説明

埋立処分場における埋立材の埋立制御法

【課題】埋立処分場において、指示した投棄場所に搬送者が埋立材を投棄したことを計器で確認し、処分場の上部利用、埋立材の再利用を実施する場合、処分場の確実な情報の確認ができるようにする。経験的な方法によらず、埋立材の最適投棄場所を決定することを可能にする方法を提供する。
【解決手段】埋立量算出手段3で埋立処分場全体の埋立量を計算し表示装置9に表示し、埋立条件を情報入力装置10で入力し、投棄場所を埋立材投棄場所算出手段4にて計算し計算結果を投棄場所指示装置5と表示装置9に表示する。搬送者は投棄場所指示装置5の指示に従い指定場所へ埋立材を搬送する。埋立材を投棄場所に搬送した搬送者は投棄を開始する。GPSアンテナ1、位置発信器6で投棄開始状況をGPS受信機2で受信し、投棄場所算出手段7にて投棄場所を算出する。計算した結果は、埋立材投棄場所算出手段4、情報保管装置8、表示装置9送られる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【発明の属する技術】
【0001】
本発明は、埋立処分場内に埋め立てた埋立材の量、質、投棄場所を信号で記録する事により、埋立処分場の上部利用情報の確保、埋立材の再利用情報の確保、埋立材の最適投棄場所の計算を可能にする技術である。
【背景技術】
【0002】
従来、埋立処分場での埋立材の投棄場所は、受取人(埋立処分場の事業者であり受取人と記す)が搬送者(埋立材を埋立処分場に持込んだ者で搬送者と記す)に投棄場所を人力(口頭、指示板、等)で指示し、搬送者は受取人に指示された場所に埋立材を投棄した。
受取人は搬送者に人力で指示した投棄場所を埋立材を投棄した場所とし管理運営していた。
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
埋立処分場は、受取人が搬送者に指示した投棄場所に搬送者が埋立材を投棄したことを計器で確認する事ができず、埋立材の投棄場所確認は、搬送者のモラルに依存していた。従って、埋立処分場の上部利用、埋立材の再利用を実施する場合、埋立処分場の何処に、何を、どれだけ、埋立たか、確実な情報の確認ができなかった。
又、埋立材の投棄場所選定は人力による経験的な方法であり、埋立処分場内に埋め立てる埋立材の最適投棄場所を計算し決定する運営はできなかった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
埋立材の投棄場所をGPSで計算した場合の例を次に示す。
GPS受信機▲2▼の信号により埋立量算出手段▲3▼にて埋立処分場の埋立量を算出し、搬入者が埋立処分場に到着した時、持ち込んだ埋立材の量、質の情報を情報入力装置▲10▼で入力すると、埋立材投棄場所算出手段▲4▼で搬入した埋立材の最適投棄場所を算出し投棄場所指示装置▲5▼に電送する。この時埋立処分場の埋立条件は事前に情報入力装置▲10▼より埋立材投棄場所算出手段▲4▼に入力しておく。
搬送者は受取人より位置発信器▲6▼を受け取り、投棄場所指示装置▲5▼に従い、指示された投棄場所へ埋立材を搬送し投棄する。投棄状況は、GPS受信機▲2▼、投棄場所算出手段▲7▼により投棄場所は自動的に把握される。埋立処分場の何処に、何を、どれだけ埋立かを、埋立量算出手段▲3▼、投棄場所算出手段▲7▼、情報入力装置▲10▼で得た情報により、計算できる。
これらの計算結果、情報は情報保管装置▲8▼表示装置▲9▼に送られる。尚、投棄場所の計算は他の方法で実施しても良い。
【発明の実施形態】
【0005】
次に本発明の実施形態について説明する。
図1は投棄場所の計算をGPSで実施した場合の実施例の制御ループ図である。GPSアンテナ▲1▼でGPS装置からの電波を受信し、GPS受信機▲2▼で復調し、埋立量算出手段▲3▼で埋立処分場全体の堆積高さを計算し埋立量を表示装置▲9▼に表示する。又、情報入力装置▲10▼により埋立処分場の地形図、地盤高の情報、埋立材の量、質、埋立処分場の地耐力、浸出排水水質を加味した埋立材の最適組合せ条件、埋立順序等を入力しておく。
情報入力装置▲10▼に搬送者の持参した埋立材の量、質の情報が入力されると、埋立処分場に新たに投棄する埋立材の投棄場所を埋立材投棄場所算出手段▲4▼にて計算し計算結果を投棄場所指示装置▲5▼と表示装置▲9▼に表示する。
搬送者は投棄場所指示装置▲5▼の指示に従い指示場所へ埋立材を搬送する。埋立材を投棄場所に搬送した搬送者は投棄を開始する。位置発信器▲6▼とGPSアンテナ▲1▼で投棄開始状況を受信し、GPS受信機▲2▼で復調し投棄場所算出手段▲7▼にて投棄場所を算出する。又、投棄を実施した確認は搬送機械の動作をGPSアンテナ▲1▼で確認する事もできる。投棄場所算出手段▲7▼で計算した結果は、埋立材投棄場所算出手段▲4▼、に電送され、埋立処分場の何処に何をどれだけ埋めたかを計算する。計算結果は情報保管装置▲8▼、表示装置▲9▼に送られる。
尚、位置発信器▲6▼は埋立材の投棄場所まで移動する。
【発明の効果】
【0006】
埋立処分場の場所に埋め立てられた埋立材の、量、質を明確に把握する事ができるので、埋立処分場の地下情報が解り、上部利用時の検討が容易にできる。埋立材の再利用も同様に容易となる。
又埋立材の量、質を埋立る前に把握し、埋立済みの情報を加味し新たに埋め立てる埋立材を最適な場所に投棄する計算ができるので、埋立処分場の地耐力増加、浸出排水の水質改善が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】 本発明実施例の制御ループ図
【符号の説明】
▲1▼はGPSアンテナ、▲2▼はGPS受信機、▲3▼は埋立量算出手段、▲4▼は埋立材投棄場所算出手段、▲5▼は投棄場所指示装置、▲6▼は位置発信器、▲7▼は投棄場所算出手段、▲8▼は情報保管装置、▲9▼は表示装置、▲10▼は情報入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
埋立処分場における埋立材の投棄場所信号と埋立量信号に情報入力装置▲10▼で入力した埋立材の質、量、の情報信号を埋立材投棄場所算出手段▲4▼で受け、埋立処分場の何処に、何を、どれだけ、埋立たかを計算し、この信号を表示装置▲9▼に表示し情報保管装置▲8▼に保管することができる事を特徴とする埋立材の埋立制御法。
【請求項2】
搬入者が持参した埋立材の量、質を情報入力装置▲10▼で入力すると、埋立材投棄場所算出手段▲4▼にて埋立材の最適投棄場所を計算することができることを特徴とする埋立材の埋立制御法。

【図1】
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【公開番号】特開2006−334581(P2006−334581A)
【公開日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−188930(P2005−188930)
【出願日】平成17年6月1日(2005.6.1)
【出願人】(596184926)
【出願人】(599173583)
【Fターム(参考)】