説明

埋め込み式プロテーゼ

【課題】プロテーゼと組織又は器官との間の術後癒着の発生を制限する一方、組織の内方成長を促進することにより、組織及び筋肉壁の欠陥等の解剖学的欠陥を修復するための埋め込み式プロテーゼと方法を提供する。
【解決手段】プロテーゼは、組織又は筋肉を強化する、及び解剖学的欠陥をふさぐのに適した、生体適合性で可撓性の修復布のシートと、少なくとも修復布の一つの側部の一部分を、癒着を形成しそうな箇所から物理的に分離するためのバリア層とから形成される。周囲バリアは、少なくとも修復布の外周エッジの一部分の周りに延びており、外周エッジと隣接する組織及び器官との間の癒着を妨げることができる。修復布は、溶解及び再凝固する外縁を含み、外周エッジを組織の内方成長に対して実質的に不浸透性にすることができる。バリア層は、PTFEから形成される連結ステッチで修復布に連結されることができ、癒着の形成を防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は埋め込み式プロテーゼに関し、特に、軟質組織の修復及び再建(再生)に使用するための、術後の癒着の発生を制限する多層プロテーゼに関する。
【背景技術】
【0002】
組織及び筋肉壁ヘルニア等の解剖学的欠陥を修復し強化するための様々なプロテーゼ材料が、提案されてきた。例えば、腹壁ヘルニア及び鼠径ヘルニアの修復は、一般的には、編成ポリプロピレンメッシュ(BARD MESH)等の生体適合性布のシートを使用して行われる。この布は、代表的には、縫合、ステープル留め、又は他の方法で、欠陥の上、欠陥の下、又は欠陥内の所定の場所に暫定的に固定される。最終的には、布内に及び/又は布に沿った組織の内方成長等により組織が布と一体化することにより修復が完了する。
【0003】
ある処置において、プロテーゼ布は、メッシュと組織もしくは器官の間に望ましくない術後癒着を潜在的に導くような、組織もしくは器官との接触を引き起こすかもしれないことが示唆されている。本願の譲受人でもある、C.R.バード社に譲渡された米国特許5,593,441は、発泡PTFEのシートのような癒着に耐性あるバリアで覆われたプロテーゼを使用した、腹壁ヘルニアの修復及び/もしくは胸壁の再建を提案している。腹壁ヘルニアの修復において、多層は腹部臓器のような潜在的癒着部分に面しているバリアとともに配置され、胸壁再建の場合には、バリアは胸郭内臓器(例えば心臓及び肺)に面している。多層プロテーゼの他の配置は、それぞれC.R.バード社に譲渡された米国特許5,695,525,5,725,577及び5,743,917において見ることができる。
【0004】
C.R.バード社に譲渡された国際公開WO97/35533は、メッシュ材料の層の片側がバリア材料の層で覆われている一般的な多層プロテーゼを提案している。メッシュ材料は、バリア材料が生物学的組織癒着を妨げる間、生物学的組織の内方成長を促進する。プロテーゼは、腹壁ヘルニア及び鼠径ヘルニアの修復を含む外科手術手順に役に立つことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、組織又は筋肉壁の欠陥を修復するための改良した方法及びプロテーゼを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、プロテーゼの一部分と組織及び器官との間の術後癒着の発生を制限する一方、組織の内方成長を促進することによって、組織や筋肉壁の欠陥等の解剖学的欠陥を修復する埋め込み式プロテーゼ及び方法である。プロテーゼは、組織もしくは筋肉を補強あるいは強化し解剖学的欠陥をふさぐのに適した、生物学的適合性を有する可撓性の修復布層と、修復布の一つの側面の少なくとも一部分を癒着を形成しそうな部位から物理的に分離するためのバリア層とで形成される。
【0007】
本発明の一つの実施例において、周囲バリアが、修復布の外周エッジと、隣接する組織及び器官との間の癒着を抑えるために、少なくとも修復布の外周エッジの一部分の周りに延びる。
【0008】
本発明の一つの特徴によれば、周囲バリアは、修復布と一体的に形成される。更に詳細には、修復布の外縁部分は、組織の内方成長に対して実質的に不浸透性(不通過性)の外周エッジを供給するために、溶解及び再凝固することができる。
【0009】
本発明の別の特徴によれば、周囲バリアはバリア層と一体的に形成されることができる。更に詳細には、バリア層の外縁の一部分は、修復布の外周エッジの周りを覆うことができる。
【0010】
本発明の更なる特徴によれば、周囲バリアは、修復布の外周エッジに沿って配置される別体の構成要素としてもよい。このことに関して、癒着耐性材料は修復布の外周エッジの周囲に設けるようにしてもよい。追加として、もしくは代わりとして、癒着耐性材料は修復布に浸透させるか、さもなければ修復布に取付けることができる。
【0011】
本発明の別の実施例においては、修復布の層は、内本体と、内本体から延びる外縁とを含み、該外縁は外周エッジを含む。内本体と外周エッジのそれぞれは、内本体の厚さより外周エッジの厚さの方が薄い、という関係の厚さを有している。
【0012】
本発明の更なる実施例においては、修復布の層は、外周エッジが組織及び器官の癒着の形成を妨げるように、溶解及び再凝固する外周エッジを有する外縁を含む。
【0013】
本発明の別の実施例においては、複数の連結ステッチがバリア層を修復布の一部分に接合させ、複数の連結ステッチは癒着の形成を妨げるPTFEから形成される。
【0014】
本発明の更なる実施例においては、修復布の層は外周エッジを有する外縁を含み、該外縁は、プロテーゼを外縁に沿って固定するためのかみ合い部分形成するために、補強される。
【0015】
本発明のこの他の目的及び特徴は、添付図面を関連して以下の詳細な説明を読むことにより明らかになるであろう。添付図面は単なる例示の目的で提供されたものであって、本発明の限度を形成しようとするものではないということは理解されるべきである。
本発明の以上の及び他の目的及び利点は、同じ参照番号が同じ特徴に付してある図面から更に完全に理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本発明の一つの例示の実施例による埋め込み式プロテーゼの上面図である。
【図2】図2は、図1のプロテーゼの底面図である。
【図3】図3は、図1の3−3線に沿ったプロテーゼの外縁の断面図である。
【図4】図4は、本発明の別の例示の実施例による埋め込み式プロテーゼの上面図である。
【図5】図5は、図4のプロテーゼの底面図である。
【図6】図6は、図4の6−6線に沿ったプロテーゼの外縁の断面図である。
【図7】図7は、図5のプロテーゼの外縁の部分断片図である。
【図8】図8は、本発明の別の例示の実施例によるプロテーゼの外縁の断面図である。
【図9】図9は、本発明の更に別の例示の実施例によるプロテーゼの外縁の断面図である。
【図10】図10は、本発明の他の例示の実施例によるプリテーゼの外縁の断面図である。
【発明の実施の形態】
【0017】
図1乃至3は、プロテーゼの特定の場所との術後癒着の発生を制限する一方、組織のプロテーゼへの内方成長を促進することによって、腹壁ヘルニア及び鼠径ヘルニアのような軟質組織及び壁の欠陥を修復するための、及び/もしくは胸壁を再生あるいは再建するための埋め込み式プロテーゼの一実施例を示す。プロテーゼ20は、組織に浸透可能な修復布22の層と、少なくとも修復布22の一つの側面の一部分の上に重なる癒着に耐性があるバリア層24と、修復布の外周エッジ28の一部分の周りに延びている周囲バリア26とを含んでいる。
【0018】
修復布22は、生物学的適合性で可撓性の材料から形成され、該材料は埋め込みのあと、プロテーゼを被移植組織に固定するための十分な組織の内方成長を許容する複数の隙間及び開口部を含む。バリア層24及び周囲バリア26は、修復布と隣接する組織及び器官との間の術後組織癒着を制限するために、組織に埋め込まれたとき、実質的に組織の内方成長や癒着形成を刺激しない材料及び/もしくは構造から形成される。プロテーゼ20は、比較的平坦であり、十分に柔軟性があり、これにより外科医は、インプラントとしてのプロテーゼの形状を問題の解剖学的箇所と一致するように操作でき、そこに縫合したりステープル留めできる。修復布22,バリア層及び周囲バリアのおのおのからなる複合の(又は多層の)インプラントの形状及び大きさは、当業者には明らかであるように、手術の用途に従って変化する。これに関し、プロテーゼは予備成形されていてもよく、又はその代わりに、手術中に外科医に形成されてもよいということは予期されるべきである。二つもしくはそれ以上のシートからなる修復布及び/もしくはバリア材料を用いて、一つもしくはそれ以上の層からなるプロテーゼを構成できることも予期されるべきである。複数の層は、同じ大きさ、形状を有していてもよく、もしくは、異なる大きさ、形状を有していてもよい。別体の材料の層を、修復布とバリア層の間に用いてもよい。プロテーゼは、また、プラグを有していてもよい。この場合、プラグは立体的形状をしており、プラグのエッジの選択した箇所もしくは全部が、バリア材料により覆うようにしてもよい。
【0019】
図示しているように、バリア層24は、修復布22の第1の側面30の表面全体を覆うことができる。この特定の形状は、修復布の第2の側面32への組織の内方成長を許容し、一方、解剖学的欠陥箇所と向かい合う位置にある組織や器官への癒着を妨げることができる。しかしながら、バリア層24は、修復布22の第1の側面の選択した部分のみを覆うように形成されてもよく、これによって、バリア層が設けられていない箇所においては、修復布の両サイドから組織の内方成長を高めることができるということは理解される。
【0020】
いくつかの例においては、修復布の外周エッジを、隣接する組織及び器官から分離するのが望ましい。例示の実施例において、周囲バリア26は、修復布の外周エッジ28の周りに完全に延びており、修復布への癒着を妨げることができる。しかしながら、周囲バリア26は、組織や器官に露出される縁部分のように、術後癒着の形成から保護されることが望まれる、修復布の外周エッジの選択された一部分のみを覆うように形成されてもよいということは理解されるべきである。
【0021】
周囲バリア26は、修復布22もしくはバリア層24のどちらとも一体的に形成されることができる。あるいは、周囲バリア26は、インプラントとしての埋め込み可能なプロテーゼまたは修復布の外周エッジに取付けられたもしくは組み込まれた、別体の構成要素又は分離した構成部分によって形成されてもよい。
【0022】
図1乃至3で示されている一つの例示の実施例において、周囲バリア26は修復布22の一部分から形成されている。特に、修復布22は、修復布の外縁に沿って、組織に浸透可能な隙間や開口部を実質的に排除するように変えることができ、それによって、修復布の外周エッジ28への組織の内方成長を妨げる周囲バリア26を作り出す。
【0023】
一つの実施例において、修復布22の外縁を溶解して、修復布の材料をシールし、そして、外周バリア26を形成する。バリア層24はミクロン以下の大きさの孔で形成されることができ、溶解した布材料の一部分は溶けてバリア層24になる。この配置において、周囲バリア26は、バリア層の外縁の剛性や強さを増加させる役目を成すことができ、バリア層の外縁が偶然に折り返ることが起きないようにすることができる。その上、バリア層の外縁は柔らかい傾向にあるので、それゆえ、周囲バリアの堅いがもろい点(脆性)を、軽減することができる。外周バリアは、布材料の厚さとほぼ等しいかもしくは該厚さより大きい幅を有する。
【0024】
修復布22の外縁は、当業者に明らかであるような任意の適した方法を使用して、溶解することができる。一つの実施例においては、外縁は、修復布をヒートシールすることにより溶解されることができる。他の方法としては、超音波、誘導、振動、赤外線及びレーザー溶接等が挙げられる。
【0025】
図3で示されているように、周囲バリア26は、修復布の外周エッジ28から遠ざかる方向にバリア層24の外縁に向かって、厚さが減少するように形成することができる。一つの実施例において、周囲バリア26は、プロテーゼの他の部分と比べてプロファイル(例えば、高さ)が低くなるテーパー形状を有しており、周囲バリア26の癒着耐性(耐癒着性)を高めることができる。テーパー形状は、また、比較的可撓性で癒着耐性ある外縁を有したプロテーゼを提供する。しかしながら、周囲バリアには、当業者に明らかないかなる適した形状も適用することができることは理解されるべきである。例えば、周囲バリア26は、段つきの形状、不均一のテーパー形状、もしくは均一の厚さで形成されることができる。
【0026】
図4乃至6で示された他の例示の実施例において、周囲バリア26は、バリア層24の一部分から形成される。特に、バリア層の外縁は、修復布22の層の一部分に沿って延びることができ、少なくとも修復布の外周エッジ28の一部分を覆うことができる。
【0027】
一つの実施例において、バリア層24の外縁は、修復布22の周りを覆い、修復布の第1の側面30から修復布の外周エッジ28の厚さを横切って延びている。バリア層24は、さらに、外周エッジ28に隣接した、修復布の第2の側面32の一部分を横切って内側に延びることができる。バリア材料は、修復布の周囲を縁取りし、修復布の外周エッジの内側に位置するステッチ34,36で固定される。この配置は、必然的に、修復布の外周エッジをバリア材料で被包し、修復布への癒着を防ぐことができる。
【0028】
しかしながら、バリア材料は、図6で示されているように、修復布の周囲エッジのまわりを修復布の第2の側面を横切って覆う必要はない。これに関して、バリア材料は、修復布の外周エッジを横切って延ばし、修復布の外周エッジに結合させることもできる。例えば、バリア材料は、修復布の外周エッジに、シリコーンのような、特定の布やバリア材料に適合する任意の適切な接着剤で接着することができる。
【0029】
プロテーゼの縁取り部分に体液などの流体の排水路を形成することは望ましく、これにより、血清腫及び/もしくは感染を引き起こすような、修復布の外縁に沿って体液などの流体が閉じこめられる可能性を減少させることができる。図5及び7で示している一つの例示の実施例において、修復布22の第2の側面32の上に置かれたバリア層24の部分は、修復布の外周エッジ28に隣接した複数の開口部38を含む。開口部38は、十分な大きさを有しているため、体液などの流体を排水できるように配置されている。これに関し、開口部38は、図で示しているように、修復布の外周エッジ28より少しだけ内側に間隔をおいて配置してもよい。
【0030】
一つの実施例において、複数の開口部38を、修復布の外周エッジ28から内側に向かって延びている複数のスリットから構成するようにしてもよい。図示されているように、スリットは概ねV形状であり、このV形状は、流体の排水路を許容するだけでなく、また、バリア層が修復布の外周エッジの周りを包むので、プロテーゼの外縁に沿ってしわやひだが発生する可能性を減少させる。このことは特に、図示しているようなプロテーゼが湾曲した形状を有しているときに、関係してくるであろう。一つの実施例において、開口部38の頂部40は、修復布の外周エッジ28からほぼ0.508ミリから0.762ミリ(0.020インチから0.030インチ)内側に間隔をおいて配置することができる。もちろん、当業者は、流体の排水路を提供するため及び/もしくはプロテーゼの外縁に沿って発達するしわを減少させるために、いかなる適した開口部の形状も採用されることができることにすぐに気付くであろう。例えば、開口部38は、修復布の第2の側部の上に置かれたバリア層の部分に配置された穴の形状として形成されてもよい。一つの実施例では、開口部はほぼ5ミリ離れて間隔をおかれたほぼ1ミリの直径を有することができる。
【0031】
修復布22及びバリア層24は、特定の欠陥の修復を容易にするのに資するいかなる適した形状にも形成することができる。図1乃至6示されている実施例において、プロテーゼ20は、ほぼ楕円形もしくは卵形の形状をしている。他の形状の例としては、これに制限されるものではないが、円形、正方形、矩形があげられる。
【0032】
一つの実施例において、修復布22は、C.R.バード社から入手可能のバードメッシュ(BARD MESH)等の編成ポリプロピレンモノフィラメントメッシュ布のシートで形成されている。埋め込んだとき、ポリプロピレンメッシュは、メッシュ構造内及びその周囲での組織の迅速な内方成長を促す。別の態様では、組織の強化及び欠陥の閉鎖に適した、プロレン(PROLENE)、ソフトティッシュパッチ(SOFT TISSUE PATCH)(微小孔構造の又は微孔質のePTFE)、サージプロ(SURGIPRO)、トレレックス(TRELEX)、アトリウム(ATRIUM)、及びメルセレン(MERSELENE)を含む他の手術材料を使用できる。組織又は壁の欠陥の一時的修復を含む用途には、ポリグラクチン(VICRYL)及びポリグリコール酸(DEXON)を含む吸収性材料が適している。更に、多フィラメントヤーンからメッシュ布を形成でき、編成、製織、編組、型成形等の任意の適当な方法を使用してプロテーゼメッシュ材料を形成できると考えられる。
【0033】
一つの実施例においては、バリア層24は、組織の内方成長や癒着を妨げる孔径(ミクロン以下)を持つ発泡(膨張、延伸膨張又は連続多孔質)ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)製シートから形成される。最適な材料の例には、C.R.バード社から入手可能のフルオロ−テクス(FLUORO−TEX)心膜及び腹膜用外科手術膜、フルオロ−テクスデュラ代替膜(フルオロ−テクス代替硬膜)、W.L.ゴアアンドアソシエーツ社から入手できる、プレクルード(PRECLUDE)心膜、プレクルード腹膜、プレクルードデュラ代替膜(プレクルード代替硬膜)が含まれる。他の適当な無孔質材料の例示で非限定的試料には、ダウ・コーニング社が提供しているシラスティック(SILASTIC)Rx医療等級シート(プラチナ硬化させた)等のシリコーンエラストマー、テフロンメッシュ、及び微孔質ポリプロピレンシート(CELGARD)及びフィルムを含む。自原性、異種性、異種移植の組織として、例えば心膜及び小腸の粘膜組織も挙げられるということは、予期されるものである。ジェンジミ(GENZYME)社より入手可能なセプラフィルム(SEPRAFILM)、及び酸化再生セルロース(INTERCEDE(TC7))は、いくつかの適用例に使用されることができる。当業者に明らかなように、いかなる適した癒着耐性材料も使用されることができるということは理解されるべきである。
【0034】
上述された例示の実施例において、修復布22及びバリア層24は、一つもしくはそれ以上の連結用のステッチ42で、一体的に連結されている。図1及び図4で示しているように、多数の一連のステッチ42(縁ステッチ34、36を含む)は、プロテーゼの形状に従った同心のパターンで形成することができる。ステッチは、修復布とバリア層との間の強い連結を提供する一方、組織全体が修復布へ浸透するのを許すことができる。プロテーゼが、外科医によって修復箇所の特定の大きさ及び形状に合わせるために切り取られたとしても、同心のパターンにより、また、バリア層24とその下に置かれている修復布22との分離が防止されることによって、各種の要素から成る複合または多層のプロテーゼの一体性が維持される。しかしながら、いかなる適したパターンも、修復布とバリア層の分離を最小にするために採用することができる。
【0035】
一つの実施例において、ステッチ42(縁ステッチ34、36も含む)は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)モノフィラメントで形成される。PTFEステッチは、柔軟で、より可撓性を有するプロテーゼを提供することができ、該プロテーゼは、ポリプロピレンモノフィラメントのような他のステッチ材料を使用したプロテーゼと比較して、操作が容易である。PTFEモノフィラメントは、また、材料の低摩擦特性のお陰で、生産過程を容易にする。更に、PTFEステッチは、他の材料より癒着耐性にが強い傾向にある。それにもかかわらず、ポリプロピレンモノフィラメントのような任意の適した材料が、ステッチに適用されることは理解されるべきである。
【0036】
バリア層24は、修復布の上のバリア材料を縫い針と面するように位置決めすることにより、修復布22に縫いつけることができ、おのおののステッチの固定箇所は、組織や器官との局所的な癒着の発生を減少させるため、複合物としての各種の要素から成るプロテーゼのバリア側より修復布側に形成することができる。ステッチは、#10先端がボール形状の針(BALL−TIPPED NEEDLE)使用して形成され、ステッチの穴を通した組織の内方成長の発生の可能性を減少させることができる。修復布とバリア材料のシートは、望ましいステッチのパターンにプログラムされているコンピュータ制御台の上での縫製過程の間、枠(すなわちフレーム)によって保持されることができる。
【0037】
いかなる他の最適な固定技術や材料を、バリア層24を修復布22に取付けるのに採用してもよい。例えば、バリア層24は、所望のパターンに分配された接着剤を使用することによって、修復布22に接合することができる。所望のパターンとしては、例えば、螺旋のパターン、蛇行したパターン、もしくはドットあるいはビーズの格子状のパターンなどが挙げられる。このように接着剤を所望のパターンに分配したため、十分な量の開口した(あるいは、埋められていない)隙間が維持され、組織の侵入を図ることができる。あるいは、バリア層24は、熱と圧力の組み合わせにより、修復布22に積層され、もしくは熱融合される。この積層の技術は、修復布の第2の層によって向上させることができ、該第2の層は、本願の出願人でもあるC.R.バード社に譲渡され、本願にも参照することにより組み込まれている、米国特許6,120,539号に記載されている。バリア層は、また、いかなる適した成形方法を使用して、修復布にインサート成形することができる。
【0038】
プロテーゼ20の外縁を補強や強化することは、特に、プロテーゼが外縁に沿って縫合糸やステープルなどの留め具を使用して固定されるとき、望ましい。一つの例示の実施例において、ステッチ線42(図3)及びステッチ線36(図6)は、周囲バリア26より少しだけ内側のプロテーゼの円周に沿って設けられており、修復布の外周エッジ28から離れたところに、噛み合わせ領域を形成することができる。噛み合わせ領域は、プロテーゼの円周に沿ってプロテーゼを固定するための留め具を受けることができるように形成されている。これに関して、縫合糸のような留め手段を、プロテーゼのステッチ線42の内側に取付けることができ、そのため、ステッチ線は、縫合糸上に生じる張力に耐えることができる。一つの実施例において、ステッチ線は、外周エッジ28から内側にほぼ3ミリのところに配置され、幅がほぼ4ミリの噛み合わせ領域を形成することができる。当然に、当業者に明らかないかなる適した補強配置を、プロテーゼの外縁に沿って適用することができる。
【0039】
適した例示の実施例では、複合又は多層のプロテーゼ20は、直径が約0.1524mm(約0.006インチ)のポリプロピレンモノフィラメントから編成された厚さが約0.6858mm(約0.027インチ)のバードメッシュ(BARD MESH)シートを含む。ePTFEのほぼ1.52から2.032ミリ(0.06から0.08インチ)の厚さのシート24が、0.2032ミリ(0.008インチ)から0.3048ミリ(0.012インチ)の直径のPTFEモノフィラメントで形成される、ほぼ3ミリから4ミリの長さのステッチ42を使用することによって、メッシュに取付けられる。プロテーゼ20は、概ね、いかなる望ましい大きさで形成されることができる楕円形を有している。周囲バリア26は、先端がほぼ1.27ミリ(0.05インチ)の厚さを有するテーパーで、ほぼ2.54ミリ(0.10インチ)の幅を有する。しかしながら、これらの寸法は単なる例示であって、プロテーゼに対して任意の適当な大きさ及び形状を使用できるということは理解されるべきである。
【0040】
適した例示の実施例では、周囲バリア26は、ポリプロピレンメッシュファブリク(ポリプロピレンメッシュ生地)22の外縁をePTFEバリア層24に溶かすことにより、プロテーゼの望ましい形体に近づける概ね楕円形に、形成される。このことは、メッシュファブリク(メッシュ生地)及びePTFE材料の必要以上に大きいシートを固着状態で重ねることにより、そして、プロテーゼの望ましい形体に形成する加熱されたダイを使用して層を熱シールすることにより成し遂げられる。融合した外縁は、修復布に、ほぼ160度(320°F)から204.44度(400°F)の幅の温度で、ほぼ3秒から5秒の時間、熱を加えることにより形成することができる。一端融合させると、修復布とバリア層は、上述したように縫合され、その後、プロテーゼを周囲バリアで完全なものにするために、外縁部分にぴったりと沿ってに打ち抜きをする。
【0041】
修復布の外周エッジを分離している他の例示の実施例は、図8乃至10で示されている。
図8において、外縁50に沿った隙間もしくは開口部を、シリコーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ePTFE、ウレタン等の生物学的適合性の材料で埋めるもしくは塞ぐことができ、これにより術後癒着につながる組織の内方成長を防ぐことができる。
【0042】
図9において、シリコーン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ePTFE、ウレタン等の癒着耐性材料でできた部分52は、修復布の外周エッジ28の周りに配置することができる。ジェンジミ(GENZYME)社より入手可能なセプラフィルム(SEPRAFILM)、及び酸化再生セルロース(TC7)のような被吸収性の材料は、いくつかの適用例に使用することができる。いかなる適した癒着耐性材料は、当業者に明らかなように、使用することができる。
【0043】
図10において、第2のバリア層54を、修復布の外縁56が第1バリア層と第2バリア層の間で溶け又は融合され及びシールされた状態で、修復布の第2側面の外縁に沿って置くことができる。
【0044】
しかしながら、上記の実施例は例示であって、周囲バリアを任意の適切な形状にすることによって、修復布の外周エッジを、隣接する組織及び器官への癒着の発達から分離することができる。
【0045】
本発明は、以下の一定の効果を有するプロテーゼ修復布を提供する。複合の又は多層のプロテーゼは、外周エッジを含む修復布の相当部分を覆う物理的バリアのため、低い癒着発生と、被移植組織への望ましい組織の内方成長とを併せ持つ。複合の又は多層のプロテーゼは、修復布の隙間への組織の内方成長によって固定されることができ、及び/もしくは縫合、ステープル留め等をされることができる。
【0046】
本発明の以上の説明は、本発明の単なる例示であって、本発明のこの他の実施例、変更、及び均等物は特許請求の範囲に記載した発明の範疇にあるということは理解されるべきである。
【符号の説明】
【0047】
20 プロテーゼ 22 修復布
24 バリア層 26 周囲バリア
28 外周エッジ 30 第1の側面
32 第2の側面 34 ステッチ
36 ステッチ 38 開口部
40 頂部 42 ステッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織又は筋肉壁の欠陥を修復するための埋め込み式プロテーゼであって、
前記埋め込み式プロテーゼは、組織及び器官との癒着の形成を受けやすい修復布の層を備え、前記修復布の層は、第1の表面と外周エッジとを含み、
前記埋め込み式プロテーゼは、また、組織及び器官との癒着の形成を妨げるバリア層を備え、前記バリア層は、前記第1の表面の少なくとも一部分と、隣接する組織及び器官との間の癒着の形成を妨げるよう形成され、
前記埋め込み式プロテーゼは、更に、組織及び器官との癒着の形成を妨げる周囲バリアを備え、前記周囲バリアは、前記修復布の層の前記外周エッジの少なくとも一部分の周囲で延びており、前記修復布の層の前記外周エッジの前記部分と、隣接する組織及び器官との間の癒着の形成を妨げることができることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項2】
請求項1に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記修復布の層は、組織の内方成長を可能にするように形成され且つ構成された複数の隙間を含むことを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項3】
請求項2に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記周囲バリアは、癒着の形成を妨げるように変えられた、前記修復布の層の外縁を含むことを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項4】
請求項3に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記修復布の層の前記外縁は、溶解及び再凝固し、前記修復布の層の前記外周エッジの一部分を組織の内方成長に対して実質的に不浸透性にすることができることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項5】
請求項1に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記周囲バリアは、テーパー形状であることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項6】
請求項5に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記周囲バリアは、前記修復布の層の前記外周エッジから離れる外側へ向かう方向に減少する厚さを有することを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項7】
請求項6に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記修復布の層は、第2の表面を含み、前記周囲バリアは、前記修復布の層の前記第2の表面の前記外周エッジからバリア層に向かって、テーパーになることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項8】
請求項1に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記周囲バリアは、前記外周エッジの前記部分の周りで延びているバリア層の部分を含むことを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項9】
請求項8に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記修復布の層は、前記第1の層と向かい合っている第2の表面を含み、前記バリア層の部分は、前記外周エッジと隣接する、前記修復布の第2の表面の一部分上に延びていることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項10】
請求項9に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記第2の表面の前記部分上に延びている前記バリア層の部分は、前記外周エッジと隣接する複数の流体の排水路の開口部を含むことを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項11】
請求項10に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記複数の流体の排水路の開口部は、前記外周エッジから離れる内側の方向に延びている複数のスリットを含むことを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項12】
請求項11に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記複数のスリットのおのおのは、概ねV形状であることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項13】
請求項10に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記複数の流体の排水路の開口部は、前記外周エッジから離れる内側に向かう方向に間隔をおいて配置されることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項14】
請求項1に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記修復布の層は、外周辺を含み、前記周囲バリアは前記外周辺全体に沿って延びていることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項15】
請求項14に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記バリア層は、前記修復布の層の前記第1の表面全体を覆うことを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項16】
請求項1に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記修復布の層及び前記バリア層は、少なくとも一連のステッチにより連結されることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項17】
請求項16に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記一連のステッチは、前記外周エッジより少しだけ内側に配置されることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項18】
請求項16に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記一連のステッチは、癒着耐性材料から形成されることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項19】
請求項18に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記癒着耐性材料は、PTFEを含むことを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項20】
請求項1に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記修復布の層は、ポリプロピレンメッシュを含むことを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項21】
請求項20に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記バリア層は、ePTFEを含むことを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項22】
組織もしくは筋肉壁の欠陥を修復する方法であって、
(a)前記方法は、組織及び器官との癒着の形成を受けやすい修復布の層を含む埋め込み式プロテーゼを提供する工程を備え、前記修復布の層は、第1の表面と外周エッジ含み、
前記埋め込み式プロテーゼは、また、組織及び器官との癒着の形成を妨げるバリア層を備え、前記バリア層は、前記第1の表面の少なくとも一部分と、隣接する組織及び器官との間の癒着の形成を妨げるよう形成され、前記埋め込み式プロテーゼは、更に、組織及び器官との癒着の形成を妨げる周囲バリアを備え、前記周囲バリアは、前記修復布の層の前記外周エッジの少なくとも一部分の周囲で延びており、前記修復布の層の前記外周エッジの前記部分と、隣接する組織及び器官との間の癒着の形成を妨げることができ、
(b)前記方法は、また、前記バリア層を有する前記埋め込み式プロテーゼを埋め込む工程を備え、前記周囲バリアは、前記修復布の層と組織及び器官との癒着の可能性がある領域との間に位置決めされることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法において、
前記修復布の層は、組織の内方成長を可能にするように形成され且つ構成された複数の隙間を含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、
前記周囲バリアは、癒着の形成を妨げるように変えられた、前記修復布の層の外縁を含むことを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法において、
前記修復布の層の前記外縁は、溶解及び再凝固し、前記修復布の層の前記外周エッジの前記部分を組織の内方成長に対して実質的に不浸透性にすることができることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項22に記載の方法において、
前記修復布の層は、外周辺を含み、前記周囲バリアは前記外周辺全体に沿って延びていることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項26に記載の方法において、
前記バリア層は、前記修復布の層の前記第1の表面全体を覆うことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項22に記載の方法において、
前記修復布の層及び前記バリア層は、少なくとも一連のステッチにより連結されることを特徴とする方法。
【請求項29】
組織又は筋肉壁の欠陥を修復するための埋め込み式プロテーゼであって、
前記埋め込み式プロテーゼは、組織及び器官との癒着の形成を受けやすい修復布の層を備え、前記修復布の層は、第1の表面を有する内本体と、前記内本体から延びている外縁とを含み、前記外縁は、外周エッジを含み、前記内本体と前記外周エッジはおのおの厚さを有し、前記外周エッジの厚さは、前記内本体の厚さより小さく、
前記埋め込み式プロテーゼは、また、組織及び器官との癒着の形成を妨げるバリア層を備え、前記バリア層は、前記第1の表面の少なくとも一部分と、隣接する組織及び器官との間の癒着の形成を妨げるよう形成されることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項30】
請求項29に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記外縁は、不均一の厚さを有することを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項31】
請求項30に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記外縁は、前記内本体から離れる外側へ向かう方向に前記外周エッジに向かって減少する厚さを有することを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項32】
請求項31に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記周囲バリアは、テーパー形状であることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項33】
請求項29に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記外縁は、溶解及び再凝固し、前記外周エッジを組織の内方成長に対して実質的に不浸透性にすることができることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項34】
請求項29に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記バリア層は、前記修復布の層の前記第1の表面全体を覆うことを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項35】
請求項29に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記修復布の層は、ポリプロピレンメッシュを含むことを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項36】
請求項35に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記バリア層は、ePTFEを含むことを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項37】
組織又は筋肉壁の欠陥を修復するための埋め込み式プロテーゼであって、
前記埋め込み式プロテーゼは、組織及び器官との癒着の形成を受けやすい修復布の層を備え、前記修復布の層は、第1の表面と、外周エッジを有する外縁とを含み、前記外縁は、溶解及び再凝固し、前記外周エッジを組織及び器官との癒着の形成の妨げになるようにすることができ、
前記埋め込み式プロテーゼは、また、組織及び器官との癒着の形成を妨げるバリア層を備え、前記バリア層は、前記第1の表面の少なくとも一部分と、隣接する組織及び器官との間の癒着の形成を妨げるよう形成されることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項38】
請求項37に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記修復布の層は、組織の内方成長を可能にするように形成され且つ構成された複数の隙間を含むことを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項39】
請求項37に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記外縁は、不均一の厚さを有することを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項40】
請求項39に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記外縁は、外側に向かう方向で減少する厚さを有することを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項41】
請求項40に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記外縁はテーパー形状であることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項42】
請求項37に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記修復布の層は、外周辺を含み、前記外縁は、外周辺全体に沿って溶解及び再凝固することを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項43】
請求項42に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記バリア層は、前記修復布の層の前記第1の表面の全体を覆うことを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項44】
請求項37に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記修復布の層及びバリア層は、少なくとも一連のステッチにより連結されていることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項45】
請求項44に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記一連のステッチは、癒着耐性材料から形成されていることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項46】
組織又は筋肉壁の欠陥を修復するための埋め込み式プロテーゼであって、
前記埋め込み式プロテーゼは、組織及び器官との癒着の形成を受けやすい修復布の層を備え、前記修復布の層は、第1表面を含み、
前記埋め込み式プロテーゼは、また、組織及び器官との癒着の形成を妨げるバリア層を備え、前記バリア層は、前記第1の表面の少なくとも一部分の上に置かれ、前記第1の表面の前記部分と、隣接する組織及び器官との間の癒着の形成を妨げることができ、
前記埋め込み式プロテーゼは、更に、前記バリア層を前記第1の表面の前記部分に結合する複数の連結ステッチを備え、前記複数の連結ステッチは、癒着の形成を防ぐために、PTFEから形成されていることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項47】
請求項46に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記修復布の層は、ポリプロピレンメッシュを含むことを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項48】
請求項47に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記バリア層は、ePTFEを含むことを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項49】
請求項46に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記修復布の層は、所定の形体を有する外周辺を含み、前記複数の連結ステッチは、前記外周辺の所定の形体に従った、少なくとも一連の連結ステッチを含むことを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項50】
請求項49に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記少なくとも一連の連結ステッチは、複数の一連の連結ステッチを有することを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項51】
請求項50に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記複数の一連の連結ステッチは、同心のパターンで配置されていることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項52】
請求項49に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
修復布の層は、外周エッジを含み、前記少なくとも1つの一連の連結ステッチは、前記外周エッジの少しだけ内側に配置されることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項53】
請求項46に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記バリア層は、前記修復布の層の前記第1の表面の全体を覆うことを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項54】
組織又は筋肉壁の欠陥を修復するための埋め込み式プロテーゼであって、
前記埋め込み式プロテーゼは、組織及び器官との癒着の形成を受けやすい修復布の層を備え、前記修復布の層は、外周エッジを有する外縁を含み、前記外縁は、前記外縁に沿って前記プロテーゼを固定する噛み合わせ領域を形成するために、補強されており、
前記埋め込み式プロテーゼは、また、組織及び器官の癒着の形成を防ぐバリア層を備え、
前記バリア層は、前記第1の表面の少なくとも一部分と、隣接する組織及び器官との間の癒着の形成を防ぐように形成されていることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項55】
請求項54に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記埋め込み式プロテーゼは、さらに、前記噛み合わせ領域を形成するために、外周エッジの内側に配置されている、複数のステッチを備えることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項56】
請求項55に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記複数のステッチは、前記バリア層を前記修復布の層に連結することを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項57】
請求項55に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記修復布の層の前記外縁の一部分は、溶解及び再凝固し、前記修復布の層の前記外周エッジの一部分を組織の内方成長に対して実質的に不浸透性にすることができることを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項58】
請求項54に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記修復布の層は、ポリプロピレンメッシュを含むことを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。
【請求項59】
請求項58に記載の埋め込み式プロテーゼにおいて、
前記バリア層は、ePTFEを含むことを特徴とする埋め込み式プロテーゼ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−167538(P2011−167538A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−98222(P2011−98222)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【分割の表示】特願2002−526302(P2002−526302)の分割
【原出願日】平成13年9月13日(2001.9.13)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.テフロン
【出願人】(591018693)シー・アール・バード・インコーポレーテッド (106)
【氏名又は名称原語表記】C R BARD INCORPORATED
【Fターム(参考)】