説明

基板保持用治具

【課題】ウェット処理を行う際に、上下側に震動を与えるとしても基板が破損せずに信頼性よく処理できる基板保持用治具を提供する。
【解決手段】内側に複数の基板40の横方向の動きを規制するガイドG1、G2が設けられて、複数の基板40が縦になった状態でガイドG1,G2に配置されて収容される本体部20と、本体部20の上に配置され、複数の基板40に対応する内側の位置に基板40の縦方向の動きを規制するガイドG3が設けられた基板押え30とを含み、基板押え30は、複数の基板40に対応する位置にばね50を備えており、基板押え30が本体部20の上に配置される際に、複数の基板40がばね50で下側に押圧されて固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は基板保持用治具に係り、さらに詳しくは、めっき処理などのウェット処理で使用される基板保持用治具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多層配線基板などの製造工程において、めっき処理などのバッチ式のウェット処理を行う工程がある。めっき処理を行う場合は、めっき用治具(基板保持用治具)に複数の基板を縦にした状態で配置し、基板が収容されためっき用治具を浴槽内のめっき液に浸漬させて処理を行う。
【0003】
めっき用治具は、複数の基板を収容する本体部と本体部の上に配置される基板押えとにより構成される。本体部では、一対の対向する側面部及び底面部に基板の配置を規定するための基板ガイド(溝や開口部)が設けられている。また、基板押えには本体部に収容された各基板に対応する部分に基板ガイドが設けられている。そして、めっき用治具の本体部の各基板ガイドに基板を縦にしてそれぞれ配置し、基板押えを本体部の上に配置して各基板の移動を規制することによって、基板がカゴの中で接触したり、カゴから脱落したりしないようになっている。
【0004】
特許文献1には、プリント基板のめっき用治具において、めっき処理液の浴槽内に入る保持部材とクリップの通電用接点以外の部分に、絶縁被膜を付け、これによるプリント基板の端部にめっきが集中することを防止するため、保持部材の裏に導電性の金属を設けることが記載されている。
【0005】
特許文献2には、めっき用薄板装着治具において、取り付け手段を、薄板の外周端部を支持する支持部と、支持部の所定箇所を支点として回動する回動部と、回転部を支持部側に付勢する付勢部とを含んで構成し、上記した複数個の取り付け手段を対向的に配置することにより、薄板の枠体主面と平行方向への移動を規制することが記載されている。
【特許文献1】特開2003−293195号公報
【特許文献2】特開2000−119899号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記したようなめっき用治具では、基板は基板押えに対してクリアランス(隙間)をもった状態でめっき用治具に収容される。多層配線基板の製造方法においてビアホールにめっきを施す工程では、前処理液やめっき液がビアホール内に十分にいきわたるように、めっき用治具を上下に振動させてビアホール内の気泡を除去する手法が用いられることが多い。
【0007】
このとき、基板はクリアランス(隙間)をもった状態でめっき治具に配置されているため、振動によって基板の端部がめっき治具に衝突して基板の端部が破損しやすい問題がある。さらには、めっき液の中に基板の破片が落下するので、次のバッチの基板にその破片が付着しやすく、歩留り低下の要因になる。
【0008】
前述した従来技術ではこれらの問題点については何ら考慮されていない。
【0009】
本発明は以上の課題を鑑みて創作されたものであり、ウェット処理を行う際に、上下に震動を与えるとしても基板が破損せずに信頼性よく処理できる基板保持用治具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するため、本発明は基板保持用治具に係り、内側に複数の基板の横方向の動きを規制するガイドが設けられて、前記複数の基板が縦になった状態で前記ガイドに配置されて収容される本体部と、前記本体部の上に配置され、前記複数の基板に対応する内側の位置に前記基板の縦方向の動きを規制するガイドが設けられた基板押えとを有し、前記基板押えは前記複数の基板に対応する位置にばねをそれぞれ備えており、前記基板押えが前記本体部の上に配置される際に、前記複数の基板が前記ばねで下側に押圧されて固定されることを特徴とする。
【0011】
本発明の基板保持用治具は本体部と基板押えとにより基本構成される。本体部では、内側に複数の基板の横方向(水平方向)の動きを規制するガイドが設けられおり、複数の基板が縦になった状態でガイドに配置されて収容される。基板押えには複数の基板の縦方向(上下方向)の動きを規制するガイドが設けられており、本体部の上に基板押えが配置される。
【0012】
基板押えは、本体部に収容される複数の基板に対応する位置にばねを備えており、基板押えが本体部の上に配置される際に、複数の基板がばねで下側に押圧されて固定される。
【0013】
本発明の好適な態様では、基板押えのガイドは基板の中央側に配置され、基板押えのばねは基板の両端側にそれぞれ配置される。
【0014】
このようにして、複数の基板がばねによって固定されて収容された基板保持用治具は、めっき槽などのウェット処理槽に浸漬されて各種の処理が施される。
【0015】
本発明では、基板押えに各基板を押圧するばねを備えているので、基板の上端部と基板押えのガイドとの間にクリアランスが存在するとしても、基板はばねの弾性力によって本体部に固定されて上下に動かないようになっている。
【0016】
これにより、多層配線基板の製造工程のビアホールにめっきを施す工程などでビアホールにめっき液が十分にいきわたるように基板保持用治具を上下に震動させる場合であっても、基板が基板保持用治具に衝突するおそれがないので、基板に基板欠けが発生することがなくなる。また、ウェット処理槽に基板の破片が落下することもないので、次のバッチの基板に破片が付着して歩留りが低下する問題を回避できる。
【0017】
しかも、基板欠けを緩和させるために基板の挿入する向きを上下逆にしたりする手間が省けるので、生産効率を向上させることができる。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように、本発明の基板保持用治具では、基板が破損することなく信頼性よくウェット処理を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
【0020】
本発明の実施形態を説明する前に、本発明に関係する関連技術の問題点について説明する。図1〜図3は関連技術の基板保持用治具を示す断面図である。
【0021】
図1及び図2に示すように、関連技術の基板保持用治具100は、複数の基板400(破線で示す)が縦になって配置されて保持される本体部200と、複数の基板400を上から押さえる基板押え300とにより基本構成される。本体部200は、立体の骨組みのように枠部が連結されて基本構成される。
【0022】
本体部200の一対の対向する側面枠部には基板400の位置を規定する複数のガイドG1(溝や開口部)が並んで設けられており、底面枠部にも基板400の位置を規定する複数のガイドG2(凹部)が並んで設けられている。
【0023】
また、基板押え300はその下面側に基板ガイド部320を備えており、基板ガイド部320は長手方向に延在する突出部の下面側に複数のガイドG3(凹部)が並んで設けられて構成される。本体部200のガイドG1,G2に各基板400の端部をはめ込んで配置することにより、各基板400の横方向の動きが規制される。また、基板押え300を本体部200の上に設置することにより、基板押え300の基板ガイド部320によって基板400の縦方向の動きが規制される。
【0024】
ところで、基板保持用治具100は、一般的に、基板400が配置される際に基板400との間である程度のクリアランス(隙間)が生じるように設計される。図3に示すように、基板400が配置された本体部200の上に基板押え300を配置する際に、基板400の上端部と基板押え300の基板ガイド部320との間に3mm程度のクリアランスCが設けられるように設計される。
【0025】
さらに、基板保持用治具100はステンレス部材を溶接して作成されるため、本体部200の細部の寸法が設計値からずれて作成される場合が多い。また、ウェット処理によって本体部200や基板押え300が変形したりすると、基板押え300の基板ガイド部320(ガイドG3の下面)の高さ配置が局所的にずれたりする。さらには、各基板400においても、それらの間で外形寸法のばらつき(0.5mm程度)が発生している。
【0026】
このように、基板400と基板押え300(基板ガイド部320)との間にはクリアランスCが生じており、基板400の配置位置によってはかなりのクリアランスCが生じる場合がある。
【0027】
多層配線基板を製造する際のビアホールにめっきを施す工程などでは、ビアホール内にめっき液が十分にいきわたるように、複数の基板を収容した基板保持用治具100を上下に震動させてビアホール内の気泡を除去してめっきを行う必要がある。
【0028】
このとき、上記したように基板400と基板押え300との間でクリアランスCが生じているので、基板保持用治具100を上下に震動させる際に、基板400の上下の端部が基板押え300や本体部200の底部に衝突する。これにより、基板400の端部に基板欠けが発生し、基板の材料であるガラス繊維などの異物がめっき液中に落下することになる。このため、次のバッチの基板に異物が付着してパターン形成不良が発生しやすく、配線の歩留り低下の要因になる。
【0029】
さらに、基板400はウェット処理を繰り返すにつれて、同じ箇所に繰り返して基板欠けが発生して歩留りに影響する大きな欠けに成長しやすい。このため、基板400の挿入する向きを上下逆にするなどして基板欠けの進行を抑制する手間が必要になる。
【0030】
以下に示す本発明の実施形態の基板保持用治具は、上記した不具合を解消することができる。
【0031】
図4は本発明の実施形態の基板保持用治具を示す断面図、図5は図4の基板保持用治具を側方からみた断面図である。図4に示すように、本実施形態の基板保持用治具1は、バッチ式のウェット処理で使用されるカゴであり、複数の基板40が縦になって配置されて保持される本体部20と、複数の基板40を上から押さえる基板押え30とにより基本構成される。本体部20及び基板押え30はステンレスなどの金属部材が溶接によって連結されて製造される。
【0032】
本体部20は四角柱状立体(直方体又は立方体)の骨組みのように、側面枠部22と上面枠部24と底面枠部26とが連結されて構成される。本体部20の一対の対向する側面部には、基板40(破線で示す)の位置を規定するガイドG1(溝や開口部)が横方向に並んで設けられている。
【0033】
つまり、図4の本体部20の側面のイメージ図に示すように、本体部20を構成する側面枠部22に所定間隔を空けて複数の棒状部材24が縦になって連結されてそれらの間に複数のガイドG1が設けられている。本体部20の他方の対向する一対の側面部(図4の正面)は一括して開口されている。
【0034】
また、図4の底面のイメージ図に示すように、本体部20の底面枠部26にも基板40を規定する複数ガイドG2(凹部)が並んで設けられている。側面枠部22及び底面枠部26に設けられるガイドG1,G2は基板40の位置を規定できればよく、各種形状のガイドG1,G2を採用することができる。
【0035】
本体部20の底面枠部26のガイドG2は、本体部20の側面枠部22のガイドG1に対応する位置に設けられている。また、本体部20の上面枠部24の内側は一括して開口されている。このようにして、複数の基板40の端部が本体部20のガイドG1,G2にはまってその位置が規定されて横方向(水平方向)の動きが規制される。これによって、本体部20に収容された基板40同士が接触しないようになっている。
【0036】
また、図4に示すように、基板押え30は、その下面の中央側に長手方向に延在して設けられた2本の基板ガイド部32を備えている。図5を加えて参照すると、基板ガイド部32は、基板押え30の下面側に延在して設けられた突出部の下部にガイドG3(凹部)が並んで形成されて構成される。
【0037】
また、図5に示すように、基板押え30の基板ガイド部32の各ガイドG3は、複数の基板40に対応する位置(本体部20の底部枠部26に設けられたガイドG2及び側面枠部22に設けられたガイドG1に対応する位置)に設けられている。これにより、複数の基板40は本体部20の底面枠部26のガイドG3と基板押え30の基板ガイド部32によって縦方向(上下方向)の動きが規制され、基板40の外部への脱落が防止される。
【0038】
さらに、図4及び図5に示すように、本実施形態の基板保持用治具1は、基板押え30に基板40を下側に押圧する板ばね50が設けられている。図4及び図5に図6〜図9を適宜参照して、基板押え30の板ばね50について詳しく説明する。
【0039】
図6は図4及び図5の基板押え30を上側からみた透視平面図、図7は図6の基板ガイド部のI−Iに沿った断面イメージを示す図、図8は図6の板ばねのII−IIに沿った断面イメージを示す図である。
【0040】
図6を加えて参照すると、基板押え30の下面側において、上記した平行して延在する2本の基板ガイド部32の外側に板ばね50がそれぞれ並んで設けられている。各板ばね50は、2本の基板ガイド部32の各ガイドG3に対応する外側位置にそれぞれ配置されており、本体部20に収容された複数の基板40(図6では中央部に1枚記載(太線部))の上端部の両端側に各板ばね50がそれぞれ配置されるようになっている。
【0041】
2本の基板ガイド部32の外側にそれぞれ配置された板ばね50は、その内側部50aが基板押え30の本体に連結されて固定され、その外側部50bがフリーな状態となってばねの弾性力によって基板40を下側に押圧できるようになっている。
【0042】
図7及び図8に示すように、板ばね50の基板40に接触する部分(最下面)の高さは、基板ガイド部32のガイドG3の凹面の高さより低い位置に配置されている。これより、基板40と基板ガイド部32のガイドG3との間にクリアランスが生じた状態で基板40が板ばね50によって下側に押圧される。
【0043】
そのような構成の基板押え30を複数の基板40が収納された本体部20の上に配置することにより、各基板40が板ばね50によって下側に押圧されて基板保持用治具1に固定される。基板押え30の両端側にはクリップ21(図7及び図8)が備えられており、基板押え30の両側のクリップ21を本体部20に噛合させることにより、基板押え30が本体部20に固定される。
【0044】
このとき、基板40と基板押え30の基板ガイド部32との間にはクリアランスが生じているが、基板押え30に連結された板ばね50によって基板40を本体部20の底面枠部26側に固定して縦(上下)方向に動かないように固定することができる。
【0045】
図9には、図4及び図5の基板保持治具1に収容された複数の基板40が板ばね50によって固定される様子が模式的に示されている。図9に示すように、基板40の上には前述した基板押え30の2本の基板ガイド部32の各ガイドG3がクリアランスCをもった状態で(基板40の上端部から離れて)配置されている。そして、2本の基板ガイド部32の外側に板ばね50がそれぞれ配置されており、基板40の両端側が板ばね50によって下側に押圧されて固定されている。
【0046】
図9では不図示であるが、前述した図6で説明したように、基板40の両端側に配置された各板ばね50は、それらの内側部50a(基板40の中央側)が基板押え30の本体に連結されて固定されており、それらの外側部50b(基板40の端側)がフリーな状態となっている。あるいは、逆に、板ばね50の内側部50aがフリーな状態で、外側部50bが基板押え30に連結されて固定されていてもよく、板ばね50の一端側が基板押え30に連結され、他端側がフリーな状態であればよい。
【0047】
基板40は、基板押え30の板ばね50と本体部20の底面枠部26のガイドG2(図4、図5)によって挟まれた状態となってその動きが規制されて固定される。基板40の厚みdが0.4〜1.5mmの場合は、板ばね50の幅wは10mm程度に設定されて、板ばね50が基板40から外れないようになっている。板ばね50の荷重値(基板への押圧力)は4〜6N(好適には5N)に設定される。
【0048】
なお、基板保持用治具1(本体部20及び基板押え30)の寸法ばらつきや基板40自体の外形ばらつきによって、基板40の配置位置によって基板40と基板押え30の基板ガイド部32との間のクリアランスCがばらつく場合がある。しかしながら、本実施形態では、基板40ごとに板ばね50で個々に押さえつけるので、基板40と基板押え30の基板ガイド部32との間のクリアランスCがばらつく場合であっても、板ばね50によってそのばらつきを吸収することができ、全ての基板40を十分に固定することができる。
【0049】
また、基板40の横方向においても、基板40と本体部20のガイドG1,G2(図4)との間でクリアランス(隙間)が生じている。しかしながら、板ばね50の押圧によって基板40がクリアランス分傾くことで、本体部20のガイドG1,G2又は基板押え30のガイドG3がストッパとなって基板40が固定されるので、基板40は横方向においてもがたつきがなくなって動きが規制される。
【0050】
なお、本実施形態では、板ばね50を例示したが、コイルばねなどの各種の弾性体を使用してもよい。また、本実施形態では、基板40の中央側に基板押え30の基板ガイド部32を2本配置し、その両端側に板ばね50を配置したが、逆に、基板40の中央側に板ばね50を配置し、その両端側に基板押え30の基板ガイド部32を配置してもよい。また、一枚の基板40上に配置される基板ガイド部32のガイドG3の数や板ばね50の数は任意に設定することができる。
【0051】
このようにして、本実施形態の基板保持用治具1に複数の基板40が固定された状態で収容される。そして、複数の基板40を収容した基板保持用治具1は、ウェット処理槽に浸漬され、上面側、側面側及び底面側からその内部にウェット液が入り、複数の基板40がウェット液で処理されるようになっている。基板40は、例えば、ガラスクロス入りのエポキシ樹脂などからなるコア基板であり、スルホールが設けられたコア基板の両面側にビルドアップ配線(多層配線)が形成される。
【0052】
ビルドアップ配線の製造工程では、各種のウェット処理がある。例えば、無電解めっき装置では、前処理液やめっき液などが入れられた個別のウェット処理槽が複数並んで配置されており、基板40が収容された基板保持用治具1がそれらウェット処理槽で順次処理されることにより、基板40の上に金属めっき層が形成される。
【0053】
本実施形態の基板保持用治具1は、基板40の上端部と基板押え30の基板ガイド32との間にクリアランスが存在するが、基板40は板ばね50と本体部20の底面枠部26との間に固定されて上下に動かないようにしている。
【0054】
これにより、前述したようなビアホールにめっきを施す工程などでビアホールにめっき液が十分にいきわたるように基板保持用治具1を上下に震動させる場合であっても、基板が基板押え30や本体部20に衝突するおそれがないので、基板40に基板欠けが発生することがなくなる。また、ウェット処理槽に基板の破片が落下することもないので、次のバッチの基板に破片が付着して歩留りが低下する問題を回避できる。したがって、信頼性の高いビア接続を有する多層配線基板を歩留りよく製造できるようになる。
【0055】
しかも、基板欠けの進行を緩和させるために基板40の挿入する向きを上下逆にしたりする手間が省けるので、関連技術よりも生産効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】図1は本発明に関係する関連技術の基板保持用治具を示す断面図(その1)である。
【図2】図2は本発明に関係する関連技術の基板保持用治具を示す断面図(その2)である。
【図3】図3は図1及び図2の基板保持用治具において基板と基板ガイドとの間に生じるクリアランス(隙間)の様子を示す断面図である。
【図4】図4は本発明の実施形態の基板保持用治具を示す断面図である。
【図5】図5は図4の基板保持用治具を横方向からみた断面図である。
【図6】図6は図4及び図5の基板押えを上側からみた透視平面図である。
【図7】図7は図6の基板押えの基板ガイド部のI−Iに沿った断面イメージを示す図である。
【図8】図8は図6の基板押えの板ばねのII−IIに沿った断面イメージを示す図である。
【図9】図9は本発明の実施形態の基板保持用治具の板ばねによって基板が押圧されて固定される様子を模式的に示す斜視図である。
【符号の説明】
【0057】
1…基板保持用治具、20…本体部、21…クリップ、22…側面枠部、24…上面枠部、26…底面枠部、30…基板押え、32…基板ガイド部、40…基板、50…板ばね、50a…内側部、50b…外側部、C…クリアランス(隙間)、G1,G2,G3…ガイド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側に複数の基板の横方向の動きを規制するガイドが設けられて、前記複数の基板が縦になった状態で前記ガイドに配置されて収容される本体部と、
前記本体部の上に配置され、前記複数の基板に対応する内側の位置に前記基板の縦方向の動きを規制するガイドが設けられた基板押えとを有し、
前記基板押えは前記複数の基板に対応する位置にばねをそれぞれ備えており、前記基板押えが前記本体部の上に配置される際に、前記複数の基板が前記ばねで下側に押圧されて固定されることを特徴とする基板保持用治具。
【請求項2】
前記基板押えの前記ガイドは前記基板の中央側に配置され、前記基板押えの前記ばねは前記基板の両端側にそれぞれ配置されていることを特徴とする請求項1に記載の基板保持用治具。
【請求項3】
前記複数の基板が収容された前記本体部の上に前記基板押えを配置する際に、前記基板の上端部と前記基板押えの前記ガイドとの間にクリアランスが存在することを特徴とする請求項1又は2に記載の基板保持用治具。
【請求項4】
前記ばねは、前記基板と平行に配置された板ばねであり、前記板ばねの一端側が前記基板押えに連結され、他端側がフリーな状態となっていることを特徴とする請求項1又は2に記載の基板保持用治具。
【請求項5】
前記本体部は枠部が連結された四角柱状立体から構成され、前記本体部のガイドは一対の対向する側面部と底面部に設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基板保持用治具。
【請求項6】
前記基板は、多層配線基板を製造するためのコア基板であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基板保持用治具。
【請求項7】
前記基板保持用治具は、前記複数の基板を保持した状態でウェット処理槽で処理され、処理中に上下振動が与えられることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の基板保持用治具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−212324(P2009−212324A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−54379(P2008−54379)
【出願日】平成20年3月5日(2008.3.5)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】