説明

基板供給装置及び基板供給方法

【課題】占有面積を減少させることができ、他の種類への基板供給の変更が簡単にできて低コストな基板供給装置及び基板供給方法を提供する。
【解決手段】基板40を規制された状態で積み上げる第1のマガジン50a、基板40を規制のない状態で積み上げる第2のマガジン50bから基板40を半導体組立装置59の搬送路55に供給する基板供給装置である。マガジン50を上下方向に搬送する供給位置移動機構1と、供給位置移動機構1のマガジン50から基板40を搬送路55に移送する移送機構2とを備える。第1のマガジン50aから供給する際は、第1のマガジン50aを供給位置移動機構1にて保持し、第1のマガジン50aから押出供給する。第2のマガジン50bから供給する際は、第2のマガジン50bを供給位置移動機構1にて保持し、移送機構2にて第2のマガジン50bから基板40を搬送路55に供給する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板供給装置及び基板供給方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体装置は、一般に、半導体チップ(ダイ)を、銀ペースト、樹脂などの接合材を介して、リードフレームやプリント基板などの基板にボンディング(接合)して製造している。このような半導体チップ(以下、チップという)を基板にボンディングする装置においては、図4に示すように、ローダ100a、100bと、搬送装置120と、アンローダ130とを配置し、ローダ100a、100bからマガジンと呼ばれる箱状の治具内に収納された基板を1枚ずつ搬送装置120に供給し、搬送装置120のレール121上で、基板等の基板110を所定の方向に搬送し、搬送途中の接合材塗布位置PSで基板110のボンディング領域(アイランド)111に接合材112を塗布し、ボンディング位置PBで前記接合材112を介してボンディング領域111にチップ113をボンディングし、アンローダ130で排出するようにしている。
【0003】
マガジンには、図5に示すように、第1のマガジン140と第2のマガジン150との2つの種類がある。第1のマガジン140は、側壁に上下方向に沿って所定間隔にスリットが設けられたものであり、リードフレーム110をスリットに嵌合させた状態で、所定間隔に積み上げて保持するもの(スリットマガジン)である。第2のマガジン150は、リードフレーム110を規制のない状態で積み上げて保持するもの(バラ積みマガジン)である。さらに、第2のマガジン150には、例えば厚み方向に折れ曲がったリードフレームを収納するために、側壁が鉛直方向に対して傾斜したガイド壁を有するものがある。そして、ローダ100には、第1のマガジン140からリードフレーム110を本体装置120の搬送路122に供給する第1のローダ100aと、第2のマガジン150からリードフレーム110を本体装置120の搬送路に122供給する第2のローダ100bとがある(特許文献1)。
【0004】
第1のローダ100aは、スリットマガジン専用のローダである。第1のローダ100aは、図5(a)に示すように、エレベータ機構101に第1のマガジン140を載置して、エレベータ機構101を1ピッチずつ間欠的に下降(または上昇)させ、押出機構103の押圧部104で基板110を順次切り出して、搬送路122に供給するものである。
【0005】
第2のローダ100bは、バラ積みマガジン専用のローダである。第2のローダ100bは、図5(b)に示すように、第2のマガジン150から搬送路122まで往復する吸着部123を備えている。すなわち、吸着部123が、ステージ124に載置された第2のマガジン150の上方から降下して、最上部の一枚の基板110が吸着部123に保持される。そして、吸着部123は、基板110を搬送路122に搬送する。また、第2のローダ100bには、前記第2のマガジン150に収容された基板110を供給する毎に、基板110の厚み分だけ積み上げられた基板全体を上昇させるエレベータ機構125をステージ124の下方に備えている。これにより、第2のマガジン150が、側壁が鉛直方向に対して傾斜したガイド壁を有するものである場合に、最上位に位置する基板110を常に同一の上下位置に位置させるようにしている。
【0006】
このように、第1のローダ100aと第2のローダ100bとは別の機構である。このため、図4に示すように、第1のマガジン140から基板110を供給する場合は、第1のローダ100aが、搬送路122のX方向側(搬送方向に沿った方向)に配置される。一方、第2のマガジン150から基板110を供給する場合は、第1のローダ100aをこの位置から退避させてスペースを確保し、その後、第2のローダ100bが、搬送路122のY方向側(搬送方向と直交する方向)に配置される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−153557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、前記した方法では、第1のローダと第2のローダとが独立した配置となるため、搭載スペースの制約を受けやすい。また、第1のローダと第2のローダとで2つのエレベータ機構が存在する等により装置構成が多く、コスト高となる。
【0009】
しかも、第2のマガジンからリードフレームを供給する場合は、第1のマガジンを搭載する位置と第2のマガジンを搭載する位置とが異なって、作業者の作業エリアが広範囲なものとなる。また、第2のマガジンを搭載する場合は、第1のローダを退避させて作業スペースを確保する場合がある。これにより、第1のマガジンからリードフレームを供給する場合と、第2のマガジンからリードフレームを供給する場合の変更作業に手間がかかり、作業性が悪い。
【0010】
本発明は上記課題に鑑みて、占有面積を減少させることができ、他の種類への基板供給の変更が簡単にできて低コストな基板供給装置及び基板供給方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の基板供給装置は、短冊状の基板を規制された状態で積み上げて保持する第1のマガジン、又は短冊状の基板を規制のない状態で積み上げて保持する第2のマガジンから基板を半導体組立装置の搬送路に供給する基板供給装置であって、マガジンを保持して上下方向に搬送する供給位置移動機構と、この供給位置移動機構に保持されたマガジンから基板を取り出して半導体組立装置の搬送路に移送する移送機構とを備え、第1のマガジンに収容された基板を搬送路へ供給する際は、第2のマガジンを供給位置移動機構に保持させることなく第1のマガジンを供給位置移動機構にて保持し、第1のマガジン内の基板の高さ位置を、前記搬送路に搬送可能な所定位置に合わせるように供給位置移動機構を昇降させて、第1のマガジンから基板を前記搬送路に供給し、第2のマガジンに収容された基板を搬送路へ供給する際は、第1のマガジンを供給位置移動機構に保持させることなく第2のマガジンを前記供給位置移動機構にて保持し、移送機構にて第2のマガジンから基板を前記搬送路に供給するものである。
【0012】
本発明の基板供給装置によれば、移送機構は、供給位置移動機構に保持されたマガジンから基板を取り出して半導体組立装置の搬送路に移送するものである。すなわち、第1のマガジンから基板を供給する場合は、供給位置移動機構に第1のマガジンを保持させる。また、第2のマガジンから基板を供給する場合も、第1のマガジンと同様に、供給位置移動機構に第2のマガジンを保持させる。このように、第1のマガジンと第2のマガジンとの保持位置を同じ位置とすることができる。さらに、第1のマガジンをセットする場合でも、第2のマガジンをセットする場合でも、作業者は常に同じ場所にマガジンをセットすることになり、作業エリアを統一することができる。
【0013】
前記移送機構は、前記搬送路の搬送方向に沿って前記供給位置移動機構の上方から前記搬送路まで搬送することができる。これにより、供給位置移動機構と移送機構とを、搬送路の上流側に設けることができるため、最短距離で基板を供給することができる。また、供給位置移動機構の上方に移送機構を配置することができるため、第1のマガジンからの供給と第2のマガジンからの供給とを切換える際に、供給位置移送機構と移送機構との配置を変更することなく2種類のマガジンに対応することができる。
【0014】
前記供給位置移動機構は、前記マガジンに収容された基板を供給する毎に、マガジンに積み上げられた基板を、基板の厚み分だけ押し上げて、最上位に位置する基板が同一の上下位置に位置するように調節する調節手段を備えたものとできる。これにより、移送機構が基板を保持する際は、常に同じ位置で保持することができる。また、1つの供給位置移動機構にて、マガジンの上下動と、基板の押上げとに兼用することができるため、従来存在していた基板押上用のエレベーション機構を省略することができる。
【0015】
前記第2のマガジンは、基板を鉛直方向に対して傾斜する方向に積み上げて保持するガイド壁を有するものとできる。これにより、鉛直方向に沿って積み上げられて、その積み上げ体が、傾斜した状態になるような基板に対応できる。
【0016】
本発明の基板供給方法は、短冊状の基板を規制された状態で積み上げて保持する第1のマガジン、又は短冊状の基板を規制のない状態で積み上げて保持する第2のマガジンから基板を半導体組立装置の搬送路に供給する基板供給方法であって、第2のマガジンを前記搬送路への供給位置に位置させることなく第1のマガジンを供給位置に位置させて、第1のマガジン内の基板の高さ位置を、前記搬送路に搬送可能な所定位置に合わせるように昇降させて、第1のマガジンから基板を前記搬送路に供給し、第1のマガジンを前記供給位置に位置させることなく第2のマガジンを供給位置に位置させて、この位置における第2のマガジンから基板を取り出して、第2のマガジンから基板を前記搬送路に供給するものである。
【0017】
本発明の基板供給方法によれば、第1のマガジンから基板を供給する場合は、供給位置に第1のマガジンを保持させる。また、第2のマガジンから基板を供給する場合も、第1のマガジンと同様に、供給位置に第2のマガジンを保持させる。このように、第1のマガジンと第2のマガジンとの保持位置を同じ位置とすることができる。また、作業者は、常に同じ場所にマガジンをセットすることになり、作業エリアを統一することができる。
【0018】
前記供給位置を前記搬送路の延長線上に設けて、搬送路の搬送方向に沿ってマガジンから搬送路まで基板を搬送するものとできる。
【0019】
前記マガジンに収容された基板を供給する毎に、マガジンに積み上げられた基板を、基板の厚み分だけ上昇させて、最上位に位置する基板が同一の上下位置に位置するように調節することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明の基板供給装置及び基板供給方法では、第1のマガジンと第2のマガジンとの保持位置を同じ位置とすることができるため、装置の配置スペースを省略することができる。また、作業者は、常に同じ場所にマガジンをセットすることになり、作業エリアを統一することができるため、作業性の向上を図ることができる。
【0021】
供給位置移動機構と移送機構とを、搬送路の上流側に設けることができるため、最短距離で基板を供給することができ、効果的に装置を小型化できる。また、第1のマガジンからの供給と第2のマガジンからの供給とを切換える際に、供給位置移送機構と移送機構との装置の配置を変更する必要がなくなるため、一層作業性の向上を図ることができる。
【0022】
最上位に位置する基板が同一の位置に位置するように調節すると、移送機構にてマガジンの基板を保持する際は、常に同じ位置にて保持することができるため、移送機構の制御が単純なものなり、装置の小型化を図ることができる。また、1つの供給位置移動機構にて、マガジンの上下動と、基板の押上げとに兼用することができるため、基板押上用のエレベーション機構を省略して装置構成の簡略化を図ることができ、コストの低減を図ることができる。
【0023】
鉛直方向に沿って積み上げられて、その積み上げ体が、傾斜した状態になるような基板に対応できるため、種々の基板に適用することができ、汎用性に優れたものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の第1実施形態の基板供給装置の斜視図である。
【図2】前記図1の基板供給装置によりリードフレームを供給する方法を示す簡略正面図であり、(a)は第1のマガジンからの供給を示し、(b)は第2のマガジンからの供給を示す。
【図3】本発明の第2実施形態の基板供給装置によりリードフレームを供給する方法を示す簡略正面図であり、(a)は第2のマガジンからの供給前を示し、(b)は第2のマガジンからの供給途中を示す。
【図4】従来の基板供給装置を示す簡略平面図である。
【図5】従来の基板供給装置によりリードフレームを供給する方法を示す簡略正面図であり、(a)は第1のマガジンからの供給を示し、(b)は第2のマガジンからの供給を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下本発明の実施の形態を図1〜図3に基づいて説明する。
【0026】
この基板供給装置は、短冊状の基板40を規制された状態で積み上げて保持する第1のマガジン50a、又は短冊状の基板40を規制のない状態で積み上げて保持する第2のマガジン50bから基板40を半導体組立装置59の搬送路55に供給するものである。半導体組立装置59は、基板40の一例であるリードフレームを搬送する搬送装置と、基板に接合材を塗布する接合材塗布装置と、ボンディング位置で接合材が塗布された基板のボンディング領域に半導体チップ(ダイ)をボンディングするボンディングヘッドとを備えており、半導体組立装置59の下流側には、半導体チップをボンディングした基板を受け取るアンローダを備えている。
【0027】
本発明の基板供給装置は、マガジン50(50a、50b)(図2参照)を保持して上下方向に搬送する供給位置移動機構1と、基板40を規制のない状態で積み上げて保持する第2のマガジン(バラ積みマガジン)50bから基板40(図2参照)を供給する移送機構2と、スリット等により規制された状態で基板40を所定間隔に積み上げて保持する第1のマガジン(スリットマガジン)50aから基板40を供給する為のマガジン供給部3と、基板40を供給した後の空のマガジン50を供給位置移動機構1から排出するマガジン排出部4とを備えている。
【0028】
供給位置移動機構1は、半導体組立装置59の上流側に配置され、マガジン50(50a、50b)を保持して上下方向に搬送するものである。この供給位置移動機構1は、マガジン50(50a、50b)を載置する載置台5と、載置台5を昇降させる昇降機構6とを備えている。
【0029】
載置台5は、図1に示すように、種々のサイズのマガジン50(50a、50b)を載置できる大きさを有する矩形平板体である。載置台5の上面は、マガジン供給部3と同一高さ位置に上昇した状態では、マガジン供給部3の上面と面一となり、マガジン供給部3から載置台5にマガジン50を円滑に供給できるようになっている。また、載置台5の上面は、マガジン排出部4と同一高さ位置に下降した状態では、マガジン排出部4の上面と面一となり、載置台5からマガジン排出部4にマガジン50を円滑に排出できるようになっている。また、載置台5には、載置台5から立設する取付部材9と、取付部材9に設けられたボールねじシャフト10と、このボールねじシャフト10の両側に配置された2本のガイドロッド11と、ボールねじシャフト10の駆動源であるモータ25とを備え、このボールねじシャフト10とガイドロッド11の先端部に押し板13が設けられている。この押し板13を移動させることにより、マガジン50の載置台5上での位置を調節する。
【0030】
載置台5には、種類の異なる第1のマガジン50a及び第2のマガジン50bを載置することができ、この載置台5が、基板40が供給される始点である供給位置56となる。つまり、図1及び図2に示すように、供給位置56は搬送路55の延長線上に設けられることになる。第1のマガジン50aは、図2(a)に示すように、一対の側壁51と上壁52とを備え、側壁51には相対向するスリット(図示省略)が上下方向に沿って所定ピッチで設けられている。そして、スリットに基板40を挿入することにより、マガジン内で複数の基板40を所定間隔に収納する。第2のマガジン50bは、図2(b)に示すように、一対の側壁53aと、前壁53bと、後壁53cと、下壁54とを備え、下壁54に基板40を規制のない状態で積み上げる。
【0031】
昇降機構6は、図1に示すように、1本のボールねじシャフト7と、その両側のガイドロッド8と、ボールねじシャフト7を回転駆動するパルスモータ等のモータ9とを備えている。また、載置台5には、シャフト7に螺合するナット部材(図示省略)が設けられている。この昇降機構6によって、モータ9の駆動にてシャフト7がその軸心周りに回転すると、載置台5が昇降し、この載置台5を所望の高さ位置に調節することができる。
【0032】
マガジン供給部3は、基板40が収容されたマガジン50を載置するものである。このマガジン供給部3は、長手方向に沿って複数のスリット孔を有する矩形状の板材で、複数のマガジン50を載置出来る大きさを有する。その長手方向端部が半導体組立装置59の基台60に取り付けられている。
【0033】
マガジン排出部4は、空のマガジン50を載置するものである。このマガジン排出部4も、前記マガジン供給部3とほぼ同様の矩形状の板材であり、複数の空のマガジン50を載置できる大きさを有する。マガジン供給部3の下方位置に、その長手方向端部が半導体組立装置59の基台60に取り付けられている。
【0034】
移送機構2は、供給位置移動機構1に保持されたマガジン50(第2のマガジン50b)から基板40を取り出して半導体組立装置59の搬送路55に移送するものである。移送機構2は、載置台5の上方から搬送路55の上方に亘って、搬送路55に沿った方向(X方向)に配置されており、水平移動手段15と昇降手段16と基板吸着手段17とを備えている。
【0035】
水平移動手段15は、基板吸着手段17を、搬送路55に沿った方向(X方向)に水平移動させるものである。水平移動手段15は、例えば図示省略の駆動モータと、水平方向にスライド移動するスライド体と、スライド体をX方向にガイドするガイドレール18とを備えている。そして、駆動モータを駆動させることにより、スライド体がガイドレール18に沿って移動する。
【0036】
昇降手段16は、スライド体に取り付けられた垂直方向ガイドレール20と、この垂直方向ガイドレール20に沿って垂直方向に移動する垂直移動部材18と、この垂直移動部材18を駆動する駆動手段の一例としてのエアシリンダ19とを備えており、エアシリンダ19のピストンが伸張すると、垂直移動部材18が下降し、エアシリンダ19のピストンが退入すると、垂直移動部材18が上昇する。通常は、エアシリンダ19のピストンが退入した状態となっている。
【0037】
基板吸着手段17は、垂直移動部材18に取り付けられている。基板吸着手段17は、垂直移動部材18から搬送路55と直交する方向(Y方向)に突出する連結部21と、連結部21から鉛直方向に垂下する一対の支持フレーム22と、夫々の支持フレーム22の下端部に設けられる取付部材23と、この取付部材23に設けられる複数の(本実施形態では6本)吸着部24とを備える。6本の吸着部24の近傍には、それぞれ基板吸着手段17の過剰な上昇によって、吸着部24が破壊されるのを防止するストッパピンが配置されている。
【0038】
次に、本発明の基板供給装置を用いて、半導体組立装置59の搬送路55に、短冊状の基板を供給する方法について説明する。本実施形態では、基板としてリードフレーム40を供給する。まず、第1のマガジン50aからリードフレーム40を供給する際、図2(a)に示すように、本発明の半導体組立装置59の上流側に、従来と同様の押出機構57を設置し、載置台5の上面の高さ位置を、マガジン供給部3の上面とほぼ同一の位置とする。その後作業者は、リードフレーム40を収容した第1のマガジン50aを、マガジン供給部3に供給すると、コンベア等により第1のマガジン50aは供給位置移動機構1の載置台5上(供給位置56)に搬送される。このようにして、第2のマガジン50bを供給位置56に位置させることなく第1のマガジン50aを供給位置56に位置させる。
【0039】
次に、第1のマガジン内のリードフレーム40を、半導体組立装置59の搬送路55に搬送可能な位置となるように、昇降機構6にて載置台5の上下位置を調節して第1のマガジン内のリードフレーム40の高さ位置を合わせる。そして、押出機構57の押圧部58でリードフレーム40を順次切り出して、搬送路55に供給する。このようにして、昇降機構6にて載置台5の上下位置を調節しつつ、第1のマガジン50aから全てのリードフレーム40を搬送路55に供給する。その後、空になった第1のマガジン50aを、マガジン排出部4に排出する。
【0040】
次に、第2のマガジン50bからリードフレーム40を供給する際、載置台5の高さ位置を所定の位置とする。この所定の位置としては、移送機構2の昇降手段16により基板吸着手段17が下死点に位置したときに第2のマガジン50bの最下位のリードフレーム40を吸着可能であれば、任意の位置することができる。その後、図2(b)に示すように、作業者は、リードフレーム40を収容した第2のマガジン50bを、供給位置移動機構1の載置台5上(供給位置56)に載置する。このようにして、第1のマガジン50aを供給位置56に位置させることなく第2のマガジン50bを供給位置56に位置させる。
【0041】
その後、移送機構2の基板吸着手段17にて、第2のマガジン50bの最上部のリードフレーム40を保持する。その後、水平移動手段15及び昇降手段16にて搬送路55へリードフレーム40を供給する。この場合、図2(b)に示すように、搬送路55の搬送方向(X方向)に沿って、供給位置56から搬送路55までリードフレーム40が搬送される。
【0042】
本発明では、第1のマガジン50aからリードフレーム40を供給する場合は、供給位置移動機構1に第1のマガジン50aを保持させる。また、第2のマガジン50bからリードフレーム40を供給する場合も、第1のマガジン50aと同様に、供給位置移動機構1に第2のマガジン50bを保持させる。このように、第1のマガジン50aと第2のマガジン50bとの保持位置を同じ位置とすることができるため、装置の配置スペースを省略することができる。また、第1のマガジン50aをセットする場合でも、第2のマガジン50bをセットする場合でも、作業者は常に同じ場所にマガジン50をセットすることになり、作業エリアを統一することができるため、作業性の向上を図ることができる。
【0043】
移送機構2は、搬送路55の搬送方向に沿って供給位置移動機構1の上方から搬送路55まで搬送するものである。すなわち、供給位置移動機構1と移送機構2とを、搬送路55の上流側に設けているため、最短距離でリードフレーム40を供給することができ、効果的に装置を小型化できる。また、供給位置移動機構1の上方に移送機構2を配置することができるため、第1のマガジン50aからの供給と第2のマガジン50bからの供給とを切換える際に、供給位置移送機構1と移送機構2との配置を変更することなく2種類のマガジン50に対応することができて、一層作業性の向上を図ることができる。
【0044】
図3に、第2実施形態の基板供給装置を示す。この場合、基板70は、鉛直方向に段部を有するリードフレームであり、第2のマガジン71bは、基板70を鉛直方向に対して傾斜する方向に積み上げて保持する一対のガイド壁73と、一対の側壁74とを有する。これにより、基板70の積み上げ体が傾斜した状態となっている。
【0045】
供給位置移動機構1は、図3(a)(b)に示すように、第2のマガジン71bから基板70を供給する際に、第2のマガジン内の最上部の基板70の位置を常に同じ位置に調節する調節手段75を備えている。この調節手段75は、例えば端部にローラを備えることにより第2のマガジンのガイド壁73に沿ってスライド移動する板状部材76と、第2のマガジン71bを載置する第2マガジン用置き台80と、載置台5から突出する押上部材81とを備える。第2マガジン用置き台80に第2のマガジン71bを載置して、第2のマガジン71bを固定した状態で昇降機構6を作動させて押上部材81を介して板状部材76が押し上げられる。このとき、板状部材76は第2のマガジン71bのガイド壁73にガイドされて、第2のマガジン内をガイド壁73の方向に上昇する。このようにして、板状部材76が上昇して、基板70の積み上げ体を押し上げる。
【0046】
第2実施形態の基板供給装置を用いて、半導体組立装置59の搬送路55に、短冊状の基板70を供給する方法について説明する。第2実施形態でも、基板70としてリードフレームを供給する。まず、第1のマガジンからリードフレーム70を供給する際は、前記第1実施形態と同様の方法にて基板70を搬送路55に供給する。
【0047】
次に、第2のマガジン71bからリードフレーム70を供給する際、図3(a)に示すように、載置台5とは別に、第2マガジン用置き台80を独立して設けるとともに、載置台5上に押上部材81をセットし、板状部材76を第2のマガジン71bの底壁とする。そして、第2マガジン用置き台80に第2のマガジン71bを載置して、第2のマガジン71bを固定する。この状態で、移送機構2の基板吸着手段17にて、第2のマガジン50bの最上部のリードフレーム70を保持し、搬送路55までリードフレーム70を搬送する。
【0048】
第2のマガジン71bに収容されたリードフレーム70を供給する毎に、供給位置移動機構1の昇降機構6にて、押上部材81をリードフレーム70の厚み分だけ上昇させる。これにより、第2のマガジン内のリードフレーム70の全体が、リードフレーム70の厚み分だけ板状部材76にて押上げられる。従って、図3(c)に示すように、最上位に位置するリードフレーム70(基板吸着手段17の吸着対象となるリードフレーム70)が同一の位置に位置する。これにより、移送機構2の基板吸着手段17は、常に同じX方向位置で吸着することができ、リードフレーム70の積み上げ体がX方向に傾斜していても、基板吸着手段17は常に同じX方向位置にて吸着することができる。
【0049】
このように、第2実施形態の基板供給装置でも、前記第1実施形態の基板供給装置と同様の作用効果を奏する。特に、調節手段75を備え、移送機構2が第2のマガジン71bのリードフレーム70を保持する際は、常に同じ位置で保持することができるため、移送機構2の制御が単純なものなり、装置の小型化を図ることができる。また、1つの供給位置移動機構1で、第1のマガジンの上下動と、第2のマガジン71b内のリードフレーム70の押上げとに兼用することができるため、従来のリードフレーム押上用のエレベーション機構を省略して装置構成の簡略化を図ることができ、コストの低減を図ることができる。さらに、リードフレーム70の積み上げ体が傾斜した状態になるようなリードフレーム70に対応できるため、種々の基板に適用することができ、汎用性に優れたものとなる。なお、図3に示す基板供給装置において、図1及び図2の基板供給装置と同様の構成については、同一符号を付してその説明を省略する。
【0050】
以上、本発明の実施形態につき説明したが、本発明は前記実施形態に限定されることなく種々の変形が可能であって、例えば、基板40、70はリードフレームに限らず、板状の部材であれば他のものでもよく、大きさ、厚み等は種々のものとできる。第1のマガジン50aは、スリットを有することにより基板を所定間隔に積み上げるものであったが、スペーサ等を設けることにより基板を所定間隔に積み上げるものであってもよい。第2実施形態において、リードフレーム70は段部を有するものであったが、段部を有さないリードフレーム70にて積み上げ体を構成し、この積み上げ体が全体として傾斜したものであってもよい。さらには、積み上げ体が傾斜していない場合にも調節手段75を適用してもよい。
【符号の説明】
【0051】
1 供給位置移動機構
2 移送機構
40、70 基板
50、71 マガジン
55 搬送路
73 ガイド壁
75 調節手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
短冊状の基板を規制された状態で積み上げて保持する第1のマガジン、又は短冊状の基板を規制のない状態で積み上げて保持する第2のマガジンから基板を半導体組立装置の搬送路に供給する基板供給装置であって、
マガジンを保持して上下方向に搬送する供給位置移動機構と、この供給位置移動機構に保持されたマガジンから基板を取り出して半導体組立装置の搬送路に移送する移送機構とを備え、
第1のマガジンに収容された基板を搬送路へ供給する際は、第2のマガジンを供給位置移動機構に保持させることなく第1のマガジンを供給位置移動機構にて保持し、第1のマガジン内の基板の高さ位置を、前記搬送路に搬送可能な所定位置に合わせるように供給位置移動機構を昇降させて、第1のマガジンから基板を前記搬送路に供給し、
第2のマガジンに収容された基板を搬送路へ供給する際は、第1のマガジンを供給位置移動機構に保持させることなく第2のマガジンを前記供給位置移動機構にて保持し、移送機構にて第2のマガジンから基板を前記搬送路に供給することを特徴とする基板供給装置。
【請求項2】
前記移送機構は、前記搬送路の搬送方向に沿って前記供給位置移動機構の上方から前記搬送路まで搬送することを特徴とする請求項1の基板供給装置。
【請求項3】
前記供給位置移動機構は、前記マガジンに収容された基板を供給する毎に、マガジンに積み上げられた基板を、基板の厚み分だけ押し上げて、最上位に位置する基板が同一の上下位置に位置するように調節する調節手段を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2の基板供給装置。
【請求項4】
前記第2のマガジンは、基板を鉛直方向に対して傾斜する方向に積み上げて保持するガイド壁を有するものとしたことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項の基板供給装置。
【請求項5】
短冊状の基板を規制された状態で積み上げて保持する第1のマガジン、又は短冊状の基板を規制のない状態で積み上げて保持する第2のマガジンから基板を半導体組立装置の搬送路に供給する基板供給方法であって、
第2のマガジンを前記搬送路への供給位置に位置させることなく第1のマガジンを供給位置に位置させて、第1のマガジン内の基板の高さ位置を、前記搬送路に搬送可能な所定位置に合わせるように昇降させて、第1のマガジンから基板を前記搬送路に供給し、
第1のマガジンを前記供給位置に位置させることなく第2のマガジンを供給位置に位置させて、この位置における第2のマガジンから基板を取り出して、第2のマガジンから基板を前記搬送路に供給することを特徴とする基板供給方法。
【請求項6】
前記供給位置を前記搬送路の延長線上に設けて、搬送路の搬送方向に沿ってマガジンから搬送路まで基板を搬送することを特徴とする請求項5の基板搬送方法。
【請求項7】
前記マガジンに収容された基板を供給する毎に、マガジンに積み上げられた基板を、基板の厚み分だけ押し上げて、最上位に位置する基板が同一の上下位置に位置するように調節することを特徴とする請求項5又は請求項6の基板供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−114142(P2011−114142A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268896(P2009−268896)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(000110859)キヤノンマシナリー株式会社 (179)