は特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲を限定するものとしてとらえるべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】図1は、本発明の原理に従って構成された受信刺激器を図示するブロック図である。
【図2】図2は、本発明の受信刺激器において有用なタイプの第1の例示的な変換器の設計を図示する。
【図3】図3は、本発明の受信刺激器において有用な、特に単結晶変換器とともに有用なタイプの第2の例示的な変換器を図示する。
【図4】図4は、ビームプロファイル測定に対する仰角の定義の概略図である。
【図5】図5は、単結晶変換器および多結晶セラミック変換器に対する仰角ビームプロファイルを図示する。
【図6】図6は、単結晶変換器および多結晶セラミック変換器に対する仰角ビームプロファイルを図示する。
【図7】図7は、異なる変換器材料に対するインピーダンスのプロットである。
【図8】図8は、異なる変換器材料に対するインピーダンスのプロットである。
【図9】図9は、異なる変換器材料に対するインピーダンスのプロットである。
【図10】図10は、多数の変換器エレメントを使用する変換器アセンブリの実施形態である。
【図11】図11は、本発明の原理に従う多数の変換器を使用する変換器アセンブリの2つの実施形態である。
【図12】図12は、本発明の原理に従う多数の変換器を使用する変換器アセンブリの2つの実施形態である。
【図13】図13は、多数の個別の変換器エレメントを有する変換器アセンブリの例示的な構成を図示する。
【図14A】図14Aは、本発明の多数のエレメントの変換器アセンブリによって生成される例示的な波形加重プロットを示している。
【図14B】図14Bは、本発明の多数のエレメントの変換器アセンブリによって生成される例示的な波形加重プロットを示している。
【図14C】図14Cは、本発明の多数のエレメントの変換器アセンブリによって生成される例示的な波形加重プロットを示している。
【図14D】図14Dは、本発明の多数のエレメントの変換器アセンブリによって生成される例示的な波形加重プロットを示している。
【図14E】図14Eは、本発明の多数のエレメントの変換器アセンブリによって生成される例示的な波形加重プロットを示している。
【図14F】図14Fは、本発明の多数のエレメントの変換器アセンブリによって生成される例示的な波形加重プロットを示している。
【図14G】図14Gは、本発明の多数のエレメントの変換器アセンブリによって生成される例示的な波形加重プロットを示している。
【図14H】図14Hは、本発明の多数のエレメントの変換器アセンブリによって生成される例示的な波形加重プロットを示している。
【図14I】図14Iは、本発明の多数のエレメントの変換器アセンブリによって生成される例示的な波形加重プロットを示している。
【図15A】図15Aは、本発明における変換器の様々な単結晶配向およびそれぞれの感度プロファイルを図示する。
【図15B】図15Bは、本発明における変換器の様々な単結晶配向およびそれぞれの感度プロファイルを図示する。
【図15C】図15Cは、本発明における変換器の様々な単結晶配向およびそれぞれの感度プロファイルを図示する。
【図15D】図15Dは、本発明における変換器の様々な単結晶配向およびそれぞれの感度プロファイルを図示する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋め込み可能な受信刺激器デバイスであって、
音響ソースから音響エネルギーを受信し、該音響エネルギーに応答して電気信号を生成する等方性変換器アセンブリと、
該電気信号を受信し、生体的刺激電気出力を生成する復調器回路構成と、
該刺激電気出力を受信し、該出力を組織に送る少なくとも2つの組織接触電極と
を備えている、埋め込み可能な受信刺激器デバイス。
【請求項2】
前記音響エネルギーに応答して、前記変換器アセンブリによって生成された前記電気信号は、音響ソースに対する方向が変化するときに、わずかに±6dBだけ変化する、請求項1に記載の受信刺激器デバイス。
【請求項3】
前記音響エネルギーに応答して、前記変換器アセンブリによって生成された前記電気信号は、音響ソースに対する方向が変化するときに、わずかに±3dBだけ変化する、請求項1に記載の受信刺激器デバイス。
【請求項4】
前記変換器アセンブリは、圧電変換器材料を備えている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記圧電変換器材料は、多結晶セラミック圧電材料からなる、または単結晶圧電材料からなる、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記変換器アセンブリは、円筒形圧電変換器を備え、該円筒形圧電変換器は、その対向した表面上に形成された一対の電極を有している、請求項4に記載のデバイス。
【請求項7】
前記対向した電極は、外部円筒面および内部円筒面上に形成されている、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
単結晶圧電材料からなる前記圧電変換器は、<001>または<011>配向に切断されている、請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記対向した電極は、前記円筒形の平坦な端面上に形成されている、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記変換器アセンブリは、前記<001>または<011>配向に切断された単結晶からなる変換器を備えている、請求項4に記載のデバイス。
【請求項11】
前記変換器アセンブリは、PMN−xPT系の単結晶材料からなる変換器を備えており、xは、5%から50%までの範囲である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記変換器アセンブリは、PZN−xPT系の単結晶材料からなる変換器を備えており、xは、5%から50%までの範囲である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記変換器アセンブリは、Relaxor−PT系の単結晶材料からなる変換器を備えている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記音響ソースは、前記単結晶圧電材料からなる前記圧電変換器材料の低い周波数共振にマッチするように選択された周波数で、前記音響エネルギーを伝送する、請求項5に記載のデバイス。
【請求項15】
前記変換器アセンブリは、複数の個別の変換器エレメントを備えており、前記復調器回路構成は、前記電気信号が各変換器エレメントから出力を生成する復調器回路に向かうようにして複数の復調器回路を備え、該復調器回路の全てからの該電気信号の全てを加算することにより、前記生体的刺激電気出力を生成する加算回路をさらに備えている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記電気信号は、並列に加算される、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記電気信号は、直列に加算される、請求項15に記載のデバイス。
【請求項18】
前記電気信号は、直列−並列の組み合わせで加算される、請求項15に記載のデバイス。
【請求項19】
前記変換器エレメントは、各々が音響ソースの半波長未満のサイズを有し、合計で任意の横の寸法で一波長よりも大きいサイズを有する、請求項15に記載のデバイス。
【請求項20】
内部容積を囲う壁を有するシェルをさらに備え、前記変換器アセンブリおよび復調器回路構成は、該内部容積内にあり、該壁の少なくとも一部は音響的に透過するものである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項21】
前記シェル全体は音響的に透過するものである、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記シェルは、円筒形である、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記シェルは、5.0mm未満の直径と、20.0mm未満の長さを有し、より好ましくは、3.0mm未満の直径と、10.0mm未満の長さを有する、請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
埋め込まれた受信刺激器にエネルギーを送る方法であって、
変換器アセンブリを有する受信刺激器を埋め込むことと、
音響エネルギーを、音響ソースから該埋め込まれた受信刺激器に向けることであって、該変換器は電気信号を生成し、該電気信号は、該変換器の方向が該ソースに対して変化するときに、わずか±6dBだけ変化する、ことと、
該電気信号を復調することにより、生体的刺激電気出力を生成することと、
該電気出力を組織まで運ぶことと
を包含する、方法。
【請求項25】
前記変換器アセンブリは、音響エネルギーを実質的に等方性の様式で受信するように構成されている、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記音響エネルギーは、外部の音響ソースから前記受信刺激器に向けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記音響エネルギーは、埋め込まれた音響ソースから前記受信刺激器に向けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記電気出力は、心臓ペーシング波形を備えている、請求項24に記載の方法。
【請求項1】
埋め込み可能な受信刺激器デバイスであって、
音響ソースから音響エネルギーを受信し、該音響エネルギーに応答して電気信号を生成する等方性変換器アセンブリと、
該電気信号を受信し、生体的刺激電気出力を生成する復調器回路構成と、
該刺激電気出力を受信し、該出力を組織に送る少なくとも2つの組織接触電極と
を備えている、埋め込み可能な受信刺激器デバイス。
【請求項2】
前記音響エネルギーに応答して、前記変換器アセンブリによって生成された前記電気信号は、音響ソースに対する方向が変化するときに、わずかに±6dBだけ変化する、請求項1に記載の受信刺激器デバイス。
【請求項3】
前記音響エネルギーに応答して、前記変換器アセンブリによって生成された前記電気信号は、音響ソースに対する方向が変化するときに、わずかに±3dBだけ変化する、請求項1に記載の受信刺激器デバイス。
【請求項4】
前記変換器アセンブリは、圧電変換器材料を備えている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項5】
前記圧電変換器材料は、多結晶セラミック圧電材料からなる、または単結晶圧電材料からなる、請求項4に記載のデバイス。
【請求項6】
前記変換器アセンブリは、円筒形圧電変換器を備え、該円筒形圧電変換器は、その対向した表面上に形成された一対の電極を有している、請求項4に記載のデバイス。
【請求項7】
前記対向した電極は、外部円筒面および内部円筒面上に形成されている、請求項6に記載のデバイス。
【請求項8】
単結晶圧電材料からなる前記圧電変換器は、<001>または<011>配向に切断されている、請求項6に記載のデバイス。
【請求項9】
前記対向した電極は、前記円筒形の平坦な端面上に形成されている、請求項8に記載のデバイス。
【請求項10】
前記変換器アセンブリは、前記<001>または<011>配向に切断された単結晶からなる変換器を備えている、請求項4に記載のデバイス。
【請求項11】
前記変換器アセンブリは、PMN−xPT系の単結晶材料からなる変換器を備えており、xは、5%から50%までの範囲である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項12】
前記変換器アセンブリは、PZN−xPT系の単結晶材料からなる変換器を備えており、xは、5%から50%までの範囲である、請求項1に記載のデバイス。
【請求項13】
前記変換器アセンブリは、Relaxor−PT系の単結晶材料からなる変換器を備えている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項14】
前記音響ソースは、前記単結晶圧電材料からなる前記圧電変換器材料の低い周波数共振にマッチするように選択された周波数で、前記音響エネルギーを伝送する、請求項5に記載のデバイス。
【請求項15】
前記変換器アセンブリは、複数の個別の変換器エレメントを備えており、前記復調器回路構成は、前記電気信号が各変換器エレメントから出力を生成する復調器回路に向かうようにして複数の復調器回路を備え、該復調器回路の全てからの該電気信号の全てを加算することにより、前記生体的刺激電気出力を生成する加算回路をさらに備えている、請求項1に記載のデバイス。
【請求項16】
前記電気信号は、並列に加算される、請求項15に記載のデバイス。
【請求項17】
前記電気信号は、直列に加算される、請求項15に記載のデバイス。
【請求項18】
前記電気信号は、直列−並列の組み合わせで加算される、請求項15に記載のデバイス。
【請求項19】
前記変換器エレメントは、各々が音響ソースの半波長未満のサイズを有し、合計で任意の横の寸法で一波長よりも大きいサイズを有する、請求項15に記載のデバイス。
【請求項20】
内部容積を囲う壁を有するシェルをさらに備え、前記変換器アセンブリおよび復調器回路構成は、該内部容積内にあり、該壁の少なくとも一部は音響的に透過するものである、請求項1に記載のデバイス。
【請求項21】
前記シェル全体は音響的に透過するものである、請求項20に記載のデバイス。
【請求項22】
前記シェルは、円筒形である、請求項21に記載のデバイス。
【請求項23】
前記シェルは、5.0mm未満の直径と、20.0mm未満の長さを有し、より好ましくは、3.0mm未満の直径と、10.0mm未満の長さを有する、請求項22に記載のデバイス。
【請求項24】
埋め込まれた受信刺激器にエネルギーを送る方法であって、
変換器アセンブリを有する受信刺激器を埋め込むことと、
音響エネルギーを、音響ソースから該埋め込まれた受信刺激器に向けることであって、該変換器は電気信号を生成し、該電気信号は、該変換器の方向が該ソースに対して変化するときに、わずか±6dBだけ変化する、ことと、
該電気信号を復調することにより、生体的刺激電気出力を生成することと、
該電気出力を組織まで運ぶことと
を包含する、方法。
【請求項25】
前記変換器アセンブリは、音響エネルギーを実質的に等方性の様式で受信するように構成されている、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記音響エネルギーは、外部の音響ソースから前記受信刺激器に向けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記音響エネルギーは、埋め込まれた音響ソースから前記受信刺激器に向けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
前記電気出力は、心臓ペーシング波形を備えている、請求項24に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図14E】
【図14F】
【図14G】
【図14H】
【図14I】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14A】
【図14B】
【図14C】
【図14D】
【図14E】
【図14F】
【図14G】
【図14H】
【図14I】
【図15A】
【図15B】
【図15C】
【図15D】
【公表番号】特表2008−523963(P2008−523963A)
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−548539(P2007−548539)
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/046826
【国際公開番号】WO2006/069327
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(505465977)イービーアール システムズ, インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成20年7月10日(2008.7.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【国際出願番号】PCT/US2005/046826
【国際公開番号】WO2006/069327
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(505465977)イービーアール システムズ, インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】
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