説明

基油物性エキスパートシステム

潤滑油基油ブレンドの物性を予測するための方法は少なくとも2つの潤滑油基油のブレンドの試料のNMRスペクトル、HPLC−UVスペクトル、及びFIMSスペクトルを生成するステップと前記スペクトルから試料の少なくとも1つの複合構造分子パラメータを決定するステップとを含む。次いで、試料のSIMDIST及びHPO分析を行って、そのような分析から試料の複合沸点分布及び分子量を決定する。複合構造分子パラメータ、複合沸点分布、及び複合分子量との相関を求めるように学習した学習ニューラルネットワークに、複合構造分子パラメータ、複合沸点分布、及び複合分子量を適用し、それにより試料の複合物性を予測する。これらの物性は、40Cでの動粘度、100Cでの動粘度、粘度指数、曇り点、及び酸化性能を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
著作権表示及び許可
本特許文献は、著作権保護の対象となる資料を含む。
【0002】
(c)Copyright 2007.Chevron U.S.A.Inc.All rights reserved.
【0003】
著作権保護の対象となる本資料に関する。所有者である、Chevron U.S.A.,Inc.は、いかなる国のものであろうと特許商標庁特許ファイル又は記録に記載されている限り、何者による特許情報開示の複製に対しても異存はないが、そうでない場合には何であれすべての権利を留保する。
【0004】
発明の分野
本発明は、基油の物性を予測するためのコンピュータベースのエキスパートシステムに関する。
【0005】
発明の背景
現在、潤滑油業界では、基油物性の予測を可能にする、より具体的には、特定の物性をもつ基原料油及び基潤滑油を生成することを可能にする改善された方法が求められている。現在、基油物性の予測を可能にする使用可能な方法はない。基油は、現在、ASTM、API、及びDIN規格の方法によって特徴づけられている。これらの方法は、時間を食い、また大量の試料を必要とする。NMR分光法から得られる構造情報から基油物性を予測する努力が続けられている。例えば、Sheaら(1)は、この目的のためにNMR分光法及びニューラルネットワークを使用している。B.K.Sharmaら(2)は、潤滑油基油の圧力粘性率とNMR分光法から得られた構造パラメータとの相関を求めた。Gattoら(3)は、水素化分解基油及びポリアルファオレフィンの物理的特性及びアンチオキシダント応答と質量分析法によって決定された化学組成との相関を求めた。しかし、これらの研究の大半は、特定の試料群又は特定の分析技術に制限されている。基油モデルの予測機能を改善するために、NMRのほかに、さまざまな分析技術を使用する知識は報告されていない。さらに重要なのは、特定の物性を有する基油及び潤滑油の生成を可能にする使用可能な方法がないことである。
【0006】
Base Oil Predictorは、好ましくは、ユーザフレンドリなインターフェースを有する。メニューから、米国ブレンディングユニットで利用可能な、例えば、約40の基油から最大、例えば、4つまでの基油を選択することが可能である。1回クリックすれば、VI、Vis40、Vis100、OxBN、流動点、曇り点、及びノアク揮発度を含むブレンドの基油物性を予測することが可能である。好ましい態様では、これは、より多くの基油を組み込む。
【0007】
知られている物性を有するブレンドのモデルを試験し、組成が知られている2つ、3つ、及び4つの基油のブレンドを調製し、上記試験並びにNMR分析のためにそのブレンドを提出するという形で試験が行われる。
【0008】
文献中に報告されているさまざまな研究(1〜3)では、基油のバルク特性の大半は、基油中の炭化水素型分布の結果として生じることが認識されている。この60年の間に、NMR分光法は、炭化水素の構造決定のための主要な分析ツールの1つとなった。炭化水素の特徴づけに使用される他の技術は、MS及びHPLCである。本発明では、基油の構造パラメータは、NMR、HPLC−UV、及びFIMSなどの分析技術によって決定される。基油は、SIMDIST及びVPOを使用してさらに特徴づけられ、これにより、沸点分布及び分子量がそれぞれ得られる。次いで、これらの構造パラメータは、初期基油群の実験により観察された物理的特性と突き合わせてモデル化される。このようなモデルを開発するために、人工ニューラルネットワークが使用される。モデル化することが可能な物性は多数あり、例えば、限定はしないが、40℃での動粘度、100℃での動粘度、粘度指数、流動点、曇り点、酸化性能などが挙げられる。初期研究の一部として、われわれは、グループI、II、及びIIIから20の基油試料を選択した。NMR分光法による特徴づけでは、それぞれの基油は、13C NMR定量分析法を使用して特徴づけられる。スペクトルが得られた後、複数の領域にわたって積分を記録し、これにより、さまざまな種類の炭素を区別する。これらの試料はすべて、上述の分析技術を使用して特徴づけられており、またこれらの技術を使用して決定された構造パラメータが表1にまとめられている。これらの構造パラメータを、Ward System Group社のソフトウェア、NeuroShell predictor Release 2.2を使用してモデル化する。モデルはすべて、誤差逆伝播アルゴリズムを使用して構築した。物性毎に、別の異なるモデルが構築される。モデルを作成した後に、相関係数を求める。粘度指数、40℃での動粘度、100℃での動粘度、流動点、及び酸化性能に対する予想値と推定値の比較結果を、それぞれ、表2、3、4、及び5にまとめた。さまざまなモデルについて得られた相関係数は、さまざまな分析技術から導き出された構造的特徴が基油のさまざまな物理的特性を正確にモデル化していることを示唆している。この技術は、1)望ましい性能と一致する望ましい基油ブレンドを予測する、2)基油の変更の処理において合理化する、3)性能を改善するために合成標的分子を識別する、4)実験室試験の回数を減らす、及び5)重要な属性を最大化するため新しい触媒を設計する際に役立つ。モデルをさらに改善し、より多様な物性を有する基油を含めるための研究がさらに進行中である。
【0009】
発明の概要
本発明は、潤滑油製品の認定試験をシミュレートし、最適化する方法を含み、この方法は以下のステップを含む。すなわち、潤滑油基油ブレンドの物性を予測するための方法であって、少なくとも2つの潤滑油基油のブレンドの試料のNMRスペクトル、HPLC−UVスペクトル、及びFIMSスペクトルを生成するステップと、前記スペクトルから試料の少なくとも1つの複合構造分子パラメータを決定するステップとを含む。次いで、試料のSIMDIST及びHPO分析を行って、そのような分析から試料の複合沸点分布及び分子量を決定する。複合構造分子パラメータ、複合沸点分布、及び複合分子量との相関を求めるように学習した学習ニューラルネットワークに、複合構造分子パラメータ、複合沸点分布、及び複合分子量を適用し、それにより試料の複合物性を予測する。これらの物性は、40Cでの動粘度、100Cでの動粘度、粘度指数、曇り点、及び酸化性能を含む。
【0010】
本発明のこれら及び他の特徴並びにこれら及び他の利点は、本発明の好ましい一態様の以下の詳細な説明を考察することでより明らかになる。この説明の過程において、付属の図面を頻繁に参照する。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】根拠となる証拠について示す図である。
【図2】粘度指数の実際の値と予測値について示す図である。
【図3】40℃での動粘度の実際の値と予測値について示す図である。
【図4】100℃での動粘度の実際の値と予測値について示す図である。
【図5】流動点の実際の値と予測値について示す図である。
【図6】酸化安定性の実際の値と予測値について示す図である。
【図7】NMRによるブレンドの構造パラメータについて示す図である。
【図8】流動点の予測について示す図である。
【図9】基油物性の予測に対する統計モデル作成について示す図である。
【図10】プロジェクト価値評価について示す図である。
【図11】NMR分光法及びニューラルネットワークを使用した基油物性のモデリングについて示す図である。
【図12】入力パラメータについて示す図である。
【図13】モデル基油について示す図である。
【図14】モデル2006Cにより予測された基油物性について示す図である。
【図15】未知の基油及びブレンドの物性の予測について示す図である。
【図16】モデル2006Nに使用される基油について示す図である。
【図17】NMRによるブレンドの構造パラメータについて示す図である。
【図18】モデル2006Nにより推定された基油物性について示す図である。
【図19】粘度指数について示す図である。
【図20】40℃での粘度について示す図である。
【図21】100℃での粘度について示す図である。
【図22】流動点について示す図である。
【図23】曇り点について示す図である。
【図24】酸化BNについて示す図である。
【0012】
図面と好ましい態様の詳細な説明
文献中に報告されているさまざまな研究(1〜3)では、基油のバルク特性の大半は、基油中の炭化水素型分布の結果として生じることが認識されている。この60年の間に、NMR分光法は、炭化水素の構造決定のための主要な分析ツールの1つとなった。炭化水素の特徴づけに使用される他の技術は、MS及びHPLCである。本発明では、基油の構造パラメータは、NMR、HPLC−UV、及びFIMSなどの分析技術によって決定される。
基油は、SIMDIST及びVPOを使用してさらに特徴づけられ、これにより、沸点分布及び分子量がそれぞれ得られる。次いで、これらの構造パラメータは、初期基油群の実験により観察された物理的特性と突き合わせてモデル化される。このようなモデルを開発するために、人工ニューラルネットワークが使用される。モデル化することが可能な物性は多数あり、例えば、限定はしないが、40℃での動粘度、100℃での動粘度、粘度指数、流動点、曇り点、酸化性能などが挙げられる。
【0013】
初期研究の一部として、本発明者らは、グループI、II、及びIIIから20の基油試料を選択した。NMR分光法による特徴づけでは、それぞれの基油は、13C NMR定量分析法を使用して特徴づけられる。スペクトルが得られた後、複数の領域にわたって積分を記録し、これにより、さまざまな種類の炭素を区別する。これらの試料はすべて、上述の分析技術を使用して特徴づけられており、またこれらの技術を使用して決定された構造パラメータが表1にまとめられている。これらの構造パラメータを、Ward System Group社のソフトウェア、NeuroShell predictor Release 2.2を使用してモデル化する。モデルはすべて、誤差逆伝播アルゴリズムを使用して構築した。物性毎に、別の異なるモデルが構築される。
【0014】
モデルを作成した後に、相関係数を求める。粘度指数、40℃での動粘度、100℃での動粘度、流動点、及び酸化性能に対する予想値と推定値の比較結果を、それぞれ、表2、3、4、及び5にまとめた。さまざまなモデルについて得られた相関係数は、さまざまな分析技術から導き出された構造的特徴が基油のさまざまな物理的特性を正確にモデル化していることを示唆している。この技術は、1)望ましい性能と一致する望ましい基油ブレンドを予測する、2)基油の変更の処理において合理化する、3)性能を改善するために合成標的分子を識別する、4)実験室試験の回数を減らす、及び5)重要な属性を最大化するため新しい触媒を設計する際に役立つ。モデルをさらに改善し、より多様な物性を有する基油を含めるための研究がさらに進行中である。
【0015】
A.序論
以下の説明及び図は、本発明を実施できる適当なコンピューティング環境の概要をまとめたものである。本発明は、汎用コンピュータ、インターネット、及びウェブアプリケーションと連携してオペレーティングシステム上で稼動するシステム及びアプリケーションプログラム、並びに電子メールサーバ及びクライアントを使用する一般的状況において説明されうるが、当業者であれば、本発明は、他のプログラムモジュールと組み合わせて実施することもできることを理解するであろう。一般に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、又は特定の抽象データ型を実装するルーチン、プログラム、コンポーネント、データ構造などを含む。さらに、当業者であれば、本発明は、ハンドヘルドデバイス、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベースの又はプログラム可能な家電製品、ミニコンピュータ/サーバ、ワークステーション、メインフレームコンピュータ、及び同様のものを含む、他のコンピュータシステム構成を使用して実施できることを理解するであろう。
【0016】
また、本発明は、通信ネットワークを通じてリンクされているリモート処理デバイスによりタスクが実行される分散コンピューティング環境で実施することもできる。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、ローカル及びリモートの両方のメモリ記憶装置デバイス内に配置されうる。
【0017】
次いで、本発明は、一般に、シミュレーションシステムに関する。本発明のプロセスのいくつかの側面は、本明細書のシステム及びその変更形態を全部又は一部使用する一連のプロセスステップである。当業者には明らかであろうが、プロセスステップは、クライアント及びサーバなどの従来のプログラムされたデジタルコンピュータ上で動作するコンピュータプログラム用のコードとして一部実施されうる。プログラムコードは、コンピュータ可読記憶媒体上に格納されているコンピュータプログラムとして、又はネットワーク経由で伝送される搬送波に含まれるコンピュータデータ信号として実施されうる。
【0018】
B.発明の利点を示す実例
このシステムは、関係する以下の問題を解決するのに役立つ。
【0019】
C.実装環境の実例
実装環境の実例としては、すべてのJava(登録商標)ソフトウェアコンポーネントをサポートするJava(登録商標)仮想マシン(例えば、JDK1.3)が挙げられる。すべてのシステムコンポーネントは、外部ライブラリ以外は、すべてJava(登録商標)で適宜書かれる。ウェブサーバ(例えば、Apache)が、システム擬似コンポーネントGUI内のJSPページによって生成されるhttpコードを解釈する。サーブレットエンジン(例えば、Resin又はTomcat)が、システム擬似コンポーネントGUIのJava(登録商標)Server Pagesを実行する。データベース(例えば、ORACLE)が、システム内で使用されるすべての永続性データを処理する。
【0020】
システム内のDATAへの実際のアクセスは、固有のコンポーネント(DAT)によって処理され、このアクセスは、JDBC APIを使用することで可能になる。ニューラルネットワーク用のSTORM(商標)(ソフトウェアベンダのElseware社)及びベイジアンネットワーク用のHUGIN(商標)(ソフトウェアベンダのHUGIN社)及び実施基準ルールエンジンとしてのBlaze Advisor(商標)(ソフトウェアベンダのFair Isaac社)などのサードパーティ製ソフトウェアコンポーネント又はライブラリがある。例えば、Informaticaブランドのソフトウェアとともに組み込まれている外部Extract/Transform/Load(「ETL」)プロシージャは、過去の物理的認定試験データベース及び他のソースから抽出され、変換されたデータをシステムデータベースに入力する作業を受け持つ。ETLツールは、1つ又は複数のソースDBからデータを抽出し、そのデータを変換し、それをターゲットDBにロードするために使用される。
【0021】
D.アルゴリズム
好適なアルゴリズムとして、ベイジアンネットワークとニューラルネットワークが挙げられる。それぞれの詳細については、当技術分野の刊行物を参照されたい。
【0022】
E.システムアーキテクチャの概要
システムの機能アーキテクチャの概要を以下の図(picture)に示す。システムは、データ表現(データ縮退とも言う)、モデル構築、モデル実行、順守評価、及びシミュレーションの5つの主要機能コンポーネントを含む。これらのコンポーネントは、システムの実装方法に応じて1つのソフトウェアモジュールに必ずしも対応するわけではない。例えば、データ縮退機能は、システム内の複数のソフトウェアモジュールにおいて適宜使用されうる。この分解は、潜在的な実装の詳細に立ち入ることなく、システムの動作の仕方を理解するのに最も適切なものである。
【0023】
F.ユーザ視点
【0024】
G.データ表現
【0025】
H.モデル構築
【0026】
I.ユーザ入力及びモデル実行
【0027】
J.順守評価
【0028】
K.プログラムシミュレーション
【0029】
L.図の詳細な説明
次に、本発明及び本発明の例示的な実装について、図を参照しつつ説明することにする。図1は、一態様における、本発明のシステム概略図を示している。からの入力。
【0030】
システムの最終出力は含む。
【0031】
本発明は、従来のどのようなコンピュータプラットフォーム上でも動作するように構築することができるが、好ましくは、本発明が含まれるアプリケーションサーバが備えられているインターネット又は社内イントラネットに接続されているウェブブラウザを有する認定ユーザによってアクセス可能なウェブベースのアプリケーションである。
【0032】
本発明は、従来のソフトウェア工学手法を使用して構築することができる。本発明の潜在的ユーザは、1つのソフトウェア内から本発明のシステムを利用することになる。
【0033】
図3は、一態様における、本発明の一実装例に対する各層を表すシステム概略図を示している。これらの層は、クライアント層300、プレゼンテーションサーバ層310、アプリケーションサーバ層330、データサーバ層370、及び生産データサーバ層380である。クライアント層300は、ユーザインターフェース、好ましくはグラフィカルユーザインターフェース(「GUI」)、適宜ウェブブラウザを備えるナビゲータ305を具備する。プレゼンテーションサーバ層310は、ナビゲータ305に動作可能なように接続されているGUI(適宜Java(登録商標)Server Pages)315を備え、GUI(適宜駆動されるJava(登録商標)Server Pages)315はシステムQUI(適宜Java(登録商標)Package)320に動作可能なように接続され、また報告機能(適宜Java(登録商標)コンポーネント)325に動作可能なように接続される。
【0034】
アプリケーションサーバ層330は、モデルビルダ(適宜Java(登録商標)Component)335を備え、これは、ベイジアンネットワークソフトウェア(例えば、Huginブランド)(適宜外部Java(登録商標)API)340、ニューラルネットワークソフトウェア(例えば、Stormブランド)(適宜外部Java(登録商標)API)、及びデータ管理(適宜Java(登録商標)コンポーネント)350のうちのそれぞれに動作可能なように接続されている。データ管理350は、両方のSystem Foundation Package(適宜Java(登録商標)Package)355に動作可能なように接続されている。
【0035】
本明細書で使用されているようなディレクトリという用語は、例としてのみ用いられており、データ、ファイル、又はレコードを編成するために利用可能なプログラミング構文又は他の方法を示すことを意図されている。より高水準のディレクトリとしては、共通ワークスペースオブジェクト405及びユーザワークスペースオブジェクト410がある。それぞれのワークスペースの下に、オイルオブジェクト415、コンポーネントオブジェクト420、プログラムオブジェクト425、及びバリアントオブジェクト430がある。プログラムオブジェクト425の下に、戦略オブジェクト435がある。「システム起動時に共通オブジェクトをロードする」モジュール445及び「要求に応じてオブジェクトを保存する」モジュール440は、それぞれのモジュールの名前によって示される機能を備えている。
【0036】
図5は、一態様における、本発明の一実装例に対するユーザインターフェースコンポーネントのより詳細なシステム概略図を示している。図5は、図1、3、又は4に示されているモジュールと同じものを示しており、それに加えて、さまざまなユーザとシステムとの間のインターフェースポイントを示している。異なるユーザの役割もリストされている。データアドミニストレータ505の役割は、「データベースを保守する」及び「実施基準を維持する」を含む。データアドミニストレータ505は、ETLプロシージャモジュール385を介してシステムとインターフェースする。
【0037】
図6は、一態様における、本発明の一実装例に対するデータの論理的ビューを含むプロセスフロー概略図を示している。
【0038】
図9は、一般的な戦略実行に関するプロセスの論理フローを示す。
【0039】
図10は、個別のライン処理に対するプロセスの論理フローを示す。
【0040】
M.他の実装詳細
1.用語
本明細書に含まれる詳細な説明は、一部は、従来のコンピュータ及び/又は有線若しくは無線ネットワークによるプロセス、及びオペレーションの記号的表現に関して記載されている。コンピュータによって実行されるプロセス及びオペレーションは、プロセッサによる信号の操作、並びにメモリ記憶装置デバイス内の1つ又は複数の媒体に格納されるデータパケット及びデータ構造体内でのこれらの信号の保持を含む。一般に、「データ構造体」とは、データ又はオブジェクトに適用される組織的仕組みであり、データ構造体の編成された部分と部分との間に特定の関係が確立されるようにそのデータ又はデータのモジュールに対し特定のオペレーションを実行できる。
【0041】
「データパケット」は、一方のデバイス又はプログラムモジュールから他方のデバイス又はプログラムモジュールに伝送される一単位の情報として総称的に定義される、1つ又は複数の関連するフィールドを有するタイプのデータ構造体である。したがって、オペレーションの記号的表現は、教示及び発見を最も効果的に他の当業者に伝えるためにコンピュータプログラミング及びコンピュータ構築の当業者によって使用される手段である。
【0042】
この説明の目的として、プロセスは、一般に、望ましい結果を得るためのコンピュータによって実行される一連のステップと考えられる。これらのステップは、一般的に、物理量の物理的操作を必要とする。通常、必ずというわけではないけれども、これらの量は、格納、転送、組合せ、比較、及び他の何らかの形の操作が可能な電気的、磁気的、又は光学的信号の形態をとる。これらの信号の表現を、ビット、バイト、ワード、情報、データ、パケット、ノード、数値、ポイント、エントリ、オブジェクト、イメージ、ファイル、又は同様のものとして参照することは当業者にとって慣例的なことである。しかし、これらの用語及び類似の用語は、コンピュータのオペレーションに適した物理量に関連付けられ、これらの用語は、コンピュータ内に存在し、コンピュータの動作中に存在する物理量に付けられる単に従来のラベルにすぎないことを念頭におくべきである。
【0043】
コンピュータ内での操作は、多くの場合、人間のオペレータによって実行される手動オペレーションに多くの場合関連付けられる、発行する、送信する、変更する、追加する、ディセーブルする、決定する、比較する、報告する、及び同様の用語で表されることは理解されるであろう。本明細書で説明されているオペレーションは、コンピュータと対話する人間のオペレータ又はユーザによってもたらされるさまざまな入力とともに実行される機械的オペレーションである。
【0044】
2.ハードウェア
本明細書で説明されているプログラム、プロセス、方法などは、特定のコンピュータ又は装置に関係することも制限されることもなく、また説明されている以外の特定の通信アーキテクチャに関係することも制限されることもないことは理解されるであろう。むしろ、さまざまなタイプの汎用機械、センサ、送信機、受信機、トランシーバ、及びネットワーク物理層を、任意のプログラムモジュール及び本明細書で説明されている教示に従って構築される本発明の他の側面とともに使用することができる。同様に、ハードワイヤードの論理回路又は読み取り専用メモリなどの不揮発性メモリ内に格納されているプログラムを用いて、特定のネットワークアーキテクチャの専用コンピュータシステムによって、本明細書で説明されている方法ステップを実行するための専用装置を構築すると有利であることが実証されうる。
【0045】
3.プログラム
本発明のステップが機械実行可能命令で実施される好ましい態様において、それらの命令は、命令を用いてプログラムされている汎用又は専用プロセッサに本発明のステップを実行させるために使用されうる。代替として、本発明のステップは、これらのステップを実行するためのハードワイヤードの論理回路を含む特定のハードウェアコンポーネントにより、又はプログラムされたコンピュータコンポーネントとカスタムハードウェアコンポーネントとの任意の組合せによって、実行することも可能であろう。
【0046】
前記のシステムは、都合のよいことに、本明細書の図及び説明に基づくプログラム又はプログラムモジュール(単数又は複数)で実装することができる。上述のさまざまなプロシージャを実行するために特定のプログラミング言語が必要とされていないが、それは、上述の、また付属の図面に示されているオペレーション、ステップ、及びプロシージャが、当業者が本発明を実施できるように十分に開示されていると考えられるからである。
【0047】
さらに、本発明を実施する際に使用できるコンピュータ、コンピュータ言語、及びオペレーティングシステムは数多くあり、そのため、それら多くの異なるシステムのすべてに適用可能な詳細なコンピュータプログラムを提示することは不可能である。特定のコンピュータのそれぞれのユーザが、そのユーザのニーズと目的に対し最も役立つ言語及びツールを知っている。
【0048】
そこで、本発明は、本明細書の説明を理解したうえで実験を過度に行うことなく当業者のプログラマによって実装されうる。
【0049】
4.製品
本発明は、本発明に従ってプロセスを実行するようにコンピュータ(又は他の電子デバイス)をプログラムするために使用されうる命令を格納している機械可読媒体を備えることができるハードウェア及びコンピュータプログラム製品を含む。機械可読媒体としては、限定はしないが、フロッピ(登録商標)ディスケット、光ディスク、CD−ROM、及び光磁気ディスク、ROM、RAM、EPROM、EEPROM、磁気若しくは光カード、又は電子的命令を格納するのに適している他のタイプの媒体/機械可読媒体が挙げられる。さらに、本発明のソフトウェア部分は、コンピュータプログラム製品としてダウンロードすることもでき、この場合、プログラムは、通信リンク(例えば、モデム若しくはネットワーク接続)を介して搬送波若しくは他の伝搬媒体内に実施されたデータ信号を用いてリモート側コンピュータ(例えば、サーバ)から要求側コンピュータ(例えば、クライアント)に転送することができる。
【0050】
5.コンポーネント
本発明のシステム及び方法の主要コンポーネント(これと交換可能な用語として、側面、サブシステム、モジュール、機能、サービスとも称される)並びにこれらによってもたらされる利点の例は、本明細書において図を参照しつつ説明されている。プロセス/手段ブロックを含む図では、それぞれのブロックは、別々に又は組み合わせて、代替としてコンピュータによって実施されるブロック、コンピュータ援用のブロック、及び/又は人間によって実施されるブロックである。コンピュータ実装は、プロセッサ、メモリ、記憶装置、入力デバイス、出力デバイス、及び/又は従来のネットワーキングデバイス、プロトコル、及び/又は従来のクライアントサーバのハードウェアとソフトウェアを有する1つ又は複数の従来の汎用コンピュータを適宜含む。任意のブロック又はブロックの組合せが、コンピュータによって実施されるものである場合、従来の手段によって適宜実装され、これにより、コンピュータ実装の分野の当業者であれば、従来のアルゴリズム、コンポーネント、及びデバイスを使用して、本明細書で提示されている本発明の要件及び設計を実装することが可能である。しかし、本発明は、新しい、従来にない、実装手段をも含む。
【0051】
6.ウェブデザイン
システムのウェブサイトの側面/実装は、経験豊かなウェブサイト開発者には公知の従来のウェブサイト開発の際の考慮事項を含む。このような考慮事項としては、コンテンツ、コンテンツ消去、コンテンツのプレゼンテーション、アーキテクチャ、データベースのリンク、外部ウェブサイトのリンク、ページ数、全体的なサイズ及び記憶容量要件、保守性、アクセス速度、グラフィックスの使用、ヒットしやすくするためのメタタグの選択、プライバシーの考慮、免責が挙げられる。
【0052】
7.その他の実装
本発明の他の態様及びその個別コンポーネントは、前記の詳細な説明から、当業者にとって直ちに明らかになるものである。理解されるように、本発明は、他の、及び異なる態様を実現することができ、またその複数の詳細は、さまざまな明らかな点において改変を行うことを可能にするものであり、すべて本発明の精神及び範囲から逸脱することはない。したがって、図面及び詳細な説明は、事実上例示的であるとみなすべきであり、制限するものとみなすべきでない。したがって、添付の特許請求の範囲によって示されている場合を除き、本発明は限定されることを意図されていない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記ステップを含む、潤滑油基油ブレンドの物性を予測するための方法:
a.少なくとも2つの潤滑油基油のブレンドの試料の、NMRスペクトル、HPLC−UVスペクトル、及びFIMSスペクトルを生成するステップ、
b.前記スペクトルから前記試料の少なくとも1つの複合構造分子パラメータを決定するステップ、
c.前記試料のSIMDIST及びHPO分析を行うステップ、
d.そのような分析から前記試料の複合沸点分布及び分子量を決定するステップ、
e.前記少なくとも1つの複合構造分子パラメータ、前記複合沸点分布、及び前記複合分子量との相関を求めるように学習した学習ニューラルネットワークに、前記少なくとも1つの複合構造分子パラメータ、前記複合沸点分布及び前記複合分子量を適用し、それにより前記試料の複合物性を予測するステップであって、前記物性が40Cでの動粘度、100Cでの動粘度、粘度指数、曇り点、及び酸化性能を含むステップ。
【請求項2】
ニューラルネットワークを与え、該ニューラルネットワークの学習を行って、学習ニューラルネットワークを与えるステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
学習を行うステップが下記のステップを含む請求項2に記載の方法:
a.潤滑油基油試料群を採取するステップ、
b.前記炭化水素試料群についてNMR、HPLC−UV、及びFIMSスペクトル並びにSMIDIST及びVPOデータを生成するステップ、
c.公知の物性を付与するために前記潤滑油基油試料群の40Cでの動粘度、100Cでの動粘度、粘度指数、曇り点、及び酸化性能を含む、望ましい物性を測定するステップ、
d.前記潤滑油基油試料のうちのそれぞれの試料の少なくとも1つの構造分子パラメータ、沸点分布及び分子量を決定するステップ、
e.公知の潤滑油基油物性のそれぞれについて、前記潤滑油基油試料群に対する少なくとも1つの構造分子パラメータ、沸点分布及び分子量及び公知の物性のマトリックスを作製し、それによってそれぞれの潤滑油基油物性に対するモデルを構成するステップ、
f.前記少なくとも1つの構造分子パラメータ、沸点分布及び分子量並びにそれぞれの潤滑油基油物性マトリックスでニューラルネットワークの学習を行って、前記少なくとも1つの構造分子パラメータ、沸点分布及び分子量入力並びに潤滑油基油物性出力の間の相関を求め、前記学習ニューラルネットワークを与えるステップ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公表番号】特表2011−508217(P2011−508217A)
【公表日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−539735(P2010−539735)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【国際出願番号】PCT/US2008/087180
【国際公開番号】WO2009/085834
【国際公開日】平成21年7月9日(2009.7.9)
【出願人】(503148834)シェブロン ユー.エス.エー. インコーポレイテッド (258)