説明

培養装置

【課題】本発明は細菌、細胞などを培養環境の温度・湿度・雰囲気ならびに培養液のPH等を一定に保って培養する際に用いられる培養装置に関し、扉開時における外部からの雑菌の侵入防止及び培養環境の変動を抑制する。
【解決手段】筐体3の開口部側の任意の一面に設けた通気口13と、通気口13から対向面に向かって空気流を発生させる気流発生部14を備え、通気口13が第1の扉4と第2の扉10の間に配置され、気流発生部14により空気流が発生することにより、培養装置1の扉開時に筐体3の開口部側にエアカーテンを生成し、外部からの雑菌侵入を抑えると同時に、培養空間の環境の急変動を抑制でき、コンタミネーション防止及び内部環境の急激な変化を抑えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は細菌、細胞などを培養環境の温度・湿度・雰囲気ならびに培養液のPH等を一定に保って培養する際に用いられる培養装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年のバイオ、再生医療関連の分野の発達に伴い、培養装置を使用して細胞を培養する作業が増加傾向にある。細胞の培養を促進するためには、それぞれの細胞に適した培養空間の環境を整備する必要があり、培養空間内の温度制御、湿度制御、雰囲気制御を行なう培養装置が開発されている。
【0003】
特に、培養条件としてCO(炭酸ガス・二酸化炭素)ガス濃度の厳格な濃度条件を要求する細胞培養を行なう場合には、温度制御及び湿度制御に加えて、培養空間内のCOガス濃度を制御するものとしてCOインキュベータが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
しかしながら、従来の培養装置では、自動又は手動により扉の開閉が行われると、培養装置の培養空間からCOが外部に漏出し、培養空間のCOガス濃度が変動するとともに外気の混入により培養空間温度が変動するものである。また、外気の混入等により培養の環境が不安定になることに加え、雑菌が侵入し繁殖することにより細胞の生育に悪影響を及ぼすという問題がある。
【特許文献1】特開平9−23877号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の培養装置は、外気の侵入を抑えるために2重扉を採用する等の工夫はされているが、内扉が開放されたときの外気の混入防止のための対策はなされていないため、埃やそれらに取り付いている雑菌などが培養空間に入り込む可能性があり、コンタミネーションの危険性を伴うことになる。
【0006】
本発明は上記従来の課題を解決するもので、内扉の開放時において培養空間の開口部にエアカーテンを生成し、外部からの雑菌侵入を抑えると同時に、培養空間の環境の急変動を抑制するもので、信頼性が高い培養装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来の課題を解決するために本発明は、培養装置を構成する筐体の培養空間開口部の少なくとも一縁に通気口を設け、この通気口から空気流を発生させ、扉開放時において培養空間と外部の間に空気流を介在するものである。
【0008】
したがって、培養装置の扉開放時に筐体の開口部側にエアカーテンを生成するので、外部からの雑菌侵入を抑えると同時に、培養空間の環境の急変動を抑制でき、コンタミネーション防止の及び内部環境の急激な変化を抑えることができる。
【0009】
また、前記培養空間開口部に、内扉、外扉の二重扉を設け、前記両扉の閉塞状態において、前記両扉の間に形成された空間に空気流を通過させることにより、扉の開閉後における培養空間環境を速やかに定常状態に復帰させることができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の培養装置は、扉の開閉に起因したカビやカビの胞子、浮遊菌などの侵入を防止し、培養空間のコンタミネーションを極力防止するとともに、培養空間内温度またはCOガス濃度の安定化が促進できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
請求項1に記載の発明は、ほぼ箱型で断熱性を有する筐体と、前記筐体の内部に形成された培養空間と、前記筐体に開口された開口部と、前記開口部を開閉自在に塞ぎ、かつ閉状態において前記筐体内部を視認可能に設けられた内扉と、前記内扉の外側に位置し、前記筐体の開口部を開閉自在に塞ぐ外扉と、前記筐体の開口部側において任意の一面に設けた通気口と、前記通気口から対向面に向かって空気流を発生させる気流発生部を備え、前記通気口を前記内扉と前記外扉の間に開口し、前記内扉の開放動作で前記気流発生部を駆動し、前記通気口より空気流を発生させるものである。
【0012】
かかる構成とすることにより、培養装置の扉開放時に、前記筐体の開口部側にエアカーテンを生成し、外部からの雑菌侵入を抑えると同時に、培養空間の環境の急変動が抑制でき、コンタミネーション防止及び内部環境の急激な変化を抑えることができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、前記筐体もしくは扉側に、前記内扉の開閉を検出する扉開閉検知手段を設け、前記扉開閉検知手段により前記気流発生部を駆動するものである。
【0014】
かかる構成により、培養装置の扉開放動作に連動して筐体の開口部側に効率よくエアカーテンを生成し、操作性が向上するものである。
【0015】
請求項3に記載の発明は、前記気流発生部に、フィルタを備えたもので、前記エアカーテンを生成する外気を除菌した状態にして空気流を発生するため、生成したエアカーテンからの雑菌の侵入が防止できる。
【0016】
請求項4に記載の発明は、前記気流発生部に、殺菌成分を発生させる装置を備えたものである。
【0017】
かかる構成とすることにより、前記培養空間内の培養皿の出し入れや、作業者の手または、他装置に付着した雑菌等の殺菌をエアカーテンで行うことができる。
【0018】
請求項5に記載の発明は、前記培養空間内を陽圧状態に保持する陽圧手段を設けたもので、培養空間内が陽圧状態に保たれていることにより、内開閉扉を開いたときに外部から空気が侵入することができ、さらに外部からの雑菌侵入を抑えると同時に、培養空間の環境の急変動が抑制でき、コンタミネーション防止及び内部環境の急激な変化を抑えることができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、培養空間内の温度を検知する温度検知手段と、COガス濃度を検知するCO検知手段の少なくとも一方を設け、前記培養空間内の温度または、CO濃度の少なくとも一方の検知した値と設定値との差異に応じて、前記気流発生部からの空気流の風量を調整するものである。
【0020】
かかる構成とすることにより、前記培養空間内の環境変化が検知できるので、効率よくエアカーテンを生成し、培養空間内への雑菌類、カビ等の侵入を防止することができるとともに、風量を調整することによる省エネの効果がある。
【0021】
請求項7に記載の発明は、前記内扉と外扉がともに閉状態であり、前記内扉と前記外扉の間に形成された空間に空気流を通過させるものである。
【0022】
かかる構成とすることにより、前記扉の開閉後における培養空間環境の変動を、定常状態に復帰させる際、外気の通過により環境の安定化を促進し、速やかに環境の安定化がはかれるものである。
【0023】
請求項8に記載の発明は、前記培養空間内の温度を検知する温度検知手段を設け、前記培養空間内の温度を検知した値と設定値との差異に応じて前記気流発生部から空気流を発生させるとともに風量を調整し、前記培養空間内の温度を設定値に制御するものである。
【0024】
かかる構成とすることにより、さらに効率よく扉の開閉後の培養空間環境の変動を定常状態に復帰させることができる。
【0025】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、本実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
【0026】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1における培養装置の縦断面図である。
【0027】
図1において、培養装置1の培養空間2は、断熱性を有する筐体3と、この筐体3の開口部に設けられ、該開口部を開閉する内扉4で囲われた空間によって構成されている。内扉4は、培養空間2の内部が視認可能であるように透明の材料(例えば、強化ガラスや透明樹脂等)によって構成されている。
【0028】
また、培養空間2内には、細胞等を培養するためのシャーレなどの培養容器5を載せるトレイ6、および培養環境の乾燥を防止するための滅菌水を入れた水盤7がそれぞれ設置されている。水盤7に汲み入れられた水は自然気化し、培養空間2内を常時高湿度に保つ。
【0029】
さらに、培養空間2内の奥面には、培養空間2と風路2aを仕切る風路カバー8が設けられ、また、風路2aには、培養空間2内の空気を攪拌するための庫内ファン9が設けられ、この庫内ファン9の攪拌作用により培養空間2内の環境を均一化する。通常、庫内ファン9は、回転駆動用のファンモータ(図示せず)によって駆動されるが、本実施の形態においては、前記ファンモータ時は、回転軸を介して培養空間2の外に設けられている。さらに、培養空間2内には、培養環境として、培養空間2内の温度、COガス濃度、湿度管理の関係から、空間内温度を検知する温度センサ16と、COガス濃度を検知するCOセンサ17が配置されている。
【0030】
培養空間2内の温度制御において、加熱手段として例えばヒータを、冷却手段として例えばペルチェユニットを用いて適宜動作させ、培養空間2内の温度を設定値に保つことができる。また培養空間2内にCOガスを供給するため、COガスを充填したガスボンベ(図示せず)が、筐体3に設けられたガス供給経路と電磁弁(いずれも図示せず)を介して培養空間2内に連通している。
【0031】
また、内扉4の外側には、断熱性を有する外扉10が開閉可能に設けられている。さらに、筐体3の上部には、内扉4と外扉10との間に開口する通気口13が設けられている。この通気口13からの空気流によって内扉4と外扉10との間にエアカーテンが生成される。さらに通気口13の上部には、前記空気流を発生させる気流発生部14が設置されている。この気流発生部14は、外気を吸い込みエアカーテンを生成するための気流を起こすファン11と、前記外気を浄化し、クリーンな空気流を生成するフィルタ12で構成されている。フィルタ12は、例えばHEPAフィルタ等の除菌フィルタ等が用いられる。
【0032】
ここで、外扉10は下端を軸にして開閉が可能であり、また、内扉4は上端を軸にして開閉が可能なように構成されているが、これら両扉4、10の開閉軸の位置は、任意であり、前記エアカーテンの機能を損なわない開閉状態が維持できるようであれば前述の位置に限定されるものではない。
【0033】
また、筐体3の上部には、一端が通気口13に開口し、他端が培養空間2内に開口した陽圧回路19が設けられている。この陽圧回路19を介して通気口13からの空気流の一部が培養空間2内へ供給され、培養空間2内部を陽圧する。必要によっては、陽圧回路19内に送風手段を設け、常時培養空間2内部を陽圧すればよい。
【0034】
以上のように構成された培養装置について、以下その動作、作用を説明する。
【0035】
まず、培養装置1の培養空間2内に、培養を目的とした細菌や組織などを入れた培養容器5を設置している場合、細菌や細胞の培養中は、培養容器5内のPHを調整する必要がある。そのため、培養容器5の培養液を取り替え時に培養空間2から培養容器5を取り出す作業を行う。培養容器5を取り出すとき、外扉10を開放することにより、透明の内扉4を介して培養空間2を視認することができる。
【0036】
また、培養容器5の取り出しのために内扉4を開けると、その開放を扉開閉スイッチ15が検知し、気流発生部14が動作する。その結果、通気口13を気流が通過し、内扉4と外扉10間にエアカーテンが生成される。このエアカーテン気流は、フィルタ12によってクリーンな状態に調整されている。
【0037】
したがって、生成されたエアカーテンは、培養空間2の前面を、上方から下方に向かっての気流によって外気と遮蔽し、上方からの埃や埃に付着した細菌などの防御壁の役割を果たす。同時に、前記エアカーテン気流の一部を陽圧回路19に取り込み、培養空間2内を適度に陽圧しているため、培養装置1近辺での観察作業に気流が生じ、この気流に起因して前記エアカーテンが培養空間2内へ侵入することも抑制できる。
【0038】
さらに、培養空間2内に設けた温度センサ16により、培養空間2内の温度を検出し、制御手段によって温度センサ16の検知温度に基づいた設定温度環境を維持するため、培養空間環境条件の安定化がはかれる。
【0039】
また、培養空間2内に設けたCOセンサ17によって培養空間2内のCOガス濃度を検出し、制御手段によって電磁開閉弁を動作させ、COセンサ17の検知ガス濃度に基づいた設定濃度環境を維持するため、一層培養空間環境条件を安定化させることができる。
【0040】
さらに、培養空間2内は、ファン11あるいは適宜設けた送風手段により、常に陽圧状態に保持されているので、内扉4が開かれたとき、外部からの空気の侵入が防止できる。また、上方からの空気流の発生によるエアカーテンのとの併用により雑菌の侵入防止効果が一層向上する。
【0041】
以上のように、本実施の形態1においては、内扉4が開かれたとき、外部からの空気の侵入を防止するが、扉開閉動作の頻度や開放時間等によっては、培養空間2内の培養環境が多少変化する。
【0042】
この場合、培養空間2内の培養物への影響を少なくするために逸早く培養空間2内を通常の環境条件に復帰させる必要がある。本実施の形態においては、前記エアカーテンを生成するファン11の運転制御によって実現することが可能となる。
【0043】
例えば、扉を開けた後の数分は最大回転数でファン11を作動させ、徐々に回転数を小さくしていく制御を行う。具体的には、設定温度またはCO設定濃度の設定値に対して、検知温度またはCO検知濃度の差異及び変化速度からエアカーテンを生成するためのファン11の回転数を制御することにより、変化速度を抑えることができる。これにより、内扉4を閉じてからの、培養空間2内の環境の復帰性を向上することができる。
【0044】
つまり、内扉4と外扉10がともに閉塞状態にあり、内扉4と外扉10の間に形成された空間に空気流を通過させることにより、扉の開閉後における培養空間2内の環境の変動を定常状態に復帰する制御が行える。この場合、設定値に対するオーバーシュートが生じるが、オーバーシュートの割合に応じて内扉4と外扉10の間に形成された空間に通過させる空気流の流量を制御することにより、一層環境の安定化に寄与することで環境の復帰性を向上することができる。
【0045】
以上のように、本実施の形態においては、培養装置1の外扉10開放時に筐体3の開口部側にエアカーテンを生成するので、外部からの雑菌侵入を抑えると同時に、培養空間2の環境の急変動が抑制でき、コンタミネーション防止及び内部環境の急激な変化を抑えることができる。
【0046】
また、本実施の形態では、扉開閉検知手段15により、内扉4の開閉動作で気流発生部14を作動し、エアカーテンを生成するため、培養装置1の扉開放時に効率よくエアカーテンを生成し、外部からの雑菌侵入を抑えると同時に、培養空間の環境の急変動を抑制でき、コンタミネーション防止及び内部環境の急激な変化を抑えることができる。
【0047】
さらに、本実施の形態では、気流発生部14に例えばHEPAフィルタのような除菌フィルタ12を備えたことにより、エアカーテンを生成する外気を除菌した状態にして空気流を発生できるので、生成したエアカーテンからの雑菌の侵入が防止できる。
【0048】
また、本実施の形態では、培養空間2内が常に陽圧状態に保たれていることにより、第1の扉4を開いたときに外部から空気が侵入することができるので、さらに外部からの雑菌侵入を抑えると同時に、培養空間の環境の急変動を抑制でき、コンタミネーション防止及び内部環境の急激な変化を抑えることができる。
【0049】
さらに、本実施の形態では、培養空間2内の温度を検知する温度検知手段16と、CO濃度検知手段17を設け、培養空間2内の温度または、CO濃度の検知した値と設定値との差異に応じて気流発生部14からの空気流の風量を調整することにより、培養空間2内の環境変化を検知できるので、効率よくエアカーテンを生成し、培養空間内へ雑菌侵入を防止することができるとともに、風量を調整するので省エネの効果もある。
【0050】
また、本実施の形態では、内扉4と外扉10がともに閉塞状態であり、内扉4と外扉10の間に形成された空間に空気流を通過させることにより、扉の開閉後における培養空間2内の環境の変動を定常状態に復帰制御させる際、外気を環境の安定化に寄与させ、環境安定化を促進させることができる。
【0051】
また、本実施の形態では、さらに培養空間2内の温度を検知する温度検知手段16を設け、培養空間2内の温度を検知した値と設定値との差異に応じて気流発生部14からの空気流を発生させるとともに風量を調整し、培養空間2内の温度を設定値に制御することにより、さらに効率よく扉の開閉後の培養空間2内の環境の変動を定常状態に制御でき、しかも、外気により環境の安定化に寄与することで環境の安定化を促進させることができる。
【0052】
以上、本実施の形態では、加熱手段としてヒータを例に挙げたがペルチェの放熱側やヒートポンプ等を使用することも可能である。また冷却手段としてはコンプレッサー等の冷却手段とすることも可能である。
【0053】
また本実施の形態では、エアカーテンの生成方向が上方から下方に向けての構成としたが、横方向や下方から上方に向けての生成方向でも可能である。
【0054】
(実施の形態2)
図2は本発明の実施の形態2における培養装置の縦断面図である。ここで、先の実施の形態1と同じ構成部品については同一の番号を付して説明を省略し、また同一機能部分についても説明を省略する。
【0055】
図2において、先の実施の形態1との相違は、気流発生部14に殺菌成分を発生させる装置18を備えた点である。
【0056】
かかる構成とすることにより、培養空間2内の培養容器5の出し入れや、作業者の手または、他装置に付着した雑菌等の殺菌をより強力にエアカーテンで行うことができる。ここでの殺菌成分としては、例えば過酸化水素や次亜塩素酸ナトリウム等が挙げられる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上のように、本発明にかかる培養装置は、生物、化学などの理化学実験や再生医療などの基礎実験、臨床実験等に使用することができ、さらに家庭用としても発酵食品などの発酵に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態1における培養装置の縦断面図
【図2】本発明の実施の形態2における培養装置の縦断面図
【符号の説明】
【0059】
1 培養装置
2 培養空間
3 筐体
4 内扉
10 外扉
12 フィルタ
13 通気口
14 気流発生部
15 開閉スイッチ
16 温度センサ
17 COセンサ
18 殺菌成分発生装置
19 陽圧回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ほぼ箱型で断熱性を有する筐体と、前記筐体の内部に形成された培養空間と、前記筐体に開口された開口部と、前記開口部を開閉自在に塞ぎ、かつ閉状態において前記筐体内部を視認可能に設けられた内扉と、前記内扉の外側に位置し、前記筐体の開口部を開閉自在に塞ぐ外扉と、前記筐体の開口部側において任意の一面に設けた通気口と、前記通気口から対向面に向かって空気流を発生させる気流発生部を備え、前記通気口は前記内扉と前記外扉の間に開口し、前記内扉の開放動作で前記気流発生部を駆動し、前記通気口より空気流を発生させる培養装置。
【請求項2】
前記筐体もしくは扉側に、前記内扉の開閉を検出する扉開閉検知手段を設け、前記扉開閉検知手段により前記気流発生部を駆動する請求項1に記載の培養装置。
【請求項3】
前記気流発生部に、フィルタを備えた請求項1または2に記載の培養装置。
【請求項4】
前記気流発生部に、殺菌成分を発生させる装置を備えた請求項1から3のいずれか一項に記載の培養装置。
【請求項5】
培養空間内を陽圧状態に保持する陽圧手段を設けた請求項1から4のいずれか一項に記載の培養装置。
【請求項6】
培養空間内の温度を検知する温度検知手段と、COガス濃度を検知するCO検知手段の少なくとも一方を設け、前記培養空間内の温度または、CO濃度の少なくとも一方の検知した値と設定値との差異に応じて、前記気流発生部からの空気流の風量を調整する請求項1から5のいずれか一項に記載の培養装置。
【請求項7】
前記内扉と前記外扉がともに閉状態であり、前記内扉と前記外扉の間に形成された空間に空気流を通過させる請求項1から6のいずれか一項に記載の培養装置。
【請求項8】
前記培養空間内の温度を検知する温度検知手段を設け、前記培養空間内の温度を検知した値と設定値との差異に応じて前記気流発生部から空気流を発生させるとともに風量を調整し、前記培養空間内の温度を設定値に制御する請求項1から7のいずれか一項に記載の培養装置。

【図1】
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【図2】
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