説明

基板処理装置

【課題】基板搬送に関する画像データを効率よく収集・保存し、搬送エラーの解析に利用する。
【解決手段】基板を搬送する搬送手段による搬送エラーが検出されると搬送手段を停止する第1制御手段と、搬送手段による基板の搬送動作を画像データとして記録する記録手段と、画像データを所定の周期で蓄積部に蓄積する第2制御手段と、を備え、第1制御手段は、搬送手段または処理手段から基板の状態を示す情報を取得し、搬送手段が搬送エラーにより停止した旨を第2制御手段に通知し、第2制御手段は、搬送エラーの発生時を含む所定時間分の画像データを蓄積部から読み出してファイルに変換する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、処理室へ基板を搬送する搬送手段を備える基板処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板処理装置は、例えば搬送手段により処理室内へ基板を搬送し、処理室内にて基板に対して所定の処理を行うよう構成されている。基板の搬送時には、例えば搬送手段のトラブルや処理室内外の圧力差で、基板がずれたり、落下したり、破損したりすることがある。例えば、基板の有無を検出する検出手段(例えば、光センサ、マッピングセンサ等のセンサ類)は、所定位置での基板の有無の状態が期待値と異なった場合に、それを搬送エラーとして検出する。このような場合、搬送エラーが発生したことはわかっても、位置ずれ、落下、破損等の基板の詳細の状態やその状態に至った原因については直ちに知ることはできない。
【0003】
係る状況を解消するには、例えばビデオカメラ等の記録手段を基板処理装置内に設置し、搬送エラーの解析に利用することが考えられる。しかしながら、常時稼働中の基板処理装置で画像データを保存し続けた場合、膨大な量の画像データの中から搬送エラーの発生時のデータを選り分けなければならず、解析に長時間を要してしまう。この場合、保守員が定期的に記憶媒体を消去する等の処置が必要となり非効率的である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、基板を搬送する動作を画像データとして記録し、この画像データを効率よく収集・保存することで、搬送エラーの解析に利用することができる基板処理装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、基板を搬送する搬送手段と、前記基板を処理する処理手段と、前記搬送手段による前記基板の搬送時に発生する搬送エラーを検出する検出手段と、前記検出手段により前記搬送エラーが検出されると前記搬送手段を停止する第1制御手段と、前記搬送手段による前記基板の搬送動作を画像データとして記録する記録手段と、前記記録手段で記録した前記画像データを蓄積部に蓄積する第2制御手段と、を備え、前記第1制御手段は、前記搬送手段または前記処理手段から前記基板の状態を示す情報を取得し、前記搬送手段が前記搬送エラーにより停止した旨を前記第2制御手段に通知し、前記第2制御手段は、前記搬送エラーの発生時を含む所定時間分の前記画像データを前記蓄積部から読み出してファイルに変換するように構成される基板処理装置が提供される。
【0006】
本発明の他の態様によれば、基板を搬送する搬送手段と、前記基板を処理する処理手段と、前記搬送手段による前記基板の搬送動作を画像データとして記録する記録手段と、各種の画面を表示する操作部と、前記基板の状態を示す情報と関連させて、前記搬送手段、前記処理手段、前記記録手段および前記操作部を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記搬送手段による前記基板の搬送履歴情報と前記処理手段による基板処理の状況を表わす生産情報とを含む基板処理結果情報のうち前記搬送履歴情報が保存される第1格納部および前記基板処理結果情報のうち前記生産情報が保存される第2格納部を有し、前記搬送履歴情報を表示する画面が選択されると前記記録手段が記録した前記画像データを前記搬送履歴情報と共に前記操作部に表示させ、前記生産情報を表示する画面が選択されると前記記録手段が記録した前記画像データを前記生産情報と共に前記操作部に表示させる基板処理装置が提供される。
【0007】
本発明のさらに他の態様によれば、基板を搬送する搬送手段と、前記搬送手段による前記基板の搬送時に発生する搬送エラーを検出する検出手段と、前記搬送手段による前記基板の搬送を制御する搬送制御手段と、前記搬送手段による前記基板の搬送動作を画像データとして記録する記録手段と、前記記録手段で記録した前記画像データを所定期間又は所定のイベント間の期間で区切ってファイルに変換し、記憶部に保存する主制御手段と、を備え、前記主制御手段は、前記搬送エラーの発生を示すエラー通知、前記搬送エラーの発生時刻を示す時刻データ、前記搬送エラーの発生時のレシピ内容および前記搬送エラーの発生時の前記基板処理装置の状態を示すモニタデータ、を含むエラー情報を生成し、前記搬送エラーの発生時の前記画像データを含む前記ファイルを前記搬送エラーの発生時の前記搬送手段の位置及び速度を含む数値データとともに前記エラー情報に関連付け、予め前記記憶部に保存しておいた正常時の画像データ及び数値データと、前記搬送エラーの発生時の前記画像データ及び前記数値データとを比較してこれらのデータの相違点を抽出した比較データを生成し、前記比較データを前記エラー情報に関連付け、前記主制御手段が有する操作画面に前記エラー情報を表示するように構成される基板処理装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基板搬送に関する画像データを効率よく収集・保存し、搬送エラー発生時の画像データ及び基板の状態を表示することで搬送エラーの解析に利用することができるので、搬送エラーの発生原因を容易に特定できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1実施形態に係る基板処理装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る基板処理装置の制御手段のブロック構成図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る画像制御コントローラが備えるプログラムテーブルの設定例である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る画像制御コントローラにより確保されたRAMのメモリ領域の方式例である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る画像制御コントローラによる画像データの収集・保存のフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態に係る基板処理装置の真空ロボットの動作を説明する図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る画像制御コントローラによるファイルの変換及びハードディスクへの保存についての概要説明図である。
【図8】本発明の第4実施形態に係る基板処理装置の斜視図である。
【図9】本発明の第4実施形態に係る基板処理装置の側面透視図である。
【図10】本発明の第4実施形態に係る基板処理装置の主コントローラを中心としたハードウエアの概略構成の一例を示すブロック図である。
【図11】本発明の第4実施形態に係る基板処理装置の主コントローラによる比較データの生成についての概要説明図である。
【図12】本発明の第4実施形態に係る基板処理装置の操作画面の表示例である。
【図13】本発明の第3実施形態に係る画像制御コントローラが有するRAM及びハードディスクの各領域の方式例である。
【図14】本発明の第3実施形態に係る画像制御コントローラによる画像データの収集・保存のフローチャートである。
【図15】本発明の第2実施形態に係る操作部に表示される搬送履歴情報画面の一例である。
【図16】本発明の第2実施形態に係る操作部に表示される生産情報画面の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<本発明の第1実施形態>
以下に、本発明の第1実施形態について説明する。
【0011】
(1)基板処理装置の構成
まずは、本実施形態に係る基板処理装置の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る枚葉式のクラスタ型基板処理装置10の概略構成図である。
【0012】
図1に示すように、基板処理装置10は真空側と大気側とに分れている。
【0013】
(真空側の構成)
基板処理装置10の真空側には、真空気密可能な真空搬送室(トランスファチャンバ)TMと、予備室としてのバキュームロックチャンバ(ロードロック室)VL1,VL2と、処理室としてのプロセスチャンバPM1,PM2,PM3,PM4と、が設けられる。バキュームロックチャンバVL1,VL2、プロセスチャンバPM1〜PM4は、真空搬送室TMの外周に星状に配置されている。なお、以降の説明において、プロセスチャンバPM1〜PM4や、バキュームロックチャンバVL1,VL2等の複数個のうちの任意の構成を表す場合には、例えば「プロセスチャンバPM」のように数字を付さずに記載する。
【0014】
真空搬送室TMは、真空状態などの大気圧未満の圧力(負圧)に耐えることが出来るロードロックチャンバ構造に構成されている。なお、本実施形態においては、真空搬送室TMの筐体は、平面視が六角形で、上下両端が閉塞した箱形状に形成されている。
【0015】
真空搬送室TM内には、第1搬送手段としての真空ロボットVRが設けられている。真空ロボットVRは、バキュームロックチャンバVL1,VL2及びプロセスチャンバPM1〜PM4との間で、シリコン(Si)等からなる基板としてのウエハWの搬送を基板載置部である上側アームUVA又は下側アームLVAに載せることで相互に行なう。ウエハWの搬送は、対象となるチャンバに対して、例えばウエハWの搬入出を略同時に行う入替え動作により行うよう構成することができる。なお、真空ロボットVRは、エレベータEVによって、真空搬送室TMの気密性を維持しつつ昇降できるように構成される。また、上側アームUVA及び下側アームLVAはそれぞれ水平方向に伸縮でき、係る水平面内で回転移動できるように構成されている。
【0016】
また、真空搬送室TM内であって、ゲートバルブGV1,GV2,GP1,GP2,GP3,GP4の手前側のそれぞれの所定位置(バキュームロックチャンバVL1,VL2及びプロセスチャンバPM1〜PM4への搬入出時にウエハWが通過する位置の近傍)にはウエハWの有無を検出する検出手段としてのウエハ有無センサST1,ST2,ST3,ST4(PM1〜PM4側のみ図示)がそれぞれ設置され、上側アームUVA上及び下側アームLVA上のウエハWの存在を検出できるようになっている。
【0017】
また、真空搬送室TM内には、静止画や動画等の画像データとして真空ロボットVRによる搬送動作を記録する小型のビデオカメラやウェブカメラ等の第1記録手段としてのカメラCTが設置されている。カメラCTは1台のみならず複数台設置されていてもよい。具体的には、バキュームロックチャンバVL1,VL2、プロセスチャンバPM1〜PM4の各手前側の上部位置等、ウエハWの移動や受け渡し等の様子が確認し易い位置の複数個所に設置することができる。また、所定のプロセスチャンバPMの側壁等に図示しない覗き窓を設け、係る覗き窓から内部を見通せる位置にカメラを設置し、プロセスチャンバPM内での搬送動作を記録するように構成してもよい。係る構成は、腐食ガスやプラズマ
等を用いた処理や高温環境下での処理のため、プロセスチャンバPMの内部にカメラを設置できない場合に有効である。
【0018】
これにより、上記のウエハ有無センサST1〜ST4等により搬送エラーが検出された場合に、搬送エラーの解析が容易となる。
【0019】
ウエハ有無センサにより期待値と異なるウエハWの有無の状態が検出され、搬送エラーが発生した場合、画像データを確認することにより、位置ずれ、落下、破損等のウエハWの詳細の状態を直ちに知ることができる。また、ウエハWが、位置ずれ、落下、破損等の状態に至る原因としては、真空ロボットVRのアームUVA,LVAの調整不良、アームUVA,LVAや後述の各チャンバに設けられた基板載置部の汚れや摩耗、各チャンバ間の圧力差によるゲートバルブGV,GP開放時の気流発生等が考えられる。ここで、搬送エラーの発生時の基板の搬送状態を示すモニタデータや、搬送トレースデータ、エラーロギングデータ等に加え、画像データを利用して解析することにより、搬送エラーの発生原因を特定することができ、且つ、解析にかかる時間を低減することができる。
【0020】
このように、本実施形態では、真空搬送室TM内等にカメラCTを設置し、このカメラCTにより記録された画像データを利用する。つまり、後述するように、ウエハWの詳細な状態を示す情報(ウエハWの状態情報)と画像データによる基板搬送情報とを同一画面上に表示することにより、搬送エラーの発生原因の特定が容易となり、短時間で搬送エラーの解析を行うことができる。
【0021】
各プロセスチャンバPM1〜PM4は、それぞれが例えばアッシングや化学反応による成膜(CVD:Chemical Vapor Deposition)など、ウエハWに付加価値を与える処理室として機能する。ここで、任意のプロセスチャンバPMは、ウエハWが載置される図示しない基板載置部や、その機能に応じた各種の構成、例えばガス導入・排気機構や温度制御・プラズマ放電機構を備えている。これらの機構は、プロセスチャンバPM内へ供給する処理ガスの流量を制御するマスフローコントローラ(MFC)11、プロセスチャンバPM内の圧力を制御するオートプレッシャコントローラ(APC)12、プロセスチャンバPM内の温度を制御する温度調整器13、処理ガスの供給や排気用バルブのオン/オフを制御する入出力バルブI/O14、などを備えている。上記各構成は、制御手段CNTの備えるプロセスチャンバコントローラPMCに電気的に接続されている。制御手段CNTの構成については後述する。
【0022】
主に、MFC11、APC12、温度調整器13、入出力バルブI/O14等を備えるプロセスチャンバPM1〜PM4により、本実施形態に係る処理手段が構成されている。
【0023】
バキュームロックチャンバVL1,VL2は、真空搬送室TM内へウエハWを搬入する予備室として、あるいは真空搬送室TM内からウエハWを搬出する予備室として機能する。バキュームロックチャンバVL1,VL2の内部には、ウエハWを搬入搬出する際、ウエハWを一時的に支持する基板載置部としてのバッファステージBS1,BS2が、それぞれ設けられている。バッファステージBS1,BS2は、複数枚(例えば2枚)のウエハWを保持する多段型スロットとしてそれぞれ構成されていてもよい。
【0024】
バキュームロックチャンバVL1,VL2は、それぞれゲートバルブGV1,GV2を介して真空搬送室TMと連通しており、また、それぞれゲートバルブGV3,GV4を介して後述する大気搬送室LMと連通している。したがって、ゲートバルブGV1,GV2を閉じたまま、ゲートバルブGV3,GV4を開けることにより、真空搬送室TM内の真空気密を保持したまま、バキュームロックチャンバVL1,VL2と大気搬送室LMとの間でウエハWの搬送を行うことが可能である。
【0025】
また、バキュームロックチャンバVL1,VL2は、真空状態などの大気圧未満の負圧に耐えることが出来るロードロックチャンバ構造として構成されており、その内部をそれぞれ真空排気することが可能となっている。したがって、ゲートバルブGV3,GV4を閉じてバキュームロックチャンバVL1,VL2の内部を真空排気した後で、ゲートバルブGV1,GV2を開けることにより、真空搬送室TM内の真空状態を保持したまま、バキュームロックチャンバVL1,VL2と真空搬送室TMとの間で、ウエハWの搬送を行うことが可能である。
【0026】
(大気側の構成)
一方、基板処理装置10の大気側には、上述の通り、バキュームロックチャンバVL1,VL2に接続された大気搬送室LMと、大気搬送室LMに接続された基板収納容器としてのFOUP(Front−Opening Unified Pod:以下、ポッドPD1〜PD3という)を載置する基板収容部としてのロードポートLP1〜LP3と、が設けられる。
【0027】
大気搬送室LMには、大気搬送室LMの内部にクリーンエアを供給する図示しないクリーンエアユニットが設けられている。
【0028】
大気搬送室LM内には、第2搬送手段としての大気ロボットARが例えば1台設けられている。大気ロボットARは、バキュームロックチャンバVL1,VL2とロードポートLP1〜LP3との間でウエハWの搬送を相互に行なう。大気ロボットARも、真空ロボットVRと同様に基板載置部である上側アームUAA及び下側アームLAAを有する。
【0029】
また、大気搬送室LM内であって、ゲートバルブGV3,GV4の手前側のそれぞれの所定位置(バキュームロックチャンバVL1,VL2への搬入出時にウエハWが通過する位置の近傍)にも、ウエハWの有無を検出する検出手段としてのウエハ有無センサSL1,SL2がそれぞれ設置され、上側アームUAA及び下側アームLAA上のウエハWの存在を検出できるようになっている。
【0030】
また、大気搬送室LM内には、静止画や動画等の画像データとして大気ロボットARによる搬送動作を記録する小型のビデオカメラやウェブカメラ等の第2記録手段としてのカメラCLが設置されている。カメラCLは1台のみならず複数台設置されていてもよい。具体的には、バキュームロックチャンバVL1,VL2の各手前側の上部位置等、ウエハWの移動や受け渡し等の様子が確認し易い位置の複数個所に設置することができる。
【0031】
これにより、上記のウエハ有無センサSL1,SL2により搬送エラーが検出された場合に、搬送エラーの解析が容易となる。
【0032】
従来においては、搬送エラーが発生したことはウエハ有無センサにより知ることができても、基板処理装置の状態を示すモニタデータや、搬送トレースデータ、エラーロギングデータ等、基板処理装置の内部に蓄積されたデータを解析し、搬送エラーの発生原因等を推定し特定することとなる。このような搬送エラーの解析は非常に時間がかかるため、搬送エラーの発生原因を特定することは困難であった。
【0033】
しかしながら、本実施形態では、カメラCLにより記録された画像データを利用して、ウエハWの詳細な状態情報と画像データによる基板搬送情報とを同一画面上に表示することにより、搬送エラーの発生原因の特定が容易となり、短時間で搬送エラーの解析を行うことができる。
【0034】
なお、大気搬送室LM内には、基板位置補正装置として、ウエハWの結晶方位の位置合わせ等を行うオリフラ(Orientation Flat)合わせ装置OFAが設けられている。ウエハWがノッチタイプであるときは、基板位置補正装置としてのノッチ合わせ装置を設けることも可能である。
【0035】
各ロードポートLP1〜LP3は、各ロードポートLP1〜LP3上に、複数枚のウエハWを収納する基板収納容器としてのポッドPD1〜PD3をそれぞれ載置するように構成される。ポッドPD1〜PD3内には、ウエハWをそれぞれ収納する収納部としてのスロット(図示せず)が複数設けられている。各ロードポートLP1〜LP3はポッドPD1〜PD3が載置されると、ポッドPD1〜PD3を識別するID(キャリアID)を読み取ったり書き込んだりするよう構成される。
【0036】
また、各ロードポートLP1〜LP3は、ポッドPD1〜PD3が載置された際、および基板処理が終了して全部のウエハWが払い出されてきた際、ポッドPD1〜PD3の各スロットにおけるウエハWの有無を確認するマッピングを行うよう構成される。これにより、ウエハWがどのスロット位置に収納されているか等を識別し、また、ウエハWが各スロット位置に正しく収納されているか、基板処理前後でウエハWのスロット位置に変わりはないか等の異常を判定する。ウエハWがスロット位置に正しく収納されない例としては、ウエハWの割れや欠け、ズレにより、ウエハWがスロットを跨って斜めに収納されていたり(クロス)、上段のスロットから下段に落ちて1つのスロットに2枚以上重なって収納されていたり(ダブル)すること等が考えられる。
【0037】
従来技術においては、このような異常が発生した場合、やはり原因の特定に多大な時間や労力を要していたが、本実施形態によれば、上述の画像データとウエハWの詳細な状態情報とを同一画面上に表示させ、スロット位置での異常を解析することにより、原因の特定にかかる時間や労力を低減することができる。
【0038】
以上、本実施形態の基板処理装置10について説明をしたが、各室の数や構成、組み合わせは上記に限られず、適宜、選択することができる。
【0039】
(2)制御手段の構成
基板処理装置10の各構成は、制御手段CNTにより制御される。図2に、制御手段CNTの構成例を示す。制御手段CNTは、第1制御手段としての統括制御コントローラ90と、プロセスチャンバコントローラPMC1(91),PMC2(92)・・・と、第2制御手段としての画像制御コントローラ93と、操作員による操作を受け付ける操作部100と、を備えており、これらはLAN回線80により相互にデータ交換可能なように接続されている。なお、LAN回線80に代えて、USB回線やデジタルI/O回線等を用いることも可能である。
【0040】
(統括制御コントローラ)
統括制御コントローラ90は、真空ロボットVR、大気ロボットAR、ゲートバルブGP1〜GP4,GV1〜GV4、バキュームロックチャンバVL1,VL2と、それぞれ接続されている。そして、統括制御コントローラ90は、真空ロボットVR及び大気ロボットARの動作、ゲートバルブGP1〜GP4,GV1〜GV4の開閉動作、バキュームロックチャンバVL1,VL2内部の排気動作を制御するように構成されている。また、統括制御コントローラ90は、搬送手段や処理手段を構成する上記各部からウエハWの詳細な状態を示す状態情報を取得するよう構成されている。
【0041】
また、統括制御コントローラ90は、上述の検出手段としてのウエハ有無センサST1〜ST4,SL1,SL2等にそれぞれ接続されており、ウエハ有無センサST1〜ST
4,SL1,SL2等からの検出信号に基づいて、基板処理装置10内のウエハWの位置を示す位置情報を作成して随時更新するように構成されている。そして、統括制御コントローラ90は、ウエハWをポッドPD1〜PD3の内のどのスロットに収納するかをそれぞれ指定する収納情報とウエハWの位置情報とに加え、ウエハWについてのプロセス処理状況、ウエハWやポッドPD1〜PD3を識別するウエハIDやキャリアID、ウエハWに対して実施するレシピ等のデータに基づいて、第1搬送手段としての真空ロボットVR及び第2搬送手段としての大気ロボットARや、ゲートバルブGP1〜GP4,GV1〜GV4等の動作を制御するように構成されている。
【0042】
また、統括制御コントローラ90は、ウエハ有無センサST1〜ST4,SL1,SL2等により搬送エラーが検出されると、真空ロボットVRや大気ロボットARによる搬送動作を停止させ、その旨を画像制御コントローラ93に通知するように構成されている。
【0043】
また、統括制御コントローラ90は、第1格納部としてのハードディスク90hを備えている。ハードディスク90hには、搬送に関する各種情報が統括制御コントローラ90により保存されるように構成されている。また、ハードディスク90hには、統括制御コントローラ90を介して基板処理装置10の動作を制御する制御プログラム等が読み出し可能に格納されている。
【0044】
(プロセスチャンバコントローラ)
プロセスチャンバコントローラPMC1,PMC2・・・は、プロセスチャンバPM1,PM2・・・が備えるMFC11、APC12、温度調整器13、入出力バルブI/O14等にそれぞれ接続されている。そして、プロセスチャンバコントローラPMC1,PMC2・・・は、プロセスチャンバPM1,PM2・・・のガス導入・排気機構、温度制御・プラズマ放電機構等の各動作を制御するように構成されている。
【0045】
また、プロセスチャンバコントローラPMC1,PMC2・・・は、第2格納部としてのハードディスク91h,92h・・・をそれぞれ備えている。ハードディスク91h,92h・・・には、基板処理に関する各種情報がプロセスチャンバコントローラPMC1,PMC2・・・により保存されるように構成されている。また、ハードディスク91h,92h・・・には、プロセスチャンバコントローラPMC1,PMC2・・・を介して基板処理装置10の動作を制御する制御プログラム等が読み出し可能に格納されている。
【0046】
(画像制御コントローラ)
画像制御コントローラ93は、USB回線やLAN回線等により、真空搬送室TM内や大気搬送室LM内などに設置される記録手段としてのカメラCT・・・、カメラCL・・・等にそれぞれ接続されている。また、画像制御コントローラ93は、カメラCT,CL等が記録した画像データが蓄積される蓄積部としてのRAM93rと、RAM93rへの画像データの蓄積条件等が規定されたプログラムテーブル93pとを備えている。プログラムテーブル93pは、例えば画像制御コントローラ93が備える図示しない記憶装置等に読み出し可能に格納されている。また、画像制御コントローラ93には、記憶部としてのハードディスクHDが接続されている。記憶装置又はハードディスクHDには、画像制御コントローラ93を介してカメラCT・・・、カメラCL・・・等の動作を制御する制御プログラム等が読み出し可能に格納されている。
【0047】
画像制御コントローラ93が起動されると、画像制御コントローラ93は、プログラムテーブル93pを読み出しその蓄積条件等に従って、画像データを蓄積するRAM93rのメモリ領域を必要分確保するとともに、所定のカメラCT,CL等を起動して画像データの記録を開始させるように構成される。また、画像制御コントローラ93は、蓄積条件等に従う所定の周期で所定の蓄積時間分の画像データのRAM93rへの蓄積を開始する
ように構成される。また、画像制御コントローラ93は、統括制御コントローラ90との通信回線を初期化して通信を確立した後、統括制御コントローラ90からの通知待ちの状態となるように構成される。
【0048】
各カメラCT,CL等で記録した画像データは、画像制御コントローラ93に操作画面等を設けたうえで、適宜、基板搬送情報として、そこに表示可能に構成されていてもよい。あるいは、操作部100が備える図示しない操作画面に表示可能に構成されていてもよい。その際、搬送エラーの発生時に画像データの保存が可能であることが操作画面上に表示される構成としてもよい。
【0049】
また、画像制御コントローラ93は、真空ロボットVRや大気ロボットARが搬送エラーにより停止した旨の通知を統括制御コントローラ90から受け取ると、画像データの蓄積を中断したうえで、係る搬送エラーの発生時を含む所定時間分の画像データをRAM93rから読み出してファイルに変換し、ハードディスクHDに保存するように構成される。ハードディスクHDへの保存が終了すると、画像制御コントローラ93は、画像データの蓄積を再開するように構成される。
【0050】
このように、本実施形態では、搬送エラーの発生前後の画像データをハードディスクHDに保存する。これにより、例えば常時画像データの取り込み・保存を行った場合と異なり、膨大な量の画像データの中から搬送エラーの解析に必要な部分をピックアップする手間が省け、解析に要する時間を削減することができる。また、常時稼働中の基板処理装置で画像データを保存し続けることには、記憶媒体の容量制限上、限界があったが、本実施形態では、ハードディスクHDの記憶容量が少なくて済み、且つ、ハードディスクHDの負荷を低減することができる。
【0051】
また、ハードディスクHDを例えば外部記憶部として構成すれば、ハードディスクHDに保存されたファイルを、画像制御コントローラ93や操作部100の操作画面に表示させたりするのみならず、例えば基板処理装置10が設置されているクリーンルームから離れた事務所エリア等で、コンピュータ上に表示させたりすることができる。これにより、画像データの表示や参照がし易くなるので、搬送エラーの解析がいっそう容易化される。
【0052】
(プログラムテーブル)
画像制御コントローラ93が備えるプログラムテーブル93pには、カメラCT,CL等の台数や起動の要否、画像データをRAM93rに蓄積する周期および蓄積時間等の蓄積条件が規定されている。図3に、プログラムテーブル93pによる蓄積条件の設定例をいくつか挙げる。図3(a)に示すプログラムテーブル93pでは、カメラごとに起動の要否を設定するように構成されている。また、画像データのRAM93rへの蓄積時間を全てのカメラに対して一括設定するように構成されている。一方、図3(b)に示すプログラムテーブル93pのように、画像データのRAM93rへの蓄積時間についても個々のカメラに対して設定できるよう構成することも可能である。
【0053】
ここで、画像データをRAM93rに蓄積する周期は、例えば基板処理装置10内で起こる所定のイベントをトリガとして定めることができる。周期の始点や終点となるイベントの具体例としては、ポッドPDがロードポートLPに載置されたタイミングや、真空ロボットVRや大気ロボットARが所定位置に移動したタイミング、ゲートバルブGP,GVの開閉のタイミング等がある。
【0054】
また、画像データのRAM93rへの蓄積時間は、例えば真空ロボットVRや大気ロボットAR等の搬送手段による所定の動作の所要時間に基づき定めることができる。このとき、各1分程度の1つの動作ごとに区切られた期間を蓄積時間とすることもできるが、所
定のプロセスチャンバPM内へのウエハWの搬入所要時間や、プロセスチャンバPM内からの処理済みのウエハWの搬出所要時間等のように、ひとまとまりの一連の動作ごとに区切るほうが好ましい。加えて、プロセスチャンバPM内でのウエハWの処理時間も蓄積時間に含めると、ウエハWの位置ずれや落下、破損がプロセスチャンバPM内で生じた場合などでも搬送エラーの解析が容易となる。この場合、基板処理の所要時間を加味して蓄積時間を設定する。つまり、このときの蓄積時間は、所定のウエハWについての、プロセスチャンバPM内への搬入所要時間、プロセスチャンバPM内での処理時間、プロセスチャンバPM内からの搬出所要時間、の合計となる。このほか、真空搬送室TM内、大気搬送室LM内の各カメラCT,CLの設置場所に応じて、真空搬送室TM内外或いは大気搬送室LM内外へのウエハWの搬入から搬出までの時間等を蓄積時間とすることも可能である。
【0055】
上述のように、搬送エラーが発生した際には、このように設定された蓄積時間を1つの単位として画像データのファイルへの変換がなされ、ハードディスクHDに保存するように構成されている。したがって、係るファイルに含まれる所定時間分の画像データは、蓄積時間の開始時から終了時まで又は蓄積時間の開始時から搬送エラーが発生して蓄積が中断されるまでに取得された画像データである。
【0056】
なお、プログラムテーブル93pは、後述する基板処理装置10の自動搬送処理における所定の手順を画像制御コントローラ93に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプログラムテーブル93pや上述の制御プログラム等を総称して、単にプログラムともいう。なお、本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合には、プログラムテーブル93p単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。
【0057】
(RAMのメモリ領域)
上述のように、画像制御コントローラ93は、蓄積条件に従ってRAM93rのメモリ領域を確保する。図4に、画像制御コントローラ93により確保されるRAM93rのメモリ領域の方式例をいくつか挙げる。図4(a)に示す方式では、1つのカメラから得られる画像データに対して、蓄積条件により規定される蓄積時間分の容量が1つだけ確保されている。従って、蓄積条件の周期が来るごとに当該メモリ領域の先頭から上書きをしていく。一方、図4(b)に示すように、1つのカメラからの画像データに対して、蓄積時間分の容量を複数確保する方式も考えられる。この場合、複数のメモリ領域に対して順に画像データの蓄積を行い、すべてのメモリ領域がいっぱいになったら、当初のメモリ領域から順に上書きをしていく。
【0058】
以上、本実施形態では、RAM93rの所定メモリ領域内に画像データを上書きしつつ、搬送エラーが生じた場合には、搬送エラーの発生前後の画像データのみをハードディスクHDに保存している。このように、画像データの収集および保存の効率化を図っているので、RAM93rやハードディスクHDに過剰の負荷をかけることなく画像データの取得が可能となり、短時間で搬送エラーの解析を行うことができる。
【0059】
(操作部)
操作部100は、システム制御コマンドの指示、操作画面表示機能を担う。また、上述の画像データによる基板搬送情報や、基板処理装置10の状態を示すモニタデータ、各種ロギングデータ等のウエハWの詳細な状態情報や、アラームの解析、レシピ編集やパラメータ編集などの画面表示・入力受付機能を担う。操作部100は、これらのうち、画像データによる基板搬送情報とウエハWの詳細な状態情報とを同一画面上に表示するよう構成される。
【0060】
以上、上記制御手段CNTの構成では、統括制御コントローラ90と画像制御コントローラ93とを別構成としたが、統括制御コントローラ90の性能やハード要件が満たせるのであれば、統括制御コントローラに画像制御コントローラとしての機能を持たせてもよい。この場合、例えば統括制御コントローラに統括制御プログラムと画像制御プログラムとを備えさせ、両プログラム間で各種データを受け渡すように構成してもよい。
【0061】
なお、制御手段CNTや、制御手段CNTを構成する統括制御コントローラ90、画像制御コントローラ93等は、専用のコンピュータとして構成されている場合に限らず、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、記憶装置、I/Oポートを備えた汎用のコンピュータとして構成されていてもよい。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶装置23(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリやメモリカード等の半導体メモリ)を用意し、係る外部記憶装置23を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすること等により、本実施形態に係る制御手段CNT等を構成することができる。この場合、制御手段CNTや、制御手段CNTを構成する統括制御コントローラ90、画像制御コントローラ93等は、それぞれが個別のコンピュータとして構成されていてもよく、或いは、これらのうちの複数が1つのコンピュータに統合されていてもよい。なお、コンピュータにプログラムを供給する手段は、外部記憶装置23を介して供給する場合に限らない。例えば、インターネットや専用回線等の通信手段を用い、外部記憶装置23を介さずにプログラムを供給するようにしてもよい。なお、統括制御コントローラ90が備えるハードディスク90hや画像制御コントローラ93が備える記憶装置、あるいは外部記憶装置23等は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。以下、これらを総称して、単に記録媒体ともいう。なお、本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、ハードディスク90h単体のみを含む場合、記憶装置単体のみを含む場合、外部記憶装置23単体のみを含む場合、または、これらの任意の組み合わせを含む場合がある。また、上述のハードディスク90h等は、上述のようなHDD(Hard Disk Drive)のみならず、例えばフラッシュメモリ等で構成されていてもよい。
【0062】
(3)基板処理装置の動作
次に、上述の基板処理装置10により実施される自動搬送処理について、図1及び図5を用いて説明する。図5は、画像制御コントローラ93による画像データの収集・保存のフローチャートである。なお、以下の説明において、基板処理装置10の各部の動作は制御手段CNTにより制御される。係る動作及び制御は半導体装置の製造工程の一工程として行われ、その更に一部は搬送エラーのデータ解析工程の一工程として行われる。
【0063】
また、以降において、「未処理のウエハW」という場合には、ロードポートLPから未だ基板処理装置10に投入されていないウエハW、又は、ロードポートLPから基板処理装置10に投入されたウエハWのうち、搬入対象となっているプロセスチャンバPMでの処理を受けていないウエハWを指す。また、以降において、「処理済みのウエハW」という場合には、基板処理装置10における全ての処理を終えたウエハW、又は、所定のプロセスチャンバPM内で所定の処理を終えたウエハWを指す。
【0064】
(画像制御コントローラの起動)
図5に示すように、基板処理装置10や制御手段CNTに電源が投入されるなどして画像制御コントローラ93が起動されると、画像制御コントローラ93は、プログラムテーブル93pを読み出し、蓄積条件にしたがってRAM93rのメモリ領域を確保する(S1)。また、蓄積条件にしたがって所定のカメラCT,CLを起動して画像データの記録を開始させるとともに、所定の周期で所定の蓄積時間分の画像データのRAM93rへの
蓄積を開始する(S2)。また、LAN回線80を初期化して、統括制御コントローラ90との通信を確立させる(S3)。その後、統括制御コントローラ90からの搬送手段が停止した旨の通知待ちの状態となる(S4)。
【0065】
また、ゲートバルブGV1,GV2を閉じ、ゲートバルブGV3,GV4を開き、真空搬送室TM内及びプロセスチャンバPM1〜PM4内を真空排気する。併せて、大気搬送室LM内には、大気搬送室LM内が略大気圧になるようにクリーンエアを供給する。
【0066】
(大気搬送室内への搬送)
上記各部の準備が整った後に、例えば複数枚の未処理のウエハWを収納したポッドPD1がロードポートLP1に載置されると、図1に示すように、大気ロボットARにより、ポッドPD1内の基板位置P1に収納されているウエハWを大気搬送室LM内に搬送し、オリフラ合わせ装置OFA上の基板位置P2に設置し、結晶方位の位置合わせ等を実施する。
【0067】
(バキュームロックチャンバ内への搬送)
続いて、大気ロボットARにより、基板位置P2に設置されているウエハWをピックアップし、少なくともゲートバルブGV3が開放された状態で、例えばバキュームロックチャンバVL1内に搬送し、バッファステージBS1上の基板位置P3に設置する。そして、ゲートバルブGV3を閉じて、バキュームロックチャンバVL1内部を真空排気する。
【0068】
(プロセスチャンバ内への搬送)
バキュームロックチャンバVL1が所定の圧力まで減圧したら、ゲートバルブGV3,GV4を閉じたまま、ゲートバルブGV1を開ける。そして、真空ロボットVRにより、基板位置P3に設置されているウエハWをピックアップし、例えばゲートバルブGP1を開けて、プロセスチャンバPM1内にウエハWを搬送し、基板位置P4に設置する。その後、プロセスチャンバPM1内に処理ガスを供給したりウエハWを加熱したりなどして、ウエハWに対して所定の処理を実施する。
【0069】
プロセスチャンバPM1内におけるウエハWの処理が完了したら、真空ロボットVRにより、基板位置P4に設置されている処理済のウエハWをピックアップし、例えばゲートバルブGP2を開けて、プロセスチャンバPM2内にウエハWを搬送し、基板位置P5に配置する。プロセスチャンバPM2においても、処理ガスを供給したりウエハWを加熱したりなどして、ウエハWに対して所定の処理を実施する。このように、ウエハWに所定の処理がすべて施されるまで、所定のプロセスチャンバPM内外への搬送を順次実施する。このとき、使用するプロセスチャンバ数や搬送順序は、予定されている処理内容に応じて適宜選択する。
【0070】
(バキュームロックチャンバ内への搬送)
必要な処理が全て完了したら、真空ロボットVRにより、所定のプロセスチャンバPMの内部、例えばプロセスチャンバPM2内部の基板位置P5に設置されている処理済のウエハWをピックアップし、例えばゲートバルブGV2を開けて、バキュームロックチャンバVL2内に搬送し、バッファステージBS2上の基板位置P6へ配置する。その後、ゲートバルブGV2を閉め、バキュームロックチャンバVL2内にクリーンガスを供給してバキュームロックチャンバVL2内を略大気圧に戻し、ゲートバルブGV4を開ける。
【0071】
(ロードポートに載置されたポッドへの収納)
続いて、大気ロボットARにより、基板位置P6に設置されている処理済みのウエハWをピックアップして、例えばロードポートLP3に載置されたポッドPD3に搬送して空きスロットである基板位置P7に収納する。
【0072】
このように、真空ロボットVRや大気ロボットARが所定の搬送動作を行って、ウエハ有無センサST1〜ST4,SL1,SL2等による搬送エラーが検出されなければ、以後、係る搬送動作を記録・蓄積しつつ上記の工程を繰り返し、全ての未処理のウエハWについて自動搬送処理が実施される。その後、処理済みウエハWを収納したポッドPD3をロードポートLP3から搬出して、自動搬送処理を完了する。
【0073】
(搬送エラーの発生時の動作)
一方、ウエハ有無センサST1〜ST4,SL1,SL2等により搬送エラーが検出されると、統括制御コントローラ90は真空ロボットVRや大気ロボットAR等の搬送手段を停止する。また、統括制御コントローラ90は、搬送手段や処理手段を構成する各部からウエハWの状態情報を取得する。また、統括制御コントローラ90は、搬送手段が停止した旨を画像制御コントローラ93に通知する。なお、統括制御コントローラ90によるウエハWの状態情報の取得は、上記の自動搬送処理中、随時、あるいは適宜、行われてもよい。
【0074】
図5に示すように、統括制御コントローラ90からの通知があったら(S4→YES)、画像制御コントローラ93は、搬送エラーの発生時を含む所定時間分の画像データをRAM93rから読み出してファイルに変換する(S5)。変換したファイルはハードディスクHDに保存する(S6)。以上により、画像制御コントローラ93による画像データの収集・保存の動作を終了する。
【0075】
このように取得した画像データによる基板搬送情報は、操作員による操作により、または、所定のタイミングで、ウエハWの詳細な状態情報とともに、操作部100が備える操作画面の同一画面上に表示することができる。
【0076】
(4)搬送手段の動作
ここで、真空搬送室TM内での搬送手段によるウエハWの搬送の様子を、図6を用いて更に詳しく説明する。
【0077】
図6は、基板処理装置10の真空ロボットVRの動作を説明する図である。ウエハWの搬入出の対象となるプロセスチャンバPM(図示せず)内では、処理済みのウエハW(以降、Wと表記する)が搬出待ちの状態となっており、真空ロボットVRが備える上側アームUVAと下側アームLVAとにより、処理済みのウエハWと未処理のウエハW(以降、Wと表記する)との入替え動作を行うこととする。また、少なくともこの間、真空搬送室TM内に設置されたカメラCTにより、真空ロボットVRによる搬送動作が画像データとして記録されることとする。
【0078】
まずは、例えばバキュームロックチャンバVL(図示せず)内から上側アームUVAにより未処理のウエハWをピックアップし、図6(a)に示すように、上側アームUVAをY軸方向に回転させてプロセスチャンバPM側(紙面の上側)に向かせる。これにより、上側アームUVA上のウエハWが、プロセスチャンバPMの手前側のウエハ有無センサSTによる検出位置にくる。ウエハWに位置ずれ等が起きていなければウエハ有無センサSTによって「ウエハ有り」と検出される。一方、下側アームLVAにはウエハが載置されていない状態であるので、ウエハ有無センサSTによって「ウエハ無し」と検出される。
【0079】
次に、図6(b)に示すように、下側アームLVAをX軸の前進方向(プロセスチャンバPM方向)に伸張させ、図6(c)に示すように、Z,Z軸方向(紙面に対して垂直方向)に昇降移動させて高さ調整をすることで、プロセスチャンバPM内の処理済み
のウエハWをピックアップする。
【0080】
続いて、図6(d)に示すように、ウエハWが載置された下側アームLVAをX軸の後退方向(プロセスチャンバPMと反対方向)に収縮させると、ウエハWがウエハ有無センサSTによる検出位置にくる。ウエハWはウエハ有無センサSTによって「ウエハ有り」と検出される。
【0081】
一方、未処理のウエハWが載置された上側アームUVAを、下側アームLVAの後退動作に引き続いて、X軸の前進方向に伸張させ、図6(e)に示すように、Z,Z軸方向に昇降移動させることで、プロセスチャンバPM内にウエハWを移載する。
【0082】
続いて、図6(f)に示すように、ウエハWを移載済みの上側アームUVAをX軸の後退方向に収縮させると、ウエハ有無センサSTによる検出位置にきても、上側アームUVAにはウエハが載置されていない状態であるので、ウエハ有無センサSTによって「ウエハ無し」と検出される。以上により、プロセスチャンバPMに対する、ウエハW,Wの入替え動作が完了する。
【0083】
このように、上側アームUVA及び下側アームLVAの種々の動作に応じて、期待値に適ったウエハWの有無が検出されている場合は、ウエハ有無センサSTが搬送エラーを検出することはない。
【0084】
一方、ウエハWの位置ずれや落下、破損等によりウエハWの搬送に支障を来し、無いはずのウエハWが検出されたり、有るはずのウエハWが検出されなかったりした場合、ウエハ有無センサSTにより搬送エラーとして検出され搬送が停止する。
【0085】
このように、搬送エラーが発生した場合のファイルの変換及びハードディスクHDへの保存について、図7に具体例を挙げて説明する。
【0086】
図7は、画像制御コントローラ93によるファイルの変換及びハードディスクHDへの保存についての概略説明図である。図7の例では、所定のプロセスチャンバPMに対する所定のウエハW(例えば、ウエハW)の搬入開始時から搬出終了時までの時間を蓄積時間として設定している。また、ウエハWの搬出時(次のウエハWとの入替え時)に搬送エラーが起きたものとする。すなわち、未処理のウエハWを所定のプロセスチャンバPM内へ移載し、ゲートバルブGPを閉めて基板処理を行い、基板処理の終了後、ゲートバルブGPを開けて処理済みのウエハWを下側アームLVAへ移載したところ、ウエハWの位置ずれが発生したことにより、ウエハ有無センサSTによる検出異常が発生している。
【0087】
係る状況を受けて、画像制御コントローラ93は、RAM93rのメモリ領域の画像データのうち、ウエハWの搬入開始時から搬送エラーの発生時であるウエハWの検出異常発生時までの画像データをRAM93rから読み出してファイルに変換する。そして、変換したファイルをハードディスクHDに保存する。以上により、画像制御コントローラ93によるファイルの変換及びハードディスクHDへの保存が終了する。
【0088】
以上、真空搬送室TM内でのウエハWの搬送について説明したが、大気搬送室LM内ででも略同様のシーケンスでウエハWの搬送が行われる。
【0089】
(5)本実施形態に係る効果
本実施形態によれば、以下に示す1つ又は複数の効果を奏する。
【0090】
(a)本実施形態によれば、真空ロボットVRや大気ロボットARによる搬送動作を画像データとして記録するカメラCT,CLを備える。これにより、搬送エラーの発生時のウエハWの状態を視覚的に確認することができ、搬送エラーの発生原因の特定が容易となる。よって、短時間で搬送エラーの解析を行うことが可能となる。
【0091】
(b)また、本実施形態によれば、ウエハWの詳細な状態情報と画像データによる基板搬送情報とを同一画面上に表示する。これにより、搬送エラーの発生原因の特定がいっそう容易となり、より短時間で搬送エラーの解析を行うことができる。
【0092】
(c)また、本実施形態によれば、真空ロボットVRや大気ロボットARによるウエハWの搬送を制御する統括制御コントローラ90と、カメラCT,CLで記録した画像データを所定の周期でRAM93rに蓄積する画像制御コントローラ93と、を備え、ウエハ有無センサST,SL等により搬送エラーが検出されると、統括制御コントローラ90は、真空ロボットVRや大気ロボットARが搬送エラーにより停止した旨を画像制御コントローラ93に通知し、画像制御コントローラ93は、搬送エラーの発生時を含む所定時間分の画像データをRAM93rから読み出してファイルに変換し、ハードディスクHDに保存する。これにより、膨大な量の画像データの中から搬送エラーの発生時の画像データを探し出してピックアップする等の手間が省け、搬送エラーの解析にかかる時間をいっそう削減することができる。
【0093】
(d)また、本実施形態によれば、カメラCT,CLで記録した画像データを所定の周期で上書きしながらRAM93rに蓄積し、ハードディスクHDには搬送エラーの発生前後の画像データのみを保存する。このように、RAM93rやハードディスクHDにおけるデータ収集や保存の効率化を図っているので、RAM93rやハードディスクHDの負荷を低減し、また、RAM93rやハードディスクHDの記憶容量が少なくて済む。
【0094】
<本発明の第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について、図2に示す制御手段CNTを例に挙げて説明する。本実施形態に係る制御手段CNTは、処理手段や搬送手段を構成する各部から取得したウエハWの状態情報と関連させて、処理手段や搬送手段、記録手段、操作部等を制御する。なお、本実施形態に係る制御手段CNTは、記録手段としての各カメラCT,CL等で記録した画像データを、例えばウエハWごとの搬送履歴情報を示す搬送履歴情報画面や、ウエハWごとの生産情報を示す生産情報画面に表示させる点が、上述の実施形態の制御手段CNTとは異なる。
【0095】
図2を参照して、本実施形態に係る制御手段CNTが備える統括制御コントローラ90は、搬送手段としての真空ロボットVR及び大気ロボットAR、ゲートバルブGP1〜GP4,GV1〜GV4、バキュームロックチャンバVL1,VL2、ウエハ有無センサST1〜ST4,SL1,SL2等によるウエハWの搬送に関する各種情報を、例えばウエハWごとの搬送履歴情報として統合し、第1格納部としてのハードディスク90hに保存するように構成されている。
【0096】
また、本実施形態に係る制御手段CNTが備えるプロセスチャンバコントローラPMC1,PMC2・・・は、MFC11、APC12、温度調整器13、入出力バルブI/O14等を備える処理手段としての各プロセスチャンバPM1〜PM4による基板処理に関する各種情報を、例えばウエハWごとの基板処理の状況を表わす生産情報として統合し、第2格納部としてのハードディスク91h,92h・・・にそれぞれ保存するように構成されている。
【0097】
上記真空ロボットVR、大気ロボットAR等によるウエハWの搬送履歴情報と、上記各
プロセスチャンバPM1〜PM4による基板処理の状況を表わす生産情報と、を併せたものが基板処理結果情報である。
【0098】
また、本実施形態に係る制御手段CNTが備える操作部100は、基板処理装置10の状態を示すモニタデータや、各種ロギングデータ、アラームの解析、レシピ編集やパラメータ編集などの各種の画面が表示される操作画面を備えている。このような各種の画面には、例えばウエハWごとの搬送履歴情報を示す搬送履歴情報画面や、ウエハWごとの生産情報を示す生産情報画面等が含まれる。
【0099】
上記のように構成される制御手段CNTは、上記搬送履歴情報画面において、各カメラCT,CL等が記録した画像データを所定のウエハWの搬送履歴情報と共に操作部100に表示させるよう構成されている。図15に、操作部100が備える操作画面に表示される搬送履歴情報画面の一例を示す。
【0100】
搬送履歴情報画面は、搬送履歴情報として、例えば基板処理装置10を示す模式図上に所定のウエハWの搬送経路を矢印等で表示するよう構成されている。図15の表示例では、所定のウエハWが、ロードポートLP1に載置されたポッドPD1からオリフラ合わせ装置OFAを経由してバキュームロックチャンバVL1、真空搬送室TMへと搬送され、所定のプロセスチャンバPM1〜PM4で基板処理を受けた後、オリフラ合わせ装置OFAを除く同様の経路を通って基板処理装置10外へと払い出されるまでの経路が太線の矢印で示されている。
【0101】
本実施形態では、搬送履歴情報画面において、係る搬送経路上における所定位置でのウエハWの画像データを表示させることが可能なように構成されている。図15の表示例では、大気搬送室LM内の大気ロボットAR上に載置されたウエハWの画像データが表示されている。
【0102】
また、制御手段CNTは、上記生産情報画面において、各カメラCT,CL等が記録した画像データを所定のウエハWの生産情報と共に操作部100に表示させるよう構成されている。図16に、操作部100が備える操作画面に表示される生産情報画面の一例を示す。
【0103】
生産情報画面は、生産情報として、例えば所定のウエハWの基板処理時における各種状態を表示するように構成されている。図16の表示例では、生産日時やウエハID等と共に、圧力、温度、各MFC11a,11b・・・のガス流量等の生産情報が表示されている。
【0104】
本実施形態では、係る生産情報画面において、所定のウエハWの基板処理の直前・直後における画像データを表示させることが可能なように構成されている。図16の表示例では、所定のウエハWの基板処理後の画像データが表示されている。
【0105】
従来技術においては、ウエハ有無センサSL1,SL2による異常検出やロードポートLP1〜LP3におけるスロット異常、基板処理時の生産情報等のみからウエハWの状態確認を行っていたため、異常が発生した際の解析や原因の特定に多大な時間や労力を費やしていた。
【0106】
しかしながら、本実施形態では、搬送履歴情報画面上や生産情報画面上で所定のウエハWの画像データを表示させることにより、搬送中や基板処理の前後におけるウエハWの状態を容易に確認することができる。これにより、例えば基板処理装置10外へ払い出された後のウエハWに割れや欠けが発見された場合であっても、係る割れ・欠けが基板処理装
置10内で生じたものであるか否かの特定を容易に行うことができる。基板処理装置10内で生じた割れ・欠けでないことが証明されれば、基板処理装置10の異常を疑って無駄な検査や点検等を行う手間が省ける。万が一、基板処理装置10内で生じた割れ・欠けであることが判明した場合には、基板処理装置10の異常箇所の特定と補修を速やかに行うことができる。
【0107】
<本発明の第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について、図2に示す制御手段CNTを例に挙げて説明する。但し、本実施形態に係る制御手段CNTは、上述の実施形態に係る第2制御手段とは機能の異なる画像制御手段としての画像制御コントローラ93を備える。すなわち、上述の第2制御手段が、主に搬送エラー発生時の画像データのみをハードディスクHDに保存するのに対し、本実施形態に係る画像制御コントローラ93は、搬送エラー発生時以外の画像データも含めてハードディスクHDに保存するよう構成される。これにより、重要データの取りこぼしの抑制や、搬送手段の経時変化の解析等が可能となる。
【0108】
係る画像制御コントローラ93が有する蓄積部としてのRAM93r及び記憶部としてのハードディスクHDの各領域の構成を、図13に示す。図13に示すように、画像制御コントローラ93が有するRAM93rのメモリ領域内には、カメラ1、カメラ2等の個々のカメラから得られる画像データに対して所定の容量が確保されている。各画像データは、カメラごとの個々のメモリ領域内に所定周期で蓄積されるよう構成される。
【0109】
また、画像制御コントローラ93が有するハードディスクHDには、RAM93rの個々のメモリ領域内に蓄積された画像データをファイル化して保存する領域が、個々のカメラごとに確保されている。係るファイルは、カメラ1、カメラ2等のカメラごとに、それぞれファイル1−1,1−2,1−3・・・、ファイル2−1,2−2,2−3・・・等として、ハードディスクHDの対応する領域内に所定タイミングで保存されるよう構成される。また、保存されたファイルは、所定タイミングでファイルの作成順や保存順が最も古いものから削除されるよう構成される。
【0110】
上記画像データをRAM93rに蓄積する周期、画像データのファイルをハードディスクHDに保存するタイミング及びファイルを削除するタイミングは、画像制御コントローラ93が備えるプログラムテーブル93pに予め設定されている。
【0111】
RAM93rに蓄積された画像データをファイル化してハードディスクHDに保存するタイミングとしては、例えば予め設定された第1設定時間に到達したタイミングとすることができる。第1設定時間としては、例えば数分間ごとの定期的な時間等を指定することができる。第1設定時間に到達すると、第1設定時間分の画像データ等、RAM93r内にある未保存の画像データがファイルに変換され、ハードディスクHDに保存されるよう構成される。
【0112】
また、ハードディスクHDへの保存のタイミングは、例えば予め設定された所定のイベントが発生したタイミング等とすることもできる。所定のイベントとしては、例えばRAM93rに蓄積された未保存の画像データが所定容量や所定数量に到達する等のイベントや、基板処理装置10がウエハWの処理や搬送を行わない待ち受け状態に移行する等のイベントを指定することができる。所定のイベントが発生すると、前回のイベント発生時から今回のイベント発生時までに取得された画像データ等、RAM93r内にある未保存の画像データがファイルに変換され、ハードディスクHDに保存されるよう構成される。
【0113】
また、ハードディスクHDに保存されたファイルを削除するタイミングとしては、例えば予め設定された第2設定時間に到達したタイミングとすることができる。第2設定時間
としては、例えば1日間ごとの定期的な時間等を指定することができる。また、ファイルを削除するタイミングは、例えば予め設定された所定のイベントが発生したタイミング等とすることもできる。所定のイベントとしては、例えばハードディスクHDに保存されたファイルが所定容量や所定数量に到達する等のイベントを指定することができ、或いは、上記ファイル化した画像データをハードディスクHDに保存する等のイベントを指定して上記保存と削除とが連動してなされるようにすることができる。
【0114】
上述の実施形態のような構成において、例えばファイルを消去することなくハードディスクに保存し続けた場合、ハードディスク内のファイルは膨大な量となってしまう。本実施形態では、所定タイミングでハードディスクHD内のファイルを削除するので、画像データが膨大となるのを抑え、データを所定量以下に保つことができる。
【0115】
以上の構成を備える画像制御コントローラ93に上記の第1設定時間及び第2設定時間を適用した場合の画像制御コントローラ93の動作について、図14を用いて説明する。図14は、本実施形態に係る画像制御コントローラ93による画像データの収集・保存のフローチャートである。
【0116】
図14に示すように、画像制御コントローラ93は、上述の図5のS1〜S3までと同様の手順にてS31〜S33までの動作を行う。その後、画像制御コントローラ93は、所定周期で画像データをRAM93rに蓄積しつつ、例えば図示しない時計機能等からの割り込み通知を待ち受ける状態となる(S34)。
【0117】
そして、例えば第1設定時間に到達した旨の割り込み通知を受けると(S34→YES)、画像制御コントローラ93は、画像データのRAM93rへの蓄積を中断し、蓄積された画像データをRAM93rから読み出してファイルに変換する(S35)。変換したファイルはハードディスクHDに保存する(S36)。ハードディスクHDへの保存が終了すると、画像制御コントローラ93は、画像データのRAM93rへの蓄積を再開する。以上により、画像制御コントローラ93による画像データの収集・保存の動作を終了する。
【0118】
ハードディスクHDに保存したファイルの削除についても、上記と略同様の動作が行われる。すなわち、例えば第2設定時間に到達した旨の割り込み通知を受けると、画像制御コントローラ93は、ハードディスクHDに保存されたファイルのうち、少なくとも最も古いファイルを削除する。このとき、最も古いファイルを含む複数個のファイルをまとめて削除してもよい。
【0119】
なお、画像制御コントローラ93が所定イベントの発生に従って動作することとした場合は、画像制御コントローラ93は、例えば統括制御コントローラ90からのイベント発生通知を受けて、それぞれ上記所定の動作を行う。
【0120】
このように、本実施形態では、搬送エラー発生時以外の画像データも含めてハードディスクHDに保存する。これにより、搬送エラーが発生する瞬間等の重要データを取りこぼす恐れを低減することができる。また、搬送エラー発生前後の画像データから搬送エラーに至る過程を知ることができ、搬送エラーの発生原因の特定がいっそう容易となる。また、正常時から異常時までの搬送履歴を調べることができ、経時変化等をより確実に解析することができる。
【0121】
また、本実施形態では、ハードディスクHDに保存したファイルを所定タイミングで削除する。これにより、保存したファイルを所定量以下に保つことができ、搬送エラーの発生時の画像データ等の必要データを比較的容易に探し出すことができる。加えて、搬送エ
ラーの発生時を含む所定時間分の画像データを別ファイルとして保存したり、或いは、搬送エラーの発生時の画像データを含むファイルにエラー情報を関連付けたり等の、上述の実施形態の構成を組み合わせることで、必要データのピックアップがより一層容易となる。
【0122】
<本発明の第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。画像データを収集・保存するにあたっては、上述の実施形態とは異なる手法によっても、搬送エラーの解析にかかる負担を軽減するよう効率化を図ることが可能である。本実施形態においては、効率的な解析が可能となるよう画像データを収集・保存する他の手法について説明する。なお、本実施形態では、上述の実施形態とは異なる装置構成の基板処理装置を用いることとする。
【0123】
(1)基板処理装置の構成
本発明の第4実施形態に係る基板処理装置の構成について、図8及び図9を参照しながら説明する。図8は、本実施形態に係る基板処理装置20の斜視図である。また、図9は、本実施形態に係る基板処理装置20の側面透視図である。基板処理装置20は、例えば酸化、拡散処理やCVD処理などを行なう縦型の基板処理装置として構成され、シリコン(Si)等からなる基板としてのウエハWを処理するように構成されている。
【0124】
図8及び図9に示すように、基板処理装置20では、ウエハWを収納したウエハキャリアとして用いられる基板収納容器としてのFOUP(以下ポッド110という)が使用されている。また、基板処理装置20は、耐圧容器として構成された筐体111を備えている。
【0125】
基板処理装置20の筐体111の正面壁111aの正面前方部にはメンテナンス可能なように設けられた開口部として用いられる正面メンテナンス口103が開設されている。正面メンテナンス口103には、正面メンテナンス口103を開閉する正面メンテナンス扉104がそれぞれ建て付けられている。なお、上側の正面メンテナンス扉104近傍には、後述する副操作装置237s(図10参照)が設置される。また、後述する主操操作装置237m(図10参照)は、背面側のメンテナンス扉近傍に配置され、筐体111に装着するようにして、基板処理装置20と一体として固定される。
【0126】
筐体111の正面壁111aにはポッド搬入搬出口(基板収納容器搬入搬出口)112が筐体111の内外を連通するように開設されている。ポッド搬入搬出口112は、フロントシャッタ(基板収納容器搬入搬出口開閉機構)113によって開閉されるようになっている。
【0127】
ポッド搬入搬出口112の正面前方側にはロードポート(基板収納容器受渡し台)114が設置されている。ロードポート114はポッド110を載置されて位置合わせするように構成されている。ポッド110はロードポート114上に工程内搬送装置(図示せず)によって搬入され、ロードポート114上から搬出されるようになっている。
【0128】
筐体111内の前後方向の略中央部における上部には、回転式ポッド棚(基板収納容器載置棚)105が設置されている。回転式ポッド棚105は、複数個のポッド110を保管するように構成されている。すなわち、回転式ポッド棚105は垂直に立設されて水平面内で間欠回転される支柱116と、支柱116の上中下段の各位置において放射状に支持された複数枚の棚板(基板収納容器載置台)117とを備えている。複数枚の棚板117はポッド110を複数個宛それぞれ載置した状態で保持するように構成されている。
【0129】
筐体111内におけるロードポート114と回転式ポッド棚105との間には、ポッド
搬送装置(基板収納容器搬送装置)118が設置されている。ポッド搬送装置118は、ポッド110を保持したまま昇降可能なポッドエレベータ(基板収納容器昇降機構)118aとポッド搬送機構(基板収納容器搬送機構)118bとで構成されている。ポッド搬送装置118はポッドエレベータ118aとポッド搬送機構118bとの連続動作により、ロードポート114、回転式ポッド棚105、後述のポッドオープナ(基板収納容器蓋体開閉機構)121との間で、ポッド110を搬送するように構成されている。
【0130】
筐体111内の前後方向の略中央部における下部には、サブ筐体119が後端にわたって構築されている。サブ筐体119の正面壁119aにはウエハWをサブ筐体119内に対して搬入搬出するウエハ搬入搬出口(基板搬入搬出口)120が一対、垂直方向に上下二段に並べられて開設されている。上下段のウエハ搬入搬出口120,120には一対のポッドオープナ121,121がそれぞれ設置されている。ポッドオープナ121はポッド110を載置する載置台122,122と、ポッド110のキャップ(蓋体)を着脱するキャップ着脱機構(蓋体着脱機構)123,123とを備えている。ポッドオープナ121は載置台122に載置されたポッド110のキャップをキャップ着脱機構123によって着脱することにより、ポッド110のウエハ出し入れ口を開閉するように構成されている。
【0131】
サブ筐体119はポッド搬送装置118や回転式ポッド棚105の設置空間から流体的に隔絶された移載室124を構成している。移載室124の前側領域には、搬送手段としてのウエハ移載機構(基板移載機構)125が設置されている。ウエハ移載機構125は、ウエハWを水平方向に回転ないし直動可能なウエハ移載装置(基板移載装置)125a及びウエハ移載装置125aを昇降させるウエハ移載装置エレベータ(基板移載装置昇降機構)125bとで構成されている。図8に模式的に示すように、ウエハ移載装置エレベータ125bは筐体111の右側端部とサブ筐体119の移載室124前方領域右端部との間に設置されている。これら、ウエハ移載装置エレベータ125b及びウエハ移載装置125aの連続動作により、ウエハ移載装置125aのツイーザ(基板保持体)125cをウエハWの載置部として、後述するボート(基板保持具)217に対してウエハWを装填(チャージ)及び脱装(ディスチャージ)するように構成されている。
【0132】
移載室124内の、ウエハ搬入搬出口120の手前側及び後述の待機部126で待機しているボート217の手前側のそれぞれの所定位置には、ウエハWの有無を検出する検出手段としてのウエハ有無センサ124s,124sがそれぞれ設置され、ウエハ移載装置125aのツイーザ125c上のウエハWの存在を検出できるようになっている。また、図示はしないが、ボート217に装填されるウエハWの状態を検出するマッピングセンサ(ウエハ検出センサ)が設置されていてもよい。
【0133】
また、移載室124内には、ウエハ移載機構125による搬送動作を、静止画や動画等の画像データとして記録する小型のビデオカメラやウェブカメラ等の記録手段としてのカメラ124cが設置されている。カメラ124cは1台のみならず複数台設置されていてもよい。具体的には、移載室124内の、ウエハ搬入搬出口120及び待機部126で待機しているボート217の各手前側の上部位置等、ウエハWの移動や受け渡し等の様子が確認し易い位置の複数個所に設置することができる。
【0134】
移載室124の後側領域には、ボート217を収容して待機させる待機部126が構成されている。待機部126の上方には、処理炉202が設けられている。処理炉202の下端部は、炉口シャッタ(炉口開閉機構)147により開閉されるように構成され、処理炉202の内部に形成される処理室201内にて基板処理を行うことが可能に構成されている。
【0135】
図8に模式的に示すように、筐体111右側端部とサブ筐体119の待機部126右端部との間にはボート217を昇降させるボートエレベータ(基板保持具昇降機構)115が設置されている。ボートエレベータ115の昇降台に連結された連結具としてのアーム128には蓋体としてのシールキャップ219が水平に据え付けられている。シールキャップ219はボート217を垂直に支持し、処理炉202の下端部を閉塞可能なように構成されている。
【0136】
ボート217は複数本の保持部材を備えており、複数枚(例えば、50枚〜125枚程度)のウエハWをその中心を揃えて垂直方向に整列させた状態で、それぞれ水平に保持するように構成されている。
【0137】
また、図8に模式的に示すように、移載室124のウエハ移載装置エレベータ125b側及びボートエレベータ115側と反対側の左側端部には、清浄化した雰囲気もしくは不活性ガス等のクリーンエア133を供給するよう供給ファン及び防塵フィルタで構成されたクリーンユニット134が設置されている。ウエハ移載装置125aとクリーンユニット134との間には、ウエハWの円周方向の位置を整合させる図示しない基板位置補正装置としてのノッチ合わせ装置が設置されている。ウエハWがオリフラタイプであるときは、基板位置補正装置としてのオリフラ合わせ装置を設けることも可能である。
【0138】
クリーンユニット134から吹き出されたクリーンエア133は、ノッチ合わせ装置及びウエハ移載装置125a、待機部126にあるボート217に流通された後に、図示しないダクトにより吸い込まれて、筐体111の外部に排気がなされるか、もしくはクリーンユニット134の吸い込み側である一次側(供給側)にまで循環され、再びクリーンユニット134によって、移載室124内に吹き出されるように構成されている。
【0139】
(2)主制御手段の構成
次に、基板処理装置20を制御する主制御手段としての主コントローラ239を中心としたハードウエア構成について、主に図10を用いて説明する。図10は、基板処理装置20の主コントローラ239を中心としたハードウエアの概略構成の一例を示すブロック図である。
【0140】
図10に示すように、基板処理装置20の筐体111内には、主コントローラ239、スイッチングハブ239hとあわせて、搬送制御手段としての搬送制御部236tと、基板処理制御手段としてのプロセス制御部236pとが設けられている。また、筐体111内には、上述の記録手段としてのカメラ124cが含まれる。搬送制御部236tとプロセス制御部236pとは、筐体111内に設けることに替えて、筐体111外に設けられていても良い。
【0141】
基板処理装置20の筐体111の外側には、例えば筐体111の背面側に、筐体111に装着されるようにして主操作装置237mが装着されている。また、スイッチングハブ239hを介して主コントローラ239に接続されるようにして、副操作装置237sが筐体111近傍に配置されている。
【0142】
(主コントローラ)
主制御手段としての主コントローラ239は、基板処理装置20の筐体111内に設けられ、スイッチングハブ239hを介して搬送制御部236t、プロセス制御部236p等の各種制御系に接続されることで、基板処理装置20の各部を制御する。また、主コントローラ239には、LAN等の通信ネットワーク40が接続され、図示しない外部の上位コンピュータと接続されている。したがって、例えば半導体装置製造工場内のクリーンルーム等に設置される基板処理装置20に対して、上記上位コンピュータを事務所等のク
リーンルーム外に設置することも可能である。また、上記上位コンピュータを介して、さらに他の基板処理装置等が接続される場合もある。
【0143】
また、主コントローラ239には、LAN等の通信ネットワーク33により、例えば移載室124内に設けられたカメラ124cが接続されている。また、主コントローラ239は、カメラ124cが記録した静止画や動画等の画像データを保存する記憶部としてのハードディスク(HD)239mを備えている。ハードディスク239mには、画像データの保存条件等が規定されたプログラムテーブル239pや、所定の画像データを格納するデータベース239dをはじめ、主コントローラ239に種々の機能を実現するプログラムや、処理炉202にて実施される基板処理工程のレシピデータや、各種の制御部が基板処理装置20から読み出したデータ等を格納するように構成される。上記プログラムには、例えば主コントローラ239を介して基板処理装置20の動作を制御する制御プログラムが含まれる。制御プログラムは、ハードディスク239mに読み出し可能に格納されている。
【0144】
主コントローラ239が起動されると、主コントローラ239は、プログラムテーブル239pを読み出し、また、カメラ124cを起動して画像データの記録を開始させるように構成される。また、プログラムテーブル239pの保存条件等に従う所定期間又は所定のイベント間の期間で区切って画像データをファイルに変換し、ハードディスク239mへの保存を開始するように構成される。画像データを区切る所定期間やイベント間の期間は、予め指定しておくことができる。所定期間としては、例えば特定の時刻間の期間等とすることができる。イベント間の期間としては、移載室124内へのウエハWの搬入開始イベントから搬出終了イベントまでや、ウエハ移載機構125によるウエハWのボート217へのチャージイベントからディスチャージイベントまでの期間等とすることができる。
【0145】
また、主コントローラ239は、搬送エラーが検出されていない正常時に取得された画像データを含む任意のファイルを選択し、ファイルに含まれる画像データが取得された時刻を示す時刻データ、画像データ取得時のレシピ内容及び画像データ取得時の基板処理装置20の状態を示すモニタデータ、を含む情報と関連付けて、ハードディスク239mが備えるデータベース239dに格納するよう構成される。上記操作にあたっては、所定の時点に取得された画像データを含むファイルが選択されるよう、予め指定しておくことができる。予め指定する画像データの取得時としては、例えば基板処理装置20においてテスト搬送が実行されたときや、操作員によって主操作装置237m等からファイル取得の指令が入力されたとき、或いは、予め設定された指定時刻になったときや指定イベントが起きたとき等とすることができる。またこれらの時点において画像データを取得する際、そのときのウエハ移載機構125の位置及び速度を含む数値データを搬送制御部236tから取得し、上記ファイルとともにデータベース239dに格納するよう構成される。
【0146】
また、主コントローラ239は、ウエハ有無センサ124sにより搬送エラーが検出されると、搬送制御部236tにより搬送手段を停止させ、搬送エラーの発生を示すエラー通知、搬送エラーの発生時刻を示す時刻データ、搬送エラーの発生時のレシピ内容および搬送エラーの発生時のモニタデータ、を含むエラー情報を生成するように構成される。
【0147】
また、主コントローラ239は、ハードディスク239mに保存した上記ファイルのうち、搬送エラーの発生時の画像データを含むファイルを搬送エラーの発生時のウエハ移載機構125の位置及び速度を含む数値データとともに上記エラー情報に関連付けるように構成される。また、図11に示すように、主コントローラ239は、予めハードディスク239mのデータベース239dに保存しておいた正常時の画像データ及び数値データと、搬送エラーの発生時の画像データ及び数値データとを比較してこれらのデータの相違点
を抽出した比較データを生成し、比較データを前記エラー情報に関連付けるように構成される。
【0148】
また、主コントローラ239は、これらエラー情報、並びにエラー情報に関連付けられたファイル、数値データ及び比較データを、ハードディスク239mが備えるデータベース239dに保存するように構成される。
【0149】
また、主コントローラ239は、主操作装置237mや副操作装置237sが備える操作画面にエラー情報を表示するように構成される。このとき、エラー情報に関連付けた上記ファイルや数値データ、比較データを併せて表示するほか、正常時の画像データを含むファイルや数値データを併せて表示するように構成されていてもよい。係る操作画面の表示例を図12に示す。また、カメラ124cで記録した画像データを、適宜、操作画面に表示可能に構成されていてもよい。
【0150】
ハードディスク239mが備えるプログラムテーブル239pには、カメラ124cの台数や起動の要否、ファイルに変換する際に画像データを区切る期間、正常時の画像データや数値データの取得時期等の保存条件が規定されている。主コントローラ239は、プログラムテーブル239pからこれらの保存条件を読み出して、画像データ等の取得や保存を行うよう構成される。
【0151】
また、ハードディスク239mが備えるデータベース239dには、上述のように、エラー情報、並びにエラー情報に関連付けられたファイル、数値データ及び比較データ、正常時の画像データ及び数値データ等が読み出し可能に格納される。
【0152】
なお、プログラムテーブル239pは、後述する基板処理装置20の自動搬送処理における所定の手順を主コントローラ239に実行させ、所定の結果を得ることが出来るように組み合わされたものであり、プログラムとして機能する。以下、このプログラムテーブル239pや上述の制御プログラム等を総称して、単にプログラムともいう。なお、本明細書においてプログラムという言葉を用いた場合には、プログラムテーブル239p単体のみを含む場合、制御プログラム単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。
【0153】
(主操作装置・副操作装置)
主操作装置237m内には、主操作装置237mが備える液晶表示パネル等からなる図示しない主操作画面の表示を制御する主表示制御部238mが設けられている。主表示制御部238mは、例えば、ビデオケーブル30を用いて、主コントローラ239に接続されている。副操作装置237s内には、副操作装置237sが備える液晶表示パネル等からなる図示しない副操作画面の表示を制御する副表示制御部238sが設けられている。副表示制御部238sは、スイッチングハブ239hを介して主コントローラ239に接続されている。係る接続には、ビデオケーブルを用いることができるほか、LAN等の通信ネットワークを用いてもよい。
【0154】
(プロセス制御部)
基板処理制御手段としてのプロセス制御部236pは、例えばCPU等からなるプロセス系コントローラ235pを有する。プロセス系コントローラ235pは、スイッチングハブ239hを介して、LAN等の通信ネットワーク32により主コントローラ239に接続されている。
【0155】
また、プロセス系コントローラ235pは、ROM(Read−Only Memory)235c、RAM(Random−Access Memory)235d、及びサ
ブコントローラ(温度制御部233h、ガス制御部233g、圧力制御部233p)、及びサブコントローラとのI/O制御を行なうI/O制御部234pをそれぞれ有する。プロセス系コントローラ235pは、例えば、主操作装置237mの主操作画面等で作成又は編集され、RAM235d等に記憶されているレシピに基づいて、ウエハWを処理する際の制御データ(制御指示)を温度制御部233h、ガス制御部233g及び圧力制御部233pに対して出力する。
【0156】
ROM235c又はRAM235dには、シーケンスプログラム、複数のレシピや主操作装置237m等から入力される入力データ(入力指示)、レシピのコマンド及びレシピ実行時の履歴データ等が格納される。なお、プロセス制御部236pには、ハードディスク(HD)等により実現される記憶装置(図示せず)が含まれてもよく、この場合、該記憶装置には、RAM235dに格納されるデータと同様のデータが格納される。
【0157】
温度制御部233hは、上述した処理炉202の外周部に設けられたヒータ232hの出力を制御することにより処理炉202内の温度を制御する。ガス制御部233gは、処理炉202のガス配管231gに設けられたMFC(マスフローコントローラ)232gからの出力値に基づいて処理炉202内に供給する処理ガスの供給量等を制御する。圧力制御部233pは、処理炉202の排気配管231bに設けられた圧力センサ232pの出力値に基づいてバルブ232bを開閉することにより処理炉202内の圧力を制御する。
【0158】
(搬送制御部)
搬送制御手段としての搬送制御部236tは、例えばCPU等からなる搬送系コントローラ235tを有する。搬送系コントローラ235tは、スイッチングハブ239hを介して、LAN等の通信ネットワーク31により主コントローラ239に接続されている。
【0159】
また、搬送系コントローラ235tは、ROM(Read−Only Memory)235a、RAM(Random−Access Memory)235b、モータドライバ233m、モータドライバ233m等とのI/O制御を行なうI/O制御部234tを有する。搬送系コントローラ235tは、例えば、主操作装置237mの主操作画面等で作成又は編集され、RAM235b等に記憶されているレシピに基づいて、ウエハWを搬送する際の制御データ(制御指示)を、モータドライバ233mに対して出力する。モータドライバ233mは、ウエハWを搬送する駆動源として用いられるモータ232mにより、移載室124に設けられたウエハ有無センサ124s等の基板処理装置20の各部に設けられた各種センサの出力値を得ながら、基板処理装置20内におけるウエハWの搬送を制御する。
【0160】
なお、主コントローラ239や、プロセス制御部236p、搬送制御部236t等は、専用のコンピュータとして構成されている場合に限らず、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、記憶装置、I/Oポートを備えた汎用のコンピュータとして構成されていてもよい。例えば、上述のプログラムを格納した外部記憶装置223(例えば、磁気テープ、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスク、CDやDVD等の光ディスク、MO等の光磁気ディスク、USBメモリやメモリカード等の半導体メモリ)を用意し、係る外部記憶装置223を用いて汎用のコンピュータにプログラムをインストールすること等により、本実施形態に係る主コントローラ239等を構成することができる。この場合、主コントローラ239や、プロセス制御部236p、搬送制御部236t等は、それぞれが個別のコンピュータとして構成されていてもよく、或いは、これらのうちの複数が1つのコンピュータに統合されていてもよい。なお、コンピュータにプログラムを供給する手段は、外部記憶装置223を介して供給する場合に限らない。例えば、インターネットや専用
回線等の通信手段を用い、外部記憶装置223を介さずにプログラムを供給するようにしてもよい。なお、主コントローラ239が備えるハードディスク239mや、あるいは外部記憶装置223等は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体として構成される。以下、これらを総称して、単に記録媒体ともいう。なお、本明細書において記録媒体という言葉を用いた場合は、ハードディスク239m単体のみを含む場合、外部記憶装置223単体のみを含む場合、または、その両方を含む場合がある。また、ハードディスク239m等は、上述のようなHDD(Hard Disk Drive)のみならず、例えばフラッシュメモリ等で構成されていてもよい。
【0161】
(3)基板処理装置の動作
次に、基板処理装置20の動作について説明する。なお、以下の説明において、基板処理装置20の各部の動作は主コントローラ239を中心とする制御系により制御される。係る動作及び制御は半導体装置の製造工程の一工程として行われ、その更に一部は搬送エラーのデータ解析工程の一工程として行われる。
【0162】
(主制御手段の起動)
主コントローラ239が起動されると、主コントローラ239は、プログラムテーブル239pを読み出し、保存条件に規定された起動の要否にしたがって所定のカメラ124cを起動して画像データの記録を開始させる。また、保存条件にしたがう所定期間で区切ってファイルに変換した画像データのハードディスク239mへの保存を開始する。また、プログラムテーブル239pの保存条件にしたがう所定の時点で取得された画像データを含むファイルを選択し、画像データ取得時の時刻データ、レシピ内容、モニタデータ等の情報と関連付けて、画像データ取得時の数値データとともにデータベース239dに格納する。
【0163】
(筐体内への搬送)
一方、図8及び図9に示すように、ポッド110がロードポート114に供給されると、ポッド搬入搬出口112がフロントシャッタ113によって開放され、ロードポート114の上のポッド110はポッド搬送装置118によって筐体111の内部へポッド搬入搬出口112から搬入される。
【0164】
搬入されたポッド110は回転式ポッド棚105の指定された棚板117へポッド搬送装置118によって自動的に搬送されて受け渡される。棚板117で一時的に保管されたポッド110は、棚板117から一方のポッドオープナ121に搬送されて受け渡され、一時的に保管される。その後、ポッド110は、棚板117から一方のポッドオープナ121に搬送されて載置台122に移載されるか、もしくは直接ポッドオープナ121に搬送されて載置台122に移載される。この際、ポッドオープナ121のウエハ搬入搬出口120はキャップ着脱機構123によって閉じられており、移載室124内にはクリーンエア133が流通され、充満されている。例えば、移載室124にはクリーンエア133として窒素(N)ガスが充満することにより、酸素(O)濃度が20ppm以下と、大気雰囲気の筐体111の内部の酸素濃度よりも遥かに低く設定されている。
【0165】
(サブ筐体内への搬送)
載置台122に載置されたポッド110は、その開口側端面がサブ筐体119の正面壁119aにおけるウエハ搬入搬出口120の開口縁辺部に押し付けられるとともに、そのキャップがポッドオープナ121のキャップ着脱機構123によって取り外され、ウエハ出し入れ口を開放される。ウエハWはポッド110からウエハ移載装置125aのツイーザ125cによってウエハ出し入れ口を通じてピックアップされ、図示しないノッチ合わせ装置にてウエハ位置を整合される。その後、ウエハWは、移載室124の後方にある待機部126へ搬入され、ボート217に装填(チャージ)される。ボート217にウエハ
Wを受け渡したウエハ移載装置125aはポッド110に戻り、次のウエハWをボート217に装填する。
【0166】
このように、一方(上段または下段)のポッドオープナ121におけるウエハWのボート217への装填作業中に、他方(下段または上段)のポッドオープナ121には回転式ポッド棚105から別のポッド110がポッド搬送装置118によって搬送されて移載され、ポッドオープナ121によるポッド110の開放作業が同時進行される。
【0167】
(処理炉内への搬送)
予め指定された枚数のウエハWがボート217に装填されると、炉口シャッタ147によって閉じられていた処理炉202の下端部が、炉口シャッタ147によって開放される。続いて、ウエハW群を保持したボート217は、シールキャップ219がボートエレベータ115によって上昇されることにより、処理炉202内へ搬入(ロード)されていく。
【0168】
ボート217のロード後は、処理炉202が備える処理室201内でウエハWに任意の処理が実施される。処理後は、図示しないノッチ合わせ装置でのウエハWの整合工程を除き、上述の逆の手順で、ウエハW及びポッド110が筐体111の外部へ払出される。
【0169】
(搬送エラーの発生時の動作)
上記の場合において、ウエハ有無センサ124s等により搬送エラーが検出されると、主コントローラ239は搬送手段を停止させ、エラー通知、搬送エラーの発生時の時刻データ、レシピ内容およびモニタデータ等のエラー情報を生成する。また、搬送エラーの発生時の画像データを含むファイルを数値データとともに上記エラー情報に関連付け、上記エラー情報とともにデータベース239dに格納する。次に、正常時の画像データ及び数値データと搬送エラーの発生時の画像データ及び数値データとを比較し、比較データを生成してエラー情報に関連付け、データベース239dに格納する。
【0170】
また、操作員によって主操作装置237m等からエラー情報の表示指令が入力されたとき等には、主コントローラ239は、主操作装置237mや副操作装置237sが備える操作画面にエラー情報を表示する。このとき、エラー情報に関連付けた上記ファイルや数値データ、比較データを併せて表示してもよく、正常時の画像データを含むファイルや数値データを併せて表示してもよい。
【0171】
以上により、本実施形態に係る基板処理装置20及び基板処理装置20の半導体装置の製造工程におけるデータ解析方法についての説明を終了する。
【0172】
なお、本実施形態においては、基板処理装置20の移載室124内にカメラ124cを設け、ウエハ移載機構125による搬送動作を記録することとしたが、基板処理装置20の筐体111内前方の搬送手段としてのポッド搬送装置118による搬送動作を記録するカメラを設けることとしてもよい。この場合、筐体111内の、ポッド搬入搬出口112の手前側、回転式ポッド棚105近傍、ポッドオープナ121の手前側の各上部位置等、ポッド110の移動や受け渡し等の様子が確認し易い位置のいずれか又は複数個所にカメラを設置することができる。これらの位置に設置される検出手段としてのポッド有無センサにより搬送エラーが検出された際には、係るカメラにより記録された画像データを基に、搬送エラーの解析を行うことができる。
【0173】
(4)本実施形態に係る効果
本実施形態によっても、上述の実施形態の効果を奏する。
【0174】
(a)また、本実施形態によれば、カメラ124cで記録した画像データを所定期間又は所定のイベント間の期間で区切ってファイルに変換し、ハードディスク239mに保存する主コントローラ239を備える。これにより、画像データの保存や読み出し等の取扱いが容易となり、搬送エラー解析にかかる時間を削減することができる。
【0175】
(b)また、本実施形態によれば、ウエハ有無センサ124sにより搬送エラーが検出されると、主コントローラ239は、エラー通知、搬送エラーの発生時刻の時刻データ、レシピ内容およびモニタデータを含むエラー情報を生成し、搬送エラーの発生時の画像データを含むファイルを搬送エラーの発生時の数値データとともにエラー情報に関連付けるように構成される。これにより、多くの画像データの中から搬送エラーの発生時の画像データを容易に探し出すことができ、搬送エラーの解析にかかる時間をいっそう削減することができる。
【0176】
(c)また、本実施形態によれば、予めハードディスク239mに保存しておいた正常時の画像データ及び数値データと、搬送エラーの発生時の画像データ及び数値データとを比較してこれらのデータの相違点を抽出した比較データを生成し、比較データをエラー情報に関連付けるように構成される。これにより、正常時に対する搬送エラー発生時の異常箇所が容易に特定でき、搬送エラーの解析がいっそう容易となる。
【0177】
(d)また、本実施形態によれば、主コントローラ239が有する主操作装置237mや副操作装置237sの操作画面にエラー情報を表示するように構成される。またこのとき、エラー情報に関連付けた搬送エラーの発生時のファイルや数値データ、比較データを併せて表示するように構成される。これにより、搬送エラーの発生時の様々な情報を操作画面上から容易に確認することができ、搬送エラーの解析がいっそう容易となる。
【0178】
<本発明の他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
【0179】
例えば、上述の実施形態では、画像データを収集・保存するいくつかの手法を、枚葉式又は縦型のそれぞれ異なる基板処理装置10,20に適用する場合について説明したが、画像データを収集・保存するいずれの手法であっても、上記に挙げた基板処理装置10,20又はそれ以外の基板処理装置等に適用することが可能である。また、上記に挙げた制御手段CNTや主コントローラ239を中心とする構成に限定されない。
【0180】
また、上述の実施形態では、真空ロボットVR、大気ロボットAR、ウエハ移載機構125のウエハWを搬送する搬送手段による搬送動作を記録した画像データを搬送エラーの解析に利用することとしたが、FOUPやウエハカセット等の基板収納容器を搬送する搬送手段による搬送動作を記録し、その画像データを上記手法により搬送エラーの解析に利用することも可能である。
【0181】
また、上述の実施形態では、画像制御コントローラ93は、ファイル化した画像データをハードディスクHDに保存する間は、RAM93rへの画像データの蓄積を中断することとしたが、ハードディスクHDに保存する間であっても、RAM93rへの画像データの蓄積を継続することとしてもよい。
【0182】
また、本発明は、CVD法、ALD(Atomic Layer Deposition)法、PVD(Physical Vapor Deposition)法等による酸化膜や窒化膜、金属膜等の種々の膜を形成する成膜処理のほか、拡散処理、アニール処理、酸化処理、窒化処理、リソグラフィ処理等の他の基板処理を実施する基板処理装置にも
適用できる。すなわち、本発明は、プラズマを利用したCVD装置を含む薄膜形成装置の他、アニール処理装置、酸化処理装置、窒化処理装置、エッチング装置、露光装置、現像装置、リソグラフィ装置、塗布装置、乾燥装置、加熱装置等の基板処理装置等に適用可能である。
【0183】
また、本発明は、上述の実施形態に係る基板処理装置のような半導体ウエハを処理する半導体製造装置等に限らず、ガラス基板を処理するLCD(Liquid Crystal Display)製造装置等の基板処理装置にも適用できる。
【0184】
<本発明の好ましい態様>
以下に本発明の望ましい態様について付記する。
【0185】
本発明の一態様は、
基板を搬送する搬送手段と、
前記基板を処理する処理手段と、
前記搬送手段による前記基板の搬送時に発生する搬送エラーを検出する検出手段と、
前記検出手段により前記搬送エラーが検出されると前記搬送手段を停止する第1制御手段と、
前記搬送手段による前記基板の搬送動作を画像データとして記録する記録手段と、
前記記録手段で記録した前記画像データを蓄積部に蓄積する第2制御手段と、を備え、
前記第1制御手段は、
前記処理手段または前記搬送手段から前記基板の状態を示す情報を取得し、
前記搬送手段が前記搬送エラーにより停止した旨を前記第2制御手段に通知し、
前記第2制御手段は、
前記搬送エラーの発生時を含む所定時間分の前記画像データを前記蓄積部から読み出してファイルに変換するように構成される
基板処理装置である。
【0186】
好ましくは、
前記所定時間は、
前記処理室への未処理の基板の搬入所要時間、前記処理室内での前記基板の処理時間、処理済みの前記基板の前記処理室内からの搬出所要時間の合計である。
【0187】
また、好ましくは、
前記第2制御手段は、
前記ファイルを記憶部に保存した後、前記画像データの前記蓄積部への蓄積を再開するように構成される。
【0188】
本発明の他の態様は、
基板を搬送する搬送手段と、
前記基板を処理する処理手段と、
前記搬送手段による前記基板の搬送動作を画像データとして記録する記録手段と、
各種の画面を表示する操作部と、
前記基板の状態を示す情報と関連させて、前記搬送手段、前記処理手段、前記記録手段および前記操作部を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記搬送手段による前記基板の搬送履歴情報と前記処理手段による基板処理の状況を表わす生産情報とを含む基板処理結果情報のうち前記搬送履歴情報が保存される第1格納部および前記基板処理結果情報のうち前記生産情報が保存される第2格納部を有し、
前記搬送履歴情報を表示する画面が選択されると前記記録手段が記録した前記画像デー
タを前記搬送履歴情報と共に前記操作部に表示させ、前記生産情報を表示する画面が選択されると前記記録手段が記録した前記画像データを前記生産情報と共に前記操作部に表示させる
基板処理装置である。
【0189】
本発明のさらに他の態様は、
基板を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段による前記基板の搬送動作を画像データとして記録する記録手段と、
前記記録手段で記録した前記画像データを蓄積部に蓄積する画像制御手段と、を備え、
前記画像制御手段は、
予め設定された第1設定時間に到達するか、或いは所定のイベントが発生すると、前記第1設定時間分の前記画像データ、或いは前記イベントの前回発生時から今回発生時までの時間分の前記画像データを前記蓄積部から読み出してファイルに変換して記憶部に保存し、
予め設定された第2設定時間に到達するか、或いは所定のイベントが発生すると、前記記憶部内に保存された前記ファイルのうち、最も古いファイルを削除するように構成される
基板処理装置である。
【0190】
好ましくは、
前記画像制御手段は、
前記ファイルを前記記憶部に保存した後、前記画像データの前記蓄積部への蓄積を再開するように構成される。
【0191】
本発明のさらに他の態様は、
基板を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段による前記基板の搬送時に発生する搬送エラーを検出する検出手段と、
前記搬送手段による前記基板の搬送を制御する搬送制御手段と、
前記搬送手段による前記基板の搬送動作を画像データとして記録する記録手段と、
前記記録手段で記録した前記画像データを所定期間又は所定のイベント間の期間で区切ってファイルに変換し、記憶部に保存する主制御手段と、を備え、
前記主制御手段は、
前記搬送エラーの発生を示すエラー通知、前記搬送エラーの発生時刻を示す時刻データ、前記搬送エラーの発生時のレシピ内容および前記搬送エラーの発生時の前記基板処理装置の状態を示すモニタデータ、を含むエラー情報を生成し、
前記搬送エラーの発生時の前記画像データを含む前記ファイルを前記搬送エラーの発生時の前記搬送手段の位置及び速度を含む数値データとともに前記エラー情報に関連付け、
予め前記記憶部に保存しておいた正常時の画像データ及び数値データと、前記搬送エラーの発生時の前記画像データ及び前記数値データとを比較してこれらのデータの相違点を抽出した比較データを生成し、前記比較データを前記エラー情報に関連付け、
前記主制御手段が有する操作画面に前記エラー情報を表示するように構成される
基板処理装置である。
【0192】
本発明のさらに他の態様は、
第1制御手段により搬送手段を制御して基板を搬送する工程と、
前記第1制御手段により処理手段を制御して前記基板を処理する工程と、
記録手段により前記搬送手段による前記基板の搬送動作を画像データとして記録しつつ、前記記録手段で記録した前記画像データを第2制御手段により蓄積部に蓄積する工程と、を有し、
検出手段により前記搬送手段による前記基板の搬送時に搬送エラーが検出されると、前
記第1制御手段により、前記搬送手段または前記処理手段から前記基板の状態を示す情報を取得し、前記搬送手段を停止して前記搬送手段が前記搬送エラーにより停止した旨を前記第2制御手段に通知する工程と、
前記第2制御手段により、前記搬送エラーの発生時を含む所定時間分の前記画像データを前記蓄積部から読み出してファイルに変換する工程と、を行う
基板処理装置のデータ解析方法である。
【0193】
本発明のさらに他の態様は、
搬送手段により基板を搬送する工程と、
処理手段により前記基板を処理する工程と、
記録手段により前記搬送手段による前記基板の搬送動作を画像データとして記録する工程と、
前記搬送手段による前記基板の搬送履歴情報と前記処理手段による基板処理の状況を表わす生産情報とを含む基板処理結果情報のうち前記搬送履歴情報を第1格納部に保存する工程と、
前記基板処理結果情報のうち前記生産情報を第2格納部に保存する工程と、
操作部により各種の画面を表示する工程と、を有し、
前記各工程は前記基板の状態を示す情報と関連させて行われ、
前記各種の画面を表示する工程では、
前記搬送履歴情報を表示する画面が選択されると前記記録手段が記録した前記画像データを前記搬送履歴情報と共に前記操作部に表示する工程を行い、
前記生産情報を表示する画面が選択されると前記記録手段が記録した前記画像データを前記生産情報と共に前記操作部に表示する工程を行う
基板処理装置のデータ解析方法である。
【0194】
本発明のさらに他の態様は、
搬送手段により基板を搬送する工程と、
記録手段により前記搬送手段による前記基板の搬送動作を画像データとして記録しつつ、前記記録手段で記録した前記画像データを画像制御手段により蓄積部に蓄積する工程と、を有し、
前記画像制御手段は、
予め設定された第1設定時間に到達するか、或いは所定のイベントが発生すると、前記第1設定時間分の前記画像データ、或いは前記イベントの前回発生時から今回発生時までの時間分の前記画像データを前記蓄積部から読み出してファイルに変換して記憶部に保存する工程と、
予め設定された第2設定時間に到達するか、或いは所定のイベントが発生すると、前記記憶部内に保存された前記ファイルのうち、最も古いファイルを削除する工程と、を行う基板処理装置のデータ解析方法である。
【0195】
本発明のさらに他の態様は、
搬送制御手段により搬送手段を制御して基板を搬送する工程と、
記録手段により前記搬送手段による前記基板の搬送動作を画像データとして記録しつつ、前記記録手段で記録した前記画像データを主制御手段により所定期間又は所定のイベント間の期間で区切ってファイルに変換し、記憶部に保存する工程と、を有し、
検出手段により前記搬送手段による前記基板の搬送時に搬送エラーが検出されると、
前記主制御手段により、
前記搬送エラーの発生を示すエラー通知、前記搬送エラーの発生時刻を示す時刻データ、前記搬送エラーの発生時のレシピ内容および前記搬送エラーの発生時の基板処理装置の状態を示すモニタデータ、を含むエラー情報を生成する工程と、
前記搬送エラーの発生時の前記画像データを含む前記ファイルを前記搬送エラーの発生
時の前記搬送手段の位置及び速度を含む数値データとともに前記エラー情報に関連付ける工程と、
予め前記記憶部に保存しておいた正常時の画像データ及び数値データと、前記搬送エラーの発生時の前記画像データ及び前記数値データとを比較してこれらのデータの相違点を抽出した比較データを生成し、前記比較データを前記エラー情報に関連付ける工程と、
前記エラー情報を前記主制御手段が備える操作画面に表示する工程と、を行う
基板処理装置のデータ解析方法である。
【0196】
本発明のさらに他の態様は、
第1制御手段と第2制御手段とを備えるコンピュータに、
前記第1制御手段により搬送手段を制御して基板を搬送する手順と、
前記第1制御手段により処理手段を制御して前記基板を処理する手順と、
記録手段により前記搬送手段による前記基板の搬送動作を画像データとして記録しつつ、前記記録手段で記録した前記画像データを第2制御手段により蓄積部に蓄積する手順と、を実行させ、
検出手段により前記搬送手段による前記基板の搬送時に搬送エラーが検出されると、前記第1制御手段により、前記搬送手段または前記処理手段から前記基板の状態を示す情報を取得し、前記搬送手段を停止して前記搬送手段が前記搬送エラーにより停止した旨を前記第2制御手段に通知する手順と、
前記第2制御手段により、前記搬送エラーの発生時を含む所定時間分の前記画像データを前記蓄積部から読み出してファイルに変換する手順と、を実行させる
プログラムである。
【0197】
本発明のさらに他の態様は、
搬送手段により基板を搬送する手順と、
処理手段により前記基板を処理する手順と、
記録手段により前記搬送手段による前記基板の搬送動作を画像データとして記録する手順と、
前記搬送手段による前記基板の搬送履歴情報と前記処理手段による基板処理の状況を表わす生産情報とを含む基板処理結果情報のうち前記搬送履歴情報を第1格納部に保存する手順と、
前記基板処理結果情報のうち前記生産情報を第2格納部に保存する手順と、
操作部により各種の画面を表示する手順と、を前記基板の状態を示す情報と関連させてコンピュータに実行させ、
前記各種の画面を表示する手順では前記コンピュータに、
前記搬送履歴情報を表示する画面が選択されると前記記録手段が記録した前記画像データを前記搬送履歴情報と共に前記操作部に表示する手順を実行させ、
前記生産情報を表示する画面が選択されると前記記録手段が記録した前記画像データを前記生産情報と共に前記操作部に表示する手順を実行させる
プログラムである。
【0198】
本発明のさらに他の態様は、
搬送手段により基板を搬送する手順と、
記録手段により前記搬送手段による前記基板の搬送動作を画像データとして記録しつつ、前記記録手段で記録した前記画像データを所定期間又は所定のイベント間の期間で区切ってファイルに変換し、記憶部に保存する手順と、をコンピュータに実行させ、
検出手段により前記搬送手段による前記基板の搬送時に搬送エラーが検出されると、
前記搬送エラーの発生を示すエラー通知、前記搬送エラーの発生時刻を示す時刻データ、前記搬送エラーの発生時のレシピ内容および前記搬送エラーの発生時の基板処理装置の状態を示すモニタデータ、を含むエラー情報を生成する手順と、
前記搬送エラーの発生時の前記画像データを含む前記ファイルを前記搬送エラーの発生時の前記搬送手段の位置及び速度を含む数値データとともに前記エラー情報に関連付ける手順と、
予め前記記憶部に保存しておいた正常時の画像データ及び数値データと、前記搬送エラーの発生時の前記画像データ及び前記数値データとを比較してこれらのデータの相違点を抽出した比較データを生成し、前記比較データを前記エラー情報に関連付ける手順と、
前記エラー情報を操作画面に表示する手順と、を前記コンピュータに実行させる
プログラムである。
【0199】
本発明のさらに他の態様は、
第1制御手段と第2制御手段とを備えるコンピュータに、
前記第1制御手段により搬送手段を制御して基板を搬送する手順と、
前記第1制御手段により処理手段を制御して前記基板を処理する手順と、
記録手段により前記搬送手段による前記基板の搬送動作を画像データとして記録しつつ、前記記録手段で記録した前記画像データを第2制御手段により蓄積部に蓄積する手順と、を実行させ、
検出手段により前記搬送手段による前記基板の搬送時に搬送エラーが検出されると、前記第1制御手段により、前記搬送手段または前記処理手段から前記基板の状態を示す情報を取得し、前記搬送手段を停止して前記搬送手段が前記搬送エラーにより停止した旨を前記第2制御手段に通知する手順と、
前記第2制御手段により、前記搬送エラーの発生時を含む所定時間分の前記画像データを前記蓄積部から読み出してファイルに変換する手順と、を実行させるプログラムを記録した
コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0200】
本発明のさらに他の態様は、
搬送手段により基板を搬送する手順と、
処理手段により前記基板を処理する手順と、
記録手段により前記搬送手段による前記基板の搬送動作を画像データとして記録する手順と、
前記搬送手段による前記基板の搬送履歴情報と前記処理手段による基板処理の状況を表わす生産情報とを含む基板処理結果情報のうち前記搬送履歴情報を第1格納部に保存する手順と、
前記基板処理結果情報のうち前記生産情報を第2格納部に保存する手順と、
操作部により各種の画面を表示する手順と、を前記基板の状態を示す情報と関連させてコンピュータに実行させ、
前記各種の画面を表示する手順では前記コンピュータに、
前記搬送履歴情報を表示する画面が選択されると前記記録手段が記録した前記画像データを前記搬送履歴情報と共に前記操作部に表示する手順を実行させ、
前記生産情報を表示する画面が選択されると前記記録手段が記録した前記画像データを前記生産情報と共に前記操作部に表示する手順を実行させるプログラムを記録した
コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【0201】
本発明のさらに他の態様は、
搬送手段により基板を搬送する手順と、
記録手段により前記搬送手段による前記基板の搬送動作を画像データとして記録しつつ、前記記録手段で記録した前記画像データを所定期間又は所定のイベント間の期間で区切ってファイルに変換し、記憶部に保存する手順と、をコンピュータに実行させ、
検出手段により前記搬送手段による前記基板の搬送時に搬送エラーが検出されると、
前記搬送エラーの発生を示すエラー通知、前記搬送エラーの発生時刻を示す時刻データ
、前記搬送エラーの発生時のレシピ内容および前記搬送エラーの発生時の基板処理装置の状態を示すモニタデータ、を含むエラー情報を生成する手順と、
前記搬送エラーの発生時の前記画像データを含む前記ファイルを前記搬送エラーの発生時の前記搬送手段の位置及び速度を含む数値データとともに前記エラー情報に関連付ける手順と、
予め前記記憶部に保存しておいた正常時の画像データ及び数値データと、前記搬送エラーの発生時の前記画像データ及び前記数値データとを比較してこれらのデータの相違点を抽出した比較データを生成し、前記比較データを前記エラー情報に関連付ける手順と、
前記エラー情報を操作画面に表示する手順と、を前記コンピュータに実行させるプログラムに実行させるプログラムを記録した
コンピュータ読み取り可能な記録媒体である。
【符号の説明】
【0202】
90 統括制御コントローラ(第1制御手段)
93 画像制御コントローラ(第2制御手段)
93r RAM(蓄積部)
AR 大気ロボット(搬送手段)
CL,CT カメラ(記録手段)
PM1〜PM4 プロセスチャンバ(処理室)
SL1,SL2,ST1〜ST2 ウエハ有無センサ(検出手段)
VR 真空ロボット(搬送手段)
W ウエハ(基板)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板を搬送する搬送手段と、
前記基板を処理する処理手段と、
前記搬送手段による前記基板の搬送時に発生する搬送エラーを検出する検出手段と、
前記検出手段により前記搬送エラーが検出されると前記搬送手段を停止する第1制御手段と、
前記搬送手段による前記基板の搬送動作を画像データとして記録する記録手段と、
前記記録手段で記録した前記画像データを蓄積部に蓄積する第2制御手段と、を備え、
前記第1制御手段は、
前記搬送手段または前記処理手段から前記基板の状態を示す情報を取得し、
前記搬送手段が前記搬送エラーにより停止した旨を前記第2制御手段に通知し、
前記第2制御手段は、
前記搬送エラーの発生時を含む所定時間分の前記画像データを前記蓄積部から読み出してファイルに変換するように構成される
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
基板を搬送する搬送手段と、
前記基板を処理する処理手段と、
前記搬送手段による前記基板の搬送動作を画像データとして記録する記録手段と、
各種の画面を表示する操作部と、
前記基板の状態を示す情報と関連させて、前記搬送手段、前記処理手段、前記記録手段および前記操作部を制御する制御手段と、を備え、
前記制御手段は、
前記搬送手段による前記基板の搬送履歴情報と前記処理手段による基板処理の状況を表わす生産情報とを含む基板処理結果情報のうち前記搬送履歴情報が保存される第1格納部および前記基板処理結果情報のうち前記生産情報が保存される第2格納部を有し、
前記搬送履歴情報を表示する画面が選択されると前記記録手段が記録した前記画像データを前記搬送履歴情報と共に前記操作部に表示させ、前記生産情報を表示する画面が選択されると前記記録手段が記録した前記画像データを前記生産情報と共に前記操作部に表示させる
ことを特徴とする基板処理装置。
【請求項3】
基板を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段による前記基板の搬送時に発生する搬送エラーを検出する検出手段と、
前記搬送手段による前記基板の搬送を制御する搬送制御手段と、
前記搬送手段による前記基板の搬送動作を画像データとして記録する記録手段と、
前記記録手段で記録した前記画像データを所定期間又は所定のイベント間の期間で区切ってファイルに変換し、記憶部に保存する主制御手段と、を備え、
前記主制御手段は、
前記搬送エラーの発生を示すエラー通知、前記搬送エラーの発生時刻を示す時刻データ、前記搬送エラーの発生時のレシピ内容および前記搬送エラーの発生時の前記基板処理装置の状態を示すモニタデータ、を含むエラー情報を生成し、
前記搬送エラーの発生時の前記画像データを含む前記ファイルを前記搬送エラーの発生時の前記搬送手段の位置及び速度を含む数値データとともに前記エラー情報に関連付け、
予め前記記憶部に保存しておいた正常時の画像データ及び数値データと、前記搬送エラーの発生時の前記画像データ及び前記数値データとを比較してこれらのデータの相違点を抽出した比較データを生成し、前記比較データを前記エラー情報に関連付け、
前記主制御手段が有する操作画面に前記エラー情報を表示するように構成される
ことを特徴とする基板処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2013−30747(P2013−30747A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−86743(P2012−86743)
【出願日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】