説明

基板上にストリップ形状の素子を製造して直列接続するための方法

本発明は、ストリップ形状の素子を形成して直列接続するための方法であって、従来技術に比べて、直列接続に必要な面積の減少が実現される方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にソーラーモジュールとしての基板上、及びソーラーモジュール上にストリップ形状の素子を製造して直列接続するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光起電力素子を直列接続してソーラーモジュールとすることで、短絡を生じずに、素子で発生される光誘導エネルギーが足し合わされる。このために、2つの光起電力素子の第1の電気コンタクトと第2の電気コンタクトを規則的に互いに導電接続し、光起電力素子の反対側の面にはコンタクト(電極とも呼ぶ)を配設する。
【0003】
従来技術から、基板上に第1の電気コンタクトを全面にわたって層として塗布することが知られている。第1の構造化ステップP1によって、第1の接触層を、表面から下へ基板に達する深さまで、平行に配列された複数のストリップに細分化する。第1の構造化ステップP1後、構造化された第1のコンタクトの表面上に活性半導体層を全面にわたって塗布し、第1のコンタクトの溝を充填する。その後、第2の構造化ステップP2により、半導体層を、半導体層の表面から第1の電気コンタクトの表面に達する深さまで、複数のストリップに細分化する。第2の構造化ステップP2は、第1の構造化ステップP1及び第1の電気コンタクトのストリップ形状の細分化区域のすぐ横で平行に行う。次いで、構造化した第1の電気コンタクト及び構造化した半導体層の上で、第2の電気接触層を、細分化されたストリップ形状の光起電力素子の表面上に塗設し、やはりストリップに細分化する。第3の構造化プロセスP3により、第2の電気コンタクトを、その表面から半導体層の表面に達する深さまで、平行に配列された複数のストリップに細分化する。第3の構造化プロセスP3は、第2の構造化プロセスP2のできるだけすぐ横で平行に行い、第1の構造化プロセスP1にも平行であるが、より離して行う。
【0004】
その結果、第2の電気コンタクトの表面から第1の電気コンタクトへの接続が形成され、その下に配置された光起電力素子の溝を充填することによって直列接続が形成される。
【0005】
この標準的な方法の欠点は、ソーラーモジュールの直列接続された光起電力素子のエネルギー変換率が低いことである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、特にソーラーモジュールとしてストリップ形状の素子を製造して直列接続するための方法であって、より高いエネルギー変換率を実現する方法を提供することである。本発明のさらなる課題は、それに対応する、より高いエネルギー変換率を有するソーラーモジュールを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題は、請求項1に記載の方法、並びに別の独立請求項による層構造及びソーラーモジュールによって解決される。有利な形態は、それらの従属請求項から明らかになる。
【0008】
まず、基板又は表板の上に、好ましくは互いに平行に配列された概してストリップ形状の複数の第1の電気接触層を形成する。
【0009】
基板として、例えば太陽電池技術、特に薄層太陽電池技術、及び薄層技術自体で一般に使用されているすべての基板又は表板を自由に選択することができ、例えば鋼又はアルミニウムからなる金属箔(基板)である。表板としては、例えばガラス又はプラスチック箔が使用される。
【0010】
基板は、光散乱を改善するため、又は支持体上での接触層の成長を改善するための機能層を含むことができる。
【0011】
第1の電気接触層として、例えばAl/ZnO又はAg/ZnO(基板)又はZnO、SnO、若しくはITO(表板)などの材料を選択することができる。
【0012】
ストリップ形状の電気接触層は、基板の表面まで達する深さの互いに平行に配列された第1の溝によって、素子の長さにわたってストリップ状に絶縁される。しかし、当該素子を囲む枠を設けてもよい。
【0013】
基板の長さ(L)は、少なくとも素子の長さ(L)にわたって延びる。
【0014】
ストリップ形状の第1の接触層は、例えば、マスク法及び噴霧法又はエッチング法を用いたリソグラフィ法によって基板又は表板上に形成することができる。また、第1の接触層は、まず接触層を基板上に全面にわたって塗布し、次いで例えばレーザアブレーション又はマスク法及びエッチング法によって構造化することによって形成することもできる。他の方法及び方法の組合せも可能である。
【0015】
基板と第1の電気接触層からなるそのような層構造の上で、さらに、ストリップ形状の第1の電気接触層上又は第1の溝内に半導体層を形成する。
【0016】
半導体層に、各第1の溝のそれぞれ1つの縁部で領域形状凹部、好ましくは点状凹部を形成する。
【0017】
凹部内で、第1の電気接触層の表面が除去される。これは、隣接するストリップ形状の素子を直列接続するための後の接触形成に役立つ。
【0018】
このために、好ましくは互いに平行に配列されたストリップ形状の複数の第2の電気接触層を半導体層上に塗設する。それにより、有利には、半導体層の領域形状凹部が充填される。それにより、それぞれ素子(A)での1つの第2の電気接触層と、隣接する素子(B)での1つの第1の電気接触層との、対応する領域形状コンタクトが形成される。
【0019】
有利には、第2の溝が、素子の長さにわたって第2の電気接触層を絶縁するのに役立ち、この目的で第2の溝を第2の電気接触層に形成する。それに対応して、その下で、第1の電気接触層の表面又は半導体層を露出させることができる。
【0020】
第1の電気接触層を絶縁するための第1の溝及び/又は第2の電気接触層を絶縁するための第2の溝は、有利には、領域形状凹部を迂回する蛇行区域又は角張った区域を有して延び、それにより、上から見て、各凹部が第1の溝と第2の溝との間に配置され、又はこれらの溝が凹部を迂回して形成され、それにより隣接する素子が直列接続される。
【0021】
したがって、占有面積を節約し、半導体層の大部分が使用可能になるので、本発明の課題が解決される。従来技術に比べて、直列接続に必要な面積がはるかに小さい。なぜなら、従来技術では互いに並んで配置された構造化を基にしており、これらの構造化の間に位置する領域をエネルギー発生に利用できないからである。
【0022】
第1及び/又は第2の溝の蛇行区域又は角張った区域の数は、凹部の数に対応すべきである。第1の溝も第2の溝も蛇行区域を有することができる。
【0023】
ストリップ形状の素子を形成するために、各第1の溝に対して、その溝に割り当てられた第2の溝を上に形成する。素子の長さにわたって、2〜50個、好ましくは5〜30個、特に10〜20個の凹部を溝の縁部に沿って形成する。好ましくは、ここで基板の長さは約10cmである。より大きな基板では、より多くの凹部を形成すべきである。凹部の面積が小さければ小さいほど、エネルギー発生用に多くの場所を残しておくことができる。
【0024】
凹部同士の間隔の選択は、とりわけその大きさに応じて決まる。好ましくは、溝の縁部に沿って、0.2ミリメートル〜100ミリメートル、特に1.5ミリメートル〜10ミリメートルの間隔を選択することができる。
【0025】
図面に示すように、隣接する接触層を絶縁するために、第1の溝と、それに割り当てられた第2の溝との横方向間隔は2ミリメートルまでとすることができる。横方向間隔は大きすぎないようにすべきである。
【0026】
凹部の領域以外では、特に有利には上から見て第2の溝の真上に第1の溝を配置すべきであり、それにより両方の溝の大部分が重なり合って、素子の長さにわたって一緒に延びる。
【0027】
エネルギー発生のために半導体層の大部分を使用できるようにするために、領域形状凹部を、好ましくは点状に、例えば最大1mm、特に最大0.01mmの面積で製造すべきである。したがって、凹部の間に位置する半導体層をエネルギー発生に完全に使用することができるように、接触形成用の領域形状凹部は比較的小さい。
【0028】
有利には、第1の溝及び/又は第2の溝、及び/又は凹部を形成するためにレーザアブレーションを使用することもできる。
【0029】
また、第1の溝及び/又は第2の溝、及び/又は凹部を形成するために、形成する構造に対応して形成されたマスクを配置し、次いでエッチングして溝又は凹部を形成することもできる。PVD法若しくはCVD法、又は噴霧法、又は印刷法、また特にインクジェット印刷法をそれぞれ、層の堆積のために使用することができる。
【0030】
同様に、第1の溝及び/又は第2の溝、及び/又は凹部を製造するためにエッチング法を選択することもできる。
【0031】
特に有利には、これらのストリップ形状の光起電力素子を基板の長さにわたって形成することができるように半導体層及び接触層のための材料が配置され、これらは例えば、ガラス基板、及び基板上の第1の電気接触層としてのTCO(透明導電性酸化物)である。
【0032】
第1の電気接触層上の活性半導体層として、少なくとも1つのn−i−p又はp−i−n構造を配設することができる。
【0033】
第2の電気接触層として、ZnO/Agをストリップ状に形成することができる。
【0034】
そのようにして形成した層構造は、基板を備え、さらに、基板の長さにわたって好ましくは互いに平行に配列されたストリップ形状の複数の第1の電気接触層と、第1の電気接触層の上に配置された半導体層と、半導体層の上に配置された、基板の長さにわたって好ましくは互いに平行に配列されたストリップ形状の複数の第2の電気接触層とを備える。
【0035】
第2の電気接触層は、半導体層の領域形状凹部を介して第1の電気接触層に接触する。領域形状凹部は、従来技術のように素子の長さ(L)にわたっては延びない。なお、領域形状凹部の縁部は、半導体層の材料によってのみ形成される。第1の電気接触層と第2の電気接触層を互いに絶縁するために、第1の溝が第1の電気接触層に設けられ、第2の溝が第2の電気接触層に設けられ、第1及び/又は第2の溝は、蛇行区域を有し、凹部のすぐ近くで凹部を迂回して延びる。
【0036】
第2の電気接触層及び/又は第1の電気接触層は、上から見て、領域形状凹部を迂回する蛇行領域、例えば角張って延びる領域又は湾曲して延びる領域を有する。第1の溝と第2の溝が上から見て密接又は近接している、好ましくはさらにほぼ重なり合っている、すなわち横方向のずれなしで上下に配置されているので、素子の長さにわたって凹部の間のすべての領域をエネルギー発生に使用することができる。領域形状凹部は、それぞれ1つの第1の溝と1つの第2の溝との間に形成される。
【0037】
ソーラーモジュールがこの層構造を備えることができる。その際、第2の電気接触層と第1の電気接触層、及び半導体層は、基板の長さにわたって光起電力素子(A、B、C、…)を形成する材料からなる。
【0038】
基板上に光起電力素子(A、B、C)を製造して直列接続するための特別な方法は、まず、第1の電気コンタクトを基板上に層として全面にわたって塗設し、そこに、平行に配列される第1の溝を、基板の表面まで達する深さで形成することによって、ストリップ形状に細分化することを企図している。次いで、半導体層を第1の電気コンタクト上又は第1の溝内に塗設し、半導体層を除去することによって、領域形状凹部を各第1の溝の縁部に並列させて形成する。
【0039】
次いで、第2の電気コンタクトを半導体層上に、好ましくは全面にわたって塗設すべきであり、それにより凹部を充填する。第1の溝の場所で、それぞれ凹部に隣接して位置する領域以外で、第2の電気コンタクト及び半導体層を除去し、それにより、溝の数に対応する数の光起電力素子(A、B、C)を互いに電気絶縁する。なお、残りの凹部領域を迂回して、少なくとも第2の電気接触層及び場合によっては活性半導体層が第1の電気接触層の表面に達する深さまで除去され、それにより、光起電力素子(B)の第1のコンタクトは、好ましくは点状の複数のコンタクトによって、隣接する素子(A)の第2のコンタクトと直列接続される。
【0040】
本発明による太陽電池モジュールは、特に有利には、モジュールの全面積に対する活性直列接続半導体層の面積の比が、少なくとも98%、好ましくは98.5%超、特に99%以上である。
【0041】
本発明の範囲枠内において判明したように、従来技術による方法によれば、大きな領域、すなわち素子の長さにわたって構造化ステップが行われる領域、並びに構造化ステップ1と2との間、及び構造化ステップ2と3との間の全範囲が、エネルギー変換に使用可能でなくなっている。これにより、ソーラーモジュールの潜在的出力が無駄に減少されることが判明した。
【0042】
さらに、損失面積を全体としてより小さくすることを目指すことで、より高いエネルギー変換率を実現することができることが判明した。
【0043】
このために、第2の構造化プロセスP2によって、光起電力素子を、半導体層の表面から第1の電気コンタクトの表面に達する深さまで、局所的に点状に選択的に除去する。この第2の構造化プロセスP2は、第1の電気コンタクトにある平行に配列された第1の溝のできるだけすぐ横で平行に行う。これらの点状凹部を溝の構造縁部に直接設けることもできる。
【0044】
次いで、さらなるステップにおいて、活性半導体層上及び点状凹部内に、第2の電気接触層を例えば全面にわたって、第1の接触層とは反対側の半導体層の面上に塗設する。それにより、基板と、基板の上に配置された第1の電気コンタクトと、第1の電気コンタクトの上に配置されたp−i−n又はp−i−n−p−i−n又は同様の構造と、その構造の上に配置された第2の電気コンタクトとを含む層構造が提供される。
【0045】
第3の構造化ステップP3によって、この第2の電気コンタクト及び半導体層をストリップに細分化する。このために必要な溝を、好ましくは第1の溝の位置に形成する。その際、第2の構造化プロセスP2に基づく溝の横で活性半導体材料に凹部がない限り、第1の構造化ステップP1の溝の上に第2のコンタクト及び活性半導体層を形成することが好ましい。第1の電気コンタクトと第2の電気コンタクトの接触形成を実現するための凹部がある領域では、第3の構造化は、接触形成穴の傍で、第1の構造化P1に基づく溝に面していない3辺を辿って延びる。ここで、構造化溝は、光起電力素子の電気的な短絡を防止するために、途切れのない線を成さなければならない。
【0046】
接続領域の迂回構造において、従来技術に比べて有利なのは、やはり直列接続に必要な面積が小さく、したがってより大きな変換効率を実現することができることである。第1の電気接触層と第2の電気接触層との接触形成を実現するための凹部の間隔は、接続に起因する全体の損失が最小限になるように調節する。この全体の損失は、電気接触層に起因する導電損失と、材料アブレーション及び接続に起因する面積損失とからなる。
【0047】
さらに、本発明を、6つの例示的実施形態及び添付図面に基づいてより詳細に説明するが、それにより本発明を限定はしない。
【0048】
参照符号A、B、Cは光起電力素子を表し、参照符号Lは素子又は基板の長さを表す。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実用可能なソーラーモジュールとしての光起電力素子A、B、Cの製造及び点状の直列接続を示す。ここでは、活性半導体層6の構造化は、第1の構造化溝5に並列して点状に配置される。
【図2】実用可能なソーラーモジュールとしての光起電力素子A、B、Cの製造及び点状の直列接続を示す。ここでは、活性半導体層6の構造化は、第1の構造化溝5に並列して点状に配置される。
【図3】実用可能なソーラーモジュールとしての光起電力素子A、B、Cの製造及び点状の直列接続を示す。ここでは、活性半導体層6の構造化は、第1の構造化溝5に並列して点状に配置される。
【図4】実用可能なソーラーモジュールとしての光起電力素子A、B、Cの製造及び点状の直列接続を示す。ここでは、活性半導体層6の構造化は、第1の構造化溝5の蛇行した構造化領域9の内側に点状に配置される。
【図5】実用可能なソーラーモジュールとしての光起電力素子A、B、Cの製造及び点状の直列接続を示す。ここでは、活性半導体層6の構造化は、第1の構造化溝5の蛇行した構造化領域9の内側に点状に配置される。
【図6】実用可能なソーラーモジュールとしての光起電力素子A、B、Cの製造及び点状の直列接続を示す。ここでは、活性半導体層6の構造化は、第1の構造化溝5の蛇行した構造化領域9の内側に点状に配置される。
【発明を実施するための形態】
【0050】
第1の例示的実施形態
図1は、実用可能なソーラーモジュールとしての光起電力素子A、B、Cの製造及び点状の直列接続を示し、ここでは、活性半導体層6の構造化は、第1の構造化溝5に並列して点状に配置される。
【0051】
図1a)は、ソーラーモジュールでのストリップ形状の複数の光起電力素子の上面図である。部分拡大図は、互いに平行に配列されたそれぞれ3つのストリップA、B、Cを示す。図中の参照符号P1〜P3は、各溝又は点状の半導体構造化について、構造化のおおよその位置及び数を示す。ストリップ形状の光起電力素子A、B、Cは、第1及び第2の電気接触層1、3、並びにそれらの間に配置された半導体層2から形成される。
【0052】
図1b)は、この方法の出発点を示す。厚さ1ミリメートルの基板としての表板4の上に、第1のTCO電気接触層1(透明導電性酸化物)を全面にわたって塗設する。
【0053】
基板4として、底面積が100cmのガラスを選択した。第1の堆積プロセスで、その上に、ZnOからなる第1の電気接触層1を堆積した。基板4とZnOとの間に、ZnOの構造形成を改良するための機能層を配置し、基板に属するものとした(図示せず)。湿式化学的に組織化された酸化亜鉛からなる第1の電気接触層1の厚さは約800nmである。
【0054】
第1の構造化プロセスP1(図1c))において、レーザアブレーションによって第1の電気接触層1から材料を除去し、それにより、平行に配列された溝5内で基板4の表面を露出させる。すべての光起電力素子A、B、Cについて、この構造化プロセスP1を順次に行う。この目的で、レーザを相対運動させて基板4の表面上で動かす。間隔及び出力を調節して、層1の材料を除去する。
【0055】
レーザとして、波長355nmのNd:YVOレーザ(Rofin社製、型式RSY 20E THG)を選択する。この波長は、接触層1の材料を切除するのに特有のものである。パルス繰返し率15kHzで平均出力300mWを選択する。レーザ光線と基板の相対運動の速度は250mm/sである。個々のパルスのパルス持続時間は約13nsである。焦点距離が100mmの合焦ユニットによって、レーザ光線を基板4の積層側に合焦させる。ここでは、基板側から、透明な基板4を通して、アブレーションすべき層1に光線を通す。このとき、合焦した光線は、ほぼ2次元の回転対称のガウス形状の強度分布を有し、各パルスごとに直径約35μmの円形アブレーションが得られる。第1の構造化プロセスP1後には、第1の電気接触層1は、平行に配列された第1の溝5によって基板4に達するまで互いに分離されている。その結果、光起電力素子A、B、Cの平行に配列されたストリップ形状の第1の電気接触層は、溝5によって互いに電気絶縁されて基板4上に形成される。このようにして、光起電力素子A、B、Cを分離するための多数の第1の溝5を形成する(図1a右:モジュール内の垂直ストリップ参照)。
【0056】
構造化プロセスP1後には、直に隣接する2つの光起電力素子A、B又はB、Cの間にそれぞれ1本の溝5がある。構造化プロセスP1は、コンピュータ支援制御下で行う。ここで、形成すべき光起電力素子の数と同じ回数だけ構造化プロセスP1を繰り返す。ガラス基板4の辺の長さが10×10cmの場合、平行に配列された溝5が約16本形成され、それによりストリップA、B、又はC他は、幅が0.5cmとなる。
【0057】
その後、第1の電気接触層1がある側で、シリコンからなる微結晶p−i−n太陽電池2で基板4全体を被覆し、第1の電気接触層1及びまた溝5を層2のシリコンで被覆又は充填する(図1d))。活性半導体層2としての微結晶p−i−n積層体2の厚さは、約1300nmである。
【0058】
破線P2に沿った第2の構造化プロセスにより、活性半導体層2を、第1の電気接触層1の表面まで切除し、点状凹部6を形成する(図1e))。ここで、各溝ごとにそれぞれ、第1の構造化プロセスP1によって形成した溝5の右縁部の右側で材料を切除し、溝の左側に配置された光起電力素子に対する、素子Aから素子Bへと延びる点状コンタクトを形成することができるようにする(図1f及び1i))。
【0059】
第1の構造化プロセスP1とは異なり、第1の電気接触層1の表面まで達する深さの、素子の長さにわたって延びる溝を形成するために活性半導体層2をストリップ状に切除することはしない。
【0060】
レーザとして、Nd:YVOレーザ(Rofin社製、型式RSY 20E SHG)を使用する。このレーザの波長は532nmである。この波長は、半導体層2の材料の切除に特有のものである。基板4も第1の電気接触層1も、選択された固有波長532nmで高い透過性を示すので、活性半導体層2の選択的な切除が保証される。各レーザパルスのエネルギーとして約40μJが選択される。パルス繰返し率は533Hzである。レーザ光線と基板の相対運動の速度は800mm/sである。これにより、穴同士の間隔は約1.5mmとなる。個々のパルスのパルス持続時間は約13nsである。焦点距離が300mmの合焦ユニットによって、レーザ光線を基板4の積層側に合焦させる。ここでは、基板4側から、透明な基板4を通して、アブレーションすべき層に光線を通す。このとき、合焦した光線は、ほぼ2次元の回転対称のガウス形状の強度分布を有し、各パルスごとに直径約70μmの円形アブレーションが得られる。
【0061】
その結果、平行に配列されたストリップ形状の光起電力素子A、B、Cが基板4上に形成され、点状の直列接続を実現するために、後に活性の半導体層2に点状凹部6を設ける(図1f))。このようにして、光起電力素子A、B、Cの第1の電気接触層1を接触させるための多数の開口6を形成する。ここで、形成される光起電力素子の数と同じ回数だけ構造化プロセスP2を繰り返す。
【0062】
次いで、第2の電気コンタクト3の塗布を行う。活性半導体層2の上に第2の電気コンタクト3を塗設する。第2の電気接触層3として、厚さ80nmの酸化亜鉛と厚さ200nmの銀層との組合せからなる層システムを選択する。ここで、第2の電気接触層の側では、シリコン積層体2上にまず酸化亜鉛層が位置し、それに銀層が続く。
【0063】
構造化プロセスP3を行う。ここで、構造化プロセスP3に基づく溝7の形成は、第1の溝5の場所で、第1の電気接触層を接触させるための凹部6がない位置で、第2の電気接触層3とその下に位置する活性半導体層2を除去するようなものである。
【0064】
さらに、凹部6がある領域内での第2の電気接触層3とその下にある活性半導体層2の除去は、凹部6の下、上、及び右で半導体層2及び第2の電気コンタクト3の材料を除去するようなものである。この構造化ステップによって材料を除去した2つの光起電力素子A、B間の個々の領域は、2つの隣接する領域A、Bの第2のコンタクトの途切れのない絶縁を成すように関連付けられる。これにより、その後は、2つの隣接する光起電力素子A、Bの短絡が防止される(図1h、i))。
【0065】
層2及び層3から材料を切除するためのレーザとして、Nd:YVOレーザ(Rofin社製、型式RSY 20E SHG)を使用する。このレーザの波長は532nmである。この波長は、2つの層2、3の材料を切除するのに特有のものである。パルス繰返し率11kHzで平均出力410mWを選択する。レーザ光線と基板の相対運動の速度は800mm/sである。個々のパルスのパルス持続時間は約13nsである。焦点距離が300mmの合焦ユニットによって、レーザ光線を基板の積層側に合焦させる。ここでは、基板側から、透明な基板4を通して、アブレーションすべき層に光線を通す。このとき、合焦した光線は、ほぼ2次元の回転対称のガウス形状の強度分布を有し、各パルスごとに直径約70μmの円形アブレーションが得られる。ここで、凹部6の周囲のほぼU字形の絶縁区域9、及び素子の点状直列接続のためのコンタクトウェブ8が形成される。
【0066】
この構造化プロセスP3もストリップの全長に沿って行うので、大部分が溝5の上に位置し、ごく一部だけが第1の溝5に対してずらして配置された溝7が存在する。構造化プロセスP1及びP2と同じ回数だけ構造化プロセスP3を繰り返し、互いに平行に配列された多数のストリップ形状の光起電力素子の層1、2、3を、溝5及び7によって分離し、凹部6によって互いに直列接続する。
【0067】
面積が10×10cmであり、溝7が約16本ある場合、凹部6をほぼすべて1.5ミリメートルにする必要がある。
【0068】
従来技術に比べて、この例示的実施形態では、直列接続に必要な面積がはるかに小さく、したがってより高い変換効率を実現することができるという利点がある。穴6同士の間隔は、接続に起因する全体の損失が最小限になるように調節する。この全体の損失は、電気接触層1及び3に起因する導電損失と、材料アブレーション及び接続に起因する面積損失とからなる。
【0069】
第2の例示的実施形態
図2は、実用可能なソーラーモジュールとしての光起電力素子A、B、Cの製造及び点状の直列接続を示し、ここでは、活性半導体層6の構造化は、第1の構造化溝5に並列して点状に配置される。
【0070】
図2a)は、ソーラーモジュールでのストリップ形状の複数の光起電力素子の上面図である。部分拡大図は、互いに平行に配列されたそれぞれ3つのストリップA、B、Cを示す。図中の参照符号P1〜P3は、各溝又は点状の半導体構造化について、構造化のおおよその位置及び数を示す。ストリップ形状の光起電力素子A、B、Cは、第1及び第2の電気接触層1、3、並びにそれらの間に配置された半導体層2から形成される。
【0071】
図2b)は、この方法の出発点を示す。厚さ1ミリメートルの基板としての表板4の上に、第1のTCO電気接触層1(透明導電性酸化物)を全面にわたって塗設する。
【0072】
基板4として、底面積が100cmのガラスを選択した。第1の堆積プロセスで、その上に、ZnOからなる第1の電気接触層1を堆積した。基板4とZnOとの間に、ZnOの構造形成を改良するための機能層を配置し、基板に属するものとした(図示せず)。
【0073】
10×10cm大のガラス板が、この例示的実施形態の基礎となる。このガラス基板の上に、厚さ約800nmの湿式化学的に組織化された酸化亜鉛からなる第1の電気接触層1がある。
【0074】
第1の構造化プロセスP1(図2c))において、レーザアブレーションによって第1の電気接触層1から材料を除去し、それにより、平行に配列された溝5内で基板4の表面を露出させる。すべての光起電力素子A、B、Cについて、この構造化プロセスP1を順次に行う。この目的で、レーザを相対運動させて基板4の表面上で動かす。間隔及び出力を調節して、層1の材料を除去する。
【0075】
レーザとして、波長355nmのNd:YVOレーザ(Rofin社製、型式RSY 20E THG)を選択する。この波長は、接触層1の材料を切除するのに特有のものである。パルス繰返し率15kHzで平均出力300mWを選択する。レーザ光線と基板の相対運動の速度は250mm/sである。個々のパルスのパルス持続時間は約13nsである。焦点距離が100mmの合焦ユニットによって、レーザ光線を基板4の積層側に合焦させる。ここでは、基板側から、透明な基板4を通して、アブレーションすべき層1に光線を通す。このとき、合焦した光線は、ほぼ2次元の回転対称のガウス形状の強度分布を有し、各パルスごとに直径約35μmの円形アブレーションが得られる。第1の構造化プロセスP1後には、第1の電気接触層1は、平行に配列された第1の溝5によって基板4に達するまで互いに分離されている。その結果、光起電力素子A、B、Cの平行に配列されたストリップ形状の第1の電気接触層は、溝5によって互いに電気絶縁されて基板4上に形成される。このようにして、光起電力素子A、B、Cを分離するための多数の第1の溝5を形成する(図2a右:モジュール内の垂直ストリップ参照)。
【0076】
構造化プロセスP1後には、直に隣接する2つの光起電力素子A、B又はB、Cの間にそれぞれ1本の溝5がある。構造化プロセスP1は、コンピュータ支援制御下で行う。ここで、形成すべき光起電力素子の数と同じ回数だけ構造化プロセスP1を繰り返す。ガラス基板4の辺の長さが10×10cmの場合、平行に配列された溝5が約16本形成され、それによりストリップA、B、又はC他は、幅が0.5cmとなる。
【0077】
その後、第1の電気接触層1がある側で、シリコンからなる微結晶p−i−n太陽電池2で基板4全体を被覆し、第1の電気接触層1及びまた溝5を層2のシリコンで被覆又は充填する(図2d))。活性半導体層2としての微結晶p−i−n積層体2の厚さは、ここでは全体として約1300nmである。
【0078】
破線P2に沿った第2の構造化プロセスにより、活性半導体層2を、第1の電気接触層1の表面まで切除し、点状凹部6を形成する(図2e))。ここで、各溝ごとにそれぞれ、第1の構造化プロセスP1によって形成した溝5の右縁部の右側で材料を切除し、溝の左側に配置された光起電力素子に対する、素子Aから素子Bへと延びる点状コンタクトを形成することができるようにする(図2f))。
【0079】
第1の構造化プロセスP1とは異なり、第1の電気接触層1の表面まで達する深さの連続的な溝を形成するために(従来技術と同様に)素子の長さにわたって活性半導体層2をストリップ状に切除することはしない。
【0080】
レーザとして、Nd:YVOレーザ(Rofin社製、型式RSY 20E SHG)を使用する。このレーザの波長は532nmである。この波長は、半導体層2の材料の切除に特有のものである。基板4も第1の電気接触層1も、選択された固有波長532nmで高い透過性を示すので、活性半導体層2の選択的な切除が保証される。各レーザパルスのエネルギーとして約40μJが選択される。パルス繰返し率は、800Hzである。レーザ光線と基板の相対運動の速度は800mm/sである。これにより、穴同士の間隔は1mmとなる。個々のパルスのパルス持続時間は約13nsである。焦点距離が300mmの合焦ユニットによって、レーザ光線を基板4の積層側に合焦させる。ここでは、基板4側から、透明な基板4を通して、アブレーションすべき層に光線を通す。このとき、合焦した光線は、ほぼ2次元の回転対称のガウス形状の強度分布を有し、各パルスごとに直径約70μmの円形アブレーションが得られる。
【0081】
その結果、平行に配列されたストリップ形状の光起電力素子A、B、Cが基板4上に形成され、点状の直列接続を実現するために、後に活性の半導体層2に点状凹部6を設ける(図2f))。このようにして、光起電力素子A、B、Cの第1の電気接触層1を接触させるための多数の開口6を形成する。ここで、形成される光起電力素子の数と同じ回数だけ構造化プロセスP2を繰り返す。
【0082】
次いで、第2の電気コンタクト3の塗布を行う。活性半導体層2の上に第2の電気コンタクト3を塗設する。第2の電気接触層3として、厚さ80nmの酸化亜鉛と厚さ200nmの銀層との組合せからなる層システムを選択する。ここで、第2の電気接触層の側では、シリコン積層体2上にまず酸化亜鉛層が位置し、それに銀層が続く(図2g))。
【0083】
構造化プロセスP3を行う。ここで、構造化プロセスP3に基づく溝7の形成は、第1の溝5の場所からわずかにずらして、第1の電気接触層を接触させるための凹部6がない位置で、第2の電気接触層3とその下に位置する活性半導体層2を除去するようなものである。ここで、溝7は、溝5に対して凹部6の方向に約150μmずらす(図2h、i))。
【0084】
さらに、凹部6がある領域内での第2の電気接触層3とその下にある活性半導体層2の除去は、凹部6の下、上、及び右で半導体層2及び第2の電気コンタクト3の材料を除去するようなものである。この構造化ステップによって材料を除去した2つの光起電力素子A、B間の個々の領域は、2つの隣接する領域A、Bの第2のコンタクトの途切れのない絶縁を成すように関連付けられる。これにより、その後は、2つの隣接する光起電力素子A、Bの短絡が防止される。
【0085】
層2及び層3から材料を切除するためのレーザとして、Nd:YVOレーザ(Rofin社製、型式RSY 20E SHG)を使用する。このレーザの波長は532nmである。この波長は、2つの層2、3の材料を切除するのに特有のものである。パルス繰返し率11kHzで平均出力410mWを選択する。レーザ光線と基板の相対運動の速度は800mm/sである。個々のパルスのパルス持続時間は約13nsである。焦点距離が300mmの合焦ユニットによって、レーザ光線を基板の積層側に合焦させる。ここでは、基板側から、透明な基板4を通して、アブレーションすべき層に光線を通す。このとき、合焦した光線は、ほぼ2次元の回転対称のガウス形状の強度分布を有し、各パルスごとに直径約70μmの円形アブレーションが得られる。ここで、素子の点状直列接続のための凹部の周囲にほぼU字形の絶縁区域9が形成される。
【0086】
この構造化プロセスP3もストリップの全長に沿って行うので、第1の溝5に対してずらして配置された溝7が存在する。構造化プロセスP1及びP2と同じ回数だけ構造化プロセスP3を繰り返し、互いに平行に配列された多数のストリップ形状の光起電力素子の層1、2、3を、溝5及び7によって分離し、凹部6によって互いに直列接続する。
【0087】
面積が10×10cmであり、溝7が約16本ある場合、凹部6をほぼすべて1ミリメートルにする必要がある。
【0088】
従来技術に比べて、この例示的実施形態では、直列接続に必要な面積が小さく、したがってより高い変換効率を実現することができるという利点がある。穴6同士の間隔は、接続に起因する全体の損失が最小限になるように調節する。この全体の損失は、電気接触層1及び3に起因する導電損失と、材料アブレーション及び接続に起因する面積損失とからなる。
【0089】
第3の例示的実施形態
図3は、実用可能なソーラーモジュールとしての光起電力素子A、B、Cの製造及び点状の直列接続を示し、ここでは、活性半導体層6の構造化は、第1の構造化溝5に並列して点状に配置される。
【0090】
図3a)は、ソーラーモジュールでのストリップ形状の複数の光起電力素子の上面図である。部分拡大図は、互いに平行に配列されたそれぞれ3つのストリップA、B、Cを示す。図中の参照符号P1〜P3は、各溝又は点状の半導体構造化について、構造化のおおよその位置及び数を示す。ストリップ形状の光起電力素子A、B、Cは、第1及び第2の電気接触層1、3、並びにそれらの間に配置された半導体層2から形成される。
【0091】
図3b)は、この方法の出発点を示す。厚さ1ミリメートルの基板としての表板4の上に、第1のTCO電気接触層1(透明導電性酸化物)を全面にわたって塗設する。
【0092】
基板4として、底面積が100cmのガラスを選択した。第1の堆積プロセスで、その上に、ZnOからなる第1の電気接触層1を堆積した。基板4とZnOとの間に、ZnOの構造形成を改良するための機能層を配置し、基板に属するものとした(図示せず)。
【0093】
10×10cm大のガラス板が、この例示的実施形態の基礎となる。このガラス基板の上に、厚さ約800nmの湿式化学的に組織化された酸化亜鉛からなる第1の電気接触層1がある。
【0094】
第1の構造化プロセスP1(図3c))において、レーザアブレーションによって第1の電気接触層1から材料を除去し、それにより、平行に配列された溝5内で基板4の表面を露出させる。すべての光起電力素子A、B、Cについて、この構造化プロセスP1を順次に行う。この目的で、レーザを相対運動させて基板4の表面上で動かす。間隔及び出力を調節して、層1の材料を除去する。
【0095】
レーザとして、波長355nmのNd:YVOレーザ(Rofin社製、型式RSY 20E THG)を選択する。この波長は、接触層1の材料を切除するのに特有のものである。パルス繰返し率15kHzで平均出力300mWを選択する。レーザ光線と基板の相対運動の速度は250mm/sである。個々のパルスのパルス持続時間は約13nsである。焦点距離が100mmの合焦ユニットによって、レーザ光線を基板4の積層側に合焦させる。ここでは、基板側から、透明な基板4を通して、アブレーションすべき層1に光線を通す。このとき、合焦した光線は、ほぼ2次元の回転対称のガウス形状の強度分布を有し、各パルスごとに直径約35μmの円形アブレーションが得られる。第1の構造化プロセスP1後には、第1の電気接触層1は、平行に配列された第1の溝5によって基板4に達するまで互いに分離されている。その結果、光起電力素子A、B、Cの平行に配列されたストリップ形状の第1の電気接触層は、溝5によって互いに電気絶縁されて基板4上に形成される。このようにして、光起電力素子A、B、Cを分離するための多数の第1の溝5を形成する(図3a右:モジュール内の垂直ストリップ参照)。
【0096】
構造化プロセスP1後には、直に隣接する2つの光起電力素子A、B又はB、Cの間にそれぞれ1本の溝5がある。構造化プロセスP1は、コンピュータ支援制御下で行う。ここで、形成すべき光起電力素子の数と同じ回数だけ構造化プロセスP1を繰り返す。ガラス基板4の辺の長さが10×10cmの場合、平行に配列された溝5が約16本形成され、それによりストリップA、B、又はC他は、幅が0.5cmとなる。
【0097】
その後、第1の電気接触層1がある側で、シリコンからなる微結晶p−i−n太陽電池2で基板4全体を被覆し、第1の電気接触層1及びまた溝5を層2のシリコンで被覆又は充填する(図3d))。活性半導体層2としての微結晶p−i−n積層体2の厚さは、ここでは全体として約1300nmである。
【0098】
破線P2に沿った第2の構造化プロセスにより、活性半導体層2を、第1の電気接触層1の表面まで切除し、点状凹部6を形成する(図3e))。ここで、各溝ごとにそれぞれ、第1の構造化プロセスP1によって形成した溝5の右縁部の右側で材料を切除し、溝の左側に配置された光起電力素子に対する、素子Aから素子Bへと延びる点状コンタクトを形成することができるようにする(図3f))。
【0099】
第1の構造化プロセスP1とは異なり、第1の電気接触層1の表面まで達する深さの連続的な溝を形成するために活性半導体層2をストリップ状に切除することはしない。
【0100】
レーザとして、Nd:YVOレーザ(Rofin社製、型式RSY 20E SHG)を使用する。このレーザの波長は532nmである。この波長は、半導体層2の材料の切除に特有のものである。基板4も第1の電気接触層1も、選択された固有波長532nmで高い透過性を示すので、活性半導体層2の選択的な切除が保証される。各レーザパルスのエネルギーとして約40μJが選択される。パルス繰返し率は533Hzである。レーザ光線と基板の相対運動の速度は800mm/sである。これにより、穴同士の間隔は1.5mmとなる。個々のパルスのパルス持続時間は約13nsである。焦点距離が300mmの合焦ユニットによって、レーザ光線を基板4の積層側に合焦させる。ここでは、基板4側から、透明な基板4を通して、アブレーションすべき層に光線を通す。このとき、合焦した光線は、ほぼ2次元の回転対称のガウス形状の強度分布を有し、各パルスごとに直径約70μmの円形アブレーションが得られる。
【0101】
その結果、平行に配列されたストリップ形状の光起電力素子A、B、Cが基板4上に形成され、点状の直列接続を実現するために、後に活性の半導体層2に点状凹部6を設ける(図3f))。このようにして、光起電力素子A、B、Cの第1の電気接触層1を接触させるための多数の開口6を形成する。ここで、形成される光起電力素子の数と同じ回数だけ構造化プロセスP2を繰り返す。
【0102】
次いで、第2の電気コンタクト3の塗布を行う。活性半導体層2の上に第2の電気コンタクト3を塗設する。第2の電気接触層3として、厚さ80nmの酸化亜鉛と厚さ200nmの銀層との組合せからなる層システムを選択する。ここで、第2の電気接触層の側では、シリコン積層体2上にまず酸化亜鉛層が位置し、それに銀層が続く。
【0103】
構造化プロセスP3を行う。ここで、構造化プロセスP3に基づく溝7の形成は、第1の溝5の場所からわずかにずらして、第1の電気接触層を接触させるための凹部6がない位置で、第2の電気接触層3とその下に位置する活性半導体層2を除去するようなものである。ここで、溝7は、溝5に対して凹部6がずれている方向とは逆の方向に約150μmずれている。
【0104】
さらに、凹部6がある領域内での第2の電気接触層3とその下にある活性半導体層2の除去は、凹部6の下、上、及び右で半導体層2及び第2の電気コンタクト3の材料を除去するようなものである。この構造化ステップによって材料を除去した2つの光起電力素子A、B間の個々の領域は、2つの隣接する領域A、Bの第2のコンタクトの途切れのない絶縁を成すように関連付けられる。これにより、その後は、2つの隣接する光起電力素子A、Bの短絡が防止される(図3h、i))。
【0105】
層2及び層3から材料を切除するためのレーザとして、Nd:YVOレーザ(Rofin社製、型式RSY 20E SHG)を使用する。このレーザの波長は532nmである。この波長は、2つの層2、3の材料を切除するのに特有のものである。パルス繰返し率11kHzで平均出力410mWを選択する。レーザ光線と基板の相対運動の速度は800mm/sである。個々のパルスのパルス持続時間は約13nsである。焦点距離が300mmの合焦ユニットによって、レーザ光線を基板の積層側に合焦させる。ここでは、基板側から、透明な基板4を通して、アブレーションすべき層に光線を通す。このとき、合焦した光線は、ほぼ2次元の回転対称のガウス形状の強度分布を有し、各パルスごとに直径約70μmの円形アブレーションが得られる。ここで、凹部6の周囲のほぼU字形の絶縁区域9、及び素子の点状直列接続のためのコンタクトウェブ8が形成される。
【0106】
この構造化プロセスP3もストリップの全長に沿って行うので、第1の溝5に対してずらして配置された溝7が存在する。構造化プロセスP1及びP2と同じ回数だけ構造化プロセスP3を繰り返し、互いに平行に配列された多数のストリップ形状の光起電力素子の層1、2、3を、溝5及び7によって分離し、凹部6によって互いに直列接続する。
【0107】
面積が10×10cmであり、溝7が約16本ある場合、凹部6をほぼすべて1.5ミリメートルにする必要がある。
【0108】
従来技術に比べて、この例示的実施形態では、直列接続に必要な面積が小さく、したがってより高い変換効率を実現することができるという利点がある。穴6同士の間隔は、接続に起因する全体の損失が最小限になるように調節する。この全体の損失は、電気接触層1及び3に起因する導電損失と、材料アブレーション及び接続に起因する面積損失とからなる。
【0109】
第4の例示的実施形態
図4は、実用可能なソーラーモジュールとしての光起電力素子A、B、Cの製造及び点状の直列接続を示し、ここでは、活性半導体層6の構造化は、第1の構造化溝5の蛇行した構造化領域9の内側に点状に配置される。
【0110】
図4a)は、ソーラーモジュールでのストリップ形状の複数の光起電力素子の上面図である。部分拡大図は、互いに平行に配列されたそれぞれ3つのストリップA、B、Cを示す。図中の参照符号P1〜P3は、各溝又は点状の半導体構造化について、構造化のおおよその位置及び数を示す。ストリップ形状の光起電力素子A、B、Cは、第1及び第2の電気接触層1、3、並びにそれらの間に配置された半導体層2から形成される。
【0111】
図4b)は、この方法の出発点を示す。厚さ1ミリメートルの基板としての表板4の上に、第1のTCO電気接触層1(透明導電性酸化物)を全面にわたって塗設する。
【0112】
基板4として、底面積が100cmのガラスを選択した。第1の堆積プロセスで、その上に、ZnOからなる第1の電気接触層1を堆積した。基板4とZnOとの間に、ZnOの構造形成を改良するための機能層を配置し、基板に属するものとした(図示せず)。
【0113】
10×10cm大のガラス板が、この例示的実施形態の基礎となる。このガラス基板の上に、厚さ約800nmの湿式化学的に組織化された酸化亜鉛からなる第1の電気接触層1がある。
【0114】
第1の構造化プロセスP1(図4c))において、レーザアブレーションによって第1の電気接触層1から材料を除去し、それにより、加工された領域5内で基板4の表面を露出させる。基板上を蛇行するようにレーザ光線を動かし、それにより、第1の電気コンタクト内にコンタクトウェブ8を形成する(図4d))。U字形の突出部同士の間隔は1.5mmである。すべての光起電力素子A、B、Cについて、この構造化プロセスP1を順次に行う。この目的で、レーザを相対運動させて基板4の表面上で動かす。間隔及び出力を調節して、層1の材料を除去する。
【0115】
レーザとして、波長355nmのNd:YVOレーザ(Rofin社製、型式RSY 20E THG)を選択する。この波長は、接触層1の材料を切除するのに特有のものである。パルス繰返し率15kHzで平均出力300mWを選択する。レーザ光線と基板の相対運動の速度は250mm/sである。個々のパルスのパルス持続時間は約13nsである。焦点距離が100mmの合焦ユニットによって、レーザ光線を基板4の積層側に合焦させる。ここでは、基板側から、透明な基板4を通して、アブレーションすべき層1に光線を通す。このとき、合焦した光線は、ほぼ2次元の回転対称のガウス形状の強度分布を有し、各パルスごとに直径約35μmの円形アブレーションが得られる。第1の構造化プロセスP1後には、第1の電気接触層1は、平行に配列された第1の溝5によって基板4に達するまで互いに分離されている。その結果、光起電力素子A、B、Cの平行に配列されたストリップ形状の第1の電気接触層は、溝5によって互いに電気絶縁されて基板4上に形成される。このようにして、光起電力素子A、B、Cを分離するための多数の第1の溝5を形成する(図4a右:モジュール内の垂直ストリップ参照)。
【0116】
構造化プロセスP1後には、直に隣接する2つの光起電力素子A、B又はB、Cの間にそれぞれ1本ずつ、U字形の突出部を有する溝5がある。構造化プロセスP1は、コンピュータ支援制御下で行う。ここで、形成すべき光起電力素子の数と同じ回数だけ構造化プロセスP1を繰り返す。ガラス基板4の辺の長さが10×10cmの場合、平行に配列された溝5が約16本形成され、それによりストリップA、B、又はC他は、幅が0.5cmとなる。
【0117】
その後、第1の電気接触層1がある側で、シリコンからなる微結晶p−i−n太陽電池2で基板4全体を被覆し、第1の電気接触層1及びまた溝5を層2のシリコンで被覆又は充填する(図5e))。活性半導体層2としての微結晶p−i−n積層体2の厚さは、ここでは全体として約1300nmである。
【0118】
破線P2に沿った第2の構造化プロセスにより、活性半導体層2を、第1の電気接触層1の表面まで切除し、点状凹部6を形成する(図5f))。ここで、コンタクトウェブ8の領域内に点状凹部6を形成して(図5g))、隣接する光起電力素子間の、素子Aから素子Bへと延びる点状コンタクトを形成することができるようにする。
【0119】
第1の構造化プロセスP1とは異なり、第1の電気接触層1の表面まで達する深さの連続的な溝を形成するために活性半導体層2を途切れなく切除することはしない。
【0120】
レーザとして、Nd:YVOレーザ(Rofin社製、型式RSY 20E SHG)を使用する。このレーザの波長は532nmである。この波長は、半導体層2の材料の切除に特有のものである。基板4も第1の電気接触層1も、選択された固有波長532nmで高い透過性を示すので、活性半導体層2の選択的な切除が保証される。各レーザパルスのエネルギーとして約40μJが選択される。パルス繰返し率は533Hzである。レーザ光線と基板の相対運動の速度は800mm/sである。これにより、穴同士の間隔は1.5ミリメートルとなる。個々のパルスのパルス持続時間は約13nsである。焦点距離が300mmの合焦ユニットによって、レーザ光線を基板4の積層側に合焦させる。ここでは、基板4側から、透明な基板4を通して、アブレーションすべき層に光線を通す。このとき、合焦した光線は、ほぼ2次元の回転対称のガウス形状の強度分布を有し、各パルスごとに直径約70μmの円形アブレーションが得られる。
【0121】
その結果、平行に配列されたストリップ形状の光起電力素子A、B、Cが基板4上に形成され、点状の直列接続を実現するために、後に活性の半導体層2に点状凹部6を設ける。このようにして、光起電力素子A、B、Cの第1の電気接触層1を接触させるための多数の開口6を形成する。ここで、形成される光起電力素子の数と同じ回数だけ構造化プロセスP2を繰り返す。
【0122】
次いで、第2の電気コンタクト3の塗布を行う。活性半導体層2の上に第2の電気コンタクト3を塗設する。第2の電気接触層3として、厚さ80nmの酸化亜鉛と厚さ200nmの銀層との組合せからなる層システムを選択する。ここで、第2の電気接触層の側では、シリコン積層体2上にまず酸化亜鉛層が位置し、それに銀層が続く(図4h))。
【0123】
構造化プロセスP3を行う。ここで、構造化プロセスP3に基づく溝7の形成は、第1の溝5の場所で、第1の電気接触層を接触させるための凹部6がなく、かつコンタクトウェブ8もない位置で、第2の電気接触層3とその下に位置する活性半導体層2を除去するようなものである。
【0124】
さらに、コンタクトウェブ8の領域内で溝7を直線状にさらに延ばし、それにより、ここで電気接触層3とその下にある活性半導体層を除去し、その下にある第1の電気コンタクト1を露出させる(図4i、j))。直線状の溝7は、隣接する2つの領域A、Bの第2の電気コンタクトを途切れなく絶縁する。これにより、その後は、2つの隣接する光起電力素子A、Bの短絡が防止される。
【0125】
層2及び層3から材料を切除するためのレーザとして、Nd:YVOレーザ(Rofin社製、型式RSY 20E SHG)を使用する。このレーザの波長は532nmである。この波長は、2つの層2、3の材料を切除するのに特有のものである。パルス繰返し率11kHzで平均出力410mWを選択する。レーザ光線と基板の相対運動の速度は800mm/sである。個々のパルスのパルス持続時間は約13nsである。焦点距離が300mmの合焦ユニットによって、レーザ光線を基板の積層側に合焦させる。ここでは、基板側から、透明な基板4を通して、アブレーションすべき層に光線を通す。このとき、合焦した光線は、ほぼ2次元の回転対称のガウス形状の強度分布を有し、各パルスごとに直径約70μmの円形アブレーションが得られる。
【0126】
この構造化プロセスP3もストリップの全長に沿って行うので、部分的に溝5の上にある溝7が存在する。構造化プロセスP1及びP2と同じ回数だけ構造化プロセスP3を繰り返し、互いに平行に配列された多数のストリップ形状の光起電力素子の層1、2、3を、溝5及び7によって分離し、凹部6によって互いに直列接続する。
【0127】
面積が10×10cmであり、溝7が約16本ある場合、凹部6をほぼすべて1.5ミリメートルにする必要がある。
【0128】
従来技術に比べて、この例示的実施形態では、直列接続に必要な面積が小さく、したがってより高い変換効率を実現することができるという利点がある。穴6同士の間隔は、接続に起因する全体の損失が最小限になるように調節する。この全体の損失は、電気接触層1及び3に起因する導電損失と、材料アブレーション及び接続に起因する面積損失とからなる。
【0129】
第5の例示的実施形態
図5は、実用可能なソーラーモジュールとしての光起電力素子A、B、Cの製造及び点状の直列接続を示し、ここでは、活性半導体層6の構造化は、第1の構造化溝5の蛇行した構造化領域9の内側に点状に配置される。
【0130】
図5a)は、ソーラーモジュールでのストリップ形状の複数の光起電力素子の上面図である。部分拡大図は、互いに平行に配列されたそれぞれ3つのストリップA、B、Cを示す。図中の参照符号P1〜P3は、各溝又は点状の半導体構造化について、構造化のおおよその位置及び数を示す。ストリップ形状の光起電力素子A、B、Cは、第1及び第2の電気接触層1、3、並びにそれらの間に配置された半導体層2から形成される。
【0131】
図5b)は、この方法の出発点を示す。厚さ1ミリメートルの基板としての表板4の上に、第1のTCO電気接触層1(透明導電性酸化物)を全面にわたって塗設する。
【0132】
基板4として、底面積が100cmのガラスを選択した。第1の堆積プロセスで、その上に、ZnOからなる第1の電気接触層1を堆積した。基板4とZnOとの間に、ZnOの構造形成を改良するための機能層を配置し、基板に属するものとした(図示せず)。
【0133】
10×10cm大のガラス板が、この例示的実施形態の基礎となる。このガラス基板の上に、厚さ約800nmの湿式化学的に組織化された酸化亜鉛からなる第1の電気接触層1がある。
【0134】
第1の構造化プロセスP1(図5c))において、レーザアブレーションによって第1の電気接触層1から材料を除去し、それにより、加工された領域5内で基板4の表面を露出させる。基板上を蛇行するようにレーザ光線を動かし、それにより、第1の電気コンタクト内にコンタクトウェブ8を形成する(図5d))。U字形の突出部同士の間隔は1.5mmである。すべての光起電力素子A、B、Cについて、この構造化プロセスP1を順次に行う。この目的で、レーザを相対運動させて基板4の表面上で動かす。間隔及び出力を調節して、層1の材料を除去する。
【0135】
レーザとして、波長355nmのNd:YVOレーザ(Rofin社製、型式RSY 20E THG)を選択する。この波長は、接触層1の材料を切除するのに特有のものである。パルス繰返し率15kHzで平均出力300mWを選択する。レーザ光線と基板の相対運動の速度は250mm/sである。個々のパルスのパルス持続時間は約13nsである。焦点距離が100mmの合焦ユニットによって、レーザ光線を基板4の積層側に合焦させる。ここでは、基板側から、透明な基板4を通して、アブレーションすべき層1に光線を通す。このとき、合焦した光線は、ほぼ2次元の回転対称のガウス形状の強度分布を有し、各パルスごとに直径約35μmの円形アブレーションが得られる。第1の構造化プロセスP1後には、第1の電気接触層1は、平行に配列された第1の溝5によって基板4に達するまで互いに分離されている。その結果、光起電力素子A、B、Cの平行に配列されたストリップ形状の第1の電気接触層は、溝5によって互いに電気絶縁されて基板4上に形成される。このようにして、光起電力素子A、B、Cを分離するための多数の第1の溝5を形成する(図5a右:モジュール内の垂直ストリップ参照)。
【0136】
構造化プロセスP1後には、直に隣接する2つの光起電力素子A、B又はB、Cの間にそれぞれ1本ずつ、U字形の突出部を有する溝5がある。構造化プロセスP1は、コンピュータ支援制御下で行う。ここで、形成すべき光起電力素子の数と同じ回数だけ構造化プロセスP1を繰り返す。ガラス基板4の辺の長さが10×10cmの場合、平行に配列された溝5が約16本形成され、それによりストリップA、B、又はC他は、幅が0.5cmとなる。
【0137】
その後、第1の電気接触層1がある側で、シリコンからなる微結晶p−i−n太陽電池2で基板4全体を被覆し、第1の電気接触層1及びまた溝5を層2のシリコンで被覆又は充填する(図5e))。活性半導体層2としての微結晶p−i−n積層体2の厚さは、ここでは全体として約1300nmである。
【0138】
破線P2に沿った第2の構造化プロセスにより、活性半導体層2を、第1の電気接触層1の表面まで切除し、点状凹部6を形成する(図5f))。ここで、コンタクトウェブ8の領域内に点状凹部6を形成して(図5g))、隣接する光起電力素子間の、素子Aから素子Bへと延びる点状コンタクトを形成することができるようにする。
【0139】
第1の構造化プロセスP1とは異なり、第1の電気接触層1の表面まで達する深さの連続的な溝を形成するために活性半導体層2を途切れなく切除することはしない。
【0140】
レーザとして、Nd:YVOレーザ(Rofin社製、型式RSY 20E SHG)を使用する。このレーザの波長は532nmである。この波長は、半導体層2の材料の切除に特有のものである。基板4も第1の電気接触層1も、選択された固有波長532nmで高い透過性を示すので、活性半導体層2の選択的な切除が保証される。各レーザパルスのエネルギーとして約40μJが選択される。パルス繰返し率は533Hzである。レーザ光線と基板の相対運動の速度は800mm/sである。これにより、凹部同士の間隔は1.5ミリメートルとなる。個々のパルスのパルス持続時間は約13nsである。焦点距離が300mmの合焦ユニットによって、レーザ光線を基板4の積層側に合焦させる。ここでは、基板4側から、透明な基板4を通して、アブレーションすべき層に光線を通す。このとき、合焦した光線は、ほぼ2次元の回転対称のガウス形状の強度分布を有し、各パルスごとに直径約70μmの円形アブレーションが得られる。
【0141】
その結果、平行に配列されたストリップ形状の光起電力素子A、B、Cが基板4上に形成され、点状の直列接続を実現するために、後に活性の半導体層2に点状凹部6を設ける。このようにして、光起電力素子A、B、Cの第1の電気接触層1を接触させるための多数の開口6を形成する。ここで、形成される光起電力素子の数と同じ回数だけ構造化プロセスP2を繰り返す。
【0142】
次いで、第2の電気コンタクト3の塗布を行う。活性半導体層2の上に第2の電気コンタクト3を塗設する。第2の電気接触層3として、厚さ80nmの酸化亜鉛と厚さ200nmの銀層との組合せからなる層システムを選択する。ここで、第2の電気接触層の側では、シリコン積層体2上にまず酸化亜鉛層が位置し、それに銀層が続く(図5h))。
【0143】
構造化プロセスP3を行う。ここで、構造化プロセスP3に基づく溝7の形成は、第1の溝5の場所からずらして、第2の電気接触層3とその下に位置する活性半導体層2を直線状に除去するようなものである。すなわち、層2及び層3の蛇行した切除は行わない。溝5の非蛇行領域に対して、凹部6がない方向に溝7をずらす(図5i、j))。ずれ量は約150μmである。このプロセスは、第1の電気コンタクト1を露出させるように行う。直線状の溝7は、隣接する2つの領域A、Bの第2の電気コンタクトを途切れなく絶縁する。これにより、その後は、2つの隣接する光起電力素子A、Bの短絡が防止される。
【0144】
層2及び層3から材料を切除するためのレーザとして、Nd:YVOレーザ(Rofin社製、型式RSY 20E SHG)を使用する。このレーザの波長は532nmである。この波長は、2つの層2、3の材料を切除するのに特有のものである。パルス繰返し率11kHzで平均出力410mWを選択する。レーザ光線と基板の相対運動の速度は800mm/sである。個々のパルスのパルス持続時間は約13nsである。焦点距離が300mmの合焦ユニットによって、レーザ光線を基板の積層側に合焦させる。ここでは、基板側から、透明な基板4を通して、アブレーションすべき層に光線を通す。このとき、合焦した光線は、ほぼ2次元の回転対称のガウス形状の強度分布を有し、各パルスごとに直径約70μmの円形アブレーションが得られる。
【0145】
この構造化プロセスP3もストリップの全長に沿って行う。構造化プロセスP1及びP2と同じ回数だけ構造化プロセスP3を繰り返し、互いに平行に配列された多数のストリップ形状の光起電力素子の層1、2、3を、溝5及び7によって分離し、凹部6によって互いに直列接続する。
【0146】
面積が10×10cmであり、溝7が約16本ある場合、凹部6をほぼすべて1.5ミリメートルにする必要がある。
【0147】
従来技術に比べて、この例示的実施形態では、直列接続に必要な面積が小さく、したがってより高い変換効率を実現することができるという利点がある。穴6同士の間隔は、接続に起因する全体の損失が最小限になるように調節する。この全体の損失は、電気接触層1及び3に起因する導電損失と、材料アブレーション及び接続に起因する面積損失とからなる。
【0148】
第6の例示的実施形態
図6は、実用可能なソーラーモジュールとしての光起電力素子A、B、Cの製造及び点状の直列接続を示し、ここでは、活性半導体層6の構造化は、第1の構造化溝5の蛇行した構造化領域9の内側に点状に配置される。
【0149】
図6a)は、ソーラーモジュールでのストリップ形状の複数の光起電力素子の上面図である。部分拡大図は、互いに平行に配列されたそれぞれ3つのストリップA、B、Cを示す。図中の参照符号P1〜P3は、各溝又は各点状半導体構造化について、構造化のおおよその位置及び数を示す。ストリップ形状の光起電力素子A、B、Cは、第1及び第2の電気接触層1、3、並びにそれらの間に配置された半導体層2から形成される。
【0150】
図6b)は、この方法の出発点を示す。厚さ1ミリメートルの基板としての表板4の上に、第1のTCO電気接触層1(透明導電性酸化物)を全面にわたって塗設する。
【0151】
基板4として、底面積が100cmのガラスを選択した。第1の堆積プロセスで、その上に、ZnOからなる第1の電気接触層1を堆積した。基板4とZnOとの間に、ZnOの構造形成を改良するための機能層を配置し、基板に属するものとした(図示せず)。
【0152】
10×10cm大のガラス板が、この例示的実施形態の基礎となる。このガラス基板の上に、厚さ約800nmの湿式化学的に組織化された酸化亜鉛からなる第1の電気接触層1がある。
【0153】
第1の構造化プロセスP1(図6c))において、レーザアブレーションによって第1の電気接触層1から材料を除去し、それにより、加工された領域5内で基板4の表面を露出させる。基板上を蛇行するようにレーザ光線を動かし、それにより、第1の電気コンタクト内にコンタクトウェブ8を形成する(図6d))。U字形の突出部同士の間隔は1.5mmである。すべての光起電力素子A、B、Cについて、この構造化プロセスP1を順次に行う。この目的で、レーザを相対運動させて基板4の表面上で動かす。間隔及び出力を調節して、層1の材料を除去する。
【0154】
レーザとして、波長355nmのNd:YVOレーザ(Rofin社製、型式RSY 20E THG)を選択する。この波長は、接触層1の材料を切除するのに特有のものである。パルス繰返し率15kHzで平均出力300mWを選択する。レーザ光線と基板の相対運動の速度は250mm/sである。個々のパルスのパルス持続時間は約13nsである。焦点距離が100mmの合焦ユニットによって、レーザ光線を基板4の積層側に合焦させる。ここでは、基板側から、透明な基板4を通して、アブレーションすべき層1に光線を通す。このとき、合焦した光線は、ほぼ2次元の回転対称のガウス形状の強度分布を有し、各パルスごとに直径約35μmの円形アブレーションが得られる。第1の構造化プロセスP1後には、第1の電気接触層1は、平行に配列された第1の溝5によって基板4に達するまで互いに分離されている。その結果、光起電力素子A、B、Cの平行に配列されたストリップ形状の第1の電気接触層は、溝5によって互いに電気絶縁されて基板4上に形成される。このようにして、光起電力素子A、B、Cを分離するための多数の第1の溝5を形成する(図6a右:モジュール内の垂直ストリップ参照)。
【0155】
構造化プロセスP1後には、直に隣接する2つの光起電力素子A、B又はB、Cの間にそれぞれ1本ずつ、U字形の突出部を有する溝5がある。構造化プロセスP1は、コンピュータ支援制御下で行う。ここで、形成すべき光起電力素子の数と同じ回数だけ構造化プロセスP1を繰り返す。ガラス基板4の辺の長さが10×10cmの場合、平行に配列された溝5が約16本形成され、それによりストリップA、B、又はC他は、幅が0.5cmとなる。
【0156】
その後、第1の電気接触層1がある側で、シリコンからなる微結晶p−i−n太陽電池2で基板4全体を被覆し、第1の電気接触層1及びまた溝5を層2のシリコンで被覆又は充填する(図6e))。活性半導体層2としての微結晶p−i−n積層体2の厚さは、ここでは全体として約1300nmである。
【0157】
破線P2に沿った第2の構造化プロセスにより、活性半導体層2を、第1の電気接触層1の表面まで切除し、点状凹部6を形成する(図6f))。ここで、コンタクトウェブ8の領域内に、素子Aから素子Bへと延びる点状凹部6を形成して(図6g))、隣接する光起電力素子間の点状コンタクトを形成することができるようにする。
【0158】
第1の構造化プロセスP1とは異なり、第1の電気接触層1の表面まで達する深さの連続的な溝を形成するために活性半導体層2を途切れなく切除することはしない。
【0159】
レーザとして、Nd:YVOレーザ(Rofin社製、型式RSY 20E SHG)を使用する。このレーザの波長は532nmである。この波長は、半導体層2の材料の切除に特有のものである。基板4も第1の電気接触層1も、選択された固有波長532nmで高い透過性を示すので、活性半導体層2の選択的な切除が保証される。各レーザパルスのエネルギーとして約40μJが選択される。パルス繰返し率は533Hzである。レーザ光線と基板の相対運動の速度は800mm/sである。これにより、穴同士の間隔は1.5ミリメートルとなる。個々のパルスのパルス持続時間は約13nsである。焦点距離が300mmの合焦ユニットによって、レーザ光線を基板4の積層側に合焦させる。ここでは、基板4側から、透明な基板4を通して、アブレーションすべき層に光線を通す。このとき、合焦した光線は、ほぼ2次元の回転対称のガウス形状の強度分布を有し、各パルスごとに直径約70μmの円形アブレーションが得られる。
【0160】
その結果、平行に配列されたストリップ形状の光起電力素子A、B、Cが基板4上に形成され、点状の直列接続を実現するために、後に活性の半導体層2に点状凹部6を設ける。このようにして、光起電力素子A、B、Cの第1の電気接触層1を接触させるための多数の開口6を形成する。ここで、形成される光起電力素子の数と同じ回数だけ構造化プロセスP2を繰り返す。
【0161】
次いで、第2の電気コンタクト3の塗布を行う。活性半導体層2の上に第2の電気コンタクト3を塗設する。第2の電気接触層3として、厚さ80nmの酸化亜鉛と厚さ200nmの銀層との組合せからなる層システムを選択する。ここで、第2の電気接触層の側では、シリコン積層体2上にまず酸化亜鉛層が位置し、それに銀層が続く(図6h))。
【0162】
構造化プロセスP3を行う。ここで、構造化プロセスP3に基づく溝7の形成は、第1の溝5の場所からずらして、第2の電気接触層3とその下に位置する活性半導体層2を直線状に除去するようなものである。すなわち、層2及び層3の蛇行した切除は行わない。さらに、溝7によって、コンタクトウェブ8の領域内及びコンタクトウェブ8の上下の溝5内で、第2の電気コンタクト3及び半導体層2を除去する(図6i、j))。溝5の非蛇行領域に対して、凹部6がある方向に溝7をずらす。ずれ量は、溝5の非蛇行領域と凹部6との間に溝7が位置するように選択する。直線状の溝7は、隣接する2つの領域A、Bの第2の電気コンタクトを途切れなく絶縁した。これにより、その後は、2つの隣接する光起電力素子A、Bの短絡が防止される。
【0163】
層2及び層3から材料を切除するためのレーザとして、Nd:YVOレーザ(Rofin社製、型式RSY 20E SHG)を使用する。このレーザの波長は532nmである。この波長は、2つの層2、3の材料を切除するのに特有のものである。パルス繰返し率11kHzで平均出力410mWを選択する。レーザ光線と基板の相対運動の速度は800mm/sである。個々のパルスのパルス持続時間は約13nsである。焦点距離が300mmの合焦ユニットによって、レーザ光線を基板の積層側に合焦させる。ここでは、基板側から、透明な基板4を通して、アブレーションすべき層に光線を通す。このとき、合焦した光線は、ほぼ2次元の回転対称のガウス形状の強度分布を有し、各パルスごとに直径約70μmの円形アブレーションが得られる。
【0164】
この構造化プロセスP3もストリップの全長に沿って行う。構造化プロセスP1及びP2と同じ回数だけ構造化プロセスP3を繰り返し、互いに平行に配列された多数のストリップ形状の光起電力素子の層1、2、3を、溝5及び7によって分離し、凹部6によって互いに直列接続する。
【0165】
面積が10×10cmであり、溝7が約16本ある場合、凹部6をほぼすべて1.5ミリメートルにする必要がある。
【0166】
従来技術に比べて、この例示的実施形態では、直列接続に必要な面積が小さく、したがってより高い変換効率を実現することができるという利点がある。穴6同士の間隔は、接続に起因する全体の損失が最小限になるように調節する。この全体の損失は、電気接触層1及び3に起因する導電損失と、材料アブレーション及び接続に起因する面積損失とからなる。
【0167】
本発明の意味では、例示的実施形態における方法ステップはどれも、限定的なものとみなすべきではない。特に、溝及びコンタクト点の寸法、並びに溝間の距離、点間の距離、及び溝と点の距離、光起電力素子自体の各層の層材料、さらにはコンタクト材料の組成も、本発明を限定するものではない。
【符号の説明】
【0168】
1 接触層
2 半導体層
3 電気接触層
4 基板
5 第1の溝
6 凹部
7 第2の溝
8 コンタクトウェブ
9 絶縁区域
A ストリップ形状の素子
B ストリップ形状の素子
C ストリップ形状の素子
P1 第1の構造化ステップ
P2 第2の構造化ステップ
P3 第3の構造化プロセス
L 素子の長さ
【図1a)】

【図1b)】

【図1c)】

【図1d)】

【図1e)】

【図1f)】

【図1g)】

【図1h)】

【図1i)】

【図1j)】

【図2a)】

【図2b)】

【図2c)】

【図2d)】

【図2e)】

【図2f)】

【図2g)】

【図2h)】

【図2i)】

【図3a)】

【図3b)】

【図3c)】

【図3d)】

【図3e)】

【図3f)】

【図3g)】

【図3h)】

【図3i)】

【図4a)】

【図4b)】

【図4c)】

【図4d)】

【図4e)】

【図4f)】

【図4g)】

【図4h)】

【図4i)】

【図4j)】

【図5a)】

【図5b)】

【図5c)】

【図5d)】

【図5e)】

【図5f)】

【図5g)】

【図5h)】

【図5i)】

【図5j)】

【図6a)】

【図6b)】

【図6c)】

【図6d)】

【図6e)】

【図6f)】

【図6g)】

【図6h)】

【図6i)】

【図6j)】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つの基板(4)上にストリップ形状の複数の素子(A、B、C、…)を製造して直列接続するための方法であって、ストリップ形状の複数の第1の電気接触層(1)が、前記基板(4)上に形成され、これらの第1の電気接触層(1)は、前記基板(4)の表面まで達する複数の第1の溝(5)を介して前記複数の素子(A、B、C、…)の長さにわたって絶縁されていて、複数の半導体層(2)を前記ストリップ形状の複数の第1の電気接触層(1)上に又は前記複数の第1の溝(5)内に配置する当該方法において、
a)領域を形成する複数の凹部(6)が、前記複数の第1の溝(5)の各々の一方の縁部に沿って前記複数の半導体層(2)に形成され、前記第1の電気接触層(1)の表面が、前記第1の溝(5)内で除去され、
b)ストリップ形状の複数の第2の電気接触層(3)が、前記複数の半導体層(2)上に配置される結果、前記複数の凹部(6)が充填され、且つ、1つの素子(A)の前記複数の第2の電気接触層(3)が、隣接した1つの素子(B)の前記複数の第1の電気接触層(1)に領域を形成して接触し、
c)複数の第2の溝(7)が、前記複数の素子の長さにわたって前記複数の第2の電気接触層(3)を絶縁するためにこれらの第2の電気接触層(3)内に形成され、
d)前記複数の第1の電気接触層(1)を絶縁するための前記複数の第1の溝(5)が形成され、及び/又は、前記複数の第2の電気接触層(3)を絶縁するための前記複数の第2の溝(7)が、前記凹部(6)を迂回する蛇行区域を有して形成されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記第1の溝(5)又は前記第2の溝(7)の前記蛇行区域の数は、前記凹部の数に一致することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ストリップ形状の素子を形成するため、前記第1の溝(5)に割り当てられた第2の溝(7)が、当該各第1の溝(5)に1つずつ形成されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
1つの第1の溝(5)の縁部に沿った前記複数の凹部の相互の間隔は、0.2ミリメートル〜100ミリメートル、特に1.5ミリメートル〜10ミリメートルに選択されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
隣接した接触層を絶縁するための1つの第1の溝(5)と1つの第2の溝(7)との間の横方向の間隔は、2mm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の溝(7)の、前記凹部(6)の領域以外の領域は、前記第1の溝(5)にわたって直接配置される結果、前記複数の素子の長さ(L)にわたって延在する前記複数の第1の溝又は前記複数の第2の溝の区域が、横方向のずれなしに形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
領域を形成する前記凹部(6)は、好ましくは1mm以下、特に0.01mm以下の面積を有して製造されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
レーザアブレーションが、前記第1の溝及び/又は前記第2の溝及び/又は前記凹部を形成することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記第1の溝及び/又は前記第2の溝及び/又は前記凹部を製造するためのマスクが、配置されることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
PVD法若しくはCVD法又は噴霧法又は(インクジェット)印刷法が、層を堆積することを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
エッチング法が、前記第1の溝及び/又は前記第2の溝及び/又は前記凹部を製造することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記半導体層及び前記接触層のための材料が選択される結果、当該材料が、光起電力素子を前記基板の長さにわたって形成することを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
ガラス基板(4)が、選択されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
TCO(透明導電性酸化物)が、前記基板(4)上の前記第1の電気接触層(1)のための材料として選択されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
【請求項15】
少なくとも1つのn−i−p又はp−i−n構造が、活性半導体層(2)として前記第1の電気接触層(1)上に形成されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
ZnO/Agが、前記第2の電気接触層(3)のための材料として選択されることを特徴とする請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
基板の長さにわたるストリップ形状の複数の第1の電気接触層と前記第1の電気接触層上に配置されている半導体層と前記半導体層上に配置されている前記基板の長さ(L)にわたるストリップ形状の複数の第2の電気接触層とを有する当該基板を備えた層構造において、
前記第2の電気接触層は、前記半導体層内の、領域を形成する凹部(6)を通じて前記第1の電気接触層に接触し、前記第1の電気接触層と前記第2の電気接触層とを絶縁するため、第1の層が、前記第1の電気接触層内に配置されていて、第2の溝が、前記第2の電気接触層内に配置されていて、前記第1の溝及び/又は前記第2の溝が、蛇行して前記凹部を迂回することを特徴とする層構造。
【請求項18】
前記領域を形成する凹部は、第1の溝と第2の溝との間に形成されていることを特徴とする請求項17に記載の層構造。
【請求項19】
蛇行区域以外の複数の素子の長さ(L)にわたる前記第1の溝及び第2の溝は、横方向のずれなしに又は横方向の僅かなずれだけを有して相対して形成されていることを特徴とする請求項17又は18に記載の層構造。
【請求項20】
請求項17〜19のいずれか1項に記載の層構造としてのソーラーモジュールにおいて、
前記第2の電気接触層(3)、前記第1の電気接触層(2)及び前記半導体層は、光起電力素子(A、B、C、…)を前記基板の長さにわたって形成する材料から成ることを特徴とするソーラーモジュール。
【請求項21】
モジュールの全面積に対する当該活性半導体層の面積の比は、少なくとも98%、好ましくは98.5%より大きく、特に99%以上であることを特徴とする請求項20に記載のソーラーモジュール。
【請求項22】
1つの基板(4)上にストリップ形状の複数の素子(A、B、C、…)を製造して直列接続するための方法であって、ストリップ形状の複数の第1の電気接触層(1)が、前記基板(4)上に形成され、これらの第1の電気接触層(1)は、前記基板(4)の表面まで達する複数の第1の溝(5)を介して前記複数の素子(A、B、C、…)の長さにわたって絶縁されていて、複数の半導体層(2)を前記ストリップ形状の複数の第1の電気接触層(1)上に又は前記複数の第1の溝(5)内に配置し、
ストリップ形状の複数の第2の電気接触層(3)が、前記複数の半導体層(2)上に配置され、複数の第2の溝(7)が、前記複数の素子の長さにわたって前記複数の第2の電気接触層(3)を絶縁するためにこれらの第2の電気接触層(3)内に形成される当該方法において、
前記半導体層は、領域を形成する凹部を有する結果、前記第1の電気接触層が、前記凹部内で前記第2の電気接触層に接触されて、隣接した素子を直列接続することを特徴とする方法。

【公表番号】特表2012−531755(P2012−531755A)
【公表日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518017(P2012−518017)
【出願日】平成22年7月1日(2010.7.1)
【国際出願番号】PCT/DE2010/000758
【国際公開番号】WO2011/000361
【国際公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【出願人】(390035448)フォルシュングスツェントルム・ユーリッヒ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (100)
【Fターム(参考)】