説明

基体を印刷する印刷機及び印刷方法

本発明は、印刷機において基体(7)を印刷する方法であって、(a)エネルギー入力装置により可撓性キャリアを介してインクにエネルギーを入力して、該エネルギーの作用領域においてインクの一部を気化させ、結果としてインクの液滴を印刷すべき基板に吹付けることで、インクを可撓性キャリアから予め定められたパターンに従って基体に転写する工程と、(b)製造されるパターンを強化するために、工程(a)を少なくとも1回繰り返してインクを基体の同じ位置に転写する工程と、を有し、印刷中の基体を印刷機(1)に通して移動させ、工程(a)でインクが転写された後に、工程(b)の上記繰り返し工程において工程(a)でインクが転写された位置と同じ位置に再びインクが転写されるように制御する方法に関する。更に、本発明は、この方法を実行するための印刷機に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は印刷機における基体の印刷方法に関し、特に、第1の工程で、エネルギー入力装置により可撓性キャリアを介してインクにエネルギーを入力してエネルギーの作用領域においてインクの一部を気化させ、結果としてインクの液滴を印刷すべき基板に吹付けることでインクを可撓性キャリアから予め定められたパターンに従って基体に転写し、製造されるパターンを強化するためにこの工程を少なくとも1回繰り返してインクを基体に少なくとも部分的に転写する方法に関する。
【0002】
更に、本発明は、印刷用インクを塗布可能な可撓性キャリア、及びインクにエネルギーを入力するエネルギー入力装置を有する印刷機に関する。このエネルギー入力装置は、印刷領域において可撓性キャリアのインク面と反対の面にエネルギーを入力することができるように配置されており、エネルギーの作用領域においてインクが可撓性キャリアから印刷すべき基体に転写される。
【背景技術】
【0003】
例えば、特許文献1において、インクが塗布されたキャリアから印刷すべき基体にインク液滴が吹付けられる基体の印刷方法が知られている。インクを転写するために、基体の印刷すべき場所において、キャリアを介して該キャリア上のインクにエネルギーが入力される。結果として、インクの一部は気化し、キャリアから分離する。このような気化するインクの圧力によって、インクの液滴が基体に吹付けられる。エネルギーが直接的に入力されることで、インクは、印刷すべきパターンに応じて基体に転写され得る。インクを転写するために必要なエネルギーは、例えばレーザーにより与えられる。インクが塗布されるキャリアは、例えば、印刷領域よりも上流において塗布装置を用いてインクが塗られる循環ベルトである。レーザーは、循環ベルトの内側に配置され、キャリアにおけるインク塗布面と反対側の面に作用する。
【0004】
更に、上述のような印刷機が、例えば、特許文献2においても知られている。この文献において、貯蔵容器からのインクを、塗布装置を用いて循環ベルトに塗布する。また、レーザーは、循環ベルトの内側に配置されており、このレーザーを用いて、予め定められた場所においてインクを気化させる。このようにして、インクは印刷すべき基体に吹付けられる。この場合、上記循環ベルトは、レーザーを透過する材料で形成される。インクを気化させる特別な方法として、循環ベルトを、レーザー光を吸収して熱に変換する吸収層で被覆し、レーザーが作用する場所において、インクを気化させることも可能である。
【0005】
この場合、可撓性キャリアへのインクの塗布を、通常、ローラベースユニットにより行う。インクを含む貯蔵容器に対してローラディッピングが行われ、インクが該ロールを用いて可撓性キャリアに転写される。
【0006】
印刷操作の間、例えば可撓性キャリアにおけるインク層の厚さを変化させること、或いはレーザーの出力を変化させることにより、印刷用のインク層の量を変えることができる。このことは、例えば、特許文献3に記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】US6241344B
【特許文献2】US5021808
【特許文献3】WO−A03/074278
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
一方で、インク層の厚さを変化させるために、印刷ラインを同じ情報に基づいて繰り返し印刷することも可能である。この場合、印刷ラインは、複数の層で構成されることとなる。結果として、転写される印刷物質の量は、実質的に無制限である。しかし、従来の印刷機では、印刷すべき基体が、前方に連続的に移動するという点に欠点がある。従って、ライン印刷の繰り返し回数を増やすと、実現可能な印刷の正確さが低下する。
【0009】
従って、本発明の目的は、1つのラインの複数回印刷により印刷されるインク層の量を変えることを可能とし、従来技術の方法と比較してより良好に印刷の正確性が実現され得る方法及び印刷機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的は、印刷機内で基体を印刷する方法であって、以下の工程(a)及び構成(b)を含む方法により達成される。
(a)エネルギー入力装置により可撓性キャリアを介してインクにエネルギーを入力して該エネルギーの作用領域においてインクの一部を気化させ、結果としてインクの液滴を印刷すべき基体(7)に吹付けることで、インクを可撓性キャリアから予め定められたパターンに従って基体に転写する工程、及び
(b)製造されるパターンを強化するために、工程(a)を少なくとも1回繰り返してインクを基体の同じ位置に転写する工程。
【0011】
印刷中に基体を印刷機に通して移動させ、エネルギー入力装置を、工程(a)でインクが転写された後で工程(b)の上記繰り返し工程において、工程(a)でインクが転写された位置と同じ位置に再びインクが転写される。
【0012】
更に、上記目的は、印刷用インクを塗布可能な可撓性キャリアと、インクにエネルギーを入力するエネルギー入力装置を有し、該エネルギー入力装置が、印刷領域において可撓性キャリアのインク面と反対の面にエネルギーを入力することができるように配置されて、エネルギーの作用領域においてインクが可撓性キャリアから印刷すべき基体に転写される印刷機により達成される。エネルギー入力装置は、1つのラインを繰り返し描くことができるように、エネルギーの作用領域が印刷すべき基体とともに移動するか、或いは基体の移送方向と反対方向に移動するように制御される、及び/又はエネルギー入力装置は、印刷すべき基体の移送に合わせるために相互にオフセット配置された複数のエネルギー発生器を有する。これにより、相互に連続して配置されているエネルギー発生器によって、1つのラインが連続的に書かれる。
【0013】
各々の場合で、印刷すべき基体の同じ位置へのインクの転写を、少なくとも1回繰り返すことにより、インクの多層塗布が実現される。このインクの多層塗布により、基体により強化されたイメージが製造される。印刷すべき基体とともに、可撓性キャリアにおけるエネルギー作用領域が移動することにより、インクは、前工程においてインクが塗布された位置と正確に同じに位置に、確実に繰り返し塗布される。このようにして、従来知られている方法と比較して、印刷の正確性をより良好なものとすることができる。
【0014】
本発明にかかる一つの実施の形態において、各々の場合において、印刷すべき基体の同じ位置に複数の層を形成するようにインクを転写するために、基体は1つのラインの印刷に続いてラインごとに移動される。この場合、初めに1つのラインが印刷される。そして、このラインにインクを複数回塗布することが望まれる場合、このラインに対して複数回の塗布が行われ、1つのラインが完全に書かれた後にのみ、次のラインを印刷するために印刷すべき基体が前方に移動される。しかし、初めにラインを印刷し、このラインの印刷に続いて基体を前方に移動させて、エネルギー入力装置を1つのラインに沿って同様に前方に移動するように制御することで、次のラインが基体の同じ位置に印刷されるようにラインごとの移動を行うようにしても良い。これにより、複数回の塗布が可能となる。
【0015】
しかし、基体が連続的に印刷機に移送されることが好ましい。特に、大きく且つ重い基体を印刷する場合に、連続的に移送することが好ましい。この場合、印刷すべき基板とともに、エネルギーを入力する領域を連続的に移動させて基体を印刷する。例えば、複数回印刷又は1回の印刷の場合において、ラインの印刷が完了した後にのみ、次のラインが印刷されるように装置が基体に対して移動する。単一ラインの印刷に加えて、初めに複数ラインを印刷して、新たな印刷が同じ場所で行われるようにエネルギーの作用領域を基体に対して移動させることも当然可能である。
【0016】
複数回印刷の場合、1回の印刷の場合と比較して基体をより低速で移動させてインクの複数回の塗布を実行する十分な時間を与えることが有効である。
【0017】
エネルギー入力装置が、複数のエネルギー発生器を有する場合、1つのエネルギー発生器でラインを1回ずつ書くことによって複数回の印刷が実行される。第1エネルギー発生器により初めにラインが記載され、所望の回数積層されたラインが印刷されるのに十分な数配置される他の複数のエネルギー発生器によりラインが上書きされる。本実施の形態において、ラインの印刷積層回数の最大は、エネルギー発生器の数に対応する。各々の場合において、基体の同じ位置に印刷を行うことが可能となるように、エネルギー発生器がオフセット配置される。このようにして、基体の移送(範囲)を補うことが可能となる。
【0018】
更に、一つの実施の形態において、複数のエネルギー発生器を設け、このエネルギー発生器の内の1つを、該1つのエネルギー発生器の作用領域が基体とともに移動するように制御することも可能である。このようにして、異なるエネルギー発生器を用いて1つのラインを連続的に印刷することが可能となり、さらに、1つのエネルギー発生器を用いて1つのラインを繰り返し印刷することも可能となる。従って、ラインの印刷積層回数を、エネルギー発生器の数よりも多くすることができる。
【0019】
鮮明なイメージを実現するために、インクに対するエネルギーの作用領域が、点状であることが好ましい。この点状の作用領域は、特に、可撓性キャリアを介したインクへのエネルギーの入力を集中させることにより実現される。この場合、エネルギーが入力される点のサイズは、転写されるドットのサイズに対応する。転写されるドットは、10〜200μm、特に40〜100μmの径を有することが好ましい。しかし、転写されるドットのサイズは、印刷される基体及び該基体に製造される印刷物に応じて変更可能である。例えば、回路基板の印刷においてより大きな焦点を選択しても良い。一方で、一般的に、テキストが表される印刷物の場合、鮮明なテキストイメージを製造するために小さい印刷ドットが好ましい。更に、イメージ及びグラフィックを印刷する場合、鮮明なイメージを製造するために、可能な限り小さいドットを印刷することが有効である。
【0020】
インクを多層に塗布するために、本発明にかかる方法を用いて、1つのライン又は複数のラインを初めに1回印刷し、その後、それらラインを刷り重ねしてラインの部分にインクを多層に塗布するか、又は個々のドットのみを次々に繰り返し印刷してドットでインクの多数の塗布層を製造することができる。個々のドットによる複数回の印刷は、1つのラインを複数回印刷する場合及び1回印刷する場合の双方において、エネルギー入力装置を1つのライン上でのみ移動させる必要はあるが、複数のライン上で移動させる必要はない点で有効である。
【0021】
印刷機において使用される可撓性キャリアは、印刷用インクが塗布されており、ベルトの形状で形成されることが好ましい。可撓性キャリアは、薄いシート状であることが非常に好ましい。この場合、可撓性キャリアの厚さは、好ましくは1〜1000μm、特に10μm〜300μmの範囲に含まれる。可撓性キャリアを介して与えられるエネルギーが該可撓性キャリア上で分散しないようにするためには、可能であれば可撓性キャリアを薄くすることが有効であり、これにより、鮮明な印刷イメージが作成される。例えば、材料として、エネルギーが透過するポリマーフィルムを使用することが好適である。好ましいポリマーは、例えばポリイミドである。
【0022】
印刷機の1つの実施の形態において、可撓性キャリアは、適切な装置に貯蔵される。この目的のために、例えば、インクが塗られている可撓性キャリアをローラに巻き上げることが可能である。印刷を行うために、インクが塗られている可撓性キャリアは巻き上げられ、印刷領域の上方に誘導され、レーザーを用いてインクが印刷すべき基体に転写される。そして、可撓性キャリアは、再びローラに巻き上げられ、例えば廃棄工程に送り出すことが可能である。しかし、可撓性キャリアは、循環ベルトとして形成されることが好ましい。この場合、可撓性キャリアの部分が印刷位置(エネルギーの入力によりインクが可撓性キャリアから印刷すべき基体に転写される位置)に到達する前に、該可撓性キャリアの部分に、好適な塗布装置を用いてインクが塗布される。印刷操作の後、インクの一部は、可撓性キャリアから基体に転写された状態となる。これにより、もはや可撓性キャリアには、均一なインクの層がなくなる。従って、次の印刷操作のためには、可撓性キャリアに再びインクを塗る必要がある。このインクの塗布は、次にインク塗布装置における適切な塗布位置を通過する際に実行される。可撓性キャリアにおけるインクの乾燥を避けるため、及び各々の場合において可撓性キャリアに一様なインク層を形成するために、可撓性キャリアへの次のインクを塗布する工程の前に、初めに可撓性キャリアからインクを除去することが有効である。インクの除去は、例えば、ローラ又はドクターを用いて実行される。インクの除去にローラが使用される場合、インクを可撓性キャリアに塗布するために用いるローラと同一のローラを使用することが可能である。これを実現するために、ローラの回転方向が、可撓性キャリアの移動方向と反対であると良い。そして、可撓性キャリアから除去されたインクを、再びインク供給部に送ることが可能である。インクを除去するためのローラが設けられている場合、勿論、インクを除去するための一つのローラを設けるとともに、インクを塗布するための一つのローラを設けることが可能である。
【0023】
ドクターを用いてインクを可撓性キャリアから除去する場合、当業者により知られる所望のどんなドクターを使用しても良い。
【0024】
インクを塗布する工程又はインクを除去する工程において、可撓性キャリアが損傷を受けてしまうことを避けるために、可撓性キャリアを、適用ローラ(インクを可撓性キャリアに塗るローラ、インクを可撓性キャリアから除去するローラ、又はインクを可撓性キャリアから除去するドクター)に対向している支持ローラを用いて加圧しても良い。この場合、支持圧は、可撓性キャリアを損傷させることなく、インクをほぼ完全に除去することができるように調節される。
【0025】
エネルギー入力装置は、少なくとも1種のレーザーを含むことが好ましい。レーザーの利点は、レーザー光線を非常に小さい断面に集中させて使用することができる点である。従って、エネルギーの入力を目標付けて行うことができる。可撓性キャリアから少なくとも部分的にインクを気化させて、このインクを基体に転写させるために、レーザーからの光を熱に変換する必要がある。これを実現するために、初めに、レーザー光を吸収して熱に変換するための適切な吸収材をインクに含有させることが可能である。また、レーザー光を吸収して熱に変換する適切な吸収材で可撓性キャリアを被覆するか、或いは可撓性キャリアをこのような吸収材料から形成する、又はこのような吸収材料を含んでいても良い。しかし、レーザー光を透過する材料で可撓性キャリアを形成し、レーザー光を熱に変換する吸収材をインクに含有させることが好ましい。好適な吸収材は、例えば、カーボンブラック、金属亜硝酸塩、又は金属酸化物である。
【0026】
可撓性キャリアから基体にインクを転写するために使用される好適なレーザーは、例えば、基本モードで操作されるファイバーレーザーである。1つのラインを繰り返し印刷することができるように、印刷機は、エネルギーを入力する装置を制御可能な制御ユニットを含むことが好ましい。この場合特に、制御ユニットは、どんな僅かなラインのズレも生じることなく、複数回印刷が確実に可能となるように構成される。従って、前のインク層から外れて次のインク層が塗布されることが無い。
【0027】
第1の実施の形態において、エネルギー入力装置としてレーザーが使用される場合、上記制御ユニットが、制御可能なミラー装置を含む。この制御可能なミラー装置を使用することで、要求に応じて、印刷すべきパターンに向かってレーザー光線を屈折させることができる。好適な作動システム及び好適なミラー用装置を用いることで、極めて正確なレーザーの制御が可能となる。ミラーのために使用される駆動部は、例えば、作動モータ等の当業者に知られているものである。
【0028】
制御可能なミラー装置の他に、例えば、少なくとも1種の音響光学的又は電気光学的モジュレータを用いることによって、レーザーを制御することも可能である。複数の音響光学的又は電気光学的モジュレータを使用しても良いし、或いは音響光学的及び電気光学的モジュレータの双方を使用しても良い。更に、上記モジュレータに加えて、制御可能なミラー装置を設けても良い。
【0029】
第3の実施の形態において、制御ユニットは、制御可能なレンズ系を含む。このレンズ系により、レーザーは、基体上における1つのラインに対する複数回の印刷が可能となるように制御される。制御可能なレンズ系を用いることにより、先ずレーザーをより精密に集積させて、可撓性キャリア上の点を正確に選択することができる。従って、印刷すべき基体にインクのドットを明確に転写することができる。レンズの制御は、例えば、個々のレンズを傾ける又は個々のレンズを動かすことにより行われる。この目的のために、制御可能なミラー装置の場合と同様に、当業者により知られている作動モータを使用することが好ましい。更に、制御可能なレンズ系を、制御可能なミラー装置及び/又は音響光学的又は電気光学的モジュレータとともに使用しても良い。
【0030】
制御ユニットの使用に加えて、例えば、レーザーを複数回印刷を実行するために特別な方法で使用するように制御し、エネルギー入力装置を移動可能に構成することで、エネルギーの作用領域を基体とともに移動させるか、又は基体と移送方向と反対方向に移動させることが可能である。この場合、エネルギー入力装置は、その全体が同時に移動する。このことは、例えば、レーザー以外のエネルギーが使用される場合には必須である。しかし、レーザー光線を複数回印刷が許容されるように特定の方法で屈折させる制御装置を使用することが好ましい。
【0031】
1つのレーザーのみを使用することに加えて、更に、エネルギー入力装置が、相互にオフセットして配置される少なくとも2つのレーザーをエネルギー発生器として含んでいても良い。これにより、基体の前進により生じるラインのズレを補うことができる。この場合、1つのラインが複数のレーザーを用いて繰り返し印刷されるように、1つのラインは、第1のレーザーを用いて初めに印刷され、その後、第2のレーザーを用いて、第1のラインと同一の印刷位置で次の印刷が行われる。
【0032】
従って、同じラインに対する複数回の重ね刷りのために、基体の移送方向にレーザーをずらす必要が無い。従って、基体の移送方向におけるレーザーの屈折を低減させることができる。
【0033】
しかし、1つのラインの重ね刷りの回数がレーザーの存在する数よりも多くて複数回印刷を実行することが望まれる場合、更に少なくとも一種のレーザーを制御して該レーザーが1つのラインを繰り返し書くようにしても良い。
【0034】
印刷イメージをより良好なものとするために、例えば、可撓性キャリアにおけるしわを滑らかにするために可撓性キャリアに張力をかける張力装置を設けることも可能である。更に、張力装置を使用することによって、例えば可撓性キャリアと印刷すべき基体の間の距離を調節することも可能である。これにより、複数回印刷の場合であっても、可撓性キャリアと印刷すべき基体の間に一定の距離を設定することが可能となる。従って、一様に印刷の質を確保することができる。印刷ギャップを調節し可撓性キャリアを滑らかにするための張力装置は、例えば、エネルギー入力装置の両側に配置される少なくとも2個のガイド要素を含む。この場合、可撓性キャリアの移送方向において、一般的に少なくとも1個のガイド装置が、エネルギー入力装置の前に配置される。更に、少なくとも1個のガイド装置が、エネルギー入力装置の後に配置される。これらガイド要素を用いることにより、エネルギーが入力される領域及びインクが印刷すべき基体に転写される領域において、可撓性キャリアに正確に張力がかけられる。更に、唯一つのガイド要素を使用しても良い。この場合、ガイド要素に入力されるエネルギーを透過させるために、ガイド要素を入力されるエネルギーの経路に正確に配置する。この場合、ガイド要素として好適なものは、例えば、透過性ロッド、又は好ましくは棒レンズとして形成されるガイド要素である。棒状レンズを使用することによる利点は、レーザーをそこに集中させることができるので、印刷の質がさらに改良される点である。エネルギーの作用領域を印刷すべき基板とともに移動させて複数回印刷を実行することができるようになるためには、張力装置をエネルギーの作用領域とともに移動させる必要がある。他には、少なくとも2個のガイド要素が使用される場合、これらを、複数回印刷を十分に実行するのに十分な距離で相互に離れた状態に配置することが可能である。適切なガイド要素は、例えば、張力ローラ又は硬質ガイド要素であるが、可撓性キャリアがロッドによりガイドされる領域においては、可撓性キャリアの損傷を避けるために、ガイド要素は鋭い形状に形成してはならない。
【0035】
当業者により知られている所望の任意の印刷インクが、本発明にかかる印刷機を用いて印刷用基体に転写可能なインクとして好適である。インクは、液体及び固体のどちらでも良い。しかし、液体インクを使用することが好ましい。インクは、10000mPas未満の粘度を有することが好ましく、特に1000mPas未満の粘度を持つことが好ましい。通常使用される液体インクは、少なくとも1種の溶媒及び色調整固形物(例えば顔料)を含む。
【0036】
しかしまた、例えば、インクが溶媒及び該溶媒に分散される導電性粒子を含んでいても良い。この場合、例えば、インクを用いて回路基板が印刷される。更に、レーザーがエネルギーの入力用に使用される場合、インクがレーザー光を吸収しそれを熱に変換する助剤を含むことが好ましい。好適な助剤は、例えばカーボンブラック顔料又は金属酸化物顔料である。
【0037】
従来の印刷インクが使用される場合、印刷すべき基体は好ましくは紙である。しかし、他の所望の基体を、本発明にかかる装置を用いて印刷しても良い。本発明にかかる印刷機を使用することにより、例えば板紙又は他の紙製品、樹脂、例えば梱包に使用される樹脂フィルム、金属ホイル又は複合フィルムを印刷することができる。本発明の印刷機及び方法は、回路基板の印刷にも好適である。この場合、印刷すべき基板は、通常、当業者により知られている任意の所望の回路基板である。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】図1は、本発明にしたがい構成された印刷機の概略図を示している。
【図2】図2は、本発明にしたがうエネルギー入力装置の概略図を示している。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下、図面に示されている本発明の実施の形態をより詳細に説明する。
【0040】
図1は、本発明にしたがい構成された印刷機の概略図を示している。
【0041】
ここで示されている実施の形態において、印刷機1は、無端ベルトとして構成され複数の偏向ローラ5に導かれる可撓性キャリア3を有している。基体7を印刷するためのインクは、可撓性キャリア3に塗られている。
【0042】
基体7を印刷するために、エネルギーが印刷領域9において可撓性キャリア3を介してインクに入力される。インクにエネルギーを入力することにより、インクの一部は気化する。すなわち、これはインクの液滴が基体7に吹付けられることを意味する。インクに与えられるエネルギーとして好適なものは、例えば、レーザー11である。インクにエネルギーを入力するために好適に使用可能なレーザー11は、例えば、ファイバーレーザーである。レーザー11を使用することの利点は、レーザーが断面積の非常に小さい点(10〜100μm)に集束し、極めて精密な印刷イメージが製造されることである。
【0043】
本発明にしたがい、基体7を移送方向13に移送させている際に個々のラインを複数回印刷するために、レーザー11が基体7とともに該基体7の移送方向13に移動するか、或いは基体7の移送方向13と反対の方向に移動する。基板7の移送方向13におけるレーザー11の移動は、矢印15により示されており、基板7の移送方向13と反対方向におけるレーザー11の移動は、矢印17により示されている。上記レーザー11の移動により、印刷すべきパターンの縁部を不明確にすることなく、ラインを正確に繰り返し書くことができる。このようにして、次のインク層は、その前にインクが施された位置と同じ位置に正確に施される。ラインの繰り返し印刷が一度行われると、その後にレーザー11が、次のラインを印刷するために次のラインに移動する。複数回印刷を行うことが予測される場合、基体7が1回の印刷を行う場合と比較してより低速で移動し、基体7をレーザー11の移動窓内で印刷することができるという利点がある。
【0044】
各々の場合において、インクを鮮明に基体7に転写することができるように、まだインクが除去されていない可撓性キャリアの領域に亘ってレーザーをガイドする必要がある。この目的のために、可撓性キャリア3は、偏向ローラ5の周囲を一定の速度で移動する。可撓性キャリア3の移送方向は、矢印19により示されている。
【0045】
印刷領域9において基体7に印刷されるインクは、塗布装置21により可撓性キャリア3に塗布される。インクの均一な塗布を確保するために、本実施の形態において示されている塗布装置21は、インクを可撓性キャリア3に塗布する塗布ローラ23を有する。インクを塗布するために要求される接触圧は、支持ローラ25により得られる。この支持ローラ25は、同時に、可撓性キャリア3の偏向ローラとしても機能している。インクは、インクローラ27を用いて塗布ローラ23に塗布される。本実施の形態において、インクローラ27には、インクプレート29によりインクが塗られる。しかし、インクプレート29に代えて、当業者により知られている他の所望の装置によってインクローラ27にインクを塗るようにしても良い。例えば、インクローラ27がインクを含む貯蔵容器に浸かることでインクが塗られるようにしても良い。また、インクローラ27を設けずに、一つの塗布ローラ23のみを設けるようにしても良い。更に、3つ以上のローラを設け、可撓性キャリア3にインクを塗布するようにしても良い。
【0046】
本実施の形態では、インクローラ27から垂れるインクを集めるために、ドリップ捕捉部31が設けられている。ドリップ捕捉部31により集められるインクは、インクを含む貯蔵容器33に戻される。貯蔵容器33に含まれているインクは、必要に応じて溶媒容器35から添加される溶媒を含む。例えば、これは、貯蔵容器33から気化した溶媒を戻すために必要である。可撓性キャリア3に塗布されて、印刷の後に再び塗布ローラ23を用いてキャリア3から除去され貯蔵容器33に戻されるインクから気化する溶媒を補充するために溶媒容器35を用いても良い。貯蔵容器33においてインクを均一に保つために、撹拌機構37を設けることが好ましい。例えば、所望の撹拌機構を設けることができる。好適な撹拌機構は、例えば、プロペラ攪拌機、ディスク攪拌機、格子攪拌機、プレート攪拌機、アンカー状攪拌機、又は放射状攪拌機である。
【0047】
溶媒容器35から貯蔵容器33に計量投入される溶媒の量は、例えば、貯蔵容器33におけるインクの粘度測定値を用いて決定することができる。この目的のために、例えば、貯蔵容器33に粘度計45を設けても良い。従って、粘度計45を用いて、溶媒の投入量が決定される。粘度計45は、溶媒の自動計量システムに具備されることが好ましい。
【0048】
インクは、循環ポンプ39により、貯蔵容器33から供給ライン41を介してインクプレート29に移送される。その後、インクは、インクプレート29によりインクローラ27に塗られる。ドリップ捕捉部31に過度にインクが垂れると、垂れたインクは戻りライン43を介して貯蔵容器33に戻る。
【0049】
可撓性キャリア3においてインクが乾燥してしまい、そして、インクが不規則に印刷されて、これにより印刷イメージに悪影響が生じることを避けるために、印刷の後に基体7に転写されていないインクを、再び塗布ローラ23を用いて可撓性キャリア3から除去する。この目的のために、塗布ローラ23の回転方向は、可撓性キャリア3の移送方向17と逆方向であることが好ましい。塗布ローラ23を用いて可撓性キャリア3から除去されるインクは、インクローラ27により塗布ローラ23から拭き取られ、ドリップ捕捉部31に垂れる。そして、インクは、ドリップ捕捉部31から戻りライン43を介して貯蔵容器33に戻される。
【0050】
可撓性キャリア3からインクを除去する塗布ローラ23に代えて、例えば、ドクター又は他の所望の装置を用いて、新しいインクを塗布する前に、可撓性キャリア3からインクを除去するようにしても良い。更に、例えば、インクを可撓性キャリア3から除去するための第2ローラを設けるようにしても良い。
【0051】
一つの実施の形態において、印刷イメージを改良するために印刷領域9において、可撓性キャリア3に張力を与える張力装置を設けることも可能である。これにより、可撓性キャリアにおける凹凸やうねりを避けることができる。更に、例えば、このような張力装置を用いて、可撓性キャリアと印刷すべき基体7との間に一定の距離を設定することも可能となる。上述の張力装置は、例えば、可撓性キャリア3をガイドするガイド要素を有する。一つのガイド要素が設けられる場合、入力されるエネルギー(本実施の形態ではレーザー11)が透過されることが好ましい。従って、レーザー11はガイド要素を介して可撓性キャリア3に導かれる。
【0052】
また、例えば、2個のガイド要素を設けても良い。これらのガイド要素の一つは、レーザー11の前側に配置され、もう一つのガイド要素はレーザー11の後側に配置される。これらガイド要素間の距離が短い場合、これらはレーザー11とともに移動する。なお、レーザーがこれらガイド要素の間を基体とともに移動できるか、或いはレーザーが基体7の移送方向13に対して反対方向に移動できるように、上記ガイド要素間の距離を一定の大きさに保つようにしても良い。
【0053】
上述の張力装置を用いることにより、印刷領域9は一定の大きさで形成することができる。これにより、可撓性キャリア3と印刷すべき基体7との間の印刷ギャップを均一に保つことができ、結果として、条件を一定にして印刷イメージをより良質になる。
【0054】
図2は、印刷すべき基体を移送している間の複数回印刷を可能とするエネルギー入力装置をより詳細に示している。
【0055】
本実施の形態において、インクを印刷すべき基体に転写するために、レーザー11により可撓性キャリア3にエネルギーが入力される。複数回印刷を実現するために、すなわち、1つのラインの複数回印刷を行い印刷すべき基体7におけるインクの層厚を増加させるために、初めにレーザー51をレーザーモジュレータ53を用いて誘導する。例えばAOM又はEOM等のレーザーモジュレータ53において、レーザー11の強度が変化される。このようにして、例えば、1つのラインにおける特定領域のみを印刷するためにレーザーのオン・オフを切り替えることができる。しかしまた、移動する基体7に対して複数回印刷を行うことが可能となるように、レーザーを偏向可能な音響光学的又は電気光学的モジュレータを使用しても良い。
【0056】
レーザービーム51は、レーザーモジュール53を通過すると、偏向ミラー55を介して多角形ミラー57に誘導される。この偏向ミラー55は、例えば、偏向ミラー55の方向を変更する作動モータ59を備える。これにより、レーザービーム51は、基体7とともに、移送方向13又は移送方向13と反対の方向に移動可能である。多角形ミラー57において、レーザービーム51は所望のライン位置に応じて偏向される。この目的のために多角形ミラー57は、矢印61で示すように回転可能である。
【0057】
45°ミラー63において反射された後に、レーザーの焦点を一つの平面に保つために、fθ対物レンズ65が、多角形ミラー57と45°ミラー63の間に配置されている。印刷するドットの位置に応じて、レーザーが多角形ミラー57において偏向され、45°ミラーにおいて反射されfθ対物レンズ65に導かれる。従って、その焦点がインク層でコーティングされている可撓性キャリア3に合う。レーザー11のエネルギーは可撓性キャリア3の吸収層、或いはインクに含まれる好適な吸収剤により変換される。このようにして、インクの溶媒の一部が気化され、インクの液滴67が形成される。インクの液滴はインクキャリア3から分離し、印刷すべき基体7に吹付けられる。そして、吹付けられた部分で乾燥されて印刷されたインクドットが形成される。このようにして、所望のパターンが表される。本発明により、パターンを強化するために、偏向ミラー55を用いた偏向により印刷すべき基体7にインクを施し複数の層を形成する複数回印刷が可能となる。
【0058】
レーザーモジュレータ53と偏向ミラー55を備えている上記実施の形態に代えて、唯一つのレーザーモジュレータを使用しても良いし、複数のレーザーモジュレータを使用しても良い。また、レーザービーム51を偏向する唯一つの偏向ミラーを使用しても良い。更に、レーザービームの偏向は、好適な制御可能なレンズを用いて行っても良い。また、制御可能なレンズ、偏向ミラー、及びレーザーモジュレータの所望の組み合わせも考え得る。
【0059】
更に、制御可能なレンズの代わりに、基体7の移送に合わせるために互いにオフセット配置される複数のレーザーを使用し、それぞれのレーザーが1回ずつラインを印刷するようにして1つのラインを連続的に繰り返し書くようにすることも可能である。
【符号の説明】
【0060】
1 印刷機
3 可撓性キャリア
5 偏向ローラ
7 基体
9 印刷領域
11 レーザー
13 基体7の移送方向
15 移送方向13における移動
17 移送方向13と反対方向への移動
19 可撓性キャリア3の移送方向
21 塗布装置
23 塗布ローラ
25 支持ローラ
27 インクローラ
29 インクプレート
31 ドリップ捕捉部
33 貯蔵容器
35 溶媒容器
37 撹拌機構
39 循環ポンプ
41 供給ライン
43 戻りライン
45 粘度計
51 レーザービーム
53 レーザーモジュレータ
55 偏向ミラー
57 多角形ミラー
59 作動モータ
61 多角形ミラー57の回転
63 45°ミラー
65 fθ対物レンズ
67 インクの液滴

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷機において基体(7)を印刷する方法であって、
(a)エネルギー入力装置により可撓性キャリア(3)を介してインクにエネルギーを入力して該エネルギーの作用領域においてインクの一部を気化させ、結果としてインクの液滴を印刷すべき基体(7)に吹付けることで、インクを可撓性キャリアから予め定められたパターンに従って基体に転写する工程と、
(b)製造されるパターンを強化するために、工程(a)を少なくとも1回繰り返してインクを基体の同じ位置に転写する工程と、を有し、
印刷中の上記基体を印刷機(1)により移動させ、
上記エネルギー入力装置を、
工程(a)でインクが転写された後に、工程(b)の上記繰り返し工程において工程(a)でインクが転写された位置と同じ位置に再びインクが転写されるように制御することを特徴とする方法。
【請求項2】
基体(7)を、1つのラインの印刷に続いてラインごとに移動させる請求項1に記載の方法。
【請求項3】
基体(7)を、印刷機(1)を用いて連続的に移動させて工程(a)を繰り返し、上記エネルギー入力装置を基体(7)とともに移動させて基体(7)の同じ位置にインクを施す請求項1に記載の方法。
【請求項4】
エネルギー入力装置が、少なくとも1個のレーザー(11)を含む請求項1〜3の何れか1項に記載の方法。
【請求項5】
1つのラインを複数回書くために、制御可能なレンズ系、制御可能なミラー、及び/又はレーザーモジュレータによりレーザー(11)を制御する請求項4に記載の方法。
【請求項6】
エネルギー入力装置が、基体の移送に合わせるために互いにオフセット配置される複数のレーザーを含み、
各々の場合において異なるレーザーを用いて工程(a)を繰り返す請求項6に記載の方法。
【請求項7】
印刷用インクを塗布可能な可撓性キャリア(3)と、該インクにエネルギーを入力するエネルギー入力装置と、を有し、
該エネルギー入力装置が、印刷領域(9)において可撓性キャリア(3)のインク面と反対の面にエネルギーを入力することができるように配置されて、エネルギーの作用領域においてインクが可撓性キャリアから印刷すべき基体(7)に転写される印刷機であって、
上記エネルギー入力装置が、上記エネルギーの作用領域が印刷すべき基体(7)とともに移動可能であるか、又は基体(7)の移送方向(13)に対して反対の方向に移動可能となるように制御され、1つのラインを繰り返し書くことができるように構成される、
及び/又は、
上記エネルギー入力装置が、印刷すべき基体の移送に合わせるために互いにオフセット配置された複数のエネルギー発生器を有し、相互に連続している該エネルギー発生器により1つのラインを連続的に書くことができるように構成されたことを特徴とする印刷機。
【請求項8】
上記エネルギー入力装置が、エネルギー発生器として少なくとも1個のレーザー(11)を有する請求項7に記載の印刷機。
【請求項9】
上記エネルギー入力装置を、1つのラインを繰り返し印刷することができるように制御可能な制御ユニットを有する請求項7又は8に記載の印刷機。
【請求項10】
上記制御ユニットが、制御可能なミラー装置(55、57)を有する請求項9に記載の印刷機。
【請求項11】
上記制御ユニットが、音響光学又は電気光学モジュレータ(53)を有する請求項9又は10に記載の印刷機。
【請求項12】
上記制御ユニットが、制御可能なレンズ系を有する請求項9〜11の何れか1項に記載の印刷機。
【請求項13】
上記エネルギー入力装置を、該エネルギー入力装置が移動可能となるように構成することによって、エネルギーの作用領域が基体(7)とともに移動可能となるか、又は基体(7)の移送方向(13)と反対方向に移動可能となる請求項7〜12の何れか1項に記載の印刷機。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2012−512066(P2012−512066A)
【公表日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541370(P2011−541370)
【出願日】平成21年12月14日(2009.12.14)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067021
【国際公開番号】WO2010/069900
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】